JPH09111704A - バラスト軌道強化構造 - Google Patents
バラスト軌道強化構造Info
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- JPH09111704A JPH09111704A JP29922095A JP29922095A JPH09111704A JP H09111704 A JPH09111704 A JP H09111704A JP 29922095 A JP29922095 A JP 29922095A JP 29922095 A JP29922095 A JP 29922095A JP H09111704 A JPH09111704 A JP H09111704A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 鉄道のバラスト軌道において、列車の繰り返
し荷重によるバラストの塑性変形の防止、列車の高速通
過の際における表面バラスト粒の移動や飛散の防止。 【解決手段】 バラスト軌道のバラスト3上のまくらぎ
4間に剛な板1を設けまくらぎ4の下をくぐらせた上向
きコの字形のアンカー2で剛な板1同士を連結し列車荷
重がまくらぎ4を通じてバラスト3へ伝達されるととも
に、まくらぎ4からアンカー2を経て剛な板1へ伝えら
れ剛な板の広い面を介して広くバラスト面へ伝達され
る。荷重の分散によりバラストの塑性変形が小さくなる
とともに剛な板で覆われているため表面のバラスト粒の
移動や飛散が殆ど生じなくなる。
し荷重によるバラストの塑性変形の防止、列車の高速通
過の際における表面バラスト粒の移動や飛散の防止。 【解決手段】 バラスト軌道のバラスト3上のまくらぎ
4間に剛な板1を設けまくらぎ4の下をくぐらせた上向
きコの字形のアンカー2で剛な板1同士を連結し列車荷
重がまくらぎ4を通じてバラスト3へ伝達されるととも
に、まくらぎ4からアンカー2を経て剛な板1へ伝えら
れ剛な板の広い面を介して広くバラスト面へ伝達され
る。荷重の分散によりバラストの塑性変形が小さくなる
とともに剛な板で覆われているため表面のバラスト粒の
移動や飛散が殆ど生じなくなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道のバラスト軌
道において、列車通過の繰り返しによるバラスト積みの
塑性変形やそれによるレールレベルの不整やバラストの
移動、飛散等を防止してバラスト軌道を強化する技術に
関する。
道において、列車通過の繰り返しによるバラスト積みの
塑性変形やそれによるレールレベルの不整やバラストの
移動、飛散等を防止してバラスト軌道を強化する技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バラスト軌道は例えば図11に示
すように、路盤6上にバラスト3を台形上に積み上げて
形成した上面にまくらぎ4を所定間隔で設置し、このま
くらぎ4上にレール5を設置したものである。図の
(a)は(b)のA−A断面図であり、(b)は上から
見たバラストを省略した平面図であり、(c)は(b)
のB−B断面図である。但しまくらぎ4の間隔は圧縮し
て描かれている。かかるバラスト軌道においてバラスト
3は、レール5のレベル調整の容易化、列車通過時の振
動吸収等の機能を果たしているが、列車の繰り返し載荷
によりバラストの塑性的な変形が生じ、その結果レール
のレベル等の不整を生ずることから、定期的な保守が必
要であるという問題がある。
すように、路盤6上にバラスト3を台形上に積み上げて
形成した上面にまくらぎ4を所定間隔で設置し、このま
くらぎ4上にレール5を設置したものである。図の
(a)は(b)のA−A断面図であり、(b)は上から
見たバラストを省略した平面図であり、(c)は(b)
のB−B断面図である。但しまくらぎ4の間隔は圧縮し
て描かれている。かかるバラスト軌道においてバラスト
3は、レール5のレベル調整の容易化、列車通過時の振
動吸収等の機能を果たしているが、列車の繰り返し載荷
によりバラストの塑性的な変形が生じ、その結果レール
のレベル等の不整を生ずることから、定期的な保守が必
要であるという問題がある。
【0003】また、路線が曲線となる部分においては曲
線半径と列車速度に応じた横断勾配がつくため、特に列
車速度が速い箇所においては、短期間に表面のバラスト
が列車走行時の振動により移動し、レール部分等に堆積
するという問題が生じ、列車走行に重大な支障をきたす
場合がある。さらに、高速列車走行時においては、走行
にともない発生する風により表面のバラスト粒が飛散
し、列車等に損害を与える場合もある。
線半径と列車速度に応じた横断勾配がつくため、特に列
車速度が速い箇所においては、短期間に表面のバラスト
が列車走行時の振動により移動し、レール部分等に堆積
するという問題が生じ、列車走行に重大な支障をきたす
場合がある。さらに、高速列車走行時においては、走行
にともない発生する風により表面のバラスト粒が飛散
し、列車等に損害を与える場合もある。
【0004】特に、近年の人手不足、人件費の高騰、お
よび主要幹線での輸送力増強のための列車の本数増加に
より、軌道の定期的な保守はやりにくい状況となって来
ている。そこで従来では、保守作業を省力化できる施工
法としてバラスト間隙に薬液を注入し道床を固結化する
施工法が種々提案されている(例えば、特公昭52−3
2490号公報、特公昭52−35401号公報、特公
昭57−50201号公報)。また表面バラストの移
動、飛散にたいしては、バラストの表面に接着性の薬液
の散布等がなされている。
よび主要幹線での輸送力増強のための列車の本数増加に
より、軌道の定期的な保守はやりにくい状況となって来
ている。そこで従来では、保守作業を省力化できる施工
法としてバラスト間隙に薬液を注入し道床を固結化する
施工法が種々提案されている(例えば、特公昭52−3
2490号公報、特公昭52−35401号公報、特公
昭57−50201号公報)。また表面バラストの移
動、飛散にたいしては、バラストの表面に接着性の薬液
の散布等がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されている道床を固結化する施工法は、バラスト間隙
に薬液を注入し、道床を固結化するものであったが、繰
り返し列車荷重を受けると軌道がしだいに変形し、初期
