JPH0923031A - 磁気抵抗効果多層膜 - Google Patents

磁気抵抗効果多層膜

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JPH0923031A
JPH0923031A JP7172590A JP17259095A JPH0923031A JP H0923031 A JPH0923031 A JP H0923031A JP 7172590 A JP7172590 A JP 7172590A JP 17259095 A JP17259095 A JP 17259095A JP H0923031 A JPH0923031 A JP H0923031A
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直也 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、従来構造ではできなかった磁性層
の多層膜構造を実現できる積層構造にすることにより、
高いMR比を得ることができると同時に、結晶粒の粗大
化が起こり難い層構造とすることにより耐熱性に優れさ
せた磁気抵抗効果多層膜を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、強磁性層32と非磁性層31
とが交互に積層された多層膜からなる磁気抵抗効果多層
膜であって、前記強磁性層32が、(Co,Fe,Ni)
-M-(C,N)の組成を有する軟磁性膜であり、この軟
磁性膜が、平均結晶粒径20nm以下の(Co,Fe,N
i)なる組成の結晶粒32aと、元素Mの炭化物または
窒化物とに分離されてなるものである。ただし、前記元
素Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W
のうち、1種または2種以上を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッド、位置
センサ、回転センサ等に用いられる磁気抵抗効果素子用
の磁気抵抗効果多層膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の用途に用いられている磁
気抵抗(MR)効果材料として、Ni-Fe合金薄膜
(パーマロイ薄膜)が知られているが、パーマロイ薄膜
の抵抗変化率は2〜3%が一般的である。従って、今
後、磁気記録における線記録密度およびトラック密度の
向上あるいは磁気センサにおける高分解能化に対応する
ためには、より抵抗変化率(MR比)の大きい磁気抵抗
効果材料が望まれている。
【0003】ところで近年、巨大磁気抵抗効果と呼ばれ
る現象が、Fe/Cr交互積層膜あるいはCo/Cu交
互積層膜などの多層薄膜で発見されている。これらの多
層薄膜においては、FeやCoなどからなる各強磁性金
属層の磁化がCrやCuなどからなる非磁性金属層を介
して磁気的な相互作用を起こし、積層された上下の強磁
性金属層の磁化が、外部磁場のないときは反平行状態を
保つように結合している。即ち、これらの構造において
は、非磁性金属層を介して交互に積層された強磁性金属
層が、一層毎に磁化の向きを反対方向に向けて積層され
ている。そして、これらの構造においては、適当な外部
磁界が印加されると、各強磁性金属層の磁化の向きが同
じ方向に揃うように変化する。
【0004】前記の構造において、各強磁性金属層の磁
化が反平行状態の場合と平行状態の場合では、Fe強磁
性金属層とCr非磁性金属層の界面、あるいは、Co強
磁性金属層とCu非磁性金属層の界面における伝導電子
の散乱のされ方が、伝導電子のスピンに依存して異なる
といわれている。従ってこの機構に基づくと、各強磁性
金属層の磁化の向きが反平行状態の時は電気抵抗が高
く、平行状態の時は電気抵抗が低くなり、抵抗変化率と
して従来のパーマロイ薄膜を上回る、いわゆる、巨大磁
気抵抗効果を発生する。このようにこれらの多層薄膜
は、従来のNi-Feの単層薄膜とは根本的に異なるM
R発生機構を有している。
【0005】しかしながら、これらの多層膜において
は、各強磁性金属層の磁化の向きを反平行とするように
作用する強磁性金属層間の磁気的相互作用が強すぎるた
めに、各強磁性金属層の磁化の向きを平行に揃えるため
には、非常に大きな外部磁界を作用させなくてはならな
い問題がある。従って、強い磁界をかけないと大きな抵
抗変化が起こらないことになり、磁気ヘッドなどのよう
に磁気記録媒体からの微小な磁界を検出する装置に適用
した場合に満足な高い感度が得られないという問題があ
った。
【0006】この問題を解決するためには、強磁性金属
層間に働く磁気的な相互作用を過度に強くしないよう
に、CrやCuなどからなる非磁性金属層の厚さを調整
し、各強磁性金属層の磁化の向きの相対的な方向を磁気
的相互作用とは別の方法により制御することが有効と思
われる。従来、このような磁化の相対的な方向制御技術
として、FeMnなどの反強磁性層を設けることによ
り、一方の強磁性金属層の磁化の向きを固定し、この強
磁性金属層の磁化の向きが外部磁界に対して動き難いよ
うに構成し、他方の強磁性金属層の磁化の向きを自由に
動けるように構成することにより、微小な磁界による動
作を可能にした技術が提案されている。
【0007】図9は、特開平6ー60336号公報に開
示されているこの種の技術を応用した構造の磁気抵抗セ
ンサの一例を示すものである。図9に示す磁気抵抗セン
サAは、非磁性の基板1に、第1の磁性層2と非磁性ス
ペーサ3と第2の磁性層4と反強磁性層5を積層して構
