JP3022129U - 抗菌消臭性を有する仏衣 - Google Patents

抗菌消臭性を有する仏衣

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口 深 司 谷
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株式会社ダイアン総合研究所
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は、抗菌消臭性を有する仏衣に関し、
仏衣を構成する不織布の繊維を特定することにより、雑
菌や窒素系或いは硫黄系に起因する悪臭を中和消臭する
仏衣を提供することを目的とする。 【解決手段】 仏衣を構成する不織布中のポリプロピレ
ン繊維中に抗菌消臭性金属イオンを含有する溶解性ガラ
スの粉末を練り込むか、又は、不織布のバインダー中に
前記のガラス粉末を含ませるか、或いは繊維とバインダ
ーのいずれにも前記のガラス粉末を含ませて得た抗菌消
臭性機能を有する不織布から、浴衣形仏衣を縫製加工に
より作製する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、抗菌消臭性を有する仏衣に関し、特に、死体より生じる窒素系或い は硫黄系化合物に起因する悪臭を中和消臭する機能を有した死体に被着する浴衣 形仏衣に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の溶解性ガラスを含む抗菌抗黴機能を有する不織布としては、例えば、特 開平4−24258号公報に記載された銀,銅又は亜鉛イオン含有B23−Si O2−R2O系ガラス、P25−RO−R2O−Al23系ガラスの粉末を混合又 は添加したようなものがある。この種の不織布においては、溶解性ガラスの組成 とその添加量の範囲の選び方によって、抗菌抗黴性機能に幅を持たせるようにさ れていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の抗菌抗黴機能を有する不織布にあっては、衣 料の芯地,フィルター,衛生材料,日用品,さらにタオル,スポーツ用品等広範 囲の用途に使用することを意図した汎用品を提供することを目的としていたため 、消臭性に主眼を置く死体に被着する浴衣形仏衣としては必ずしも最適なものと は言えないという問題点があった。
【0004】 本考案は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、不織布の繊維 の種類を特定して、抗菌消臭性を有する仏衣として前記の課題を解決した従来に ない新規の仏衣を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案は、抗菌消臭成分を含有する溶解性ガラスの粉末30重量%以下を含む ポリプロピレン繊維からなる不織布を縫製して衣装形としたことを特徴とする。 また、抗菌消臭成分を含有する溶解性ガラスの粉末を含む接着剤でポリプロピ レン繊維を接着してなる不織布を縫製して衣装形としたことを特徴とする。 また、衣装形が浴衣形であることを特徴とする。
【0006】 また、上記構成に加えて、前記抗菌防臭成分を含有する溶解性ガラスの粉末が 、窒素系或いは硫黄系化合物の悪臭を消臭するのに十分な燐酸イオンを溶出する 燐酸を60〜70モル%含んだ弱酸性の銀含有ガラス粉末であることを特徴とす る。
【0007】 本考案において、不織布の構成繊維として使用できる繊維は、ポリプロピレン 繊維に限定される。浴衣形仏衣は、死体に被着するものであり、お棺の中などで 死体の腐敗を防止するために使用するドライアイスによる雰囲気の冷却によって 生じる水分による湿潤を防止するために、仏衣は疎水性の合成繊維製であること が望ましい。更に、葬儀のあとで火葬場で死体を焼く時に塩素ガス等の炉を損傷 したり大気汚染の原因となるガスを発生しないものである必要がある。このよう な要件を満たす疎水製の合成繊維の代表としてポリオレフィン系繊維が挙げられ る。このようなポリオレフィン系繊維を代表するものにポリプロピレン繊維とポ リエチレン繊維がある。しかしながら、後者は細維度繊維のものが得られないの で、ポリプロピレン繊維に限定されることになる。その他の疎水製繊維としては 、ポリエステル繊維も考えられるが、死体に被着する為の仏衣としては高価にな り、実用性に欠ける。
