JPH07106143B2 - ビフイドバクテリウム菌含有粉末の製造法 - Google Patents
ビフイドバクテリウム菌含有粉末の製造法Info
- Publication number
- JPH07106143B2 JPH07106143B2 JP62085826A JP8582687A JPH07106143B2 JP H07106143 B2 JPH07106143 B2 JP H07106143B2 JP 62085826 A JP62085826 A JP 62085826A JP 8582687 A JP8582687 A JP 8582687A JP H07106143 B2 JPH07106143 B2 JP H07106143B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bifidobacterium
- dispersion medium
- powder
- cyclodextrin
- cells
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビフィドバクテリウム菌体をサイクロデキス
トリンを含む分散媒を用いることにより乾燥時、顆粒化
時および保存中に菌の死滅が少なく、常温で長期保存可
能なビフィドバクテリウム菌含有粉末の製造法に関す
る。
トリンを含む分散媒を用いることにより乾燥時、顆粒化
時および保存中に菌の死滅が少なく、常温で長期保存可
能なビフィドバクテリウム菌含有粉末の製造法に関す
る。
従来ビフィドバクテリウム菌の粉末を製造する場合、乾
燥粉末化または保存時の菌の死滅を抑制する目的で菌体
を種々の保護物質を含有する分散媒懸濁させてから乾燥
粉末化させる方法が知られている。
燥粉末化または保存時の菌の死滅を抑制する目的で菌体
を種々の保護物質を含有する分散媒懸濁させてから乾燥
粉末化させる方法が知られている。
例えば、醗酵乳を分散媒として用いる方法（特開昭61−
108385）、分散媒中の保護物質として生澱粉（特開昭58
−149675）、コーンステープリカー（特開昭53−10478
7）、その他アミノ酸類、ゼラチン、可溶性澱粉、アル
ギン酸、脱脂粉乳等を用いる方法、またビフィズス菌末
にラクチュロース粉末を混合する方法（特開昭52−1517
87）などが知られている。
108385）、分散媒中の保護物質として生澱粉（特開昭58
−149675）、コーンステープリカー（特開昭53−10478
7）、その他アミノ酸類、ゼラチン、可溶性澱粉、アル
ギン酸、脱脂粉乳等を用いる方法、またビフィズス菌末
にラクチュロース粉末を混合する方法（特開昭52−1517
87）などが知られている。
しかしながら醗酵乳を用いる方法はそのための培地およ
び培養がさらに必要となり、種々の保護物質を用いる方
法は、大量に使用するにはその物質が高価であったり、
嗜好性が好ましくなかったり、長期保存した場合の生菌
数が保証されないことが多く、したがって長期間安定に
多数の生菌数を含む菌粉末またはこれを利用した食品、
飼料が提供されていないのが現状である。
び培養がさらに必要となり、種々の保護物質を用いる方
法は、大量に使用するにはその物質が高価であったり、
嗜好性が好ましくなかったり、長期保存した場合の生菌
数が保証されないことが多く、したがって長期間安定に
多数の生菌数を含む菌粉末またはこれを利用した食品、
飼料が提供されていないのが現状である。
そこで本発明者らは、乾燥粉末化時および保存過程にお
けるビフィドバクテリウム菌の死滅を抑制するため種々
検討した結果、サイクロデキストリンを分散媒体の保護
剤の一つとして添加混合することにより、凍結乾燥時ま
たは噴霧乾燥時や顆粒化時さらに保存時においてもビフ
ィドバクテリウム菌の死滅を著しく抑制できることを見
出し本発明を完成した。
けるビフィドバクテリウム菌の死滅を抑制するため種々
検討した結果、サイクロデキストリンを分散媒体の保護
剤の一つとして添加混合することにより、凍結乾燥時ま
たは噴霧乾燥時や顆粒化時さらに保存時においてもビフ
ィドバクテリウム菌の死滅を著しく抑制できることを見
出し本発明を完成した。
以下、本発明を詳述する。
本発明で使用するビフィドバクテリウム菌はビフィドバ
クテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム
・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフ
ィドバクテリウム・ブレーベ等、ビフィドバクテイウム
属に属する菌株は何れも使用することができる。これら
の菌株は、ビフィドバクテリウム菌用培地で嫌気的に37
℃で17〜24時間培養される。ビフィドバクテリウム菌用
培地としては通常ビフィドバクテリウム菌用として用い
られているいかなる培地でも使用することができるが、
脱脂粉乳の酵素分解物および酵母エキスを含む液体培地
が好適である。培養終了後、遠心分離により集菌し、洗
浄を行い湿菌体を調製する。
クテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム
・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフ
ィドバクテリウム・ブレーベ等、ビフィドバクテイウム
属に属する菌株は何れも使用することができる。これら
の菌株は、ビフィドバクテリウム菌用培地で嫌気的に37
℃で17〜24時間培養される。ビフィドバクテリウム菌用
培地としては通常ビフィドバクテリウム菌用として用い
られているいかなる培地でも使用することができるが、
脱脂粉乳の酵素分解物および酵母エキスを含む液体培地
が好適である。培養終了後、遠心分離により集菌し、洗
浄を行い湿菌体を調製する。
得られた湿菌体はそのままもしくは少量のリン酸緩衝液
に懸濁させて、予め殺菌したサイクロデキストリンを含
む分散媒中に懸濁する。分散媒は主成分として脱脂粉乳
を５％〜20％（w/w）使用することが好ましく、サイク
ロデキストリンは0.5〜1.5％（w/w）程度が好ましい。
分散媒中にはその他菌末の安定性を保つためにビタミン
Ｅ、ビタミンＣ、乳タンパク分解物等を本発明の効果を
阻止しない程度に添加してもよい。さらに必要に応じ甘
味料を添加してもよい。
に懸濁させて、予め殺菌したサイクロデキストリンを含
む分散媒中に懸濁する。分散媒は主成分として脱脂粉乳
を５％〜20％（w/w）使用することが好ましく、サイク
ロデキストリンは0.5〜1.5％（w/w）程度が好ましい。
分散媒中にはその他菌末の安定性を保つためにビタミン
Ｅ、ビタミンＣ、乳タンパク分解物等を本発明の効果を
阻止しない程度に添加してもよい。さらに必要に応じ甘
味料を添加してもよい。
サイクロデキストリンとしては、α、β、γ、あるいは
これらの混合物のいずれも使用できる。サイクロデキス
トリンの使用量が湿菌体100gに対して１〜20g、好まし
くは４〜10g程度になるように湿菌体の量に応じて分散
媒の量を調整する。分散媒に入れる容器またはタンクの
気相部は滅菌から菌体の分散に至るまでN2ガスで置換し
嫌気状態にしておくことが望ましい。
これらの混合物のいずれも使用できる。サイクロデキス
トリンの使用量が湿菌体100gに対して１〜20g、好まし
くは４〜10g程度になるように湿菌体の量に応じて分散
媒の量を調整する。分散媒に入れる容器またはタンクの
気相部は滅菌から菌体の分散に至るまでN2ガスで置換し
嫌気状態にしておくことが望ましい。
湿菌体を分散媒に分散した後、凍結乾燥または噴霧乾燥
を行い、得られた乾燥物を粉砕して菌粉末とする。菌粉
末は、そのままあるいは打錠機により打錠化、または造
粒処理により造粒化し医薬品、食品または家畜飼料とし
て用いることができる。
を行い、得られた乾燥物を粉砕して菌粉末とする。菌粉
末は、そのままあるいは打錠機により打錠化、または造
粒処理により造粒化し医薬品、食品または家畜飼料とし
て用いることができる。
以下、実施例を示す。
実施例１ 20％脱脂乳の蛋白分解酵素剤（オリエンターゼ5N、阪急
共栄物産（株）製）による酵素処理溶液5.0％、酵母エ
キス1.0％、酢酸ナトリウム0.3％、硫酸アンモニウム0.
3％、リン酸１カリウム0.1％、リン酸２カリウム0.2
％、乳糖2.0％からなる溶液培地を用いて、ビフィドバ
クテリウム・インファンティスATCC15702、ビフィドバ
クテリウム・ロンガムATCC15707、およびビフィドバク
テリウム・ブレーブYIT4006（FERM BP−752）の各スタ
ーターを接種し、嫌気条件下で37℃、17時間培養した。
培養後、各培養液を遠心分離し、集菌した菌体を嫌気性
リン酸緩衝液（pH7.0）で洗浄し、これを再び遠心分
離、集菌した。
共栄物産（株）製）による酵素処理溶液5.0％、酵母エ
キス1.0％、酢酸ナトリウム0.3％、硫酸アンモニウム0.
