JPH09117779A - ミネラル水の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

ミネラル水の製造方法およびその製造装置

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JPH09117779A
JPH09117779A JP15798496A JP15798496A JPH09117779A JP H09117779 A JPH09117779 A JP H09117779A JP 15798496 A JP15798496 A JP 15798496A JP 15798496 A JP15798496 A JP 15798496A JP H09117779 A JPH09117779 A JP H09117779A
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mineral
water
imparting
raw water
cartridge
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JP15798496A
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Kazuo Tokushima
一雄 徳島
Akiko Ito
晶子 伊藤
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造されるミネラル水に含まれる各種ミネラ
ル成分の溶出量や比率を調整できるミネラル水の製造方
法およびその製造装置の提供を目的とする。 【解決手段】 カートリッジ2の内部には、水の流れ上
流側から順にサンゴ石、麦飯石、活性炭が層状に充填さ
れている。また、カートリッジ2の内部にはサンゴ石と
麦飯石とに接触するように超音波振動子15を内蔵する
振動伝達ケース16が配置されている。水道水蛇口に接
続された流入管6は、分岐管6aと分岐管6bとに分岐
する。分岐管6aはカートリッジ2の底面に、分岐管6
bはカートリッジ2の円筒側面にそれぞれ接続してお
り、原水をカートリッジ2の内部に流入させる。ミネラ
ル付与材に照射する超音波の照射条件を変化させたり、
分岐管6aに設けたバルブ8により各分岐管6a、6b
に流入する原水の量を調整することにより製造されるミ
ネラル水に含まれるミネラル成分の溶出量や比率を調整
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造されるミネラ
ル水に含まれる各種ミネラル成分の溶出量および各種ミ
ネラル成分の比率を使用者の要求に応じて調整すること
ができるミネラル水の製造方法およびその製造装置に関
するものであり、例えば、業務用として飲食店などにお
いて、また、家庭用として一般家庭において、飲料水を
生成するものとして用いることができる。
【0002】
【従来の技術】従来、ミネラル水の製造装置であるミネ
ラル成水器としては、ミネラル石などのミネラル付与材
を充填したカートリッジに水道水などを通過させ、この
水道水に、カルシウムやカリウム、マグネシウムといっ
た各種ミネラル成分を溶出させるものが知られている。
【0003】ところで、水道水などの原水へのミネラル
成分の溶出量を増大させるミネラル成水器としては、例
えば、特開平3−26392号公報に示されているよう
に、ミネラル付与材に超音波を照射するミネラル成水器
が知られている。この特開平3−26392号公報で
は、多孔質であり、その表面に多くの微細孔を有するミ
ネラル付与材に超音波を照射することにより、原水をミ
ネラル付与材の表面の微細孔に流入させ、原水とミネラ
ル付与材との接触面積を増大させたり、ミネラル付与材
表面の原水の流れを撹乱し、溶出したミネラル成分の拡
散を行うことにより、各種ミネラル成分の溶出量を増大
させようとするとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−26392号公報に示されているようなミネラル成
水器であると、一定の照射条件においてミネラル付与材
に超音波を照射するため、各種ミネラル成分の溶出量お
よび比率が一定であるミネラル水を製造することは可能
であるが、使用者の嗜好や要求に応じて、各種ミネラル
成分の溶出量および/または比率を調整したミネラル水
を製造することは不可能であった。
【0005】そこで、本発明は上記の点に鑑みてなされ
たものであり、ミネラル成分の溶出量および製造される
ミネラル水に含まれる各種ミネラル成分の比率を、使用
者の要求に応じて調整することができるミネラル水の製
造方法、およびそれに用いられるミネラル成水器の提供
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】ミネラル付与材は多孔質
であり、その表面に多くの微細孔を有している。内部に
ミネラル付与材が納められたミネラル付与部を原水が通
過すると、原水はミネラル付与材と接触し、原水にミネ
ラル成分が溶出する。この際、超音波をミネラル付与材
に照射することにより、原水がミネラル付与材の表面に
存在する微細孔に流入し、原水とミネラル付与材との接
触面積が増大するとともに、ミネラル付与材表面の原水
の流れが撹乱され、溶出したミネラル成分の拡散を行う
ことにより、各種ミネラル成分の溶出量は増大する。本
発明者らは鋭意検討した結果、ミネラル付与材に超音波
を照射する際に、ミネラル付与材に照射する超音波の照
射条件を変化させると、原水へのミネラル成分の溶出量
が変化することを見出した。したがって、請求項1、
2、3の発明によれば、周波数や出力強度といったミネ
ラル付与材に照射する超音波の照射条件を変化させるこ
とにより、使用者の要求や嗜好等に応じてミネラル成分
の溶出量を調整することができ、所望する量のミネラル
成分が溶出したミネラル水を得ることができる。
