JPH09118080A - 感熱転写記録材 - Google Patents

感熱転写記録材

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JPH09118080A
JPH09118080A JP8221191A JP22119196A JPH09118080A JP H09118080 A JPH09118080 A JP H09118080A JP 8221191 A JP8221191 A JP 8221191A JP 22119196 A JP22119196 A JP 22119196A JP H09118080 A JPH09118080 A JP H09118080A
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JP
Japan
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film
heat
recording material
less
transfer recording
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JP8221191A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Chikugi
稔博 筑木
Nobuaki Ito
伸明 伊藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高精細な印刷品位を有し、多数回印刷に好適な
感熱転写記録材を得る。 【解決手段】有機高分子体からなる基材の片面に感熱転
写層を有する感熱転写記録材において、該基材は20
℃、60%RHにおける長手方向のヤング率をEMD、幅
方向のヤング率をETDとしたとき下式をみたし、 EMD≧ETD×1.1 ETD≧600kg/mm 2 かつ、該基材の幅方向の200℃、10分間の熱収縮率
を2.0%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マルチユースに好
適で、印刷品位に優れた感熱転写記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、感熱転写記録材に用いられる基材
としては、ポリエステル、ポリプロピレン、セロファ
ン、アセテート、ポリカーボネート、紙類等が使用され
ており、中でもポリエステルフィルム、特にポリエチレ
ンテレフタレート(以下PETと略す)が広く使用され
てきた。
【0003】近年、当該材料においてもヘッドからのエ
ネルギー伝達効率を高める等の手段に代表される高精細
な印刷品位へのニーズやマルチユースに対応した感熱転
写層の厚み増大に基づいた基材の薄膜化の要請がなされ
ている。しかし、上記したPETのような基材では耐熱
性や剛性が不十分で張力下に変形を伴うため、基材とし
ても高剛性なものが求められている。かような観点から
基材として、高剛性な芳香族ポリアミドフィルムを用い
ようと言う提案が特開昭60−174694号公報、特
開昭61−237687号公報、特開昭63−1075
88号公報等でなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年環境保護の立場か
らも感熱転写記録材の分野においてマルチユースに対応
した動きが主流となってきた。このマルチユース化技術
としては感熱転写層内部に転写剤の蓄積層を有したり転
写剤層を多層化したりして一回あたりの放出を制限しつ
つ印刷するものであり、いずれにしても転写剤の基材表
面積あたりの搭載量を多くすることが必要になるため総
厚みとして一定値以下とするには基材を薄くしなければ
ならない。
【0005】しかしながら、PETでは剛性上の制約か
ら薄膜化に限界があり、上記したニーズに応えるには必
ずしも充分ではないこと、さらにサーマルヘッド等から
熱エネルギーを付与された時、熱軟化してヘッドに焼き
付くというスティッキング現象を伴うため更にスティッ
キング防止層をヘッドサイドに設ける必要があり、工程
増となって、必ずしも経済的に有利なものではないこと
が判っている。また、耐熱性が不十分で後述するような
高精細化に向かない。
【0006】また、印刷速度の高速化ニーズに答えるた
めにヘッドとしてもエネルギー密度を高める必要があ
り、その結果記録材は高温化する傾向がある。記録方式
には大きく溶融転写型、昇華型にわけられるが印刷品位
の高精細化には後者の方が有利であると言われる。しか
し、昇華型記録方式は一般に高エネルギーを必要とす
る。さらに、中間調表現は高精細化に対する要求の最た
るものであるが、集中加熱転写法や転写剤のリリースの
多値化等の技術は付与エネルギーの量で表現するのであ
り、高エネルギーに耐える素材、つまり耐熱性のあるも
のが求められている。上記芳香族ポリアミドは高剛性、
高耐熱性と言った点で有用ではある。しかしながら、更
なる高精細化の要求は強く、そのためにヘッドからのエ
ネルギー伝達を正確かつ効率的に行うと言う観点から更
に薄ものとする必要がある点、また、記録材への加工時
において生産性を犠牲にしないようにする必要がある点
で、記録材の走行方向の剛性を更に高め、更に熱による
寸法変動を極力低減する必要がある。
【0007】また、カラー化、多数行印刷の要求から記
録材としても広幅化の方向にある。熱収縮は湾曲やしわ
を生じる原因となって、印刷精度、印刷品位を損ねる
が、特に広幅のものはその影響が顕著であり、長手方向
のみならず幅方向においても熱収縮率が低減されている
ことが技術上重要であることが判った。
【0008】本発明は係る観点から鋭意検討を行った結
果到ったものであり、その目的は、長手方向、幅方向の
ヤング率の比、幅方向のヤング率及び高温時における幅
方向の熱収縮率を規制することによってマルチユースに
好適であって、更に印刷品位、加工特性に優れた熱転写
記録材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、有機
高分子体からなる基材の片面に感熱転写層を有する感熱
転写記録材であって、該基材は20℃、60%RHにお
ける長手方向のヤング率をEMD、幅方向のヤング率をE
TDとしたとき下式をみたし、 EMD≧ETD×1.1 ETD≧600kg/mm 2 かつ、該基材の幅方向の200℃、10分間の熱収縮率
が2.0%以下であることを特徴とする感熱転写記録材
であることを要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の基材を構成する有機高分
子体は、各請求項に記載した要件を充たすものであれば
特に制限はない。
【0011】これら基材になりうるものとしては例え
ば、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ
エステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレー
ト、ポリアルキレン樹脂、フッ素樹脂等を挙げることが
