JPH0911388A - 離型シートの製造方法 - Google Patents

離型シートの製造方法

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JPH0911388A
JPH0911388A JP7162388A JP16238895A JPH0911388A JP H0911388 A JPH0911388 A JP H0911388A JP 7162388 A JP7162388 A JP 7162388A JP 16238895 A JP16238895 A JP 16238895A JP H0911388 A JPH0911388 A JP H0911388A
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倫久 上田
Toshiharu Otsuka
敏治 大塚
Fujiaki Yamakawa
藤明 山河
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 短時間の処理で、優れた離型性能を発現し得
る離型シートの製造方法を提供する。 【構成】 水中に分散されている水分散型離型剤組成物
を、基材に塗布し、乾燥したる後、該水分散型離型剤組
成物塗布面を加熱下に加圧して離型剤成分を溶融、平滑
化することを特徴とする離型シートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は離型シートの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】粘着テープや粘着シートには、それらが
最終的に使用されるまでの間、それらの粘着剤面を保護
するために保護シートが使用される。該保護シートは最
終的には引き剥がされねばならないので、粘着剤面と保
護シートの間の粘着力は軽くなければならない。
【0003】これを実現するために、保護シートには粘
着剤に接する面に離型剤を用いて離型性の層が設けられ
ており、基材に離型性の層を設けた保護シートを用いる
場合もあるが、粘着テープの如く巻重して保存される製
品の大半は、保護シートとして独立した資材を使用せ
ず、粘着テープもしくは粘着シートの基材の粘着剤層が
設けられている反対側の面(背面)に離型剤を用いて離
型性の層が設けられている。上記粘着テープもしくはシ
ートの背面が離型処理を施された基材を含め、通常、上
記保護シートを離型シートと称する。
【0004】上記離型シートに用いられる離型剤には、
粘着剤層から離型シートを剥がす際の剥離力を軽くする
離型性という性能の他に、離型剤層が凝集破壊して粘着
剤を汚染して粘着性に悪影響を及ぼすことのない非移行
性という性能も要求される。上記性能を備えた離型剤の
例として、ポリオルガノシロキサンからなるシリコーン
系離型剤、ポリビニルアルコールの長鎖アルキル変成物
及びポリエチレンイミンの長鎖アルキル変成物等の物質
からなる離型剤等、有機離型剤が用いられている。これ
らの離型剤は、有機溶剤に溶解した溶液として基材上に
塗布され、乾燥されて離型性の層を形成させるという形
で使用される。
【0005】しかし、近年、安全上又は環境上の問題か
ら、離型シートの作製の際にも有機溶剤を使用しない離
型性の層形成法、所謂無溶剤化が要求されている。上記
シリコーン系離型剤を無溶剤で離型性の層を形成せしめ
る方法として、オルガノシロキサンのオリゴマーを熱や
放射線で硬化させることによって得られはするが、無溶
剤法では溶剤で塗布に適した粘度に調整することができ
ないので薄く均一に塗布するという塗布性に難点があ
り、更に、硬化に要する放射線照射装置は、装置が大が
かりになる等の問題点がある。
【0006】上記の如き問題から、無溶剤化の方向とし
て離型剤成分を水に分散させた水分散型離型剤が開発さ
れている。例えば、特開平3−86778号公報には、
ポリビニルアルコール、ポリアリルアルコールまたはそ
の変性物とアルキルイソシアネートを反応させることに
よって得られる長鎖アルキルグラフトポリマーを後乳化
することによって得られる水分散体を用いる水性剥離剤
が開示されている。
【0007】しかし、上記特開平3−86778号公報
に開示されている水性剥離剤を用いて離型シートを得よ
うとすると、従来の溶剤系離型剤に比して、離型性や非
移行性等の離型性能を発現させるために上記水性剥離剤
を塗布した後、長時間の加熱が必要であり、離型シート
の作製の生産性が低いという問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、叙上の事実
に鑑みなされたものであって、その目的とするところ
は、短時間の処理で、優れた離型性能を発現し得る離型
シートの製造方法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、水中に分散されている水分散型離型剤組成物を、基
材に塗布し、乾燥したる後、該水分散型離型剤組成物塗
布面を加熱下に加圧して離型剤成分を溶融、平滑化する
