JPH09117365A - 抗菌抗黴消臭防虫機能を有するカーペット敷設構造 - Google Patents
抗菌抗黴消臭防虫機能を有するカーペット敷設構造Info
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- JPH09117365A JPH09117365A JP7298838A JP29883895A JPH09117365A JP H09117365 A JPH09117365 A JP H09117365A JP 7298838 A JP7298838 A JP 7298838A JP 29883895 A JP29883895 A JP 29883895A JP H09117365 A JPH09117365 A JP H09117365A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 カーペットに抗菌抗黴消臭防虫機能を持た
せ、これを使用中長期間持続させる。 【解決手段】 床材1の上にポリプロピレン繊維の不織
布2とカーペット3を敷き重ねる。このポリプロピレン
繊維は、銀イオンを含有する粒径50μm以下の溶解性
ガラスを30重量%以下の割合で練り込んである。
せ、これを使用中長期間持続させる。 【解決手段】 床材1の上にポリプロピレン繊維の不織
布2とカーペット3を敷き重ねる。このポリプロピレン
繊維は、銀イオンを含有する粒径50μm以下の溶解性
ガラスを30重量%以下の割合で練り込んである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌抗黴消臭防虫
機能を有するカーペット敷設構造に関し、特に、かび、
だに等の発生、それによる変色、抗菌抗黴消臭防虫効果
の持続性の問題を解決したカーペット敷設構造に関す
る。
機能を有するカーペット敷設構造に関し、特に、かび、
だに等の発生、それによる変色、抗菌抗黴消臭防虫効果
の持続性の問題を解決したカーペット敷設構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、カーペットの抗菌抗黴消臭防虫の
ためには、乾燥剤、殺虫剤を用いたり、通風を良くした
り、時々クリーニングしたりしていた。一方、長期間変
色、抗菌抗黴消臭防虫効果を維持するために、一般に、
抗菌抗黴消臭防虫性の素材として、溶解性ガラスを含む
抗菌抗黴消臭防虫機能を有する不織布(シートを含む)
が用いられている。この種の不織布としては、例えば、
特開平4−24258号公報に記載された銀、銅、又は
亜鉛イオン含有B2 O3−SiO2 −R2 O系ガラス等
の粉末を混合又は添加したようなものがある。この種の
不織布においては、溶解性ガラスの組成とその添加量の
範囲の選び方によって、抗菌抗黴消臭防虫機能に幅を持
たせるようにされていた。
ためには、乾燥剤、殺虫剤を用いたり、通風を良くした
り、時々クリーニングしたりしていた。一方、長期間変
色、抗菌抗黴消臭防虫効果を維持するために、一般に、
抗菌抗黴消臭防虫性の素材として、溶解性ガラスを含む
抗菌抗黴消臭防虫機能を有する不織布(シートを含む)
が用いられている。この種の不織布としては、例えば、
特開平4−24258号公報に記載された銀、銅、又は
亜鉛イオン含有B2 O3−SiO2 −R2 O系ガラス等
の粉末を混合又は添加したようなものがある。この種の
不織布においては、溶解性ガラスの組成とその添加量の
範囲の選び方によって、抗菌抗黴消臭防虫機能に幅を持
たせるようにされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、乾燥
剤、殺虫剤等はその効果に持続性がないので、上述の溶
解性ガラスを含む抗菌抗黴消臭防虫機能を有する不織布
の使用が望ましいのであるが、このような従来の抗菌抗
黴消臭防虫機能を有する不織布にあっては、衣料の芯
地、フィルター衛生材料、日用品、さらにタオル、スポ
ーツ用品等広範囲の用途に使用することを意図した汎用
品を提供することを目的としていたため、カーペット敷
きには必ずしも最適なものとは言えないという問題点が
あった。
剤、殺虫剤等はその効果に持続性がないので、上述の溶
