JPH09110705A - 耐酸性に優れた腸内有用細菌含有顆粒の製造方法 - Google Patents

耐酸性に優れた腸内有用細菌含有顆粒の製造方法

Info

Publication number
JPH09110705A
JPH09110705A JP8201641A JP20164196A JPH09110705A JP H09110705 A JPH09110705 A JP H09110705A JP 8201641 A JP8201641 A JP 8201641A JP 20164196 A JP20164196 A JP 20164196A JP H09110705 A JPH09110705 A JP H09110705A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shellac
useful
ethanol solution
bacteria
granulation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8201641A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2859216B2 (ja
Inventor
Osatake Kimura
修武 木村
Masato Ariga
正人 有賀
Shigeo Hatanaka
繁男 畑中
Kiyoko Obara
きよ子 小原
Akiko Magai
明子 真貝
Kiyoshi Mogi
清 茂木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HORIUCHI SHOKUHIN KOGYO KK
Nisshin Seifun Group Inc
Original Assignee
HORIUCHI SHOKUHIN KOGYO KK
Nisshin Seifun Group Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HORIUCHI SHOKUHIN KOGYO KK, Nisshin Seifun Group Inc filed Critical HORIUCHI SHOKUHIN KOGYO KK
Priority to JP8201641A priority Critical patent/JP2859216B2/ja
Publication of JPH09110705A publication Critical patent/JPH09110705A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2859216B2 publication Critical patent/JP2859216B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造時や保存時に高生菌数を安定的に維持
し、さらには経口投与した際にも高生菌数を維持できる
腸内有用細菌含有顆粒の製造方法。 【解決手段】 腸内有用細菌の乾燥菌末に炭酸水素ナト
リウムおよび/または炭酸マグネシウムを腸内有用細菌
の乾燥菌末重量に対し2〜12%添加し、シェラックを
含有するエタノール溶液を、造粒時の結合剤および/ま
たは造粒後の被覆剤として用いて造粒する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐酸性に優れた腸
内有用細菌含有顆粒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビフィズス菌、乳酸桿菌などの腸内有用
細菌は腸の蠕動運動を促し、ある種のビタミンを産生
し、また、大腸菌、ウェルシュ菌、バクテロイデス菌等
の有害な細菌の増殖を抑えること等が知られているが、
人間の場合、成人になるにつれ腸内細菌叢中の有用細菌
は減少する。
【0003】そこで腸内において有用細菌を増殖させる
ため、腸内有用細菌の固形製剤を経口投与することが試
みられている。このためにまず腸内有用細菌の固形製剤
を調製する必要があるが、腸内有用細菌の代表例である
ビフィズス菌は偏性嫌気性菌のために酸素の存在下で死
滅し、またpHの低い状態においても著しく生菌数が低
下する。かかる事情からビフィズス菌の乾燥菌体を製造
