JPH09110885A - 無機粉末の被覆に適した新規シラン化合物 - Google Patents

無機粉末の被覆に適した新規シラン化合物

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JPH09110885A
JPH09110885A JP7273042A JP27304295A JPH09110885A JP H09110885 A JPH09110885 A JP H09110885A JP 7273042 A JP7273042 A JP 7273042A JP 27304295 A JP27304295 A JP 27304295A JP H09110885 A JPH09110885 A JP H09110885A
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明 西原
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Hideaki Sakurai
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式(1)または(2)で示されるスルホン
酸エステル基を含有するシラン化合物。 式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル
基、R2は炭素数1〜18のアルキル基、R3は炭素数1〜6
のアルキル基、Xは塩素または臭素、mは1〜3の整
数、nは0〜2の整数 (但し、m+n=3) である。 【効果】このシラン化合物で表面被覆された無機粉末
(例、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の微粉末) は、
固体アルキル化剤として有用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスルホン酸エステル
基を有する新規なシラン化合物と、このシラン化合物か
ら形成された被覆を表面に有する無機物質、特に無機粉
末に関する。この被覆無機粉末は、固体のアルキル化剤
として有用である。
【0002】
【従来の技術】スルホン酸のアルキルエステル、中でも
p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸のよう
な芳香族スルホン酸のアルキルエステルは、アルキル化
剤として重要な試薬であり、しばしば有機合成に利用さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】スルホン酸アルキルエ
ステルをアルキル化剤として利用する場合、アルキル化
反応で副生するスルホン酸あるいはその塩を、アルキル
化生成物を含む反応液から分離する必要がある。しか
し、一般に有機スルホン酸類は、アルキル化反応に用い
る有機溶媒に対する溶解度が高く、かつ界面活性剤的な
性質を示すことにより、反応液からの分離が難しいとい
う問題点があった。
【0004】本発明の目的は、上記問題点を解消するた
めに、アルキル化反応後に反応液から濾過等により容易
に分離できる固体アルキル化剤を提供することである。
本発明の別の目的は、この固体アルキル化剤の製造に使
用するための新規なシラン化合物を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スルホン
酸エステル基を含有する新規なアルコキシシラン化合物
により無機粉末を被覆して得た粉末が、有機溶媒に不溶
の固体アルキル化剤として有用であり、アルキル化反応
後も反応液から容易に分離できることを見出し、本発明
を完成させた。
【0006】ここに、本発明は下記〈1〉〜〈3〉を要
旨とする。 〈1〉下記一般式(I)または(II)で示されるスルホン
酸エステル基を含有するシラン化合物。
【0007】 または
【0008】上記式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基
またはフェニル基、R2は炭素数1〜18のアルキル基、
R3は炭素数1〜6のアルキル基、Xは塩素または臭素、
mは1〜3の整数、nは0〜2の整数 (但し、m+n=
3) である。
【0009】〈2〉上記〈1〉記載のシラン化合物(I)
または(II)から形成された被覆を表面に有する無機粉
末。 〈3〉上記〈2〉記載の無機粉末からなる固体アルキル
化剤。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の好ましいアルコキシシラ
ン化合物は、上記一般式(II)において、R1はメチル、エ
チルまたはプロピルであり、R2は炭素数1〜8のアルキ
ル基であり、R3がメチルまたはエチルである化合物であ
る。