解性ガラスを含む抗菌抗黴消臭防虫機能を有する不織布
の使用が望ましいのであるが、このような従来の抗菌抗
黴消臭防虫機能を有する不織布にあっては、衣料の芯
地、フィルター衛生材料、日用品、さらにタオル、スポ
ーツ用品等広範囲の用途に使用することを意図した汎用
品を提供することを目的としていたため、カーペット敷
きには必ずしも最適なものとは言えないという問題点が
あった。
【0004】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
なされたものであり、不織布の繊維及び溶解性ガラスの
粉末に含有させる抗菌抗黴消臭防虫機能性金属イオンの
種類を特定して、抗菌抗黴消臭防虫機能を有するカーペ
ット敷設構造として前記の課題を解決した従来にない新
規なカーペット敷設構造を提供することを目的とする。
なされたものであり、不織布の繊維及び溶解性ガラスの
粉末に含有させる抗菌抗黴消臭防虫機能性金属イオンの
種類を特定して、抗菌抗黴消臭防虫機能を有するカーペ
ット敷設構造として前記の課題を解決した従来にない新
規なカーペット敷設構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明になるカーペット
敷設構造は、床材と、この床材の上面に敷いたポリオレ
フィン系樹脂の不織布(シートを含む)と、このポリオ
レフィン系樹脂の不織布の上面に敷いたカーペットとを
有し、前記ポリオレフィン系樹脂に、銀イオンを含有す
る粒径50μm以下の溶解性ガラスを30重量%以下の
割合で練り込んであることを特徴とする。また、ポリオ
レフィン系樹脂の中のポリプロピレンを細繊維にしたポ
リプロピレン繊維を用いた不織布が、ポリプロピレン繊
維が接着剤で接着され、この接着剤に銀イオンを含有す
る粒径50μm以下の溶解性ガラスを混合してあること
を特徴とする。これらの抗菌抗黴消臭防虫機能を有する
カーペット敷設構造において、銀イオンを含有する溶解
性ガラスが、その組成比率においてP2 O5 が49〜5
1モル%、MgOが43〜45モル%、Al2 O3 が5
〜7モル%である溶解性ガラスにAg2 Oを0.1〜
0.7重量%配合してなるようにするとよい。
敷設構造は、床材と、この床材の上面に敷いたポリオレ
フィン系樹脂の不織布(シートを含む)と、このポリオ
レフィン系樹脂の不織布の上面に敷いたカーペットとを
有し、前記ポリオレフィン系樹脂に、銀イオンを含有す
る粒径50μm以下の溶解性ガラスを30重量%以下の
割合で練り込んであることを特徴とする。また、ポリオ
レフィン系樹脂の中のポリプロピレンを細繊維にしたポ
リプロピレン繊維を用いた不織布が、ポリプロピレン繊
維が接着剤で接着され、この接着剤に銀イオンを含有す
る粒径50μm以下の溶解性ガラスを混合してあること
を特徴とする。これらの抗菌抗黴消臭防虫機能を有する
カーペット敷設構造において、銀イオンを含有する溶解
性ガラスが、その組成比率においてP2 O5 が49〜5
1モル%、MgOが43〜45モル%、Al2 O3 が5
〜7モル%である溶解性ガラスにAg2 Oを0.1〜
0.7重量%配合してなるようにするとよい。
【0006】本発明において、不織布の材料は、ポリオ
レフィン系樹脂に限定される。疎水性材料のものでない
と長年の使用中に吸水によって、銀イオン溶出が進み過
ぎ、抗菌抗黴消臭防虫作用を劣化させてしまうという欠
点を生じる。疎水性樹脂の代表としてポリオレフィン系
樹脂が挙げられ、ポリオレフィン系樹脂を代表するもの
にポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂がある。そし
て、細繊度繊維を不織布の素材として用いる場合には、
後者は細繊度繊維のものが得られないので、ポリプロピ
レン樹脂に限定される。
レフィン系樹脂に限定される。疎水性材料のものでない
と長年の使用中に吸水によって、銀イオン溶出が進み過
ぎ、抗菌抗黴消臭防虫作用を劣化させてしまうという欠
点を生じる。疎水性樹脂の代表としてポリオレフィン系
樹脂が挙げられ、ポリオレフィン系樹脂を代表するもの
にポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂がある。そし
て、細繊度繊維を不織布の素材として用いる場合には、
後者は細繊度繊維のものが得られないので、ポリプロピ
レン樹脂に限定される。
【0007】繊維を用いた不織布を作るための繊維接着
剤には、ウレタン、アクリル、合成ゴムラテックス、メ
ラミン系エマルジョン等の有機溶剤系接着剤成分(バイ
ンダー)が使用できる。
剤には、ウレタン、アクリル、合成ゴムラテックス、メ
ラミン系エマルジョン等の有機溶剤系接着剤成分(バイ
ンダー)が使用できる。
【0008】なお、不織布を作る方法には、上記のバイ
ンダーを使用する方法のほかに、フェルト状繊維ウエブ
を溶融接着させる方法、或いはニードルパンチ方式によ
り繊維を互いにからませる機械的方法もある。また、ポ
リオレフィン系樹脂のシートを不織布として用いること
もできる。
ンダーを使用する方法のほかに、フェルト状繊維ウエブ
を溶融接着させる方法、或いはニードルパンチ方式によ
り繊維を互いにからませる機械的方法もある。また、ポ
リオレフィン系樹脂のシートを不織布として用いること
もできる。
【0009】本発明において使用される銀イオンを含有
する溶解性ガラスとは、制限された溶解速度を示すよう
にガラスの物理的、化学的特性を考慮して組成を調節し
たガラスの総称であって、銀イオンを含有する溶解性ガ
ラスは数年間にわたって定められた速度で銀イオンを溶
出させることができる。そして溶出した銀イオンは細菌
や微生物の細胞壁に吸着したり細胞膜内に凝縮して、い
わゆるオリゴジナミー作用により細菌や微生物の成育を
阻害し、だに等の発生を防ぎ、更に、これらの発生によ
るカーペットの変色、異臭の発生を防ぐことができる。
する溶解性ガラスとは、制限された溶解速度を示すよう
にガラスの物理的、化学的特性を考慮して組成を調節し
たガラスの総称であって、銀イオンを含有する溶解性ガ
ラスは数年間にわたって定められた速度で銀イオンを溶
出させることができる。そして溶出した銀イオンは細菌
や微生物の細胞壁に吸着したり細胞膜内に凝縮して、い
わゆるオリゴジナミー作用により細菌や微生物の成育を
阻害し、だに等の発生を防ぎ、更に、これらの発生によ
るカーペットの変色、異臭の発生を防ぐことができる。
【0010】一般に、黴や細菌、だに等が繁殖するの
は、湿度の高いときに集中し、湿度の低いときには、黴
や細菌はあまり繁殖しない。これに対し、溶解性ガラス
は、温度、湿度の高いときにその成分を多く溶出させ、
温度、湿度の低い時は、その成分を余り溶出させないの
で、黴や細菌の繁殖と正比例の関係にある。即ち、細菌
等が繁殖し易い時に、溶解性ガラスから抗菌抗黴消臭防
虫成分を多く溶出させ、逆に、細菌等が余り繁殖しない
時には、溶解性ガラスから抗菌抗黴消臭防虫成分をほと
んど溶出させないようになっている。
は、湿度の高いときに集中し、湿度の低いときには、黴
や細菌はあまり繁殖しない。これに対し、溶解性ガラス
は、温度、湿度の高いときにその成分を多く溶出させ、
温度、湿度の低い時は、その成分を余り溶出させないの
で、黴や細菌の繁殖と正比例の関係にある。即ち、細菌
等が繁殖し易い時に、溶解性ガラスから抗菌抗黴消臭防
虫成分を多く溶出させ、逆に、細菌等が余り繁殖しない
時には、溶解性ガラスから抗菌抗黴消臭防虫成分をほと
んど溶出させないようになっている。
【0011】溶解性ガラスの添加量は、粒径によっても
異なるが、粒径が50μm以下の場合には、不織布の重
量に対し、0.1〜30重量%の範囲が望ましい。溶解
性ガラスに含ませる抗菌抗黴消臭防虫性成分としてのイ
オンを放出する金属としては、銀のほかに銅、亜鉛その
他の抗菌抗黴消臭防虫機能を有する金属化合物が考えら
れるが、安全性、その抗菌抗黴消臭防虫性から銀イオン
を放出するものに限定される。
異なるが、粒径が50μm以下の場合には、不織布の重
量に対し、0.1〜30重量%の範囲が望ましい。溶解
性ガラスに含ませる抗菌抗黴消臭防虫性成分としてのイ
オンを放出する金属としては、銀のほかに銅、亜鉛その
他の抗菌抗黴消臭防虫機能を有する金属化合物が考えら
れるが、安全性、その抗菌抗黴消臭防虫性から銀イオン
を放出するものに限定される。
【0012】本発明で得られたカーペット敷設構造を構
