JPH09116212A - 粒子分散型磁気抵抗体とその製法 - Google Patents

粒子分散型磁気抵抗体とその製法

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JPH09116212A
JPH09116212A JP7265965A JP26596595A JPH09116212A JP H09116212 A JPH09116212 A JP H09116212A JP 7265965 A JP7265965 A JP 7265965A JP 26596595 A JP26596595 A JP 26596595A JP H09116212 A JPH09116212 A JP H09116212A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気センサ、磁気ヘッド、位置センサ、回転
センサなどの磁気抵抗効果素子として用いることができ
る高感度の粒子分散型磁気抵抗体10を得る。 【解決手段】 基板1上に、マトリクス相2を形成する
Cuと、これと相分離するCrとから、Cuマトリクス
相2とCr分散粒子とからなりこのCr分散粒子の表層
の一部がマトリクス相2から露出した単層膜を形成し、
次いでこの単層膜からCr粒子を選択的に除去し、この
Cr粒子が除去された空孔に、強磁性体Coを充填す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気センサ、磁気
ヘッド、位置センサ、回転センサなどの磁気抵抗効果素
子として用いることができる粒子分散型磁気抵抗体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年になって、磁気センサや磁気ヘッド
の小型高性能化を達成するものとして、磁気抵抗効果
(以下、「MR効果」という)を発現する材料(以下、
「磁気抵抗体」という)が注目を集めている。これらの
磁気抵抗体のうち、特に外部磁界変動に対して大きい電
気抵抗変化をもたらす効果が巨大磁気抵抗効果(GMR
効果)と呼ばれ、これを実現するためのさまざまな研究
開発が行われている。
【0003】この磁気抵抗体は、一般に、強磁性体が非
磁性導電体に媒介されて不連続相を形成した構造を有す
るものであり、外部磁界の変動に対応して電流方向の電
気抵抗を変化させる性質(MR効果)を有するものであ
る。この磁気抵抗体の構成は、磁性材料の不連続相を形
成する方式によって大別すると、非磁性導電体の媒体相
と強磁性体相とを薄膜状に積層した多層薄膜型のもの
と、非磁性導電体のマトリクス相中に強磁性体粒子を分
散粒子として分散させた粒子分散型のものとがある。
【0004】従来から磁気抵抗体としてはNiFe合金
(パーマロイ)薄膜などが知られているが、パーマロイ
薄膜の磁気抵抗変化率は高々2%〜3%程度に過ぎな
い。そこで、このMR効果を応用して磁気ヘッドの狭ト
ラック化や磁気センサの高分解能化を実現するために
は、更に磁気抵抗変化率(MR比)が大きいMR効果材
料が求められた。
【0005】近年、いわゆる巨大磁気抵抗効果(GMR
効果)と呼ばれる現象が、Fe/Cr系またはCo/C
u系などの多層薄膜からなる人工格子において発見され
た(M.N.Baibich他、Physical Review Letter、61
(1988)2472、D.H.Mosca他、Journal of Magn
etism and Magnetic Materials、94(1991)L1
参照)。これらの人工格子薄膜では、Fe/Crの界
面、またはCo/Cuの界面における伝導電子のスピン
に依存した散乱がGMR効果に寄与しているといわれて
おり、従来のNiFe系の磁気抵抗効果とは発現機構が
根本的に異なっている。これらの多層薄膜では、10%
以上のMR比が得られているが、多層構造を形成すため
製造プロセスが複雑で工業生産には至っていない。
【0006】その後、図17に示すように、Cuあるい
はAgのマトリクス相30中に粒径数nmの超微細なC
o(またはFeやNi)の粒子31を析出させた単層膜
において同様のGMR効果が観測された(A.E.Berkowit
z他、Physical Review Letter、68(1992)37
45、J.Q.Xiao他、Physical Review Letter、68(1
992)3479参照)。
【0007】この粒子分散型磁気抵抗体におけるMR効
果の発現は、マトリクス相と分散粒子との界面における
伝導電子のスピンに依存すると言われており、分散粒子
の径を超微細に保ったまま、分散粒子数を増やすことが
できればMR比は向上することがわかっている。このた
め、非磁性導電体のマトリクス相中に超微細な強磁性体
の粒子を高濃度に分散させる技術が求められた。
【0008】粒子分散型磁気抵抗体を製造する方法とし
て、一般的には、基板上に非磁性導電体と、この非磁性
導電体との相互溶解度が非常に小さい強磁性体との合金
膜をスパッタにより形成し、その後の熱処理により、強
磁性体微粒子が分散した薄膜が得られる。また、非磁性
