JPH09117A - 中通し竿のトップガイド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 釣糸の水切り並びにゴミの除去が確実に行で
き、かつ釣糸の挿通が容易な中通し竿のトップガイドを
提供する。 【構成】 中通し竿７の先端に保持体９を介して釣糸ガ
イドリング１０と環状水切り部材１１とを取り付ける。
釣糸ガイドリングを前部１０ａと後部１０ｂとに分割
し、該前後部間に弾性材よりなる環状水切り部材１１を
挟持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、中通し竿の水切り部材
を有したトップガイドに関する。

【０００２】

【従来の技術】中通し竿の水切り部材を有したトップガ
イドとして、実開平７−７５４６７号公報に記載される
ようなものがある。これを図により説明すると、図３の
トップガイド１は、中通し竿２の先端に保持体３を介し
て釣糸ガイドリング４を取り付け、該釣糸ガイドリング
４の先端に環状水切り部材５を取り付けてなる構成であ
り、水切り部材５を刷毛状に形成することによってその
刷毛で釣糸６に付いた水を切ろうというものである。ま
た、図４のトップガイド１は、中通し竿２の先端に保持
体３を介して釣糸ガイドリング４を取り付け、保持体３
内の釣糸ガイドリング４と中通し竿２の前端面との間の
箇所に環状水切り部材５を取り付けてなる構成であり、
水切り部材５を弾性材で形成することによってその弾性
材で釣糸６に付いた水を切ろうというものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、図３に示され
る水切り部材５を釣糸ガイドリング４の先端に取り付け
たトップガイド１にあっては、竿２が穂先調子の柔らか
いものである場合、重い仕掛けを使用する場合又は魚を
釣り上げる場合等に竿２が湾曲しトップガイド１が下向
きになると、釣糸６が水切り部材５に当たらなくなり、
釣糸６に付着した水やごみが釣糸６と共に竿２内に引き
込まれてしまう。また、図４に示される水切り部材５を
保持体３内に設けたトップガイド１にあっては、釣糸６
を中通しワイヤーで竿２に通す際に水切り部材５が中通
しワイヤーの通過を妨害するので釣糸６が通り難くなる
という問題がある。

【０００４】従って、本発明はそのような問題点を解決
することができる中通し竿のトップガイドを提供するこ
とを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１の発明は、中通し竿７の先端に保持体９を
介して釣糸ガイドリング１０と環状水切り部材１１とが
取り付けられてなる中通し竿のトップガイド８におい
て、上記釣糸ガイドリング１０が前部１０ａと後部１０
ｂとに分割され、該前後部１０ａ，１０ｂ間に弾性材よ
りなる上記環状水切り部材１１が挟持された中通し竿の
トップガイドの構成を採用し、請求項２の発明は、上記
保持体９が中通し竿７の先端に螺進退可能に螺合してお
り、上記環状水切り部材１１を挟持した釣糸ガイドリン
グ１０の前、後部１０ａ，１０ｂが、上記保持体９の前
端に形成された内向き突起１４と中通し竿７の前端面７
ａとの間で挟持された請求項１の中通し竿のトップガイ
ドの構成を採用し、請求項３の発明は、上記環状水切り
部材１１の中心孔１２が、その後から前に向かうに連れ
漸次縮径する内壁面を有した請求項１又は２の中通し竿
のトップガイドの構成を採用している。

【０００６】

【作用】請求項１の発明によれば、釣糸ガイドリング１
０が前部１０ａと後部１０ｂとに分割され、その前後部
１０ａ，１０ｂ間に弾性材よりなる上記環状水切り部材
１１が挟持されているので、釣糸ガイドリング１０によ
り案内される釣糸１６は環状水切り部材１１に当たるこ
とになる。

【０００７】請求項２の発明によれば、保持体９が中通
し竿７の先端に螺進退可能に螺合しており、環状水切り
部材１１を挟持した釣糸ガイドリング１０が、保持体９
の内向き突起１４と中通し竿７の前端面７ａとの間で挟
持される。

【０００８】請求項３の発明によれば、上記環状水切り
部材１１の中心孔１２が、その後から前に向かうに連れ
漸次縮径する内壁面を有していることから、中通しワイ
ヤーが環状水切り部材１１の中心孔１２を通りやすくな
る。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。実施例１ 図１に示されるように、この中通し竿７の先端となる穂
先には、トップガイド８が設けられている。このトップ
ガイド８は、中通し竿７の先端に保持体９を介して釣糸
ガイドリング１０と環状水切り部材１１とが取り付けら
れた構成となっている。