の目的が達成できないという問題点があった。また、表
面バラスト移動および飛散防止のための薬剤散布は、効
果が恒久的なものではなく、短期間の応急処置であり、
繰り返し行う必要があるという問題があった。
案されている道床を固結化する施工法は、バラスト間隙
に薬液を注入し、道床を固結化するものであったが、繰
り返し列車荷重を受けると軌道がしだいに変形し、初期
の目的が達成できないという問題点があった。また、表
面バラスト移動および飛散防止のための薬剤散布は、効
果が恒久的なものではなく、短期間の応急処置であり、
繰り返し行う必要があるという問題があった。
【0006】本発明の目的は、バラスト軌道における上
記従来工法の問題点を、バラスト面上に剛な板を配設す
ることにより解決するバラスト軌道構造を提供せんとす
るものである。
記従来工法の問題点を、バラスト面上に剛な板を配設す
ることにより解決するバラスト軌道構造を提供せんとす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、以下のような各種の手段構成を有す
る。即ち、第1の構成は、バラスト軌道において、バラ
スト上のまくらぎ間に剛な板を設置し、まくらぎ下面に
接するようにして通した上向きコの字形アンカーにより
剛な板を連結し、列車走行時において、まくらぎにかか
る荷重の一部をアンカーを介して剛な板に伝達し、列車
荷重をまくらぎと剛な板とで分散支持する、ことを特徴
とするバラスト軌道強化構造である。
達成するために、以下のような各種の手段構成を有す
る。即ち、第1の構成は、バラスト軌道において、バラ
スト上のまくらぎ間に剛な板を設置し、まくらぎ下面に
接するようにして通した上向きコの字形アンカーにより
剛な板を連結し、列車走行時において、まくらぎにかか
る荷重の一部をアンカーを介して剛な板に伝達し、列車
荷重をまくらぎと剛な板とで分散支持する、ことを特徴
とするバラスト軌道強化構造である。
【0008】第2の構成は、剛な板がまくらぎの長手方
向において複数に分割されていることを特徴とする第1
の構成のバラスト軌道強化構造である。
向において複数に分割されていることを特徴とする第1
の構成のバラスト軌道強化構造である。
【0009】第3の構成は、レールの下には剛な板を配
設しないことを特徴とする第1の構成又は第2の構成の
バラスト軌道強化構造である。
設しないことを特徴とする第1の構成又は第2の構成の
バラスト軌道強化構造である。
【0010】第4の構成は、上向きコの字形アンカーと
剛な板との結合は、アンカー上端部分をねじ構造とし、
剛な板には前記アンカー上端が貫通する孔を設け、前記
アンカー上端部を前記孔の下から上へ突き出させ、上端
ねじ部にナットを螺合せしめて締め付ける構造であるこ
とを特徴とする第1の構成、第2の構成又は第3の構成
のバラスト軌道強化構造である。
剛な板との結合は、アンカー上端部分をねじ構造とし、
剛な板には前記アンカー上端が貫通する孔を設け、前記
アンカー上端部を前記孔の下から上へ突き出させ、上端
ねじ部にナットを螺合せしめて締め付ける構造であるこ
とを特徴とする第1の構成、第2の構成又は第3の構成
のバラスト軌道強化構造である。
【0011】第5の構成は、バラスト部分に粘着性の薬
液を浸透させたことを特徴とする第1の構成、第2の構
成、第3の構成又は第4の構成のバラスト軌道強化構造
である。
液を浸透させたことを特徴とする第1の構成、第2の構
成、第3の構成又は第4の構成のバラスト軌道強化構造
である。
【0012】第6の構成は、上向きコの字形アンカーの
立ち上り部分とまくらぎ側面との間の間隙下方に設けら
れアンカーの変形を防止するアンカー角部固定部材を設
けたことを特徴とする第1の構成〜第5の構成のいずれ
か1つの構成のバラスト軌道強化構造である。
立ち上り部分とまくらぎ側面との間の間隙下方に設けら
れアンカーの変形を防止するアンカー角部固定部材を設
けたことを特徴とする第1の構成〜第5の構成のいずれ
か1つの構成のバラスト軌道強化構造である。
【0013】第7の構成は、鉄道線路の横断方向両外側
の道床に、鉄道線路に沿ってバラスト止めを設置し、バ
ラスト止め内のバラスト面上のうちまくらぎ部分を除い
た部分に、線路方向長をまくらぎ位置で分割された剛な
板を設置し、まくらぎ下面に接するようにして通した上
向きコの字形アンカーにより剛な板を連結し、列車走行
時にまくらぎにかかる荷重の一部をアンカーを介して剛
な板に伝達し、列車荷重をまくらぎと剛な板とで分散支
持することを特徴とするバラスト軌道強化構造である。
の道床に、鉄道線路に沿ってバラスト止めを設置し、バ
ラスト止め内のバラスト面上のうちまくらぎ部分を除い
た部分に、線路方向長をまくらぎ位置で分割された剛な
板を設置し、まくらぎ下面に接するようにして通した上
向きコの字形アンカーにより剛な板を連結し、列車走行
時にまくらぎにかかる荷重の一部をアンカーを介して剛
な板に伝達し、列車荷重をまくらぎと剛な板とで分散支
持することを特徴とするバラスト軌道強化構造である。
【0014】第8の構成は、棒状アンカーでバラスト止
め基部と剛な板とを上下に連結しバラストに予圧をかけ
られる構造にしたことを特徴とする第7の構成のバラス
ト軌道強化構造である。
め基部と剛な板とを上下に連結しバラストに予圧をかけ
られる構造にしたことを特徴とする第7の構成のバラス
ト軌道強化構造である。
【0015】第9の構成は、剛な板を、まくらぎを挟ん
で上向きコの字形アンカーによって連結される部分と棒
状アンカーによってバラスト止め基部と連結される部分
とに分割したことを特徴とする第8の構成のバラスト軌
道強化構造である。
で上向きコの字形アンカーによって連結される部分と棒
状アンカーによってバラスト止め基部と連結される部分
とに分割したことを特徴とする第8の構成のバラスト軌
道強化構造である。
【0016】第10の構成は、上向きコの字形アンカー
によって連結されている剛な板がまくらぎの長手方向に
おいて複数に分割されていることを特徴とする第7の構
成、第8の構成又は第9の構成のバラスト軌道強化構造
である。
によって連結されている剛な板がまくらぎの長手方向に
おいて複数に分割されていることを特徴とする第7の構
成、第8の構成又は第9の構成のバラスト軌道強化構造
である。
【0017】第11の構成は、レールの下には剛な板を
配設しないことを特徴とする第7の構成〜第10の構成
