JPH09108327A - 救急絆創膏 - Google Patents

救急絆創膏

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JPH09108327A
JPH09108327A JP7268433A JP26843395A JPH09108327A JP H09108327 A JPH09108327 A JP H09108327A JP 7268433 A JP7268433 A JP 7268433A JP 26843395 A JP26843395 A JP 26843395A JP H09108327 A JPH09108327 A JP H09108327A
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JP
Japan
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film
resin
adhesive layer
base material
sensitive adhesive
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JP7268433A
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English (en)
Inventor
Nobuo Hanatani
信雄 花谷
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剥離紙引剥し時のカール発生を防止すること
ができる救急絆創膏を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂フィルムからなる
基材と、基材上に塗工された粘着剤層と、粘着剤層の上
に配されたガーゼを覆うように粘着剤層に積層された剥
離紙とからなる救急絆創膏において、上記基材として、
これを50%伸長し解放して5秒後の伸長回復率が90
%以上であるものを用いるか、または、上記基材が表裏
の一方にカールしており、基材のカール内面側に粘着剤
層が設けられている救急絆創膏である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材としてポリオ
レフィン系樹脂フィルムからなるものを用いた救急絆創
膏に関し、より詳細には、剥離紙引剥し時のカールの発
生を防止した救急絆創膏に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、救急絆創膏は、軟質フィルムか
らなる基材の表面に粘着剤を塗布し、得られた粘着剤層
の上にガーゼを配してこれを覆うように剥離紙を積層
し、この層状物を所定寸法に打ち抜いてさらに表裏面に
個別包装紙を重ねると共に所定寸法に切断して作製され
る(後述の実施例1において添付図1に基づいて詳しく
説明する)。
【0003】従来、救急絆創膏の基材用の軟質フィルム
としては、柔軟性、伸縮性、風合いの点から、カレンダ
ー法やゾルキャスト法により作製された可塑化ポリ塩化
ビニル(以下、可塑化PVCという)を主成分とするも
のがよく使用されてきた。
【0004】しかしながら、上記可塑化PVCフィルム
は大量の可塑剤を含むために、可塑剤がPVCフィルム
表面へブリードアウトしてフィルム基材と粘着剤層との
密着不良を引き起こしたり、フィルム基材から粘着剤層
へ可塑剤が移行し、これによ9粘着剤層の粘着力が低下
したりフィルムと粘着剤層の間の接着力が低下し、絆創
膏が剥がれ易くなる。さらに、近年は環境問題も重要と
なり、PVC廃棄物は燃焼時に塩化水素を発生させるた
め、PVCはあらゆる分野で使用を中止することが望ま
れている。
【0005】このため、近年、絆創膏基材用フィルムと
して軟質PVCフィルムに代わって、柔軟性、伸縮性を
有し、感温度性に優れるポリオレフィン系樹脂フィルム
を用いる研究が積極的に進められている。
【0006】しかし、図3に示すように、基材1 として
ポリオレフィン系樹脂フィルムを用いた絆創膏では、剥
離紙の引剥しに伴って絆創膏3 がガーゼ4 を外側にして
カール状に湾曲するという実使用上許容できない問題が
発生した。このような問題は、基材として可塑化PVC
フィルムを用いた時には起きなかったことである。
【0007】この点を改良するものとして、エンボス加
工を施したポリオレフィン系樹脂フィルムを基材として
用いた救急絆創膏が提案されている(実公平3−228
7号公報参照)。しかし、ポリオレフィン系樹脂フィル
ム基材の場合、実際にはまだ十分な湾曲防止効果が発揮
されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような実情から、ポリオレフィン系樹脂フィルムから
なる基材を用いても、PVCフィルム基材使用の場合と
同様に、剥離紙引剥し時のカール発生を防止することが
できる救急絆創膏を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
すべく工夫されたもので、請求項1記載の救急絆創膏
は、ポリオレフィン系樹脂フィルムからなる基材と、基
材上に塗工された粘着剤層と、粘着剤層の上に配された
ガーゼを覆うように粘着剤層に積層された剥離紙とから
なる救急絆創膏において、上記基材として、これを50
%伸長し解放して5秒後の伸長回復率が90%以上であ
るものを用いることを特徴とするものである。
【0010】また、請求項2記載の救急絆創膏は、ポリ
オレフィン系樹脂フィルムからなる基材と、基材上に塗
工された粘着剤層と、粘着剤層の上に配されたガーゼを
覆うように粘着剤層に積層された剥離紙とからなる救急
絆創膏において、上記基材が表裏の一方にカールしてお
り、基材のカール内面側に粘着剤層が設けられているこ
とを特徴とするものである。
【0011】請求項2記載の絆創膏において、基材のカ
ール度合いは曲率半径で0.5〜100mmの範囲であ
ることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明による救急絆
創膏において、50%伸長し解放して5秒後の伸長回復
率(フィルムを延ばした後解放した時の元の長さへの戻
り易さ)が90%以上である基材は、例えば、基材フィ
ルムの材料であるポリオレフィン系樹脂の選択、上記樹
脂の組合せの選択、積層の場合は各層の樹脂の選択、フ
ィルムの各樹脂層の厚比の選択、厚みの選択などによっ
て作製される。上記伸長回復率が90%未満であると、
剥離紙の引剥しの際に生じるフィルムの変形が元の状態
に戻りにくく、フィルム表裏の長さの差違が残り、カー
ルの発生を来たす場合がある。特に好ましい伸長回復率
は92%以上である。
【0013】請求項2記載の発明による救急絆創膏にお
いて、表裏の一方にカールした基材は、例えば以下のよ
うな方法によって得られる。
【0014】第1の方法は、基材用の複数のフィルムを
積層し、表裏非対称の積層フィルムを得る方法である。
このように複数のフィルムを表裏非対称に積層すること
によって積層フィルム成型時に応力の差が生じ、これに
よって積層フィルムがカールする。積層方法は共押出法
であっても熱ラミネート法であっても接着剤を用いた積
層法であっても、またはその他の方法であっても構わな
い。
【0015】第2の方法は、基材用のフィルムの片面に
印刷層などの樹脂層を設ける方法である。樹脂層を設け
る方法は、グラビア印刷のようにフィルムに溶液を塗布
し塗布層を乾燥させる方法や、樹脂を予め溶融しておき
この溶融液を薄膜状に塗工するホットメルト法などが挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0016】その他に、基材用のフィルムに粘着剤層を
塗工したり印刷やエンボスを施したりするときにフィル
ムに熱やテンションを掛けることによってフィルムを表
裏の一方にカールしておく方法がある。
【0017】請求項2記載の絆創膏において、基材のカ
ール度合いは曲率半径で0.5〜100mmの範囲であ
ることが好ましく、より好ましくは2.5mm〜30m
mである。曲率半径が0.5mm未満であると、カール
度合いが強すぎて剥離紙を引剥した時に基材が未だ粘着
剤層の側にカールしたままになっている場合がある。ま
た、曲率半径が100mmを越えると、剥離紙引剥し時
のカール発生が改善されない場合がある。
【0018】請求項1および2記載の発明による救急絆
創膏において、基材フィルムの材料であるポリオレフィ
ン系樹脂は特に限定されないが、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1ペンテン、1−オクテンなどのα−オレフィン
の単独重合体;エチレン−プロピレン共重合体などの上
記α−オレフィン同士の共重合体;エチレン−アクリル
酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタク
リル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン
−プロピレン−ジエン三元共重合体など上記α−オレフ
ィンと他のオレフィンとの共重合体;一つのポリオレフ
ィン系樹脂に他のポリオレフィン系樹脂をブロック、ラ
ンダムブロック、ランダム共重合したもの;ポリプロピ
レンにエチレンをアロイ化したリアクターTPOなどが