成されるものであり、第2の磁性層4の磁化の向きBが
反強磁性層5による磁気的交換結合により固定されると
ともに、第1の磁性層2の磁化の向きCが、印加磁界が
ない時に第2の磁性層4の磁化の向きBに対して直角に
向けられている。ただし、この第1の磁性層2の磁化の
向きCは固定されないので外部磁界により回転できるよ
うになっている。図9に示す構造に対して印加磁界hを
付加すると、印加磁界hの方向に応じて第1の磁性層2
の磁化の向きCが点線矢印の如く回転するので、第1の
磁性層2と第2の磁性層4との間で磁化に角度差が生じ
ることになるために、抵抗変化が起こり、これにより磁
場検出ができるようになる。
【0008】次に、一方の磁性層の磁化の向きを固定
し、他方の磁性層の磁化の向きを自由とした構成の磁気
抵抗センサの他の例として、図10に示すように、基板
6上にNiOの反強磁性層7と、Ni-Feの磁性層8
と、Cuの非磁性金属層9と、Ni-Feの磁性層10
と、Cuの非磁性金属層11と、Ni-Feの磁性層1
2と、FeMnの反強磁性層13を順次積層した構造の
磁気抵抗センサBが知られている。
【0009】この例の構造においては、反強磁性層7、
13によりそれらに隣接する強磁性金属層8、12の磁
化がそれぞれ固定され、強磁性金属層8、12の間に非
磁性金属層9、11を介して挟まれた強磁性金属層10
の磁化が外部磁界に応じて回転可能に構成されている。
図9あるいは図10に示す構造の磁気抵抗センサである
と、微小な印加磁界の変化に対して磁気抵抗センサAと
磁気抵抗センサBの電気抵抗が直線的に感度良く変化す
る。また、第1の磁性層2としてNi-Feなどの軟磁
性材料を用いると、その軟磁気特性を利用でき、ヒステ
リシスが少ないなどの利点を有する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9あ
るいは図10に示す構造の磁気抵抗センサはFeMnの
反強磁性層5で隣接する第2の磁性層4の磁化を固定す
るか、上下のFeMnとNiOの反強磁性層7、13で
それらの間の強磁性金属層8、12の磁化を固定し、そ
れらの間の磁性層10の磁化を自由にする構造であるの
で、巨大磁気抵抗効果に寄与するNi-Fe(磁性層)
/Cu(非磁性金属層)の界面の数を多くできない制約
があり、MR比の大きさに制約を生じる問題があった。
また、反強磁性層5、7の構成材料として用いられるF
eMnは、耐食性および耐環境性の面から見て不利な問
題がある。
【0011】次に、図9と図10に示す構造の磁気抵抗
センサの変形的な構造例として、図11に示すように、
ガラス基板15上に、Cuの非磁性層16とCoの硬質
磁性材料層17とCuの非磁性層18とNi-Feの軟
質磁性材料膜19を複数回繰り返し積層した構造が知ら
れている。図11に示す構造の磁気抵抗センサは、硬質
磁性材料膜17と軟質磁性材料膜19の保磁力差を利用
し、非磁性層18の厚さを所定の厚さに調整すること
で、両磁性層17、19の磁化の向きを平行にあるいは
反平行にすることができ、これにより巨大磁気抵抗効果
を得ることができる。そしてこの構造の磁気抵抗センサ
は、積層数を自由に変更できるので、図9と図10に示
す構造の磁気抵抗センサよりも大きなMR比を得ること
ができる特徴がある。
【0012】一方、他の構造の磁気抵抗センサとして、
図12に示すように、基板20の上に、Cuの非磁性層
層21とCoの強磁性層22を交互に繰り返し積層した
構造のものも知られている。この場合、感度を満足させ
るために、Cuの非磁性層厚を調整することによって強
磁性層間に働く磁気的相互作用を適度に弱める工夫がな
されている。この例の構造においても積層数を自由に変
更できるので図9と図10に示す構造の磁気センサより
も大きなMR比を得ることができる特徴がある。なお、
図12に示す構造において、強磁性層22を構成する元
素として、Coの代わりに、Co-Fe合金あるいはC
o-Fe-Ni合金を用いる構造も知られている。
【0013】ところが、図12に示す構造の磁気抵抗セ
ンサは、耐熱性に劣る欠点があり、350℃以上の温度
を履歴した場合には使用できない問題がある。このた
め、磁気抵抗センサとして用いた場合に、センサやヘッ
ドを製造する際に必要な加熱処理(例えば樹脂の硬化処
理など)を経た場合に特性が劣化したり、電流等の負荷
により発熱を生じ、その発熱が長時間にわたった場合に
特性が劣化するおそれがあった。これは、強磁性層22
を構成するCoやFeが、Cuと相分離傾向にあるため
に、高温に加熱されても混ざらないが、加熱により各層
を構成する結晶粒が部分的に粗大化し、層構造が変化す
ることによるものと推定される。例えば、図13に示す
ようにCuの非磁性層21とCoの強磁性層22が順次
積層され、各層が結晶粒の集合した層構造をなしていて
も、加熱されて各結晶粒が無秩序に粗大化すると、図1
4に示すような非磁性層21’と強磁性層22’の積層
構造となり、部分的に非磁性層21の結晶粒の間に粗大
化した強磁性層22’の一部が割り込んだ構造となるこ
とがあると考えられ、このようなことが原因となって積
層構造が崩れ、磁気抵抗効果が劣化するものと思われ
る。
【0014】次に、図11に示す構造の磁気抵抗センサ
は、低磁界でも作動し、高感度な利点を有するが、Ni
とCuは固溶し易い(混ざり合いやすい)系に属するた
めに、耐熱性は図12の構造のものよりも更に悪い欠点
がある。また、磁性層として、CoとNi-Feという
全く異種の物質を用いているために、伝導電子の受ける
ポテンシャルがそれぞれの層界面で異なり、それによる