ことを特徴とする離型シートの製造方法、
【0010】請求項2記載の本発明は、水分散型離型剤
組成物が、〔1〕(a)重合度が300〜5000であ
り、且つ、鹸化度が50モル%以上である酢酸ビニル共
重合体の水酸基1当量に対し、(b)イソシアネート
基、カルボキシル基、酸ハライド基、ケテン基、アルデ
ヒド基、エポキシ基からなる群から選択される、水酸基
と反応する1種以上の官能基を有し、且つ、炭素数6〜
30のアルキル基を有する長鎖アルキル化合物を0.5
当量以上の割合で反応させて得られる成分と、〔2〕炭
素数10〜30の脂肪酸の1種以上及び/又は酸価が
0.2〜800の酸変成ポリオレフィン系(共)重合体
成分が水中に分散されているものである請求項1記載の
離型シートの製造方法、をその要旨とするものである。
【0011】請求項1記載の本発明において使用される
水分散型離型剤組成物は、離型剤成分が水中に分散され
ている所謂水分散型離型剤であれば、特に限定されるも
のではないが、例えば、ポリオルガノシロキサンからな
るシリコーン系離型剤や長鎖アルキル基を有する有機離
型剤等が挙げられる。上記離型剤は、主として粘接着剤
層の保護のために仮着される離型シートに使用されるた
め、熱可塑性樹脂の押出成形や射出成形時に用いられる
熱可塑性樹脂用の離型剤のように、上記加熱成形時に溶
融し、凝集破壊を起こして移行することにより離型性を
発現するものではなく、少なくとも離型シート上に塗設
されて使用される条件下で液体ではなく、固体である必
要がある。
【0012】上記シリコーン系離型剤として、ポリオル
ガノシロキサンは、単独で使用されるよりも他の物質と
複合して使用され、例えば、ポリアルキレンオキシドと
共重合したり、ポリエーテル基を導入されたり、ニトロ
セルロースやアルキルエーテル−無水マレイン酸共重合
体、ポリビニルメチルエーテル等を配合した組成物とし
て使用される。
【0013】長鎖アルキル基を有する有機離型剤として
は、例えば、長鎖アルキルアクリレート共重合体、長鎖
アルキルビニルエステル共重合体、長鎖アルキルアクリ
ルアミド共重合体、マレイン酸の長鎖アルキル誘導体の
共重合体、長鎖アルキルアリルエステル共重合体、エチ
レン−アクリル酸共重合体等のカルボキシル基含有重合
体の長鎖アルキルカルバメート、ポリビニルアルコール
やポリアリルアルコール等の水酸基含有重合体の長鎖ア
ルキルカルバメート、ポリアルキレンイミンの長鎖アル
キル変成物、ポリアリルアミンの長鎖アルキル変成物、
ポリアミンの長鎖アルキル変成物等が挙げられる。猶、
ここでいう長鎖アルキル基とは、炭素数6〜30のアル
キル基をいう。
【0014】又、上記有機離型剤は、水酸基等の官能基
を有する高分子を、反応性官能基と長鎖アルキル基とを
有する化合物と、例えば、エステル化反応、ウレタン化
反応、尿素化反応等の諸反応を利用して得たり、長鎖ア
ルキル基を有するモノマーを変成すること等によって得
ることができる。
【0015】上記有機離型剤の中には、シリコーン系離
型剤に比して、離型処理面にマジックインキ等で文字や
図柄等を描画でき(描画性)、又、該離型シートを用い
た粘着テープ等の離型処理面に更に、粘着テープを重ね
貼りができる(重ね貼り性)ので、封緘等が確実にで
き、更に、離型処理面同士の滑りにくさ(非滑り性)が
あって、保管時等、段ボール包装した梱包物を多段に積
み重ねた場合でも荷崩れしにくいといった優れた性能を
有するものもあるので、用途に応じて適宜選択使用する
ことが望ましい。
【0016】上記有機離型剤の中で、就中、〔1〕
(a)重合度が300〜5000であり、且つ、鹸化度
が50モル%以上である酢酸ビニル共重合体の水酸基1
当量に対し、(b)イソシアネート基、カルボキシル
基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基、エポキシ
基からなる群から選択される、水酸基と反応する1種以
上の官能基を有し、且つ、炭素数6〜30のアルキル基
を有する長鎖アルキル化合物を0.5当量以上の割合で
反応させて得られる成分と、〔2〕炭素数10〜30の
脂肪酸の1種以上及び/又は酸価が0.2〜800の酸
変成ポリオレフィン系(共)重合体成分が水中に分散さ
れている水分散型離型剤組成物は、離型性及び非移行性
が特に優れたものである。
【0017】請求項2記載の本発明において、〔1〕
(a)の酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルを主体と
し、これに共重合し得るモノマーとの共重合体をいい、
(a)重合度が300〜5000、好ましくは800〜
2500であり、且つ、鹸化度が50モル%以上、好ま
しくは60モル%以上であるものが使用される。猶、こ
こでいう鹸化度とは、酢酸ビニル共重合体を構成するモ
ノマーの総ユニット数に対する、鹸化された酢酸ビニル
部分のユニット数のモル比(%)である。
【0018】上記酢酸ビニルに共重合し得るモノマーと
しては、例えば、エチレン、アクリル酸等が挙げられ
る。
