JPH09187498A - 救急絆創膏用フィルム - Google Patents

救急絆創膏用フィルム

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JPH09187498A
JPH09187498A JP8000616A JP61696A JPH09187498A JP H09187498 A JPH09187498 A JP H09187498A JP 8000616 A JP8000616 A JP 8000616A JP 61696 A JP61696 A JP 61696A JP H09187498 A JPH09187498 A JP H09187498A
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JP
Japan
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film
weight
ethylene
parts
elongation
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JP8000616A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tada
博士 多田
Yozo Kirie
洋三 桐榮
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性、応力緩和性等に優れていると共にコ
スト的にも有利なフィルムであって、従来の可塑化PV
Cフィルムの代替フィルムとして好適に使用することが
できる救急絆創膏用フィルムを提供する。 【解決手段】 本発明による救急絆創膏用フィルムは、
スチレン5〜45重量%とジエン系炭化水素95〜55
重量%からなる共重合体の水素添加物1〜25重量部未
満と、エチレン−プロピレンラバー1〜60重量部と、
エチレン−プロピレンラバーを除くポリオレフィン系樹
脂40〜90重量部(全体で100重量部)からなる組
成を有し、下記定義の25%伸長時5分後における応力
緩和の残存率が70%以下であることを特徴とするもの
である。ここで、25%伸長時5分後における応力緩和
の残存率=[フィルムを25%伸長後5分間保持した時
の残存応力の値]/[25%伸長応力の値]とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、救急絆創膏の基材
として、従来の可塑化ポリ塩化ビニルに代わって好適に
用いられる、柔軟でかつ伸縮性に富むポリオレフィン系
樹脂フィルムに関する。本発明によるフィルムを基材と
して用いることによって、患部へ貼付けた時に圧迫感が
なく、柔軟で風合いの良い救急絆創膏が得られる。
【0002】
【従来の技術】一般に、救急絆創膏は、軟質フィルムか
らなる基材の表面に粘着剤を塗布し、得られた粘着剤層
の上にガーゼを配してこれを覆うように剥離紙を積層
し、この層状物を所定寸法に打ち抜いてさらに表裏面に
個別包装紙を重ねると共に所定寸法に切断して作製され
る。
【0003】従来、救急絆創膏の基材用の軟質フィルム
としては、柔軟性、伸縮性、風合いの点から、カレンダ
ー法やゾルキャスト法により作製された可塑化ポリ塩化
ビニル(以下、可塑化PVCという)を主成分とするも
のがよく使用されてきた。
【0004】しかしながら、上記可塑化PVCフィルム
は大量の可塑剤を含むために、可塑剤がPVCフィルム
表面へブリードアウトしてフィルム基材と粘着剤層との
密着不良を引き起こしたり、フィルム基材から粘着剤層
へ可塑剤が移行し、これにより特に低温時の粘着剤層の
粘着力が低下したりフィルムと粘着剤層の間の接着力が
低下し、絆創膏が剥がれ易くなる。さらに、近年は環境
問題も重要となり、PVC廃棄物は燃焼時に塩化水素を
発生させるため、PVCはあらゆる分野で使用を中止す
ることが望まれている。
【0005】このため、近年、絆創膏基材用フィルムと
して軟質PVCフィルムに代わって、柔軟でかつ伸縮性
に富むポリオレフィン系樹脂フィルムの開発が進められ
ており、例えば特公平5−27424号公報には、エチ
レン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン
三元重合体などの炭化水素系エラストマーと、エチレン
−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂との
配合物からなる救急絆創膏用フィルムが開示されてい
る。しかし、このフィルムは、柔軟性、応力緩和性等の
点でまだ満足できるものでなかった。
【0006】また、特開平7−62154号公報には、
スチレンとジエン系炭化水素からなる共重合体と、ポリ
オレフィン系樹脂との配合物からなる柔軟フィルムが開
示されている。しかし、このフィルムは、スチレン−ジ
エン系炭化水素共重合体を多量に含むためコスト高にな
ることが避けられなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の点に鑑み、柔軟性、応力緩和性等に優れていると共に