することは困難で、この問題を解決するために、例え
ば、ビフィズス菌培養濃厚菌液に、通常使用されている
保護剤にさらに炭酸水素ナトリウムまたは炭酸マグネシ
ウムを加えて凍結乾燥する方法(特公平4−65677
号参照)が提案されている。
【0004】しかしながらこのようにして得られた腸内
有用細菌の固形製剤であっても、通常の経口投与方法で
は胃液により多くの腸内有用細菌が死滅し腸まで到達し
ない。さらにまた、腸内有用細菌の固形製剤の製造中に
水分が存在すると腸内有用細菌は死滅してしまうことが
知られている。
【0005】これらの問題を解決するために、例えば腸
内有用細菌の菌末にシェラックを結合剤として用いて造
粒する製剤(特開昭64−66124号参照)、また、
本出願人の出願に係るカルボキシメチルセルロース、シ
ェラック等の腸溶性基材で腸内有用細菌の粉末表面が被
覆された製剤(特開平4−273823号参照)等が提
案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た特公平4−65677号の方法によってビフィズス菌
の乾燥菌体を生菌数を低下させることなく凍結乾燥によ
って製造し得るとしても、これを如何に製剤化し、かつ
経口投与した場合の胃液による有用細菌の死滅を回避し
てこれを腸まで到達させるかということが解決されるべ
き問題として残っていた。また腸内有用細菌の固形製剤
の製造方法である上記特開昭64−66124号のよう
にシェラックを単に腸内有用細菌の菌末に結合剤として
用いて造粒すると、シェラックが腸内有用細菌表面を被
覆していないために、経口投与時に胃内で腸内有用細菌
の多くが死滅してしまうという問題は依然として解決さ
れていない。 例えば、特公平4−65677号に記載
の技術はその明細書中に記載のように、人工胃液中37
℃1時間という条件での耐酸性の試験の結果、炭酸水素
ナトリウム6%添加したものでもビフィズス菌の残存率
は数%という効果しかない。また、本出願人の出願に係
る特開平4−273823号に記載の技術も、その明細
書に記載のように腸内有用細菌の残存率が11〜13%
しかなく、両者共その効果は未だ充分なものとは言えな
い。
【0007】さらにまた、湿度45%以上の高湿度の条
件下で、腸内有用細菌の固形製剤を製造または保存する
と、腸内有用細菌の活性が著しく低下することが判明
し、本出願人の上記出願は腸内有用細菌の一部を死滅さ
せることなく腸まで到達させ、また腸内有用細菌の固形
製剤の長期保存中に腸内有用細菌を死滅させることがな
い点で効果があるが、さらに、湿度45%以上の高湿度
等の悪条件下でも製造時および保存時の安定性のより高
い製剤を得ることが求められていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記の問題
を解決すべく鋭意研究の結果、腸内有用細菌含有顆粒を
製造するにあたり、腸内有用細菌の乾燥菌末に炭酸水素
ナトリウムおよび/または炭酸マグネシウムを添加し、
シェラックを含有するエタノール溶液(以下、「シェラ
ック−エタノール溶液」という)を、造粒時の結合剤お
よび/または造粒後の被覆剤として用いて造粒すること
により、製造時および保存時に腸内有用細菌の活性を安
定的に維持し、さらには経口投与しても高活性が維持さ
れる腸内有用細菌顆粒を得られることを見い出し本発明
を完成させたのである。
【0009】本発明において利用し得る腸内有用細菌と
は、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium
longum)、ビフィドバクテリウム・インファンテス(Bi
fidobacterium infantis)、ビフィドバクテリウム・ブ
レーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウ
ム・サーモフィラム(Bifidobacterium thermophilu
m)、ビフィドバクテリウム・シュードロンガム(Bifido
bacterium pseudolongum)、ビフィドバクテリウム・ア
ドレッセンテス(Bifidobacterium adolescentis)等の
ビフィズス菌;ラクトバシルス・アシドフィルス(Lact
obacillus acidophilus)、ラクトバシルス・ラクティス