【0019】上記酢酸ビニル共重合体の重合度が300
未満であると、離型性能が悪化し、重合度が5000を
超えると、該離型剤成分の水分散性が悪化し、いずれも
好ましくない。又、上記酢酸ビニル共重合体の鹸化度が
50モル%未満であると、反応性の水酸基が減少し、得
られる離型剤の離型性能が悪化する。
【0020】又、上記(b)イソシアネート基、カルボ
キシル基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基、エ
ポキシ基からなる群から選択される、1種以上の水酸基
と反応する官能基を有し、且つ、炭素数6以上、好まし
くは8以上のアルキル基を有する長鎖アルキル化合物
は、上記酢酸ビニル共重合体の水酸基と上記イソシアネ
ート基、カルボキシル基、酸ハライド基、ケテン基、ア
ルデヒド基、エポキシ基からなる群から選択される、1
種以上の官能基との間でウレタン化反応、尿素化反応、
エステル化反応、アセタール化反応、エーテル化反応等
の反応によって結合し、強固な被膜形成能と離型性能を
兼ね備えた高分子を形成する。
【0021】上記長鎖アルキル化合物は、イソシアネー
ト基を有するものとして、例えば、オクチルイソシアネ
ート、ドデシルイソシアネート、オクタデシルイソシア
ネート、ドコサニルイソシアネート、カルボキシル基を
有するものとして、例えば、オクタン酸、ドデカン酸、
オクタデカン酸、ドコサン酸、酸ハライド基を有するも
のとして、例えば、オクタノイルクロライド、ドデカノ
イルクロライド、オクタデカノイルクロライド、ドコサ
ノイルクロライド、ケテン基を有するものとして、例え
ば、オクチルケテンダイマ、ドデシルケテンダイマ、オ
クタデシルケテンダイマ、ドコサニルケテンダイマ、ア
ルデヒド基を有するものとして、例えば、オクチルアル
デヒド、ドデシルアルデヒド、オクタデシルアルデヒ
ド、ドコサニルアルデヒド、エポキシ基を有するものと
して、例えば、オクチルグリシジルエーテル、ドデシル
グリシジルエーテル、オクタデシルグリシジルエーテ
ル、ドコサニルグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0022】上記(a)重合度が300〜5000であ
り、且つ、鹸化度が50モル%以上である酢酸ビニル共
重合体の水酸基1当量に対し、(b)イソシアネート
基、カルボキシル基、酸ハライド基、ケテン基、アルデ
ヒド基、エポキシ基からなる群から選択される、水酸基
と反応する1種以上の官能基を有し、且つ、炭素数6〜
30のアルキル基を有する長鎖アルキル化合物を0.5
当量以上、好ましくは0.6当量以上の割合で反応させ
て離型剤成分〔1〕が合成されるが、上記反応当量が
0.5当量未満であると、得られる離型剤の離型性能が
悪化する。上記反応当量の上限は特にないが、過剰に加
えると未反応物が多くなり、分離に手間がかかる。
【0023】上記(b)炭素数6〜30のアルキル基を
有する長鎖アルキル化合物が有する、水酸基と反応する
1種以上の官能基が、イソシアネート基やケテン基であ
る場合、上記反応に用いる分散媒としては、イソシアネ
ートやケテンと反応しないトルエンやジメチルスルホキ
シドの如き不活性な液体が選ばれ、該液体中に懸濁又は
溶解して反応が行われる。
【0024】上記水酸基と反応する1種以上の官能基
が、カルボキシル基である場合、例えば、トルエンの如
き通常のエステル化反応に用いられる溶媒中で反応が行
われる。
【0025】上記水酸基と反応する1種以上の官能基
が、酸ハライド基である場合、不活性な液体が選ばれ、
該液体中に懸濁又は溶解して反応が行われるが、この反
応の際には、例えば、ピリジンの如き脱ハロゲン化水素
剤を添加することが好ましい。上記水酸基と反応する1
種以上の官能基が、アルデヒド基である場合も不活性な
液体が選ばれ、該液体中に懸濁又は溶解して反応が行わ
れるが、この反応の際には、例えば、塩酸の如き酸触媒
を添加することが好ましい。
【0026】上記水酸基と反応する1種以上の官能基
が、エポキシ基である場合も不活性な液体が選ばれ、該
液体中に懸濁又は溶解して反応が行われるが、この反応
の際には、例えば、水酸化ナトリウムの如きアルカリ触
媒を添加することが好ましい。これらの反応は、赤外吸
収等で水酸基もしくは該水酸基と反応する官能基が実質
的に消失したことを確認して反応を終了する。
【0027】上記〔2〕炭素数10〜30、好ましくは
12〜26の脂肪酸は、炭素数10〜30、好ましくは
12〜26の飽和脂肪酸もしくは炭素数10〜30、好
ましくは12〜26の不飽和脂肪酸のいずれが用いられ
てもよく、又、これらは単独で用いられてもよく、2種
以上が混合されて用いられてもよい。上記炭素数が10
未満であると、極性が大きく上記離型剤成分と分離した
り、離型剤組成物の融点を低下し、離型性能に悪影響を
与える。上記炭素数が30を超えると、極性が小さくな
り、水分散性が低下しにくくなったり、溶融粘度が大き
くなって水分散性離型剤組成物を離型シート基材に塗布
した後、離型性能が発現するまでの加熱時間が長時間に