【0011】一般式(II)において、R1〜R3の各アルキル
基は直鎖でも分岐鎖でもよい。R1のフェニル基は、ベン
ゼン環上にハロゲン、などの置換基を有していてもよ
い。
【0012】上記一般式に示すように、本発明のアルコ
キシシラン化合物は、末端官能基であるスルホン酸アル
キルエステル基がアルキレン鎖を介してアルコキシシリ
ル基(ケイ素にアルコキシル基1〜3個とアルキル基0
〜2個が結合した基) に結合した、シランカップリング
剤に類似した化学構造を有する。
【0013】本発明のシラン化合物は、公知の化学反応
を利用して合成することができ、合成方法は特に制限さ
れない。例えば、一般式(I) の化合物は、次の式Aに示
すように、出発物質のアリルスルホニルクロライドをエ
ステル化し、得られたアリルスルホン酸エステルをトリ
クロロシランまたはアルキルクロロシランと反応させて
得られ、さらにクロロシリル基をアルコキシ化する方法
により一般式(II)の化合物を合成できる。また、一般
式(II)においてR1基とR3基が同じアルキル基である場
合には、式Bに示すように、アリルスルホニルクロライ
ドとトリクロロシランまたはアルキルクロロシランとを
直接反応させ、次いでクロロシリル基のアルコキシ化と
同時に末端のスルホニルクロライド基をエステル化する
方法により合成できる。以上の化合物のハロゲンは、塩
素のみならず臭素であってもよい。
【0014】 式A CH2=CHCH2SO2Cl + ROH → CH2=CHCH2SO3R + HCl CH2=CHCH2SO3R + HSiX3 → X3Si(CH2)3SO3R 式B CH2=CHCH2SO2Cl + HSiCl3 → Cl3Si(CH2)3SO2Cl Cl3Si(CH2)3SO2Cl + 4ROH → (RO)3Si(CH2)3SO3R + 4HCl
【0015】トリクロロシランまたはアルキルクロロシ
ラン[HSi(Cl)m(R2)n] の付加反応は、一般に塩化白金酸
等の触媒を必要とする。また、クロロシリル基のアルコ
キシ化反応およびスルホニルクロライド基のエステル化
は、対応するアルコールまたは金属アルコキシドを反応
させることにより行われる。アルコールを反応させる場
合には、副生する塩化水素を除去するために、環式アミ
ン等の酸捕捉剤と有機溶媒の存在下で反応を行う。使用
するアルコールや溶媒に水分が混入すると、生成物の分
解または縮合等を生じるので、十分に脱水したものを用
いることが好ましい。脱水剤は特に限定されないが、一
般にモレキュラーシーブスが脱水能力の高さから好まし
い。有機溶媒としてはエーテルなどの溶媒が適当であ
る。
【0016】以上のいずれの反応も、反応温度は特に限
定されないが、通常は室温から溶媒の沸点までの温度範
囲で行われる。反応終了後、生成物の単離・精製は、常
法に従って、蒸留、抽出、濾過 (例、副生したアミンの
ハロゲン化水素酸塩の分離)などにより実施される。
【0017】本発明のスルホン酸エステル基を有するア
ルコキシシラン化合物を、無機粉末の表面処理に使用す
ると、従来のシランカップリング剤と同様に、アルコキ
シシリル基が無機粉末の表面に存在する水酸基と相互作
用し、水分 (例、大気中の湿気) の存在下でアルコキシ
ル基が加水分解してヒドロキシル基になり、このヒドロ
キシル基が無機粉末の表面の水酸基と縮合反応すること
により、上記アルコキシシラン化合物が無機粉末の表面
に結合する。この結合は、表面処理後に加熱することに
よってより強固となる。
【0018】このようにして無機粉末が本発明のアルコ
キシシラン化合物で被覆されると、分子の他端に結合し
ているスルホン酸エステル基が被覆の表層側に存在する
ようになる。即ち、粉末の表面に多数のスルホン酸エス
テル基 (より詳しくはアルキルスルホン酸エステル基)
が存在し、このスルホン酸エステル基が粉末に強固に固
定されている。この構造により、この粉末は固体アルキ
ル化剤として機能する。
【0019】表面処理に用いる無機粉末の種類は特に制
限されない。例えば、シリカ、酸化チタン (チタニア)
、アルミナ、酸化亜鉛などの金属酸化物、2種以上の
金属を含む複合金属酸化物 (各種ケイ酸塩鉱物を含む)
、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、硫化亜鉛等
の硫化物、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムなどの不溶
性金属塩などが例示されるが、これら以外のものも使用
可能である。無機粉末の平均粒径も特に限定されない
が、0.01〜1μmの範囲が好ましい。なお、比表面積が
大きいことから、表面処理には粉末を使用することが適
当であるが、繊維状などの他の形態の無機物質も使用可
能であることはいうまでもない。また、表面に水酸基を
有していれば有機粉末も使用できる。そのような有機粉