導電体と強磁性体とを混合し、融点以上に加熱した後急
冷し、次いで熱処理することで、分散微粒子を得ること
もできる(潟岡、他、日本金属学会1993年春期大会
概要(112)、P80(131)参照)。更に、特開
平7−58375号公報は、図18に示すように、基板
32上に加熱冷却法またはスパッタ法によって強磁性体
の不連続相33を形成し、この上に非磁性導電体の相3
4を被着して成膜する方法を提案している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の粒子分
散型磁気抵抗体を製造するいずれの方法も、例えば非磁
性導電体と強磁性体との間に相互溶解性がある場合には
適用が不可能となる。特に、粒子分散型磁気抵抗体にお
ける分散粒子の粒径は、数nmという超微細なものであ
るから、相互溶解性がたとえ小さいとしても、一部の分
散粒子はマトリクス相中に吸収され、粒子濃度が低下す
ることになる。この濃度低下を補う意味で、強磁性体の
量を増やすと、スパッタ法によっても加熱冷却法によっ
ても、強磁性体相が巨大粒子化したり連続相を形成した
りして、高濃度の超微細粒子の分散状態を得ることがで
きない。
【0010】また、磁気抵抗体がMR効果を発現する
際、前記の粒子分散型磁気抵抗体は、MR効果は大きい
が強い外部磁界が要求されることが知られている。この
観点から、広範な強さの外部磁界に対して大きいMR効
果を発現する磁気抵抗体が強く求められている。
【0011】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、従ってその目的は、非磁性導電体と強
磁性体とが互いに相溶性であっても、マトリクス相中に
高濃度の強磁性体粒子を分散させることができる粒子分
散型磁気抵抗体(以下、単に「磁気抵抗体」という)の
製造方法、ならびに広範な外部磁界変動に対して大きい
MR効果を発現する磁気抵抗体とその製造方法を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、請求項1
において、マトリクス相を形成する非磁性導電体と、こ
れと相分離する分離性金属とを用い、相分離成膜法によ
り、基板上に、非磁性導電体のマトリクス相と分離性金
属の分散粒子とからなりこの分散粒子の表層の一部がマ
トリクス相から露出した単層膜を形成し、次いでエッチ
ングにより、この単層膜から分離性金属の分散粒子を選
択的に除去し、次いで、前記の分散粒子が除去された空
孔に、前記非磁性導電体との組合せにおいて磁気抵抗効
果を発現する強磁性体を充填する単層膜磁気抵抗体の製
法を提供することによって解決できる。
【0013】この製法によれば、最初にマトリクス相を
形成する非磁性導電体と、これと相分離する分離性金属
とを用いて成膜し、生成した分離性金属粒子を強磁性体
で置換することになるので、マトリクス相を形成する非
磁性導電体とこれに分散させる強磁性体とがたとえ相溶
性であっても、強磁性体の分散微粒子がマトリクス相に
吸収されることなく高濃度にマトリクス相中に分散した
磁気抵抗体を製造することができる。
【0014】また上記の課題は、請求項2において、強
磁性体と、これと相分離する媒体金属とを用い、相分離
成膜法により、基板上に、媒体金属のマトリクス相と強
磁性体の分散粒子とからなりこの分散粒子の表層の一部
が基板に接合した単層膜を形成し、次いでエッチングに
より、この単層膜から媒体金属のマトリクス相を選択的
に除去し、次いで、前記の媒体金属が除去された空隙部
に、前記強磁性体との組合せにおいて磁気抵抗効果を発
現する非磁性導電体を充填する単層膜磁気抵抗体の製法
を提供することによって解決できる。
【0015】この製法によれば、最初に強磁性体と、こ
れと相分離する媒体金属とを用いて成膜し、生成した媒
体金属相を非磁性導電体のマトリクス相で置換すること
になるので、マトリクス相を形成する非磁性導電体とこ
れに分散させる強磁性体とがたとえ相溶性であっても、
強磁性体の分散微粒子がマトリクス相に吸収されること
なく高濃度にマトリクス相中に分散した磁気抵抗体を製
造することができる。
【0016】本発明はまた請求項3において、複数の単
層膜磁気抵抗体が積層されてなる多層膜磁気抵抗体を製
造するに際して、上記いずれかの製法により製造された
単層膜磁気抵抗体の上に、非磁性導電体からなる隔離層
を介しまたは介さずに、マトリクス相を形成する非磁性
導電体と、これと相分離する分離性金属とを用い、相分
離成膜法により、非磁性導電体のマトリクス相と分離性
金属の分散粒子とからなりこの分散粒子の表層の一部が
マトリクス相から露出した単層膜を形成し、次いでエッ
チングにより、この単層膜から分離性金属の分散粒子を
選択的に除去し、次いで、前記の分散粒子が除去された
空孔に、前記非磁性導電体との組合せにおいて磁気抵抗
効果を発現する強磁性体を充填する操作を1回以上繰り
返す多層膜磁気抵抗体の製法を提供する。
【0017】本発明はまた請求項4において、複数の単
層膜磁気抵抗体が積層されてなる多層膜磁気抵抗体を製
造するに際して、上記いずれかの製法により製造された
単層膜磁気抵抗体の上に、非磁性導電体からなる隔離層