(Lactobacillus lactis)、ラクトバシルス・カゼイ(Lac
tobacillus casei)、ラクトバシルス・サリバリウス(La
ctobacillussalivarius)、ラクトバシルス・ブルガリカ
ス(Lactobacillus bulgaricus)等の乳酸桿菌;または
エンテロコッカス・フェーカリス(Enterococcus faeca
lis)、エンテロコッカス・フェシゥム(Enterococcus f
aecium)等の乳酸球菌等が挙げられる。また、これら腸
内有用細菌は、一種類だけで用いても、また二種類以上
を混合して用いてもよい。
【0010】本発明によれば、これらの腸内有用細菌
は、その生菌体をスプレードライ、減圧乾燥、凍結乾燥
等により乾燥して乾燥菌末としたもの、より好ましくは
凍結乾燥により乾燥菌末としたものを用いる。そして、
これに炭酸水素ナトリウムおよび/または炭酸マグネシ
ウムを添加する。腸内有用細菌の乾燥菌末に加えられる
炭酸水素ナトリウムおよび/または炭酸マグネシウム
は、腸内有用細菌の乾燥菌末重量に対し2〜12%、好
ましく2〜10%の量である。
【0011】炭酸水素ナトリウムおよび/または炭酸マ
グネシウムは腸内有用細菌の乾燥菌末に固体の粉末とし
て添加しても、または有機溶媒中に分散させたスラリー
として添加しても良いが、スラリーとして添加する場合
には、添加後に有機溶媒の蒸発気化を行うことが必要
で、例えば腸内有用細菌含有顆粒の造粒時において、加
熱および/または減圧および/または通気等条件を勘案
して行えばよい。また、乾燥菌末に炭酸水素ナトリウム
および/または炭酸マグネシウムを添加する時期として
は、該乾燥菌末に結合剤を加える時、または加える前が
好ましい。
【0012】本発明において、腸内有用細菌の乾燥菌末
に加えられるべき炭酸水素ナトリウムまたは炭酸マグネ
シウムは、炭酸水素ナトリウムを単独で、または炭酸マ
グネシウムを単独で使用する形態の外に、この両者を併
用する形態を含むものである。
【0013】本発明の方法においてはこの腸内有用細菌
含有顆粒を製造するにあたり、腸内有用細菌の乾燥菌末
に炭酸水素ナトリウムおよび/または炭酸マグネシウム
を添加したものに、シェラック−エタノール溶液を、造
粒時の結合剤および/または造粒後の被覆剤として用い
る。この場合のシェラック−エタノール溶液中のシェラ
ックの濃度は、10〜60%の濃度で用いるのが好まし
い。10%より低い濃度では、製造された腸内有用細菌
含有顆粒が十分な量のシェラックで被覆されるために使
用するエタノール溶液の使用量が過大になり経済的では
無く、また60%より高い濃度では使用するエタノール
溶液の粘度が高すぎて腸内有用細菌含有顆粒に対する適
切な被覆ができにくい。このシェラックを溶解させるエ
タノールとしては無水エタノールが好ましい。
【0014】本発明方法において、シェラック−エタノ
ール溶液の被覆は必要に応じ、2回以上行うことができ
る。特にシェラック−エタノール溶液中のシェラックの
濃度が10〜32%である時、複数回の被覆を行うこと
が有効である。その回数は顆粒製造上のコスト等を考え
ると2回が好ましい。
【0015】シェラック−エタノール溶液が特にシェラ
ックの濃度が45%以上の高濃度であるときは、さらに
ラノリン、ミツロウ、牛脂、ナタネ油またはダイズ油の
水添硬化油、スクワラン、プロピレングリコール、マク
ロゴール、流動パラフィンまたはグリセリンモノ脂肪酸
エステル等を加えると、その粘性を低下させノズルの目
詰まりを防止する働きを持たせることができるので好ま
しい。特に好ましくはプロピレングリコール、マクロゴ
ール、流動パラフィン、ラノリンまたはグリセリンモノ
脂肪酸エステルが用いられる。
【0016】また、本発明方法において、シェラックの
濃度が50%以上であるシェラック−エタノール溶液と
プロピレングリコールおよび/またはマクロゴールの混
合液、またはシェラックの濃度が50%以上であるシェ
ラック−エタノール溶液と流動パラフィンの混合液を造
粒時の結合剤および/または造粒後の被覆剤として用い
ると、湿度が45%以上の高湿度等の悪条件下であって
も、本発明の顆粒の製造時および保存時の安定性の向
上、より一層の耐酸性の向上に有効である。この際、シ