コスト的にも有利なフィルムであって、従来の可塑化P
VCフィルムの代替フィルムとして好適に使用すること
ができる救急絆創膏用フィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による救急絆創膏
用フィルムは、上記目的を達成すべく工夫されたもので
あって、スチレン5〜45重量%とジエン系炭化水素9
5〜55重量%からなる共重合体の水素添加物1〜25
重量部未満と、エチレン−プロピレンラバー1〜60重
量部と、エチレン−プロピレンラバーを除くポリオレフ
ィン系樹脂40〜90重量部(全体で100重量部)か
らなる組成を有し、下記定義の25%伸長時5分後にお
ける応力緩和の残存率が70%以下であることを特徴と
するものである。
【0009】ここで、25%伸長時5分後における応力
緩和の残存率=[フィルムを25%伸長後5分間保持し
た時の残存応力の値]/[25%伸長応力の値]とす
る。
【0010】スチレンとジエン系炭化水素からなる共重
合体の水素添加物としては、スチレンとイソプレンのブ
ロック共重合体の水素添加物(SEPS)、例えばクラ
レ社製「セプトン」等や、スチレンとブタジエンのブロ
ック共重合体の水素添加物(SEBS)、例えば旭化成
社製「タフテック」等や、スチレンとブタジエンのラン
ダム共重合体の水素添加物(HSBR)、例えば日本合
成ゴム社製「ダイナロン」等が例示される。これらのう
ち、応力緩和性を考慮すると、スチレンとジエン系炭化
水素のランダム共重合体の水素添加物、特にスチレンと
ブタジエンのランダム共重合体の水素添加物(HSB
R)が好ましい。
【0011】スチレンとジエン系炭化水素からなる共重
合体において、スチレン含有量は5〜45重量%であ
る。スチレン含有量が45重量%より多いと、共重合体
の水素添加物が柔軟性を損う上に樹脂流動性も阻害する
ため実用的でない。またスチレン含有量が5%以下であ
ると、ジエン系炭化水素の割合が多くなりすぎて、共重
合体の水素添加物がゴム的性質を強く示し、応力緩和性
が低下する。
【0012】本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂
(エチレン−プロピレンラバー以外)は特に限定されな
いが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1ペンテン、1−オク
テンなどのα−オレフィンの単独重合体;エチレン−プ
ロピレン共重合体などの上記α−オレフィン同士からな
る共重合体;エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン
−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エ
チル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタク
リル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン
三元共重合体など上記α−オレフィンと他のオレフィン
とからなる共重合体;一つのポリオレフィン系樹脂に他
のポリオレフィン系樹脂をブロック、ランダムブロッ
ク、ランダム共重合したもの;ポリプロピレンにエチレ
ンをアロイ化したリアクターTPOなどが例示される。
【0013】上記ポリオレフィン系樹脂としては、主モ
ノマー成分であるプロピレンとα−オレフィンとの多段
重合によって得られたブロック共重合体であって重量平
均分子量10万〜40万を有し、結晶融点130〜17
0℃を有するもの、すなわち、ポリプロピレンにエチレ
ンをアロイ化したリアクターTPOが好ましい。上記α
−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1
−ヘプテン、1−オクテン等が例示される。
【0014】上記ポリプロピレン系樹脂は、例えば、以
下に示す如き多段重合法によって製造される。
【0015】まず第1段階として、チタン化合物触媒成
分および有機アルミニウム化合物触媒成分の存在下にプ
ロピレンモノマーを単独重合させ、もしくは、プロピレ
ンモノマーと、エチレンモノマーまたはα−オレフィン
モノマーとを共重合させ、プロピレン単独重合体、プロ
ピレン・エチレン共重合体、プロピレン・α−オレフィ
ン共重合体などを得る。
【0016】ついで第2段階として、チタン化合物触媒
成分、有機アルミニウム化合物触媒成分、上記単独重合
体または共重合体を含有する反応液、例えば、上記単独
重合体または共重合体を製造した後の反応液に、プロピ
レンモノマー、エチレンモノマーおよび/またはα−オ
レフィンモノマーを加えて共重合させることにより、ポ
リプロピレン系樹脂が得られる。
【0017】上記第2段階における添加成分は一回で加
えられても複数回に分けて加えられてもよい。すなわ
ち、この重合反応は全体として3段階以上の多数段階重
合であってもよい。