伝導電子の散乱、即ち、巨大磁気抵抗効果に寄与するス
ピン依存散乱以外の散乱が増加するので、MR比は図1
2に示す構造の磁気抵抗センサよりも小さくなる傾向に
ある。
【0015】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
あり、図9あるいは図10に示す従来構造ではできなか
った磁性層の多層膜構造を実現できる積層構造にするこ
とにより、高いMR比を得ることができると同時に、結
晶粒の粗大化が起こり難い層構造とすることにより耐熱
性に優れさせた磁気抵抗効果多層膜を提供することを目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は前
記課題を解決するために、強磁性層と非磁性層とが交互
に積層された多層膜からなる磁気抵抗効果多層膜であっ
て、前記強磁性層が、X-M-Zなる組成を有する軟磁性
膜であり、この軟磁性膜が、平均結晶粒径20nm以下
の元素Xの結晶粒と、元素Mの炭化物または窒化物とに
分離されてなるものである。ただし前記元素Xは、F
e、Co、Niのうち、1種または2種以上を示し、元
素Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W
のうち、1種または2種以上を示し、元素Zは、C、N
のうち、1種または2種を示す。請求項2記載の発明は
前記課題を解決するために、非磁性層を挟んで低保磁力
磁性層と高保磁力磁性層が設けられた磁気ユニット層が
複数積層されてなり、前記低保磁力磁性層が、X-M-Z
なる組成を有し、平均結晶粒径20nm以下の元素Xの
結晶粒と元素Mの炭化物または窒化物とに分離されてな
り、前記高保磁力磁性層が、元素Xからなるものであ
る。ただし前記元素Xは、Fe、Co、Niのうち、1
種または2種以上を示し、元素Mは、Ti、Zr、H
f、V、Nb、Ta、Mo、Wのうち、1種または2種
以上を示し、元素Zは、C、Nのうち、1種または2種
を示す。
【0017】請求項3記載の発明は前記課題を解決する
ために、少なくとも磁化の向きがピン止めされた強磁性
層と、磁化の向きが自由にされた強磁性層とが、非磁性
層を挟んで積層されてなる磁気抵抗効果多層膜であっ
て、前記磁化の向きが自由にされた強磁性層が、X-M-
Zなる組成からなる低保磁力磁性膜であり、この低保磁
力磁性膜が、平均結晶粒径20nm以下の元素Xの結晶
粒と、元素Mの炭化物または窒化物とに分離されてなる
ものである。ただし前記元素Xは、Fe、Co、Niの
うち1種または2種以上を示し、元素Mは、Ti、Z
r、Hf、V、Nb、Ta、Mo、Wのうち、1種また
は2種以上を示し、元素Zは、C、Nのうち、1種また
は2種を示す。請求項4記載の発明は、元素Xの結晶粒
の粒界に、この結晶粒の粗大化を抑止する元素Mの炭化
物または窒化物が析出されてなるものである。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項2に記載の
元素Xの結晶粒の粒界に、非磁性層の構成元素の一部が
偏析されてなるものである。請求項6記載の発明は、軟
磁性膜が、下記の組成を有するものである。 X100-a-bab ここで組成比a,bは原子%で、0.5≦a≦8、0.5≦b
≦10なる関係を満足するものとする。請求項7記載の
発明は、請求項6記載の組成比a,bが原子%で1≦a≦
6、0.5≦b≦7なる関係を満足するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
「作用」強磁性層と非磁性層とが交互に積層された多層
膜からなり、強磁性層が、X-M-Z、即ち、Co(C
o,Fe,Ni)-M-(C,N)の組成を有する軟磁性膜
であり、この軟磁性膜が、平均結晶粒径20nm以下の
(Co,Fe,Ni)の結晶粒と、元素Mの炭化物または
窒化物とに分離されてなる構造であると、無磁場状態に
おいて層毎の強磁性層が異なる磁化の向きを有するに対
し、磁場を印加した状態において隣接する強磁性層の磁
化の向きが揃うようになり、磁気抵抗変化を生じる。ま
た、X-M-Z、即ち、(Co,Fe,Ni)-M-(C,
N)なる組成の強磁性層であれば、元素Mの炭化物また
は窒化物が(Co,Fe,Ni)の結晶粒の粒界に析出
し、この結晶粒の粗大化を抑制するので、熱処理後も強
磁性層の軟磁気特性が失われず、高感度な特性を示すと
ともに、粒の粗大化による層界面の乱れも生じないので
優れた磁気抵抗効果が得られ、耐熱性も高くなる。
【0020】非磁性層を挟んで低保磁力磁性層と高保磁
力磁性層が設けられ、低保磁力磁性層が、(Co,Fe,
Ni)-M-(C,N)なる組成を有し、平均結晶粒径2
0nm以下の(Co,Fe,Ni)の結晶粒と元素Mの炭
化物または窒化物とに分離されてなり、前記高保磁力磁
性層が、(Co,Fe,Ni)からなると、非磁性層を挟
んで設けられる低保磁力磁性層と高保磁力磁性層が(C
o,Fe,Ni)-M-(C,N)なる組成の層か、(Co,
Fe,Ni)の層のどちらかであり、どちらにおいても
Coを主成分とする層である場合には、非磁性層を挟ん
で低保磁力磁性層と高保磁力磁性層が設けられる構造で
異種材料が設けられていた図11に示す従来構造よりも
高いMR比が得られる。また、元素Mの炭化物または窒
化物は、(Co,Fe,Ni)の結晶粒の粗大化を抑制し
て低保磁力磁性層自体の結晶粒の粗大化を抑制するのに
加え隣接する他の層の結晶粒の粗大化をも抑制するの
で、低保磁力磁性層と、それに隣接する非磁性層の結晶
粒の粗大化を抑制し、更に、非磁性層の結晶粒の粗大化