できる。中でも高剛性であり、加工性に優れることから
ポリアミド、特に芳香族ポリアミドが好ましい。
【0012】ここで、芳香族ポリアミドとは、下記一般
式(I)および/または一般式(II) 一般式(I)
【化1】 一般式(II)
【化2】 (ここでAr1 、Ar2 及びAr3 は芳香核であり、ま
たR、R’及びR”はハロゲン基、ニトロ基、シアノ
基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜3のアルコ
キシ基、トリアルキルシリル基から選ばれる官能基で、
l,m及びnは0〜4の整数。)で示されるものであ
り、一般式(I)および/または一般式(II)で表され
る繰り返し単位を50モル%以上含むものが好ましく、
70モル%以上からなるものがより好ましい。
【0013】ここで、Ar1 、Ar2 、Ar3 は 例え
ば、一般式(III )
【化3】 などが挙げられ、X、Yは−O−,−CH2 −,−CO
−,−SO2 −、−S−,−C(CH3 2 −等から選
ばれるが、これに限定されるものではない。
【0014】特性面からは上記の芳香環がパラ位で結合
されたものが、全芳香環の50%以上、好ましくは75
%以上を占める重合体が、フィルムの剛性が高く耐熱性
も良好となるため好ましい。
【0015】このパラ結合とは、芳香環における主鎖の
結合方向がパラ位に位置しているかあるいは2つ以上の
芳香環からなる残基において両端の主鎖の方向が同軸あ
るいは平行であることを意味する。このような芳香環の
例としては一般式(IV)のものを例示できる。
【0016】一般式(IV)
【化4】
【0017】また、該芳香族ポリアミドは、一般式
(I)および/または一般式(II)で表される繰り返し
単位を50モル%以上含むものであって、50モル%未
満は本発明を充たす限りにおいて、例えば芳香族ポリイ
ミド、芳香族ポリアミドイミド構造などの他の繰り返し
単位が共重合、またはブレンドされていても差し支えな
い。
【0018】また、該芳香族ポリアミドの湿度特性を向
上せしめる為に、これらの芳香環上の水素原子の一部
を、一般式( I) 及び/または一般式(II)においてR,
R’,R”として表される、ハロゲン基(特に塩素)、
ニトロ基、炭素数1〜4のアルキル基(特にメチル
基)、炭素数1〜3のアルコキシ基などの置換基で置換
することを好ましく行うことができる。一般式(I)あ
るいは一般式(II)におけるl,m及びnの値は任意で
あるが、一般式(I)においては、l+mが1以上4以
下、好ましくは2以上4以下でかつl>0、m>0とす
るのが実用的である。l+mが5を超えるとフィルムが
脆くなり好ましくない。また、一般式(II)においては
nが0以上2以下、好ましくは1以上2以下であるのが
実用的である。また、導入可能な置換基の中で、好まし
く用いられる置換基としては、機械物性の低下がほとん
どないことから、塩素,メチル基,メトキシ基が挙げら
れ、耐湿熱性に優れ、伸度低下が少ないことから塩素が
より好ましい。必要以上にバルキーな官能基はかえって
他の重要な物性を損ねることとなり本発明の目的には不
適当である。
【0019】しかしながら、使用態様によっては加熱時
の分解挙動により有害な物質が発生し、サーマルヘッド
を腐蝕する場合もあり、かかる時には例えば次のような
系で同様効果を得ることもできる。
【0020】一般式(V)で示される互いに異なった芳
香核を有する構造単位からなるA群、一般式(V)
【化5】 一般式(VI)で示される互いに異なった芳香核を有する
構造単位からなるB群、一般式(VI)
【化6】 及び、一般式(VII )で示される互いに異なった芳香核
を有する構造単位からなるC群、一般式(VII )
【化7】 (ここでAr4 、Ar5 、Ar6 はパラ配向性の芳香核
であり、各群の化合物はRa、Rb、Rcで示されるハ
ロゲン基(但し、該置換基で置換される芳香環は全芳香
環の15%未満)、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜4
のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、トリアル
キルシリル基、オキシアリール基、チオアリール基から
選ばれる官能基で置換されていても構わない。ここで、
k、l、mはそれぞれ0〜4の数である。また、A群、
B群は実質的に等モルである。)から少なくとも3種以
上選択される構造単位(但し、基本芳香核(官能基、置
換基を除いた残りの部分として定義する。)を異にする
少なくとも2種の構造単位は同じ群から選択され
る。)。また、必要に応じ一般式(VIII)で示されるD
群の構造単位を含有する。
【0021】一般式(VIII)
【化8】 (ここでAr7 、Ar8 はパラ配向性の芳香核であり、
1 、Q2 は互いに同じか異なっていても良い−CO−
または−NH−基。Zはブリッジ原子団。また、Rd、
Reはシアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1
〜3のアルコキシ基、トリアルキルシリル基、オキシア
リール基、チオアリール基から選ばれる官能基であり、
n、pはそれぞれ0〜4の数である。但し、この時は、
1 、Q2が共に−CO−の時はA群と(B群、D
群)、Q1 、Q2 が共に−NH−の時は(A群、D群)
とB群、互いに異なるときはA群、B群は実質的に等モ
ルである。)。
【0022】Ar4 〜Ar8 はパラ配向性の芳香核であ
り先述と同様に定義される。
【0023】またZはブリッジ原子団であって、−O
−,−CH2 −,−CO−,−SO2 −,−S−,−C
(CH3 2 −,−C(CF3 2 −,−O−Ar−O
−(ここで、Arはアリール基)等の2価のフレキシブ
ルな原子団から選ばれるが、これに限定されない。
【0024】更に、芳香環への置換基の導入に際しアミ
ド基のオルト位に置換基を導入することは本発明の目的
を達するのに非常に重要である。すなわち、オルト位に
置換基を有すると湿度による寸法変化を抑制でき、過酷
な環境下でも印刷品位を損なうこと無く好ましく使用で
きる。この割合は本発明の目的を達することができれば
任意であるが、好ましくは総アミド基の60%以上、好
ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上に対し
置換されていることが好ましい。
【0025】また、本発明に用いる基材中にはイオン性
不純物の含有量、特に周期律表のIA,IIA,VIIB族
のイオン、とりわけIA族、IIA族のイオンが300p
pm以下、好ましくは100ppm以下、更に好ましく
は10ppm以下であると良い。このイオン性不純物の
量は基材を熱水中で24時間加熱還流し抽出される量と
して求められる。これらイオン性不純物が含まれている
とサーマルヘッドの損傷の危険が大きい。なお、これら
元素は基材分子中に共有結合的に結合し含まれていると
きは特に問題とならない。また、イオン性不純物の非透
過材で基材の一部あるいは全体を被覆することで本範囲
となるよう調製することは好ましく行うことが可能であ