【0018】上記複数段階重合反応により得られるポリ
プロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体、プロピレ
ン・エチレン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共
重合体、および/またはプロピレン・エチレン・α−オ
レフィン共重合体からなる。
【0019】本発明に用いるポリプロピレン系樹脂の重
量平均分子量は好ましくは10万〜40万である。重量
平均分子量が10万未満であると、得られるフィルムの
耐衝撃性が不充分となることがあり、また40万を越え
ると得られるフィルムの柔軟性が損なわれることがあ
る。
【0020】このプロピレンを主モノマー成分とするポ
リオレフィン系樹脂は、応力緩和性に優れている。
【0021】本発明フィルムの応力緩和性の評価につい
ては、指の屈曲をモデルとし樹脂を25%伸長させ下記
の定義に従って求めた値でもって樹脂の応力緩和性を代
用評価した。
【0022】応力緩和の残存率=25%伸長後5分間保
持させたときの残存応力の値/25%伸長応力の値。
【0023】この残存率の値が70%を越えるものは著
しくゴム的性質を帯びてくる。得られたフィルムが、貼
付時の違和感がなく肌に追従する絆創膏を構成するに
は、残存率60%以下の樹脂が特に望ましい。
【0024】本発明フィルムの樹脂材料組成物100重
量部において、スチレンとジエン系炭化水素からなる共
重合体の水素添加物の割合は、1〜25重量部である。
この割合が25重量部以上であると経済的に不利とな
る。好ましい範囲は10〜20重量部である。
【0025】本発明フィルムの樹脂材料組成物100重
量部において、エチレン−プロピレンラバーの割合は、
1〜60重量部である。この割合が60重量部を越える
と、応力緩和性を損う。
【0026】スチレンとジエン系炭化水素からなる共重
合体の水素添加物とエチレン−プロピレンラバーの合計
量が10〜60重量部(特に好ましくは20〜40重量
部)であると、柔軟なフィルムを得るのに適した配合と
なる。
【0027】本発明によるフィルムは、上述の樹脂組成
物をTダイ法、インフレーション法などにより所定の厚
みに押出または共押出することによって得られる。また
積層体を得る場合は各単層を押出し、熱ラミネートによ
り積層させる方法が適用される。フィルムのブロッキン
グを避けるために、表層にブロッキングし難い樹脂層を
積層させることも好ましい。
【0028】本発明によるフィルムの厚みは、好ましく
は15〜300μmである。15μm未満の厚みでは、
絆創膏使用時の強度が不足し、300μmを越えた厚み
では救急絆創膏としては柔軟性に欠け、その風合いが好
ましくない。特に実用的な厚みは50〜100μmであ
る。また、このフィルムは、無色透明であっても、ある
いは着色された透明、着色されて透明性の無いものなど
いずれでもよい。また、フィルム表面にサンドブラス
ト、絹目などのエンボス加工を施し高級感を得ることも
できる。さらには、本発明によるフィルムに予めコロナ
処理等の表面処理を行い、この処理面に印刷等を施し付
加価値を付けることもできる。
【0029】救急絆創膏の製造に用いられる粘着剤は特
に限定されないが、皮膚に対して粘着力を有し刺激の少
ないタイプがよく、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、
シリコーン系粘着剤などが例示される。
【0030】アクリル系粘着剤としては、特に、アルキ
ル基の炭素数2〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの単独重合体または共重合体、あるいは上記(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルとその他の官能性モノ
マーとからなる共重合体が好適に用いられる。
【0031】アクリル系粘着剤には、必要に応じてロジ
ン系樹脂、ポリテルペン樹脂、クマロン−インデン樹
脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂などの粘着
性付与剤を添加してもよく、また、凝集力確保のため
に、必要に応じて架橋剤を配合することもできる。
【0032】ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、スチレ
ン−イソプレン系ブロック共重合体、スチレン−ブタジ
エン系ブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリブテ
ン、ポリイソブチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
などのゴム弾性体100重量部に対し、たとえばロジン
系樹脂、ポリテルペン系樹脂、クマロン−インデン樹
脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂などの粘着
性付与剤を20〜200重量部、および必要に応じて、