を抑制するので、非磁性層に隣接する高保磁力磁性層の
結晶粒の粗大化も抑制する。
【0021】次に、少なくとも磁化の向きがピン止めさ
れた強磁性層と、磁化の向きが自由にされた強磁性層と
が、非磁性層を挟んで積層されてなる磁気抵抗効果多層
膜であって前記磁化の向きが自由にされた強磁性層が、
(Co,Fe,Ni)-M-(C,N)なる組成の軟磁性膜
であり、この軟磁性膜が、平均結晶粒径20nm以下の
(Co,Fe,Ni)の結晶粒と、元素Mの炭化物または
窒化物とに分離している構造であれば、磁化の向きが自
由にされた強磁性層の磁化の向きが外部磁場で感度良く
変化するので、磁気抵抗効果を得ることができる。
【0022】前記(Co,Fe,Ni)の結晶粒の粒界
に、この結晶粒の粗大化を抑止する元素Mの炭化物また
は窒化物が析出されてなることで、隣接する他の層の結
晶粒の粗大化も抑制される。更に、(Co,Fe,Ni)
の結晶粒の粒界に、非磁性層の構成元素の一部が偏析さ
れてなる構成であると、非磁性層の構成元素が前記結晶
粒の粒界に析出して保磁力が高まる。ただし、低保磁力
層と高保磁力層を構成する強磁性層の結晶粒は、本質的
に同じ組成の結晶相なので、両層で伝導電子の受けるポ
テンシャルが同一であり、巨大磁気抵抗効果に寄与する
スピン依存散乱以外の散乱が少なく、MR比を高められ
る。
【0023】次に、X-M-Zなる組成の層の中でも、X
100-a-babなる組成であることが好ましく、その場
合に、組成比a,bは原子%で、0.5≦a≦8、0.5≦b
≦10なる関係を満足するものが好ましく、その場合に
特に優れた磁気特性が得られる。また、前記組成比a,b
が原子%で、1≦a≦6、0.5≦b≦7なる関係を満足
する場合が特に好ましい。
【0024】以下、図面を参照して本発明について更に
詳細に説明する。図1は本発明に係る磁気抵抗効果多層
膜の第1形態例を示すもので、この例の磁気抵抗効果多
層膜Eは、非磁性体の基板30上に、非磁性体層31と
強磁性層32とを繰り返し必要数積層して構成されてい
る。
【0025】前記基板30は、ガラス、Si、Al
23、TiC、SiC、Al23とTiCとの燒結体、
Znフェライトなどに代表される非磁性材料から形成さ
れる。なお、基板30の上面には、基板上面の凹凸やう
ねりを除去する目的であるいはその上に積層される層の
結晶整合性を良好にするなどの目的で被覆層やバッファ
層を適宜設けても良い。なお、図1に示す例では基板3
0と接する第1層は非磁性層31となっているが、強磁
性層32を第1層としても良い。前記非磁性層31は、
Cu、Au、Ag、Ruなどに代表される非磁性体から
なり、10〜50Åの厚さに形成されている。ここで非
磁性膜31の厚さが10Åより薄いと、非磁性層31の
ピンホール等を通して強磁性層どうしが磁気的に直接つ
ながってしまうために好ましくなく、50Åより厚い
と、非磁性層31を分流する伝導電子が多くなりすぎ、
スピン依存散乱をせずに非磁性層31中を通過する割合
が増えてMR比が低下するので好ましくない。
【0026】前記強磁性層32は、X-M-Z系合金から
なる軟磁性膜からなり、好ましくは、X100-a-bab
なる組成のものが好ましい。ここで前記元素Xは、F
e、Co、Niのうち、1種または2種以上を示し、元
素Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W
のうち、1種または2種以上を示し、元素Zは、C、N
のうち、1種または2種を示し、組成比a,bは、原子%
で、0.5≦a≦8、0.5≦b≦10なる関係を満足する
ものとすることが好ましい。また更に、前記の組成比a,
bが原子%で、1≦a≦6、0.5≦b≦7なる関係を満足
するものが特に好ましい。前記組成比a,bは、炭化物あ
るいは窒化物粒子の濃度を決めるものであり、適当な炭
化物濃度あるいは窒化物濃度より前記のa,bの範囲が決
まる。即ち、炭化物濃度または窒化物濃度が高すぎる
と、炭化物あるいは窒化物は、導電性ではあるが、伝導
電子の散乱源(巨大磁気抵抗効果に寄与しないスピン依
存散乱以外の散乱)となるためMR比が減少してしま
い、また、炭化物濃度または窒化物濃度が低すぎると前
述した結晶粒成長の抑制効果が充分発揮されないので好
ましくない。従ってこれらを考慮するとa,bは前記範囲
が好ましい。
【0027】前記の強磁性層32は、図1に示すよう
に、(Co,Fe,Ni)系の結晶粒32aとこの結晶粒
32aの粒界に析出された元素Mの炭化物あるいは窒化
物からなる析出物32bからなる構造を有しており、前
記結晶粒32aは粒径20nm程度以下の微細なもので
ある。この強磁性層32にあっては、上記特有の組成を
有すること、特に、元素M(Ti、Zr、Hf、V、N
b、Ta、Mo、W)を含むこと、更には、元素Mの炭
化物が存在していることによってCo、Fe、Ni系の
結晶粒32aを微細化することができる。なお、実際の
材料における炭化物の存在は透過型電子顕微鏡(TE
M)で容易に確認することができる。
【0028】また、元素MとCを共に添加させると、元
素MとCは化学結合して元素Mの炭化物となり、これら
の炭化物は導電性が良好であるため、巨大磁気抵抗効果
に寄与する伝導電子を妨げることが比較的少ない。
【0029】図1に示す構造の磁気抵抗効果多層膜Eを
得るには、図2に示すように基板30上に、非磁性体か
らなる非磁性層31’とX-M-Z系の非晶質層32’を
順次必要数だけ積層して積層体E’を形成する。なお、
M、C、N濃度が低い場合は非晶質層32’は結晶質と
非晶質の混合層あるいは結晶質層となる。前記の各層を