末の例としては、セルロース、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂等の粉末が挙げられる。ただし、ここでは、表面
処理に用いる材料を無機粉末で代表させて説明する。
【0020】無機粉末の表面処理は湿式と乾式のいずれ
も可能である。湿式の表面処理は、本発明のアルコキシ
シラン化合物を適当な溶媒に溶解した溶液に無機粉末を
浸漬し、次いで過剰の溶媒を留去することにより実施で
きる。乾式の表面処理は、例えば、無機粉末を攪拌して
浮遊状態にさせ、これに本発明のアルコキシシラン化合
物を適当な溶媒に溶解した溶液を滴下または噴霧するこ
とにより実施できる。いずれの場合も、このアルコキシ
シラン化合物を無機物質と強固に結合させるため、表面
処理後に加熱することが好ましい。
【0021】この加熱の温度と時間は、使用した溶媒が
完全に除去され、アルコキシシラン化合物が無機粉末と
強固に結合し、かつスルホン酸エステル結合が安定に存
在するように設定すればよく、特に限定されないが、一
般には40〜80℃の温度範囲が好ましい。加熱時のアルコ
キシシラン化合物の酸化を防止するため、加熱は不活性
ガス (例、窒素、アルゴン、ヘリウムなど) 雰囲気中で
行うことが好ましい。
【0022】無機物質の表面に被覆すべき上記アルコキ
シシラン化合物の量は、アルキル化剤として必要な量の
スルホン酸エステル基が表面に結合される限り特に制限
されないが、粉末重量の1〜60重量%、特に5〜40重量
%の範囲が好ましい。1重量%未満であると、表面の被
覆量が少なく、アルキル化剤として十分に機能しない。
一方、60重量%を超えると、被覆の全部が無機粉末の表
面に結合しない等の問題が生じる恐れがある。
【0023】このようにして一般式(I)または(II)で
示されるシラン化合物で表面処理された無機粉末は、そ
の表面に多数のスルホン酸エステル基を有しているた
め、固体アルキル化剤として使用できる。アルキル化反
応は、アルキル化される原料(例、有機一級または二級
アミン等) を溶解した溶液中で、このアルキル化剤の粉
末を、必要により加熱下に攪拌することにより行われ
る。反応により粉末に結合したスルホン酸エステル基は
遊離のスルホン酸基 (−SO3H基) に変化するが、このス
ルホン酸基も粉末に結合されているため、溶液 (反応
液) 中に溶解しない。従って、反応後は、未反応および
反応したアルキル化剤を濾過等により反応液から容易に
分離・回収できる。また、回収されたアルキル化剤の粉
末は、これをアルコールまたは金属アルコキシドと反応
させてエステル化することにより再生できる。
【0024】以上の作用を有する化合物は、アリルスル
ホン酸エステル型化合物以外でも、同様に合成すること
が可能である。その例として、ビニルスルホン酸エステ
ルや、2−ブテンスルホン酸エステル等から誘導される
次のような化合物がある。
【0025】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0026】(実施例1) Cl3Si(CH2)3SO3CH(CH3)2 の合成 機械攪拌装置、温度計、還流器、滴下ロートを備えた1
l三口フラスコに、ピリジン79g、イソプロピルアルコ
ール39.7g、ジイソプロピルエーテル500 mlを入れ、30
℃以下に冷却しながら滴下ロートよりアリルスルホニル
クロライド46.8gを30分かけて滴下した。滴下終了後、
50℃に加温してさらに2時間攪拌した。攪拌終了後、反
応液を濾過し、ついで希塩酸で洗浄し、ついで水で数回
洗浄分液を繰り返した後、無水硫酸ナトリウムを入れ一
晩放置した。次いで濾過後、過剰のジイソプロピルエー
テルを減圧留去した後、減圧蒸留してアリルスルホン酸
イソプロピルエステル CH2=CHCH2SO3CH(CH3)2 の無色透
明液体42.6gを得た (収率78%, b.p. 101℃/9mmHg)
【0027】次いで、磁気攪拌装置、温度計、滴下ロー
ト、還流器を備えた50 ml 三口フラスコに、上記油状生
成物6.0 gを入れ、室温にて2時間窒素を吹き込んだ。
次いで、塩化白金酸5 mg を加え、45℃に加熱した後、
滴下ロートからトリクロロシラン[HSiCl3] 5.5gを45〜
70℃の温度範囲で1時間かけて滴下した。滴下終了後、
50℃で2時間攪拌し、イソプロポキシスルホニルプロピ
ルトリクロロシラン[Cl3Si(CH2)3SO3CH(CH3)2] 22.9 g
を得た( 収率98%) 。この化合物の元素分析結果、IR
スペクトル(特徴的なピークのみ、以下同じ)およびN
MRスペクトルは次の通りであった。
【0028】 IR:2980〜2840, 1350 cm-1 1H-NMR:δ(ppm)=0.85(t,2H), 1.34 (d,6H), 1.90 (m,2