成する不織布からの銀イオンの溶出量が、20℃蒸留水
中で10ng/cm2 /day以上の時、オリゴジナミ
ー作用により細菌や黴の繁殖、だにの発生を阻害して、
好ましい結果が得られた。溶出した銀イオンは、織毛、
基布に滲み出してカーペット全体にその抗菌抗黴消臭防
虫作用を及ぼし、持続する。
成する不織布からの銀イオンの溶出量が、20℃蒸留水
中で10ng/cm2 /day以上の時、オリゴジナミ
ー作用により細菌や黴の繁殖、だにの発生を阻害して、
好ましい結果が得られた。溶出した銀イオンは、織毛、
基布に滲み出してカーペット全体にその抗菌抗黴消臭防
虫作用を及ぼし、持続する。
【0013】本発明において使用できる溶解性ガラスの
成分としては、SiO2 、B2 O3、P2 O5 などの網
目形成酸化物、或いはNa2 O、K2 O、CaO、Mg
O、BaO、Al2 O3 、TiO2 、ZnOなどの網目
修飾酸化物からなるものであって、吸湿した場合にその
水分によって溶解性ガラスが僅かずつ溶解し、ガラス組
成中に含ませた銀イオンを溶出するものが特に制限され
ることなく使用できるが、請求項3記載の組成の溶解性
ガラスを使用する時は、カーペットの変色防止と抗菌抗
黴消臭防虫作用の持続の面から特に有利である。
成分としては、SiO2 、B2 O3、P2 O5 などの網
目形成酸化物、或いはNa2 O、K2 O、CaO、Mg
O、BaO、Al2 O3 、TiO2 、ZnOなどの網目
修飾酸化物からなるものであって、吸湿した場合にその
水分によって溶解性ガラスが僅かずつ溶解し、ガラス組
成中に含ませた銀イオンを溶出するものが特に制限され
ることなく使用できるが、請求項3記載の組成の溶解性
ガラスを使用する時は、カーペットの変色防止と抗菌抗
黴消臭防虫作用の持続の面から特に有利である。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に示すように、本発明のカー
ペット敷設構造は、床材1の上面に、上記の要件を満足
させる抗菌抗黴消臭防虫機能を有するポリオレフィン系
樹脂の不織布2を重ね、更にその上面に、カーペット3
を重ねて構成する。不織布2は単層あるいは積層体とし
たものを使用する。室内の一部分にカーペットを敷く場
合はこのままでよい。室内全体に敷きつめる場合は、カ
ーペットの周縁に適宜間隔を置いて、また、必要な場合
には、その他の中間位置に、カーペット3の基布4から
不織布2を通して床材1に至るまで金属ピン状の接合具
6を貫挿してカーペットと不織布を床材に固定する。な
お、5はカーペットの織毛を示す。
ペット敷設構造は、床材1の上面に、上記の要件を満足
させる抗菌抗黴消臭防虫機能を有するポリオレフィン系
樹脂の不織布2を重ね、更にその上面に、カーペット3
を重ねて構成する。不織布2は単層あるいは積層体とし
たものを使用する。室内の一部分にカーペットを敷く場
合はこのままでよい。室内全体に敷きつめる場合は、カ
ーペットの周縁に適宜間隔を置いて、また、必要な場合
には、その他の中間位置に、カーペット3の基布4から
不織布2を通して床材1に至るまで金属ピン状の接合具
6を貫挿してカーペットと不織布を床材に固定する。な
お、5はカーペットの織毛を示す。
【0015】カーペットを室内に敷きつめる場合、通常
のカーペット敷きの場合と同様、床板1の上にフェルト
等のパッドを敷いてその上に不織布2、カーペット3を
順に敷くのであるが、図面ではこれを省略した。
のカーペット敷きの場合と同様、床板1の上にフェルト
等のパッドを敷いてその上に不織布2、カーペット3を
順に敷くのであるが、図面ではこれを省略した。
【0016】不織布2としては、以下の2種類の銀イオ
ン含有溶解ガラス粉末入りポリプロピレン繊維不織布を
用いた。 [実施例 1]ポリプロピレンを溶融紡糸する際に、そ
の粒径が25μm以下に粉砕されたP2 O5 50モル
%、MgO 44モル%、Al2 O3 6モル%、Ag
2O0.5重量%の割合の組成からなる抗菌抗黴消臭防
虫性溶解性ガラス粉末をポリマー重量に対し1.5重量
%均一に配合し、溶融紡糸して、繊維長30mm、繊度
3デニールの短繊維を得た。この短繊維を抄造機を用い