のいずれか1つの構成のバラスト軌道強化構造である。
配設しないことを特徴とする第7の構成〜第10の構成
のいずれか1つの構成のバラスト軌道強化構造である。
【0018】第12の構成は、鉄道線路の横断方向両外
側のバラスト止め同士をタイロットにより連結拘束する
ことを特徴とする第7の構成〜第11の構成のいずれか
1つの構成のバラスト軌道強化構造である。
側のバラスト止め同士をタイロットにより連結拘束する
ことを特徴とする第7の構成〜第11の構成のいずれか
1つの構成のバラスト軌道強化構造である。
【0019】第13の構成は、タイロットの両端部をね
じ構造とし、両側のバラスト止めにはタイロットの両端
部がそれぞれ貫通する孔を設け、タイロットの両端をそ
れぞれ前記孔から突き出させ両端ねじ部にナットを螺合
せしめて締め付ける構造であることを特徴とする第12
の構成のバラスト軌道強化構造である。
じ構造とし、両側のバラスト止めにはタイロットの両端
部がそれぞれ貫通する孔を設け、タイロットの両端をそ
れぞれ前記孔から突き出させ両端ねじ部にナットを螺合
せしめて締め付ける構造であることを特徴とする第12
の構成のバラスト軌道強化構造である。
【0020】第14の構成は、上向きコの字形アンカー
と剛な板との結合は、前記アンカー上端部をねじ構造と
し、剛な板には前記アンカー上端が貫通する孔を設け、
前記アンカー上端部を前記孔の下から上へ突き出させ上
端ねじ部にナットを螺合せしめて締め付ける構造である
ことを特徴とする第7の構成〜第13の構成のいずれか
1つの構成のバラスト軌道強化構造である。
と剛な板との結合は、前記アンカー上端部をねじ構造と
し、剛な板には前記アンカー上端が貫通する孔を設け、
前記アンカー上端部を前記孔の下から上へ突き出させ上
端ねじ部にナットを螺合せしめて締め付ける構造である
ことを特徴とする第7の構成〜第13の構成のいずれか
1つの構成のバラスト軌道強化構造である。
【0021】第15の構成は、バラスト部分に粘着性の
薬液を浸透させたことを特徴とする第7の構成〜第14
の構成のいずれか1つの構成のバラスト軌道強化構造で
ある。
薬液を浸透させたことを特徴とする第7の構成〜第14
の構成のいずれか1つの構成のバラスト軌道強化構造で
ある。
【0022】第16の構成は、上向きコの字形アンカー
の立ち上り部分とまくらぎ側面との間の間隙下方に設け
られたアンカーの変形を防止するアンカー角部固定部材
を設けたことを特徴とする第7の構成〜第15の構成の
いずれか1つの構成のバラスト軌道強化構造である。
の立ち上り部分とまくらぎ側面との間の間隙下方に設け
られたアンカーの変形を防止するアンカー角部固定部材
を設けたことを特徴とする第7の構成〜第15の構成の
いずれか1つの構成のバラスト軌道強化構造である。
【0023】第17の構成は、両側のバラスト止めの内
壁のまくらぎ断面投影部分に弾力性のある緩衝材を取り
付けたことを特徴とする第7の構成〜第16の構成のい
ずれか1つの構成のバラスト軌道強化構造である。
壁のまくらぎ断面投影部分に弾力性のある緩衝材を取り
付けたことを特徴とする第7の構成〜第16の構成のい
ずれか1つの構成のバラスト軌道強化構造である。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、バラスト
止めのない場合とバラスト止めを設けた場合の2つに大
別される。バラスト止めのない場合の基本構成は第1の
構成であり、第2の構成〜第6の構成は基本構成である
第1の構成を維持しつつ種々の工夫を施したものであ
る。バラスト止めを設けた場合の基本構成は第7の構成
であり、第8の構成〜第17の構成は、基本構成である
第7の構成を維持しつつ、バラスト止めのない場合の第
2の構成〜第6の構成と同様の工夫およびバラスト止め
を設けた場合の特有の種々の工夫を施したものである。
止めのない場合とバラスト止めを設けた場合の2つに大
別される。バラスト止めのない場合の基本構成は第1の
構成であり、第2の構成〜第6の構成は基本構成である
第1の構成を維持しつつ種々の工夫を施したものであ
る。バラスト止めを設けた場合の基本構成は第7の構成
であり、第8の構成〜第17の構成は、基本構成である
第7の構成を維持しつつ、バラスト止めのない場合の第
2の構成〜第6の構成と同様の工夫およびバラスト止め
を設けた場合の特有の種々の工夫を施したものである。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施の形態を実施例を用いて
図面を参照しつつ説明する。図1は第1の構成の実施例
を示す図である。(a)は(b)のA−A断面図であ
り、(b)は軌道を上から見た平面図である。但しバラ
ストは省略してある。(c)は(b)のB−B断面図で
ある。路盤6上に敷設されたバラスト軌道において、バ
ラスト3上のまくらぎ4間に剛な板1を設置し、図の
(c)に見られるようにまくらぎ4の下面に接するよう
にして通した上向きコの字形のアンカー2によって剛な
板1を連結している。剛な板1の幅は図1のように必ず
しもまくらぎの長さと一致させる必要はなく、まくらぎ
4の長さより短くともまた長くともよい。更にまくらぎ
4の両側部分周囲に渡るものであってもよい。
図面を参照しつつ説明する。図1は第1の構成の実施例
を示す図である。(a)は(b)のA−A断面図であ
り、(b)は軌道を上から見た平面図である。但しバラ
ストは省略してある。(c)は(b)のB−B断面図で
ある。路盤6上に敷設されたバラスト軌道において、バ
ラスト3上のまくらぎ4間に剛な板1を設置し、図の
(c)に見られるようにまくらぎ4の下面に接するよう
にして通した上向きコの字形のアンカー2によって剛な
板1を連結している。剛な板1の幅は図1のように必ず
しもまくらぎの長さと一致させる必要はなく、まくらぎ
4の長さより短くともまた長くともよい。更にまくらぎ
4の両側部分周囲に渡るものであってもよい。
【0026】このような構造となっているので、列車走
行時において、まくらぎ4にかかる列車荷重の一部はア
ンカー2にかかり、アンカー2を介してまくらぎ4の前
後の剛な板1にかかる。剛な板1は前後のまくらぎ4か
らこのような力を受けこの力は剛な板1の面に分散して
バラスト3の上面にかかることとなる。こうして、列車
荷重をまくらぎ4と剛な板1に分散してバラストに広く
荷重がかかるようになる。
行時において、まくらぎ4にかかる列車荷重の一部はア