【0007】ところで、ミネラル付与材はその種類によ
り、原水に溶出するミネラル成分の種類や、各種ミネラ
ル成分の溶出量や比率が異なる。そこで、本発明者らは
鋭意検討した結果、ミネラル付与材として、原水に溶出
する各種ミネラル成分の溶出量および/または比率の異
なる複数のミネラル付与材を用い、原水が各ミネラル付
与材を通過する通水量割合を変化させると、原水に溶出
する各種ミネラル成分の溶出量および/または比率を変
化させることができることを見出した。そこで、請求項
4の発明によれば、ミネラル付与材として、原水に溶出
する各種ミネラル成分の溶出量および/または比率の異
なる、複数の種類のミネラル付与材をミネラル付与部
(2)の内部に納め、原水がこれらの各ミネラル付与材
を通過する通水量割合を変化させることにより、各種ミ
ネラル成分の溶出量を調整することができ、使用者の要
求や嗜好等に応じた、ミネラル水に含まれる各種ミネラ
ル成分の比率の異なるミネラル水を得ることができる。
【0008】また、請求項5の発明によれば、複数の種
類のミネラル付与材を原水が通過する通水量割合を変化
させることによって使用者の要求や嗜好等に応じてミネ
ラル水に含まれる各種ミネラル成分の比率の異なるミネ
ラル水を得ることができるとともに、制御手段によって
ミネラル付与材に照射する超音波の照射条件を変化させ
ることにより、溶出するミネラル成分の溶出量を調整す
ることができる。したがって、超音波の照射条件と各ミ
ネラル付与材を原水が通過する通水量割合をそれぞれ変
化させることにより、所望する比率および溶出量で各ミ
ネラル成分を溶出させることができる。
【0009】また、請求項6の発明によれば、内部にミ
ネラル付与材が納められるミネラル付与部(2)に原水
を通過させる際に、超音波振動子(15)を振動させる
と、超音波振動子の振動は原水を介してミネラル付与材
に伝達される。このようにミネラル付与材に超音波が照
射されると、原水はミネラル付与材の表面に存在する微
細孔に流入し、原水とミネラル付与材との接触面積が増
大するとともに、ミネラル付与材表面の原水の流れが撹
乱され、溶出したミネラル成分は拡散されるので各種ミ
ネラル成分の溶出量は増大する。この際、制御手段によ
り周波数や出力強度といった超音波の照射条件を制御す
ることにより、使用者の要求や嗜好等に応じてミネラル
成分の溶出量を調整することができ、所望する量のミネ
ラル成分が溶出したミネラル水を得ることができる。
【0010】また、請求項7、9、11の発明によれ
ば、通水量割合調整手段(8)により、原水が分岐管
(6a、6b)を通過する通水量割合を変化させること
により、原水が各ミネラル付与材を通過する通水量割合
を変化させることができる。したがって、各種ミネラル
成分の溶出量を調整することができ、使用者の要求や嗜
好等に応じた、ミネラル水に含まれる各種ミネラル成分
の比率の異なるミネラル水を得ることができる。
【0011】さらに、請求項8の発明によれば、複数の
種類のミネラル付与材を原水が通過する通水量割合を変
化させることによって使用者の要求や嗜好等に応じてミ
ネラル水に含まれる各種ミネラル成分の比率の異なるミ
ネラル水を得ることができるとともに、制御手段によっ
てミネラル付与材に照射する超音波の照射条件を変化さ
せることにより、溶出するミネラル成分の溶出量を調整
することができる。したがって、超音波の照射条件と各
ミネラル付与材を原水が通過する通水量割合をそれぞれ
変化させることにより、所望する比率および溶出量で各
ミネラル成分を溶出させることができる。
【0012】また、請求項10の発明によれば流入管
(6)が分岐する部分に開閉弁(8)を設けることによ
り、複数の分岐管(6a、6b)に流入する原水の量を
1つの開閉弁により調整することができ、開閉弁の数を
減らすことができるとともに、より簡潔な制御により各
分岐管に流入する原水の量を調整することができる。ま
た、請求項12の発明によれば、ミネラル付与部(2)
の内部に、ミネラル付与材よりも水の流れの下流側に水
質浄化剤(13)が納められているため、原水に含まれ
る塩素や爽雑物を除去することができるとともに、ミネ
ラル付与材への超音波照射によりミネラル付与材が破砕
され、破片が生じても、水質浄化剤によって除去するこ
とができ、ミネラル付与材の破片がミネラル水へ混入し
てしまうことを防止できる。
【0013】さらに、請求項13の発明によれば、超音
波振動子(15)の振動は振動伝達ケース(16)を介
してミネラル付与材に伝達されるので、超音波振動子の
振動により、超音波振動子の振動面だけではなく、振動
伝達ケースの外壁面(16a、16b、16c)も振動
するので、ミネラル付与材に超音波振動子の振動を伝達
する部分の面積を増大することができ、より多くのミネ
ラル付与材に超音波振動子の振動を伝達することができ
る。その結果、ミネラル分の溶出量を増大させることが
できる。
【0014】また、振動伝達ケースはミネラル付与材に
取囲まれるように配置されているので、超音波振動子の
振動をミネラル付与部(2)の内側から外側に向かって
ミネラル付与材に伝達することができる。そのため、例
えば、ミネラル付与部の端部に超音波振動子を配置した
構造のものにくらべ、振動伝達ケースから最も離れたミ
ネラル付与材の部分と振動伝達ケースの外壁面との距離
を短くすることができ、超音波振動子の振動が減衰する
前にミネラル付与材全体にわたって超音波振動子の振動
を伝達することができる。その結果、ミネラル付与材全
体にわたって超音波振動子の振動を有効に伝達すること
ができ、ミネラル分の溶出量を増大させることができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、ミネラル水製造装置であ
るミネラル成水器1の模式的な断面図である。ミネラル
成水器1は、上部ケース3と下部ケース4とを備えてい
る。樹脂からなる上部ケース3は略円筒形で、その内部
にはミネラル付与部であるカートリッジ2が収められて