ェラック−エタノール溶液のシェラックの濃度は当初か
ら50%以上であることが好ましい。
【0017】このプロピレングリコールおよび/または
マクロゴール、または流動パラフィンは他のアルコール
などで置換されるものではなく、意外にもプロピレング
リコールおよび/またはマクロゴールとシェラック−エ
タノール溶液との組み合わせ、または流動パラフィンと
シェラック−エタノール溶液のみが効果を有する。
【0018】マクロゴールとしては室温で液体、または
50〜70℃に加温することにより液体となる半固形状
のものが好ましく、例えばマクロゴール200、マクロ
ゴール300、マクロゴール400、マクロゴール10
00、マクロゴール1500、マクロゴール1540等
が好ましい。
【0019】流動パラフィンとしては石油から得られた
液状の炭化水素類の混合物で、比重0.860〜0.89
0、粘度37センチストークス以上(37.8℃)の日
本薬局方に流動パラフィンとして掲載されたものの他
に、石油から得られた液状の炭化水素類の混合物で、比
重0.830〜0.870、粘度37センチストークス未
満(37.8℃)の日本薬局方に軽質流動パラフィンと
して掲載されたものが含まれる。
【0020】シェラック−エタノール溶液とプロピレン
グリコールおよび/またはマクロゴールとの量比として
は、シェラック−エタノール溶液70〜99容量部に対
して、プロピレングリコールおよび/またはマクロゴー
ル30〜1容量部が好ましい。しかしてシェラック−エ
タノール溶液80〜90容量部に対し、プロピレングリ
コールおよび/またはマクロゴール20〜10容量部が
より好ましい。
【0021】またシェラック−エタノール溶液と流動パ
ラフィンとの量比としては、シェラック−エタノール溶
液55〜65容量部に対して、流動パラフィン45〜3
5容量部が好ましい。しかしてシェラック−エタノール
溶液58〜60容量部に対し、流動パラフィン42〜4
0容量部がより好ましい。
【0022】また、上記混合液にさらにラノリンおよび
/またはグリセリンモノ脂肪酸エステルを加えることが
でき、その添加量は、シェラック−エタノール溶液とプ
ロピレングリコールおよび/またはマクロゴールの混合
液中にラノリンおよび/またはグリセリンモノ脂肪酸エ
ステルが1〜20容量%含まれるような量であることが
好ましいが、5〜15容量%であることがより好まし
い。また、シェラック−エタノール溶液は、結合剤また
は被覆剤として単独で用いても、また結合剤および被覆
剤として同時に用いてもよいが、同時に用いることがよ
り好ましい。
【0023】腸内有用細菌含有顆粒を製造するにあた
り、前記混合液を結合剤として用いた造粒方法および/
または顆粒への前記混合液の被覆方法は腸内有用細菌の
活性を低下させない方法であれば従来から知られている
どの様な方法でもよい。
【0024】前記造粒方法としては腸内有用細菌に圧力
や熱が過剰に加わらない方法を選択する必要があり、流
動層造粒装置を用いた流動層造粒法;スクリュー押出し
造粒機、バスケット型造粒機等を用いた押出し造粒法;
遠心転動造粒装置等を用いた転動造粒法等が好ましく、
これらの方法で造粒する際に腸内有用細菌と芯物質や賦
形剤との結合剤として、シェラック−エタノール溶液を
用いる。
【0025】また、顆粒には必要に応じて従来から知ら
れている他の添加剤、例えば崩壊剤、滑沢剤、着色剤、
矯味剤等を加えることができる。前記被覆方法に用いる
装置としてはコーティングパン、流動層コーティング装
置、遠心流動コーティング装置、攪拌造粒装置(ハイス
ピードミキサー)等が挙げられ、被覆剤として、シェラ
ック−エタノール溶液または前記混合液を用いる。
【0026】また、造粒および被覆は必要に応じて同時
に行なってもよい。同時に行なう方法としては例えば、
遠心流動コーティング装置内に乳糖等を芯物質として投
入し、これにシェラック−エタノール溶液または前記混
合液をスプレーしながら、腸内有用細菌末および炭酸水
素ナトリウムおよび/または炭酸マグネシウムを加え、
必要に応じてコーンスターチ等他の添加剤を加えながら
造粒し、シェラック−エタノール溶液または前記混合液
で被覆する。この顆粒を流動層乾燥機等で乾燥すれば、
目的の腸内有用細菌含有顆粒を得ることができる。
【0027】結合剤および/または被覆剤として用いる