ンカー2にかかり、アンカー2を介してまくらぎ4の前
後の剛な板1にかかる。剛な板1は前後のまくらぎ4か
らこのような力を受けこの力は剛な板1の面に分散して
バラスト3の上面にかかることとなる。こうして、列車
荷重をまくらぎ4と剛な板1に分散してバラストに広く
荷重がかかるようになる。
【0027】また、従来のように列車荷重をまくらぎだ
けで受けこれをバラストに分散していた場合に較べ、剛
な板1のような広い面を介してバラストに分散している
ためバラスト積みの塑性的な変形ひいては軌道そのもの
の塑性変形を格段に小さくすることができる。また、バ
ラスト3の上面が剛な板1によって覆われているから列
車高速走行時のバラスト表面部分のバラスト粒の移動・
飛散をほぼ完璧に防止することができる。本実施例で
は、剛な板1はまくらぎ4間で一枚板となっているが、
施工の便、規格の標準化等の要請からまくらぎ4の長手
方向に2分割或いは3分割というように複数に分割する
構成も行われる。これが第2の構成である。
けで受けこれをバラストに分散していた場合に較べ、剛
な板1のような広い面を介してバラストに分散している
ためバラスト積みの塑性的な変形ひいては軌道そのもの
の塑性変形を格段に小さくすることができる。また、バ
ラスト3の上面が剛な板1によって覆われているから列
車高速走行時のバラスト表面部分のバラスト粒の移動・
飛散をほぼ完璧に防止することができる。本実施例で
は、剛な板1はまくらぎ4間で一枚板となっているが、
施工の便、規格の標準化等の要請からまくらぎ4の長手
方向に2分割或いは3分割というように複数に分割する
構成も行われる。これが第2の構成である。
【0028】また本実施例では、レール5の下にも剛な
板1が敷かれているが、レール5の下には剛な板1を敷
設しない構成とすることもできる。これは既設のバラス
ト軌道に対して本発明を適用する場合に施工の手間や施
工のしにくさを避けることができるという利点がある。
これが第3の構成の実施例である。
板1が敷かれているが、レール5の下には剛な板1を敷
設しない構成とすることもできる。これは既設のバラス
ト軌道に対して本発明を適用する場合に施工の手間や施
工のしにくさを避けることができるという利点がある。
これが第3の構成の実施例である。
【0029】アンカー2と剛な板1との結合は、まくら
ぎにかかった荷重の適当な一部がなるべく垂直に剛な板
1にかかりさえすればよいが、本実施例では図2に示す
ように、上向きコの字形のアンカーの上端部をねじ構造
とし、剛な板1にはアンカー2の上端部が貫通する孔を
設け、アンカー2の上端部を孔の下から上へ突き出させ
て、上端ねじ部にナット7を螺合せしめて締め付ける構
造としている。
ぎにかかった荷重の適当な一部がなるべく垂直に剛な板
1にかかりさえすればよいが、本実施例では図2に示す
ように、上向きコの字形のアンカーの上端部をねじ構造
とし、剛な板1にはアンカー2の上端部が貫通する孔を
設け、アンカー2の上端部を孔の下から上へ突き出させ
て、上端ねじ部にナット7を螺合せしめて締め付ける構
造としている。
【0030】このような構造にすることにより、ナット
の締め付け程度を調整することによって、剛な板へかか
る荷重の程度を調整することができる。またバラスト3
が締まった状態でナット7を締め付けるとアンカー2を
上へ引き上げることになりその結果まくらぎ4も持ち上
げられることになりまくらぎ4上の図示されていないレ
ール5を上昇させることになる。逆にナット7を緩める
とレール5を沈下させることになる。こうしてナット7
を調整することによりレール5の高低の微調整を行うこ
とが可能となる。これが第4の構成の実施例である。
の締め付け程度を調整することによって、剛な板へかか
る荷重の程度を調整することができる。またバラスト3
が締まった状態でナット7を締め付けるとアンカー2を
上へ引き上げることになりその結果まくらぎ4も持ち上
げられることになりまくらぎ4上の図示されていないレ
ール5を上昇させることになる。逆にナット7を緩める
とレール5を沈下させることになる。こうしてナット7
を調整することによりレール5の高低の微調整を行うこ
とが可能となる。これが第4の構成の実施例である。
【0031】第5の構成は、本発明の上記各構成におい
て、バラスト部分にアスファルト乳剤或いは液状樹脂の
ような粘性のある薬液を浸透させることによりバラスト
粒同士が粘着し、列車荷重によるバラスト粒の移動を防
止しバラスト軌道の塑性変形を一層防止することができ
る。
て、バラスト部分にアスファルト乳剤或いは液状樹脂の
ような粘性のある薬液を浸透させることによりバラスト
粒同士が粘着し、列車荷重によるバラスト粒の移動を防
止しバラスト軌道の塑性変形を一層防止することができ
る。
【0032】第6の構成は、図3の(a)に示すような
まくらぎ4およびアンカー2が列車通過による繰り返し
荷重がかかると図の(b)に示すような変形を来し、剛
な板1を真下に引くべき力が斜めになって来て剛な板1
からバラスト3への荷重の分散の効率が低下するという
問題を解決するために、アンカー2の変形を防止するよ
う図の(c)に示すように、上向きコの字形のアンカー
2の立ち上り部分とまくらぎ4の側面との間の間隙の下
方部分にアンカー2の変形を防止するアンカー角部固定
部材8を設けたものである。このような部材を設けるこ
とによりアンカー2の変形を防止しアンカー2から剛な
板1への列車荷重の分散を効果的ならしむることができ
る。
まくらぎ4およびアンカー2が列車通過による繰り返し
荷重がかかると図の(b)に示すような変形を来し、剛
な板1を真下に引くべき力が斜めになって来て剛な板1
からバラスト3への荷重の分散の効率が低下するという
問題を解決するために、アンカー2の変形を防止するよ
う図の(c)に示すように、上向きコの字形のアンカー
2の立ち上り部分とまくらぎ4の側面との間の間隙の下
方部分にアンカー2の変形を防止するアンカー角部固定
部材8を設けたものである。このような部材を設けるこ
とによりアンカー2の変形を防止しアンカー2から剛な
板1への列車荷重の分散を効果的ならしむることができ
る。
【0033】図4は、鉄道線路の横断方向両外側の道床
に、鉄道線路に沿ってバラスト止めを設置した場合の基
本構成である第7の構成のうちレール5の下に剛な板を
敷設しない実施例を示す図である。この構成は、バラス
ト止め9を設けることにより、図1のバラスト3の横方