を介しまたは介さずに、強磁性体と、これと相分離する
媒体金属とを用い、相分離成膜法により、媒体金属のマ
トリクス相と強磁性体の分散粒子とからなりこの分散粒
子の表層の一部が基板に接合した単層膜を形成し、次い
でエッチングにより、この単層膜から媒体金属のマトリ
クス相を選択的に除去し、次いで、前記の媒体金属が除
去された空隙部に、前記強磁性体との組合せにおいて磁
気抵抗効果を発現する非磁性導電体を充填する操作を1
回以上繰り返す多層膜磁気抵抗体の製法を提供する。
【0018】本発明はまた請求項5において、複数の単
層膜磁気抵抗体が積層されてなる多層膜磁気抵抗体を製
造するに際して、少なくとも一組の隣接する単層膜粒子
分散型磁気抵抗体におけるそれぞれのマトリクス相を形
成する非磁性導電体および分散粒子を形成する強磁性体
のいずれか一方または双方を互いに異なるものとする多
層膜磁気抵抗体の製法を提供する。
【0019】これらの多層膜磁気抵抗体の製法により製
造された多層膜磁気抵抗体は、強磁性体粒子が膜層ごと
に整然と配列した格子体を形成するので、MR効果の発
現機構が異なるさまざまな磁気抵抗体として利用するこ
とができる。すなわち、この多層膜磁気抵抗体におい
て、各層のマトリクス相と強磁性体粒子とを同質のもの
とすれば、例えばCo/Cu系においてMR効果が向上
した不連続結合型の磁気抵抗体が得られ、また各層のマ
トリクス相は同質とし、強磁性体粒子を異なる材質にす
れば、例えばCu/Co/Cu/NiFe系などの不連
続非結合型の磁気抵抗体が得られる。
【0020】前記の各製法において、非磁性導電体は、
Cu、Ag、Au、Pd、Rh、またはこれらの少なく
とも1種を含む合金のいずれかであり、強磁性体は、C
o、Fe、Ni、またはこれらの少なくとも1種を含む
合金のいずれかであることが好ましい。
【0021】前記の各製法において、相分離成膜法とし
ては、マトリクス相形成材と分散粒子形成材とを基板状
にスパッタして成膜し、次いで熱処理するスパッタ法
か、またはマトリクス相形成材と分散粒子形成材とを混
合し、融点以上に加熱した後急冷し、次いで熱処理する
急冷法を採用することが好ましい。
【0022】本発明はまた、請求項9において、前記製
法で形成する強磁性体の分散粒子が、保磁力が異なる強
磁性体からなる少なくとも2層を含むものである磁気抵
抗体の製法を提供する。特に、強磁性体の分散粒子が、
CoまたはCo合金からなる強磁性体層とFe、Ni、
またはNiFeからなる強磁性体層との2層を含むもの
であることが好ましい。この製法を用いれば、新規な構
造を有する磁気抵抗体を製造することができる。
【0023】従って本発明は更に、請求項11におい
て、非磁性導電体からなるマトリクス相と、このマトリ
クス相に分散した強磁性体の粒子とからなる粒子分散型
磁気抵抗体であって、マトリクス相の非磁性導電体がC
u、Ag、Au、Pd、Rh、またはこれらの少なくと
も1種を含む合金であり、強磁性体粒子がCoまたはC
o合金からなる強磁性体層とFe、Ni、またはNiF
eからなる強磁性体層との2層を含む磁気抵抗体を提供
する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を用いて説明する。図1(a)は、以下に示す実施例
1または実施例2の製法によって製造された単層膜磁気
抵抗体の一例を示す平面図、図1(b)はその断面図で
ある。図1(a)(b)において、この磁気抵抗体10
は、基板1上に形成された薄膜であって、非磁性導電体
からなるマトリクス相2と、このマトリクス相に分散し
た強磁性体の粒子(以下、「磁性粒子」という)3とか
らなっている。図1(a)(b)に示す例の磁気抵抗体
10において、マトリクス相を形成する非磁性導電体は
Cuであり、磁性粒子を形成する強磁性体はCoであ
る。
【0025】(実施例1)本発明の請求項1に従えば、
上記の単層膜磁気抵抗体10は、図2〜図5に示す方法
により製造される。図2において、Siまたはガラスな
どの非磁性非導電性基板1上に、マトリクス相2を形成
する非磁性導電体であるCuと、これと相分離する分離
性金属であるCrとをスパッタして薄膜11を形成す
る。この薄膜の厚みは、1nm〜10nmの範囲内、好
ましくは5nm〜8nmの範囲内に調節される。次いで
この薄膜11を熱処理(アニール)すると、CrはCu
と相溶性がないから、媒体中でCr原子が島状に凝集
し、分散粒子4を形成する。Cr/Cuの混合比および
熱処理の条件を好適に制御すれば、分散粒子4は、膜厚
の範囲内で成長し、分散粒子4の表層の一部がマトリク
ス相2から露出するようになる。
【0026】次に、Cr粒子4を溶解除去するために化
学的エッチングを施す。この化学的エッチングは、例え
ば、塩酸、硫酸、硝酸などの強酸性水溶液またはそれら
の混合水溶液、またはNaOH、KOHなどの強アルカ
リ水溶液などを用いることによって容易に行うことがで
きる。これによって、図3に示すように、薄膜12に
は、外方に開口した空孔5が形成される。
【0027】次に、図4に示すように、空孔5が形成さ
れたマトリクス相2の表面に、メッキ技術またはCVD