H), 3.03 (t,2H) 4.88(m,1H)
【0029】(実施例2) (CH3O)3Si(CH2)3SO3CH(CH3)2 の合成 機械攪拌装置、温度計、滴下ロート、還流器を備えた30
0 ml三口フラスコにメタノール10.8g、テトラヒドロフ
ラン100 ml、トリエチルアミン22.6gを入れ、これに実
施例1で得たCl3Si(CH2)3SO3CH(CH3)2 10.7 gをテトラ
ヒドロフラン100 mlに溶解した溶液を氷水で冷却しなが
ら30℃以下の温度で1時間かけて滴下した。滴下終了
後、さらに50℃で3時間攪拌した。次に生成した塩を濾
過で分離し後、減圧下で過剰のテトラヒドロフラン、メ
タノールおよびトリエチルアミンを留去した。残液をジ
イソプロピルエーテル100mlに溶解し、粉末状活性炭1.0
gを加え室温で3時間撹拌して脱色、濾過した後、過
剰のジイソプロピルエーテルを減圧留去して、表記化合
物 (イソプロポキシスルホニルプロピルトリメトキシシ
ラン) 8.0 gを得た (収率75%) 。
【0030】(CH3O)3Si(CH2)3SO3CH(CH3)2 IR:2980〜2840, 1350, 1095 cm-1 1H-NMR:δ(ppm)=0.82(t,2H), 1.37 (d,6H), 1.93 (m,2
H), 3.00 (t,2H),3.51 (s,9H), 4.91(m,1H)
【0031】(実施例3) (CH3CH2O)2(CH3)Si(CH2)3SO3CH2CH3 の合成 磁気攪拌装置、温度計、滴下ロート、還流器を備えた50
ml 三口フラスコにアリルスルホニルクロライド14.5g
を入れ、室温で20分間窒素を吹き込んだ。その後、こ
れに塩化白金酸 5 mg を加え、ついで45℃に加熱した
後、滴下ロートよりジクロロメチルシラン[H(CH3)SiC
l2] 12.0gを45〜70℃の温度範囲で1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、50℃で2時間攪拌して、クロロスルホ
ニルプロピルジクロロメチルシラン [Cl2(CH3)Si(CH2)3
SO2Cl] 25.5 gを得た (収率97%) 。
【0032】次に、機械撹拌機、還流器、温度計、滴下
ロートを備えた1l三口フラスコにエタノール55.2g、
溶媒のジイソプロピルエーテル300 ml、酸捕捉剤のピリ
ジン63.2gを入れ、これに上で得た [Cl2(CH3)Si(CH2)3
SO2Cl] 25.2 gをジイソプロピルエーテル200 mlに溶解
した溶液を氷水で冷却しながら30℃以下の温度で滴下し
た。滴下終了後、さらに50℃で2時間攪拌した後生成し
た塩を濾過で分離し、減圧下で過剰のジイソプロピルエ
ーテル、エタノールおよびピリジンを留去した。留去終
了後、残液をジエチルエーテル500 mlに溶解し、粉末状
活性炭 3.0gを加え室温で12時間撹拌して脱色、濾過
した後、過剰のジエチルエーテルを減圧留去して、表記
化合物 (エトキシスルホニルプロピルジエトキシメチル
シラン)21.4gを得た 。
【0033】(CH3CH2O)2(CH3)Si(CH2)3SO3CH2CH3 IR:2980〜2840, 1350, 1095 cm-1 1H-NMR:δ(ppm)=0.10(s,3H),0.82(t,2H), 1.35 (d,6
H), 1.91 (m,2H),3.002(t,2H), 3.79 (q,4H), 4.22 (q,
2H) 。
【0034】(実施例4) (CH3O)3Si(CH2)3SO3CH2(CH2)8CH3の合成 実施例1において、イソプロピルアルコールの代わり
に、n−デカノール(C10H21OH)62.8gを用いて同様にア
リルスルホニルクロライドをエステル化し、アリルスル
ホン酸デシルエステル[CH2=CHCH2SO3CH2(CH2)8CH3]73.5
を得、ついでこれを実施例1と同様にトリクロロシラン
と反応させてデシルオキシスルホニルプロピルトリクロ
ロシランCl3Si(CH2)3SO3CH2(CH2)8CH3を中間生成物とし
て得た。ついで、この生成物を実施例2と同様にメタノ
ールと反応させてメトキシ化し、表記化合物デシルオキ
シスルホニルプロピルトリメトキシシラン72.9gを得た
(収率 68%)。
【0035】(CH3O)3Si(CH2)3SO3CH2(CH2)8CH3 IR:2980〜2840, 1350, 1095cm--1 1H-NMR:δ(ppm)= 0.75(m,2H),0.95(t,3H), 1.21 (m,16
H), 1.95 (m,2H),3.02 (t,2H), 3.58 (s,9H) 4.20 (t,
2H) 。
【0036】(実施例5)無機物としてシリカ粉末 (アエ
ロジル#200 :日本アエロジル社製) 20gをジューサー