向への崩れを防止することになるので、第1の構成〜第
6の構成における列車荷重の分散、軌道の塑性的な変形
の防止およびバラスト粒の移動の防止という効果を一層
増進せしめることとなる。
に、鉄道線路に沿ってバラスト止めを設置した場合の基
本構成である第7の構成のうちレール5の下に剛な板を
敷設しない実施例を示す図である。この構成は、バラス
ト止め9を設けることにより、図1のバラスト3の横方
向への崩れを防止することになるので、第1の構成〜第
6の構成における列車荷重の分散、軌道の塑性的な変形
の防止およびバラスト粒の移動の防止という効果を一層
増進せしめることとなる。
【0034】図5は、第8の構成の実施例を示す図で、
図4の第7の構成に対し、棒状アンカー10でバラスト
止め9の基部と剛な板1とを上下に連結しバラスト止め
9に近い部分のバラスト3に予圧をかけておくことによ
りこの部分の剛な板が列車通過時に押し上げられること
を防止し、剛な板全体にかかる列車荷重のバランスがと
れるようにしたものである。
図4の第7の構成に対し、棒状アンカー10でバラスト
止め9の基部と剛な板1とを上下に連結しバラスト止め
9に近い部分のバラスト3に予圧をかけておくことによ
りこの部分の剛な板が列車通過時に押し上げられること
を防止し、剛な板全体にかかる列車荷重のバランスがと
れるようにしたものである。
【0035】図6は第9の構成の実施例を示す図で、図
5の、剛な板をまくらぎを挟んで上向きコの字形のアン
カー2によって連結される部分と、棒状アンカー10に
よってバラスト止め9の基部と連結される部分とに分割
されており、列車荷重は直接はかからないが、まくらぎ
4および上向きコの字形のアンカー2によって連結され
ている剛な板1にかかる列車荷重によってバラスト止め
9に近い部分のバラスト3のせり上りを抑える効果を有
する。
5の、剛な板をまくらぎを挟んで上向きコの字形のアン
カー2によって連結される部分と、棒状アンカー10に
よってバラスト止め9の基部と連結される部分とに分割
されており、列車荷重は直接はかからないが、まくらぎ
4および上向きコの字形のアンカー2によって連結され
ている剛な板1にかかる列車荷重によってバラスト止め
9に近い部分のバラスト3のせり上りを抑える効果を有
する。
【0036】第10の構成の実施例は、第7、8又は9
の構成において、上向きコの字形のアンカー2によって
連結されている剛な板1がまくらぎ4の長手方向におい
て2分割或いは3分割というように分割された構成で施
工の便や規格の標準化に資するところ第2の構成の実施
例と同様である。
の構成において、上向きコの字形のアンカー2によって
連結されている剛な板1がまくらぎ4の長手方向におい
て2分割或いは3分割というように分割された構成で施
工の便や規格の標準化に資するところ第2の構成の実施
例と同様である。
【0037】第11の構成の実施例は、第7、8、9又
は10の構成において、レール5の下には剛な板1を敷
設しない構成とすることにより、既設のバラスト軌道に
対して本発明を適用する場合に施工の手間や施工のしに
くさを避けることができる利点があること第3の構成の
実施例と同様である。
は10の構成において、レール5の下には剛な板1を敷
設しない構成とすることにより、既設のバラスト軌道に
対して本発明を適用する場合に施工の手間や施工のしに
くさを避けることができる利点があること第3の構成の
実施例と同様である。
【0038】第12の構成の実施例は、第7、8、9、
10又は11の構成において鉄道線路の横断方向両外側
のバラスト止め同士をタイロットにより連結拘束する構
成で、図7はその一例として図5の実施例に対しタイロ
ット11を設けた図である。図の(a)は(b)のA−
A断面図であり、(b)は上から見た平面図であり、
(c)は(b)のB−B断面図である。(a)の横方向
の点線がタイロット11を示し、(c)の黒丸がタイロ
ット11を示している。図7ではタイロットが、まくら
ぎ間1つおきに1段に設けられていることになる。
10又は11の構成において鉄道線路の横断方向両外側
のバラスト止め同士をタイロットにより連結拘束する構
成で、図7はその一例として図5の実施例に対しタイロ
ット11を設けた図である。図の(a)は(b)のA−
A断面図であり、(b)は上から見た平面図であり、
(c)は(b)のB−B断面図である。(a)の横方向
の点線がタイロット11を示し、(c)の黒丸がタイロ
ット11を示している。図7ではタイロットが、まくら
ぎ間1つおきに1段に設けられていることになる。
【0039】このように、タイロット11により両側バ
ラスト止め9同士を締結拘束することにより列車荷重に
よるバラスト止め9の外側への反りをなくすることがで
きバラスト3の塑性変形を一層少なくする効果を有す
る。タイロット11の数はバラスト止め9の構造、施工
性、経済性等できまり、図で示す数、位置に限定される
ものではない。例えば、図8のようにバラストの深部ま
で入ることもある。この場合はバラスト止めは基礎部の
ない平板の構造となる。
ラスト止め9同士を締結拘束することにより列車荷重に
よるバラスト止め9の外側への反りをなくすることがで
きバラスト3の塑性変形を一層少なくする効果を有す
る。タイロット11の数はバラスト止め9の構造、施工
性、経済性等できまり、図で示す数、位置に限定される
ものではない。例えば、図8のようにバラストの深部ま
で入ることもある。この場合はバラスト止めは基礎部の
ない平板の構造となる。
【0040】図9は第13の構成の実施例を示す図であ
る。即ち第12の構成においてバラスト止め9同士をタ
イロット11によって締結する場合のバラスト止め9と
タイロット11の連結構造の実施例である。タイロット
11の両端部をねじ構造とし、両側のバラスト止め9に
はタイロット11の両端部がそれぞれ貫通する孔を設
け、タイロット11の両端部をそれぞれ前記孔から突き
出させ両端ねじ部にナット7を螺合せしめて締め付ける
構造である。このような構成によりナットの締め具合に
よってバラスト止め9により、バラスト3を横方向から
適度な余圧を与えることができ、この結果バラストの塑
性的な変形を格段に小さくすることができる。また、列
車がレールにのっていない状態でナットをさらに締め付
ければ、バラスト止め9を介して余圧をさらに強めるこ
とになり、このためバラスト止めはレール側にわずかに
近づき、これと反対に剛な板、まくらぎはわずかに上昇