いる。
【0016】上部ケース3の円筒面の内壁には、略垂直
にガイド溝(図示しない)が形成されている。一方、樹
脂からなる下部ケース4は円錐台形状であり、上部ケー
ス3の下方に配される。上部ケース3と下部ケース4と
の間には仕切板4aが配されており、上部ケース3と下
部ケース4とが水密となるよう接合されている。なお、
下部ケース4の内部には超音波発振器5が収められてい
る。
【0017】カートリッジ2は、樹脂からなる略円筒形
のカートリッジケース9の内部に吸着剤10が充填され
るように納められているもので、通過する原水にミネラ
ル成分を付与するミネラル付与部である。また、カート
リッジ2の内部には、ステンレスからなり、超音波振動
子15の振動をミネラル付与材に伝達する振動伝達ケー
ス16が納められている。カートリッジケース9の円筒
面外側には、図示しないが、突出部が立設されている。
カートリッジ2を上部ケース3に組み付ける際に、この
突出部が上部ケース3の、前述したガイド溝に沿って挿
入され、カートリッジ2は上部ケース3に固定される。
【0018】吸着剤10は、水の流れ上流側から順に、
第1のミネラル付与層11、第2のミネラル付与層1
2、水質浄化剤層13が積層してなるものである。本実
施の形態では、第1のミネラル付与層11は粉砕したサ
ンゴ石からなり、第2のミネラル付与層12は粉砕した
麦飯石からなる。なお、サンゴ石および麦飯石は、ミネ
ラル付与材の一種であり、それぞれ、Ca、K、Mgな
どのミネラル成分を溶出するが、溶出する各種ミネラル
成分の溶出量や比率は異なっている。また、本実施の形
態では、水質浄化剤層13は水質浄化剤である活性炭か
らなる。
【0019】なお、カートリッジケース9の下端と第1
のミネラル付与層との間と、カートリッジケース9の上
端と水質浄化剤層13との間には、それぞれ不織布など
のフィルタ14が配置されており、吸着剤10のカート
リッジ2外部への流出を防止している。また、活性炭層
13と第2のミネラル付与層12との間にも不織布など
のフィルタ14が配置されており、水質浄化剤のミネラ
ル付与材への混入を防止している。
【0020】振動伝達ケース16は、カートリッジケー
ス9の径よりも小さな径を有する略円筒形であり、内部
には後述する超音波振動子15が固定される。振動伝達
ケース16の下端面には開口部(図示しない)が形成さ
れており、この開口部は超音波振動子15を超音波発振
器5に接続するための配線(図示しない)を通すための
開口部となっている。なお、振動伝達ケース16の内部
に水が流入しないように、この開口部には防水パッキン
が設けられており、水密となるようシールされている。
【0021】振動伝達ケース16の下端16cはカート
リッジケース9の底面の、ほぼ軸中心となる位置に固定
されており、その上端は第2のミネラル付与層12の内
部に含まれるよう配置されている。つまり、振動伝達ケ
ース16の円筒面の外壁面16bと振動伝達ケース16
の上端の外壁面16aとは、カートリッジ2の内部にお
いて、ミネラル付与材よりも内側に位置している。
【0022】振動伝達ケース16の周囲はミネラル付与
材であるサンゴ石と麦飯石とに取り囲まれており、振動
伝達ケース16の上端の外壁面16aは第2のミネラル
付与層12と、円筒面の外壁面16bは第1のミネラル
付与層11と第2のミネラル付与層12と接触してい
る。超音波振動子15は略円柱形の圧電素子であり、略
円柱状のPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)15aの両側
に、ホーン部15bとなるアルミニウムを塗布したもの
である。超音波振動子15は、振動伝達ケース16の上
端面内側にエポキシ樹脂などにより、接着固定されてい
る。この際、超音波振動子15の外周面とカートリッジ
ケース9の内壁面9aとの距離(図2b中、lで示す)
がほぼ一定となるように超音波振動子15を配置する。
なお、超音波振動子15は図示しない配線により超音波
発振器5に配線されている。この超音波発振器5は図示
しない制御手段によって制御され、超音波振動子15に
よって照射される超音波の周波数や出力強度といった超
音波の照射条件を変化させることができる。
【0023】カートリッジケース9の上部内側には、制
菌のための電極18を保持するための樹脂からなる略円
筒形の保持部17a、17bがカートリッジケース9の
内側に向けて立設されている。なお、保持部17aの端
部は水質浄化剤層13まで伸びている。一方、保持部1
7bの端部は、第1のミネラル付与層11と第2のミネ
ラル付与層12との境界に近い、第1のミネラル付与層
11の部分まで伸びている。
【0024】制菌のための電極18は、炭素棒からなる
正の電極18aと、アルミニウムからなる棒状の負の電
極18bとからなる。正の電極18aは前述した保持部
17aに、負の電極18bは前述した保持部17bによ
り、それぞれの先端部が突出した状態でそれぞれ保持さ
れている。そのため、正の電極18aの先端部は水質浄
化剤層13に接触しており、負の電極18bの先端部は
第1のミネラル付与層11をなすサンゴ石に接触してい
る。
【0025】原水が通過する通水路は、水道水蛇口(図
示しない)に連結され、原水をカートリッジ2の内部に
流入させる流入手段である流入管6と、カートリッジ2
を通過したミネラル水をミネラル成水器1の外部に流出
させる流出手段である流出管7とからなる。水道水蛇口
に連結された流入管6は、下部ケース4の側壁に形成さ
れた開口部4bを貫通し、下部ケース4の内部で分岐管
6aと分岐管6bとに分岐する。
【0026】分岐管6aは、下部ケース4の上面に配し
た仕切板4aのほぼ中央を貫通し、上部ケース3の内部
に至り、カートリッジケース9の底面のほぼ中央に、そ
の端部は嵌合されている。一方、分岐管6bは、分岐管
6aよりもさらに下部ケース4の壁面側に伸び、下部ケ
ース4の上面に配した仕切板4aを貫通し、上部ケース
