JP3478773B2 - 生菌組成物 - Google Patents

生菌組成物

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビフィズス菌等の生体
有用菌を含有する組成物及びチュアブル剤、並びにビフ
ィズス菌の増殖促進方法に関する。
【0002】
【発明の背景及び従来技術】ビフィズス菌、乳酸菌は腸
内細菌叢のいわゆる善玉菌であり、便秘、腹部膨満感の
改善等の整腸作用を有するため医薬品又は食品として飲
料や錠剤等の形態として広く服用されている。乳酸菌等
を含有した組成物としては、特開昭59−59177号
公報に、凍結乾燥された納豆菌、乳酸菌、酵母、ビタミ
ン類及び糖分が混和され固形化された食品が開示され、
また、特開昭63−63620号公報には、乳酸菌、糖
化菌及び酪酸菌を有効成分とする3種菌共生混合物が開
示されている。更に、特開平9−154535号公報に
は、納豆菌、乳酸菌、オリゴ糖、玄米からなる抗酸化性
組成物が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ビフィズス菌は経口的
に服用しても腸内に定着しにくいといわれており、服用
後腸内において増殖させることが課題となっている。ま
た、飲料としての形態は持ち運びに難点があり、錠剤は
服用時に水を必要とするという欠点があり、剤形の点か
らも更に改善の余地があった。また前述の文献には、腸
内浄化作用、整腸作用、抗酸化作用、抗潰瘍作用等を有
することが示されているが、ビフィズス菌を腸内におい
て増殖させる手段は開示されていない。本発明者は、こ
れら課題を解決すべく鋭意検討し、以下に示す手段によ
り課題を解決できることを見出し本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ビフィズス
菌、Lactobacillus gasseriに属
する乳酸菌及び納豆菌を含有する組成物又はチュアブル
剤である。本発明はまた、Lactobacillus
gasseriに属する乳酸菌及び納豆菌を配合する
ことによるビフィズス菌の増殖促進方法である。本発明
は更に、ビフィズス菌、Lactobacillusg
asseriに属する乳酸菌、納豆菌、ビタミンB2、
ビタミンB6及びビタミンCを含有する組成物又はチュ
アブル剤であり、また、Lactobacillus
gasseriに属する乳酸菌及び納豆菌に、更にビタ
ミンB2、ビタミンB6及びビタミンCを配合すること
によるビフィズス菌の増殖促進方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明におけるビフィズス菌と
は、ビフィドバクテリウム属に属する菌を意味し、例え
ばビフィダム菌、ブレーベ菌、ロンガム菌又はアンドレ
ッセンティス菌等を挙げることができ、特にBifid
obacterium longum NTが好まし
い。乳酸菌はラクトバチルス属に属する菌を意味し、例
えばカゼイ菌、アシドフィルス菌又はロイテリ菌等を挙
げることができ、特にLactobacillus g
asseri NTが好ましい。納豆菌は、バチルス属
に属する菌を意味し、例えば枯草菌、セレウス菌、納豆
菌を挙げることができ、特にBacillus nat
to NTが好ましい。本発明におけるビフィズス菌、
乳酸菌、納豆菌の含有量は、それぞれ一回に服用される
菌数では通常10〜10cfuであり、好ましくは
10〜10cfuである。重量に換算すると、一回
の服用当たり10〜200mg、好ましくは20〜15
0mgである。
【0006】本発明においては、ビフィズス菌、乳酸
菌、納豆菌のほかに更にビタミンB2、ビタミンB6及
びビタミンCを添加することができる。ビタミンB2は
リボフラビンとも呼ばれ、リン酸リボフラビン、補酵素
型リボフラビン等の種類があるが、特に遊離体が好まし
い。ビタミンB6は、ピリドキシンとも呼ばれ、ビタミ
ンCは、アスコルビン酸とも呼ばれる。本発明において
は、ビタミンB2は一回の服用当たり5〜30mg、好
ましくは10〜20mgであり、ビタミンB6は一回の
服用当たり10〜100mg、好ましくは15〜50m
gであり、ビタミンCは一回の服用当たり100〜10
00mg、好ましくは200〜500mgである。本発