【0008】 不織布を作るための繊維接着剤には、ウレタン,アクリル,合成ゴムラテック ス,メラミン系エマルジョン等の有機溶剤系接着剤成分(バインダー)が使用で きる。
【0009】 なお、不織布を作る方法には、上記のバインダーを使用する方法のほかに、フ エルト状繊維ウエブを溶融接着させる方法、或いはニードルパンチ方式により繊 維を互いにからませる機械的方法もあるが、上記の非機械的な接着方式が薄手の 浴衣系仏衣には適している。
【0010】 本考案において使用される殺菌性金属イオンを含有する溶解性ガラスとは、制 限された溶解速度を示すようにガラスの物理的,化学的特性を考慮して組成を調 節したガラスの総称であって、前記金属イオンを含有する溶解性ガラスは数時間 から数年間の任意の期間にわたって定められた速度で金属イオンを溶出させるこ とができる。そして溶出した金属イオンは細菌や微生物の細胞壁に吸着したり細 胞膜内に凝縮して、いわゆるオリゴジナミー作用により細菌や微生物の成育を阻 害し、抗菌機能を発揮することができる。
【0011】 一般に、黴や細菌が繁殖するのは、湿度の高い時に集中し、湿度の低い時には 、黴や細菌はあまり繁殖しない。これに対し、溶解性ガラスは、温度,湿度の高 い時にその成分を多く溶出させ、温度,湿度の低い時は、その成分を余り溶出さ せないので、黴や細菌の繁殖と正比例の関係にある。即ち、細菌等が繁殖し易い 時に、溶解性ガラスから抗菌抗黴成分を多く溶出させ、逆に、細菌等が余り繁殖 しない時には、溶解性ガラスから抗菌抗黴成分を殆ど溶出させないようになって いる。
【0012】 溶解性ガラスの添加量は、粒径によっても異なるが、粒径が50μm以下の場 合には、不織布の重量に対し、0.1〜30重量%の範囲が望ましい。溶解性ガ ラスに含ませる抗菌消臭成分としてのイオンを放出する金属としては、銀のほか に銅,亜鉛その他の抗菌抗黴機能を有する金属化合物が考えられるが、死体に触 れる人の安全性、火葬の際の大気汚染などの面から銀イオンを放出するものが特 に望ましい。
【0013】 本考案で得られた仏衣を構成する不織布からの銀イオンの溶出量が、20℃蒸 留水中で10ng/cm2 /day以上の時、オリゴジナミー作用により細菌や 黴の繁殖を阻害して、好ましい結果が得られた。
【0014】 本考案において使用できる溶解性ガラスの成分としては、SiO2,B23, P25などの網目形成酸化物、或いはNa2O,K2O,CaO,MgO,BaO ,Al23,TiO2,ZnOなどの網目修飾酸化物からなる、吸湿した場合に その水分によって溶解性ガラスが僅かずつ溶解し、ガラス組成中に含ませた金属 イオンを溶出するものが特に制限されることなく使用できるが、請求項4記載の 組成の溶解性ガラスを使用する時は、死体の傷みをその抗菌機能により低下させ 、更に死体から発生する窒素系或いは硫黄系化合物の悪臭を中和消臭する点から 特に有利である。
【0015】
【考案の実施の形態】
本考案の仏衣は、上記の要件を満たす抗菌消臭性を有する不織布を、常法によ り、単層体で、場合によっては積層体として、浴衣等の衣装形に縫い上げること により得られる。
【0016】 以下、本考案に用いるポリプロピレン不織布を詳細に説明する。 実施例 1 ポリプロピレンを溶融紡糸する際に、その粒径が25μm以下に粉砕されたP 25 65モル%,CaO 15モル%,Na2O 14モル%,Al23 6 モル%の基本組成を持つ燐酸系ガラス中に、1.0重量%のAg2Oを配合した 抗菌消臭性機能を持つ溶解性ガラス粉末をポリマー重量に対し、1.5重量%均 一に配合し、溶融紡糸して、繊維長30mm、繊度3デニールの短繊維を得た。 この短繊維を抄造機を用いて水中に分散させ抄造した。更にカレンダーロール 機で熱圧加工(約130℃で)し、次いで、150℃で1分間熱処理して、目付 30〜35g/m2 の不織布に仕上げた。
【0017】 この不織布を25cm2切り取り、温度20℃の水50cc中に24時間浸漬 し、銀イオンの溶出量を測定したところ、60ng/cm2/dayの結果を得 た。 また、この不織布を9cm2(3cm×3cm)の大きさに切り取り、普通ブ イヨン寒天培地に青黴の胞子懸濁液を塗布した上に載せ、24℃で4週間培養し た。そして黴発育阻止帯の長さを測定して、本考案に係る不織布の周囲5mmに は青黴の発生が認められないという結果を得た。