し、この結果レールは上昇する。逆にナットを緩めれば
レール5を沈下させることになる。こうしてナットを調
整することによりレール5の高低の微調整を行うことが
可能となる。
る。即ち第12の構成においてバラスト止め9同士をタ
イロット11によって締結する場合のバラスト止め9と
タイロット11の連結構造の実施例である。タイロット
11の両端部をねじ構造とし、両側のバラスト止め9に
はタイロット11の両端部がそれぞれ貫通する孔を設
け、タイロット11の両端部をそれぞれ前記孔から突き
出させ両端ねじ部にナット7を螺合せしめて締め付ける
構造である。このような構成によりナットの締め具合に
よってバラスト止め9により、バラスト3を横方向から
適度な余圧を与えることができ、この結果バラストの塑
性的な変形を格段に小さくすることができる。また、列
車がレールにのっていない状態でナットをさらに締め付
ければ、バラスト止め9を介して余圧をさらに強めるこ
とになり、このためバラスト止めはレール側にわずかに
近づき、これと反対に剛な板、まくらぎはわずかに上昇
し、この結果レールは上昇する。逆にナットを緩めれば
レール5を沈下させることになる。こうしてナットを調
整することによりレール5の高低の微調整を行うことが
可能となる。
【0041】第14の構成の実施例は、第7〜第13の
構成のいずれか1つの構成における上向きコの字形アン
カーと剛な板との連結部分に関する構成であり、その実
施例は第4の構成の実施例と同様に図2に示す通りであ
る。その作用効果は図2について述べたところと同じで
ある。
構成のいずれか1つの構成における上向きコの字形アン
カーと剛な板との連結部分に関する構成であり、その実
施例は第4の構成の実施例と同様に図2に示す通りであ
る。その作用効果は図2について述べたところと同じで
ある。
【0042】第15の構成の実施例は、第7〜第14の
構成のいずれか1つの構成においてバラスト部分に、ア
スファルト乳剤或いは液状樹脂のような粘性のある薬液
を浸透させることによりバラスト粒同士が粘着し、列車
荷重によるバラスト粒の移動を防止しバラスト軌道の塑
性変形を一層防止できること第5の構成の場合と同様で
あるが本構成においてはバラスト軌道の両側にバラスト
止めが設けられているから薬液の効果は一層発揮され
る。
構成のいずれか1つの構成においてバラスト部分に、ア
スファルト乳剤或いは液状樹脂のような粘性のある薬液
を浸透させることによりバラスト粒同士が粘着し、列車
荷重によるバラスト粒の移動を防止しバラスト軌道の塑
性変形を一層防止できること第5の構成の場合と同様で
あるが本構成においてはバラスト軌道の両側にバラスト
止めが設けられているから薬液の効果は一層発揮され
る。
【0043】第16の構成の実施例は、第7〜第15の
構成のいずれか1つの構成において、図3の(c)に示
すようなアンカー角部固定部材8を設けることにより、
アンカー2の変形を防止し、アンカー2から剛な板1へ
の列車荷重が垂直にかかるようにし、荷重の分散を効果
的ならしむるものであり、第6の構成の実施例で述べた
ところと同様である。
構成のいずれか1つの構成において、図3の(c)に示
すようなアンカー角部固定部材8を設けることにより、
アンカー2の変形を防止し、アンカー2から剛な板1へ
の列車荷重が垂直にかかるようにし、荷重の分散を効果
的ならしむるものであり、第6の構成の実施例で述べた
ところと同様である。
【0044】図10は、第17の構成の実施例を示す図
である。バラスト止め9の内側壁面で、丁度まくらぎ4
の断面が投影される位置に合成ゴム板のような緩衝材が
設けられている。これは拘束圧はバラスト全体にできる
だけ平均的に与える必要があり、タイロット11を緩め
るナット7を締めていった場合に、バラスト止め9とま
くらぎ4の間の剛な板1、あるいはバラスト3に過分に
拘束圧がかからないようにするためである。
である。バラスト止め9の内側壁面で、丁度まくらぎ4
の断面が投影される位置に合成ゴム板のような緩衝材が
設けられている。これは拘束圧はバラスト全体にできる
だけ平均的に与える必要があり、タイロット11を緩め
るナット7を締めていった場合に、バラスト止め9とま
くらぎ4の間の剛な板1、あるいはバラスト3に過分に
拘束圧がかからないようにするためである。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のバラスト
軌道強化構造においては、バラスト軌道のまくらぎ以外
のバラスト面上に剛な板を敷設し、これをまくらぎの下
をくぐらせた上向きコの字形のアンカーによって連結す
るようにしたので、列車荷重はまくらぎを介してバラス
トに伝達されるとともに、アンカーを介して剛な板に伝
達され剛な板の広い面を介してバラスト面にかかるため
に列車荷重が極めて効果的に分散してバラストにかかる
という利点がある。このようにバラストに対する列車荷
重が分散されるため従来のようにまくらぎ部分だけで列
車荷重を受けていた場合に較べ、荷重の繰り返しによっ
て生ずるバラストの塑性的変形を格段に小さくすること
ができレールのレベル不整を起こすことも格段に少なく
なり不整を直すための定期的な点検保守の工数を大幅に
節減できるという利点がある。
軌道強化構造においては、バラスト軌道のまくらぎ以外
のバラスト面上に剛な板を敷設し、これをまくらぎの下
をくぐらせた上向きコの字形のアンカーによって連結す
るようにしたので、列車荷重はまくらぎを介してバラス
トに伝達されるとともに、アンカーを介して剛な板に伝
達され剛な板の広い面を介してバラスト面にかかるため
に列車荷重が極めて効果的に分散してバラストにかかる
という利点がある。このようにバラストに対する列車荷
重が分散されるため従来のようにまくらぎ部分だけで列
車荷重を受けていた場合に較べ、荷重の繰り返しによっ
て生ずるバラストの塑性的変形を格段に小さくすること
ができレールのレベル不整を起こすことも格段に少なく
なり不整を直すための定期的な点検保守の工数を大幅に
節減できるという利点がある。
【0046】また、剛な板でバラスト表面を覆っている
ために、従来発生していた曲線軌道の横断勾配のある箇
所での高速列車走行時の振動によるバラスト移動で低い
方のレール寄りにバラストが堆積するという現象も生じ
なくなるという利点がある。さらに、剛な板で覆われて
いることにより、従来発生していた高速列車走行時発生