基板30上に形成するには、汎用の技術、例えば、スパ
ッタや蒸着等の薄膜形成装置を用いて合金薄膜などに調
製して形成することができる。例えば、成膜装置とし
て、高周波2極スパッタ装置、DCスパッタ、マグネト
ロンスパッタ、3極スパッタ、イオンビームスパッタ、
対向ターゲット式スパッタ等を利用することができる。
またスパッタ−ゲットとしてCoあるいはNi-Fe-C
o合金ターゲット上にZr、Hf、Ta、C等のチップ
を配置した複合ターゲット等を使用できる。
【0030】また、Cを膜中に添加する方法としては、
ターゲット板上にグラファイトのペレットを配置して複
合ターゲットとし、これをスパッタする方法、あるいは
Cを含まないターゲットを用い、Ar等の不活性ガス中
にメタン等の炭化水素ガスを混合したガス雰囲気でスパ
ッタする反応性スパッタ法等を用いることができ、この
反応性スパッタ法では膜中のC濃度の制御が容易である
ので所望のC濃度の優れた膜を得ることができる。前記
のように成膜法で形成したX-M-Z系の層は成膜のまま
では非晶質相を含む場合が多いから、この層を加熱して
結晶化し、微細結晶粒を析出させる熱処理を行う。この
熱処理は、300〜500℃に加熱することで行うこと
ができ、これにより、図2に示す積層体中の非晶質層3
2’を結晶化して強磁性層32を形成し、図1に示す磁
気抵抗効果多層膜Eを得ることができる。
【0031】前記の熱処理時において非晶質層32’に
あっては、(Co,Fe,Ni)系の微細な結晶粒32a
が晶出し、その粒界に元素Mの炭化物または窒化物が析
出し強磁性層32が形成され、前記の炭化物または窒化
物の析出により結晶粒32aの粗大化が抑制されると同
時に、強磁性層32に隣接する非磁性層31の結晶粒の
粗大化も抑制される。また、非磁性層32の粒成長も抑
制できるために、図13と図14を基に先に説明したよ
うな非磁性層21’と強磁性層22’の粒成長を抑制す
ることができ、これにより、非磁性層21’と強磁性層
22’の界面部分に大きな凹凸が形成されて積層構造が
崩れることを防止できる。
【0032】図1に示す構造の磁気抵抗効果多層膜Eに
あっては、外部磁場が0の状態では図3に示すように非
磁性層31を挟んで上下に隣接する強磁性層32、32
のそれぞれの磁化の向きが磁気的に結合して反対方向を
向くが、この磁気抵抗効果多層膜Eに図4に示すように
所定の外部磁場Hが作用すると、前記の磁気的結合が崩
れて上下の強磁性層32、32の磁化の向きが平行に揃
うようになる。この際に外部磁場のありなしに影響を受
けて抵抗が変化するので、この抵抗変化を検出すること
で、逆に磁場が作用したか否かを検出することができ
る。
【0033】そして、前記構成の磁気抵抗効果多層膜E
の強磁性層32は、図12に示す従来構造で用いたCo
の強磁性層22よりも微細なnmオーダーの結晶粒を有
する結晶構造になるので、同じCoを主成分とする層で
あっても、単なるCoの強磁性層よりも軟磁性化するこ
とが容易である。従って低い外部磁場にも敏感に感応す
るように感度を向上させることができる。また、前述の
ように熱処理して製造するので、耐熱性に優れ、高温で
も高いMR比が得られる。更に、非磁性層31を挟んで
その上下に設けられる強磁性層32は、同じCoを主成
分とする強磁性膜であるがために、強磁性層32と非磁
性層31の界面で巨大磁気抵抗効果に寄与するとされる
伝導電子のポテンシャルが等しくなるために、伝導電子
のスピン依存散乱以外の要因が少なくなり、高いMR比
を得ることができる。
【0034】図5は本発明に係る磁気抵抗効果多層膜の
第2形態例を示すもので、この例の磁気抵抗効果多層膜
Fは、非磁性体の基板40上に、高保磁力磁性層41と
非磁性層42と低保磁力磁性層43とからなる積層ユニ
ット44が、非磁性層45を介して複数積層されて構成
されている。
【0035】前記基板40は、先に説明した第1形態例
の基板30と同等の材料から構成されている。前記非磁
性層42および45は、Cu、Au、Ag、Ruなどに
代表される非磁性体からなり、10〜50Åの厚さに形
成されている。ここで非磁性層42および45の厚さが
10Åより薄いと、非磁性層42および45のピンホー
ル等を通して強磁性層どうしが磁気的に直接つながって
しまうために好ましくなく、50Åより厚いと、非磁性
層42および45を分流する伝導電子が多くなりすぎ、
スピン依存散乱をせずに非磁性層42および45中を通
過する割合が増えてMR比が低下するので好ましくな
い。
【0036】前記高保磁力磁性層41は、先の第1形態
例で用いた強磁性層32の構成元素から、元素MとCあ
るいはNを除いた系の強磁性体からなる。即ち、(C
o,Fe,Ni)系の結晶粒41aからなる。この結晶粒
41aは、先の第1形態例の強磁性層32の結晶粒32
aとは異なり、膜面内における平均結晶粒径が20nm
以上となり微結晶化されていないので、高保磁力磁性層
41は硬質磁性層となる。
【0037】前記低保磁力磁性層43は、先の第1形態
例で用いた強磁性層32と同等の材料から構成されてい
る。即ち、低保磁力磁性層43は、X-M-Z系の軟磁性
膜からなり、その組成として、X100-a-babなる組
成のものが好ましい。ここで前記元素Xは、Fe、C
o、Niのうち、1種または2種以上を示し、元素M
は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、Wのう
ち、1種または2種以上を示し、元素Zは、C、Nのう
ち、1種または2種を示し、組成比a,bは、原子%で、