法を用いて、強磁性体であるCoを被着させる。この被
着の程度は、Co相6が空孔5を充填し、更にマトリク
ス相2の表面にCo被膜13を形成する程度とする。
【0028】次に、図5に示すように、Co被膜13
を、例えばイオンエッチング法などの物理的エッチング
により除去すれば、非磁性導電体であるCuからなるマ
トリクス相2と、このマトリクス相2に分散したCoか
らなる磁性粒子3とからなる磁気抵抗体の薄膜10が得
られる。
【0029】上記の磁気抵抗体の製法によれば、マトリ
クス相2を形成する非磁性導電体と磁性粒子3を形成す
る強磁性体との、MR効果の観点から最適な組合せを、
これら相互の相溶性を考慮することなく、選定すること
ができる。また、マトリクス相2を形成する非磁性導電
体と相溶性がない分離性金属を選択して空孔5を形成す
るので、マトリクス相2の空孔率を任意に選定すること
ができ、従って、この空孔に充填する強磁性体粒子の濃
度を任意に設計することができる。
【0030】図2〜図5を用いて説明した上記の磁気抵
抗体の製法において、採用した加工技術は、いずれも好
適なものではあるが例示のためのものであって、他の、
一般に基板技術として知られている細密加工技術が適宜
に採用できる。また、上記の製法の変形も可能である。
例えば、図2に示した薄膜11を成膜するに先だって、
基板上に非磁性電気絶縁性の酸素含有金属被膜を形成す
ることができる。これは、例えば酸素雰囲気下にCuを
スパッタすることなどにより可能である。この酸素含有
金属被膜は、基板1と磁気抵抗薄膜10との間に介在し
て緩衝層を形成する。更に、Ta、Zn、Hfなどの金
属緩衝層を用いて、その上に成長する金属層の結晶配向
を制御することもできる。
【0031】基板1上に、分離性金属粒子4とマトリク
ス相2とからなる薄膜11を形成するに際しては、スパ
ッタの代わりに急冷法を採用することもできる。急冷法
とは、例えば潟岡、他、日本金属学会1993年春期大
会概要(112)、P80(131)に記載されている
ように、マトリクス材とこのマトリクス材に関して相分
離傾向を有する粒子材とを混合し、融点以上に加熱、液
体化し、急冷することによりアモルファス状の非平衡状
態を得て、次いで熱処理を行うことにより粒子の析出、
凝集、分散を生じさせる技術である。
【0032】また、単層膜の磁気抵抗体の場合は、図4
に示した表層のCo被膜13を除去する代わりに、酸化
処理を行ってもよい。これによって被膜13は導電性が
低下し、かつ硬度が向上するので、磁気抵抗体のMR効
果を阻害せず、保護層として利用できるようになる。
【0033】本発明において、マトリクス相を形成する
非磁性導電体は、Cu、Ag、Au、Pd、Rh、また
はこれらの少なくとも1種を含む合金のいずれかであ
り、磁性粒子を形成する強磁性体は、Co、Fe、Ni
またはこれらの少なくとも1種を含む合金のいずれかで
あることが好ましい。Co、Fe、またはNiの少なく
とも1種を含む合金の例としては、NiFe、NiC
o、CoZr、CoMoNb、NiFeCoなどを挙げ
ることができる。
【0034】非磁性導電体と強磁性体との組合せは、設
計された条件の中で最高のMR効果を発現するように選
定されるべきである。一般には、非磁性導電体としてC
uまたはAgを用い、強磁性体としてCoまたはその合
金を用いることが好ましい。Co合金の例としては、例
えばCoFe(成分比90:10)などが好適に使用で
きる。
【0035】図2に示した製造段階において、マトリク
ス相2を形成する非磁性導電体に分散させる分離性金属
は、選定された非磁性導電体に、少なくとも固相におい
て相分離を起こすものである。そして、化学的エッチン
グによって選択的に薄膜から除去できるものであれば、
いずれのものであってもよい。最適の分離性金属は、選
定された非磁性導電体に対して実験的に決定される。例
えば分離性金属がCuまたはAgである場合にはCr、
Co、Feなどが好適に使用できる。
【0036】マトリクス相2に分散させる分離性金属粒
子4の粒径(サイズ)は、本発明の方法において強磁性
体粒子3の粒径を決定する基礎となるので重要である。
この粒径は、分離性金属粒子4粒子の表層の一部がマト
リクス相2の膜面から露出する程度に調節される。
【0037】またマトリクス相2と分離性金属粒子4と
の割合は、本発明の方法において、マトリクス相2と磁
性粒子3との割合を決定する基礎となるので重要であ
る。この割合は、マトリクス相:分離性金属粒子の容量
比で8:2ないし2:8の範囲内とすることが好まし
い。分離性金属粒子が8:2未満では、充分なMR効果
が得られず、2:8を越えると、互いに連続した空孔5
が多く形成されるようになって好ましくない。
【0038】(実施例2)本発明の請求項2に従う単層
膜磁気抵抗体の製法の一実施例を、図6〜図9に示す。
図6において、Siまたはガラスなどの非磁性非導電性
基板1上に、強磁性体であるCoと、これと相分離する
媒体金属であるAgまたはPbとをスパッタして薄膜1
4を形成する。この薄膜の厚みは1nm〜10nmの範
囲内、好ましくは5nm〜8nmの範囲内に調節され