【００１０】上記保持体９は、円筒状の基部９ａと、該
基部９ａから前方にラッパ状に突出した拡開部９ｂとを
有しており、基部９ａが竿先端の外壁面に被せられ接着
されることにより穂先に取り付けられている。

【００１１】上記釣糸ガイドリング１０は、ＳｉＣ等の
硬質で耐磨耗性のある材料で作られた環状体であり、保
持体９の拡開部９ｂの内面に接着剤等により固着され、
上記保持体９の内方における中通し竿７の前端面の近傍
から保持体９の先端よりも先方へと延在している。釣糸
ガイドリング１０の内壁面は、釣糸巻き上げ時に釣糸が
竿先端に当たって傷むことがないように、その中央部に
おいて中通し竿７の先端の内径と同じか又は小さい径に
形成されている。該釣糸ガイドリング１０の内壁面の後
部は、竿内へ釣糸を通す際に中通しワイヤー（図示せ
ず）の先端が当たっても釣糸ガイドリング１０の孔内へ
と案内することができるように後方から前方に向かうに
連れ徐々に縮径する湾曲面に形成されている。該釣糸ガ
イドリング１０の内壁面の前部は、巻き上げ、あるいは
繰り出される釣糸に対する摩擦抵抗を低減することがで
きるよう前方に向かうに連れ徐々に拡径する湾曲面に形
成されている。後者の湾曲面の曲率は前者のものよりも
小さい。

【００１２】また、この釣糸ガイドリング１０は、保持
体９内において前部１０ａと後部１０ｂとに分割され、
該前後部１０ａ，１０ｂ間に弾性材よりなる環状水切り
部材１１が挟持されている。この環状水切り部材１１
は、ゴム、スポンジ等の弾性材により円盤型に成形さ
れ、上記釣糸ガイドリングの前部１０ａと後部１０ｂの
相対向する垂直壁に挟まれている。環状水切り部材１１
の中心孔１２は釣糸挿通孔として釣糸ガイドリング１０
の中心孔１３に連通しており、その前後両縁は釣糸ガイ
ドリングの前部１０ａと後部１０ｂの中心孔１３の縁に
合致し、中心部は釣糸に当接し得るよう該中心孔１２の
中心軸の方に中高に膨出している。

【００１３】なお、環状水切り部材１１の中心孔１２
は、図２に示すようにその後から前に向かうに連れ漸次
縮径する内壁面例えばテーパー壁面とし、釣糸の中通し
ワイヤーを後ろから前へと通し易くしておくこともでき
る。

【００１４】しかして、この中通し竿７の使用に際し竿
内に釣糸を通す際、水切り部材１１の前後に釣糸ガイド
リング１０の前部１０ａ、後部１０ｂが位置しており、
水切り部材１１が単独で高く突出していないので、釣糸
の中通しワイヤーは水切り部材１１に引っ掛かることな
くトップガイド８を中を前方に通過することになる。

【００１５】また、釣糸ガイドリング１０が前部１０ａ
と後部１０ｂとに分割され、その前後部１０ａ，１０ｂ
間に弾性材よりなる環状水切り部材１１が挟持されてい
るので、釣糸ガイドリング１０の内壁面を案内される釣
糸１６は環状水切り部材１１に当たることになる。この
ため、魚を釣り上げる場合等に竿が湾曲しトップガイド
８が真下を向いても、釣糸に付着した水やごみは水切り
部材１１に接触して釣糸上から除去され、竿内への侵入
が阻止されることとなる。

【００１６】実施例２ 図２に示されるように、この中通し竿のトップガイド８
は、保持体９が中通し竿７の先端に螺進退可能に螺合し
ており、環状水切り部材１１を挟持した釣糸ガイドリン
グ１０の前部１０ａ、後部１０ｂが、保持体９の前端に
形成された内向き突起１４と中通し竿７の前端面７ａと
の間で挟持された構成とされている。

【００１７】すなわち、中通し竿７の先端に筒状の補強
部材１５が被せられ接着され、該補強部材１５上に雄ネ
ジ１５ａが設けられ、この雄ネジ１５ａに筒状の保持体
９の後部内面に形成された雌ネジ９ｃが螺合している。
保持体９の前端の突起１４は例えば内向きフランジであ
り、この突起１４と中通し竿７の前端面７ａとの間に釣
糸ガイドリング１０の前後部１０ａ，１０ｂと環状水切
り部材１１とのサンドイッチ体が挟まれ押圧されてい
る。これにより、保持体９を後方に螺進させると釣糸ガ
イドリング１０と環状水切り部材１１とを保持体９内に
固定することができ、また、保持体９を螺進退させるこ
とにより弾性材よりなる環状水切り部材１１の中心孔１
２の内壁面の膨出量を適度に加減することができる。