3の内部に至る。上部ケース3の内部において、分岐管
6bはカートリッジ2の側方から伸び、カートリッジケ
ース9の円筒側面に、その端部は嵌合されている。な
お、分岐管6bの端部がカートリッジケース9の円筒側
面に嵌合する位置は、第2のミネラル付与層12の近く
の、第1のミネラル付与層11が形成される部分であ
る。
【0027】分岐管6bには開度を調整することができ
る開閉弁であるバルブ8が設けてある。流入管6から分
岐管6bに流入する原水の量の割合はバルブ8の開度を
調整することにより調整され、その結果、各分岐管6
a、6bに流入する原水の量の割合は調整される。つま
り、バルブ8は請求項における通水量割合調整手段に相
当する。
【0028】一方、流出管7は、上部ケース3の上部に
形成された開口部3aを貫通し、上部ケース3の内部
で、カートリッジ2の上面に接続されている。続いて、
ミネラル成水器1の作動について述べる。水道蛇口から
送られた原水は、流入管6を介してミネラル成水器1の
内部に流入する。続いて、原水は分岐管6aおよび/ま
たは分岐管6bを介してカートリッジ2に流入する。カ
ートリッジ2に流入した原水が第1のミネラル付与層1
1および第2のミネラル付与層12を通過すると、各ミ
ネラル付与材からCaやMgなどの各種ミネラル成分が
溶出し、これらの各種ミネラル成分が原水に付与され
る。
【0029】続いて、ミネラル成分を付与されたミネラ
ル水は水質浄化剤層13を通過し、塩素などが活性炭に
より吸着されるとともに、各種爽雑物が除去され、浄化
されたミネラル水となる。さらに、カートリッジ2を通
過したミネラル水は流出管7を経てミネラル成水器1の
外部へと送られる。本実施の形態では、ミネラル成水器
1の作動時に超音波発振器5を作動させると、PZT1
5aが振動する。PZT15aの振動はホーン部15b
により増幅されるとともに、超音波振動子15全体が振
動する。超音波振動子15全体の振動は、超音波振動子
15が固定された振動伝達ケース16に伝達される。
【0030】本実施の形態では、その下端面16cを除
く外壁面16a、16bが、第1のミネラル付与層11
と第2のミネラル付与層12とに接触するように、振動
伝達ケース16はカートリッジ2の内部に配置されてい
るので、超音波振動子15の振動は振動伝達ケース16
を介して第1のミネラル付与層11と第2のミネラル付
与層12に伝達される。
【0031】ミネラル付与材は多孔質であるため、ミネ
ラル付与材の表面に存在する微細孔に原水が流入し、ミ
ネラル付与材と原水との接触面積が増大する。また、ミ
ネラル付与材の表面の原水の流れが撹乱されるので、原
水に溶出したミネラル成分は拡散される。その結果、原
水へのミネラル成分の溶出量は増大する。ところで、バ
ルブ8の開度を調整することにより、流入管6から分岐
管6bに流入する原水の量の割合が調整され、各分岐管
6a、6bに流入する原水の量の割合は調整される。
【0032】原水が分岐管6aを経てカートリッジ2に
流入する場合、原水は第1のミネラル付与層11と第2
のミネラル付与層12とを通過する。一方、原水が分岐
管6bを経てカートリッジ2に流入する場合、原水は主
に第2のミネラル付与層12を通過する。このように原
水がカートリッジ2に流入する流路を切替えることによ
り、原水が第1のミネラル付与層11と第2のミネラル
付与層12とを通過する通水量の割合を変化させること
ができる。
【0033】ところで、本発明者らは鋭意検討した結
果、以下のことを見出した。すなわち、(1)ミネラル
付与材に照射する超音波の照射条件を変化させることに
より、原水へのミネラル溶出量を調整することができ
る。(2)複数の種類のミネラル付与材を用いて、ミネ
ラル成分を溶出させる場合、それぞれのミネラル付与材
の通水量割合を変化させることにより、製造されるミネ
ラル水に含まれる各種ミネラル成分の比率を調整するこ
とができる。
【0034】まず、ミネラル成分の溶出量に対するミネ
ラル付与材に照射する超音波の照射条件の変化の影響に
ついて検討した実験例について述べる。超音波の照射条
件については、照射する超音波の周波数および出力強度
について検討した。まず、ミネラル付与材に照射する超
音波の周波数を変化させた実験例について述べる。
【0035】
【実験例1】ミネラル成分を一切含まない蒸留水をカー
トリッジ2に流速4l/minで通過させるとともに、
周波数が28KHz、45KHz、100KHz、17
00KHzの超音波をミネラル付与材に照射し、カート
リッジ2通過後の水の、ミネラル成分の溶出量を測定し
た。なお、カートリッジ2としては、内径83mm、高さ
210mmのカートリッジケース9にミネラル付与材とし
てサンゴ石200gを充填したものを用いた。照射する
超音波の強度は、0.1W/cm2 および0.3W/c
2 とした。結果については、図3に示した。なお、そ
の他の構成は実施例と同様であるので説明を省略する。
【0036】図3において、実線は照射した超音波の出
力強度が0.1W/cm2 の場合の、超音波の周波数の
変化によるミネラル成分溶出量の変化を示す。一方、破
線は照射した超音波の強度が0.3W/cm2 の場合
の、超音波の周波数の変化によるミネラル成分溶出量の
変化を示す。図3に示すように、照射した超音波の出力
強度が0.1W/cm2 の場合も、0.3W/cm2
場合も、周波数が変化するとミネラル成分の溶出量は変
化した。つまり、周波数を変化させることにより、ミネ
ラル成分の溶出量を調整できることが明らかとなった。
なお、どちらの出力強度においても、周波数が45KH
zの際にミネラル成分の溶出量は最大となった。本実験
例の結果より、30KHzから60KHzの範囲におい
てミネラル成分の溶出量が増大するため、ミネラル付与
材に照射する超音波の周波数としては、この範囲が望ま
しいといえる。
【0037】続いて、ミネラル付与材に照射する超音波
の出力を変化させた実験例について述べる。
【0038】
【実験例2】ミネラル成分を一切含まない蒸留水をカー