て水中に分散させ抄造した。更にカレンダーロール機で
熱圧加工(約130℃で)し、次いで、150℃で1分
間熱処理して、目付30〜35g/m2 の不織布に仕上
げた。
ン含有溶解ガラス粉末入りポリプロピレン繊維不織布を
用いた。 [実施例 1]ポリプロピレンを溶融紡糸する際に、そ
の粒径が25μm以下に粉砕されたP2 O5 50モル
%、MgO 44モル%、Al2 O3 6モル%、Ag
2O0.5重量%の割合の組成からなる抗菌抗黴消臭防
虫性溶解性ガラス粉末をポリマー重量に対し1.5重量
%均一に配合し、溶融紡糸して、繊維長30mm、繊度
3デニールの短繊維を得た。この短繊維を抄造機を用い
て水中に分散させ抄造した。更にカレンダーロール機で
熱圧加工(約130℃で)し、次いで、150℃で1分
間熱処理して、目付30〜35g/m2 の不織布に仕上
げた。
【0017】この不織布を25cm2 切り取り、温度2
0℃の水50cc中に24時間浸漬し、銀イオンの溶出
量を測定したところ、40ng/cm2 /dayの結果
を得た。また、この不織布を9cm2 (3cm×3c
m)の大きさに切り取り、普通ブイヨン寒天培地に青黴
の胞子懸濁液を塗布した上に載せ、24℃で4週間培養
した。そして、黴発育阻止帯の長さを測定して、本発明
に係る不織布の周囲2〜3mmには青黴の発生が認めら
れないという結果を得た。なお、この4週間の間に不織
布には黄変が全く生じなかった。この不織布をカーペッ
トの下に敷くことによってカーペットにも銀イオンが溶
出し、同様の作用効果をカーペットに及ぼすことにな
る。
0℃の水50cc中に24時間浸漬し、銀イオンの溶出
量を測定したところ、40ng/cm2 /dayの結果
を得た。また、この不織布を9cm2 (3cm×3c
m)の大きさに切り取り、普通ブイヨン寒天培地に青黴
の胞子懸濁液を塗布した上に載せ、24℃で4週間培養
した。そして、黴発育阻止帯の長さを測定して、本発明
に係る不織布の周囲2〜3mmには青黴の発生が認めら
れないという結果を得た。なお、この4週間の間に不織
布には黄変が全く生じなかった。この不織布をカーペッ
トの下に敷くことによってカーペットにも銀イオンが溶
出し、同様の作用効果をカーペットに及ぼすことにな
る。
【0018】[実施例 2]市販のポリプロピレンを熱
融着した不織布(目付 300g/m2 )を入手した。
溶解性ガラス(P2 O5 65モル%、CaO 15モ
ル%、Na2 O 14モル%、Al2 O3 6モル%の
基礎ガラス組成に対し、Ag2 O 1.0重量%を添加
したガラスを20μm以下に粉砕したもの)をアクリル
系水性エマルジョンに5重量/体積%となるように添加
して、懸濁液を調整した。この液の槽中に、前記の不織
布をパッティング後ニップローラで絞液し、過剰の水分
を除去後、140℃で30分かけて熱接着して、抗菌抗
黴消臭防虫機能をもたせた不織布に仕上げた。
融着した不織布(目付 300g/m2 )を入手した。
溶解性ガラス(P2 O5 65モル%、CaO 15モ
ル%、Na2 O 14モル%、Al2 O3 6モル%の
基礎ガラス組成に対し、Ag2 O 1.0重量%を添加
したガラスを20μm以下に粉砕したもの)をアクリル
系水性エマルジョンに5重量/体積%となるように添加
して、懸濁液を調整した。この液の槽中に、前記の不織
布をパッティング後ニップローラで絞液し、過剰の水分
を除去後、140℃で30分かけて熱接着して、抗菌抗
黴消臭防虫機能をもたせた不織布に仕上げた。
【0019】この不織布25cm2 を20℃の水に24
時間浸漬後の銀の溶出量を測定した。溶解性ガラスの付
着量8.0g/m2 、銀イオンの溶出速度700ng/
cm 2 /dayという結果を得た。次に、青黴の発育阻
止について、ポテトデキストロース寒天培地上で25℃
にて1週間培養した後、発育阻止帯を観察した。不織布
の周囲5mmには青黴の発生が認められなかった。更
に、この後、この被験体を水に1日浸漬後、銀イオンの
溶出による青黴発育阻止機能の低下についても観察した
が、青黴阻止帯の長さは4mmと僅かに低下しただけ
で、カーペットとして十分な効果が期待できる結果を得
た。
時間浸漬後の銀の溶出量を測定した。溶解性ガラスの付