明にかかる組成物又はチュアブル剤を服用すると、消化
管内においてビフィズス菌の増殖が促進され、排便促進
作用、整腸作用がもたらされるが、これらの作用が本願
発明の目的である。
【0007】本発明にかかる組成物は、例えば通常の錠
剤とするためには、乳糖、デンプン、結晶セルロース等
の賦形剤、ヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤を
混合して溶媒を用いて造粒、乾燥後、ステアリン酸等の
滑沢剤を添加して打錠し通常の錠剤を製造することがで
きる。
【0008】更に本発明は、ビフィズス菌、乳酸菌及び
納豆菌を含有するチュアブル剤、若しくはビフィズス
菌、乳酸菌、納豆菌、ビタミンB2、ビタミンB6及び
ビタミンCを含有するチュアブル剤である。本発明にか
かるチュアブル剤を製造するには、ビタミンB2、ビタ
ミンB6及びビタミンCにショ糖、マンニトール等の甘
味を有する賦形剤とヒドロキシプロピルセルロース等の
結合剤、更に必要に応じ矯味矯臭剤を混合し、溶媒を加
えて造粒、乾燥後、ビフィズス菌、乳酸菌、納豆菌、滑
沢剤を添加、打錠して得ることができる。打錠圧は一般
の錠剤を製造するよりも高くし、一般に崩壊剤を使用し
ない。チュアブル剤とは、口中において徐々に溶かすか
又はかみ砕いて服用するものであり、日本薬局方製剤総
則におけるトローチ剤と同様な製剤であるが、本発明に
かかるチュアブル剤は、口腔粘膜又は咽頭粘膜局所に対
する作用を期待するものではない。本発明にかかる組成
物又はチュアブル剤を服用すると、消化管内においてビ
フィズス菌の増殖が促進され、排便促進作用、整腸作用
がもたらされるため、本発明は、ビフィズス菌、乳酸菌
及び納豆菌を含有する排便促進剤又は整腸剤を提供し、
更に、ビフィズス菌、乳酸菌、納豆菌、ビタミンB2、
ビタミンB6及びビタミンCを含有する排便促進剤又は
整腸剤を提供するものである。
【0009】
【発明の効果】以下に、試験例により本発明の効果を説
明する。
【0010】試験例1 菌株として、ビフィズス菌(Bifidobacter
ium longum NT)、乳酸菌(Lactob
acillus gasseri NT)、納豆菌(B
acillus natto NT)及び酪酸菌(Cl
ostridium butyricumNT)を用
い、(1)ビフィズス菌と納豆菌、(2)ビフィズス菌
と乳酸菌、(3)ビフィズス菌、納豆菌と酪酸菌、
(4)ビフィズス菌、乳酸菌と納豆菌、(5)ビフィズ
ス菌、乳酸菌と酪酸菌の5種の組合わせで混合培養を行
った。接種菌数は、各菌10cfu/mLとした。培
地は、成人の腸内容物模擬培地として酢酸、プロピオン
酸、正酪酸、乳酸及びコハク酸無添加のMCM培地(牛
嶋 彊:消化管、特に小腸下部、盲腸、結腸における細
菌の共生と拮抗に関与する栄養または増殖抑制物質の働
きを検討するための半合成培地、医学と生物学、106
(4):199〜204、1983)を用いた。培養
は、窒素ガス置換し、嫌気ジャーを用いて37℃で約4
0時間行った。
【0011】ビフィズス菌菌数は、カンテン平板混釈法
により定量培養して求めた。結果を図1に示した。図1
より、本発明にかかるビフィズス菌、乳酸菌及び納豆菌
の3菌の組合わせ(4)が最もよくビフィズス菌を増殖
させることが明らかである。換言すると、乳酸菌及び納
豆菌はビフィズス菌の増殖を促進することが示された。
ビフィズス菌は腸内細菌叢における善玉菌であり、生体
が消化吸収排泄作用を順調に営む上で重要な働きをして
おり、乳酸菌及び納豆菌によりビフィズス菌の増殖が増
大したことは、本発明にかかる組成物が排便促進作用及
び整腸作用を有することを強く示唆するものである。
【0012】試験例2 ビフィズス菌(Bifidobacterium lo
ngum NT)、乳酸菌(Lactobacillu
s gasseri NT)、納豆菌(Bacillu
s natto NT)及びこれら3菌を混合した飼料
をラットに14日間給仕し、投与7日後と14日後に酸
化チタンの懸濁溶液を経口投与し、排泄時間を観察し
た。結果を表1に示した。
【0013】
【表1】
【0014】表1より、3菌を配合した飼料により飼育
されたラットは、酸化チタンの排泄時間が短縮している
ことが明らかであり、本発明にかかる組成物が排便促進