トリッジ2に流速4l/minで通過させるとともに、
超音波の出力を変化させてミネラル付与材に照射し、カ
ートリッジ2通過後の水のミネラル成分の溶出量を測定
した。なお、カートリッジ2としては、内径83mm、高
さ210mmのカートリッジケース9に、ミネラル付与材
としてサンゴ石150gを充填したものを用いた。な
お、照射する超音波の周波数は28KHz、45KH
z、および100KHzとした。なお、その他の構成は
実施例と同様であるので説明を省略する。結果について
は、28KHzの超音波をミネラル付与材に照射したも
のについては図4(a)に、45KHzの超音波をミネ
ラル付与材に照射したものについては図4(b)に、1
00KHzの超音波をミネラル付与材に照射したものに
ついては図4(c)に、それぞれ示した。
【0039】図4(a)、図4(b)、図4(c)に示
したように、28KHz、45KHz、100KHzの
すべての周波数において、出力強度が増大するにつれ
て、ミネラル成分の溶出量は増加した。つまり、ミネラ
ル付与材に照射する超音波の出力強度を変化させること
により、ミネラル成分の溶出量を調整できることが明ら
かとなった。
【0040】続いて、複数の種類のミネラル付与材を充
填したカートリッジに原水を通過させ、ミネラル成分を
溶出させる場合に、各種ミネラル成分の溶出に対する、
それぞれのミネラル付与材の通水量割合の変化の影響に
ついて検討した実験例について述べる。それぞれのミネ
ラル付与材の通水量割合を変化させる方法としては、カ
ートリッジに充填する、各ミネラル付与材の配合比を変
化させる方法と、原水をカートリッジに流入させる流入
路を複数設け、これらを通過する原水の流量の割合を調
整する方法について検討した。
【0041】まず、カートリッジに充填する、複数のミ
ネラル付与材の配合比を変化させた実験例について述べ
る。
【0042】
【実験例3】ミネラル成分を一切含まない蒸留水をカー
トリッジ2に流速4l/minで通過させるとともに、
周波数40KHzの超音波を0.25W/cm2 の出力
強度でミネラル付与材に照射し、カートリッジ2通過後
の水の、CaおよびMgの溶出量を測定した。なお、カ
ートリッジ2として、内径83mm、高さ210mmのカー
トリッジケース9にミネラル付与材200gを充填した
ものを用いた。ミネラル付与材としては、原水に溶出す
る各種ミネラル成分の溶出量および比率が異なる麦飯石
とサンゴ石とを用いた。なお、配合比は、麦飯石100
%から、サンゴ石が占める割合を徐々に増加させ、サン
ゴ石100%まで変化させた。なお、構成は実施例と同
様であるので説明を省略する。結果については、図5に
示す。図5において、実線はCaの溶出量を示し、破線
はMgの溶出量を示す。
【0043】図5に示すように、カートリッジ2に充填
されるミネラル付与材のうち、麦飯石の占める割合が大
きいと、Caの溶出量に比べ、Mgの溶出量が多い。し
かし、サンゴ石の占める割合が大きくなるにつれて、徐
々にCaの溶出量は増大し、Mgの溶出量は減少する。
サンゴ石の占める割合が約60%となると、Caの溶出
量とMgの溶出量とはほぼ同量となり、さらにサンゴ石
の占める割合が大きくなるにつれて、Mgの溶出量に比
べ、Caの溶出量が多くなる。このように、カートリッ
ジに複数の種類のミネラル付与材を充填する場合、カー
トリッジに充填されるミネラル付与材の配合比を変化さ
せ、各ミネラル付与材の通水量割合を変化させることに
より、溶出されるミネラル成分の量が変化し、製造され
るミネラル水に含まれる各種ミネラル成分の比率を調整
することができる。
【0044】例えば、本実験例において、カートリッジ
に充填するミネラル付与材の約25〜35%をサンゴ石
とし、約65〜75%を麦飯石とする(図5においてA
と示される範囲)と、Caが約10〜15mg/ml、K、
Mgが約40〜55mg/mlそれぞれ含まれるミネラル水
を得ることができる。また、カートリッジに充填するミ
ネラル付与材の約65〜85%をサンゴ石とし、約15
〜35%を麦飯石とする(図5においてBと示される範
囲)と、Caが約20〜35mg/ml、K、Mgが約35
〜50mg/mlそれぞれ含まれるミネラル水を得ることが
できる。
【0045】続いて、複数の種類のミネラル付与材を充
填したカートリッジを有するミネラル成水器において、
超音波の照射条件を変化させるだけではなく、原水をカ
ートリッジに流入させる流入管を複数の分岐管に分岐さ
せた複数の流路を設け、各分岐管の流量の割合を変化さ
せることで流路の切替えも行なうことで、各ミネラル付
与材の通水量割合を変化させた実験例について述べる。
【0046】
【実験例4】ミネラル成分を一切含まない蒸留水をカー
トリッジ2に流速4l/minで通過させるとともに、
表1に示した出力強度で周波数40KHzの超音波をミ
ネラル付与材に照射し、カートリッジ2通過後の水のミ
ネラル成分(Ca、Mg、K)の溶出量を測定した。な
お、流路Iとは分岐管6aを指し、流路IIとは分岐管6
bを指すものとする。バルブの開度を調整することによ
り流路の切替えを行い、各分岐管の原水の流量の割合を
変化させた。表1に示すような流路で原水をカートリッ
ジ2に流入させ、カートリッジ2通過後の水のミネラル
成分(Ca、Mg、K)の溶出量を測定した。なお、カ
ートリッジ2として、内径83mm、高さ210mmのカー
トリッジケース9に、水の流れ下流側から順に、サンゴ
石430g、麦飯石200g、繊維状の活性炭70gを
充填したものを用いた。なお、その他の構成は実施例と
同様であるので説明を省略する。結果については表1に
示す。
【0047】
【表1】 表1に示すように、流路Iのみを経て原水をカートリッ
ジ2に流入させた例1と例2を比較すると、Ca、M
g、Kのどのミネラル成分も、ミネラル付与材に照射し
た超音波の出力強度の大きい例1では、例2と比べて、
ミネラル溶出量は増加したが、各種ミネラル成分の比率
