JPH0911280A - 多種材成形用ブロック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 固定金型と射出ユニット間にミキシングノズ
ルまたはツインノズルを有した多種材成形用ブロックを
介在させて互換性を持たせるようにする。 【構成】 ２種類以上の樹脂を共射出する射出成形機で
あって、固定盤に取付けられた固定金型と対向して射出
ユニットを前後摺動自在に配設するとともに、前記固定
金型と射出ユニット間に連通する樹脂通路を有したブロ
ックを介在させ、前記ブロック内に共射出する樹脂通路
を途中で合流させるミキシングノズルか、または共射出
する各樹脂通路を独立させるツインノズルのいずれか一
方と交換可能な構造にした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は１台の成形機でありなが
ら、シングル成形、ツイン成形およびサンドイッチ成形
等ができるようにした多種材成形用ブロックに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来、２組の射出ユニットを備えるとと
もに、ノズル部の途中で同心状の環状多重管として組合
わせ（ミキシングノズル）たものを一つの型締装置によ
り型締めした一つのスプールを有する金型内に当接させ
て２種の溶融樹脂を前記２組の射出ユニットにより順次
射出するコ・インジェクション用射出成形機（図８
（１））や、あるいは、２組の射出ユニットを、一つの
型締装置により型締めし前記各射出ユニットに対向した
スプールを有す金型内に、２種の溶融樹脂を前記２組の
射出ユニットにより交互に射出した後、キャビティ部に
隣接して金型内に配設されたノズル部で２色射出成形を
行なうようにした、いわゆるツインノズルとミキシング
ノズルとの組合わせを持つ複合式多層用射出成形機（図
８（２））が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前述したコ
・インジェクション用射出成形機（図８（１））のもの
は、外層と内層にそれぞれ異種の樹脂が順次使用される
ことから、スプールやランナ部が常時ホット状態である
と前ショット時の残留樹脂と次ショット時の新樹脂とが
混り合い易く、所望する成形品が得られ難い。

【０００４】このため、成形品毎にスプールやランナ部
に残留する樹脂を成形品の取出し時にバリとして一緒に
取出すと、前記したような異種の樹脂の混り合いによる
成形品の不良発生は防止できるものの、成品歩留りが低
下するといった問題があった。

【０００５】一方、複合式多層用成形機（図８（２））
のものは、金型キャビティ部に隣接して金型内に同心状
の多重管が配設された、いわゆるミキシングノズル部を
構成しており、異種の樹脂がキャビティ部に射出充填さ
れるまでは、それぞれ別個のランナ部を通るようになっ
ているため、加熱されたスプールやランナ部に残留する
樹脂が次ショットで有効利用されやすい反面、複数の射
出ユニットと対向したスプールを有した固定盤や固定金
型と交換するかあるいは射出ユニットそのものの配置を
変更したりするなど、射出成形機の大幅な改造が必要に
なるといった問題があった。

【０００６】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、本発明の目的は、固定金型と射出ユニット間にミキ
シングノズルまたはツインノズルを有した多種材成形用
ブロックを介在させて互換性を持たせ２つの射出装置を
八字状に配置することにより、交換部分を最小部分にす
ることで、交換時間の短縮を図ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、２種類以上の樹脂を共射出する射出成
形機であって、固定盤に取付けられた固定金型と対向し
て射出ユニットを前後摺動自在に配設するとともに、前
記固定金型と射出ユニット間に連通する樹脂通路を有し
たブロックを介在させ、前記ブロック内に共射出する樹
脂通路を途中で合流させるミキシングノズルか、または
共射出する各樹脂通路を独立させるツインノズルのいず
れか一方を取入れた構造にした。

【０００８】

【作用】ツインノズルを用いて表材・裏材のある多層成
形品（サンドイッチ成形）の成形を完了した後、外層・
内層のあるツイン成形品の成形のためにミキシングノズ
ルと交換して成形を行なうのであるが、これらの成形品
は固定金型と射出ユニット間に介在させた多種材成形用
ブロックのうち第２ブロック以外のブロックを交換使用
するだけで、多層、多段成形の対応を可能としたので、
効率のよいコ・インジェクション成形ができる。