り、該層は機能的に後述するマット層、アンカー層、ス
ティッキング防止層のいずれかの機能を有するものであ
ることが好ましい。この基材中のイオン性不純物量を減
らす為には原料純度、触媒種の選択、重合条件の選択が
重要であるが、製膜工程においても後述するような方法
を用いて達成することができる。
【0026】また、本発明に用いる基材を塩化メチレン
で抽出したときの抽出残渣は重量比にして0.2%以下
であることが好ましい。塩化メチレンで抽出できる低分
子量成分等が基材中に多く残っていると使用条件下で析
出し基材表面に形成される感熱転写層その他の構成に対
し接着性が悪くなり剥離や印刷品位を低下させる等の問
題がある。
【0027】また、本発明に用いる基材は、20℃、相
対湿度60%における長手方向のヤング率をEMD、幅方
向のヤング率をETDとしたとき次式をみたす必要があ
り、 EMD≧ETD×1.1 ETD≧600kg/mm 2 好ましくは、 EMD≧ETD×1.1 ETD≧700kg/mm 2 より好ましくは、 EMD≧ETD×1.25 ETD≧700kg/mm 2 である。本願発明の範囲とすることにより薄物としても
長手方向に充分な剛性を有するので加工時あるいは使用
時の寸法変化を抑制でき印刷品位が悪化しない。また、
スリット性に優れ基材の切断面に傷が入り難く、耐久性
に優れた記録材とできる。一方、ETD<600kg/mm 2
では幅方向のスティフネスが不足し、しわが生じ易く記
録材の製造時あるいは転写記録時の切れあるいは印刷品
位の低下につながる上、通常このようなときには長手方
向の配向が強すぎるため、伸度低下や切れあるいは裂け
の原因となる。
【0028】また、本発明に用いる基材の幅方向の20
0℃における熱収縮率は2.0%以下、好ましくは1%
以下、更に好ましくは0.5%以下である。感熱転写材
は幅方向に張力を受けること無く使用されるので熱収縮
の影響を受け易い。この200℃における熱収縮率が
2.0%を越えれば感熱転写記録材として用いたときに
サーマルヘッドによる加熱等で収縮し、しわを生ずるた
め製品としての用をなさなくなる。特にフルカラー印刷
用途においては、例えばイエロー、シアン、マゼンダ、
黒の4色の転写層を幅方向に並列して設ける構造をとる
ことが多く、またラインヘッドの採用により、必然的に
広幅のものになる。このような場合、僅かな収縮でも大
きなしわや変形を生じるためこの幅方向において本発明
の範囲を充たすことが非常に重要である。
【0029】また、本発明に用いる基材の1kg/mm
2 の加重下200℃、10分間での長手方向の寸法変化
率は1%以下、好ましくは0.5%以下であることが好
ましい。1%以下にすることによって温度変化あるいは
緊張下における基材の寸法変化を小さくでき、信頼性の
高い製品を得ることができる。
【0030】本発明に用いる基材は、伸度としても10
%以上、好ましくは20%以上、更に好ましくは30%
以上であると靭性に優れ、適度な柔軟性を持つため好ま
しい。
【0031】本発明に用いる基材の厚みは種々の態様に
あわせ、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは
1〜10μm、更に好ましくは2〜7μm、特に好まし
くは2〜5μmの範囲で用いると良い。余りに厚ければ
エネルギーの伝達が精密に行われないので印刷品位が劣
化し、余りに薄ければ応力下に変形を受け易くなり、印
刷品位が劣化する。
【0032】また、本発明に用いる基材の湿度膨張係数
は20×10-6(1/%RH) 以下、好ましくは15×10-6
(1/%RH) 以下であると高湿下での寸法安定性が良好で、
過酷な条件下においても良好な印刷品位を維持すること
ができるため好ましい。
【0033】本発明のフィルムは積層されてなるもので
あっても良く、同一のポリマー種あるいは異種のポリマ
ー種から構成されていても差し支えない。また、上述の
特性は、積層フィルムとしたときにも満足することが好
ましい。
【0034】本発明は基材中に、走行性の安定化、エネ
ルギー伝達速度を高める等様々な目的で好ましく粒子を
含有させることができる。
【0035】このような粒子の種類としては、特に限定
されないが、例えば、SiO2 、TiO2 、TiN、A
2 3 、ZrO2 、CaCO3 、CaSO4 、BaS
4、タルク、ゼオライト、その他の金属微粉末などの
無機粒子や、カーボンブラック、架橋ポリスチレン樹脂
等の有機粒子を挙げることができる。しかし、カーボン
ブラックのような白以外に着色した粒子は走行時にヘッ
ドあるいは印刷面を汚染することになるので好ましくな
い。また、余りに硬い粒子はヘッドを摩耗することもあ
るため好ましくない。
【0036】また、該フィルムに含有される粒子の含有
量は0.01〜40重量%、好ましくは0.05〜10
重量%であると良い。
【0037】また、後述するように基材表裏の表面粗さ
としては異なる設計思想により設計することが好まし
く、かかる思想の実現の一手段として、化学組成、高次
構造、粒径、硬さ等のいずれか一種あるいは複数種異な
る樹脂あるいは粒子からなる層を少なくとも2層以上積
層して基材を作製することが好ましい。
【0038】また、例えば5μm以下、好ましくは4μ
m以下の薄ものの基材を必要とする時には、これら粒子
は基材の主たる部分に実質的に含有されないことが好ま
しい。ここで言う主たる部分とは基材全体から基材表層
部を全厚みに対して20%相当部分除いた部分である。
例えば、基材の感熱転写層を設ける側の反対側が後述す
る好ましい表面粗さを達成できればその他部分には粒子
を含有しない方が好ましい。具体的には例えば、実質的
に粒子を含有しない層に極めて薄く(例えば1μm以
下)粒子を含有する層を積層すれば良い。必要でない粒
子の含有は基材中に欠点を生じることとなって使用中あ
るいは加工時に切れ易くなり好ましくない。
【0039】また、基材の感熱転写層を設けない側の表
面は適度な粗さを有していると走行性に優れたものを得
ることができ、該面側はJIS−B−0601−197
6に準じて測定(カットオフ:0.25μm)した中心
線平均粗さRaとして2〜700nm、好ましくは3〜
500nm、更に好ましくは5〜400nmの範囲であ
ることが好ましい。2nm未満であれば走行性が悪くな
って印刷品位に悪影響が生じ、700nmを越えれば記
録材−ヘッド間に生じる空気の層によってエネルギー伝
達効率の低下、エネルギー伝達ムラを生じ印刷品位を低
下させることとなる。また、感熱転写層面の表面として
も適度な粗さを有していれば、被記録材との摩擦によっ
て被記録材を汚染することもなく、また、走行性も良好
となるので、該面側は先述の中心線平均粗さRaとして
0.003μm〜0.3μm、好ましくは0.01〜
0.05μmの範囲であることが好ましい。0.3μm
を越えると転写の位置精度がずれて印刷品位が低下す
る。
【0040】本発明は感熱転写記録材である。適用しう
る印刷方式としては溶融熱転写型、昇華型いずれの方式
でも良く、従って設けられる感熱転写層としても公知の
顔料系あるいは染料系のものを必要に応じパラフィン、
カルナバ、エステル類等の公知のワックス類や各種高分