は大きく変化しなかった。
【0048】一方、流路Iのみを経て原水をカートリッ
ジ2に流入させ、サンゴ石層11の通水量割合を80%
とした例1、2と、原水を流路IとIIを経てカートリッ
ジ2に流入させ、サンゴ石層11の通水量割合を60%
とした例3とを比較すると、Caの溶出量に対するMg
の溶出量は、例3では例1、2に比べて、著しく増加し
た。一方、Caの溶出量に対するKの溶出量は、例3で
は例1、2に比べてわずかに増加した。
【0049】このように、各分岐管の流量の割合を変化
させると、各ミネラル付与材の通水量割合を変化させる
ことができ、製造される各種ミネラル水に含まれる各種
ミネラル成分の比率を変化させることができる。ところ
で、ミネラル成水器1の作動停止時には、水がカートリ
ッジ2に滞留するため、いったん雑菌がカートリッジ2
に混入すると雑菌が繁殖しやすい。
【0050】本実施の形態では、ミネラル成分の溶出量
を増大させるためにミネラル付与材への超音波の照射を
行うが、超音波の照射を行うことによって作動停止中に
ミネラル付与材に繁殖しやすい雑菌を殺菌することがで
きる。続いて、超音波の照射によるカートリッジに滞留
する水に対する制菌の効果について検討した実験例につ
いて示す。
【0051】
【実験例5】カートリッジ2内に蒸留水を満たし、一般
菌数の計測を行うことにより、ミネラル付与材への超音
波照射による殺菌効果についての評価を行った。一般菌
数の計測はJIS K 0102に従い、標準寒天培地
を用いて36±1℃で24±2時間培養し、培地上で集
落を形成した生菌を集落計数器により数えることにより
行った。カートリッジ2として、内径83mm、長さ21
0mmのカートリッジケース9の内部にミネラル付与材と
してサンゴ石140g、水質浄化剤として繊維状の活性
炭60gを充填したものを用いた。カートリッジ2に
は、周波数45KHzの超音波を出力強度を、0W/cm
2 、0.1W/cm2 、0.2W/cm2 と変化させて、4
0秒間および80秒間照射した。なお、この計測結果に
ついては、図6に示した。
【0052】衛生的な観点から、飲水中に含まれる一般
細菌数の望ましい値は、102 個/ml以下であるとされ
ている。図6に示すように、照射時間の長短にかかわら
ず、出力強度が大きくなるにつれて、ミネラル付与材へ
の超音波照射により、採取した水に含まれる一般細菌数
は著しく減少した。超音波の出力強度が0.1W/cm 2
の場合、80秒間の照射によって、採取した水に含まれ
る一般細菌数は望ましいとされる値を下回った。一方、
超音波の出力強度が0.2W/cm2 の場合、40秒間の
照射であっても、採取した水に含まれる一般細菌数は望
ましいとされる値を下回った。このようにミネラル付与
材に超音波を照射することにより、カートリッジ2中で
の細菌の繁殖を防止することができる。
【0053】また、このような雑菌の繁殖を抑制する他
の方法の1つとして、水に晒した電極に通電する方法が
知られている。本実施の形態では、電極18に通電する
ことによってもカートリッジ2に滞留する水に含まれる
雑菌の抑制を行うこともできる。水質浄化剤層13は導
電性を有する活性炭からなるので、電極18に通電する
と、正の電極18aの先端部が接触する水質浄化剤層1
3全体は正に帯電する。水中では雑菌は負に帯電してい
るため、雑菌は水質浄化剤層13に含まれる活性炭の表
面に付着する。活性炭の表面において、付着した雑菌の
補酵素は酸化され、その代謝は阻害される。その結果、
雑菌の繁殖は抑制され、衛生的なミネラル水を得ること
ができる。
【0054】本実施の形態では、超音波振動子15がミ
ネラル付与材に照射する超音波の照射条件を制御手段に
よって調節することができるので、使用者の要望に応じ
て超音波の照射条件を調節し、各種ミネラル成分の溶出
量を調節することができる。また、バルブ8の開度を調
節し、分岐管6aと分岐管6bの流量の割合を調整する
ことにより、各ミネラル付与材の通水量割合を変化させ
ることができ、製造されるミネラル水に含まれる各種ミ
ネラル成分の比率を使用者の要望に応じて調節すること
ができる。
【0055】本実施の形態では、ミネラル付与材に照射
する超音波の照射条件を変化させることができるととも
に、各ミネラル付与材の通水量割合を変化させることが
できるので、超音波の照射条件と各ミネラル付与材の通
水量割合とをそれぞれ変化させることにより、使用者が
所望する比率および溶出量で各種ミネラル成分を溶出さ
せることができる。
【0056】さらに、本実施の形態では、分岐管6aに
設けたバルブ8の開度を調整することにより、分岐管6
aと分岐管6bの流量の割合を調整することができる。
したがって、より簡潔な制御により各分岐管6a、6b
の流量の割合を調整することができ、各ミネラル付与材
の通水量割合を調整することができる。また、以上に示
したように、本実施の形態では、カートリッジ2がミネ
ラル付与層のみを有するのではなく、第1のミネラル付
与層11や第2のミネラル付与層12などのミネラル付
与層よりも水の流れ下流側に水質浄化剤層13を形成す
るため、原水に含まれる塩素や爽雑物を除去することが
できるとともに、ミネラル付与材への超音波の照射によ
り生じる可能性のある破損したミネラル付与材の細片
の、ミネラル水への混入を防止することができる。
【0057】また、本実施の形態では、超音波振動子1
5は振動伝達ケース16の内部に配されているので、超
音波振動子15の振動は振動伝達ケース16を介してミ
ネラル付与材に伝達される。したがって、超音波振動子
15が振動すると、超音波振動子15の振動面だけでは
なく、振動伝達ケース16の外壁面16a、16b、1
6cも振動するので、ミネラル付与材に超音波振動子1
5の振動を伝達する部分の面積を増大することができ、
より多くのミネラル付与材に超音波振動子15の振動を
伝達することができる。その結果、ミネラル分の溶出量
を増大させることができる。
【0058】くわえて、振動伝達ケース16はカートリ
