JP3756265B2 - 中通し竿用釣糸掃除具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の目的】
この発明は、中通し竿、即ち、釣糸が竿の中空部分を通って手元から先端に達して繰り出されるようにした釣り竿用の付属具に関するものであって、引き出されて水中や水面に浮遊する油やゴミ等の汚れや水滴が付着した釣糸を、そのまま巻き戻して竿の中空部に引き込み、該中空部分を汚して釣糸の出入りに支障を来すことのないよう、釣糸巻き戻し時には、自動的に釣糸に付着した汚れを払拭できるようにした構造を有し、竿の先端部に装着、使用する新規な構造からなる中通し竿用釣糸掃除具を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
四方を海に囲まれ、多くの河川を有する我が国において、長い歴史と共に親しまれてきた釣りは、防波堤や桟橋等において、老若男女を問わず誰もが気軽に楽しむことのできる国民的な軽スポーツとして定着している。
近年、特に家族連れでアウトドアスポーツを楽しむ傾向が強まっていることも手伝って、休日ともなれば、早朝から多くの人達が、釣竿をもって海や川辺に集まる風景が見られるようになってきている。
【0003】
こうした釣り市場の拡大に伴い、釣り竿や釣糸のための素材開発をはじめ、ルアー等の疑似餌、性能の良いリール、用途別の様々な釣鉤や仕掛け、その他釣り用の各種小道具や衣服等々と、ありとあらゆる物がふんだんに開発、提供されるようになって、今では、一見、初心者であっても、かなりの釣果を期待できる釣りが楽しめそうな環境に整いつつあるかのようにも見える。
しかし、これだけ恵まれた環境下にあっても、実際の釣り現場においては、釣り竿を引き上げたときの釣糸の取り扱いについて、かなりのベテラン釣り師といえども、相変わらず悩まされ続けているのが実情であって、初心者に至っては、この釣糸の扱いの繁雑が、折角の釣りの楽しみを殺いでしまい兼ねない程の大問題となる。
【0004】
釣糸が、リールから繰り出されて水中に没し、釣果あるいはその確認のためや餌付けの度毎に水中から引き上げられ、再び放たれる間に、釣糸には、水面に浮遊する油やゴミ等の汚れが付着してしまう上、巻き癖がついていることから、手元に呼び込んだ釣糸は、竿に絡まり付き易く、しかも、一旦絡まり付いた釣糸は、汚れのためにほぐし難くなってしまうことが多く、特に、釣り竿として中通し竿を採用している場合には、竿内を釣糸が通過する構造となっていて、汚れが付着したままでの巻き取りは、その後の素早い釣糸の繰り出しに大いに支障を来すと共に、巻き取り時に抵抗が掛かって釣果をバラス原因にも繋がったり、釣糸切断の遠因にもなってしまうといった具合に、多くの不都合が伴ってくることとなる。
【0005】
こうした不都合に対処すべくした幾つかの提案が見受けられる。例えば、特開平7−75467号発明「中通し釣竿」や、実公平8−1656号考案「穂先釣竿」等は、その代表的な事例といえるもので、前者の従来例では、釣竿先端の釣糸出入り口に被冠状にトップガイドを装着し、トップガイドに組み込んだ弾性素材からなる水切り部材で、釣糸に付着した水を擦り落としてしまうようにした構成を採用し、また、後者の事例では、先の事例の水切り部材が、釣糸案内簡部を有する回転体に置換されたような構造のものとして提案がなされている。
【0006】
これら既に提案済みのものは、出入りする釣糸が、その釣糸の出入り方向では位置を固定させてしまっている状態の部片に擦られるようにしたものであり、巻き取り時には、勿論擦れて釣糸表面に付着した水(当然付着した汚れも)を拭いとってしまうと同度に、引き出し時にも擦れながら釣糸が移動する点で全く構成を共通し、迅速な釣糸の操作に支障を来すという大きな欠点を有するものとなってしまっている上に、巻き取り段階で折角払拭された汚れが、引き出し段階にも同じ経路を辿って引き出されてしまうために、再び釣糸に付着し直して水中に達し、水中ないしは水面では汚れが汚れを呼んでしまうといった不都合を来すものとなっていて、実用上では殆ど役に立たない、言わば提案倒れに近いものでしかなかった。
【0007】
本願発明者は、このような状況に鑑み、従前までのもののような不都合がなくして釣糸に付着した汚れを確実且つ自動的に除去することができるようにした釣糸掃除具の実用化の必要性に着目し、鋭意研究、開発を継続しながら、長期に渡る試行錯誤と共に幾多の実験を繰り返してきた結果、今回、遂に全く新規な構造からなる中通し竿用釣糸掃除具の完成を見るに至ったものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述していくこととする。
【0008】
【発明の構成】