例示される。また、これらの樹脂にエチレン−プロピレ
ンラバー、SBS、SIS、SEBS、HSBRなどの
軟質ゴムを添加してもよい。
【0019】救急絆創膏の基材フィルムは、上記の樹脂
をTダイ法、インフレーション法などにより所定の厚み
に押出または共押出することによって得られる。また、
各単層を押出、熱ラミネートにより積層させてもよい。
【0020】救急絆創膏基材フィルムの厚みは、好まし
くは15〜300μmである。15μm未満の厚みで
は、絆創膏使用時の強度が不足し、300μmを越えた
厚みでは救急絆創膏としては柔軟性に欠け、その風合い
が好ましくない。特に実用的な厚みは50〜100μm
である。また、このフィルムは、無色透明であっても、
あるいは着色された透明、着色されて透明性の無いもの
などいずれでもよい。また、フィルム表面にサンドブラ
スト、絹目などのエンボス加工を施し高級感を得ること
もできる。
【0021】請求項1および2記載の発明に用いられる
粘着剤は特に限定されないが、皮膚に対して粘着力を有
し刺激の少ないタイプがよく、アクリル系粘着剤、ゴム
系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが例示される。
【0022】アクリル系粘着剤としては、特に、アルキ
ル基の炭素数2〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの単独重合体または共重合体、あるいは上記(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルとその他の官能性モノ
マーとの共重合体が好適に用いられる。
【0023】アクリル系粘着剤には、必要に応じてロジ
ン系樹脂、ポリテルペン樹脂、クマロン−インデン樹
脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂などの粘着
性付与剤を添加してもよく、また、凝集力確保のため
に、必要に応じて架橋剤を配合することもできる。
【0024】ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、スチレ
ン−イソプレン系ブロック共重合体、スチレン−ブタジ
エン系ブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリブテ
ン、ポリイソブチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
などのゴム弾性体100重量部に対し、たとえばロジン
系樹脂、ポリテルペン系樹脂、クマロン−インデン樹
脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂などの粘着
性付与剤を20〜200重量部、および必要に応じて、
液状ポリブテン、鉱油、ラノリン、液状ポリイソプレ
ン、液状ポリアクリレートなどの軟化剤:酸化チタンな
どの充填剤:ブチルヒドロキシトルエンなどの老化防止
剤などを適量添加してなるものが使用される。
【0025】スチレン−イソプレン系ブロック共重合体
およびスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体として
は、スチレン−イソプレン・ブロック共重合体、スチレ
ン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体、スチレ
ン−ブタジエン・ブロック共重合体、スチレン−ブタジ
エン−スチレン・ブロック共重合体、スチレン−エチレ
ン−ブチレン−スチレン・ブロック共重合体などのスチ
レン系熱可塑性エラストマーが例示される。
【0026】粘着性付与剤の添加量がゴム弾性体100
重量部に対し20重量部未満であると、粘着剤の内部凝
縮力が大きく粘着力が不足し、逆に200重量部を越え
ると、粘着剤の内部凝縮力が小さく粘着剤が凝集破壊を
起こす。
【0027】シリコーン系粘着剤としては、ポリジメチ
ルシロキサンなどを主成分とするものが使用される。
【0028】上記各粘着剤中には、可塑剤;充填剤;老
化防止剤などの配合剤が必要に応じて添加される。
【0029】粘着剤層の上にはガーゼを貼着してこれを
覆う剥離紙を積層し、使用時までその粘着剤層表面を保
護する。
【0030】請求項1および2記載の発明による救急絆
創膏に用いられる剥離紙の材質としては、クラフト紙、
半晒しクラフト紙,上質紙などの天然の繊維質シートに
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンを
コートしたもの、これにさらにシリコーンなどの剥離剤
を塗工したもの、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