ッジ2の内部に、その周囲をミネラル付与材に取囲まれ
るように配置されているので、超音波振動子15の振動
は第1のミネラル付与層11および第2のミネラル付与
層12の内側から外側に向けて伝達される。そのため、
ミネラル付与材の、振動伝達ケース16から最も離れた
部分と、振動伝達ケース16との距離を短くすることが
でき、ミネラル付与材の最も離れた部分に対しても超音
波振動子15の振動を十分に伝達することができる。し
たがって、ミネラル付与材全体に超音波振動子15の振
動を有効に伝達させることができ、原水へのミネラル分
の溶出量を増大させることができる。
【0059】特に、本実施の形態では、超音波振動子1
5は振動伝達ケース16の内のうちカートリッジケース
9に固定される部分16cと対向する面(振動伝達ケー
ス16の上端面内側)に固定されているので、超音波振
動子15はカートリッジ2のより内側に配置された状態
となっており、超音波振動子15の振動をミネラル付与
材により均一に伝達することができる。
【0060】また、振動伝達ケース16の円周面の外壁
面16bおよび上端の外壁面16aは第1のミネラル付
与層11と第2のミネラル付与層12とに接触している
ので、超音波振動子15の振動をより多くの種類のミネ
ラル付与材に伝達することができる。そのため、ミネラ
ル分の溶出量を増大させることができる。また、カート
リッジケース9の内壁面9aと、振動伝達ケース16の
外壁面16bおよび超音波振動子15の外面とがほぼ一
定の距離となるようにそれぞれ配置されているため、ミ
ネラル付与材にほぼ均一な強度で超音波振動子15の振
動を伝達することができる。したがって、ミネラル付与
材の、振動伝達ケース16から離れた部分に、超音波振
動子15の振動を減衰してしまう前に伝達させることが
でき、超音波振動子15の振動をミネラル付与材に効率
良く伝達することができる。このように、ミネラル付与
材の、振動伝達ケース16から離れた部分に対しても十
分な強度で超音波振動子15の振動を伝達することがで
きるので、ミネラル分の溶出量を増大させることができ
る。
【0061】なお、以上に示した実施の形態では、分岐
管にバルブを設け、このバルブの開度を調整することに
より、各分岐管に流入する原水の量を調整するような構
造としたが、各分岐管が流入管から分岐する部分に三方
弁を設けることにより、各分岐管の流量の割合を調整す
るような構造としても、原水のミネラル付与材の通水量
割合を変化させることができる。また、各分岐管に電磁
弁を設けるような構造としても、各分岐管に設けた電磁
弁の開度を調整することにより各分岐管の流量の割合を
調整することができ、作動に関して以上に示した実施の
形態となんら違いはなく、同様の効果を得ることができ
る。
【0062】また、以上に示した実施の実施の形態では
ミネラル付与材としてサンゴ石と麦飯石とを用いたが、
使用者の要求や嗜好に応じて、ミネラル付与材として他
のミネラル付与材を用いることもでき、特にミネラル付
与材の種類をこれらに限定するものではない。また、以
上に示した実施の実施の形態では2種類のミネラル付与
層と水質浄化剤層からなる吸着剤を用いたが、吸着剤を
構成するミネラル付与材の種類の数は特に限定されな
い。また、ミネラル付与層のみからなり、水質浄化剤層
を有さない吸着剤であってもよい。
【0063】また、以上に示した実施の実施の形態で
は、複数のミネラル付与材を1つのカートリッジに層状
に充填した構造としたが、異なる種類のミネラル付与材
を充填したカートリッジを並列に配置した構造とし、各
カートリッジに連結する各分岐管に流入する量をバルブ
や電磁弁などの流量調整手段により調整することによ
り、各ミネラル付与材の通水量割合を変化させるような
構造としても、以上に示した実施の実施の形態と同様の
効果を得ることができる。
【0064】また、ミネラル付与材への超音波の照射を
行う場合、カートリッジの通水が行われていない時、つ
まりミネラル成水器の作動停止時において、超音波振動
子が振動し、ミネラル付与材に超音波が照射されると、
カートリッジが高温になってしまったり、超音波振動子
への負荷の増大により、超音波振動子の寿命が短くなっ
てしまう可能性がある。そこで、流入管や流出管に流量
センサを設け、流入管や流出管に所定の流量以上の通水
が行われている場合に、ミネラル付与材への超音波の照
射を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるミネラル成水器の
模式的な透明斜視図である。
【図2】図2(a)はカートリッジの軸方向に平行な面
での模式的な断面図であり、図2(b)は図2(a)の
A−A線断面図である。
【図3】実験例1の結果を示す図であり、カートリッジ
に照射する超音波の周波数の変化によるミネラル成分の
溶出量の変化を示す図である。
【図4】実験例2の結果を示す図であり、カートリッジ
に照射する超音波の出力強度の変化によるミネラル成分
の溶出量の変化を示す図であり、図4(a)は28KH
zの超音波を照射した場合であり、図4(b)は45K
Hzの超音波を照射した場合であり、図4(c)は10
0KHzの超音波を照射した場合である。
【図5】実験例3の結果を示す図であり、カートリッジ
に充填する麦飯石とサンゴ石との配合比の変化による、
MgおよびCaの溶出量の変化を示す図である。
【図6】実験例5の結果を示す図であり、カートリッジ
に超音波を照射することによる殺菌効果を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 ミネラル水製造装置であるミネラル成水器 2 ミネラル付与部であるカートリッジ 6 流入手段である流入管 6a 分岐管 6b 分岐管 7 流出手段である流出管 8 通水量割合調整手段であり、開閉弁であるバルブ 10 ミネラル付与材を含む吸着剤 15 超音波振動子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/68 540 C02F 1/68 540Z 1/28 1/28 G D 1/36 1/36