子体をバインダ樹脂として使用できるが、本発明は高温
下においても安定した性能を有するので高精細であるが
より高温で用いられうる昇華性感熱転写層を具した感熱
転写材としたときにより発明の効果を発揮できる。ま
た、更に基材層と感熱転写層との間にはアクリル樹脂、
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂などの層を介在させる
ことができ、これらは帯電防止剤等の添加剤を含有して
いても構わない。また感熱転写層の形成される面の反対
側には走行性を高める目的等で好ましくバックコート層
を設けることができる。かようなバックコート層の例と
してはカルナバ,エステル等のワックス類、熱硬化型樹
脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びこれら樹脂に界面
活性剤を添加したもの等が挙げられる。
【0041】次に本発明の一態様として、有機高分子体
からなる基材として最も本発明の目的を好適に達成でき
るポリマー群の中から芳香族ポリアミドを例に用い説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】芳香族ポリアミドを得る方法は例えば、低
温溶液重合法、界面重合法、溶融重合法、固相重合法な
どが挙げられるが、本発明には溶液系、特に低温溶液重
合法にての重合が高剛性な基材として得易いため適して
いる。
【0043】重合溶媒としては公知の溶媒例えばN−メ
チルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(D
MAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの非プ
ロトン性有機極性溶媒を用いる。この時重合溶媒中の水
分等の不純物は極力除かれていなければならず、水分率
は200ppm以下、好ましくは100ppm以下、更
に好ましくは50ppm以下であると良い。また、溶解
助剤として塩化リチウム、臭化リチウム、塩化カルシウ
ムなどを加えても良い。次にモノマー(例えばジアミン
及びジ酸クロリド)を添加する。芳香族ポリアミドの高
重合度化のためにはジアミン及び酸クロリドの等量性は
非常に重要であるが、重合度を調整する必要のある時は
熱安定性に優れることからジアミン成分を過剰に用いる
ことが好ましく、更にベンゾイルクロリド等を用いて末
端封鎖を好ましく行うことができる。
【0044】また、酸塩化物基は水分その他の要因で分
解していることが多いが、本発明に用いる酸塩化物基の
純度はアミド結合を形成ずべき全カルボン酸基から誘導
される官能基の99.0%以上であることが好ましい。
【0045】また、反応容器としてはなるだけ効率的に
撹拌できるものを用いることが好ましい。
【0046】また、ポリマ溶液は、単量体として酸塩化
物基を含有するモノマを用いると通常塩化水素が副生す
るが、これを中和する場合には水酸化カルシウム、炭酸
カルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニ
ア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタ
ノールアミンなどの有機の中和剤が使用される。一般的
にこれら中和剤は先述の印刷品位を低下せしめる不純物
成分として作用しうるが、後述するようにこれら含有不
純物成分は製膜工程を適正化することで効果的に除去で
きるのである。
【0047】上記の様な方法によって得られたポリマー
溶液は一様な重合の進行の結果、重合度が高くまた分散
度を小さくすることができ、数平均分子量を重量平均分
子量で除した値が本発明に好適な1.2以上3.5以
下、より好ましくは1.2以上2以下の範囲とすること
ができる。
【0048】これらポリマ溶液はそのまま製膜原液とし
て使用してもよく、あるいはポリマを一度単離してから
上記の有機溶媒や、硫酸等の無機溶剤に再溶解して製膜
原液を調製してもよい。またポリマ濃度は2〜40重量
%程度が好ましい。
【0049】本発明に好適な芳香族ポリアミドを得るた
めにはポリマの固有粘度(ポリマ0.5gを硫酸中で1
00mlの溶液として30℃で測定した値)は、0.5
以上であることが好ましい。
【0050】粒子の添加方法は、特に制限はないが、凝
集度の調整,粗大突起の出現を抑制するためには、例え
ば、粒子を予め10ポイズ以下、好ましくは1ポイズ以
下の溶媒中に分散させる方法を挙げることができる。溶
媒としては、製膜時に用いるものと同一であることが好
ましいが、特に悪影響が見られないときには、他の溶媒
を用いて差し支えない。また、これら溶媒には分散助剤
等の添加物が分散に悪影響を及ぼさない範囲で用いられ
て構わない。粒子の分散には撹拌分散器、ボールミル、
超音波分散器等を用い、粒子径、凝集度を調整する。
【0051】この分散された粒子は前記ポリマ溶液に混
合するが、混合にあたっては重合前の溶媒に添加あるい
は重合後に添加あるいはポリマ溶液調整時に添加しても
よく、さらにはキャスト直前でも構わないが、原液中に
均一に分散されていることが走行性、良好な印刷品位の
確保の点で重要である。
【0052】上記のように調製された製膜原液は、いわ
ゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製
膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがありいづれの
方法で製膜されても差し支えないが、乾式法はイオン性
不純物を含む不揮発性の不純物を除去し得ないため一般
的でない。以下に乾湿式法を例にとって説明する。
【0053】乾湿式法で製膜する場合は該原液を口金か
らニッケル、ステンレス、銅、チタン、ハステロイ、タ
ンタル等の素材からなるドラム、エンドレスベルト等の
支持体上に押し出して薄膜とし、次いでかかる薄膜層か
ら溶媒を飛散させ薄膜が自己保持性をもつまで乾燥す
る。乾燥条件は例えば、室温〜250℃、60分以内の
範囲、好ましくは室温〜200℃の範囲で行うことがで
きる。250℃以上であれば表面が荒れ印刷品位低下の
原因となることがある。乾式工程を終えたフィルムは支
持体から剥離されて湿式工程に導入されるが、湿式工程
での不純物の脱離を効果的に行うためには自己保持性を
失わない範囲でフィルム中のポリマ濃度がなるだけ低い
ことが好ましく、50%以下であれば容易に目的を達す
ることができる。剥離したフィルムは上記の湿式法と同
様に脱塩、脱溶媒などが行なわれ、さらに延伸、乾燥、
熱処理が行なわれてフィルムとなる。
【0054】この工程において湿式工程、延伸・熱処理
工程は重要な役割をもつ。湿式工程を制御することで、
イオン性不純物や塩化メチレンで抽出される不純物質を
系外へ排出し、より好適なフィルムとすることができ
る。
【0055】この工程には水を脱溶媒としても構わない
が、水と有機溶媒との混合媒を好適に用いることができ
る。この時有機溶媒としては水溶性であり、好ましくは
重合溶媒と同様、N−メチルピロリドン(NMP)、ジ
メチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミ
ド(DMF)などの非プロトン性有機極性溶媒が好まし
く、組成比を変化させた複数の浴を用いることはより好
適に本発明の目的を達することができる。また、温度は
浴組成が適当であれば速度的メリットが高く、30℃以
上であればより容易に目的を達することができる。
【0056】また、好適な延伸・熱処理工程は、より秩
序だった高次構造を与え、機械的特性及び熱的特性の改
善に寄与する。延伸は延伸倍率として面倍率で0.8〜
5.0(面倍率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフ
ィルムの面積で除した値で定義する。1以下はリラック
スを意味する。)の範囲内にあることが好ましく、より
好ましくは1.0〜3.5倍である。この時縦方向によ
り大きく延伸倍率をとることによって本発明のヤング率
を充たすことができる。更に、200℃〜500℃、好
ましくは250℃〜400℃の温度で数秒から数分間熱
処理及び弛緩処理を行うことで更に機械特性、熱的特
性、熱収縮率、加重下の寸法変化率が向上する。また、
熱処理後のフィルムを徐冷することで熱収縮率、加重下
の寸法変化率を向上せしめることができ、50℃/秒以
下の速度で冷却することが有効である。
【0057】なお本発明のフィルムは、積層フィルムで
あってもよい。例えば2層の場合には、重合した芳香族
ポリアミド溶液を二分し、必要に応じそれぞれ異なる粒
子を添加しても良く、その後積層する。さらに3層以上
の場合も同様である。これら積層の方法としては、周知
の方法たとえば、口金内での積層、複合管での積層や、
一旦1層を形成しておいてその上に他の層を形成する方
法などがある。
【0058】ついで、得られた基材に感熱転写層等を形
成する。
【0059】熱溶融性転写剤としては、着色剤とEV
A、パラフィンワックス、カルナバワックス等を配合し
て調製する。着色剤としては、シアン、マゼンダ、イエ
ロー、ブラックを形成する着色剤の他に、他の色の着色
剤も用いることができる。
【0060】また、該転写剤の付与量は目的に応じ任意
であるが高品質の印字を安定に行うためには、厚さ3〜
20μmが適当である。
【0061】熱昇華性転写剤としては、例えばアントラ
キノン系、アゾ系、ナフトキノン系、ポリメチレン系、
トリフェニルメタン系、フェノキサジン系、ロイコオー
ラミン系、スピロピラン系等の染料(分散染料を用いる
ことが好ましい)とポリビニルブチラール、ポリサルフ
ォン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、セ
ルロース系材料等のバインダー、その他の添加材を溶剤
に分散あるいは溶解し用いる。また、該転写剤の付与量
としては目的に応じ任意であるが、厚さ0.5〜20μ
mが適当である。
【0062】多数回印刷を可能とする手段については従
来公知の方法が使用可能であり、例えば転写剤の融点あ
るいは昇華を始める温度よりも熱軟化点が高く、かつ転
写剤との親和性が低いバインダを用いて転写層を形成し
たり、非常に凝集性が高い粒子を添加して転写層を形成
する方法等を挙げることができる。
【0063】また、アンカー層は任意に形成が可能であ
る。このアンカー層としては従来公知の樹脂から上記感
熱転写層と接着性が良い樹脂を選択して使用すれば良
い。
【0064】また、マット層は任意に形成が可能であ
る。このマット層としては、耐熱性、熱離型性を有する
公知の材料から選択でき、厚みとしても0.1〜3μm
程度の薄膜であると熱感度が良好となり好ましい。
【0065】このマット層を形成する樹脂としては例え
ば、ガラス転移点が60℃以上のアクリル系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイ
ミド樹脂、シリコーン樹脂等の合成樹脂、あるいはOH
基あるいはCOOH基を有する熱可塑性樹脂にアミノ基
を二個以上有する化合物またはジ(あるいはトリ)イソ
シアネートを加えた樹脂等が好適である。
【0066】また、これら樹脂に熱離型剤や滑剤として
ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等のワック
ス剤、高級脂肪酸のアミド、エステル及び塩、高級アル
コールやレシチン等のリン酸エステル、テフロン、ポリ
フッ化ビニル等のフッ素樹脂、グアナミン樹脂、シリ
カ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、沈降
性硫酸バリウム、アルミナ、酸性白土、チタンホワイ
ト、カーボンブラック等を添加してもよい。
【0067】上記アンカー層、マット層の形成には、こ
れら構成材料を適宜溶剤に溶解または分散させ、コーテ
ィングに適した粘度に調製の上、公知のコーティング手
段を用いることによって行うことができる。
【0068】また、必要に応じサーマルヘッド側には必
要に応じスティッキング防止層を形成することができ
る。この構成成分、及び形成方法としては先述のマット
層の形成と同様にすることができ、更に導電性物質、着
色剤を含有させることができる。また、走行性を良好と
するために、ガラスとの動摩擦係数として1.0以下で
あることが好ましく、これはスティッキング防止層に含
有される滑剤等の成分の種類及び大きさ、含有量、厚み
等で調製することが可能である。
【0069】
【実施例】本発明の物性の測定方法、効果の評価方法は
次の方法による。本実施例では下記(1)〜(6)の物
性は基材フィルム原反に(7)に記した加工を行って得
た感熱転写記録材から基材以外の部分を除去して得たも
のである。また、基材の試長、試幅は便宜的に定めたも
ので、これら物性値について本質的には無関係であるこ
とは容易に類推できることである。
【0070】(1)引っ張り伸度、ヤング率 インストロンタイプの引っ張り試験機を用いて測定し
た。試験片は10mm幅で50mm長さ、引っ張り速度
は300mm/分である。また、サンプル準備には恒温
恒湿槽を用い、20℃、60%RHで48時間調温調湿
したサンプルを用い、槽から取り出し素早く測定した。
【0071】(2)熱収縮率 基材フィルムの幅方向について、幅10mm、長さ25
0mmに切り、それぞれ両端から25mmの位置に印を
つけて試長200mmの試験片を作成した。これを25
0℃の雰囲気下10分間加熱し放冷後の長さを測定して
熱収縮率を次式によって算出し、長手方向及び幅方向の
内大きい方の値を熱収縮率とした。
【0072】(試長(mm)- 加熱後の長さ(mm))/(試長
(mm))×100 (%)
【0073】(3)加重下寸法変化率 基材フィルムの長手方向について、幅10mm、長さ3
00mm切り出し、それぞれ両端から50mmの位置に
印を付けて試長200mmの試験片を作成した。次に、
その一端を固定し、また、マイクロメータでその厚みを
測定して、もう一端に1kg/mm2 となるように重り
を固定する。これを200℃の雰囲気下10分間加熱し
放冷後の長さを測定して寸法変化率を次式によって算出
した。