する風によりバラスト表面のバラスト粒が飛び散って車
両の破損を来たすという現象も発生しなくなるという利
点がある。軌道の両側にバラスト止めを設けた場合に
は、バラストの移動性が両側から一層拘束されるため塑
性変形は一層少なくなるとともに、バラスト面の露出し
ている部分が一層少なくなるので上記の各効果はより一
層発揮されることとなる。なお、上記基本構成以外の発
明の実施の各形態における効果は各実施例の説明の箇所
で述べた通りである。
ために、従来発生していた曲線軌道の横断勾配のある箇
所での高速列車走行時の振動によるバラスト移動で低い
方のレール寄りにバラストが堆積するという現象も生じ
なくなるという利点がある。さらに、剛な板で覆われて
いることにより、従来発生していた高速列車走行時発生
する風によりバラスト表面のバラスト粒が飛び散って車
両の破損を来たすという現象も発生しなくなるという利
点がある。軌道の両側にバラスト止めを設けた場合に
は、バラストの移動性が両側から一層拘束されるため塑
性変形は一層少なくなるとともに、バラスト面の露出し
ている部分が一層少なくなるので上記の各効果はより一
層発揮されることとなる。なお、上記基本構成以外の発
明の実施の各形態における効果は各実施例の説明の箇所
で述べた通りである。
【図1】本発明の第1の構成の実施例を示す図である。
【図2】アンカーと剛な板との結合構造の実施例を示す
図である。
図である。
【図3】アンカーの変形とその防止策を示す図である。
【図4】鉄道線路の横断方向両外側の道床に鉄道線路に
沿ってバラスト止めを設置した基本構成のうちレールの
下に剛な板を敷設していない実施例を示す図である。
沿ってバラスト止めを設置した基本構成のうちレールの
下に剛な板を敷設していない実施例を示す図である。
【図5】図4の構成に対し棒状アンカーでバラスト止め
の基部と剛な板との上下の連結を追加した実施例を示す
図である。
の基部と剛な板との上下の連結を追加した実施例を示す
図である。
【図6】図5の構成に対し剛な板をまくらぎを挟んで上
向きコの字形アンカーによって連結される部分と、棒状
アンカーによってバラスト止め基部と連結される部分と
に分割した実施例を示す図である。
向きコの字形アンカーによって連結される部分と、棒状
アンカーによってバラスト止め基部と連結される部分と
に分割した実施例を示す図である。
【図7】図5の実施例に対し両側のバラスト止めをタイ
ロットで締結した実施例を示す図である。
ロットで締結した実施例を示す図である。
【図8】タイロットをバラストの深部まで入れた実施例
を示す図である。
を示す図である。
【図9】タイロットとバラスト止めとの結合構造の実施
例を示す図である。
例を示す図である。
【図10】バラスト止め内側壁面の丁度まくらぎの断面
が投影される位置に緩衝材を設けた実施例を示す図であ
る。
が投影される位置に緩衝材を設けた実施例を示す図であ
る。
【図11】従来のバラスト軌道を示す図である。
1 剛な板 2 アンカー 3 バラスト 4 まくらぎ 5 レール 6 路盤 7 ナット 8 アンカー角部固定部材 9 バラスト止め 10 棒状アンカー 11 タイロット 12 緩衝材 13 バラスト止めアンカー
Claims (17)
- 【請求項1】 バラスト軌道において、バラスト上のま
くらぎ間に剛な板を設置し、まくらぎ下面に接するよう
にして通した上向きコの字形アンカーにより剛な板を連
結し、列車走行時において、まくらぎにかかる荷重の一
部をアンカーを介して剛な板に伝達し、列車荷重をまく
らぎと剛な板とで分散支持する、ことを特徴とするバラ
スト軌道強化構造。 - 【請求項2】 剛な板がまくらぎの長手方向において複
数に分割されていることを特徴とする請求項1記載のバ
ラスト軌道強化構造。 - 【請求項3】 レールの下には剛な板を配設しないこと
を特徴とする請求項1又は請求項2記載のバラスト軌道
強化構造。 - 【請求項4】 上向きコの字形アンカーと剛な板との結
合は、アンカー上端部分をねじ構造とし、剛な板には前
記アンカー上端が貫通する孔を設け、前記アンカー上端
部を前記孔の下から上へ突き出させ、上端ねじ部にナッ
トを螺合せしめて締め付ける構造であることを特徴とす
る請求項1、2又は3記載のバラスト軌道強化構造。 - 【請求項5】 バラスト部分に粘着性の薬液を浸透させ
たことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のバラ
スト軌道強化構造。 - 【請求項6】 上向きコの字形アンカーの立ち上り部分
とまくらぎ側面との間の間隙下方に設けられアンカーの
変形を防止するアンカー角部固定部材を設けたことを特
徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のバラスト
軌道強化構造。 - 【請求項7】 鉄道線路の横断方向両外側の道床に、鉄
道線路に沿ってバラスト止めを設置し、バラスト止め内
のバラスト面上のうちまくらぎ部分を除いた部分に、線
路方向長をまくらぎ位置で分割された剛な板を設置し、
まくらぎ下面に接するようにして通した上向きコの字形
アンカーにより剛な板を連結し、列車走行時にまくらぎ
にかかる荷重の一部をアンカーを介して剛な板に伝達
し、列車荷重をまくらぎと剛な板とで分散支持すること
を特徴とするバラスト軌道強化構造。 - 【請求項8】 棒状アンカーでバラスト止め基部と剛な
板とを上下に連結しバラストに予圧をかけられる構造に
したことを特徴とする請求項7記載のバラスト軌道強化
構造。 - 【請求項9】 剛な板を、まくらぎを挟んで上向きコの
字形アンカーによって連結される部分と棒状アンカーに
よってバラスト止め基部と連結される部分とに分割した
ことを特徴とする請求項8記載のバラスト軌道強化構
造。 - 【請求項10】 上向きコの字形アンカーによって連結
されている剛な板がまくらぎの長手方向において複数に
分割されていることを特徴とする請求項7、8又は9記
載のバラスト軌道強化構造。 - 【請求項11】 レールの下には剛な板を配設しないこ
とを特徴とする請求項7、8、9又は10記載のバラス
ト軌道強化構造。 - 【請求項12】 鉄道線路の横断方向両外側のバラスト
止め同士をタイロットにより連結拘束することを特徴と
する請求項7、8、9、10又は11記載のバラスト軌
道強化構造。 - 【請求項13】 タイロットの両端部をねじ構造とし、