シェラック−エタノール溶液または前記混合液の使用量
は、結合剤として顆粒を製するに充分な量であること、
および腸内有用細菌表面を被覆するに充分な量であるこ
とが必要であり、それらの合計の使用量が、腸内有用細
菌乾燥菌末重量に対し、50〜500%であることが好
ましく、さらには100〜350%であることがより好
ましい。本発明により得られた顆粒はさらに錠剤、カプ
セル剤などとすることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明の腸内有用細菌含有顆粒の製造方
法によれば、腸内有用細菌の生菌数は高く維持され、ま
た、保形性の良好な顆粒を得ることができる。さらには
保存時および経口投与した際にも生菌数が高く維持され
た腸内有用細菌含有顆粒を得ることができる。特に、シ
ェラックの濃度が50%以上であるシェラック−エタノ
ール溶液とプロピレングリコールおよび/またはマクロ
ゴールの混合液、またはシェラックの濃度が50%以上
であるシェラック−エタノール溶液と流動パラフィンの
混合液を用いると、通常、腸内有用細菌の活性が著しく
低下するとされている湿度45%以上の高湿度等の悪条
件下でさえも生菌数が高く維持された腸内有用細菌含有
顆粒を得ることができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、実
施例は本発明を限定するものではない。
【0030】〔実施例1〕湿度39%の条件下、ビフィ
ドバクテリウム・サーモフィラムの凍結乾燥菌末(生菌
数3.4×109個/g)に、炭酸水素ナトリウムを凍結
乾燥菌末重量に対し各々0%、1%、2%、3%、4%
および5%ずつ添加した。添加後各々の菌末に対し、シ
ェラック−エタノール溶液を造粒時の結合剤および造粒
後の被覆剤として用いて顆粒を得、試料1〜6とした。
すなわち、遠心流動コーティング装置CF−360(フ
ロイント産業社製)内において乳糖1000gを投入
し、次いでシェラックの濃度が30%であるシェラック
−エタノール溶液300gをスプレーしながら、ビフィ
ドバクテリウム・サーモフィラム凍結乾燥菌末(生菌数
3.1×109個/g)100gと、さらに炭酸水素ナト
リウムを該凍結乾燥菌末重量に対し0%、1%、2%、
3%、4%および5%の各濃度になるように添加し、コ
ーンスターチ(精製乾燥滅菌コーンスターチ;松谷化学
工業社製)190g、および二酸化ケイ素2gを投入し
て造粒し、該シェラックを含有するエタノール溶液で被
覆した。さらにシェラック濃度が25%であるシェラッ
ク−エタノール溶液250gをスプレーし、顆粒を被覆
した。この顆粒を流動層乾燥機FLO−2(フロイント
産業社製)にて乾燥し、試料1〜6とした。試料1〜6
に含まれる生菌数は、理論値、実測値共に2.1×108
個/gであった。
【0031】〔実施例2〕湿度58%の条件下、遠心流
動コーティング装置CF−360(フロイント産業社
製)内に乳糖1000gを投入し、次いでプロピレング
リコール10容量部およびラノリン5容量部およびシェ
ラックの濃度が50%であるシェラック−エタノール溶
液85容量部を混合して得られた混合液250gをスプ
レーしながら、ビフィドバクテリウム・サーモフィラム
凍結乾燥菌末(生菌数8.0×1010個/g)100g
と、さらに炭酸水素ナトリウムを該凍結乾燥菌末重量に
対し各々5%、7%および10%添加し、コーンスター
チ(精製乾燥滅菌コーンスターチ;松谷化学工業社製)
300g、および二酸化ケイ素2gを投入して造粒し、
該混合液で被覆した。この顆粒を流動層乾燥機FLO−
2(フロイント産業社製)にて乾燥し、試料7〜9とし
た。試料7〜9に含まれる生菌数は試料7では理論値
5.5×109個/g、実測値5.3×109個/g、試料
8では理論値5.5×109個/g、実測値5.4×109
個/g、試料9では理論値5.5×109個/g、実測値
5.1×109個/gであり、そして顆粒の状態はいずれ
も良好であった。
【0032】〔実施例3〕湿度54%の条件下%、炭酸
水素ナトリウムに代えて炭酸マグネシウムを該凍結乾燥
菌末重量に対し各々、3%および5%ずつ添加すること
を除いては、実施例2と同一の処理操作を繰り返して顆
粒を得、試料10および試料11とした。試料10およ
び試料11に含まれる生菌数は試料10では理論値4.