【0074】(試長(mm)- 加熱後の長さ(mm))/(試長
(mm))×100 (%)
【0075】(4)イオン性不純物量 陽イオン及び陰イオンを下記(4−1)及び(4−2)
の方法で測定しその和をイオン性不純物量とした。
【0076】(4−1)金属イオンの定性及び定量 基材フィルム20グラムを精秤し、熱水中24時間還流
しイオン性化合物の抽出を行った。ろ過後ろ液を蒸発乾
固させ、これを硝酸やフッ化水素酸に溶解後希硝酸で定
容とした。この定容液について、K,Naは原子吸光光
度法により、その他成分はICP発光分析法によって分
析した。なお、単位ppmはμg/gである。
【0077】(4−2)陰イオン量 基材フィルム20グラムを精秤し、熱水中24時間還流
しイオン性化合物の抽出を行った。次いで抽出液を予め
作成した検量線をもとにイオンクロマトグラフにて定量
を行った。なお、単位ppmはμg/gである。
【0078】(5)塩化メチレン抽出率 基材フィルム20gを精秤し、塩化メチレン中で24時
間還流した。ついで、フィルムをろ過しろ液を蒸発乾固
して残留分の重量から重量分率として求めた。
【0079】(6)湿度膨張係数 25℃に保った恒温恒湿槽中で脱湿時(湿度30%R
H)と加湿時(湿度90%RH)でそれぞれ平衡に到っ
た時のフィルム長を読みとり下式により求めた。
【0080】 (基材フィルムの伸び量(mm))/(試長(mm))/60
【0081】(7)印刷品位 基材フィルムの感熱転写層を形成しようとする面の表面
にコロナ処理を行い、次いでアクリル系樹脂からなるア
ンカー層を形成した。
【0082】一方、イエロー、シアン、マゼンダ、黒の
4種の転写剤をバインダ及び溶剤からなる溶液中に添加
し以下の組成からなる塗料を調製した。
【0083】 昇華性転写剤 100重量部 塩ビ/酢ビ共重合体 500重量部 (共重合比率88:12、固形分20%、 溶剤;メチルエチルケトン) アイソパーH(エッソスタンダート社製) 13重量部 メチルエチルケトン 125重量部 トルエン 63重量部
【0084】次にこれら組成からなる塗料を金属ドクタ
ーブレードを用いて乾燥後の厚みが10μmになるよう
塗布し、120℃で乾燥を行い熱転写層を形成した。
【0085】次にこの方法で得た感熱転写記録材の塗布
面(熱転写層側)に受像紙を密着させ高密度熱ヘッドを
装着したプリンタでフルカラー印刷を行った。印刷品位
を次の評価段階で評価した。
【0086】 ◎◎:極めて優れている。 ◎:優れている。 ○:良好である。 △:同等あるいは若干不満のあるレベルである。 ×:悪い。
【0087】また、多数回印刷は同一の感熱転写材の同
一箇所にて印刷を実行した。
【0088】実施例1〜8、比較例1〜3 但し、原料欄に示す各略記号はそれぞれ次の通りであ
る。また各略記号前につく数字は置換基の置換部位を示
す。(例、4,4'- DPE:4,4'-ジアミノジフェニルエー
テル) 芳香族ジアミン成分: PA: パラフェニレンジアミン MA: メタフェニレンジアミン DPX:2,5−ジアミノパラキシレン TO:o-トリジン CPA: クロロパラフェニレンジアミン DPE: ジアミノジフェニルエーテル 酸クロリド成分: TPC: テレフタロイルクロリド IPC: イソフタロイルクロリド CTPC: クロロテレフタロイルクロリド
【0089】実施例1 N−メチルピロリドン(NMP)に芳香族ジアミン成分
として85モル%に相当する2−CPAと、15モル%
に相当する4,4’−DPEとを溶解させ、これに9
9.5モル%に相当する2−CTPCを添加し、2時間
撹拌して重合を完了した。これを水酸化リチウムで中和
して、ポリマ濃度10重量%、粘度2900ポイズの芳
香族ポリアミド溶液を得た。
【0090】次に、この芳香族ポリアミド溶液に、平均
粒径1.5μmのシリカ粒子をポリマ比0.8重量%と
なるように添加し、一様に分散させた。
【0091】このポリマ溶液を20μmカットのフィル
タ−を通した後、SUS製ベルト上に流延し、180℃
の熱風で2分間加熱して溶媒を蒸発させ、自己保持性を
得たフィルムをベルトから連続的に剥離した。次に50
℃に保った水/NMP比がそれぞれ1/1,3/1,5
/1及び10/0の濃度比を持つ複数の水槽内へフィル
ムを導入して残存溶媒および無機塩の抽出を行ない、テ
ンタ−で310℃で水分の乾燥と熱処理を行なって厚さ
4.0μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。この間
にフィルム長手方向と幅方向に各々1.45倍、1.1
倍延伸を行ない、次いで一定張力のもと2%のリラック
スを行った後、20℃/秒の速度で徐冷した。
【0092】このフィルムのヤング率EMDは1250kg
/mm 2 、ETDは950kg/mm 2 、伸度は長手方向:36
%、幅方向:42%、熱収縮率は0.3%、加重下の寸
法変化率は0.1%、イオン性不純物の含有量は2pp
m、塩化メチレン抽出率は0.2%以下、湿度膨張係数
は15ppm、転写層を設けなかった側の基材の表面粗
さRaは50nmであった。
【0093】このフィルムを用いた感熱転写記録材の印
刷品位は優れており、多数回記録においても殆ど劣化は
認められなかった。
【0094】実施例2 実施例1と同様の方法を用いて重合を行い、ポリマ濃度
10重量%、粘度2900ポイズの芳香族ポリアミド溶
液を得た。
【0095】次に、このポリマ溶液を溶液A、溶液Bの
2つに分け、溶液Aには平均粒径0.016μmのシリ
カ粒子をポリマ比2重量%となるよう添加し一様に分散
させた。また溶液Bには平均粒径1.5μmのシリカ粒
子をポリマ比0.8重量%となるように添加し一様に分
散させた。
【0096】次にこの溶液Aは5μmカットのフィルタ
−に、溶液Bは20μmカットのフィルタ−にそれぞれ
通した後、複合管を用いて最終のフィルムとしてそれぞ
れの層が2.8μm、0.5μmとなるよう積層してS
US製ベルト上に流延し、以降は実施例1と同様の方法
で基材フィルムを得た。
【0097】このフィルムのヤング率EMDは1250kg
/mm 2 、ETDは950kg/mm 2 、伸度は長手方向:35
%、幅方向:45%、熱収縮率は0.2%、加重下の寸
法変化率は0.1%、イオン性不純物の含有量は2pp
m、塩化メチレン抽出率は0.2%以下、湿度膨張係数
は14ppm、転写層を設けなかった側の基材の表面粗
さRaは50nm、転写層を設けた側の表面粗さRaは
6nmであった。
【0098】このフィルムを用いた感熱転写記録材の印
刷品位は極めて優れており、多数回記録及び通常の2倍
の速度で印刷を行う高速印刷においても殆ど劣化は認め
られなかった。更に、感熱転写記録材への加工工程にお
いても特に問題はなかった。
【0099】実施例3 実施例1と同様の方法を用いて重合を行い、ポリマ濃度
10重量%、粘度2900ポイズの芳香族ポリアミド溶
液を得た。
【0100】次に、このポリマ溶液に平均粒径0.01
6μmのシリカ粒子をポリマ比1.8重量%となるよう
に添加し一様に分散させた。
【0101】次にこの溶液を5μmカットのフィルタ−
に通した後、SUS製ベルト上に流延し、以降は実施例
1と同様の方法で厚み3.3μmの基材フィルムを得
た。
【0102】このフィルムのヤング率EMDは1250kg
/mm 2 、ETDは950kg/mm 2 、伸度は長手方向:35
%、幅方向:45%、熱収縮率は0.3%、加重下の寸
法変化率は0.1%、イオン性不純物の含有量は2pp
m、塩化メチレン抽出率は0.2%以下、湿度膨張係数
は14ppm、転写層を設けなかった側の基材の表面粗
さRaは3nmであった。
【0103】このフィルムを用いた感熱転写記録材の印
刷品位は優れており、多数回記録においても殆ど劣化は
認められなかった。また、感熱転写記録材への加工工程
においても特に問題はなかった。
【0104】実施例4 実施例1と同様の方法を用いてポリマ溶液を調製、粒子
の分散を行った。
【0105】このポリマ溶液を20μmカットのフィル
タ−を通した後、SUS製ベルト上に流延し、180℃
の熱風で2分間加熱して溶媒を蒸発させ、自己保持性を
得たフィルムをベルトから連続的に剥離した。次に50
℃に保った水が充填された水槽内へフィルムを導入して
残存溶媒および無機塩の抽出を行ない、テンタ−で31
0℃で水分の乾燥と熱処理を行なって厚さ4.5μmの
芳香族ポリアミドフィルムを得た。この間にフィルム長
手方向と幅方向に各々1.45倍、1.1倍延伸を行な
い、次いで一定張力のもと2%のリラックスを行った
後、20℃/秒の速度で徐冷した。
【0106】このフィルムのヤング率EMDは1250kg
/mm 2 、ETDは950kg/mm 2 、伸度は長手方向:38
%、幅方向:45%、熱収縮率は0.3%、加重下の寸
法変化率は0.1%、イオン性不純物の含有量は100
ppm、塩化メチレン抽出率は0.25%、湿度膨張係
数は17ppm、転写層を設けなかった側の基材の表面
粗さRaは50nmであった。
【0107】このフィルムを用いた感熱転写記録材の印
刷品位は通常の環境下では良好で、多数回記録において
も殆ど劣化は認められなかった。しかし、45℃、65
%RHの環境下で長時間印刷を行っていると次第に印刷
に汚れが目立つようになり、また、ヘッド先端の色が若
干変色していた。
【0108】実施例5 N−メチルピロリドン(NMP)に芳香族ジアミン成分
として70モル%に相当する2−CPAと、30モル%
に相当するMAとを溶解させ、これに80モル%に相当
する2−CTPC及び20モル%に相当するIPCの混
合溶液を添加し、2時間撹拌して重合を完了した。これ
を水酸化リチウムで中和して芳香族ポリアミド溶液を得
た。
【0109】次に、この芳香族ポリアミド溶液に、平均
粒径1.5μmのシリカ粒子をポリマ比0.8重量%と
なるように添加し、一様に分散させた。
【0110】このポリマ溶液を20μmカットのフィル
タ−を通した後、SUS製ベルト上に流延し、180℃
の熱風で2分間加熱して溶媒を蒸発させ、自己保持性を
得たフィルムをベルトから連続的に剥離した。次に50
℃に保った水/NMP比がそれぞれ1/1,3/1,5
/1及び10/0の濃度比を持つ複数の水槽内へフィル
ムを導入して残存溶媒および無機塩の抽出を行ない、テ
ンタ−で310℃で水分の乾燥と熱処理を行なって厚さ
4.5μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。この間
にフィルム長手方向と幅方向に各々1.5倍、1.2倍
延伸を行ない、ついで一定張力のもと2%のリラックス
を行った後、20℃/秒の速度で徐冷した。
【0111】このフィルムのヤング率EMDは850kg/m
m 2 、ETDは650kg/mm 2 、伸度は長手方向:40
%、幅方向:45%、熱収縮率は0.4%、加重下の寸
法変化率は0.3%、イオン性不純物の含有量は2pp
m、塩化メチレン抽出率は0.2%以下、湿度膨張係数
は18ppm、転写層を設けなかった側の基材の表面粗
さRaは55nmであった。
【0112】このフィルムを用いた感熱転写記録材の印
刷品位はまあ優れており、多数回記録においても殆ど劣
化は認められなかった。
【0113】実施例6 粒子の添加を行わなかった以外は実施例5と同様の方法
を用い、厚み4.5μmの基材フィルムを得た。
【0114】このフィルムのヤング率EMDは850kg/m
m 2 、ETDは650kg/mm 2 、伸度は長手方向:40
%、幅方向:45%、熱収縮率は0.4%、加重下の寸
法変化率は0.3%、イオン性不純物の含有量は2pp
m、塩化メチレン抽出率は0.2%以下、湿度膨張係数
は18ppm、転写層を設けなかった側の基材の表面粗
さRaは1nmであった。
【0115】このフィルムを用いた感熱転写記録材の印
刷品位は時折汚れが認められたがかろうじて合格レベル
であり、多数回記録においては若干汚れが気になるもの
であった。また、高速印刷を行おうとするとしわが入
り、高速印刷には不向きであることが判った。
【0116】実施例7 NMPに芳香族ジアミン成分として100モル%に相当
するPAを溶解させ、−10℃に冷却する。これに10
0モル%に相当するTPCを添加し、重合中に析出する
固体は小さく粉砕しながら2時間撹拌して重合を完了し
た。この固形物スラリーを水中にて沈殿,水洗し、濃硫
酸に溶解して、芳香族ポリアミド溶液を得た。この溶液
に平均粒径2.0μmの硫酸カルシウムをポリマ比0.
7重量%となるよう添加し分散させた。
【0117】このポリマ溶液を5μmカットのフィルタ
−を通した後、金メッキしたベルト上へ流延し、70
℃、85%RHの雰囲気下において等方性溶液となるま
でおき、ついで30%希硫酸槽に導いて凝固させ、この
凝固フィルムをベルトから剥離して水洗、ついで中和の
ため、0.1%苛性ソーダ水溶液の槽へ通じ、その後7
0℃の温水槽中に超音波を照射しながら通じ、更に塩化
メチレン浴に通じた。このフィルムをテンタ−で330
℃で水分等の乾燥と熱処理を行なって厚さ5.0μmの
芳香族ポリアミドフィルムを得た。この間にフィルム長
手方向と幅方向に各々1.5倍、1.2倍延伸を行な
い、ついで2%のリラックスを行った後、20℃/秒の
速度で徐冷した。
【0118】このフィルムのヤング率EMDは1400kg
/mm 2 、ETDは1200kg/mm 2 、伸度は長手方向:3
0%、幅方向:42%、熱収縮率は0.3%、加重下の
寸法変化率は0.2%、イオン性不純物の含有量は10
ppm、塩化メチレン抽出率は0.2%以下、湿度膨張
係数は25ppm、転写層を設けなかった側の基材の表
面粗さRaは65nmであった。
【0119】このフィルムを用いた感熱転写記録材の印
刷品位は通常の環境下では優れており、多数回記録にお
いても殆ど劣化は認められなかった。しかし、45℃、
65%RHの環境下に記録材を放置後印刷を行うと中間
調表現等の印刷品位に劣化が認められた。
【0120】実施例8 NMPに芳香族ジアミン成分として40モル%に相当す
るTOと40モル%に相当するDPXと20モル%に相
当するDPEを溶解させて冷却し、これに100モル%
のTPCを添加し、2時間攪拌して重合を完了した。こ
れを水酸化リチウムで中和して芳香族ポリアミド溶液を
得た。次にこの芳香族ポリアミド溶液に、平均粒径1.