及ぶ等好ましからざる影響を及ばす。
【0028】上記〔2〕炭素数10〜30、好ましくは
12〜26の脂肪酸としては、例えば、ドデカン酸(ラ
ウリン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、オクタ
デカン酸(ステアリン酸)、オクタデセン酸(オレイン
酸)、イコサン酸(アラキジン酸)、ドコサン酸(ベヘ
ン酸)等が挙げられる。猶、これらの脂肪酸は、水酸化
ナトリウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属やアルカ
リ土類金属の水酸化物の共存下で、その形態がこれらの
金属塩となっているが、これらの金属塩も同様の機能を
有し、本発明において上記脂肪酸と同等に使用できる。
【0029】上記〔2〕炭素数10〜30、好ましくは
12〜26の脂肪酸の配合量は、〔1〕(a)重合度が
300〜5000であり、且つ、鹸化度が50モル%以
上である酢酸ビニル共重合体の水酸基1当量に対し、
(b)イソシアネート基、カルボキシル基、酸ハライド
基、ケテン基、アルデヒド基、エポキシ基からなる群か
ら選択される、水酸基と反応する1種以上の官能基を有
し、且つ、炭素数6〜30のアルキル基を有する長鎖ア
ルキル化合物を0.5当量以上の割合で反応させて得ら
れる成分100重量部に対し、好ましくは1〜50重量
部、更に好ましくは3〜40重量部である。
【0030】上記配合量が1重量部未満であると、離型
剤成分の分散性が低下し、上記水分散型離型剤組成物の
塗布性に悪影響を及ぼし、上記配合量が50重量部を超
えると、上記離型剤組成物の粘着剤層への移行性が大き
くなり、いずれも好ましくない。
【0031】上記〔2〕酸価が0.2〜800の酸変成
ポリオレフィン系(共)重合体は、酸価が0.2〜80
0、好ましくは10〜200であり、例えば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテンの如きオレフィンと、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニ
ルピロリドンの如き酸基を有するモノマーとの共重合体
や化学的もしくは物理的に酸化処理されたポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ(1−ブテン)の如きポリオ
レフィン系(共)重合体が挙げられ、具体的には、マレ
イン酸変成のポリエチレンワックスやアクリル酸変成の
ポリエチレンワックスが好適に使用される。
【0032】上記〔2〕酸価が0.2〜800の酸変成
ポリオレフィン系(共)重合体の酸価が、0.2未満で
あると、水に対する分散性が低下し、凝集や沈降が起き
易くなり、上記酸価が、800を超えると、極性が大き
くなり過ぎ、上記離型剤成分と相溶性が低下し、極端な
場合には分離してしまう。
【0033】上記〔2〕酸価が0.2〜800の酸変成
ポリオレフィン系(共)重合体が、上記オレフィンと酸
基を有するモノマーとの共重合体からなるものである場
合、酸基を有するモノマーの共重合比は、好ましくは
0.01〜40モル%、更に好ましくは0.5〜10モ
ル%である。上記〔2〕酸価が0.2〜800の酸変成
ポリオレフィン系(共)重合体の重合度は、好ましくは
10〜2000、更に好ましくは200〜1000であ
る。
【0034】上記重合度が、10未満である場合、軟化
温度が低下し、離型性能を悪化させる。又、上記重合度
が、2000を超える場合、水に対する分散性が低下
し、上記水分散型離型剤組成物を離型シート基材に塗布
した後、離型性能が発現するまでの加熱時間が長時間に
及ぶ等好ましからざる影響を及ばす。
【0035】上記〔2〕酸価が0.2〜800の酸変成
ポリオレフィン系(共)重合体の融点は、好ましくは4
0℃以上、140℃における溶融粘度は、好ましくは1
0000(Pa・s)以下、更に好ましくは融点は、6
0℃以上、140℃における溶融粘度は、5000(P
a・s)以下である。上記融点が40℃未満であると、
上記水分散型離型剤組成物の離型性能に悪影響を及ぼ
し、上記140℃における溶融粘度が10000(Pa
・s)を超える程度に上記融点も溶融粘度も大きくなる
と、水に対する分散性が低下し、上記水分散型離型剤組
成物を離型シート基材に塗布した後、離型性能が発現す
るまでの加熱時間が長時間に及ぶ等好ましからざる影響
を及ばす。
【0036】上記〔2〕酸価が0.2〜800の酸変成
ポリオレフィン系(共)重合体の配合量は、〔1〕
(a)重合度が300〜5000であり、且つ、鹸化度
が50モル%以上である酢酸ビニル共重合体の水酸基1
当量に対し、(b)イソシアネート基、カルボキシル
基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基、エポキシ
基からなる群から選択される、水酸基と反応する1種以
上の官能基を有し、且つ、炭素数6〜30のアルキル基
を有する長鎖アルキル化合物を0.5当量以上の割合で