ポリオレフィン系樹脂シートまたはポリエチレンテレフ
タレート樹脂シート、もしくはこれらにエンボス加工を
施したもの、またはシリコーンなどの剥離剤を塗工した
ものなどが例示される。
【0031】剥離紙シートに剥離剤を塗工するには、グ
ラビアコーター、ナイフコーター、メイヤーバーなどを
用いる公知の方法が適用できる。
【0032】剥離紙の厚みは100μm以下、好ましく
は5〜50μmである。
【0033】つぎに、請求項1および2記載の発明によ
る救急絆創膏の製造方法を説明する。救急絆創膏基材フ
ィルムにおいて、粘着剤を塗布すべき面に粘着剤塗工時
の表面濡れ性が38dyn/cm以上になるような条件
で、コロナ放電処理を施すかまたはアンカーコート処理
を施す。その後、粘着剤の溶液ないしは懸濁液を剥離紙
に塗布して乾燥させ、得られた粘着剤層付き剥離紙の粘
着剤層に上記フィルム処理面を重ね合わせ状に密着させ
る。または、上記フィルム処理面に粘着剤層を直接形成
し、その上に剥離紙を積層する。
【0034】こうして得られた絆創膏用原反に使用サイ
ズにスリットを入れた後、絆創膏製造機により熱ピン穿
孔加工し、粘着剤層の上にガーゼ、剥離紙を配し、上記
原反を所定寸法に打抜き、表裏面に個別包装紙を重ね
て、製品としての救急絆創膏を得る。
【0035】請求項1および2記載の発明は以上の如く
構成されているので、ポリオレフィン系樹脂フィルムか
らなる基材を用いているにも拘らず、PVCフィルム基
材使用の場合と同様に、剥離紙引剥し時のカールの発生
防止することができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0037】実施例1 超低密度ポリエチレン(東ソー社製、「ルミタック43
−1」、密度0.905g/cm3 )100重量部に、
エチレン−プロピレンラバー(JSR社製、「柔軟ゴム
EPR−EP07P」)を20重量部加え、得られた樹
脂組成物をTダイ押出法により製膜し、厚み65μmの
基材フィルムを得た。
【0038】この基材フィルムを50%伸長し解放して
5秒後の伸長回復率を測定したところ、92%であっ
た。
【0039】ついで、この基材フィルムの、粘着剤を塗
布すべき面に粘着剤塗工時の表面濡れ性が38dyn/
cm以上になるような条件で、コロナ放電処理を施し
た。
【0040】アクリル系粘着剤(綜研化学社製、「SK
ダイン1720」)に硬化剤(コロネートL)を固形分
重量比100:1.5で混合し、この混合物を乾燥厚み
が40μmになるように上記基材フィルムの上記処理面
に塗工し、塗工層を乾燥して粘着剤層を形成した。
【0041】こうして得られた絆創膏用原反から救急絆
創膏を製造する際に、上記粘着剤層の上に剥離紙を積層
した。剥離紙としては、厚さ100μmのクラフト紙に
ポリエチレンを20μm厚でコートし、その上にシリコ
ーンを塗工したものを用いた。
【0042】こうして得られた救急絆創膏の構成を図1
に示す。図1中、1 はポリオレフィン系樹脂フィルムか
らなる基材、2 は剥離紙、3 は粘着剤層、4 はガーゼで
ある。
【0043】実施例2 超低密度ポリエチレン(住友化学社製、「エスプレンS
PON0352」、密度0.905g/cm3 )100
重量部に水添スチレン−ブタジエンラバー(JSR社
製、「ダイナロンH1320P」)を25重量部加え、
得られた樹脂組成物をインフレーション押出法により製
膜し、厚み65μmの基材フィルムを得た。
【0044】この基材フィルムを50%伸長し解放して
5秒後の伸長回復率を測定したところ、91%であっ
た。
【0045】上記の点を除いて、実施例1と同様に操作
を行い、救急絆創膏を作製した。
【0046】実施例3 表層と内層の樹脂として超低密度ポリエチレン(ダウ・
ケミカル社製、「アフィニティPL1840」、密度
0.905g/cm3 )を用い、中間層の樹脂として超
低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル社製、「エンゲー
ジEG−8100」、密度0.870g/cm3 )を用
い、インフレーション共押出法により、表層と内層と中
間層からなるサンドイッチ状の積層フィルムを形成し
た。表層と内層の厚みはそれぞれ5μm、中間層の厚み
は55μm、総厚みは65μmである。
【0047】この基材フィルムを50%伸長し解放して
5秒後の伸長回復率を測定したところ、92%であっ
た。
【0048】こうして得られた積層フィルムを基材とし
て使用した以外は実施例1と同じ操作を行って救急絆創
膏を得た。
【0049】比較例1 表層と内層の樹脂として超低密度ポリエチレン(出光石
油化学社製、「モアテックV0398CN」、密度0.