る。次いでこの薄膜14を熱処理(アニール)すると、
CoはAgまたはPbと相溶性がないから、媒体金属相
7中でCo原子が島状に凝集し、磁性粒子3を形成す
る。Co/AgまたはPbの混合比および熱処理の条件
を好適に制御すれば、磁性粒子3は、膜厚の範囲内で成
長し、磁性粒子3の表層の一部が基板1に接合するよう
になる。
【0039】次に、媒体金属相7を溶解除去するために
化学的エッチングを施す。この化学的エッチングは、例
えば、塩酸、硫酸、硝酸などの強酸性水溶液またはそれ
らの混合水溶液、またはNaOH、KOHなどの強アル
カリ水溶液などを用いることによって容易に行うことが
できる。これによって、図7に示すように、媒体金属相
7が存在した部分は空隙部8となり、磁性粒子3は基板
1の表面に接合したまま残留する。
【0040】次に、図8に示すように、空隙部8に、前
記強磁性体Coとの組合せにおいて磁気抵抗効果を発現
する非磁性導電体であるCuのマトリクス相2を形成す
る。この形成は、メッキ技術またはCVD法を用いて行
うことができる。このCu相2の厚みは、空隙部8を充
填し、更に磁性粒子3の上層にCu被膜16が形成され
る程度とする。
【0041】次に、図9に示すように、Cu被膜16
を、例えばイオンエッチング法などの物理的エッチング
により除去すれば、非磁性導電体であるCuからなるマ
トリクス相2と、このマトリクス相2に分散したCoの
磁性粒子3とからなる磁気抵抗体の薄膜10が得られ
る。
【0042】上記の磁気抵抗体の製法によれば、マトリ
クス相2を形成する非磁性導電体と磁性粒子3を形成す
る強磁性体との、MR効果の観点から最適な組合せを、
これら相互の相溶性を考慮することなく、選定すること
ができる。また、磁性粒子3を形成する強磁性体と相溶
性がない媒体金属を選択して空隙部を形成するので、マ
トリクス相2の占有空間に相当する空隙部の大きさを任
意に選定することができ、従って、マトリクス相2に対
する磁性粒子3の濃度を任意に設計することができる。
【0043】図6〜図9を用いて説明した上記の磁気抵
抗体の製法において、採用した加工技術は、いずれも好
適なものではあるが例示のためのものであって、他の、
一般に基板技術として知られている細密加工技術が任意
に採用できる。また、上記の製法の変形も可能である。
例えば、図6に示したCoと媒体金属AgまたはPbと
からなる薄膜14を形成するに先だって、基板上に非磁
性電気絶縁性の酸素含有金属被膜を形成することができ
る。この酸素含有金属被膜は、基板1と磁気抵抗薄膜1
0との間に介在して緩衝層を形成する。
【0044】基板1上に、磁性粒子3と媒体金属相7と
からなる薄膜14を形成するに際しては、実施例1の場
合と同様に、スパッタの代わりに急冷法を採用すること
もできる。
【0045】また、単層膜の磁気抵抗体の場合は、図8
に示した表層のCu被膜16を除去する代わりに酸化処
理を行ってもよい。これによって被膜16は導電性が低
下し、硬度が向上するので、磁気抵抗体のMR効果を阻
害せず、保護層として利用できるようになる。
【0046】(実施例3)本発明の請求項3に従う多層
膜磁気抵抗体の製法の一実施例を、図10〜図12によ
って説明する。この磁気抵抗体の製法は、実施例1また
は実施例2で製造した単層膜磁気抵抗体の上に、実施例
1と同様の方法を複数回繰り返して、2層以上の単層膜
磁気抵抗体が積層された多層膜磁気抵抗体を製造するこ
とを目的とする。
【0047】まず、実施例1または実施例2の方法によ
って基板1の上に単層の磁気抵抗体10を形成する。次
いでこの磁気抵抗体10の表面に、図10に示すよう
に、マトリクス相2を形成するCuと、分離性金属であ
るCrとをスパッタして薄膜17を形成する。この薄膜
17の厚みは1nm〜10nmの範囲内、好ましくは5
nm〜8nmの範囲内に調節される。次いでこの薄膜1
7を熱処理(アニール)すると、Cu媒体中でCr原子
が島状に凝集し、分散粒子4を形成する。Cr/Cuの
混合比および熱処理の条件を好適に制御すれば、分散粒
子4は、膜厚の範囲内で成長し、分散粒子4の表層の一
部がマトリクス相2から露出するようになる。
【0048】次に、Crの分散粒子4を溶解除去するた
めに実施例1と同様にして化学的エッチングを施す。こ
れによって、薄膜17には、外方に開口した空孔が形成
される。次に、図11に示すように、空孔が形成された
マトリクス相2の表面に、メッキ技術またはCVD法を
用いて、強磁性体であるCoを被着させる。この被着の
程度は、Co相6が空孔を充填し、更にマトリクス相2
の表面にCo被膜18を形成する程度とする。
【0049】次に、図12に示すように、Co被膜18
を、実施例1と同様に例えば物理的エッチングにより除
去すれば、非磁性導電体であるCuからなるマトリクス
相2と、このマトリクス相2に分散した強磁性体である
Coの磁性粒子3とからなる2層が積層された多層磁気
抵抗体20が得られる。
【0050】上記の製法において、第1層と第2層との
界面で、それぞれのマトリクス相中の磁性粒子3が接触
することを避ける場合には、第1層と第2層との界面に