【0018】 実施例 2 市販のポリプロピレンを熱融着した不織布(目付300g/m2)を入手した 。 溶解性ガラス(P25 65モル%,Na2O 15モル%,CaO 20モ ル%の燐酸系ガラス中に、1.0重量%のAg2Oを配合したもの)の20μm 以下の粉末をウレタン系水性エマルジョンに、5重量/体積%となるように添加 して、懸濁液を調製した。 この液の槽中に、前記の不織布をパッディング後ニップローラで絞液し、過剰 の水分を除去後、140℃で30分かけて熱接着して、抗菌消臭機能をもたせた 不織布に仕上げた。
【0019】 この不織布25cm2を20℃の水に24時間浸漬後の銀の溶出量を測定した 。溶解性ガラスの付着量8.0g/m2、銀イオンの溶出速度800ng/cm2 /dayという結果を得た。 次に,青黴の発育阻止について、ポテトデキストロース寒天培地上で25℃に て1週間培養した後、発育阻止帯を観察した。不織布の周囲5mmには青黴の発 生が認められなかった。
【0020】 この不織布を用いて図1に示す浴衣(仏衣)1を縫製した。図2は、この不織 布2の断面を拡大して示し、ポリプロピレン繊維3が溶解性ガラス粉末入りウレ タンのバインダー4により接着されている。
【0021】 上記したように、銀イオンなどの抗菌抗黴性イオンが溶出される結果、銀イオ ンの抗菌作用によって死体上の黄色ぶどう球菌等の雑菌の発生を防止し、かつ雑 菌発生による臭いの発生を完全に防止することができるだけでなく、溶解性ガラ ス中の燐酸イオンが溶出される結果、死体から発生する窒素系或いは硫黄系化合 物による悪臭を十分に中和消臭できる。
【0022】
【考案の効果】
本考案によれば、仏衣を構成する不織布の繊維素材として疎水性のポリプロピ レン繊維を使用したので、死体の腐敗防止用のドライアイスにより生じる冷気中 の水分による湿潤を防止できるだけでなく、抗菌消臭性を有する溶解性ガラスの 組成とその添加量をかなり広範囲に選択できるので、抗菌消臭機能に幅を持たせ ることができ、極めて有用な抗菌消臭性を有する仏衣として使用することができ る。
【0023】 更に、溶解性ガラスが悪臭を消臭するのに十分な燐酸イオンを溶出する燐酸を 主成分とする弱酸性のガラス粉末中に銀を添加したものにすれば、雑菌や窒素系 或いは硫黄系化合物に起因する悪臭の中和消臭に、更に良好な効果を得ることが できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施形態になる抗菌消臭性を有する
仏衣を示す正面図である。
【図2】図1の抗菌消臭性を有する仏衣に用いた不織布
の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 抗菌消臭性を有する浴衣 2 不織布 3 ポリプロピレン繊維 4 バインダー

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌消臭成分を含有する溶解性ガラスの
    粉末30重量%以下を含むポリプロピレン繊維からなる
    不織布を縫製して衣装形としたことを特徴とする抗菌消
    臭性を有する仏衣。
  2. 【請求項2】 抗菌消臭成分を含有する溶解性ガラスの
    粉末を含む接着剤でポリプロピレン繊維を接着してなる
    不織布を縫製して衣装形としたことを特徴とする抗菌消
    臭性を有する仏衣。
  3. 【請求項3】 衣装形が浴衣形であることを特徴とする
    請求項1または2記載の抗菌消臭性を有する仏衣。
  4. 【請求項4】 前記抗菌防臭成分を含有する溶解性ガラ
    スの粉末が、窒素系或いは硫黄系化合物の悪臭を消臭す
    るのに十分な燐酸イオンを溶出する燐酸を60〜70モ
    ル%含んだ弱酸性の銀含有ガラス粉末であることを特徴
    とする請求項1,2または3記載の抗菌消臭性を有する
    仏衣。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0570531B2 (ja) * 1988-11-18 1993-10-05 Sanshu Puresu Kogyo Kk
JPH06123049A (ja) * 1992-10-06 1994-05-06 Ishizuka Glass Co Ltd 消臭機能を有する不織布
JPH0739826B2 (ja) * 1986-11-25 1995-05-01 株式会社クボタ 蓄圧噴射式デイ−ゼルエンジンの進角装置

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