【０００９】

【実施例】以下に、本発明に係る多種材成形用ブロック
の実施例を図面を用いて詳細に説明する。

【００１０】図１は本発明に係る射出成形機の一部を破
断して示す正面図、図２ないし図４はミキシングノズル
を用いた場合のニードル弁およびシャフトオフバルブの
動きを示す動作説明図、図５はツインノズルを用いた場
合の多種材成形用ブロックの切断平面図、図６はミキシ
ングノズルを用いて外層・内層のある成形品の成形状態
を示す動作説明図、図７はツインノズルを用いて表材・
裏材のある成形品の成形状態を示す動作説明図である。

【００１１】まず、本発明に係る多種材成形用ブロック
を用いた射出装置について説明する。

【００１２】符号５は射出成形機１のヘッド３の図示左
側（前方という）に設けた図示しない型締装置の固定盤
である。この固定盤５は所定の大きさの開口部６を有
し、この開口部６には固定金型７と射出ユニット２間に
介在された多種材成形用ブロック１０が支持台８上を前
後動自在に配設されている。

【００１３】前記射出ユニット２は、２台の射出ユニッ
ト（２Ａ、２Ｂ）から構成され図２に示すように射出ユ
ニット２が八字状になるように据付けられており、射出
ユニット（２Ａ、２Ｂ）は移動台１１（１１Ａ、１１
Ｂ）上に載置されたままそれぞれ油圧シリンダ（４Ａ、
４Ｂ）などの適宜手段により射出ノズル（１２Ａ、１２
Ｂ）が多種材成形用ブロック１０の当接部１３と当接し
た位置と離間した位置間を前後に摺動自在に設けられて
いる。また、移動台１１（１１Ａ、１１Ｂ）および多種
材成形用ブロック１０は共通の移動台１１上に配置さ
れ、ミキシングノズル３５およびツインノズル３６の先
端当接部が固定金型７のスプール１４に当接できるよう
に、専用の油圧シリンダ４（４Ａ、４Ｂ）にて前後に摺
動できるようになっている。

【００１４】ここで、本発明に係る多種材成形用ブロッ
ク１０内にミキシングノズル３５の構造を有したものに
ついて図２を用いて説明する。多種材成形用ブロック１
０は、固定金型７のスプール１４に当接するブロック用
ノズル１５、前記ブロック用ノズル１５を螺合保持する
先端ブロック１６、第１ブロック１７、第２ブロック１
８、ニードル弁１９およびニードル弁駆動用シリンダ２
０から構成されている。

【００１５】前述した如く多種材成形用ブロック１０の
先端部、いわゆるブロック用ノズル１５と先端ブロック
１６の部分において、第１ブロック１７の先端に円筒状
のピース２１を介在させて同心状の内外環状樹脂通路を
形成し、第１射出ユニット２Ａと第２射出ユニット２Ｂ
からそれぞれ射出された溶融樹脂を交互にキャビティ３
７部に所定量射出充填し、内・外層のある成形品をコ・
インジェクション成形するようになっている。

【００１６】符号２２は内側用通路、２３は外側用通路
をそれぞれ示す。内側用通路２２および外側用通路２３
は第２射出ユニット２Ｂから第２ブロック１８、第１ブ
ロック１７および先端ブロック１６を介して同心状の内
外環状樹脂通路を有したブロック用ノズル１５まで連通
されている。

【００１７】なお、ブロック用ノズル１５内に設けられ
た内外環状樹脂通路のうち外側用通路２３に連通して外
方に位置する外側環状通路２５と内側用通路２２に連通
して内方に位置する内側環状通路２４は共にブロック用
ノズル１５の先端口２６で合流し、ホットランナ２７へ
と連なっている。

【００１８】多種材成形用ブロック１０の後端部に設け
られたニードル弁駆動用シリンダ２０に接続されて前後
動し、前記内側環状通路２４を開放または閉止するニー
ドル弁１９が多種材成形用ブロック１０の軸線上に配設
されている。

【００１９】符号２８はシャットオフバルブ２８であっ
て、第１射出ユニット２Ａの射出ノズル１２Ａ上に回動
自在に配設され、射出ノズル１２Ａ内に設けられた樹脂
通路孔２９を開閉するようになっている。

