JPH09111317A - 銀微粉末の製造方法 - Google Patents

銀微粉末の製造方法

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JPH09111317A
JPH09111317A JP26685495A JP26685495A JPH09111317A JP H09111317 A JPH09111317 A JP H09111317A JP 26685495 A JP26685495 A JP 26685495A JP 26685495 A JP26685495 A JP 26685495A JP H09111317 A JPH09111317 A JP H09111317A
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JP
Japan
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silver
powder
formalin
solution
fine
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JP26685495A
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English (en)
Inventor
Akio Hirose
昭男 広瀬
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Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Original Assignee
Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子工業、特に銀ペーストの原料に用いられ
る微細で均一な銀微粉末の製造方法を提供する。 【構成】 硝酸銀溶液に苛性アルカリ溶液を加えて酸化
銀を生成させる工程とこれにホルマリン溶液を加えて酸
化銀を還元して銀粉末を製造する方法において、銀量に
対して苛性アルカリ量を 1.5〜 2.5当量、ホルマリン量
を 1.4〜 2.2当量投入し、還元温度を80〜 104℃にて反
応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子工業で用いら
れる銀ペーストの原料の微細で均一な銀微粉末の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より銀微粉末の製造方法として、硝
酸銀溶液に苛性ソーダを加えて酸化銀とするか、炭酸ソ
ーダを加えて炭酸銀とした後、ホルマリンかヒドラジン
にて還元を行い、銀微粉末を得ていた。
【0003】しかし、従来のこの方法では酸化銀の還元
時に一次粒子が凝集し、分散した銀微粉末が得られない
という問題があった。特に固液接触による還元反応は反
応槽内に非接触部分(デッドスペース)を形成し易く、
未反応部分を無くすために過剰のホルマリンを投入する
必要があり、この過剰のホルマリンが凝集体形成の原因
となっていた。
【0004】また、ホルマリンの反応生成物である酸
(主に炭酸、蟻酸)は一次粒子の核成長を引き起こすた
め、反応系内で苛性アルカリによる中和処理を行ってい
たが、中和処理が迅速かつ十分に行われないため、粒径
の大きな粉末が生成し、粒径の揃った均一な微粉末が得
られないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
欠点を解消し、分散した均一な銀微粉末の製造方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、硝酸銀溶液に苛性アルカリ溶液を加えて酸
化銀を生成させる工程とこれにホルマリン溶液を加えて
酸化銀を還元して銀粉末を製造する方法において、酸化
銀を還元するときの還元温度を80〜 104℃にて反応させ
副生成物を気化させることを特徴とする銀微粉末の製造
方法である。
【0007】さらに本発明の銀微粉末の製造方法は、上
記のホルマリン溶液及び苛性アルカリ溶液の添加量を銀
量に対してホルマリンを 1.4〜 2.2当量、苛性アルカリ
を1.5〜 2.5当量とすることを特徴とするものである。
【0008】本発明では、還元温度を80〜 104℃の範囲
にて反応させる必要がある。これはホルマリンの還元反
応後の反応生成物である酸、主に蟻酸を気化させ、反応
系外へ追い出すためである。酸が多量に系内に残留する
と、還元の際、銀微粉末が核成長を起こして大きな粉末
を形成し、結果的に不均一な微粉末を得る原因となる。
【0009】還元温度が 104℃以上の場合、ホルマリン
投入の際、還元反応が進行する前にホルマリンが気化