3％、リン酸１カリウム0.1％、リン酸２カリウム0.2
％、乳糖2.0％からなる溶液培地を用いて、ビフィドバ
クテリウム・インファンティスATCC15702、ビフィドバ
クテリウム・ロンガムATCC15707、およびビフィドバク
テリウム・ブレーブYIT4006（FERM BP−752）の各スタ
ーターを接種し、嫌気条件下で37℃、17時間培養した。
培養後、各培養液を遠心分離し、集菌した菌体を嫌気性
リン酸緩衝液（pH7.0）で洗浄し、これを再び遠心分
離、集菌した。
集菌した各湿菌体100gを、第１表に示す分散倍570mlに
均一に懸濁し、凍結乾燥（−40℃、３時間凍結、25℃乾
燥）した。各菌粉末の凍結乾燥直後の1g当たりの生菌数
および生存率を第２表に示す。
均一に懸濁し、凍結乾燥（−40℃、３時間凍結、25℃乾
燥）した。各菌粉末の凍結乾燥直後の1g当たりの生菌数
および生存率を第２表に示す。
実施例２ ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC15707、ビフィド
バクテリウム・シュードロンガムATCC25526、およびビ
フィドバクテリウム・ビフィダムYIT4007（FERM BP−79
1）を実施例１と同様な方法で培養し、湿菌体100gを実
施例１と同様の分散媒570mlに懸濁し、噴霧乾燥（入口
温度105℃、出口温度75℃）した。各菌粉末の1g当たり
の生菌数および比較として凍結乾燥法による生菌数は第
３表に示す。
バクテリウム・シュードロンガムATCC25526、およびビ
フィドバクテリウム・ビフィダムYIT4007（FERM BP−79
1）を実施例１と同様な方法で培養し、湿菌体100gを実
施例１と同様の分散媒570mlに懸濁し、噴霧乾燥（入口
温度105℃、出口温度75℃）した。各菌粉末の1g当たり
の生菌数および比較として凍結乾燥法による生菌数は第
３表に示す。
試験例１ 実施例１で得られた各ビフィドバクテリウム菌粉末50g
と粉末マルチトール21g、粉末ソルビトール2g、デキス
トリン27gを混合し、約50mlの95％局方エタノールを加
え、十分混練した。混練物は直ちに、1mmステンレスス
クリーンを用いて押し出し造粒した。造粒物を減圧乾燥
用トイルに均一の厚さに展開し、棚温30℃で減圧乾燥
し、12メッシュパスから48メッシュオンのビフィドバク
テリウム菌顆粒物を得た。造粒工程における菌の生存率
は第４表に示すとおりであった。
と粉末マルチトール21g、粉末ソルビトール2g、デキス
トリン27gを混合し、約50mlの95％局方エタノールを加
え、十分混練した。混練物は直ちに、1mmステンレスス
クリーンを用いて押し出し造粒した。造粒物を減圧乾燥
用トイルに均一の厚さに展開し、棚温30℃で減圧乾燥
し、12メッシュパスから48メッシュオンのビフィドバク
テリウム菌顆粒物を得た。造粒工程における菌の生存率
は第４表に示すとおりであった。
試験例２ ビフィドバクテリウム菌として、ビフィドバクテリウム
・ブレーベYIT4006（FERM BP−752）を用いて、試験例
１と同様にしてビフィドバクテリウム菌顆粒を調製し、
30℃および37℃で保存試験を行った。対照として上述実
施例と同様にβ−サイクロデキストリンを添加しない分
散媒で粉末化した顆粒を用いた。保存中の生菌数の測定
結果を第５表に示す。この結果から本発明の方法は37℃
312カ月目においても高い生菌数を維持できることがわ
かる。
・ブレーベYIT4006（FERM BP−752）を用いて、試験例
１と同様にしてビフィドバクテリウム菌顆粒を調製し、
30℃および37℃で保存試験を行った。対照として上述実
施例と同様にβ−サイクロデキストリンを添加しない分
散媒で粉末化した顆粒を用いた。保存中の生菌数の測定
結果を第５表に示す。この結果から本発明の方法は37℃
312カ月目においても高い生菌数を維持できることがわ
かる。
〔発明の効果〕 ビフィドバクテリウム菌粉末の製造において、一般に行
われている凍結乾燥法は乾燥経費が高価になるため、医
薬用の生菌製剤や付加価値の高い健康食品などの製造に
用いられてきた。しかしながら、サイクロデキシストリ
ンを含む分散媒を用いる本発明の方法を用いると、噴霧
乾燥を行っても凍結乾燥法で製造したものと同程度の生
菌数を維持することが可能となるため、一般の食品や家
畜飼料等への利用が容易となり、本発明の経済的効果は
極めて高いと考えられる。
われている凍結乾燥法は乾燥経費が高価になるため、医
薬用の生菌製剤や付加価値の高い健康食品などの製造に
用いられてきた。しかしながら、サイクロデキシストリ
ンを含む分散媒を用いる本発明の方法を用いると、噴霧
乾燥を行っても凍結乾燥法で製造したものと同程度の生
菌数を維持することが可能となるため、一般の食品や家
畜飼料等への利用が容易となり、本発明の経済的効果は
極めて高いと考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−138385（ＪＰ，Ａ)