非磁性導電体(Cu)からなる隔離層(図示せず)を形
成してもよい。
【0051】この多層磁気抵抗体20は、実質的には、
第1層と第2層の同質のマトリクス相2が一体化されて
いるので、磁性粒子3の粒径は元のままで、膜厚が厚く
された磁気抵抗体に相当する。この方法を繰り返せば、
磁性粒子3は所定の粒径を保ったまま、任意の膜厚を有
する磁気抵抗膜を製造することができる。この製法で製
造された多層膜磁気抵抗体は、同質の磁性粒子3が膜層
ごとに整然と配列した格子体を形成しているので、例え
ばCo/Cu系において、MR効果がより向上した不連
続結合型の磁気抵抗体となる。
【0052】上記の請求項3に基づく製法は、実施例1
または実施例2の単層膜磁気抵抗体10の上に、非磁性
導電体(Cu)と分離性金属(Cr)とからなる薄膜を
形成するものであるが、請求項4に従う製法によれば、
詳細な説明は省略するが、実施例1または実施例2の単
層膜磁気抵抗体10の上に、実施例2に示した方法と同
様にして、強磁性体(Co)と媒体金属(AgまたはP
b)とからなる薄膜を形成し、実施例2と同様にして、
この媒体金属相を非磁性導電体で置換しても、実質的に
同様な多層膜磁気抵抗体を製造することができる。
【0053】上記実施例3においては、多層膜のそれぞ
れを形成する非磁性導電体(Cu)と強磁性体(Co)
とは、同質のものを用いたが、これらは各層において同
じであっても異なっていてもよい。例えば第1層が非磁
性導電体(Cu)と強磁性体(Co)との組合せからな
り、第2層が非磁性導電体(Cu)と強磁性体(NiF
e)との組合せからなっていてもよい。
【0054】(実施例4)次に、本発明の請求項9に従
う磁気抵抗体の製法の一実施例を、図13〜図15によ
って、また、この製法によって製造される請求項11に
従う磁気抵抗体の一実施例を図16に示す。図13にお
いて、実施例1と同様にして、非磁性非導電性の基板1
上に、マトリクス相2を形成する非磁性導電体であるC
uと、分離性金属であるCrとをスパッタして、厚みが
1nm〜10nmの範囲内、好ましくは5nm〜8nm
の範囲内の薄膜を形成し、この薄膜を熱処理(アニー
ル)して、Cr原子を島状に凝集させて分散粒子を形成
し、次いでこの分散粒子を化学的エッチングにより溶解
除去して、外方に開口した空孔5が形成されたCuの薄
膜12を形成する。
【0055】次に、図14に示すように、空孔5が形成
されたマトリクス相2の表面に、メッキ技術またはCV
D法を用いて、硬磁性材であるCoを被着させる。この
被着の程度は、被着されたCo相6が空孔5の壁面を覆
う被膜を形成し、空孔5になお、二次空孔9が残留する
程度とする。このとき、マトリクス相2の表面にも、そ
れに対応した厚みのCo被膜13が形成される。
【0056】次に、図15に示すように、二次空孔9が
形成された薄膜の表面に、メッキ技術またはCVD法を
用いて、軟磁性材であるNiFeを被着させる。この被
着の程度は、NiFe相20が二次空孔9に充填される
程度とする。このとき、薄膜上層のCo被膜13上に
も、それに対応した厚みのNiFe被膜21が形成され
る。
【0057】ここで、硬磁性材料とは一般に、外部磁界
が除去されても保磁力が大きく、永久磁石的な磁性材料
であり、軟磁性材料とは高透磁率材料とも呼ばれ、外部
磁界の強さの変化に敏感に反応して磁化を変化させる磁
性材料である。
【0058】次に、これらのNiFe被膜21とCo被
膜13とを、物理的エッチングなどによって除去し、マ
トリクス相2の表面を露出させれば、図16に示すよう
に、Cuのマトリクス相2と、このマトリクス相2に分
散した磁性粒子22とからなり、この磁性粒子22がC
oの強磁性体層6とNiFeの強磁性体層20との2層
からなる磁気抵抗体23が得られる。
【0059】ここに得られた磁気抵抗体23は、磁性粒
子22が、強い外部磁界に対して大きいMR効果を発現
するCo層6と、MR効果そのものは小さいが弱い外部
磁界にも反応するNiFe層20とから構成されている
ので、広範な強さの外部磁界に対してMR効果を発現す
ることができるものとなる。
【0060】
【発明の効果】本発明の磁気抵抗体の製法は、請求項1
において、非磁性導電体からなるマトリクス相と、この
マトリクス相に分散した磁性粒子とからなる単層膜の磁
気抵抗体を製造するに際して、マトリクス相を形成する
非磁性導電体と、これと相分離する分離性金属とを用
い、相分離成膜法により、基板上に、非磁性導電体のマ
トリクス相と分離性金属の分散粒子とからなりこの分散
粒子の表層の一部がマトリクス相から露出した単層膜を
形成し、次いでエッチングしてこの単層膜から分離性金
属の分散粒子を選択的に除去し、次いで、前記の分散粒
子が除去された空孔に、強磁性体を充填するものである
ので、マトリクス相を形成する非磁性導電体とこれに分
散させる強磁性体とがたとえ相溶性であっても、強磁性
体の分散微粒子がマトリクス相に吸収されることなく、
高濃度にマトリクス相中に分散したMR効果の大きい磁
気抵抗体を製造することができる。
【0061】本発明の磁気抵抗体の製法は、請求項2に
おいて、強磁性体と、これと相分離する媒体金属とを用