ミキサーに入れ、十分に攪拌しながら、これに実施例1
で得た化合物 1.5gをテトラヒドロフラン 3.0gに溶解
した溶液を1分間かけて滴下した。滴下終了後、この粉
末を1リットルセパラブルフラスコに移し、窒素気流下
で攪拌しながら60℃で2時間加熱した。 シラン化合物
により表面が被覆されたアエロジル粉末を得た。
【0037】(実施例6)処理剤として実施例2で得ら
れた化合物5.72gを用いた以外は実施例5と同様の操作
を行った。
【0038】(実施例7)無機物質として酸化チタン粉末
(p-25:日本アエロジル社製) 20g、処理剤として実施
例3で得られた処理剤8.52gを用いた以外は実施例5と
同様の操作を行い、シラン化合物により表面が被覆され
た酸化チタン粉末を得た。
【0039】(実施例8)無機物質としてアルミナ粉末
(Aluminum Oxide C:日本アエロジル社製) 20g処理剤
として実施例4で得られた処理剤3.25gを用いた以外は
実施例5と同様の操作を行い、シラン化合物により表面
が被覆されたアルミナ粉末を得た
【0040】(実施例9)機械攪拌装置、温度計、還流器
を備えた500 ml三口フラスコに実施例5で得た表面被覆
シリカ粉末5.0 g、溶媒のジイソプロピルエーテル300
ml、n−ヘキシルアミン 0.3gを入れ、溶媒還流下で5
時間加熱攪拌した。その後、濾過により粉末を分離し、
濾液のガスクロマトグラフィー分析を行った結果、n−
ヘキシルアミン量が1/4 まで減少し、N −イソプロピル
ヘキシルアミンとN,N −ジイソプロピルヘキシルアミン
が生成していることが確認された。
【0041】(実施例10)実施例6で得た表面被覆酸化チ
タン粉末を用い、実施例9と同様の操作を行った。n−
ヘキシルアミン量が1/4 まで減少し、N −イソプロピル
ヘキシルアミンとN,N −ジイソプロピルヘキシルアミン
が生成していることが確認された。
【0042】(実施例11)実施例7で得た表面被覆チタニ
ア粉末を用い、実施例9と同様の操作を行った。n−ヘ
キシルアミン量が1/4 まで減少し、N −エチルヘキシル
アミンとエチルN,N −ジエチルヘキシルアミンが生成し
ていることが確認された。
【0043】(実施例12)実施例8で得た表面被覆アルミ
ナ粉末を用い、実施例9と同様の操作を行った。n−ヘ
キシルアミン量が1/3 まで減少し、N −デシルヘキシル
アミンとN,N −デシルヘキシルアミンが生成しているこ
とが確認された。
【0044】
【発明の効果】本発明により、分子末端にスルホン酸エ
ステル基を有する新規アルコキシシラン化合物が提供さ
れ、このアルコキシシラン化合物から形成された被覆を
表面に有する無機粉末は、アルキル化反応後に反応液か
ら容易に分離できる固体アルキル化剤として有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07F 7/12 C07F 7/12 V // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 D06M 13/517 D06M 13/50

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるスルホン酸
    エステル基を含有するシラン化合物。 式中、Xは塩素、臭素、R1 は炭素数1〜3のアルキル
    基またはフェニル基、R2 は炭素数1〜18のアルキル
    基、mは1〜3の整数、nは0〜2の整数 (但し、m+
    n=3) である。
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)で示されるスルホン酸
    エステル基を含有するアルコキシシラン化合物。 式中、R1 、R2 、m、nは請求項1に同じ。R3 は炭
    素数1〜6のアルキル基である。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のシラン化合物
    から形成された被覆を表面に有する粉末または繊維。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の粉末または繊維からな
    る固体アルキル化剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100618953B1 (ko) * 2005-01-05 2006-09-01 도레이새한 주식회사 술폰산염을 포함하는 실란계 대전방지제와 이를 이용한대전방지필름
CN108390099A (zh) * 2018-05-03 2018-08-10 诺莱特电池材料(苏州)有限公司 一种锂离子电池电解液及锂离子电池

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