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明に包含される中通し竿用釣糸掃除具は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、中通し竿先端に取着される取着金具を備え、基端側が前記取着金具に揺動自在に設けられると共に、中通し竿先端の釣糸出入り口から突き出さない位置に規制されて取着され、且つ中通し竿先端の釣糸出入り口から所定距離の先端側に釣糸案内孔が穿設された支持枠を備え、中通し竿先端の釣糸出入り口と該支持枠の釣糸案内孔との間を経由する釣糸を挟着状に通過可能とさせる挟着部を形成する掃除用パッドが組み込まれた駒片を備え、駒片は、釣糸に対峙する掃除用パッドの挟着部先端を、中通し竿先端の釣糸出入り口と該支持枠の釣糸案内孔とを結んだ釣糸軌道に交叉する方向に向けて回動させてしまう付勢力が加わる如く枢着されてなる中通し竿用釣糸掃除具として示すことができる。
【0009】
中通し竿は、釣竿の基端側に釣糸導入孔が穿設されており、この釣糸導入孔から引き込まれた釣糸が、釣竿の先端の釣糸出入り口から引き出され、釣糸が竿内を通過し、竿先の釣糸出入り口より送出および巻き取りできるように構成されたものであり、多段に分割形成されて、折り畳み可能な振り出し竿や、伸縮不可能な単一の竿からなる釣竿も含まれる。
【0010】
取着金具は、中通し竿の先端に確実に取着固定されるものであり、且つ、支持枠を確実に連結支持可能であることが必要とされ、しかも、竿先に取着される部分の断面が[C」字状または「O」字状等に形成されていて、中通し竿内の釣糸の挿通に障害にならないように外装されるようにし、竿先から不用意に脱落しない構造、例えば、竿先外周に雄ねじが刻設され、この雄ねじ部分に筒状に形成された取着金具の内周面に刻設された雌ねじを螺着するようにした構造や、取着金具の周面に点在させたねじ孔に対し、外周側から竿の中心に向けて放射状に配置した複数本のタッピングねじを、竿先の肉厚を貫通しない程度に螺着してしてしまうようにした構造、あるいは、接着剤によって離脱不能に固定化してしまう構造、あるいはまた、後述する実施例で開示した構造等々、適宜都合の良い取着構造の採用が可能である。
【0011】
一方、この取着金具には、上記した中通し竿への取着部分以外に、後述する支持枠の基端部側を揺動自在に取着するためのフランジ部が、釣糸出入り口よりも先に突き出してしまうことのない位置に規制されて形成されていなければならず、後述する実施例の外、突起部が一対突出状となるようにして形成され、それらの間に支持枠基端部側を挿入状にして枢着できるようにしたものや、肉厚の金具部分を刳り貫き状とし、相対する面に対向状に凹部を形成し、支持枠基端部側をスナップ状に狭めて差し込み、その後解放して各凹部に支持枠基端部先端が嵌合するようにしたもの(したがって、厳密にはフランジ部とは言えないが、それらについてもこのフランジ部に包含されている。)等、支持枠基端部側の接続に都合の良い構造部分が一体または別体のものとして形成されていなければならない。
なお、この取着金具は、高強度且つ軽量な金属、もしくは、これに準ずる強度を持つ合成樹脂等から形成されるものであり、例えば、アルミニウム、ジュラルミン、ステンレス等の外、FRPやエンプラ等強度ある合成樹脂、セラミックス等を素材として採用することも当然可能である。
【0012】
支持枠は、その基端側が、取着金具に対して固定的に設けることも可能ではあるが、少なくとも前後方向、即ち、竿軸芯を含む仮想平面内での揺動が自在に取着されるべきであり、望ましくは、更に竿軸芯周りにも回動自在な構造のものに形成するようにする。
該支持枠の先端側、即ち、中通し竿先端の釣糸出入り口から、駒片を設けるに必要な所定距離を隔てた位置に、釣糸案内孔が穿設され、竿先の釣糸出入り口から導出された釣糸が挿通されるように構成されており、したがって、釣糸出入り口と釣糸案内孔とを結ぶ間は釣糸軌道になる。
【0013】
この支持枠は、その基端部側に、前記した取着金具フランジ部への取着可能とする部分を有し、先端側に釣糸案内孔を形成できるようにしたものであれば特に部材構造に制限はなく、棒状材を刳り貫き形成したものや、板状片を折曲、あるいはプレス成形したもの、更には、素材によっては型取り成形、射出成形したもの等とすることも勿論可能であり、前記した取着金具と同様、例えば、アルミニウム、ジュラルミン、ステンレス等の外、FRPやエンプラ等強度ある合成樹脂、セラミックス等によって形成することができる。
【0014】