い、相分離成膜法により、基板上に、媒体金属のマトリ
クス相と強磁性体の分散粒子とからなりこの分散粒子の
表層の一部が基板に接合した単層膜を形成し、次いでエ
ッチングにより、この単層膜から媒体金属のマトリクス
相を選択的に除去し、次いで、前記の媒体金属が除去さ
れた空隙部に、前記強磁性体との組合せにおいて磁気抵
抗効果を発現する非磁性導電体を充填するものであるの
で、実質的に請求項1の場合と同様の効果が得られる。
【0062】本発明の磁気抵抗体の製法は、請求項3ま
たは請求項4において、上記いずれかの製法により製造
された単層膜磁気抵抗体の上に、実質的に上記いずれか
の単層膜磁気抵抗体の製法と同様な操作を繰り返すこと
によって、複数の単層膜磁気抵抗体が積層されてなる多
層膜磁気抵抗体を製造するものであるので、磁性粒子が
膜層ごとに整然と配列した格子体を形成し、MR効果の
発現機構が異なるさまざまな磁気抵抗体として利用する
ことができるようになる。すなわち、この多層膜磁気抵
抗体において、各層のマトリクス相と磁性粒子とを同質
のものとすれば、例えばCo/Cu系においてMR効果
がより向上した不連続結合型の磁気抵抗体が得られ、ま
た各層のマトリクス相は同質とし、磁性粒子を異なる材
質にすれば、例えばCu/Co/Cu/NiFe系など
の不連続非結合型の磁気抵抗体が得られる。
【0063】本発明の磁気抵抗体の製法は、請求項9に
おいて、磁性粒子を、保磁力が異なる強磁性体からなる
少なくとも2層を含むものとするので、本発明は請求項
11において、非磁性導電体からなるマトリクス相と、
このマトリクス相に分散した磁性粒子とからなる磁気抵
抗体であって、マトリクス相の非磁性導電体がCu、A
g、Au、Pd、Rh、またはこれらの少なくとも1種
を含む合金であり、強磁性体粒子がCoまたはCo合金
からなる強磁性体層とFe、Ni、またはNiFeから
なる強磁性体層との2層を含む磁気抵抗体を提供する。
この磁気抵抗体は、広範な外部磁界変動に対して大きい
MR効果を発現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態により製造された磁気抵
抗体を示す、(a)平面図と(b)断面図である。
【図2】 上記の磁気抵抗体を製造する一過程を示す断
面図。
【図3】 上記の磁気抵抗体を製造する他の一過程を示
す断面図。
【図4】 上記の磁気抵抗体を製造する更に他の一過程
を示す断面図。
【図5】 上記の磁気抵抗体を製造する更に他の一過程
を示す断面図。
【図6】 磁気抵抗体を製造する他の一実施形態におけ
る一過程を示す断面図。
【図7】 上記の実施形態における他の一過程を示す断
面図。
【図8】 上記の実施形態における更に他の一過程を示
す断面図。
【図9】 上記の製法により製造された磁気抵抗体を示
す断面図。
【図10】 磁気抵抗体を製造する他の一実施形態にお
ける一過程を示す断面図。
【図11】 上記の実施形態における他の一過程を示す
断面図。
【図12】 上記の製法により製造された磁気抵抗体を
示す断面図。
【図13】 磁気抵抗体を製造する他の一実施形態にお
ける一過程を示す断面図。
【図14】 上記の実施形態における他の一過程を示す
断面図。
【図15】 上記の実施形態における更に他の一過程を
示す断面図。
【図16】 上記の製法により製造された磁気抵抗体を
示す断面図。
【図17】 一般的な粒子分散型磁気抵抗体を示す平面
図。
【図18】 粒子分散型磁気抵抗体の一従来例を示す断
面図。
【符号の説明】
1……基板 2……マトリクス相 3……磁性粒子 10……磁気抵抗体

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に設けられた非磁性導電体からな
    るマトリクス相と、このマトリクス相に分散した強磁性
    体の粒子とからなる単層膜の粒子分散型磁気抵抗体を製
    造するに際して、マトリクス相を形成する非磁性導電体
    と、これと相分離する分離性金属とを用い、相分離成膜
    法により、基板上に、非磁性導電体のマトリクス相と分
    離性金属の分散粒子とからなりこの分散粒子の表層の一
    部がマトリクス相から露出した単層膜を形成し、次いで
    エッチングにより、この単層膜から分離性金属の分散粒
    子を選択的に除去し、次いで、前記の分散粒子が除去さ
    れた空孔に、前記非磁性導電体との組合せにおいて磁気
    抵抗効果を発現する強磁性体を充填することを特徴とす
    る粒子分散型磁気抵抗体の製法。
  2. 【請求項2】 基板上に設けられた非磁性導電体からな
    るマトリクス相と、このマトリクス相に分散した強磁性
    体の粒子とからなる単層膜の粒子分散型磁気抵抗体を製
    造するに際して、強磁性体と、これと相分離する媒体金
    属とを用い、相分離成膜法により、基板上に、媒体金属
    のマトリクス相と強磁性体の分散粒子とからなりこの分
    散粒子の表層の一部が基板に接合した単層膜を形成し、
    次いでエッチングにより、この単層膜から媒体金属のマ