0.5≦a≦8、0.5≦b≦10なる関係を満足するもの
とすることが好ましい。また、更に、前記の組成比a,b
が原子%で、1≦a≦6、0.5≦b≦7なる関係を満足
するものが特に好ましい。前記低保磁力磁性層43は、
図5に示すように、X系、即ちCo(Fe,Ni)系の
結晶粒43aとこの結晶粒43aの粒界に析出された元
素Mの炭化物あるいは窒化物の析出物43bからなる構
造を有し、前記結晶粒43aは粒径20nm程度以下の
微細なものである。なお、Co(Fe,Ni)系のう
ち、Coを主成分とする結晶は本来軟磁性を有しない
が、nmオーダーに微細結晶化することの効果から、磁
場に対する感度を発揮するようになる。
【0038】以上説明のように図5に示す構造は、高保
磁力磁性層41と非磁性層42と低保磁力磁性層43と
が積層されているので、高保磁力磁性層41の磁化の向
きは検出するべき外部磁場によっては容易に変動せず、
一方低保磁力磁性層43の磁化の向きは外部磁場に応じ
て変化する。よって、外部磁場の強さに応じて磁化が平
行、あるいは、反平行の状態が変化し、抵抗変化を生じ
る。従ってこの抵抗変化から外部磁場を検出することが
できる。また、非磁性層42を挟んで設けられる高保磁
力磁性層41と低保磁力磁性層43にあっては、高保磁
力磁性層41が(Co,Fe,Ni)系合金から、低保磁
力磁性層43がX-M-Z系合金、即ち、(Co,Fe,N
i)-M-(C,N)系合金から形成され、非磁性層42
を挟んで両側に位置する層の結晶粒はいずれも同じ組成
の(Co,Fe,Ni)結晶粒なので、非磁性層の両側に
異種物質の磁性層を配置する図11に示す従来構造に比
べてMR比を大きくすることができる。更にこの形態例
の構成では、Niを主成分とする層を有しないようにす
ることができるために、高温でNiが非磁性層側に混じ
り合うという現象を生じない。また、層界面に析出した
元素Mの炭化物は非磁性層42、45の片面側のみに存
在していても非磁性層42、45の粒成長を抑制する効
果が充分にあるために、図12を基に先に説明した従来
構造よりも耐熱性に優れる。
【0039】図5または図7に示す構造の磁気抵抗効果
多層膜Fを得るには、図6に示すように基板40上に、
(Co,Fe,Ni)または(Co,Fe,Ni)-(Cu,
Au,Ag,Ru)からなる層41’と、Cu,Au,A
g,Ruのいずれかからなる非磁性層42と、(Co,F
e,Ni)-M-(C,N)層43’とからなる積層ユニッ
ト44’を非磁性層45を介して複数積層する。前記の
ような成膜法で形成した(Co,Fe,Ni)-M-(C,
N)層43’は成膜のままでは非晶質相を含む場合が多
いから、この層を300〜500℃で加熱して結晶化
し、微細結晶粒を析出させる熱処理を行う。このような
熱処理により、(Co,Fe,Ni)-M-(C,N)層を
先の例の場合と同様に結晶化し、図5に示す磁気抵抗効
果多層膜Fを得ることができる。
【0040】図7は、本発明に係る磁気抵抗効果多層膜
の第3形態例を示すもので、この例の磁気抵抗効果多層
膜Gは、非磁性体の基板40上に、高保磁力磁性層4
1”と非磁性層42と低保磁力磁性層43とからなる積
層ユニット44が、非磁性層45を介して複数積層され
て構成されている。
【0041】この例の構造は先に説明した第2形態例の
構造と類似した構造であるが、異なっているのは、高保
磁力磁性層41”の構造である。この例の高保磁力磁性
層41”は、(Co,Fe,Ni)-(Cu,Au,Ag,R
u)からなり、具体的には、(Co,Fe,Ni)系合金
の結晶粒41a…と、これら結晶粒41aの粒界に形成
されたCu,Au、Ag、Ruのいずれかからなる非磁
性相41cとから構成されている。その他の構造は先の
第2形態例と同等であるので、同一部分には同一符号を
付してそれらの部分の説明を省略する。この例の構造に
あっては、Cu、Ag、Au、Ru等の非磁性元素が、
Co、Feに対して非固溶なので、成膜後の熱処理時に
粒界に偏析し、保磁力を高める作用を奏する。第2の例
のような構造であると(Co,Fe,Ni)の結晶粒も小
さいので保磁力(Hc)はあまり大きくならず、(C
o,Fe,Ni)-M-(C,N)なる組成の層との保磁力
差はあまり大きくならないが、前記非磁性元素の偏析に
よりこの層の保磁力差を大きく設定することができ、M
R比を向上できる。また、粒界に非磁性金属が偏析する
ことにより、高保磁力磁性層42”の粒成長速度も遅く
なり、結晶粒の粗大化が抑制されるので耐熱性が向上す
る。
【0042】図8は、本発明に係る磁気抵抗効果多層膜
の第4形態例を示すもので、この例の磁気抵抗効果多層
膜Jは、非磁性体の基板50上に、NiOなどからなる
反強磁性層51と低保磁力磁性層52と非磁性層53と
低保磁力磁性層54と非磁性層55と低保磁力磁性層5
6とFeMnなどからなる反強磁性層57とを順次積層
して構成されている。この例の構造は図10を基に先に
説明した従来構造を発展させた構造であり、反強磁性層
57により低保磁力磁性層56の磁化がピン止めされ、
反強磁性層51により低保磁力磁性層52の磁化がピン
止めされ、磁化をピン止めされた低保磁力磁性層52、
56の間に非磁性層53、55を介して設けられた低保
磁力磁性層54の磁化の向きが自由にされている。
【0043】この例の構造においては、低保磁力磁性層
52、54、56がいずれも(Co,Fe,Ni)-M-
(C,N)なる組成の磁性膜からなるので、反強磁性層
51の磁気的交換結合力により低保磁力磁性層52の磁
化の向きがピン止めされ、反強磁性層57の磁気的交換
結合力により低保磁力磁性層56の磁化の向きがピン止
めされ、それらの間に挟まれた低保磁力磁性層54の磁
化の向きが自由にされるので、外部磁場の影響により抵
抗変化を生じ、これにより磁場検出ができるようにな
る。即ち、この例の構造によれば、外部磁場の印加によ
り低保磁力磁性層54の磁化の向きが回転するので、こ
れにより磁気抵抗変化を生じ、優れたMR比が得られ
る。
【0044】なお、この例においても低保磁力磁性層5
2、54、56は(Co,Fe,Ni)-M-(C,N)系
の軟磁性膜からなり、その組成として、X100-a-b
a(C,N)bなる組成のものが好ましい。ここで前記元
素Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W
の内から選ばれる1種または2種以上の元素を示し、組
成比a,bは、原子%で、0.5≦a≦8、0.5≦b≦10
なる関係を満足するものとすることが好ましい。また、
更に、前記の組成比a,bが原子%で、1≦a≦6、0.5
≦b≦7なる関係を満足するものが特に好ましい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、強磁性層と非磁性層とが交互に積層された多層膜か
らなり、強磁性層が、(Co,Fe,Ni)-M-(C,
N)の組成を有する軟磁性膜であり、この軟磁性膜が、
平均結晶粒径20nm以下の元素(Co,Fe,Ni)の
結晶粒と、元素Mの炭化物または窒化物とに分離されて
なる構造であると、無磁場状態において層毎の強磁性層
が異なる磁化の向きを有するに対し、磁場を印加した状
態において隣接する強磁性層の磁化の向きが揃うように
なり、その際に磁気抵抗変化を生じる。従ってこの磁気
抵抗変化を検出することにより磁場検出ができる。ま
た、(Co,Fe,Ni)-M-(C,N)なる組成の強磁
性層であれば、成膜後に熱処理して結晶化するので、耐
熱性も従来のものより高くなる。
【0046】更に、(Co,Fe,Ni)-M-(C,N)
なる組成の強磁性層であれば、元素Mの炭化物または窒
化物が(Co,Fe,Ni)の結晶粒の粒界に析出し、そ
の結晶粒の粗大化を抑制するので、同じCo系の磁性体
の場合であっても単体のCoよりも軟磁性化し易いの
で、Co/Cu積層型の従来構造の磁気抵抗効果膜より
も低い磁場で感度良く抵抗が変化するようになり、感度
の良い磁気抵抗効果多層膜を提供できる。
【0047】次に、請求項2に記載した発明は、非磁性
層を挟んで低保磁力磁性層と高保磁力磁性層が設けら
れ、低保磁力磁性層が、(Co,Fe,Ni)-M-(C,
N)なる組成を有し、平均結晶粒径20nm以下の(C
o,Fe,Ni)の結晶粒と元素Mの炭化物または窒化物
とに分離されてなり、前記高保磁力磁性層が(Co,F
e,Ni)からなると、非磁性層を挟んで設けられる磁
性層を構成する強磁性結晶がが、いずれも、(Co,F
e,Ni)なる組成であり、どちらもCoを主成分とし
た合金の場合には、非磁性層を挟んで異種材料が設けら
れていた図11に示す従来構造よりも高いMR比が得ら
れる。また、(Co,Fe,Ni)-M-(C,N)なる組
成の低保磁力磁性層であれば、元素Mの炭化物または窒
化物の析出物が(Co,Fe,Ni)なる組成の結晶粒の
粒界に析出し、その結晶粒の粗大化を抑制するととも
に、粒界に析出した析出物が低保磁力磁性層と非磁性層
と高保磁力磁性層の結晶粒の粗大化をも抑制する。その
結果、耐熱性が高く感度の良い磁気抵抗効果多層膜を得
ることができる。
【0048】次に、少なくとも磁化の向きがピン止めさ
れた強磁性層と、磁化の向きが自由にされた強磁性層
と、非磁性層とが積層されてなる磁気抵抗効果多層膜で
あって前記磁化の向きが自由にされた強磁性層が、(C
o,Fe,Ni)-M-(C,N)なる組成の軟磁性膜であ
り、この軟磁性膜が、平均結晶粒径20nm以下の(C
o,Fe,Ni)なる組成の結晶粒と、元素Mの炭化物ま
たは窒化物とに分離している構造であれば、磁化の向き
が自由にされた強磁性層の磁化の向きが外部磁場で感度
良く変化するので、良好な磁気抵抗効果を得ることがで
きる。また、(Co,Fe,Ni)-M-(C,N)なる組
成の強磁性層であれば、元素Mの炭化物または窒化物が
(Co,Fe,Ni)なる組成の結晶粒の粒界に析出し、
その結晶粒の粗大化を抑制するので、同じCo系の磁性
体であっても単体のCoよりも軟磁性化し易いので、低
い磁場で感度良く抵抗が変化するようになり、感度の良
い磁気抵抗効果多層膜を提供できる。
【0049】次に、前記(Co,Fe,Ni)なる組成の
結晶粒の粒界に、この結晶粒の粗大化を抑止する元素M
の炭化物または窒化物が析出されてなることで、隣接す
る他の層の結晶粒粗大化が抑制される。更に、(Co,
Fe,Ni)なる組成の結晶粒の粒界に、非磁性層の構
成元素の一部が偏析されてなる構成であると、非磁性層
の構成元素が前記結晶粒の粒界に析出して保磁力が高ま
り、低保磁力を示す(Co,Fe,Ni)-M-(C,N)
なる組成の層との保磁力差が生じ、保磁力差に起因して
優れた効果を奏する請求項2に記載した磁気抵抗効果多
層膜が確実に得られる。
【0050】次に、(Co,Fe,Ni)-M-(C,N)
なる組成の層の中でも、X100-a-babなる組成であ
ることが好ましく、その場合に、組成比a,bは原子%
で、0.5≦a≦8、0.5≦b≦10なる関係を満足す
るものが好ましく、その場合に特に優れた低保磁力の軟
磁気特性が得られる。また、前記組成比a,bが原子%
で、1≦a≦6、0.5≦b≦7なる関係を満足する場合
が特に好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気抵抗効果多層膜の第1形態例
の断面図である。
【図2】図1に示す多層膜の熱処理前の状態を示す断面
図である。
【図3】図1に示す多層膜に磁場が印加されていない状
態の各層の磁化の向きを示す図である。
【図4】図1に示す多層膜に磁場が印加されている状態
の各層の磁化の向きを示す図である。
【図5】本発明に係る磁気抵抗効果多層膜の第2形態例
の断面図である。
【図6】図5に示す多層膜の熱処理前の状態を示す断面
図である。
【図7】本発明に係る磁気抵抗効果多層膜の第3形態例
の断面図である。
【図8】本発明に係る磁気抵抗効果多層膜の第4形態例
の断面図である。
【図9】従来の磁気抵抗効果素子用多層膜の第1の例を
示す分解図である。
【図10】従来の磁気抵抗効果素子用多層膜の第2の例
を示す断面図である。
【図11】従来の磁気抵抗効果素子用多層膜の第3の例
を示す断面図である。
【図12】従来の磁気抵抗効果素子用多層膜の第4の例
を示す断面図である。
【図13】図12に示す多層膜の結晶粒を示す断面図で
ある。
【図14】図12に示す多層膜を熱処理した後の結晶粒
を示す断面図である。
【符号の説明】
E、F、G、J 磁気抵抗効果多層膜、 30、40、50 基板、 31 非磁性層、 32 強磁性層、 32a、43a 微細結晶粒子、 32b、43b 析出物、 41、41” 高保磁力磁性層、 42、45 非磁性層、 43 低保磁力磁性層、 44 積層ユニット、 51、57 反強磁性層、 52、54、56 低保磁力磁性層、 52a、54a、56a 微細結晶粒子、 52b、54b、56b 析出物、 53、55 非磁性層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/39 H01F 10/26 H01F 10/26 H01L 43/10 H01L 43/10 8908−2G G01R 33/06 R

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性層と非磁性層とが交互に積層され
    た多層膜からなる磁気抵抗効果多層膜であって、前記強
    磁性層が、X-M-Zの組成を有する軟磁性膜であり、こ
    の軟磁性膜が、平均結晶粒径20nm以下の元素Xの結
    晶粒と、元素Mの炭化物または窒化物とに分離されてな
    ることを特徴とする磁気抵抗効果多層膜。ただし前記元
    素Xは、Fe、Co、Niのうち、1種または2種以上
    を示し、元素Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、T
    a、Mo、Wのうち、1種または2種以上を示し、元素
    Zは、C、Nのうち、1種または2種を示す。
  2. 【請求項2】 非磁性層を挟んで低保磁力磁性層と高保
    磁力磁性層が設けられた磁気ユニット層が複数積層され
    てなり、 前記低保磁力磁性層が、X-M-Zなる組成を有し、平均
    結晶粒径20nm以下の元素Xの結晶粒と元素Mの炭化
    物または窒化物とに分離されてなり、前記高保磁力磁性
    層が、元素Xからなることを特徴とする磁気抵抗効果多
    層膜。ただし前記元素Xは、Fe、Co、Niのうち、
    1種または2種以上を示し、元素Mは、Ti、Zr、H
    f、V、Nb、Ta、Mo、Wのうち、1種または2種
    以上を示し、元素Zは、C、Nのうち、1種または2種
    を示す。
  3. 【請求項3】 少なくとも磁化の向きがピン止めされた
    強磁性層と、磁化の向きが自由にされた強磁性層とが、
    非磁性層を挟んで積層されてなる磁気抵抗効果多層膜で
    あって、前記磁化の向きが自由にされた強磁性層が、X
    -M-Zなる組成の軟磁性膜であり、この軟磁性膜が、平
    均結晶粒径20nm以下の元素Xの結晶粒と、元素Mの
    炭化物または窒化物とに分離されてなることを特徴とす
    る磁気抵抗効果多層膜。ただし前記元素Xは、Fe、C
    o、Niのうち、1種または2種以上を示し、元素M
    は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、Wのう
    ち、1種または2種以上を示し、元素Zは、C、Nのう
    ち、1種または2種を示す。
  4. 【請求項4】 元素Xの結晶粒の粒界に、この結晶粒の
    粗大化を抑止する元素Mの炭化物または窒化物が析出さ
    れてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の磁気抵抗効果多層膜。
  5. 【請求項5】 元素Xの結晶粒の粒界に、非磁性層の構
    成元素の一部が偏析されてなることを特徴とする請求項
    2記載の磁気抵抗効果多層膜。
  6. 【請求項6】 磁性膜が、下記の組成を有することを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の磁気抵抗効果
    材多層膜。 X100-a-bab ここで組成比a,bは原子%で、0.5≦a≦8、0.5≦b
    ≦10なる関係を満足するものとする。
  7. 【請求項7】 組成比a,bが原子%で、1≦a≦6、0.
    5≦b≦7なる関係を満足することを特徴とする請求項
    6記載の磁気抵抗効果多層膜。
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