【００１８】上記環状水切り部材１１の中心孔１２は、
その後から前に向かうに連れ漸次縮径する内壁面を有し
ている。このため、トップガイド８の後方より挿入され
る釣糸１６の中通しワイヤーはこの水切り部材１１を円
滑に通過することになる。また、釣糸１６が水中から巻
き上げられる場合は水切りがより有効になされることに
なる。この中心孔１２の内壁面は図示のような湾曲面に
限らずテーパー面にすることもできる。

【００１９】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、釣糸ガイドリ
ングが前部と後部とに分割され、その前後部間に弾性材
よりなる環状水切り部材が挟持されているので、釣糸ガ
イドリングの内壁面に案内される釣糸は環状水切り部材
に当たることになり、竿が穂先調子の柔らかいものであ
る場合、重い仕掛けを使用する場合又は魚を釣り上げる
場合等に竿が湾曲しトップガイドが下向きになっても、
釣糸は水切り部材により拭われ、竿内への水、ごみ等の
引き込みが阻止される。また、ゴミ等が竿内に入らない
ので竿内の汚れを低減し、ゴミ等を巻き込んでのトップ
ガイドや穂先の損壊を防止することができる。また、水
切り部材の前後には釣糸ガイドリングが位置しており、
水切り部材が単独で高く突出していないので、釣糸中通
しワイヤーを竿に通し易くすることができると共に水切
り部材の傷みをそれだけ低減することができる。

【００２０】請求項２の発明によれば、保持体が中通し
竿の先端に螺進退可能に螺合しており、環状水切り部材
を挟持した釣糸ガイドリングが、保持体の内向き突起と
中通し竿の前端面との間で挟持されているので、保持体
と中通し竿の先端との螺合量を加減することにより環状
水切り部材の中心孔側への膨出量を調節し、水切り部材
の磨耗、損傷等を最小限に押さえ耐久性を高めることが
できる。また、釣糸ガイドリング、環状水切り部材等を
分解することができるので、磨耗等し易い環状水切り部
材を簡易かつ迅速に修繕、取り換え可能であり、かつ実
釣後の竿内及びトップガイド内を容易に清掃することが
できる。さらに、水切り部材の弾性によりネジの緩みが
防止され、トップガイドの竿からの脱落が防止される。

【００２１】請求項３の発明によれば、上記環状水切り
部材の中心孔が、その後から前に向かうに連れ漸次縮径
する内壁面を有していることから、中通しワイヤーを通
し易くし、糸通し操作の簡易迅速化を図ることができ、
また、巻き上げ中の釣糸からの水、ゴミ等の除去をより
効果的に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る中通し竿のトップガイドの半断面
図である。

【図２】中通し竿のトップガイドの他の実施例の全断面
図である。

【図３】従来の中通し竿のトップガイドの全断面図であ
る。

【図４】従来の中通し竿のトップガイドの他の例の全断
面図である。

【符号の説明】

７…中通し竿 ７ａ…中通し竿の前端面 ８…トップガイド ９…保持体 １０…釣糸ガイドリング １０ａ…前部 １０ｂ…後部 １１…環状水切り部材 １２…中心孔 １４…内向き突起 １６…釣糸

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中通し竿の先端に保持体を介して釣糸ガ
   イドリングと環状水切り部材とが取り付けられてなる中
   通し竿のトップガイドにおいて、上記釣糸ガイドリング
   が前部と後部とに分割され、該前後部間に弾性材よりな
   る上記環状水切り部材が挟持されたことを特徴とする中
   通し竿のトップガイド。
2. 【請求項２】 上記保持体が中通し竿の先端に螺進退可
   能に螺合しており、上記環状水切り部材を挟持した釣糸
   ガイドリングの前、後部が、上記保持体の前端に形成さ
   れた内向き突起と中通し竿の前端面との間で挟持された
   ことを特徴とする請求項１の中通し竿のトップガイド。
3. 【請求項３】 上記環状水切り部材の中心孔が、その後
   から前に向かうに連れ漸次縮径する内壁面を有したこと
   を特徴とする請求項１又は２の中通し竿のトップガイ
   ド。