    トリクス相を選択的に除去し、次いで、前記の媒体金属
    が除去された空隙部に、前記強磁性体との組合せにおい
    て磁気抵抗効果を発現する非磁性導電体を充填すること
    を特徴とする粒子分散型磁気抵抗体の製法。
  3. 【請求項3】 複数の単層膜粒子分散型磁気抵抗体が積
    層されてなる多層膜粒子分散型磁気抵抗体を製造するに
    際して、請求項1または請求項2に記載の製法により製
    造された単層膜粒子分散型磁気抵抗体の上に、非磁性導
    電体からなる隔離層を介しまたは介さずに、マトリクス
    相を形成する非磁性導電体と、これと相分離する分離性
    金属とを用い、相分離成膜法により、非磁性導電体のマ
    トリクス相と分離性金属の分散粒子とからなりこの分散
    粒子の表層の一部がマトリクス相から露出した単層膜を
    形成し、次いでエッチングにより、この単層膜から分離
    性金属の分散粒子を選択的に除去し、次いで、前記の分
    散粒子が除去された空孔に、前記非磁性導電体との組合
    せにおいて磁気抵抗効果を発現する強磁性体を充填する
    操作を1回以上繰り返すことを特徴とする粒子分散型磁
    気抵抗体の製法。
  4. 【請求項4】 複数の単層膜粒子分散型磁気抵抗体が積
    層されてなる多層膜粒子分散型磁気抵抗体を製造するに
    際して、請求項1または請求項2に記載の製法により製
    造された単層膜粒子分散型磁気抵抗体の上に、非磁性導
    電体からなる隔離層を介しまたは介さずに、強磁性体
    と、これと相分離する媒体金属とを用い、相分離成膜法
    により、媒体金属のマトリクス相と強磁性体の分散粒子
    とからなりこの分散粒子の表層の一部が基板に接合した
    単層膜を形成し、次いでエッチングにより、この単層膜
    から媒体金属のマトリクス相を選択的に除去し、次い
    で、前記の媒体金属が除去された空隙部に、前記強磁性
    体との組合せにおいて磁気抵抗効果を発現する非磁性導
    電体を充填する操作を1回以上繰り返すことを特徴とす
    る粒子分散型磁気抵抗体の製法。
  5. 【請求項5】 複数の単層膜粒子分散型磁気抵抗体が積
    層されてなる多層膜粒子分散型磁気抵抗体を製造するに
    際して、少なくとも一組の隣接する単層膜粒子分散型磁
    気抵抗体におけるそれぞれのマトリクス相を形成する非
    磁性導電体および分散粒子を形成する強磁性体のいずれ
    か一方または双方を互いに異なるものとすることを特徴
    とする請求項3または請求項4に記載の粒子分散型磁気
    抵抗体の製法。
  6. 【請求項6】 非磁性導電体がCu、Ag、Au、P
    d、Rh、またはこれらの少なくとも1種を含む合金の
    いずれかであり、強磁性体がCo、Fe、Ni、または
    これらの少なくとも1種を含む合金のいずれかであるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項
    に記載の粒子分散型磁気抵抗体の製法。
  7. 【請求項7】 前記の相分離成膜法が、マトリクス相形
    成材と分散粒子形成材とを基板状にスパッタして成膜
    し、次いで熱処理する方法であることを特徴とする請求
    項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の粒子分散型
    磁気抵抗体の製法。
  8. 【請求項8】 前記の相分離成膜法が、マトリクス相形
    成材と分散粒子形成材とを混合し、融点以上に加熱した
    後急冷し、次いで熱処理する方法であることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の粒子
    分散型磁気抵抗体の製法。
  9. 【請求項9】 強磁性体の分散粒子が、保磁力が異なる
    強磁性体からなる少なくとも2層を含むものであること
    を特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に
    記載の粒子分散型磁気抵抗体の製法。
  10. 【請求項10】 強磁性体の分散粒子が、CoまたはC
    o合金からなる強磁性体層とFe、Ni、またはNiF
    eからなる強磁性体層との2層を含むものであることを
    特徴とする請求項9に記載の粒子分散型磁気抵抗体の製
    法。
  11. 【請求項11】 非磁性導電体からなるマトリクス相
    と、このマトリクス相に分散した強磁性体の粒子とから
    なる粒子分散型磁気抵抗体であって、マトリクス相の非
    磁性導電体がCu、Ag、Au、Pd、Rh、またはこ
    れらの少なくとも1種を含む合金であり、強磁性体粒子
    がCoまたはCo合金からなる強磁性体層とFe、N
    i、またはNiFeからなる強磁性体層との2層を含む
    ことを特徴とする粒子分散型磁気抵抗体。
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