反応させて得られる成分100重量部に対し、好ましく
は1〜50重量部、更に好ましくは3〜40重量部であ
る。
【0037】上記配合量が1重量部未満であると、離型
剤成分の分散性が低下し、上記水分散型離型剤組成物の
塗布性に悪影響を及ぼし、上記配合量が50重量部を超
えると、上記離型剤組成物の粘着剤層への移行性が大き
くなり、いずれも好ましくない。
【0038】上記〔2〕酸価が0.2〜800の酸変成
ポリオレフィン系(共)重合体が前記〔2〕炭素数10
〜30、好ましくは12〜26の脂肪酸と併用される場
合には、両者の合計量が1〜50重量部、更に好ましく
は3〜40重量部で配合されればよい。
【0039】本発明において用いられる上記水分散型離
型剤組成物には、必要に応じ、水分散性を補強したり、
塗布時の濡れ性を補強したり、発泡を抑制するための、
以下に説明する高沸点液状物質や界面活性剤、塗布後の
塗膜強度を補強するための架橋剤を添加してもよい。
【0040】上記高沸点液状物質は、大気圧下での沸点
が100℃より高く、常温での粘度が100000(m
Pa・s)以下の高沸点液状物質が好適に使用される。
上記高沸点液状物質としては、例えば、ナフテン系オイ
ルやラノリン、オレフィン類のオリゴマー、植物油、動
物油、鉱物油等のプロセスオイルや液状ロジンやテレビ
ン油等の液状粘着付与樹脂、ポリブテンやジイソデシル
フタレート等の可塑剤等が挙げられる。上記高沸点液状
物質は通常粘着剤中で軟化剤としても使用されるもので
あるので、上記水分散型離型剤組成物中の上記高沸点液
状物質が塗布、乾燥後、離型シートの離型層に残存し、
粘着剤層と接触したとき、粘着剤層に移行したとして
も、上記高沸点液状物質の性状及び薄い離型層から移行
する量からすれば粘着剤の粘着特性に著しい影響を及ぼ
すことはない。
【0041】上記高沸点液状物質の沸点が100℃以下
であると、離型シートの製造時の乾燥工程で揮散し、所
望の効果を十分に発揮し得ないのみならず、安全・環境
面から付加的設備を要する等の煩わしさを伴う。又、上
記高沸点液状物質の常温での粘度が100000(mP
a・s)を超える場合には、上記水分散型離型剤組成物
の流動性が低下し、造膜性能に悪影響を及ぼす。
【0042】上記界面活性剤は、ノニオン系界面活性
剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両
性界面活性剤のいずれも使用できる。上記ノニオン系界
面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の
エーテル型、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル等のエステル型、
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル等のエステルエーテル
型、脂肪酸アルカノールアミド型の界面活性剤が挙げら
れる。
【0043】上記アニオン系界面活性剤としては、脂肪
酸モノカルボン酸塩、N−アシロイルグルタミン酸塩等
のカルボン酸塩型、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナ
フタレンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物、スル
ホ琥珀酸ジアルキルエステル等のスルホン酸型、硫酸ア
ルキル塩等の硫酸エステル型、燐酸アルキル塩等の燐酸
エステル型の界面活性剤が挙げられる。
【0044】上記カチオン系界面活性剤としては、アル
キルアミン塩等のアミン塩型、アルキルトリメチルアン
モニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アル
キルジメチルベンジルアンモニウム塩等の第4級アンモ
ニウム塩型の界面活性剤が挙げられる。
【0045】上記両性界面活性剤としては、N,N−ジ
メチル−N−アルキルアミノ酢酸ベタイン等のカルボキ
シベタイン型、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−
1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等のグ
リシン型の界面活性剤が挙げられる。
【0046】上記架橋剤は、上記水分散型離型剤組成物
を基材上に塗布した後、熱、光等を加えて上記水分散型
離型剤組成物中の離型剤成分と反応し、これらの離型剤
成分を架橋し得るものであれば特に限定されるものでは
ないが、例えば、多価イソシアネート化合物、ブロック
ド多価イソシアネート化合物、多価エポキシ化合物、多
価アクリロイル化合物、多価メチロール化合物、多価ア
ジリジン化合物、多価イオン金属が挙げられる。
【0047】上記水分散型離型剤組成物の各成分から水
分散型離型剤を調製する手段は特に限定されるものでは
ないが、上記水分散型離型剤組成物を有機溶剤に溶解し
た後、高速乳化機で攪拌しながら水と混合し、乳化分散
させ、その後有機溶剤を除く溶剤溶解法や有機溶剤を使
用せず、上記水分散型離型剤組成物を熱溶融させ、加圧
ニーダー、コロイドミル、高速攪拌シャフト等で高剪断
力を加えながら水と混合し乳化分散させる高圧乳化法等
の方法がある。
【0048】上記高圧乳化法は、有機溶剤を使用せずに
作業できるので、本発明の趣旨とも合致し好ましい方法
である。
【0049】上記高圧乳化法は、具体的には、以下に示
す手順で行われる。先ず、上記水分散型離型剤組成物
を、例えば、120℃以上で溶融混合し、次いで、加圧
下に、上記水分散型離型剤組成物の溶融液と100℃以
上の水とを高剪断力を加えながら混合するかもしくは上
記水分散型離型剤組成物と水を一挙に投入し、加圧下
に、例えば、120℃以上に加熱し、高剪断力を加えな
がら混合するかして、水中に分散させる。その後、上記
分散液中の分散粒子の2次凝集を起こさないように冷却
して水分散型離型剤を調製される。
【0050】本発明の離型シートの製造方法は、水中に
分散されている水分散型離型剤組成物を、基材に塗布
し、乾燥したる後、該水分散型離型剤組成物塗布面を加
熱下に加圧して離型剤成分を溶融、平滑化することを特
徴とするものである。
【0051】上記基材としては、粘着剤層に密着して貼
付可能な可撓性と該貼付面から剥離するに耐え得る強度
を有するものであれば特に限定されるものではないが、
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、セロファン等のプラスチックフィルム類、上質紙、
クラフト紙、クレープ紙、グラシン紙等の紙類、含浸
紙、プラスチックコート紙等の目止めを施された紙類、
布類等が挙げられる。これらの基材は、離型剤との密着
性を高めるためにその表面に、必要に応じてコロナ放電
処理、プラズマ処理、プライマー処理等の表面処理を施
すことが好ましい。
【0052】上記基材に水分散型離型剤組成物を塗布す
る手段は、特に限定されるものではないが、例えば、ロ
ールコーター、グラビアコーター、メイヤーバーコータ
ー、リップコーター等の塗布装置を用いて塗布し、上記
基材上に形成された上記水分散型離型剤組成物からなる
塗膜は、乾燥炉において水分を蒸発させて除去する。
【0053】本発明者らの観察によれば、水分散型離型
剤は、上記乾燥炉における塗膜から水分を蒸発させただ
けの状態では、上記離型剤は、水に分散されていた微粒
子の形態で、単層もしくは積層されて基材上に付着して
おり、基材との密着性も十分でなく、離型性や非移行性
の離型性能が十分に発揮されないものであることが判明
した。
【0054】本発明の離型シートの製造方法において
は、上記乾燥炉において塗膜から水分を蒸発させた離型
性能が十分に発現していない離型層を加熱下に加圧して
離型剤成分を溶融、平滑化することにより、短時間で極
めて効率よく、基材との密着性及び離型性や非移行性の
離型性能も十分に発現し得るようになさしめることがで
きるのである。
【0055】上記加熱下に加圧する手段は、特に限定さ
れるものではないが、例えば、一対の加圧加熱ロール間
に乾燥された水分散型離型剤の塗膜が設けられた上記基
材を挟圧して通過させる方法が生産性等の点で好適に使
用される。上記加熱温度は、上記水分散型離型剤の微粒
子の軟化点より高くなければならず、通常、60℃以
上、好ましくは80℃以上である。上記加熱温度の上限
は基材の耐熱性に依存する。又、上記圧力は、0.01
〜500kg/cm2 程度であり、可及的高圧であるこ
とがこのましいが、上限は基材の耐圧性に依存する。
【0056】上記加圧加熱ロールの材質は、加圧加熱時
に離型剤と基材との界面における接着性よりも離型剤と
ゴムロールとの界面における接着性が小さくなるような
材質のゴムロールであることが必要であり、更に、上記
使用条件において該ゴムロールの全幅に亘って均一な挟
圧力を与える弾性を有するものであることが要求され
る。このような要求を満たすロールとして、例えば、耐
熱性シリコーンライニングロールや耐熱性テフロンライ
ニングロール等が好適に使用される。
【0057】上記加圧加熱ロールは、生産性の観点から
塗布、乾燥の各工程に引き続いて一連の装置で連続して
行われるため、上記乾燥炉の直後に塗布、乾燥の各装置
のライン速度と同調して設置される。従って、上記加圧
加熱ロールの径は、上記加圧加熱ロールによる熱処理に
要する時間とそのライン速度とで決定される。
【0058】
【作用】請求項1記載の本発明の離型シートの製造方法
は、水中に分散されている水分散型離型剤組成物を、基
材に塗布し、乾燥したる後、該水分散型離型剤組成物塗
布面を加熱下に加圧して離型剤成分を溶融、平滑化する
ものであるので、短時間の処理で極めて効率よく、基材
との密着性及び離型性や非移行性の離型性能も十分に発
現し得るようになさしめることができるのである。
【0059】請求項2記載の本発明の離型シートの製造
方法は、水分散型離型剤組成物が、 〔1〕(a)重合度が300〜5000であり、且つ、
鹸化度が50モル%以上である酢酸ビニル共重合体の水
酸基1当量に対し、(b)イソシアネート基、カルボキ
シル基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基、エポ
キシ基からなる群から選択される、水酸基と反応する1
種以上の官能基を有し、且つ、炭素数6〜30のアルキ
ル基を有する長鎖アルキル化合物を0.5当量以上の割
合で反応させて得られる成分と、〔2〕炭素数10〜3
0の脂肪酸の1種以上及び/又は酸価が0.2〜800
の酸変成ポリレフィン系(共)重合体成分が水中に分散
されているものである請求項1記載の離型シートの製造
方法であるので、離型性及び非移行性に優れた離型層を
形成するだけでなく、離型処理面にマジックインキ等で
文字や図柄等を描画でき(描画性)、又、該離型シート
を用いた粘着テープ等の離型処理面に更に、粘着テープ
を重ね貼りができる(重ね貼り性)ので、封緘等が確実
にでき、更に、離型処理面同士の滑りにくさ(非滑り
性)があって、保管時等、段ボール包装した梱包物を多
段に積み重ねた場合でも荷崩れしにくいといった優れた
性能を有する離型層を短時間で極めて効率よく形成する
ことができる。
【0060】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0061】〔離型剤成分R−1、R−2及びR−3の
調製〕攪拌機、冷却器、滴下ロートをもつ反応容器中
に、ポリビニルアルコール(重合度1100、鹸化度9
8モル%)10重量部を脱水したキシレン50重量部中
に分散させる。還流温度でオクタデシルイソシアネート
67重量部と触媒(ジラウリン酸ジブチル錫)0.01
重量部を加え、ポリビニルアルコールと反応させる。反
応の進行に伴い、ポリビニルアルコールの粉末が減少し
ていくが、該粉末が消失してから更に2時間反応させ
る。その後、40℃まで冷却し、得られた反応溶液を1
000重量部のメタノール中に注いで白色沈殿物を得
る。これをメタノール、次いでヘキサンで洗浄し、乾燥
して離型剤成分R−1を調製した。
【0062】離型剤成分R−2は、離型剤成分R−1の
ポリビニルアルコールに替え、エチレン/ビニルアルコ
ール共重合体(重合度1500、鹸化度69モル%、エ
チレン共重合比30モル%)を使用し、オクタデシルイ
ソシアネートの配合量67重量部を57重量部に変更し
たこと以外、離型剤成分R−1と同様にして調製した。
【0063】離型剤成分R−3は、攪拌機、冷却器、滴
下ロートをもつ反応容器中に、離型剤成分R−2のエチ
レン/ビニルアルコール共重合体10重量部を脱水した
ピリジン300重量部中に分散させる。80℃でオクタ
デシルクロライド80重量部を加え、エチレン/ビニル
アルコール共重合体と反応させる。反応の進行に伴い、
エチレン/ビニルアルコール共重合体の粉末が減少して
いくが、該粉末が消失してから更に2時間反応させる。
その後、40℃まで冷却し、得られた反応溶液を150
0重量部のメタノール中に注いで白色沈殿物を得る。こ
れをメタノール、次いでヘキサンで洗浄し、乾燥して離
型剤成分R−3を調製した。
【0064】〔酸変成ポリオレフィン樹脂〕エチレン/
アクリル酸共重合体(重合度250、アクリル酸共重合
比4モル%)
【0065】〔界面活性剤〕アルキルジフェニルエーテ
ルジスルホン酸塩(花王社製、商品名:ペレックスSS
−L)50重量%、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル(花王社製、商品名:エマルゲン910)50
重量%混合物
【0066】(実施例1)離型剤成分(R−1)160
重量部、ステアリン酸30重量部、界面活性剤10重量
部及び水800重量部を混合し、3Lの高圧式乳化機に
入れ、120℃で500rpmの低速回転で10分間攪
拌し、離型剤成分(R−1)及びステアリン酸を溶融状
態にする。次いで、135℃に昇温し、5000rpm
の高速回転で1時間攪拌した後、冷却して水分散型離型
剤組成物を調製した。
【0067】得られた水分散型離型剤組成物を離型剤成
分(R−1)が3重量%になるように水で希釈した離型
剤を、基材の坪量 75mg/m2 のクルパッククラフ
ト紙にポリエチレンを厚さ20μmで押出ラミネート
し、コロナ放電処理(44dyne/cm)された目止
め紙のポリエチレン面上に、#8のメイヤーバーコータ
ーを用いて塗布量(wet)8.5g/m2 で塗布し
た。
【0068】次いで、上記離型剤が塗布された基材を、
炉長1m、温度が120℃に保たれた乾燥炉中にライン
速度4m/分(1mの単位長さを処理するに要する時間
は15秒)で供給し、乾燥した。更に、上記塗布機、乾
燥炉におけるライン速度に同調されている、ゲージ圧力
2kg/cm2 、温度120℃に加圧加熱されたラミネ
ーター(MCK社製)の2本の特殊シリコーンゴムライ
ニングローラー(長さ700mm、直径60mm、硬度
40)の間を通し、上記基材上の離型剤成分を溶融、平
滑化して離型シートを作製した。
【0069】(実施例2〜6)実施例1の離型剤成分、
脂肪酸、酸変成ポリオレフィン(共)重合体を、表1に
示す配合に替えたこと以外、実施例1と同様にして離型
シートを作製した。
【0070】(比較例1〜4)実施例1の乾燥炉での加
熱時間(ライン速度)を、表1に示す如く変更し、ラミ
ネーターによる加圧加熱処理を行わなかったこと以外、
実施例1と同様にして離型シートを作製した。
【0071】(比較例5〜7)実施例1の水分散型離型
剤組成物を、有機溶剤のトルエンで離型剤成分(R−
1)が3重量%になるように希釈して離型剤とし、乾燥
炉での加熱時間(ライン速度で調整)を、表1に示す如
く2倍にし、ラミネーターによる加圧加熱処理を行わな
かったこと以外、実施例1と同様にして離型シートを作
製した。
【0072】上記実施例及び比較例で得られた離型シー
トの性能を評価するため、展開力及び残存接着力を
以下に示す方法で測定した。測定結果は表1及び表2に
示す。
【0073】展開力:幅25mmの短冊状に切り出さ
れた粘着テープ(積水化学工業社製、商品名:セキスイ
クラフトテープ#504)を用いて、JIS Z 02
37に準拠し、得られた離型シートの離型処理面に貼付
し、23℃で24時間放置した後、高速剥離試験機を用
い速度10m/分で180°引き剥がし試験を行った。
【0074】上記引き剥がし試験における引き剥がし力
を展開力として表示し、離型シートの離型性を評価し
た。
【0075】残存接着力:前項の展開力の試験と同様
に引き剥がし試験を行い、得られた離型シートの離型処
理面から引き剥がされた粘着テープを、JIS Z 0
237に準拠し、ステンレス鋼板に貼付し、23℃で2
4時間放置した後、速度300mm/分で180°引き
剥がし試験を行った。
【0076】上記引き剥がし試験における粘着力を、上
記離型処理面から引き剥がすという履歴を受けない粘着
テープの上記引き剥がし試験における粘着力(2010
g/25mm)で除した値の百分率を残存接着力として
表示し、離型シートの離型剤の粘着剤層への非移行性を
評価した。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】上記実施各例と比較例1〜4の対比から判
るように、本発明の離型シートの製造方法にあっては、
水分散型離型剤組成物の性能を十分に発現させるための
全処理時間が、従来法である比較例の方法に比して、6
0秒が20〜30秒と、1/2〜1/3に短縮されてい
ることが判る。又、比較例5〜7に有機溶剤を使用する
従来法を参考までに示したが、離型性能は同程度の能率
で得られるが、有機溶剤の使用により、設備金額が増大
し、加えて、環境・公害上の諸問題に対応しなければな
らない等煩わしい問題がある。
【0080】
【発明の効果】本発明の離型シートの製造方法は、叙上
の如く構成されているので、短時間の処理で極めて効率
よく、基材との密着性及び離型性や非移行性の優れた離
型性能を発現させることができる。又、請求項2記載の
本発明の離型シートの製造方法は、前記する基材との密
着性及び離型性や非移行性の優れた離型性能に加えて、
離型処理面にマジックインキ等で文字や図柄等を描画で
き(描画性)、又、該離型シートを用いた粘着テープ等
の離型処理面に更に、粘着テープ等を重ね貼りができる
(重ね貼り性)ので、重包装物の封緘等が確実にでき、
更に、離型処理面同士の滑りにくさ(非滑り性)があっ
て、保管時等、段ボール包装した梱包物を多段に積み重
ねた場合でも荷崩れしにくいといった優れた性能を有す
る離型シートを製造し得るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/00 C09K 3/00 R // C08L 23/26 LDA C08L 23/26 LDA LDB LDB

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中に分散されている水分散型離型剤組
    成物を、基材に塗布し、乾燥したる後、該水分散型離型
    剤組成物塗布面を加熱下に加圧して離型剤成分を溶融、
    平滑化することを特徴とする離型シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 水分散型離型剤組成物が、〔1〕(a)
    重合度が300〜5000であり、且つ、鹸化度が50
    モル%以上である酢酸ビニル共重合体の水酸基1当量に
    対し、(b)イソシアネート基、カルボキシル基、酸ハ
    ライド基、ケテン基、アルデヒド基、エポキシ基からな
    る群から選択される、水酸基と反応する1種以上の官能
    基を有し、且つ、炭素数6〜30のアルキル基を有する
    長鎖アルキル化合物を0.5当量以上の割合で反応させ
    て得られる成分と、〔2〕炭素数10〜30の脂肪酸の
    1種以上及び/又は酸価が0.2〜800の酸変成ポリ
    オレフィン系(共)重合体成分が水中に分散されている
    ものである請求項1記載の離型シートの製造方法。
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