905g/cm3 )を用い、中間層の樹脂として、ポリ
プロピレンにエチレンをアロイ化したリアクターTPO
(ハイモント社製、「キャタロイKS−051」、密度
0.890g/cm3 )を用い、インフレーション共押
出法により、表層と内層と中間層からなるサンドイッチ
状の積層フィルムを形成した。表層と内層の厚みはそれ
ぞれ6μm、中間層の厚みは60μm、総厚みは72μ
mである。
【0050】この基材フィルムを50%伸長し解放して
5秒後の伸長回復率を測定したところ、81%であっ
た。
【0051】こうして得られた積層フィルムを基材とし
て使用し、また、剥離紙として、厚さ100μmのクラ
フト紙にポリエチレンを20μm厚でコートし、その上
にシリコーンを塗工したものを用いた以外は実施例1と
同じ操作を行って救急絆創膏を得た。
【0052】比較例2 ポリプロピレンにエチレンをアロイ化したリアクターT
PO(ハイモント社製、「キャタロイKS−051」、
密度0.890g/cm3 )100重量部に水添スチレ
ン−ブタジエンラバー(JSR社製、「ダイナロンH1
320P」)を25重量部加え、得られた樹脂組成物を
Tダイ押出法により製膜し、厚み65μmの基材フィル
ムを得た。
【0053】この基材フィルムを50%伸長し解放して
5秒後の伸長回復率を測定したところ、83%であっ
た。
【0054】上記の点を除いて、実施例1と同様に操作
を行い、救急絆創膏を作製した。
【0055】実施例4 超低密度ポリエチレン(出光石油化学社製、「モアテッ
クV0398CN」、密度0.907g/cm3 )(樹
脂A)と、ポリプロピレンにエチレンをアロイ化したリ
アクターTPO(ハイモント社製、「キャタロイKS−
051」、密度0.890g/cm3 )70重量部にエ
チレン−プロピレンラバー(JSR社製、「EPR−E
P07P」)を30重量部加えてなるブレンド樹脂(樹
脂B)とを、樹脂A層:樹脂B層=2:5の厚さ比で、
Tダイ共押出法により製膜し、総厚み65μmの基材フ
ィルムを得た。
【0056】こうして得られた積層フィルムは、図3
(a) に示すように、粘着剤を塗工する面の方にカールし
たものであった。基材のカール度合いは曲率半径で6m
mであった。図3(a) の構成部材は前述した図1のもの
と同じである。
【0057】この積層フィルムを基材として使用した以
外は実施例1と同じ操作を行って救急絆創膏を得た。
【0058】この剥離紙は、引張り速度0.5m/分で
の180度ピールによる剥離力が60gf/インチのも
のであった。剥離紙を引剥しても、図3(b) に示すよう
に、基材はカールしなかった。
【0059】実施例5 樹脂Aおよび樹脂Bを表3に示すものに代えた以外は実
施例4と同じ操作を行って救急絆創膏を得た。この基材
のカール度合いは曲率半径で10mmであった。
【0060】実施例6 樹脂Aおよび樹脂Bを表3に示すものに代え、製膜をイ
ンフレーション共押出法によって行った以外は実施例4
と同じ操作を行って救急絆創膏を得た。この基材のカー
ル度合いは曲率半径で8mmであった。
【0061】実施例7 樹脂Aおよび樹脂Bを表3に示すものに代え、製膜を樹
脂A層:樹脂B層=1:6の厚さ比でインフレーション
法によってそれぞれ別々に行い、積層を接着剤(日本触
媒社製、「NK−350」を用いて行った以外は実施例
4と同じ操作を行って救急絆創膏を得た。この基材のカ
ール度合いは曲率半径で5mmであった。
【0062】実施例8 樹脂Aおよび樹脂Bを表3に示すものに代え、製膜を樹
脂A層:樹脂B層=1:5の厚さ比でTダイ法によって
それぞれ別々に行い、積層を熱ラミネート法によって行
った以外は実施例4と同じ操作を行って救急絆創膏を得
た。この基材のカール度合いは曲率半径で7mmであっ
た。
【0063】実施例9 超低密度ポリエチレン(出光石油化学社製、「モアテッ
クV0398CN」、密度0.907g/cm3 )(樹
脂A)と、超低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル社
製、「エンゲージEG−8100」、密度0.870g
/cm3 )(樹脂B)と、超低密度ポリエチレン(住友
化学社製、「エスプレンSPON0352」、密度0.