着量8.0g/m2 、銀イオンの溶出速度700ng/
cm 2 /dayという結果を得た。次に、青黴の発育阻
止について、ポテトデキストロース寒天培地上で25℃
にて1週間培養した後、発育阻止帯を観察した。不織布
の周囲5mmには青黴の発生が認められなかった。更
に、この後、この被験体を水に1日浸漬後、銀イオンの
溶出による青黴発育阻止機能の低下についても観察した
が、青黴阻止帯の長さは4mmと僅かに低下しただけ
で、カーペットとして十分な効果が期待できる結果を得
た。
【0020】また、だにの発生阻止については、実施例
1または実施例2の不織布を下に敷いたカーペットと不
織布の下敷きを使わない通常のカーペットとを比較使用
した。だにが発生しやすい高温多湿の環境で使用して6
か月経過後、通常のカーペットでは1500〜2000
匹/100cm2 のだにが発生したのに対し、実施例2の
カーペットでは10〜20匹/100cm2 に過ぎなかっ
た。実施例1と実施例2の不織布を織り込んだカーペッ
トの間には格別の差異は認められなかった。
1または実施例2の不織布を下に敷いたカーペットと不
織布の下敷きを使わない通常のカーペットとを比較使用
した。だにが発生しやすい高温多湿の環境で使用して6
か月経過後、通常のカーペットでは1500〜2000
匹/100cm2 のだにが発生したのに対し、実施例2の
カーペットでは10〜20匹/100cm2 に過ぎなかっ
た。実施例1と実施例2の不織布を織り込んだカーペッ
トの間には格別の差異は認められなかった。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、カーペット敷設構造を
構成する不織布の素材として疎水性のポリオレフィン系
樹脂を使用したので、長年月の間に適量の銀イオンを溶
出し続けるようにできる。また、抗菌抗黴消臭防虫機能
を有する溶解性ガラスの組成とその添加量を相当広範囲
に選択できるので、抗菌抗黴消臭防虫機能に幅を持たせ
ることができ、更に、抗菌抗黴消臭防虫機能を有する成
分を人体に安全な銀化合物に限定したので、安全衛生上
からも全く問題なくカーペット敷設構造に使用すること
ができる。室内敷きつめの場合は、不織布はカーペット
とともに床材に固定されているから、長年使ってもほつ
れ、損耗が起こりにくくい。
構成する不織布の素材として疎水性のポリオレフィン系
樹脂を使用したので、長年月の間に適量の銀イオンを溶
出し続けるようにできる。また、抗菌抗黴消臭防虫機能
を有する溶解性ガラスの組成とその添加量を相当広範囲
に選択できるので、抗菌抗黴消臭防虫機能に幅を持たせ
ることができ、更に、抗菌抗黴消臭防虫機能を有する成
分を人体に安全な銀化合物に限定したので、安全衛生上
からも全く問題なくカーペット敷設構造に使用すること
ができる。室内敷きつめの場合は、不織布はカーペット
とともに床材に固定されているから、長年使ってもほつ
れ、損耗が起こりにくくい。
【0022】銀イオンを含有する溶解ガラスの粉末をポ
リオレフィン系樹脂中に30重量%以下練り込んだこと
により繊維に優れた抗菌抗黴消臭防虫機能を持たせたの
で、外表面に付着させた場合に比較して脱落のおそれを
なくすることができ、従来の抗菌繊維に比較してその抗
菌抗黴消臭防虫機能を発揮できる期間がはるかに長く、
長期間にわたって安定した効果を維持することができ
る。
リオレフィン系樹脂中に30重量%以下練り込んだこと
により繊維に優れた抗菌抗黴消臭防虫機能を持たせたの
で、外表面に付着させた場合に比較して脱落のおそれを
なくすることができ、従来の抗菌繊維に比較してその抗
菌抗黴消臭防虫機能を発揮できる期間がはるかに長く、
長期間にわたって安定した効果を維持することができ
る。
【図1】本発明になる抗菌抗黴消臭防虫機能を有するカ
ーペット敷設構造の断面図である。
ーペット敷設構造の断面図である。
1 床材 2 不織布 3 カーペット 4 基布 6 接合具
Claims (4)
- 【請求項1】 床材と、この床材の上面に敷いたポリオ
レフィン系樹脂の不織布と、このポリオレフィン系樹脂
の不織布の上面に敷いたカーペットとを有し、前記ポリ
オレフィン系樹脂は、銀イオンを含有する粒径50μm
以下の溶解性ガラスを30重量%以下の割合で練り込ん