Claims (3)
- 【請求項１】ビフィドバクテリウム菌の湿菌体もしくは
懸濁菌体を、溶解化しているサイクロデキストリンを含
む分散媒に懸濁し、次いで乾燥粉末化することを特徴と
するビフィドバクテリウム菌含有粉末の製造法。 - 【請求項２】溶解化しているサイクロデキストリンを含
む分散媒中の該サイクロデキストリン濃度が、0.5〜1.5
％（w/w）である特許請求の範囲第１項記載のビフィド
バクテリウム菌含有粉末の製造法。 - 【請求項３】ビフィドバクテリウム菌菌体の湿重量100
部に対し、分散媒中のサイクロデキストリン重量が１〜
20部である特許請求の範囲第１項もしくは第２項記載の
ビフィドバクテリウム菌含有粉末の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62085826A JPH07106143B2 (ja) | 1987-04-09 | 1987-04-09 | ビフイドバクテリウム菌含有粉末の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62085826A JPH07106143B2 (ja) | 1987-04-09 | 1987-04-09 | ビフイドバクテリウム菌含有粉末の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63251080A JPS63251080A (ja) | 1988-10-18 |
| JPH07106143B2 true JPH07106143B2 (ja) | 1995-11-15 |
Family
ID=13869655
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62085826A Expired - Lifetime JPH07106143B2 (ja) | 1987-04-09 | 1987-04-09 | ビフイドバクテリウム菌含有粉末の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07106143B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6368591B2 (en) | 1998-05-15 | 2002-04-09 | Shanghai Sine Pharmaceutical Corporation Ltd. | Beneficial microbe composition, new protective materials for the microbes, method to prepare the same and uses thereof |
| JP4624574B2 (ja) * | 2000-05-31 | 2011-02-02 | 株式会社ヤクルト本社 | 脂質過酸化抑制剤 |
| JP2006280263A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Snow Brand Milk Prod Co Ltd | ビフィズス菌菌体粉末 |
Family Cites Families (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS53104787A (en) * | 1977-02-25 | 1978-09-12 | Yakult Honsha Kk | Production of powder of lactic acid producing bacteria or bifidobacterium germ |
| JPS5830032B2 (ja) * | 1981-02-18 | 1983-06-27 | 呉羽化学工業株式会社 | ビフイダス菌の増殖剤 |
| JPS594976A (ja) * | 1982-06-30 | 1984-01-11 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 溶接倣い制御方法 |
| JPS60255731A (ja) * | 1984-05-30 | 1985-12-17 | Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd | ビフイズス菌体顆粒の製法 |
| JPH0657084B2 (ja) * | 1984-06-19 | 1994-08-03 | ヤンマー農機株式会社 | 田植機の苗植装置 |
-
1987
- 1987-04-09 JP JP62085826A patent/JPH07106143B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63251080A (ja) | 1988-10-18 |
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