し、反応が進まないため未反応の酸化銀が残存する。還
元温度が80℃以下の場合、ホルマリンの反応生成物であ
る酸および過剰のホルマリンの気化が十分に行われず、
生成物である酸により核成長が助長され、不均一な銀微
粉末の生成となる。
【0010】さらにホルマリン量が銀量に対して 1.4〜
2.2 当量であるのは、酸およびホルマリンの気化による
ロスと還元反応が競合して進んでいるため当量以上のホ
ルマリン量が必要となるからであり、当量が 1.4当量以
下では還元が十分に進まず、未反応の酸化銀が残存す
る。一方 2.2当量以上になると過剰のホルマリンと酸が
残留するため不均一な銀粉末の生成につながる。苛性ア
ルカリの量は 1.5〜2.5 当量が好ましい。 1.5当量より
少ないと反応生成物の酸の中和が出来ずに、反応系内が
酸性雰囲気になり不均一な銀微粉末生成原因となる。
2.5当量以上の投入の場合、不必要な投入に加えて、後
の微粉末の洗浄に手間が掛かることから 2.5当量以下が
好ましい。特に、銀ペーストで用いられる銀微粉末はア
ルカリ金属の混入を嫌うことから、過剰の苛性アルカリ
を容易に洗浄するためにも 2.5当量以下が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる硝酸銀は、銀
粉末を硝酸に溶かして得るのが一般的である。得られた
硝酸銀溶液へ苛性ソーダ、苛性カリ等の苛性アルカリを
純水に溶解した溶液を添加して酸化銀を生成させた後、
80〜 104℃に保温しながらホルマリン溶液を添加するこ
とにより、銀微粉末が得られる。上記添加するホルマリ
ン溶液及び苛性アルカリの量は銀量に対してホルマリン
1.4〜 2.2当量、苛性アルカリ1.5〜 2.5当量とすると
さらに好ましい。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例と比較例について説明
する。
【0013】
【実施例1】銀粉 108g(1当量)を 130ml硝酸(62
%)で溶解した後、苛性ソーダ80g(2当量)を純水に
溶解し、 200mlとした溶液に前記硝酸銀溶液を攪拌しな
がら5分間で投入し、酸化銀を生成させた。この酸化銀
含有溶液を90℃に保温しながらホルマリン溶液(37%)
74ml(2当量)を5分間で投入した。その結果、粒度分
布が 0.8〜4μm、平均粒径が 2.5μmの均一な銀微粉
末が得られた。また、X線回折より、未還元の酸化銀は
残留していないことを確認した。エチルセルロールをタ
ーピニョールに溶解した有機ビヒクルに前記銀粉末を三
本ロール機を用いて混練し、銀ペーストを作成した。こ
のペーストについてJISK5701の方法に従ってつぶゲ
ージによる微粉末の分散を調べた結果、10μm以下の細
かい分散であることが分かった。
【0014】
【実施例2】実施例1と同様に生成した酸化銀含有溶液
を83℃に保温しながらホルマリン溶液(37%)55ml(
1.5当量)を5分間で投入した。その結果、粒度分布が
0.5〜3μm、平均粒径が 1.5μmの銀微粉末が得られ
た。また、X線回折より、未還元の酸化銀は残留してい
ないことを確認した。実施例1と同様にこの銀微粉末を
用いて、銀ペーストを作成し、つぶゲージによる微粉末
の分散を調べた結果、10μm以下の細かい分散であるこ
とが分かった。
【0015】
【従来例1】実施例1と同様に生成した酸化銀含有溶液
を40℃に保温しながらホルマリン溶液(37%)74ml(2
当量)を5分間で投入した。その結果、粒度分布が1〜
20μm、平均粒径が11μmの銀粉末が得られたが、核成
長した銀の結晶粉が多数存在し、均一な銀微粉末が得ら
れなかった。また、X線回折では未還元の酸化銀は残留
していないことを確認した。この銀微粉末を用いて、銀
ペーストを作成し、つぶゲージによる微粉末の分散を調
べた結果、25μm以下の分散であることが分かった。
【0016】
【従来例2】実施例1と同様に生成した酸化銀含有溶液
を 110℃に保温しながらホルマリン溶液(37%)74ml
(2当量)を5分間で投入した。その結果、X線回折よ
り未還元の酸化銀が多量に残留していることが分かっ
た。
【0017】
【実施例3】銀粉 108g(1当量)を 130ml硝酸(62
%)で溶解した後、苛性ソーダ65g(1.6当量)を純水
に溶解し、 200mlとした溶液に前記硝酸銀溶液を攪拌し
ながら5分間で投入し、酸化銀を生成させた。この酸化
銀含有溶液を90℃に保温しながらホルマリン溶液(37
%)55ml( 1.5当量)を5分間で投入した。その結果粒
度分布が 0.3〜24μm、平均粒径が 1.0μmの銀微粉末
が得られた。また、X線回折より、未還元の酸化銀は残
留していないことを確認した。実施例1と同様にこの銀
微粉末を用いて、銀ペーストを作成し、つぶゲージによ
る微粉末の分散を調べた結果、5μm以下の細かい分散
であることが分かった。