であることを特徴とする抗菌抗黴消臭防虫機能を有する
カーペット敷設構造。 - 【請求項2】 床材と、この床材の上面に敷いたポリプ
ロピレン繊維の不織布と、このポリプロピレン繊維の上
面に敷いたカーペットとを有し、前記ポリプロピレン繊
維の不織布は、ポリプロピレン繊維が接着剤で接着さ
れ、この接着剤に銀イオンを含有する粒径50μm以下
の溶解性ガラスを混合してあることを特徴とする抗菌抗
黴消臭防虫機能を有するカーペット敷設構造。 - 【請求項3】 前記銀イオンを含有する溶解性ガラス
が、その組成比率においてP2 O5 が49〜51モル
%、MgOが43〜45モル%、Al2 O3 が5〜7モ
ル%である溶解性ガラスにAg2 Oを0.1〜0.7重
量%配合してなるものであることを特徴とする請求項1
または2記載の抗菌抗黴消臭防虫機能を有するカーペッ
ト敷設構造。 - 【請求項4】 カーペットの少なくとも周縁部に適宜間
隔でカーペットと不織布と床材とを貫挿してカーペット
と不織布を床材に固定する複数の接合具を有することを
特徴とする請求項1,2又は3記載の抗菌抗黴消臭防虫
機能を有するカーペット敷設構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7298838A JPH09117365A (ja) | 1995-10-24 | 1995-10-24 | 抗菌抗黴消臭防虫機能を有するカーペット敷設構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7298838A JPH09117365A (ja) | 1995-10-24 | 1995-10-24 | 抗菌抗黴消臭防虫機能を有するカーペット敷設構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09117365A true JPH09117365A (ja) | 1997-05-06 |
Family
ID=17864881
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7298838A Pending JPH09117365A (ja) | 1995-10-24 | 1995-10-24 | 抗菌抗黴消臭防虫機能を有するカーペット敷設構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09117365A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10563347B2 (en) | 2014-09-18 | 2020-02-18 | Osaka Kasei Co., Ltd. | Antibacterial/antifungal finished product production method, and antibacterial/antifungal finished product produced by the method |
JP2020092731A (ja) * | 2018-12-10 | 2020-06-18 | 南京優尼可国際貿易有限公司 | 敷物 |
-
1995
- 1995-10-24 JP JP7298838A patent/JPH09117365A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10563347B2 (en) | 2014-09-18 | 2020-02-18 | Osaka Kasei Co., Ltd. | Antibacterial/antifungal finished product production method, and antibacterial/antifungal finished product produced by the method |
JP2020092731A (ja) * | 2018-12-10 | 2020-06-18 | 南京優尼可国際貿易有限公司 | 敷物 |
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