8×109個/g、実測値4.6×109個/g、試料1
1では理論値4.8×109個/g、実測値4.7×109
個/gであり、そして顆粒の状態はいずれも良好であっ
た。
【0033】〔実施例4〕湿度68%の条件下、遠心流
動コーティング装置CF−360(フロイント産業社
製)内において乳糖1000gを投入し、次いでプロピ
レングリコール10容量部およびラノリン5容量部およ
びシェラックの濃度が50%であるシェラック−エタノ
ール溶液85容量部を混合して得られた混合液250g
をスプレーしながら、炭酸水素ナトリウム3g、ビフィ
ドバクテリウム・サーモフィラム凍結乾燥菌末(生菌数
8.0×1010個/g)100g、コーンスターチ(精
製乾燥滅菌コーンスターチ;松谷化学工業社製)300
g、および二酸化ケイ素2gを投入して造粒し、該混合
液で被覆した。この顆粒を流動層乾燥機FLO−2(フ
ロイント産業社製)にて乾燥し、試料12とした。試料
12に含まれる生菌数は理論値5.5×109個/g、実
測値5.4×109個/gであった。
【0034】〔実施例5〕湿度56%の条件下、実施例
2において、混合液としてシェラックの濃度が50%で
あるシェラック−エタノール溶液90容量部およびプロ
ピレングリコール10容量部を混合して得られた混合液
244gを用いた以外は、実施例4と同様に造粒、被
覆、乾燥し、試料13とした。試料13に含まれる生菌
数は理論値4.5×109個/g、実測値4.0×109
/gであった。
【0035】〔実施例6〕湿度55%の条件下、実施例
4において、混合液としてシェラックの濃度が50%で
あるシェラック−エタノール溶液70容量部およびマク
ロゴール40030容量部を混合して得られた混合液2
65gを用い、投入した炭酸水素ナトリウムが4gであ
る以外は実施例4と同様に造粒、被覆、乾燥し、試料1
4とした。試料14に含まれる生菌数は理論値3.9×
109個/g、実測値3.3×109個/gであった。
【0036】〔実施例7〕湿度51%の条件下、実施例
4において、凍結乾燥菌末としてラクトバシルス・サリ
バリウス菌末を用い、混合液としてシェラックの濃度が
50%であるシェラック−エタノール溶液85容量部、
プロピレングリコール10容量部およびラノリン5容量
部を混合して得られた混合液250gを用いた以外は、
実施例4と同様に造粒、被覆、乾燥し、試料15とし
た。試料15に含まれる生菌数は理論値、実測値共に
3.8×108個/gであった。
【0037】〔実施例8〕湿度58%の条件下、実施例
4において、混合液としてシェラックの濃度が50%で
あるシェラック−エタノール溶液60容量部および流動
パラフィン40容量部を混合して得られた混合液250
gを用いた以外は、実施例4と同様に造粒、被覆、乾燥
し、試料16とした。試料16に含まれる生菌数は、理
論値5.4×109個/g、実測値5.2×109個/gで
あった。
【0038】〔実施例9〕湿度58%の条件下、実施例
4において、凍結乾燥菌末としてラクトバシラス・サリ
バリウス菌末100gを用い、さらに混合液としてシェ
ラックの濃度が50%であるシェラック−エタノール溶
液60容量部および流動パラフィン40容量部を混合し
て得られる混合液250gを用いた以外は、実施例4と
同様に造粒、被覆、乾燥し、試料17とした。試料17
に含まれる生菌数は、理論値3.6×108個/g、実測
値3.5×108個/gであった。
【0039】〔試験例1〕実施例1で得られた試料1〜
6を37℃30分間pH3.0の人工胃液処理を行なっ
た。試験に用いた人工胃液の組成を以下に示す。 (人工胃液組成) 酵母エキス 1.25g ペプトン 2.5 g 乳糖 0.5 g Tween80 0.5 g L−システイン 0.05g NaCl 1.0 g 蒸留水 500 g 1N塩酸 適量(pH3.0となるよう調製する) 結果は表1に示すとおりである。
【0040】
【表1】
【0041】以上の結果から解るように、炭酸水素ナト
リウムを凍結乾燥菌末重量に対し2〜5%の濃度ずつ添
加した各群において非常に高い耐酸性を示した。
【0042】〔試験例2〕実施例1〜7で得られた試料
4および7〜17を37℃で30分間、同じく1時間、
および同じく2時間にわたりpH3.0の人工胃液処理を
行なった。結果は表2に示すとおりである。
【0043】
【表2】
【0044】以上の結果から解るように、本発明により
得られた顆粒は2時間にわたる人工胃液処理においても
いずれにおいても約70%以上という非常に高い生菌数
の回収率を示し、耐酸性に優れていることが示された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/46 A61K 47/46 D (72)発明者 有賀 正人 埼玉県入間郡大井町鶴ヶ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社ファインケミカル研究 所内 (72)発明者 畑中 繁男 埼玉県入間郡大井町鶴ヶ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社創薬研究所内 (72)発明者 小原 きよ子 埼玉県入間郡大井町鶴ヶ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社創薬研究所内 (72)発明者 真貝 明子 埼玉県入間郡大井町鶴ヶ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社創薬研究所内 (72)発明者 茂木 清 東京都千代田区内神田3丁目17番4号 堀 内食品工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腸内有用細菌の乾燥菌末に炭酸水素ナト