作用及び整腸作用を有していることが明らかである。
【0015】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、
本発明がこれらに限定されるわけではない。
【0016】実施例1 撹拌造粒機(ハイスピードミキサーFS−GS−25、
深江工業製)に、乳糖、エリスリトール、ヒドロキシプ
ロピルセルロースをそれぞれ下記表に示す量投入し、
3分間混合した。次に、エタノール450gを加えて練
合し、流動層造粒機(FLO−5A、フロイント産業
製)を用いて乾燥後、整粒機(パワーミル、昭和技研
製)で顆粒とした。次にビフィズス菌、乳酸菌、納豆
菌、アスパルテーム、ショ糖脂肪酸エステル、香料を表
に示す量添加後、混合機(コンテナーミキサーLM−
20、コトブキ技研製)で15分間混合後、ロータリー
式打錠機(HT−AP15SS−II、畑鐵工所製)を
用いて直径15mmの杵で圧力2500kg/cm
(全圧:4410kg)で打錠することによって約5
500個の錠剤を得た。
【0017】
【表2】
【0018】実施例2 撹拌造粒機(ハイスピードミキサーFS−GS−25、
深江工業製)に、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミ
ンC、乳糖、エリスリトール、ヒドロキシプロピルセル
ロースをそれぞれ下記表に示す量投入して、3分間混
合した。次に、エタノール450gを加えて練合し、流
動層造粒機(FLO−5A、フロイント産業製)を用い
て乾燥後、整粒機(パワーミル、昭和技研製)で顆粒と
した。次いで、ビフィズス菌、乳酸菌、納豆菌、アスパ
ルテーム、ショ糖脂肪酸エステル、香料を表に示す量
添加後、混合機(コンテナーミキサーLM−20、コト
ブキ技研製)で15分間混合後、ロータリー式打錠機
(HT−AP15SS−II、畑鐵工所製)を用いて直
径15mmの杵で圧力2500kg/cm(全圧:4
410kg)で打錠することによって約5500個の錠
剤を得た。
【0019】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 試験例1で行った培養後のビフィズス菌の菌
数を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 1/20 C12N 1/20 A E 1/38 1/38 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/28 - 1/30 A61K 35/74 C12N 1/20 C12N 1/38 JICSTファイル(JOIS)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビフィズス菌、Lactobacill
    us gasseriに属する乳酸菌及び納豆菌を含有
    する組成物。
  2. 【請求項2】 Lactobacillus gass
    eriに属する乳酸菌及び納豆菌を配合することによる
    ビフィズス菌の増殖促進方法。
  3. 【請求項3】 ビフィズス菌、Lactobacill
    us gasseriに属する乳酸菌及び納豆菌を含有
    する排便促進剤。
  4. 【請求項4】 ビフィズス菌、Lactobacill
    us gasseriに属する乳酸菌及び納豆菌を含有
    する整腸剤。
  5. 【請求項5】 ビフィズス菌、Lactobacill
    us gasseriに属する乳酸菌及び納豆菌を含有
    するチュアブル剤。
  6. 【請求項6】 ビフィズス菌、Lactobacill
    us gasseriに属する乳酸菌、納豆菌、ビタミ
    ンB2、ビタミンB6及びビタミンCを含有する組成
    物。
  7. 【請求項7】 ビフィズス菌、Lactobacill
    us gasseriに属する乳酸菌、納豆菌、ビタミ
    ンB2、ビタミンB6及びビタミンCを含有するチュア
    ブル剤。
  8. 【請求項8】 更にビタミンB2、ビタミンB6及びビ
    タミンCを配合することによる、請求項記載のビフィ
    ズス菌の増殖促進方法。
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