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミネラル付与材が内部に納められるミネ
    ラル付与部に原水を通過させ、前記ミネラル付与材に超
    音波を照射して、前記原水にミネラル成分を溶出してミ
    ネラル水を製造する製造方法において、前記超音波の照
    射条件を変化させることにより、前記ミネラル付与材か
    ら溶出するミネラル成分の溶出量を調整することを特徴
    とするミネラル水の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ミネラル付与材に照射する前記超音
    波の周波数を変化させることを特徴とする請求項1記載
    のミネラル水の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ミネラル付与材に照射する前記超音
    波の出力強度を変化させることを特徴とする請求項1記
    載のミネラル水の製造方法。
  4. 【請求項4】 ミネラル付与材が内部に納められたミネ
    ラル付与部に原水を通過させ、前記原水にミネラル成分
    を溶出してミネラル水を製造する製造方法において、前
    記原水に溶出する各種ミネラル成分の溶出量および/ま
    たは比率の異なる、複数の前記ミネラル付与材を用い、
    前記原水が前記各ミネラル付与材を通過する通水量割合
    を変化させることを特徴とするミネラル水の製造方法。
  5. 【請求項5】 ミネラル付与材が内部に納められるミネ
    ラル付与部に原水を通過させ、前記ミネラル付与材に超
    音波を照射し、前記原水にミネラル成分を溶出してミネ
    ラル水を製造する製造方法において、前記原水に溶出す
    る各種ミネラル成分の溶出量および/または比率の異な
    る複数の前記ミネラル付与材を用い、前記原水が各前記
    ミネラル付与材を通過する通水量割合を変化させるとと
    もに、前記ミネラル付与材に照射する超音波の照射条件
    を変化させることを特徴とするミネラル水の製造方法。
  6. 【請求項6】 原水と接触すると、この原水にミネラル
    成分を溶出させるミネラル付与材が内部に納められるミ
    ネラル付与部と、 このミネラル付与部に前記原水を流入させる流入手段
    と、 前記ミネラル付与材によりミネラル成分を添加されたミ
    ネラル水を外部へと流出させる流出手段と、 前記ミネラル付与材に超音波を照射する超音波振動子
    と、 この超音波振動子によって前記ミネラル付与材に照射さ
    れる超音波の照射条件を変化させる制御手段とを有する
    ことを特徴とするミネラル水製造装置。
  7. 【請求項7】 原水と接触すると、この原水に溶出する
    各種ミネラル成分の溶出量および/または比率の異なる
    複数のミネラル付与材が内部に納められるミネラル付与
    部と、 このミネラル付与部に前記原水を流入させる流入管と、 前記ミネラル付与材によりミネラル成分を添加されたミ
    ネラル水を外部へと流出させる流出管と、 前記流入管から分岐し、前記ミネラル付与部に接続さ
    れ、このミネラル付与部に前記原水を流入させる複数の
    分岐管と、 これらの前記分岐管を通過する前記原水の量の割合を調
    整する通水量割合調整手段と、 前記各分岐管を通過する前記原水の通水量割合が変化す
    ると、前記原水が各前記ミネラル付与材を通過する通水
    量割合が変化するように、前記各分岐管が前記ミネラル
    付与部に接続されることを特徴とするミネラル水製造装
    置。
  8. 【請求項8】 前記ミネラル付与材に超音波を照射する
    超音波振動子と、この超音波振動子によって前記ミネラ
    ル付与材に照射される超音波の照射条件を変化させる制
    御手段とを有することを特徴とする請求項7記載のミネ
    ラル水製造装置。
  9. 【請求項9】 前記通水量割合調整手段が前記分岐管に
    設けられ、その開度を調整することによりそれぞれの前
    記分岐管を通過する前記原水の量を調整する開閉弁であ
    ることを特徴とする請求項7または8記載のミネラル水
    製造装置。
  10. 【請求項10】 前記流入管が分岐する部分に、前記開
    閉弁が設けられていることを特徴とする請求項9記載の
    ミネラル水製造装置。
  11. 【請求項11】 前記開閉弁が、前記分岐管にそれぞれ
    設けられていることを特徴とする請求項9記載のミネラ
    ル水製造装置。
  12. 【請求項12】 前記ミネラル付与部の内部に、前記
    ミネラル付与材よりも水の流れの下流側に水質浄化剤が
    納められていることを特徴とする請求項6ないし11の
    うちいずれか1つに記載のミネラル水製造装置。
  13. 【請求項13】 前記ミネラル付与材に周囲を取囲まれ
    るように前記ミネラル付与部の内部に配置され、外壁面
    が前記ミネラル付与材と接触し、内壁面に前記超音波振
    動子が固定される振動伝達ケースを備えることを特徴と
    する請求項6または8ないし12のうちいずれか1つに
    記載のミネラル水製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6966995B1 (en) * 2000-05-31 2005-11-22 Ichizo Kawano Method for treating and activating sea water and polluted water into drinking water

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