釣糸案内孔は、中通し竿先端の釣糸出入り口から出入りする釣糸を、確実に後述する駒片に接触させるための釣糸軌道を確定する重要な機能を果たすものであり、釣果を得てかなりの張力が加わった状態での出入りをすることとなるため、通過する釣糸表面に傷を付けないように充分にバリ等が除去されると共に、接触を円滑ならしめるための面取り加工が施された孔としたり、更には、その孔に内側から摩擦抵抗の小さい合成樹脂管やゴム環等の保護部材を装着したものとするのが望ましい。
【0015】
駒片は、前記支持枠に対し、その中に形成される一定した釣糸軌道に常に少なくとも先端の一部が接触状であって、しかも、常に該釣糸軌道を、竿の手元側から竿先方向に交叉する付勢力が加わるようにした構造で組み込まれ、釣糸出入り口から釣糸が繰り出される間は、単にその釣糸に接触状の姿勢をとり、一旦釣糸が引き込まれるときには、その付勢力が作用して釣糸の引き込み方向に追随し、大きく釣糸軌道に交叉する姿勢を実現する結果、釣糸が駒片の中を通過せざるを得ず、その過程で釣糸が擦られて釣糸に付着した水や汚れを払拭してしまうようにする機能を果たすものである。
【0016】
したがって、駒片には、釣り糸を挟み込み、払拭するための掃除用パッドを備えていなければならず、該掃除用パッドは、例えば、略「U」字状に折曲された、金属または合成樹脂等からなる補強枠に支持され、汚れの吸着、除去に都合が良く、しかも、釣糸の通過に抵抗を掛け難い素材、例えば、フェルト、スポンジ、合成繊維製のものの外、糸瓜や椰子の天然繊維を利用して洗浄再利用も可能な素材、あるいは、再生紙等を利用した安価なもの等の最適な素材からなるものとし、それら素材の間には、釣糸を挟み込んだ状態で通過可能とする挟着部が形成されよう、2枚以上の掃除用パッドが対面状に重ねられ、挟み込まれることによって圧接状態となるようにした構造で上記補強枠に組み合わされてなるものに形成されていなければならない。
【0017】
掃除用パッドは、駒片を構成する補強枠に対して着脱不能に一体化したものとし、駒片毎、交換するようにした構成のものとする外、掃除用パッドだけを補強枠から着脱可能とする、例えば、掃除用パッドを粘着剤等により駒片に貼着するようにしたものや、補強枠の内壁に鍵爪等を形成して掃除用パッドを係止するもの、または、予め止め金具を掃除用パッドに一体に形成しておき、この止め金具で補強枠に取着するようにしたもの等とすることができる。
【0018】
駒片への付勢力は、駒片自体が前記支持枠に対して回動自在であって、更に、挟着部先端の釣糸に対峙する箇所を、釣糸軌道に交叉する方向に向けて回動させてしまうよう、例えば、駒片に設けられたゴムやバネ等の弾性体の弾発力や、駒片自体の偏心荷重、あるいは、磁石の反発力や吸引力を利用する等によって実現されるようにする。
【0019】
以上のような構成を基本とするこの発明の中通し竿用釣糸掃除具は、更に、より具体的な構成で示すと、以下のとおりの構成を要旨とするものとして表すことができる。
即ち、中通し竿先端に対して同心状に外装、取着される取付管と、この取付管に螺着される抜止め環とによって、竿軸方向の移動が規制され、且つ竿軸周りに回転自在として枢着されると共に、その外周壁面にはフランジ部が立設されてなるようにしたフランジ付き回転環を有する取着金具を備え、該回転環のフランジ部に対し、略「コ」字状に形成された支持枠の左右両基端側を揺動自在に枢着する一方、支持枠の先端面には釣糸案内孔を穿設すると共に、同支持枠の左右の枠間には、左右に二分割され、圧縮バネが挟み込まれることによって着脱自在となるようにした支軸を介して、中通し竿先端の釣糸出入り口と該支持枠の釣糸案内孔との間を経由する釣糸を挟着状に通過可能とする挟着部の形成された掃除用パッドが組み込まれてなる駒片が、その掃除用パッドの挟着部先端であって釣糸に対峙する箇所を、中通し竿先端の釣糸出入り口と該支持枠の釣糸案内孔とを結んだ釣糸軌道に交叉する方向へ回動させてしまう付勢力が加わるようにするコイルバネを介するか、錘を加えて揺動自在に枢着されてなるものとした中通し竿用釣糸掃除具である。
【0020】
取着金具に組み込まれたフランジ付き回転環は、取付管に対して、竿軸心周りに時計回り、および反時計回りの双方に自在に回動するよう、遊嵌状に組み合わされ、操作する人が何れかの方向、即ち、竿に絡み付いた釣糸をほぐす方向に弾みをつけて回動操作することになる。
以下では、これまでに説明してきたこの発明の中通し竿用釣糸掃除具に包含される構成が、より一層明確に理解できるよう、最も代表的な実施例を開示して具体的な説明を加えてみることとする。
【0021】
【実施例1】
図1の中通し竿用釣糸掃除具の分解斜視図、図2の釣糸掃除具を装着した中通し竿の側面図、図3の釣糸掃除具を装着した中通し竿先端の側断面図、図4の駒片の平面図、図5の駒片が揺動した状態を示す側断面図に示される事例は、この発明を具体化したものの代表的な1実施例である。