5μmのシリカ粒子をポリマ比1.2重量%となるよう
に添加し、一様に分散させた。
【0121】このポリマ溶液を実施例1と同様の製膜方
法で製膜し、厚み4.0μmの芳香族ポリアミドフィル
ムを得た。
【0122】このフィルムのヤング率はEMDは1200
kg/mm 2 、ETDは900kg/mm 2 、伸度は長手方向:3
2%、幅方向:38%、熱収縮率は0.3%、荷重下の
寸法変化率は0.1%、イオン性不純物の含有量は2p
pm、塩化メチレン抽出率は0.2%以下、湿度膨張係
数は15ppm、転写層を設けなかった側のRaは90
nmであった。
【0123】このフィルムを用いた感熱転写記録材の印
刷品位は優れており、多数回記録においても殆ど劣化が
認められなかった。また、耐久性の確認にヘッドを高温
化させてみたが、変色等の変化も全く認められなかっ
た。
【0124】比較例1 実施例5で用いたポリマ溶液(粒子の添加も含めて)を
用いテンターでの延伸倍率を長手方向、幅方向それぞれ
に1.2倍、1.35倍とした他は実施例5と同様にし
て厚み4.5μmの基材フィルムを得た。
【0125】このフィルムのヤング率EMDは700kg/m
m 2 、ETDは700kg/mm 2 、伸度は長手方向:45
%、幅方向:45%、熱収縮率は0.4%、加重下の寸
法変化率は0.3%、イオン性不純物の含有量は2pp
m、塩化メチレン抽出率は0.2%以下、湿度膨張係数
は18ppm、転写層を設けなかった側の基材の表面粗
さRaは50nmであった。
【0126】このフィルムを用いた感熱転写記録材は剛
性が不足していたためか印刷品位は満足のゆくものでは
なく、多数回記録においてはさらに悪くなった。また、
感熱転写記録材の製造時に加工速度をあげると記録材に
変形が認められた。
【0127】比較例2 N−メチルピロリドン(NMP)に芳香族ジアミン成分
として70モル%に相当する2−CPAと、30モル%
に相当する4,4’−DPEとを溶解させ、これに10
0モル%に相当する2−CTPCを添加し、2時間撹拌
して重合を完了した。これを水酸化リチウムで中和して
芳香族ポリアミド溶液を得た。
【0128】次に、この芳香族ポリアミド溶液に、平均
粒径1.5μmのシリカ粒子をポリマ比0.8重量%と
なるように添加し一様に分散させた。
【0129】このポリマ溶液を20μmカットのフィル
タ−を通した後、SUS製ベルト上に流延し、180℃
の熱風で2分間加熱して溶媒を蒸発させ、自己保持性を
得たフィルムをベルトから連続的に剥離した。次に50
℃に保った水/NMP比がそれぞれ1/1,3/1,5
/1及び10/0の濃度比を持つ複数の水槽内へフィル
ムを導入して残存溶媒および無機塩の抽出を行ない、テ
ンタ−で280℃で水分の乾燥と熱処理を行なって厚さ
4.0μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。この間
にフィルム長手方向と幅方向に各々1.5倍、1.1倍
延伸を行ない、280℃で1.5分間乾燥と熱処理を行
い、リラックスは行わず、冷風の流れるチムニー内を通
過させて基材フィルムを得た。
【0130】このフィルムのヤング率EMDは1300kg
/mm 2 、ETDは1000kg/mm 2 、伸度は長手方向:3
5%、幅方向:40%、熱収縮率は2.1%、加重下の
寸法変化率は1.1%、イオン性不純物の含有量は2p
pm以下、塩化メチレン抽出率は0.2%以下、湿度膨
張係数は16ppm、転写層を設けなかった側の基材の
表面粗さRaは55nmであった。
【0131】このフィルムを用いた感熱転写記録材は記
録中にしわを発生し、印刷品位は悪いものであった。
【0132】比較例3 N−メチルピロリドン(NMP)に芳香族ジアミン成分
として100モル%に相当するPAを加えて溶解させ、
これに100モル%に相当するIPCを添加し、2時間
撹拌して重合を完了した。これを水酸化リチウムで中和
して芳香族ポリアミド溶液を得た。
【0133】次に、この芳香族ポリアミド溶液に、平均
粒径1.5μmのシリカ粒子をポリマ比0.8重量%と
なるように添加し一様に分散させた。
【0134】このポリマ溶液を20μmカットのフィル
タ−を通した後、SUS製ベルト上に流延し、180℃
の熱風で2分間加熱して溶媒を蒸発させ、自己保持性を
得たフィルムをベルトから連続的に剥離した。次に50
℃に保った水/NMP比がそれぞれ1/1,3/1,5
/1及び10/0の濃度比を持つ複数の水槽内へフィル
ムを導入して残存溶媒および無機塩の抽出を行ない、テ
ンタ−で300℃で水分の乾燥と熱処理を行なって厚さ
4.0μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。この間
にフィルム長手方向と幅方向に各々1.6倍、1.0倍
延伸を行ない、次いで一定張力のもと2%のリラックス
を行った後、20℃/秒の速度で徐冷して基材フィルム
を得た。
【0135】このフィルムのヤング率EMDは850kg/m
m 2 、ETDは250kg/mm 2 、伸度は長手方向:7%、
幅方向:40%、熱収縮率は1.0%、加重下の寸法変
化率は0.4%、イオン性不純物の含有量は2ppm以
下、塩化メチレン抽出率は0.2%以下、湿度膨張係数
は26ppm、転写層を設けなかった側の基材の表面粗
さRaは70nmであった。
【0136】このフィルムを用いた感熱転写記録材は印
刷品位は当初良好であるが記録中に裂けてしまい実用的
なものではなかった。また、感熱転写記録材の製造中に
も裂けを発生し、歩留まりを悪化させた。
【0137】
【表1】
【0138】
【発明の効果】本発明は、長手方向のヤング率を高めた
ので、記録媒体の薄物化にも必要な剛性を保持し、ま
た、全ての方向の熱収縮率を抑制したことによって、広
幅化において特に顕著に発生するしわや折れ等が生じる
ことも無く、高精細な印刷品位を実現し得たものであ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機高分子体からなる基材の片面に感熱転
    写層を有する感熱転写記録材であって、該基材は20
    ℃、60%RHにおける長手方向のヤング率をEMD、幅
    方向のヤング率をETDとしたとき下式をみたし、 EMD≧ETD×1.1 ETD≧600kg/mm 2 かつ、該基材の幅方向の200℃、10分間の熱収縮率
    が2.0%以下であることを特徴とする感熱転写記録
    材。
  2. 【請求項2】基材を構成する有機高分子体が芳香族ポリ
    アミドである請求項1に記載の感熱転写記録材。
  3. 【請求項3】該基材の表裏それぞれの面の表面粗さが互
    いに異なることを特徴とする請求項1または2に記載の
    感熱転写記録材。
  4. 【請求項4】有機高分子体からなる基材中に含有される
    イオン性不純物の含有量が300ppm以下であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感熱転写
    記録材。
  5. 【請求項5】該基材の感熱転写層を設けない側の表面粗
    さRaが2〜700nmであることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の感熱転写記録材。
  6. 【請求項6】感熱転写層が昇華性転写層であることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感熱転写記録
    材。
JP8221191A 1995-08-24 1996-08-22 感熱転写記録材 Pending JPH09118080A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014193589A (ja) * 2013-03-29 2014-10-09 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート
JP2015093387A (ja) * 2013-11-08 2015-05-18 大日本印刷株式会社 熱転写受像シートと熱転写インクシートのセットおよび印画物の製造方法

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