    リウムおよび/または炭酸マグネシウムを添加し、シェ
    ラックを含有するエタノール溶液を、造粒時の結合剤お
    よび/または造粒後の被覆剤として用いて造粒すること
    を特徴とする腸内有用細菌含有顆粒の製造方法。
  2. 【請求項2】 炭酸水素ナトリウムおよび/または炭酸
    マグネシウムの添加量が腸内有用細菌の乾燥菌末重量に
    対し2〜12%である請求項1記載の有用細菌含有顆粒
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 腸内有用細菌含有顆粒を製造するにあた
    り、シェラックを50%以上の濃度で含有するエタノー
    ル溶液とプロピレングリコールおよび/またはマクロゴ
    ールの混合液、またはシェラックを50%以上の濃度で
    含有するエタノール溶液と流動パラフィンの混合液を造
    粒時の結合剤および/または造粒後の被覆剤として用い
    て造粒する請求項1および請求項2記載の腸内有用細菌
    含有顆粒の製造方法。
  4. 【請求項4】 シェラックを50%以上の濃度で含有す
    るエタノール溶液70〜99容量部とプロピレングリコ
    ールおよび/またはマクロゴール30〜1容量部の混合
    液を用いる請求項3記載の腸内有用細菌含有顆粒の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 シェラックを50%以上の濃度で含有す
    るエタノール溶液55〜65容量部と流動パラフィン4
    5〜35容量部の混合液を用いる請求項3記載の腸内有
    用細菌含有顆粒の製造方法。
  6. 【請求項6】 混合液としてさらにグリセリンモノ脂肪
    酸エステルおよび/またはラノリンを含む混合液を用い
    る請求項3ないし5記載の腸内有用細菌含有顆粒の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 シェラックを含有するエタノール溶液ま
    たは混合液の合計の使用量が、腸内有用細菌の乾燥菌末
    重量に対し50〜500%である請求項1ないし6記載
    の腸内有用細菌含有顆粒の製造方法。
JP8201641A 1995-08-10 1996-07-31 耐酸性に優れた腸内有用細菌含有顆粒の製造方法 Expired - Fee Related JP2859216B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8201641A JP2859216B2 (ja) 1995-08-10 1996-07-31 耐酸性に優れた腸内有用細菌含有顆粒の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-204344 1995-08-10
JP20434495 1995-08-10
JP8201641A JP2859216B2 (ja) 1995-08-10 1996-07-31 耐酸性に優れた腸内有用細菌含有顆粒の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09110705A true JPH09110705A (ja) 1997-04-28
JP2859216B2 JP2859216B2 (ja) 1999-02-17

Family

ID=26512903

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8201641A Expired - Fee Related JP2859216B2 (ja) 1995-08-10 1996-07-31 耐酸性に優れた腸内有用細菌含有顆粒の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2859216B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000300211A (ja) * 1999-04-21 2000-10-31 Risoo Erudesu:Kk 乳酸菌代謝生産物質配合健康食品組成物
JP2005528324A (ja) * 2001-09-28 2005-09-22 ニュートラスーティックス・インコーポレーテッド 生物体成分の送達系
KR100695244B1 (ko) * 2005-10-11 2007-03-14 경북대학교 산학협력단 생리활성물질 함유 밀가루 미세캡슐의 제조방법 및이로부터 제조된 생리활성 물질 함유 밀가루 미세캡슐
US8540980B2 (en) 2001-09-28 2013-09-24 Tntgamble, Inc. Delivery system for biological component

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MX2011002045A (es) * 2008-08-28 2011-04-21 Chr Hansen As Composicion bacteriana.