中通し竿用釣糸掃除具1は、中通し竿2の先端に取着固定される取着金具3と、この取着金具3に取り付けられた支持枠4と、支持枠4に揺動自在に枢着された駒片5とを備えており、該駒片5には一定の揺動方向に回動力を惹起する付勢手段6が設けられている。
【0022】
取着金具3は、抜止め環31、取付管32、およびフランジ付き回転環33から構成されていて、円環形状の内周壁面に雌ねじ31aを刻設した抜止め環31が、先ず、中通し竿2の先端に緩装され、続いて、フランジ付き回転環33を外装した長管状の取付管32が、その竿先挿着孔32bを中通し竿2の先端側から差し込むようにして嵌着され、接着剤32aによって竿2に一体化されるようにしている。
取付管32は、中通し竿2の基端側に対応する端部側外周面に、上記抜止め環31を螺着する雄ねじ部32cが刻設されると共に、同中途部外周面には、フランジ付き回転環33を外装する回転支持面32dが形成されており、該回転支持面32dは、雄ねじ部32cへの締付け段部32eを有していて、抜止め管31に当接して締付け位置が規制されるようにしてある。更に、取付管32の先端側には、上記フランジ付き回転環33を先端側に抜け落ちないようにする抜止めリブ32fが一体に形成されている。
【0023】
フランジ付き回転環33は、取付管32に対して抜止め環31を螺着することにより、上記取付管32の回転支持面32d外周に回転自在となる構造を実現すると共に、抜止め環31と抜止めリブ32fとによってその基端側および先端側を規制し、竿軸方向への移動が大きくならないようにしてあり、それ自体は、取付管32の回転支持面32dに遊嵌される取付管挿通孔33aを有する円筒状に形成されていて、その外周面の一部に、半円盤状のフランジ部33bが径方向に突設されると共に、その中央部には、フランジ付き回転環33の円周の接線方向(フランジ部33bの肉厚方向)に貫通状となる枢支孔33cが穿設され、後述する短冊状金属板を略「コ」字状または「U」字状に折曲、形成した支持枠4の2本の枢支端に設けた枢着孔41,41を枢支孔33cに対応させ、リベット42を貫通させて両者を連結することにより、上記フランジ付き回転環33に対して支持枠4が竿軸方向に揺動自在となるようにしてある。
【0024】
支持枠4は、駒片5を中途部に揺動可能に組み込むことができる長さ寸法で、「コ」字状または「U」字状に折曲、形成され、その先端面には、板厚方向に向けて貫通させた釣糸案内孔43が穿設されると共に、釣糸7が挿通されたときに釣糸7に傷を付けてしまわないよう、平滑に仕上げられている。また、支持枠4の略「コ」字状または「U」字状に形成された左右壁の中途部には、駒片5を枢着するための支持孔44,44が穿設されており、駒片5の支軸55を枢着できるようにしてあり、更に、支持枠4の一方の支持孔44近傍の内壁には、駒片5への付勢手段を実現するためのコイルバネ6が係止できるようにするバネ係止用突部45が凸設されている。
【0025】
上記支持枠4に組み込まれる駒片5は、該支持枠4の内側に挿入可能な寸法になるように金属板片を略「U」字状に折曲、形成してなる補強枠51を備え、該補強枠51の左右の板片間には、2枚の厚手のフェルトを重ね合わせてなる掃除用パッド52が、挾着状であって、しかも2枚のフェルト間に釣糸7を挟着状に通過させるようにする挟着部が確保されるような圧接状態にして装着され、この例では、更に、使いふるされたときに、必要に応じて着脱交換できるようにしたものとしている。
【0026】
支持枠に対しては、補強枠51の略中央で、やや1側縁側へずらして偏心させた部分に穿設させた、支持枠4の支持孔44,44よりも大径の枢支孔53に支軸55を挿通し、該支軸55の両端を支持枠4の支持孔44,44に支持させるようにして駒片5が組み合わされることになる。
この支軸55は、左右一対の支持片55a,55aと、その間に装着する圧縮バネ55bとからなり、この支持片55a,55aの対峙する内側端部に形成されたバネ受孔551b,551b内に、コイルバネからなる圧縮バネ55bの両端側を挿入状にして一本化し、該圧縮バネ55bを押し縮めながら、支持片55a,55aの外側端面に突設、形成した凸軸551a,551aを、上記支持枠4内に挿入させ、支持孔44,44に該凸軸551a,551aが達して突き出し状とされることにより、駒片5を支持枠4に組み込むようにするものであり、逆に取り外すときには、支持孔44,44から突き出し状となっている凸軸551a,551aを押し込んだ状態に操作し、支持枠に対して着脱自在となる構成を実現している。
【0027】
一方、支持枠4の一方の内側壁に対峙する駒片5の一側面には、中心部分が支軸55の支持片55aに巻き付けられるコイルバネ6の一端を係止するためのバネ係止用突部54が凸設されており、中心部が枢支片55aに巻き付けられたコイルバネ6は、その一端を該バネ係止用突部54に係合し、他端を支持枠4の内側壁に形成されたバネ係止用突部45に係合するようにして支持枠4と駒片5の補強枠51との間に介在、装着される結果、このコイルバネ6の弾性力と、支軸5を偏心形成した作用とにより、駒片5の先端側、即ち釣糸7に接する側が、支軸55を中心にして、中通し竿2先端の釣糸出入り口21aと前記支持枠4の釣糸案内孔43とを結んだ釣糸軌道に交叉する方向へ常に回動させてしまうよう付勢される構造が実現される。
【0028】
【実施例2】
図6の中通し竿用釣糸掃除具の分解斜視図、図7の中通し竿用釣糸掃除具の作動状態を示す側断面図に示される事例は、この発明に包含される中通し竿用釣糸掃除具の他の代表的な実施例を示すものであり、特に、取着金具3の釣竿2への取着構造に特徴を有している。
取着金具3は、円環形状に形成され、外周壁に位置規制フランジ31bが立設された抜止め環31を備えており、上記位置規制フランジ31bには、略「コ」字状に折曲され左右の縦壁部分に連結孔が穿設された連結部分に棒体を一体結合してなる連結杆31cが、リベット31dによって連結されており、更に、連結杆31cの竿2基端側(元竿25側)の端部には、クリップ31eが、同連結杆31cを軸心にして挟み込み作動する如くに構成されている。
【0029】
クリップ31eは、左右のクリップ部分の連結部分が連結杆31cによって貫かれ、揺動自在に連結されると共に、双方のクリップ部分を挟み込み方向に付勢するバネが挿着されている。クリップ31eに貫通され、竿2基端側(元竿25側)に突出された連結杆31cの端部は、圧潰されて脱抜しない形状に変形される。
上記抜止め環31は、リップ31eを竿2基端側(元竿25側)に位置させるようにして中通し竿2の先端部に緩装され、クリップ31eにより、不用意にズレ動かないように挟み込み固定される。こうして中通し竿2に固定された抜止め環31に対して、既に実施例1において説明済みのフランジ付き回転環33を外装した取付管32が螺着され、更に該フランジ付き回転環33には、駒片5を取着した支持枠4が、リベット42によって連結される。
その他、支持枠4への駒片5の組み込み構造や、駒片5の構造等も、既述の実施例1と同様の構成としている。
【0030】
【実施例3】
図8の中通し竿の先端に釣糸掃除具を挿着した状態の、要部側断面図に示される事例は、この発明の中通し竿用釣糸掃除具1の第3の実施例を示すものであり、駒片5に設けられる付勢手段が、鉛や銅等の高比重金属からなる錘6によって実現されるようにした構成に特徴を有している。
この実施例でも、取着金具3は、上記実施例2に示されたクリップ31eを使用して中通し竿2の先端部に取着、固定され、該取着金具3のフランジ付き回転環33のフランジ部33bに支持枠4の基端部側が、リベット42で前後方向に回動自在に枢着され、且つ竿軸周りの回動も自由となる揺動自在構造に形成されている。
【0031】
一方、駒片5には、その補強枠51内に、2枚の厚手のフェルトを重ね合わせてなる掃除用パッド52の外に、偏心形成した枢支孔53の偏心側と反対側の端縁寄りで、後端側となる箇所に鉛製の錘6が一体に組み込まれてなるものに形成された上、支持枠4の支持孔44,44に、実施例1あるいは2と同様、枢支孔53に刺し通した支軸55を構成する左右一対の支持片55a,55aの凸軸551a,551aを、内部の圧縮バネ55bに抗して押し縮めながら、支持枠4内に挿入、合致させ、該駒片5を支持枠4に組み込んでしまう。
【0032】
こうして組み込まれた駒片5は、偏心形成した支軸55に対し、偏心荷重が実施例1あるいは2の場合よりも鉛製の錘6分だけ大きく作用し、その先端部側は、この偏心作用により、中通し竿2先端の釣糸出入り口21aと前記支持枠4の釣糸案内孔43とを結んだ釣糸軌道に交叉する方向へ常に回動させてしまうよう付勢された構造を実現することになる。
なお、この実施例で示した構成は、例えば、略「U」字状に折曲、形成してなる補強枠51自体を、上記した鉛製の錘6の組み込み箇所に相当する箇所に折曲片が連設されてなるようにした構造のものに形成しても、略同様の作用を得ることができるものとなる。
【0033】
【作 用】
図2の側面図に示されるように、中通し竿2は、穂先竿21、2番竿22、3番竿23、4番竿24、および元竿25が伸縮自在な構造で連結された構造からなり、元竿25には、リール取着部25a、および、該リール取着部25aに取着された、図示しないリールから延びる釣糸7を竿2内に導入する釣糸導入孔25bを備え、また、穂先竿21の先端部分には、釣糸出入り口21aが形成されている。
【0034】
釣糸出入り口21aから引き出された釣糸7は、支持枠4の釣糸案内孔43に挿通されて下方に垂れ下がり状とされ、その先端に適宜仕掛けが施される一方、釣糸出入り口21aと釣糸案内孔43との間の釣糸7に対しては、駒片5の補強枠51内に設けられた掃除用パッド52が、図3に示されるように、その先端側を接触状とする。この姿勢は、支持枠4に対して、該駒片5が、釣糸出入り口21aと釣糸案内孔43とを結ぶ釣糸軌道に交叉する方向に常に回動しようとするよう付勢した構造で組み込まれた構成によって実現され、実施例1および2では、その付勢手段は、偏心装着した支軸55、およびコイルばね6によって付勢され、また、実施例3では、偏心装着した支軸55、および錘6によって付勢されるようにしてある。
【0035】
図3中に矢印Aによって示されるように、釣糸7が繰り出される場合には、釣糸7に接触状となっている掃除用パッド52の先端に対し、上から下に向けた力が作用し、支軸55で枢着されている駒片5には、矢印B方向に回転する力になって働き、予め駒片5に組み込んだ付勢力(矢印B方向とは逆の回転力)は、その回転力に抗しきれない強さに設定されていることから、繰り出されていく釣糸7は、掃除用パッド52の挾着部内に深く食い込むこともなく、ただ接触状となったままで移動する、図3の状態で経過していく。
この状態は、釣糸の引き出し方向が変わっても、揺動自在とした支持枠4がスムーズに追随するだけで、釣糸軌道に対する駒片5の関係には殆ど影響することなく、上記した状態が維持されていく。
【0036】
釣糸7が、図5や図7、図8中の矢印Cの方向に巻き取られていく場合には、今度は、釣糸7に接触状となっている掃除用パッド52の先端に対し、下から上に向けた力が作用し、支軸55で枢着されている駒片5には、図5中、矢印D方向に回転する力になって働くと共に、予め駒片5に組み込んだ、矢印D方向と同一方向の回転となる付勢力もそれに加わることから、巻き取られていく釣糸7の移動に伴って、次第に、釣糸7は、掃除用パッド52の挾着部内に深く食い込んでいって、2枚のフェルト52,52間に形成された挾着部に所定圧力で釣糸7が挟み込まれた、図4の駒片5の平面図に示された状態を実現し、予めその挾圧力を規制して形成してある挾着部の間を、釣糸7は、それ程の摩擦抵抗が掛からない状態で移動し、その過程で、釣糸7の周囲に付着した水滴や、ゴミ、泥、油等を拭いとられていき、駒片5を通過した後、釣糸出入り口21aから中通し竿2の中空部内に引き込まれる釣糸7は、水滴は勿論のこと、汚れも大部分取り除かれたきれいな釣糸7として引き込まれていく。
【0037】
所定の巻き取りを終え、獲物の魚を外したり、餌を付け替えようとしている間、駒片5から下の釣糸7は、弛んで自由な状態に止まる結果、不用意に釣り竿2に絡めてしまった場合には、駒片5を枢支する支持枠4が、フランジ付き回転環33により、中通し竿2の軸周りに回転自在に設けられているので、元竿25部分を操作して、穂先竿21を、図3や図7、図8中の矢印Eで示すように公転状に回転させると、竿軸から離れた位置にある駒片5の重さが幸いして、簡単に支持枠5を竿2周りに自転させることができ、その回転方向をうまく選択しさえすれば、絡み付いた釣糸7を、穂先21を手元に寄せることもなく、極めて簡単にほぐすことができる。
【0038】
支持枠4は、前後方向に揺動自在に取着されているので、アタリがきて魚が逃げ回る動きで釣竿2と釣糸7との角度が変化したとしても、釣糸7の引っ張られる角度に従って、支持枠4が前後に自由に追随でき、したがって、釣糸出入り口21aから釣糸案内孔43を経由して延びる釣糸7は、常に一直線状のままの状態が維持され、釣糸案内孔43に起因した部分的な力の集中を生じることは一切あり得ず、この発明の釣糸掃除具を装着、使用したことによって釣糸7に傷の発生や不用意な破断を生じさせてしまうといった危惧は、全く考慮する必要はない。特に、取着金具にフランジ付き回転環33を組み込んでなるものとしたものでは、支持枠4は、前後動に加えて左右動も自由自在となり、魚が複雑な動きをしたとしても、より柔軟に対応できるものとなって、釣糸7に無理な力が作用してしまう弊害を一層確実に回避できるものとする。
【0039】
また、駒片5が、支軸55の突軸551a,551aを支持枠4の外側から押圧し、圧縮バネ55bを圧縮することにより、支持枠4への枢着を解き、容易に取り外すことができるようにしたものでは、補強枠51内に挟み込み保持された掃除用パッド52を新たな部品に交換することが可能なものとなって、何時でも掃除作用を低下させてしまうことない釣糸掃除具としての使用が保証されるものとなる。
更に、実施例2に代表されるような、中通し竿2に対して着脱可能な構成を備えてなる中通し竿用釣糸掃除具1では、中通し竿2の先端に、取付管32を挿通し、穂先竿21の基端側にクリップ31eを挟着することにより、極めて簡単に装着を完了することができ、また、取り外す場合にも、クリップ31eを拡開する操作で簡単に実施できる。
【0040】
【効 果】
以上とおり、この発明の中通し竿用釣糸掃除具によれば、従前までのこの種付属具を装備するようにしたもののような、折角拭い取った汚れが何時までも釣糸軌道に残留して、掃除作用を低下させてしまうことのないよう、釣糸の巻き上げ時だけ、掃除用パッドに釣糸が抱持状とされて該パット内に汚れが付着または吸着されてしまうようにし、引き出し時にはその状態から解放されてしまう構成を実現し得ていると同時に、汚れを擦り取る箇所が、釣糸の出入り方向に直交配置で固定されていて、釣糸の出入りに抵抗が掛かってしまうものと違い、釣糸の出入りにうまく追随した動きとなるよう工夫を凝らした構成からなるものとしたので、釣りの最中に付着した泥や、ゴミ、水面に浮かぶ油等の汚れを確実に払拭することができる上、釣糸の引き出し、巻き取り操作に殆ど影響を与えることのない極めて実用価値の高い釣竿付属具を完成することができ、したがって、中通し竿を愛用する釣人の釣りを、大いに楽しむことができるものとし、それだけ釣果を期待できる釣りが保証されることになるという秀れた特徴を発揮することになる。
【0041】
釣糸は、その汚れが確実に拭き取られ、清浄化された状態で中通し竿内に収容されるので、竿内部が常に清潔に保たれ、釣竿の伸縮機構や分解操作、あるいは釣糸の通り具合等といった基本性能を良好に保つことができ、しかも、駒片の釣糸の巻き取り時の前方側には、支持枠に形成された釣糸案内孔が設けられていて、この釣糸案内孔を釣糸が通過する際に一定以上の大きさのゴミや異物、泥等が、凡そ除去されてしまうようにした構造となっていることから、巻き取り時に異物の混入が確実に阻止され、それらに起因した釣糸の汚損を著しく低減することができる上、駒片で除去されなければならない汚れが最小限に制限され、掃除用パッドの寿命を延ばすという経済的な効果が期待できるものとなる。
また、掃除用パッドを好適な素材に選択、採用すれば、取り外した後、洗浄して再利用することも可能なものとすることができ、経済効果をより高めることができる。
【0042】
特に、各実施例に示した中通し竿用釣糸掃除具には、上記までの特徴に加え、取着金具にフランジ付き回転環33が採用された構造となっていて、これに枢着される支持枠4が、竿2周りに回転自在、且つ、竿2の前後方向に揺動自在となるように構成されており、中通し竿2の釣糸出入り口21aから導出された釣糸7のあらゆる動きに追随できるもとしていることから、釣糸案内孔43を通過する釣糸7に無理な力を一切作用させないという特徴が含まれ、また、竿に絡み付いた釣糸も、釣糸7を手繰り寄せ、手で糸7と竿2とを交互に持ち替えて実施する等といった面倒な操作をすることもなく、元竿25を把持して回転操作するだけで、簡単にほぐすことができるという利点等も兼ね備えられている。
【0043】
また、実施例2では、中通し竿2の先端に、取付管32を挿通し、穂先竿21の基端側にクリップ31eを挟着することにより、極めて簡単に装着を完了することができ、また、取り外す場合にも、クリップ31eを拡開する操作で簡単に実施でき、既に購入済みの中通し竿に対して、釣糸掃除具のみを別部品として購入し、後付けすることも可能になることから、釣竿本体としての販売の外に、付属具という独立した商品としての販売も可能となって、市場の拡大に大いに役立つという特徴を有するものとすることができ、更に、実施例3の中通し竿用釣糸掃除具1では、駒片5の付勢力が、所定の箇所に装着した錘6によって実現されるものとしてあり、コイルバネを使用した他の実施例のものに比較し、錆びやゴミの巻き込み等の発生が低減化され、破損し難い構造のものとできて、長く使用することができるという効果を期待することができるものとなる。
【0044】
叙上の如く、この発明の中通し竿用釣糸掃除具は、極めて新規な構成によって、今日まで解決されることのなかった所期の目的を確実に達成可能とするものであり、その構造も比較的簡素で低廉な製品として市場に提供することが可能であることから、若年層から高齢者層まで、しかも性別を問わず親しまれている釣り、特に中通し竿による釣りの楽しみが大いに高揚され、釣り仲間から高い評価がなされると共に、釣り市場においては、その有用性が広く認められ、今後の需要拡大に大いに役立つものと予想される。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の中通し竿用釣糸掃除具の技術的思想を具現化した代表的な実施例を示すものである。
【図 1】 中通し竿用釣糸掃除具の分解斜視図である。