905g/cm3 )(樹脂C)とを、樹脂A層:樹脂B
層:樹脂C層=1:5:2の厚さ比で、インフレーショ
ン共押出法により製膜し、総厚み64μmの基材フィル
ムを得た。基材のカール度合いは曲率半径で15mmで
あった。
【0064】この積層フィルムを基材として使用した以
外は実施例1と同じ操作を行って救急絆創膏を得た。
【0065】実施例10 樹脂A、樹脂Bおよび樹脂Cを表3に示すものに代え、
製膜を樹脂A層:樹脂B層:樹脂C層=1:8:2の厚
さ比でTダイ共押出法により行った以外は実施例9と同
じ操作を行って救急絆創膏を得た。この基材のカール度
合いは曲率半径で12mmであった。
【0066】比較例3 表層と内層の樹脂として超低密度ポリエチレン(出光石
油化学社製、「モアテックV0398CN」、密度0.
907g/cm3 )(樹脂AとC)を用い、中間層の樹
脂として、ポリプロピレンにエチレンをアロイ化したリ
アクターTPO(ハイモント社製、「キャタロイKS−
051」、密度0.890g/cm3 )70重量部にエ
チレン−プロピレンラバー(JSR社製「EPR−EP
07P」)を30重量部加えてなるブレンド樹脂(樹脂
B)を用い、インフレーション共押出法により、表層と
内層と中間層からなるサンドイッチ状の積層フィルムを
形成した。表層:中間層:内層の厚み比は1:12:1
で、総厚みは65μmである。
【0067】こうして得られた積層フィルムは、粘着剤
を塗工する面の方にカールしたものではなかった。
【0068】この積層フィルムを基材として使用した以
外は実施例1と同じ操作を行って救急絆創膏を得た。
【0069】この剥離紙は、引張り速度0.5m/分で
の180度ピールによるの剥離力が60gf/インチの
ものであった。
【0070】比較例4 表層、内層および中間層の樹脂を表4に示すものに代
え、製膜を表層:中間層:内層の厚み比1:10:1で
Tダイ共押出法により行った以外は比較例3と同様の操
作を行って救急絆創膏を得た。
【0071】比較例5 表層、内層および中間層の樹脂を表4に示すものに代え
た以外は比較例3と同様の操作を行って救急絆創膏を得
た。
【0072】[カールの評価]実施例および比較例で得
られた救急絆創膏について、剥離紙を、手で剥がせるス
ピードで絆創膏から引剥し、表2に示す評価基準に従っ
てカールの程度を評価した。
【0073】この結果を表1、3および4にまとめて示
す。
【0074】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0075】
【発明の効果】請求項1および2記載の発明により、ポ
リオレフィン系樹脂フィルムからなる基材を用いても、
PVCフィルム基材使用の場合と同様に、剥離紙引剥し
時のカールの発生を防止することができる。
【0076】また、実用温度域での力学物性の変化が小
さく、低温でも柔軟性を有する救急絆創膏が得られる。
【0077】さらに、基材はポリオレフィン系樹脂フィ
ルムからなるので、救急絆創膏を焼却しても塩化水素な
どの有毒ガスが発生する恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1による救急絆創膏の構成を示す垂直
縦断面図である。
【図2】 実施例4による救急絆創膏の構成を示す垂直
縦断面図である。
【図3】 従来の救急絆創膏のカール発生状態を示す垂
直縦断面図である。
【符号の説明】
1 …基材 2 …剥離紙 3 …粘着剤層 4 …ガーゼ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂フィルムからなる
    基材と、基材上に塗工された粘着剤層と、粘着剤層の上
    に配されたガーゼを覆うように粘着剤層に積層された剥
    離紙とからなる救急絆創膏において、上記基材として、
    これを50%伸長し解放して5秒後の伸長回復率が90
    %以上であるものを用いることを特徴とする救急絆創
    膏。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系樹脂フィルムからなる
    基材と、基材上に塗工された粘着剤層と、粘着剤層の上
    に配されたガーゼを覆うように粘着剤層に積層された剥
    離紙とからなる救急絆創膏において、上記基材が表裏の
    一方にカールしており、基材のカール内面側に粘着剤層
    が設けられていることを特徴とする救急絆創膏。
JP7268433A 1995-10-17 1995-10-17 救急絆創膏 Pending JPH09108327A (ja)

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