【００２０】次に、表材および裏材のある多層成形用の
ツインノズル３６を有した多種材成形用ブロック１０に
ついて図５を用いて説明する。なお、前記したミキシン
グノズル３５を有した多種材成形用ブロック１０と異な
る部分についてのみ説明する。

【００２１】第１ブロック１７の先端部に各々独立した
いわゆるツインノズル３６が取付けられており、このツ
インノズル３６は外側用通路２３に連通した第１ノズル
３１と内側用通路２２に連通した第２ノズル３２から構
成されている。

【００２２】第１ノズル３１の先端部は固定金型７内に
穿設されたホットランナ３４Ａの端部に設けられたスプ
ール３３Ａに当接可能とされ、他方の第２ノズル３２の
先端部も第１ノズル３１と同様にホットランナ３４Ｂの
端部に設けられたスプール３３Ｂとが同時に当接可能と
なっている。

【００２３】そして、第１ブロック１７を第２ブロック
１８から取外し、第１ブロック１７から先端部に組込ま
れている部品を１セットとして交換するだけで、例えば
ミキシングノズル３５に適した成形品からツインノズル
３６に適した成形品への移行がスムースに行なえるよう
になっている。

【００２４】なお、本実施例では図示はされていない
が、両金型７、９本体を樹脂の固化温度に保持しつつ固
定金型７内に穿設された樹脂通路周辺のみを局部加熱し
た、いわゆるホットランナ２７、３４Ａ、３４Ｂとして
実施例を述べたが、これに限定せず本実施例の多種材成
形用ブロック１０を用いることによりコールドランナ
（前記樹脂通路周辺を局部加熱しない）としてもよい。
また、多種材成形用ブロック１０内に穿設された内側用
通路２２および外側用通路２３の周辺部にはシーズヒー
タ４０が配設され、これら内・外側用通路２２、２３を
通る樹脂を適宜な温度に加熱するようになっている。

【００２５】次に多種材成形用ブロック１０を用いた場
合の作用について述べる。

【００２６】先に、ミキシングノズルを用いて外層、内
層のある成形品を成形する場合について図２ないし図４
および図６を用いて説明すると、図６（１）に示すよう
に、図示しない適宜な型締装置（例えば直圧式またはト
グル式などの型締手段を用いた）によって固定金型７と
可動金型９の型開および型締が行なわれ、シャットオフ
バルブ２８を開にした状態で両金型７、９間に形成され
たキャビティ３７内に第１射出ユニット２Ａのスクリュ
を前進させてスキン材としてＡ樹脂を射出充填する（図
２、図６（１））。

【００２７】そして、キャビティ３７内へのＡ樹脂の射
出充填によりスキン層いわゆる外層を形成することにな
る。なお、コ・インジェクションによる外層・内層のあ
る成形品を成形する場合、Ａ樹脂はバージン材を使用
し、後述するコア層いわゆる内層を形成するＢ樹脂には
リサイクル材または異材やグレードの異なる材料を使用
するのである。

【００２８】次いで、ニードル弁駆動用シリンダ２０を
駆動してニードル弁１９を後退させて、第２射出ユニッ
ト２Ｂとキャビティ３７間に樹脂の連通路を形成するの
である（図３）。

【００２９】引続きシャットオフバルブ２８を回動し、
閉状態とする（図４）。そして、第２射出ユニット２Ｂ
のスクリュを前進させコア材としてのＢ樹脂を内側用通
路２２、ホットランナ２７を介してキャビティ３７内に
適量射出充填される（図６（２））。なお、シャットオ
フバルブ２８を開状態のまま、第１射出ユニット２Ａと
第２射出ユニット２Ｂを同時に射出することも可能であ
る。

【００３０】この後、シャットオフバルブ２８を開状態
にするとともに、ニードル弁駆動用シリンダ２０の駆動
によりニードル弁１９を前進させ内側環状通路２４を閉
止させた後、再度、第１射出ユニット２Ａのスクリュー
を前進させＡ樹脂を射出充填することにより、コア材と
してのＢ樹脂をスキン材としてのＡ樹脂によって封じ込
めることになり、外層・内層のある成形品を得るのであ
る。

【００３１】次に、ツインノズル３６を用いて表材・裏
材のある多層成形品を成形する場合について、図５およ
び図７を用いて説明すると、図７（１）に示すように、
ミキシングノズル３５を用いた場合と同様に図示しない
型締装置によって固定金型７と可動金型９の型閉および
型締を行なう。