【図 2】 釣糸掃除具を装着した中通し竿の側面図である。
【図 3】 釣糸掃除具を装着した中通し竿先端の側断面図である。
【図 4】 駒片の平面図である。
【図 5】 駒片が揺動した状態を示す側断面図である。
【図 6】 中通し竿用釣糸掃除具の分解斜視図である。
【図 7】 中通し竿用釣糸掃除具の作動状態を示す側断面図である。
【図 8】 中通し竿の先端に釣糸掃除具を挿着した要部の側断面図である。
【符号の説明】
1 中通し竿用釣糸掃除具
2 中通し竿
21 同 穂先竿
21a 同 釣糸出入り口
22 同 2番竿
23 同 3番竿
24 同 4番竿
25 同 元竿
25a 同 リール取着部
3 取着金具
31 同 抜止め環
31a 同 雌ねじ
31b 同 位置規制フランジ
31c 同 連結杆
31d 同 リベット
31e 同 クリップ
32 同 取付管
32a 同 接着剤
32b 同 竿先挿着孔
32c 同 雄ねじ部
32d 同 回転支持面
32e 同 締付け段部
32f 同 抜止めリブ
33 同 フランジ付き回転環
33a 同 取付管挿通孔
33b 同 半円盤状のフランジ部
33c 同 枢支孔
4 支持枠
41 同 枢着孔
42 同 リベット
43 同 釣糸案内孔
44 同 支持孔
45 同 バネ係止用突部(支持枠側)
5 駒 片
51 同 揺動枠
52 同 掃除用パッド
53 同 枢支孔
54 同 バネ係止用突部(駒片側)
55 同 支軸
55a 同 支持片
55b 同 圧縮バネ
551a 同 突軸
551b 同 バネ受孔
6 コイルバネ,錘(付勢手段)
7 釣 糸

Claims (6)

  1. 中通し竿先端への取着金具と、中通し竿先端の釣糸出入り口から所定距離をおいた先端側に釣糸案内孔が穿設されると共に、基端側が、前記取着金具に対し、揺動自在であって、且つ中通し竿先端の釣糸出入り口から突き出さない位置に規制して取着される如くした支持枠と、中通し竿先端の釣糸出入り口と該支持枠の釣糸案内孔との間を経由する釣糸を挟着状に通過可能とさせる挟着部の形成された掃除用パッドが組み込まれてなる駒片とからなり、該駒片が、前記支持枠に対し、その掃除用パッドの挟着部先端であって釣糸に対峙する箇所を、中通し竿先端の釣糸出入り口と該支持枠の釣糸案内孔とを結んだ釣糸軌道に交叉する方向へ回動させてしまう付勢力が加わるようにした構造で枢着されてなることを特徴とする中通し竿用釣糸掃除具。
  2. 駒片に付勢力を加える構造が、支持枠と駒片との間に介したコイルバネその他の弾性体の弾発力で実現されるようにした構造からなるものとした請求項1記載の中通し竿用釣糸掃除具。
  3. 駒片に付勢力を加える構造が、支持枠への枢着部を偏心させ、その枢支軸周りの駒片自体の偏心荷重によって惹起されるようにした構造からなるものとした請求項1記載の中通し竿用釣糸掃除具。
  4. 駒片に付勢力を加える構造が、支持枠と駒片との間に介したコイルバネその他の弾性体の弾発力で実現されるようにした構造、および支持枠への枢着部を偏心させ、その枢支軸周りの駒片自体の偏心荷重によって惹起されるようにした構造の組み合わせからなるものとした請求項1記載の中通し竿用釣糸掃除具。
  5. 中通し竿先端への取着金具が、その中途に、中通し竿軸心と同心で、同軸心周りに回転自在とするフランジ付き回転環を装着したものに形成され、該フランジ付き回転環のフランジ部に支持枠基端側を枢着して、取着金具への支持枠の前後、左右の揺動自在構造を実現してなるものとした請求項1ないし4何れか記載の中通し竿用釣糸掃除具。
  6. 中通し竿先端に対して同心状に外装、取着される取付管と、この取付管に螺着される抜止め環とによって、竿軸方向の移動が規制され、且つ竿軸周りに回転自在として枢着されると共に、その外周壁面にはフランジ部が立設されてなるようにしたフランジ付き回転環を有する取着金具を備え、該回転環のフランジ部に対し、略「コ」字状に形成された支持枠の左右両基端側を揺動自在に枢着する一方、支持枠の先端面には釣糸案内孔を穿設すると共に、同支持枠の左右の枠間には、左右に二分割され、圧縮バネが挟み込まれることによって着脱自在となるようにした支軸を介して、中通し竿先端の釣糸出入り口と該支持枠の釣糸案内孔との間を経由する釣糸を挟着状に通過可能とする挟着部の形成された掃除用パッドが組み込まれてなる駒片が、その掃除用パッドの挟着部先端であって釣糸に対峙する箇所を、中通し竿先端の釣糸出入り口と該支持枠の釣糸案内孔とを結んだ釣糸軌道に交叉する方向へ回動させてしまう付勢力が加わるようにするコイルバネを介して、または錘を取り付けて揺動自在に枢着されてなるものとした中通し竿用釣糸掃除具。
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