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000300211A (ja) * 1999-04-21 2000-10-31 Risoo Erudesu:Kk 乳酸菌代謝生産物質配合健康食品組成物
JP2005528324A (ja) * 2001-09-28 2005-09-22 ニュートラスーティックス・インコーポレーテッド 生物体成分の送達系
US8007777B2 (en) 2001-09-28 2011-08-30 Nutraceutix, Inc. Delivery system for biological component
US8540980B2 (en) 2001-09-28 2013-09-24 Tntgamble, Inc. Delivery system for biological component
KR100695244B1 (ko) * 2005-10-11 2007-03-14 경북대학교 산학협력단 생리활성물질 함유 밀가루 미세캡슐의 제조방법 및이로부터 제조된 생리활성 물질 함유 밀가루 미세캡슐

Also Published As

Publication number Publication date
JP2859216B2 (ja) 1999-02-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100979877B1 (ko) 생물학적 성분의 전달 시스템
US20150050245A1 (en) Methods and delivery system for beneficial additive and subtractive biological agents to promote balanced mammalian gastrointestinal flora
US9421232B2 (en) Method of preparation of compositions comprising dehydrated micro-organisms
EP3328215B1 (en) Stable dry probiotic compositions for special dietary uses
AU2002330187A1 (en) Delivery system for biological component
EP1885207A1 (en) Compositions for enteral application of microorganisms
KR20180081170A (ko) 당을 전혀 또는 거의 함유하지 않은 안정한 건조 조성물
CN108738308A (zh) 新颖的胚芽乳杆菌益生菌菌株和其组合物及其在炎症治疗中的用途
KR20240026947A (ko) 살아있는 미생물의 캡슐화
CN110193029B (zh) 益生菌的结肠靶向给药方法
JP5415232B2 (ja) 生菌製剤の製造方法
JP2859216B2 (ja) 耐酸性に優れた腸内有用細菌含有顆粒の製造方法
US6451344B1 (en) Sugar coated tablets
JP2004215561A (ja) 腸内有用菌定着増殖促進食品
JP2859217B2 (ja) 腸内有用細菌含有顆粒の製造方法
WO2020189228A1 (ja) 腸内有用菌の増殖及び有機酸産生増強剤
JP2003012526A (ja) 有用生菌内包製剤
JP2004250338A (ja) 有用生菌製剤
KR101172839B1 (ko) 코팅 유산균의 제조방법 및 상기 코팅 유산균을 포함하는 보쌈용 수육의 제조방법
JP2019116447A (ja) 固形製剤及びその製造方法
JPH07106143B2 (ja) ビフイドバクテリウム菌含有粉末の製造法
Andrusyak et al. Influence of the bee products on commercial and clinical strains of probiotic cultures
KR20180011824A (ko) 소화장관 전달효율이 증진된 경구투여용 가축용 생균제 타블렛 및 그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees