JP2006049426A - 磁気抵抗効果素子とその製造方法、およびそれを用いた磁気ヘッドと磁気再生装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子とその製造方法、およびそれを用いた磁気ヘッドと磁気再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】強磁性体同士のナノコンストリクション構造に基づくMR変化率を実用的なデバイスに応用した磁気抵抗効果素子を提供する。
【解決手段】スピンバルブ型磁気抵抗効果膜2は、磁化方向が実質的に一方向に固着された磁化固着層5と、磁化方向が外部磁界に対応して変化する磁化自由層7と、これら磁化固着層5と磁化自由層7との間に介在された複合スペーサ層6とを有する。複合スペーサ層6は絶縁層13内に磁化固着層5と磁化自由層7とを接続するように偏析する磁性元素を有する金属接続部14を備える。磁気抵抗効果素子1はスピンバルブ型磁気抵抗効果膜2の膜面垂直方向にセンス電流を通電する一対の電極3、4を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は磁気抵抗効果素子とその製造方法、およびそれを用いた磁気ヘッドと磁気再生装置に関する。
近年、磁気抵抗効果素子(Magnetoresistive effect element)の開発が進められている。特に、巨大磁気抵抗効果(Giant Magnetoresistive Effect:GMR)を示す磁気抵抗効果膜の開発に伴って、それを適用した磁気デバイス、特に磁気ヘッドとして使用される磁気抵抗効果ヘッド(MRヘッド)の性能は飛躍的に向上している。
GMR膜としては、強磁性層/非磁性層/強磁性層のサンドイッチ構造膜で大きな磁気抵抗効果が得られるスピンバルブ膜(Spin valve膜)が知られている。スピンバルブ膜は、2つの強磁性層間に非磁性層(スペーサ層あるいは中間層等と称する)を介在させた構造を有する。一方の強磁性層(磁化固着層あるいはピン層等と称する)に交換バイアス磁界を印加して磁化を固定すると共に、他方の強磁性層(磁化自由層あるいはフリー層等と称する)を信号磁界等の外部磁場で磁化反転させ、磁化固着層と磁化自由層との磁化方向を相対的に変化させることによって、大きな磁気抵抗効果が得られる。
MR素子においては、磁気抵抗効果膜の膜面垂直方向にセンス電流を通電する、いわゆるCPP(Current Perpendicular to Plane)型素子が提案されている。スピンバルブ型MR素子においても、CPP型構造を適用することでMR変化率の向上が期待されており、膜面内方向にセンス電流を通電するCIP(Current in Plane)型の素子構造に対して10倍程度のMR変化率が得られたことが報告されている。ただし、このようなMR変化率でも必ずしも十分ではなく、さらに高いMR変化率を示す素子構造が求められている。
また、Ni線のナノサイズの接合で300%というようなMR変化率が観測されている(例えば非特許文献1参照)。これは強磁性体同士のコンタクトサイズをナノオーダーとすることで、バリスティクな磁気抵抗効果が発現しているものと考えられている。このような強磁性体同士のナノコンタクトに基づく300%というようなMR変化率はあくまでも実験的に得られているにすぎず、MRヘッドに応用するためには実用的なデバイス構造でナノコンタクトを実現することが不可欠となる。強磁性金属同士のナノコンタクト構造を実現する手段としては、リソグラフィ技術等の半導体プロセスを適用して微細な孔を明け、この微細孔を利用して強磁性金属同士をコンタクトさせることが考えられる。
さらに、特許文献1には強磁性体同士のポイントコンタクトを利用する磁気抵抗効果素子として、磁化固着層と磁化自由層との間に配置した絶縁層に最大幅が20nm以下の孔を設け、この孔内に強磁性体を充填して磁気微小接点を形成した磁気抵抗効果素子が記載されている。ここでは、絶縁層に針等で微小孔を明け、この孔内を含めて絶縁層上に強磁性体を堆積している。
Phys. Rev. Lett.82 p2923 (1999) 特開2003-204095号公報
強磁性体同士のナノコンストリクション構造を実用的なデバイスに応用するにあたって、上述したリソグラフィ技術による加工サイズは最も小さい時で3nm前後であることから、原子レベルの接合で起こる物理現象を再現性よく引き出すことは困難とされている。また、特許文献1では絶縁層に針等を用いて開けた孔内に強磁性体を充填しているため、上記したリソグラフィ技術を適用した接続構造と同様に、原子レベルの接合で起こる物理現象を必ずしも再現性よく引き出すことはできないおそれがある。
本発明は、強磁性体同士のナノコンストリクション構造に基づく巨大なMR変化率を実用的なデバイスに応用することを可能にした磁気抵抗効果素子とその製造方法、およびそれを用いた磁気ヘッドと磁気再生装置を提供することを目的としている。
本発明の磁気抵抗効果素子は、磁化方向が実質的に一方向に固着された強磁性体膜を有する磁化固着層と、磁化方向が外部磁界に対応して変化する強磁性体膜を有する磁化自由層と、前記磁化固着層と前記磁化自由層との間に介在された絶縁層と、前記絶縁層内に前記磁化固着層と前記磁化自由層とを電気的に接続するように偏析する磁性元素を有する金属接続部とを備える複合スペーサ層と、前記磁化固着層、前記複合スペーサ層および前記磁化自由層の膜面に対して垂直方向にセンス電流を通電するように設けられた一対の電極とを具備することを特徴としている。
本発明の磁気抵抗効果素子において、前記磁性元素の少なくとも一部は例えば前記絶縁層内でクラスタや前記絶縁層の構成元素との合金相等を形成している。
本発明の磁気抵抗効果素子の製造方法は、磁化方向が実質的に一方向に固着された強磁性体膜を有する磁化固着層と、磁化方向が外部磁界に対応して変化する強磁性体膜を有する磁化自由層とを、絶縁層または絶縁層の構成材料となる金属層を介して積層する工程と、前記磁化固着層または前記磁化自由層上に前記絶縁層または前記金属層を形成した後または形成と同時に、あるいは前記絶縁層または前記金属層を介して前記磁化固着層と前記磁化自由層とを積層した後、前記絶縁層または前記金属層に熱処理およびプラズマ処理から選ばれる少なくとも一方の処理を施して、前記絶縁層または前記金属層内に磁性元素を偏析させ、前記絶縁層または前記金属層に絶縁処理を施して形成した絶縁層内に偏析する前記磁性元素を少なくとも含む金属接続部で前記磁化固着層と前記磁化自由層とを電気的に接続する複合スペーサ層を形成する工程とを具備することを特徴としている。
本発明の磁気ヘッドは、上記した本発明の磁気抵抗効果素子を具備することを特徴としている。本発明の磁気再生装置は、本発明の磁気ヘッドを具備し、前記磁気ヘッドで磁気記録媒体に磁気的に記録された情報を読み出すことを特徴としている。
本発明の磁気抵抗効果素子によれば、絶縁層内に偏析する磁性元素を有する金属接続部で磁化固着層と磁化自由層とを接続している。従って、磁性元素を含む金属接続部でナノオーダーまで微細化したコンタクト構造を実現することが可能となる。これによって、磁気抵抗変化率を強磁性体同士のナノコンストリクション構造に基づいて増大させた磁気抵抗効果素子を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態による磁気抵抗効果素子の要部構造を模式的に示す断面図である。図1に示す磁気抵抗効果素子1は、スピンバルブ構造を有する磁気抵抗効果膜2と、このスピンバルブ型磁気抵抗効果膜2の膜面に対して垂直方向にセンス電流を通電するように設けられた一対の電極3、4とから主として構成されている。
スピンバルブ型磁気抵抗効果膜2は、磁化固着層5/複合スペーサ層6/磁化自由層7構造の積層膜を有している。すなわち、下部電極3上には下地層8を介してPt−Mn合金、Ir−Mn合金等からなる反強磁性層9が形成されている。反強磁性層9上には磁化固着層5となる強磁性体膜が形成されている。この強磁性体膜は反強磁性層9からの交換バイアス磁界で磁化方向が実質的に一方向に固着されており、これにより強磁性体膜は磁化固着層5として機能する。
磁化固着層5は図1に示した単層構造の強磁性体膜に限らず、例えば図2に示すような積層構造を有していてもよい。図2はRu等からなる磁化反平行結合層10の両側に強磁性体膜11、12を配置した積層膜からなる磁化固着層5を示している。この構造では、強磁性体膜11が反強磁性層9によって磁化方向が一方向に固着されており、さらに強磁性体膜11、12は磁化反平行結合層10を介して磁化が反平行状態で結合している。磁化固着層5を構成する強磁性体膜には、例えばFe、Co、Ni、これら元素同士の合金、あるいはこれら元素を主成分とする合金等が適用される。
磁化固着層5上には複合スペーサ層6を介して磁化自由層7として機能する強磁性体膜が形成されている。この強磁性体膜は磁化方向が信号磁界等の外部磁界に対応して変化するものであり、これにより磁化自由層7として機能する。磁化自由層7を構成する強磁性体膜には磁化固着層5と同様に、例えばFe、Co、Ni、これら元素同士の合金、あるいはこれら元素を主成分とする合金等が使用される。また、磁化自由層7の構造も単層構造に限らず、強磁性体膜を含む積層構造を適用することができる。
磁化固着層5および磁化自由層7の膜厚は特に限定されるものではないが、例えば10nm以下とすることが好ましい。なお、図1および図2では下層側に磁化固着層5を配置した磁気抵抗効果膜2を示したが、磁化固着層5と磁化自由層7の位置は逆であってもよい。すなわち、下層側に磁化固着層5を配置し、その上に複合スペーサ層6を介して磁化固着層7を配置した膜構造を適用することも可能である。
上述した磁化固着層5と磁化自由層7との間に介在された複合スペーサ層6は、その全体形状を形成する絶縁層13と、絶縁層13内に偏析する磁性元素を有する金属接続部14とを備えている。複合スペーサ層6の層構造を形成する絶縁層13には、電気伝導特性が絶縁性である金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物等が用いられる。このような化合物の具体例としては、Al、Ta、Cr、Hf、Mg、Cu、Ca、Ba、Sr、Zn、Zr、Li、Ti、Nb、Mo、Si、Ru、Y、希土類元素、Co、Fe、Ni、Co−Fe、Ni−Fe等の酸化物、炭化物、窒化物が挙げられる。金属接続部14を構成する磁性元素としては、Fe、CoおよびNiから選ばれる少なくとも1種が用いられる。
複合スペーサ層6は絶縁層13と金属接続部14とが実質的に相分離した微細構造を有しており、金属接続部14は磁化固着層5と磁化自由層7とを接続するように配置されている。少なくとも一部が絶縁層13中に偏析する磁性元素で構成された金属接続部14によれば、磁化固着層5と磁化自由層7との微細な接合を実現することが可能となる。このような金属接続部14は、絶縁層13および金属接続部14の構成材料の性質や成膜時のプロセス条件等に基づいて、その大きさを制御することができるため、例えばナノオーダーまで微細化したコンタクト構造を実現することが可能となる。
すなわち、磁化固着層5と磁化自由層7との金属接続部14によるナノコンタクトを実現することができる。このようなナノコンタクト部、すなわち少なくとも一部が磁性元素で構成された金属接続部14によるナノコンタクトによれば、磁化固着層5と磁化自由層7との磁化方向の変化に基づく磁気抵抗効果に新たな物理現象が加味され、巨大な磁気抵抗変化率(MR変化率)を得ることが可能となる。ナノコンタクトを形成する金属接続部14は、その少なくとも一部が磁性元素で構成されていればよく、例えば磁性元素と絶縁層13の構成元素との合金相等を形成していてもよい。
上述した絶縁層13内に偏析する磁性元素とは、絶縁層13の結晶粒界等を利用して磁性元素を局所的に拡散させた状態、絶縁層13内に分散させた磁性元素が集団化した状態、絶縁層13内に分散させた磁性元素を含む合金や化合物から磁性元素が偏析した状態、あるいはこれらが複合化した状態等を有するものである。このような磁性元素の状態は構成材料の性質や成膜時のプロセス条件等に基づいて得ることができる。
金属接続部14の具体的な構造としては、例えば図3に示すように、絶縁層13内に偏析する磁性元素がクラスタ21を形成し、このような磁性元素のクラスタ21で磁化固着層5と磁化自由層7とを接続した構造が挙げられる。ここで、クラスタ21とは磁性原子が繋がったあるいは集まったものである。例えば、図3の金属接続部14Aは、磁性原子が1個ずつ繋がったクラスタ21を有しており、全体形状としてはチェーン状になっている。また、図3の金属接続部14Bは、磁性原子数個がかたまって作ったクラスタ21同士が原子1個の接点で繋がった状態を有している。
また、金属接続部14の他の構造としては、図4に示すように、磁性元素Tと絶縁層13を構成する金属元素Mとの合金相22で、磁化固着層5と磁化自由層7とを接続した構造が挙げられる。M−T合金相22は絶縁層13内に偏析する磁性元素Tと絶縁層13の構成金属元素Mとが合金化したものであり、絶縁層13内に局所的に存在している。なお、M−T合金相22を形成した場合においても、磁性元素Tの絶縁層13内における偏析状態は維持されている。図4に示した構造では、このようなM−T合金相22で磁化固着層5と磁化自由層7とが接続されている。なお、M−T合金相22内に磁性元素のクラスタが存在していてもよい。
さらに、図5に示すように、絶縁層13内に磁性元素Tと絶縁層13の構成元素M−X(X:酸素、窒素、炭素等)とで形成されたT−M−X非金属相23が存在し、さらにT−M−X非金属相23内に存在する磁性元素のクラスタ21で構成された金属接続部14C、あるいはT−M−X非金属相23内に存在するT−M合金相22で構成された金属接続部14D等であってもよい。T−M−X非金属相23内のT−M合金相22中には、磁性元素のクラスタが存在していてもよい。
上述したような金属接続部14は、例えば磁化固着層5(反転構造の場合には磁化自由層7)となる強磁性体膜上に、絶縁層13を構成する酸化物層、炭化物層、窒化物層等を形成した後、熱処理およびプラズマ処理の少なくとも一方の処理を施して、強磁性体膜を構成する磁性元素を絶縁層13内に局所的に拡散させることにより得ることができる。熱処理やプラズマ処理は他方の強磁性体膜(例えば磁化自由層7)を積層した後に実施してもよい。また、絶縁層の構成材料となる金属層に熱処理やプラズマ処理を施した後、金属層に酸化処理等の絶縁処理を施してもよい。
強磁性体膜上に形成された絶縁層13(あるいは絶縁層の構成材料となる金属層)に熱処理やプラズマ処理を施すと、強磁性体膜を構成する磁性元素が絶縁層13(あるいは金属層)の結晶粒界に沿って拡散するため、絶縁層13(あるいは金属層)内に磁性元素を偏析させることができる。あるいは、絶縁層13(あるいは金属層)内に予め磁性元素や磁性元素の化合物等を分散させておき、熱処理やプラズマ処理で磁性元素を偏析させるようにしてもよい。
上記した熱処理やプラズマ処理を施すにあたって、磁性元素の絶縁層13(あるいは金属層)に対する拡散のしやすさ、絶縁層13(あるいは金属層)の厚さ、磁性元素と絶縁層13(あるいは金属層)の構成元素との結合のしやすさ等を考慮して、熱処理やプラズマ処理の条件を適宜に設定することによって、絶縁層13内に偏析する磁性元素で磁化固着層5と磁化自由層7との間を接続することができる。また、構成材料の性質、熱処理やプラズマ処理の条件等に基づいて、磁性元素はクラスタや合金相等として存在する。
なお、熱処理やプラズマ処理は絶縁層13の形成時に実施してもよい。絶縁層の構成材料となる金属層に熱処理やプラズマ処理を施した後、金属層に酸化処理等の絶縁処理を施したり、さらに全ての構成層を形成した後に熱処理やプラズマ処理を施してもよい。これらによっても、絶縁層13内に磁性元素を偏析させることができる。
磁化固着層5と磁化自由層7とは、少なくとも一部が磁性元素で構成された金属接続部14で磁気的に結合される。言い換えると、複合スペーサ層6は絶縁層13内に存在する金属接続部14によって、磁化固着層5と磁化自由層7とを磁気的に結合させる層ということができる。磁化固着層5と磁化自由層7とをナノコンタクト部で接続した場合、磁性層5、7間には大きな磁気結合が生じるおそれがある。
磁化固着層5と磁化自由層7との磁気結合が大きいと、磁化固着層5のピン止め力が抑制され、高抵抗となる磁化固着層5と磁化自由層7の反強磁性的配列が損なわれてしまう。これはMR変化率の減少要因となる。さらに、磁性層5、7間の磁気結合が大きいと、例えばヘッド動作時の外部磁界に対する線形応答性、また単位媒体当たりの抵抗変化率が低下する。このため、磁化固着層5と磁化自由層7との間の磁気結合は低く抑えることが重要となる。
そこで、少なくとも一部が磁性元素で構成された金属接続部14は、磁気的に薄まった磁性(以下、希薄磁性と称する)を有することが好ましい。このような希薄磁性を有する金属接続部14は、例えば絶縁層13内に磁性元素をクラスタ状態や合金状態として偏析させることにより実現することができる。このような点からも、金属接続部14を構成する磁性元素の少なくとも一部は、絶縁層13内にクラスタや合金相等として存在していることが好ましい。
磁性元素のクラスタや合金相を有する金属接続部14は、比較的低温でスピングラス様の磁気特性を示す。室温では金属接続部14に含まれる磁性元素は磁気モーメントを持つが、磁性元素同士で磁気的な相互作用をしていないものがほとんどである。このような希薄磁性を有する金属接続部14で磁化固着層5と磁化自由層7とを結合させることによって、磁性層5、7間の結合磁界を低減することができる。すなわち、磁化固着層5と磁化自由層7との間に弱い磁気結合状態を作ることができるため、高抵抗となる磁化固着層5と磁化自由層7との間の反強磁性的配列、ヘッド動作時の外部磁界に対する線形応答性の低下、また単位媒体当たりの抵抗変化率の劣化等を抑制することができる。
磁化固着層5と磁化自由層7との間の弱い磁気結合状態は、磁気抵抗効果素子1を磁気ヘッド等に適用する場合の特性向上に寄与するものである。さらに、金属接続部14を構成する磁性元素をクラスタや合金相として存在させることによって、金属接続部14によるナノコンタクトを原子レベルまで微細化することができる。すなわち、クラスタや合金相として存在する磁性元素が実質的なコンタクト部を形成することになるため、コンタクトを原子レベルまで微細化することができる。
希薄磁性はスピングラス様の磁気特性を示す金属接続部14に限らず、磁性元素と非磁性元素との固溶体、磁性元素と非磁性元素とが格子を組んだ複合結晶等からなる金属相によっても実現可能である。このような磁性元素と非磁性元素との複合系に基づく希薄磁性によっても、磁化固着層5と磁化自由層7との間に弱い磁気結合状態を作ることができる。さらに、複合系の格子状態等に基づいて、磁化固着層5と磁化自由層7とのコンタクト構造をナノレベルまで微細化することができる。
上述した絶縁層13と少なくとも一部が磁性元素で構成された金属接続部14とを有する複合スペーサ層6の膜厚は、金属接続部14によるナノコンタクトの形成性等を高める上で、例えば5nm以下とすることが好ましく、さらに好ましくは3nm以下である。また、複合スペーサ層6における絶縁層13と金属接続部14を構成する金属相との比率は、金属接続部14によるナノコンタクトの形成量や磁性層5、7間の結合状態等を考慮して適宜に設定されるものである。すなわち、金属接続部(金属相)14の比率が多すぎるとナノコンタクトとしての機能が得られず、また絶縁層(絶縁相)13の比率が多すぎると磁性層5、7間の電気的な接続状態が得られなくなる。
複合スペーサ層6を介して形成された磁化固着層5および磁化自由層7上には、保護層15を介して上部電極4が配置されている。磁化固着層5/複合スペーサ層6/磁化自由層7構造の積層膜を有するスピンバルブ型磁気抵抗効果膜2には、その上下に設けられた下部および上部電極3、4から膜面垂直方向にセンス電流が通電される。磁気抵抗効果素子1は、磁化自由層7の磁化方向を信号磁界等の外部磁界で変化させ、その際の磁化固着層5との相対的な磁化方向に基づいて磁気抵抗効果を発現させるものである。
このような磁気抵抗効果素子1においては、絶縁層13内に偏析する磁性元素を有する金属接続部14で磁化固着層5と磁化自由層7とを接続しているため、金属接続部14によるナノコンストリクション構造を実現することが可能となる。さらに、希薄磁性を有する金属接続部14を適用することで、磁化固着層5と磁化自由層7との間に弱い磁気結合状態を作ることができる。これらによって、スピンバルブ型磁気抵抗効果膜2の膜面垂直方向に流すセンス電流に対して巨大な磁気抵抗効果を発現させることが可能となる。
上述した実施形態の磁気抵抗効果素子1は、従来の磁気抵抗効果素子と同様に磁気ヘッド等の構成素子として使用することができる。磁気抵抗効果素子1を用いた磁気ヘッドは、磁気記録媒体に磁気的に記録された情報の読み出しに使用される。このような磁気ヘッドを用いて、種々の磁気再生装置が構成される。また、磁気抵抗効果素子1は磁気ヘッドに限らず、磁気メモリ等の磁気記憶装置等の構成素子としても利用可能である。
次に、本発明の具体的な実施例およびその評価結果について述べる。
実施例1
この実施例1では図1に構造を示した磁気抵抗効果素子1を作製した。図1に構造を示した磁気抵抗効果素子1において、スピンバルブ型磁気抵抗効果膜2の下地層8に膜厚4.2nmのNiFeCr合金膜を適用し、この下地層8上に反強磁性層9として膜厚15nmのPtMn合金膜、磁化固着層5として膜厚3nmのNi膜を順に形成した。次いで、Ni膜上に絶縁層13の構成材料となるAl膜を1nmの膜厚で形成し、このAl膜に酸化処理を施した後、熱処理を行った。
さらに、酸化処理および熱処理を施したAl膜(Al−O膜)上に、磁化自由層7として膜厚3nmのNi膜、保護層15として膜厚3nmのTa膜を順に形成した。このような積層膜に対して磁界中にて290℃×4時間の条件で熱処理を施した。この熱処理によりPtMn合金膜を規則化する。熱処理後に断面TEM観察を実施したところ、複合スペーサ層6となるAl−O膜では酸化物相が想定される白いラインが主として観察された。このスピンバルブ膜の磁化の温度測定を行ったところ、スピングラス挙動が観察された。これらの観察結果から、Al−O膜中にはNiが拡散して強磁性クラスタを形成していることが確認された。
上述したAl−O膜中にNiを拡散させた複合スペーサ層6を有する磁気抵抗効果素子1に対して膜面垂直方向にセンス電流を流し、その際の抵抗変化率を測定した。その結果、MR変化率は200%という大きな値を示した。さらに、磁化固着層5と磁化自由層7の磁気結合は10Oeと小さかった。
実施例2
この実施例2では図2に構造を示した磁気抵抗効果素子1を作製した。図2に構造を示した磁気抵抗効果素子1において、スピンバルブ型磁気抵抗効果膜2の下地層8に膜厚5nmのTa膜と膜厚4.2nmのNiFeCr合金膜との積層膜を適用し、この下地層8上に反強磁性層9として膜厚15nmのPtMn合金膜を形成した。さらに、その上に磁化固着層5として膜厚3nmのCo膜11と膜厚1nmのRu膜10と膜厚3nmのCo膜12を順に形成した。次いで、Co膜12上に絶縁層13の構成材料となるAl膜を1nmの膜厚で形成し、このAl膜に酸化処理およびプラズマ処理を施した。
さらに、酸化処理およびプラズマ処理を施したAl膜(Al−O膜)上に磁化自由層7として膜厚3nmのCo膜、保護層15として膜厚3nmのTa膜を順に形成した。このような積層膜に対して磁界中にて290℃×4時間の条件で熱処理を施した。この熱処理によりPtMn合金膜を規則化する。熱処理後に断面TEM観察を実施したところ、複合スペーサ層6となるAl−O膜では酸化物相が想定される白いラインが主として観察された。さらに、このスピンバルブ膜の磁化の温度測定を行ったところ、スピングラス挙動が観察された。これらの観察結果から、Al−O膜中にはCoが拡散して強磁性クラスタを形成していることが確認された。
上述したAl−O膜中にCoを拡散させた複合スペーサ層6を有する磁気抵抗効果素子1に対して膜面垂直方向にセンス電流を流し、その際の抵抗変化率を測定した。その結果、MR変化率は300%という大きな値を示した。さらに、磁化固着層5と磁化自由層7の磁気結合は20Oeと小さかった。
実施例3
この実施例3では図2に構造を示した磁気抵抗効果素子1を作製した。図2に構造を示した磁気抵抗効果素子1において、スピンバルブ型磁気抵抗効果膜2の下地層8に膜厚5nmのTa膜と膜厚4.2nmのNiFeCr合金膜との積層膜を適用し、この下地層8上に反強磁性層9として膜厚15nmのPtMn合金膜を形成した。さらに、その上に磁化固着層5として膜厚3nmのFe膜11と膜厚1nmのRu膜10と膜厚3nmのFe膜12を順に形成した。次いで、Fe膜12上に絶縁層13の構成材料となるAl膜を1nmの膜厚で形成し、このAl膜に酸化処理を施した。
さらに、酸化処理を施したAl膜(Al−O膜)上に磁化自由層7として膜厚3nmのFe膜、保護層15として膜厚3nmのTa膜を順に形成した。このような積層膜に対して磁界中にて290℃×4時間の条件で熱処理を施した。この熱処理はAl−O膜中に磁性層5、12の構成元素であるFeを拡散させると共に、PtMn合金膜を規則化するものである。熱処理後に断面TEM観察を実施したところ、複合スペーサ層6となるAl−O膜では酸化物相が想定される白いラインが主として観察された。このスピンバルブ膜の磁化の温度測定を行ったところ、スピングラス挙動が観察された。これらの観察結果から、Al−O膜中にはFeが拡散して強磁性クラスタを形成していることが確認された。
上述したAl−O膜中にFeを拡散させた複合スペーサ層6を有する磁気抵抗効果素子1に対して膜面垂直方向にセンス電流を流し、その際の抵抗変化率を測定した。その結果、MR変化率は250%という大きな値を示した。さらに、磁化固着層5と磁化自由層7の磁気結合は25Oeと小さかった。
実施例4
この実施例4では図2に構造を示した磁気抵抗効果素子1を作製した。図2に構造を示した磁気抵抗効果素子1において、スピンバルブ型磁気抵抗効果膜2の下地層8に膜厚4.2nmのNiFeCr合金膜を適用し、この下地層8上に反強磁性層9として膜厚15nmのPtMn合金膜を形成した。さらに、その上に磁化固着層5として膜厚3nmのCo膜と膜厚1nmのRu膜と膜厚2.5nmのCo膜と膜厚0.5nmのNi膜を順に形成した。次いで、Ni膜上に絶縁層13の構成材料となるAl膜を1nmの膜厚で形成し、このAl膜に酸化処理およびプラズマ処理を施した。
さらに、酸化処理を施したAl膜(Al−O膜)上に磁化自由層7として膜厚0.5nmのNi膜と膜厚2.5nmのCo膜、保護層15として膜厚3nmのTa膜を順に形成した。このような積層膜に対して磁界中にて290℃×4時間の条件で熱処理を施した。この熱処理はAl−O膜中に磁性層の構成元素であるNiを拡散させると共に、PtMn合金膜を規則化するものである。熱処理後に断面TEM観察を実施したところ、複合スペーサ層6となるAl−O膜では酸化物相が想定される白いラインが主として観察された。さらに、このスピンバルブ膜の磁化の温度測定を行ったところ、スピングラス挙動が観察された。これらの観察結果から、Al−O膜中にはNiが拡散して強磁性クラスタを形成していることが確認された。
上述したAl−O膜中にNiを拡散させた複合スペーサ層6を有する磁気抵抗効果素子1に対して膜面垂直方向にセンス電流を流し、その際の抵抗変化率を測定した。その結果、MR変化率は250%という大きな値を示した。さらに、磁化固着層5と磁化自由層7の磁気結合は25Oeと小さかった。
実施例5
この実施例5では図2に構造を示した磁気抵抗効果素子1を作製した。図2に構造を示した磁気抵抗効果素子1において、スピンバルブ型磁気抵抗効果膜2の下地層8に膜厚4.2nmのNiFeCr合金膜を適用し、この下地層8上に反強磁性層9として膜厚15nmのPtMn合金膜を形成した。さらに、その上に磁化固着層5として膜厚3nmのCo膜11と膜厚1nmのRu膜10と膜厚3nmのCo膜12を順に形成した。次いで、Co膜12上に絶縁層13の構成材料となるCr膜を1nmの膜厚で形成し、このCr膜に酸化処理を施した。
さらに、酸化処理を施したCr膜(Cr−O膜)上に磁化自由層7として膜厚3nmのCo膜、保護層15として膜厚3nmのTa膜を順に形成した。このような積層膜に対して磁界中にて290℃×4時間の条件で熱処理を施した。この熱処理はCr−O膜中に磁性層5、12の構成元素であるCoを拡散させると共に、PtMn合金膜を規則化するものである。熱処理後に断面TEM観察を実施したところ、複合スペーサ層6となるCr−O膜では酸化物相が想定される白いラインが主として観察された。このスピンバルブ膜の磁化の温度測定を行ったところ、スピングラス挙動が観察された。これらの観察結果から、Cr−O膜中にはCoが拡散して強磁性クラスタを形成していることが確認された。
上述したCr−O膜中にCoを拡散させた複合スペーサ層6を有する磁気抵抗効果素子1に対して膜面垂直方向にセンス電流を流し、その際の抵抗変化率を測定した。その結果、MR変化率は300%という大きな値を示した。さらに、磁化固着層5と磁化自由層7の磁気結合は20Oeと小さかった。
実施例6
この実施例6では図2に構造を示した磁気抵抗効果素子1を作製した。図2に構造を示した磁気抵抗効果素子1において、スピンバルブ型磁気抵抗効果膜2の下地層8に膜厚5nmのTa膜と膜厚4.2nmのNiFeCr合金膜との積層膜を適用し、この下地層8上に反強磁性層9として膜厚15nmのPtMn合金膜を形成した。さらに、その上に磁化固着層5として膜厚3nmのCo膜と膜厚1nmのRu膜と膜厚2.5nmのCo膜と膜厚0.5nmのNi膜を順に形成した。次いで、Ni膜上に絶縁層13の構成材料となるTa膜を1nmの膜厚で形成し、このTa膜に酸化処理および熱処理を施した。
さらに、酸化処理および熱処理を施したTa膜(Ta−O膜)上に、磁化自由層7として膜厚0.5nmのNi膜と膜厚3nmのCo膜、保護層15として膜厚3nmのTa膜を順に形成した。このような積層膜に対して磁界中にて290℃×4時間の条件で熱処理を施した。この熱処理はTa−O膜中に磁性層の構成元素であるNiを拡散させると共に、PtMn合金膜を規則化するものである。熱処理後に断面TEM観察を実施したところ、複合スペーサ層6となるTa−O膜では酸化物相が想定される白いラインが主として観察された。さらに、このスピンバルブ膜の磁化の温度測定を行ったところ、スピングラス挙動が観察された。これらの観察結果から、Ta−O膜中にはNiが拡散して強磁性クラスタを形成していることが確認された。
上述したTa−O膜中にNiを拡散させた複合スペーサ層6を有する磁気抵抗効果素子1に対して膜面垂直方向にセンス電流を流し、その際の抵抗変化率を測定した。その結果、MR変化率は350%という大きな値を示した。さらに、磁化固着層5と磁化自由層7の磁気結合は10Oeと小さかった。
実施例7
この実施例7では図2に構造を示した磁気抵抗効果素子1を作製した。図2に構造を示した磁気抵抗効果素子1において、スピンバルブ型磁気抵抗効果膜2の下地層8に膜厚5nmのTa膜と膜厚7nmのNiFeCr合金膜との積層膜を適用し、この下地層8上に反強磁性層9として膜厚7nmのIrMn合金膜を形成した。さらに、その上に磁化固着層5として膜厚3nmのCo膜11と膜厚1nmのRu膜10と膜厚3nmのCo膜12を順に形成した。次いで、Co膜12上に絶縁層13の構成材料となるAl膜を1nmの膜厚で形成し、このAl膜に酸化処理およびプラズマ処理を施した。
さらに、酸化処理およびプラズマ処理を施したAl膜(Al−O膜)上に磁化自由層7として膜厚3nmのCo膜、保護層15として膜厚3nmのTa膜を順に形成した。このような積層膜に対して磁界中にて270℃×1時間の条件で熱処理を施した。熱処理後に断面TEM観察を実施したところ、複合スペーサ層6となるAl−O膜では酸化物相が想定される白いラインが主として観察された。さらに、このAl−O膜中にCo−Alの化合物からなるメタルホールが観察され、EDXにより同定された。このスピンバルブ膜の磁化の温度測定を行ったところ、スピングラス挙動も観察された。
上述した複合スペーサ層6を有する磁気抵抗効果素子1に対して膜面垂直方向にセンス電流を流し、その際の抵抗変化率を測定した。その結果、MR変化率は350%という大きな値を示した。磁化固着層5と磁化自由層7の磁気結合は20Oeと小さかった。
実施例8
この実施例8では図2に構造を示した磁気抵抗効果素子1を作製した。図2に構造を示した磁気抵抗効果素子1において、スピンバルブ型磁気抵抗効果膜2の下地層8に膜厚5nmのTa膜と膜厚7nmのNiFeCr合金膜との積層膜を適用し、この下地層8上に反強磁性層9として膜厚7nmのIrMn合金膜を形成した。さらに、その上に磁化固着層5として膜厚3nmのNi膜11と膜厚1nmのRu膜10と膜厚3nmのNi膜12を順に形成した。次いで、Ni膜12上に絶縁層13の構成材料となるTa膜を1nmの膜厚で形成し、このTa膜に酸化処理およびプラズマ処理を施した。
さらに、酸化処理およびプラズマ処理を施したTa膜(Ta−O膜)上に磁化自由層7として膜厚3nmのNi膜、保護層15として膜厚1nmのCu膜および膜厚3nmのTa膜を順に形成した。このような積層膜に対して磁界中にて270℃×1時間の条件で熱処理を施した。熱処理後に断面TEM観察を実施したところ、複合スペーサ層6となるTa−O膜では酸化物相が想定される白いラインが主として観察された。さらに、このTa−O膜中にNi−Taの化合物からなるメタルホール、およびNi−Ta−Oの酸化物相が観察され、EDXにより同定された。このスピンバルブ膜の磁化の温度測定を行ったところ、スピングラス挙動も観察された。
上述した複合スペーサ層6を有する磁気抵抗効果素子1に対して膜面垂直方向にセンス電流を流し、その際の抵抗変化率を測定した。その結果、MR変化率は250%という大きな値を示した。磁化固着層5と磁化自由層7の磁気結合は25Oeと小さかった。
本発明の一実施形態による磁気抵抗効果素子の要部構造を模式的に示す断面図である。 図1の変形例を示す断面図である。 複合スペーサ層における金属接続部の一構成例を示す断面図である。 複合スペーサ層における金属接続部の他の構成例を示す断面図である。 複合スペーサ層における金属接続部のさらに他の構成例を示す断面図である。
符号の説明
1…磁気抵抗効果素子、2…スピンバルブ型磁気抵抗効果膜、3,4…電極、5…磁化固着層、6…複合スペーサ層、7…磁化自由層、13…絶縁層、14…少なくとも一部が磁性元素で構成された金属接続部、21…磁性元素のクラスタ、22…T−M合金相。

Claims (7)

  1. 磁化方向が実質的に一方向に固着された強磁性体膜を有する磁化固着層と、
    磁化方向が外部磁界に対応して変化する強磁性体膜を有する磁化自由層と、
    前記磁化固着層と前記磁化自由層との間に介在された絶縁層と、前記絶縁層内に前記磁化固着層と前記磁化自由層とを電気的に接続するように偏析する磁性元素を有する金属接続部とを備える複合スペーサ層と、
    前記磁化固着層、前記複合スペーサ層および前記磁化自由層の膜面に対して垂直方向にセンス電流を通電するように設けられた一対の電極と
    を具備することを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 請求項1記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記磁性元素の少なくとも一部は前記絶縁層内でクラスタを形成していることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  3. 請求項1または請求項2記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記磁性元素の少なくとも一部は前記絶縁層の構成元素と合金相を形成していることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  4. 磁化方向が実質的に一方向に固着された強磁性体膜を有する磁化固着層と、磁化方向が外部磁界に対応して変化する強磁性体膜を有する磁化自由層とを、絶縁層または絶縁層の構成材料となる金属層を介して積層する工程と、
    前記磁化固着層または前記磁化自由層上に前記絶縁層または前記金属層を形成した後または形成と同時に、あるいは前記絶縁層または前記金属層を介して前記磁化固着層と前記磁化自由層とを積層した後、前記絶縁層または前記金属層に熱処理およびプラズマ処理から選ばれる少なくとも一方の処理を施して、前記絶縁層または前記金属層内に磁性元素を偏析させ、前記絶縁層または前記金属層に絶縁処理を施して形成した絶縁層内に偏析する前記磁性元素を少なくとも含む金属接続部で前記磁化固着層と前記磁化自由層とを電気的に接続する複合スペーサ層を形成する工程と
    を具備することを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
  5. 請求項4記載の磁気抵抗効果素子の製造方法において、
    前記複合スペーサ層の形成工程は、前記磁化固着層を構成する前記強磁性体膜および前記磁化自由層を構成する前記強磁性体膜の少なくとも一方の構成元素である磁性元素を、前記熱処理およびプラズマ処理から選ばれる少なくとも一方の処理により前記絶縁層または前記金属層内に局所的に拡散させる工程を有することを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の磁気抵抗効果素子を具備することを特徴とする磁気ヘッド。
  7. 請求項6記載の磁気ヘッドを具備し、前記磁気ヘッドで磁気記録媒体に磁気的に記録された情報を読み出すことを特徴とする磁気再生装置。
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