【0018】
【従来例3】実施例3と同様に生成した酸化銀含有溶液
を40℃に保温しながらホルマリン溶液(37%)74ml(2
当量)を5分間で投入した。その結果、粒度分布が8〜
22μm、平均粒径が15μmの銀粉末が得られたが、核成
長した銀の結晶粉が多数存在し、均一な銀微粉末は得ら
れなかった。このときの還元残液の液性は酸性になって
いた。また、X線回折では未還元の酸化銀は残留してい
ないことを確認した。この銀微粉末を用いて、銀ペース
トを作成し、つぶゲージによる微粉末の分散を調べた結
果、25μm以下の分散であることが分かった。
【0019】
【従来例4】実施例3と同様に生成した酸化銀含有溶液
を 110℃に保温しながらホルマリン溶液(37%)74ml
(2当量)を5分間で投入した。その結果、10μmの核
成長した銀の結晶粉が多数存在した。また、X線回折の
結果から未還元の酸化銀が多量に残留していることが確
認された。
【0020】
【従来例5】実施例3と同様に生成した酸化銀含有溶液
を90℃に保温しながらホルマリン溶液(37%)41ml(
1.2当量)を5分間で投入した。その結果、X線回折よ
り未還元の酸化銀が多量に残留していることが分かっ
た。
【0021】
【従来例6】実施例3と同様に生成した酸化銀含有溶液
を90℃に保温しながらホルマリン溶液(37%) 148ml
(4当量)を5分間で投入した。その結果、粒度分布が
10〜35μm、平均粒径が25μmの銀粉末が得られたが、
粒成長した銀の結晶粉が多数存在し、均一な銀粉末が得
られなかった。またX線回折では未還元の酸化銀は残留
していないことを確認した。この銀微粉末を用いて、銀
ペーストを作成し、つぶゲージによる微粉末の分散を調
べた結果、40μm以下の分散であることが分かった。
【0022】
【従来例7】銀粉 108g(1当量)を 130ml硝酸(62
%)で溶解した後、苛性ソーダ48g(1.2当量)を純水
にて溶解し、 200mlとした溶液に前記硝酸銀溶液を撹拌
しながら5分間で投入し、酸化銀を生成させた。この酸
化銀含有溶液を85℃に保温しながら、ホルマリン溶液
(37%)74ml(2当量)を5分間で投入した。その結
果、粒度分布が10〜20μm、平均粒径が12μmの銀粉末
が得られたが、核成長した銀の結晶粉が多数存在し、均
一な銀微粉末は得られなかった。このときの還元残液の
液性は酸性になっていた。また、X線回折では未還元の
酸化銀は残留していないことを確認した。この銀微粉末
を用いて銀ペーストを作成し、粒ゲージによる微粉末の
分散を調べた結果、25μm以下の分散であることが分か
った。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の銀微粉末
の製造方法は、還元反応の温度を制御し、苛性アルカリ
量およびホルマリン量を特定することにより、従来では
得られなかった均一な銀微粉末を得ることができ、この
銀微粉末を銀ペーストの原料として使用すると、特に優
れた結果が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硝酸銀溶液に苛性アルカリ溶液を加えて
    酸化銀を生成させる工程とこれにホルマリン溶液を加え
    て酸化銀を還元して銀粉末を製造する方法において、酸
    化銀を還元するときの還元温度を80〜 104℃にて反応さ
    せ副生成物を気化させることを特徴とする銀微粉末の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 上記添加するホルマリン溶液及び苛性ア
    ルカリ溶液の量を、銀量に対してホルマリンを 1.4〜
    2.2当量、苛性アルカリを 1.5〜 2.5当量とすることを
    特徴とする請求項1記載の銀微粉末の製造方法。
JP26685495A 1995-10-16 1995-10-16 銀微粉末の製造方法 Pending JPH09111317A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005041213A1 (ja) * 2003-10-27 2005-05-06 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha 導電性ペースト
WO2008143061A1 (ja) 2007-05-16 2008-11-27 Dic Corporation 銀含有ナノ構造体の製造方法及び銀含有ナノ構造体
KR20150034126A (ko) * 2012-07-24 2015-04-02 디아이씨 가부시끼가이샤 금속 나노 입자 복합체, 금속 콜로이드 용액 및 그들의 제조 방법

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