両側のバラスト止めにはタイロットの両端部がそれぞれ
貫通する孔を設け、タイロットの両端をそれぞれ前記孔
から突き出させ両端ねじ部にナットを螺合せしめて締め
付ける構造であることを特徴とする請求項12記載のバ
ラスト軌道強化構造。 - 【請求項14】 上向きコの字形アンカーと剛な板との
結合は、前記アンカー上端部をねじ構造とし、剛な板に
は前記アンカー上端が貫通する孔を設け、前記アンカー
上端部を前記孔の下から上へ突き出させ上端ねじ部にナ
ットを螺合せしめて締め付ける構造であることを特徴と
する請求項7〜13のいずれか1項に記載のバラスト軌
道強化構造。 - 【請求項15】 バラスト部分に粘着性の薬液を浸透さ
せたことを特徴とする請求項7〜14のいずれか1項に
記載のバラスト軌道強化構造。 - 【請求項16】 上向きコの字形アンカーの立ち上り部
分とまくらぎ側面との間の間隙下方に設けられたアンカ
ーの変形を防止するアンカー角部固定部材を設けたこと
を特徴とする請求項7〜15のいずれか1項に記載のバ
ラスト軌道強化構造。 - 【請求項17】 両側のバラスト止めの内壁のまくらぎ
断面投影部分に弾力性のある緩衝材を取り付けたことを
特徴とする請求項7〜16のいずれか1項に記載のバラ
スト軌道強化構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29922095A JP2925990B2 (ja) | 1995-10-23 | 1995-10-23 | バラスト軌道強化構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29922095A JP2925990B2 (ja) | 1995-10-23 | 1995-10-23 | バラスト軌道強化構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09111704A true JPH09111704A (ja) | 1997-04-28 |
JP2925990B2 JP2925990B2 (ja) | 1999-07-28 |
Family
ID=17869714
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29922095A Expired - Fee Related JP2925990B2 (ja) | 1995-10-23 | 1995-10-23 | バラスト軌道強化構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2925990B2 (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001020202A (ja) * | 1999-07-06 | 2001-01-23 | Teito Rapid Transit Authority | まくらぎ弾性軌道装置 |
JP2001220701A (ja) * | 2000-02-09 | 2001-08-17 | Railway Technical Res Inst | プレストレスバラスト軌道構造 |
WO2008136313A1 (ja) | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Central Japan Railway Company | バラスト止め工、有道床軌道 |
JP2008291420A (ja) * | 2007-05-22 | 2008-12-04 | Railway Technical Res Inst | プレストレスバラスト軌道構造 |
US8720792B2 (en) | 2008-08-05 | 2014-05-13 | Central Japan Railway Company | Ballast retaining structure, tool jig, and bedded track |
JP2016148222A (ja) * | 2015-02-13 | 2016-08-18 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | 耐震用バラスト止め壁 |
CN105951544A (zh) * | 2016-06-30 | 2016-09-21 | 中铁六局集团天津铁路建设有限公司 | 线路横梁加固用活动支撑组件 |
JP2016191264A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | 軌道座屈防止装置及び軌道座屈防止装置を備えたバラスト軌道 |
JP2017120019A (ja) * | 2015-12-24 | 2017-07-06 | 東日本旅客鉄道株式会社 | 道床形状保持プレート、道床形状保持プレートの設置方法及び道床形状保持構造体 |
-
1995
- 1995-10-23 JP JP29922095A patent/JP2925990B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP3098348A1 (en) | 2007-04-27 | 2016-11-30 | Central Japan Railway Company | Ballast retaining structure |
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JP2017120019A (ja) * | 2015-12-24 | 2017-07-06 | 東日本旅客鉄道株式会社 | 道床形状保持プレート、道床形状保持プレートの設置方法及び道床形状保持構造体 |
CN105951544A (zh) * | 2016-06-30 | 2016-09-21 | 中铁六局集团天津铁路建设有限公司 | 线路横梁加固用活动支撑组件 |
CN105951544B (zh) * | 2016-06-30 | 2017-07-04 | 中铁六局集团天津铁路建设有限公司 | 线路横梁加固用活动支撑组件 |
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---|---|
JP2925990B2 (ja) | 1999-07-28 |
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