【００３２】まず、両金型７、９間に形成されたキャビ
ティ３７内に第１射出ユニット２Ａのスクリュを前進さ
せて表材としてのＡ樹脂を射出充填するのである（図７
（１））。なお、コ・インジェクションによる表材・裏
材のある成形品を成形する場合、Ａ樹脂はバージン材を
使用し、裏材としてリサイクル材または異材やグレード
の異なる材料を使用するのである。

【００３３】表材としてのＡ樹脂を適量射出充填した
後、引続き型締装置により可動金型９の微少型開を行な
う（図７（２））。

【００３４】固化したＡ樹脂と固定金型７間に形成され
たキャビティ３７に裏材としてのＢ樹脂を射出充填し
（図７（３））、充填完了と同時に可動金型９を固定金
型７側へ再前進させて型圧縮を行なうのである（図７
（４））。

【００３５】なお、前述したミキシングノズル３５やツ
インノズル３６などを用いて、外層・内層のある成形品
や表材・裏材のある多層成形品を成形する場合には、可
動金型９と固定金型７の温度は終始樹脂の固化温度に保
持した状態下でＡ樹脂とＢ樹脂の射出を行なうのであ
る。

【００３６】本実施例ではツインノズル３６として双頭
状のノズルについて述べたが、これに限定せず２つ以上
のいわゆるマルチノズルを有したものにも使用可能であ
る。

【００３７】

【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明では２種類以上の樹脂を共射出する射出成形
機であって、固定盤に取付けられた固定金型と対向して
射出ユニットを前後摺動自在に配設するとともに、前記
固定金型と射出ユニット間に連通する樹脂通路を有した
ブロックを介在させ、前記ブロック内に共射出する樹脂
通路を途中で合流させるミキシングノズルか、または共
射出する各樹脂通路を独立させるツインノズルのいずれ
か一方と交換可能な構造にしたことにより、１台の射出
成形機でホットランナまたはコールドランナを有したい
ずれの金型でも効率のよいコ・インジェクション成形が
可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る射出成形機の一部を破断して示す
正面図である。

【図２】ミキシングノズルを用いた場合のニードル弁お
よびシャットオフバルブの動きを示す動作説明図であ
る。

【図３】図２の続きの動きを示す動作説明図である。

【図４】図３の続きの動きを示す動作説明図である。

【図５】ツインノズルを用いた場合の多種材成形用ブロ
ックの切断平面図である。

【図６】ミキシングノズルを用いて外層・内層のある成
形品の成形状態を示す動作説明図である。

【図７】ツインノズルを用いて表材・裏材のある成形品
の成形状態を示す動作説明図である。

【図８】従来の多層成形品の成形用ノズルを示す。

【符号の説明】

１ 射出成形機 ２ 射出ユニット ２Ａ 第１射出ユニット ２Ｂ 第２射出ユニット ５ 固定盤 ７ 固定金型 ９ 可動金型 １０ 多種材成形用ブロック １２（１２Ａ、１２Ｂ） 射出ノズル １３ 当接部 １４、３３Ａ、３３Ｂ スプール １５ ブロック用ノズル １６ 先端ブロック １７ 第１ブロック １８ 第２ブロック １９ ニードル弁 ２０ ニードル弁駆動用シリンダ ２１ 円筒状ピース ２２ 内側用通路 ２３ 外側用通路 ２４ 内側環状通路 ２５ 外側環状通路 ２６ 先端口 ２７、３４Ａ、３４Ｂ ホットランナ ２８ シャットオフバルブ ３１ 第１ノズル ３２ 第２ノズル ３５ ミキシングノズル ３６ ツインノズル ３７ キャビティ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２種類以上の樹脂を共射出する射出成形
   機であって、固定盤に取付けられた固定金型と対向して
   射出ユニットを前後摺動自在に配設するとともに、前記
   固定金型と射出ユニット間に連通する樹脂通路を有した
   ブロックを介在させ、前記ブロック内に共射出する樹脂
   通路を途中で合流させるミキシングノズルか、または共
   射出する各樹脂通路を独立させるツインノズルのいずれ
   か一方と交換可能な構造にしたことを特徴とする多種材
   成形用ブロック。