液状ポリブテン、鉱油、ラノリン、液状ポリイソプレ
ン、液状ポリアクリレートなどの軟化剤:酸化チタンな
どの充填剤:ブチルヒドロキシトルエンなどの老化防止
剤などを適量添加してなるものが使用される。
【0033】スチレン−イソプレン系ブロック共重合体
およびスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体として
は、スチレン−イソプレン・ブロック共重合体、スチレ
ン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体、スチレ
ン−ブタジエン・ブロック共重合体、スチレン−ブタジ
エン−スチレン・ブロック共重合体、スチレン−エチレ
ン−ブチレン−スチレン・ブロック共重合体などのスチ
レン系熱可塑性エラストマーが例示される。
【0034】粘着性付与剤の添加量がゴム弾性体100
重量部に対し20重量部未満であると、粘着剤の内部凝
縮力が大きく粘着力が不足し、逆に200重量部を越え
ると、粘着剤の内部凝縮力が小さく粘着剤が凝集破壊を
起こす。
【0035】シリコーン系粘着剤としては、ポリジメチ
ルシロキサンなどを主成分とするものが使用される。
【0036】上記各粘着剤中には、可塑剤;充填剤;老
化防止剤などの配合剤が必要に応じて添加される。
【0037】粘着剤層の上にはガーゼを貼着してこれを
覆う剥離紙を積層し、使用時までその粘着剤層表面を保
護する。
【0038】救急絆創膏に用いられる剥離紙の材質とし
ては、クラフト紙、半晒しクラフト紙,上質紙などの天
然の繊維質シートにポリエチレン、ポリプロピレンなど
のポリオレフィンをコートしたもの、これにさらにシリ
コーンなどの剥離剤を塗工したもの、ポリエチレン、ポ
リプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂シートまたは
ポリエチレンテレフタレート樹脂シート、もしくはこれ
らにエンボス加工を施したもの、またはシリコーンなど
の剥離剤を塗工したものなどが例示される。
【0039】剥離紙シートに剥離剤を塗工するには、グ
ラビアコーター、ナイフコーター、メイヤーバーなどを
用いる公知の方法が適用できる。
【0040】剥離紙の厚みは100μm以下、好ましく
は5〜50μmである。
【0041】つぎに、本発明によるフィルムを基材とし
て用いて救急絆創膏を作製する方法を説明する。
【0042】まず、上記フィルムの片面すなわち粘着剤
塗布面側に、粘着剤塗工時表面塗れ性が38dyn/c
m以上になるような条件で予めコロナ処理を施すか、ま
たはアンカーコートを施しておく。ついで、粘着剤の溶
液ないしは懸濁液を剥離紙に塗布して乾燥させ、得られ
た粘着剤層付き剥離紙の粘着剤層に上記フィルム処理面
を重ね合わせ状に密着させる。または、上記フィルム処
理面に粘着剤層を直接形成し、その上に剥離紙を積層す
る。また、必要に応じて粘着剤層形成に先立ち上記フィ
ルムのもう一方の面に、印刷直前での表面塗れ性が38
dyn/cm以上になるような条件で予めコロナ処理を
施しておき、ついでこの処理面に直接印刷または転写印
刷法等により印刷を施す。
【0043】こうして得られた絆創膏用原反に使用サイ
ズにスリットを入れた後、絆創膏製造機により熱ピン穿
孔加工し、粘着剤層の上にガーゼ、剥離紙を配し、上記
原反を所定寸法に打抜き、表裏面に個別包装紙を重ね
て、製品としての救急絆創膏を得る。
【0044】本発明によるフィルムは以上の如く構成さ
れているので、下記の作用を発揮する。
【0045】フィルム材料の樹脂組成物が可塑剤を含
まないため、絆創膏使用時にフィルムから可塑剤がブリ
ードアウトして他材料に悪影響を及ぼす恐れがない。
【0046】実用温度域で生じる力学物性の変化が小
さい。
【0047】フィルム材料の樹脂が塩素を含まないた
め、これを燃焼しても塩化水素のような有害ガスが発生
する恐れがない。
【0048】柔軟性、応力緩和性等に優れていると共
にコスト的にも有利な救急絆創膏用フィルムが得られ
る。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
を実施例により説明する。
【0050】実施例1 スチレン30重量%とブタジエン70重量%からなるラ
ンダム共重合体の水素添加物(HSBR)(日本合成ゴ
ム社製『ダイナロン 1910P』)15重量部と、エ
チレン−プロピレンラバー(プロピレン含量27重量
部、日本合成ゴム社製『EP07P』)20重量部と、
エチレンと1−オクテンからなる共重合体(密度0.9
07g/cm3 、出光石油化学社製『モアテックV 0
398CN』)65重量部からなる樹脂組成物を、Tダ
イ押出法により製膜し、厚み70μmのフィルムを得
た。
【0051】実施例2 スチレン30重量%とブタジエン70重量%からなるラ
ンダム共重合体の水素添加物(HSBR)(日本合成ゴ
ム社製『ダイナロン 1910P』)15重量部と、エ
チレン−プロピレンラバー(プロピレン含量27重量
部、日本合成ゴム社製『EP07P』)20重量部と、
ポリプロピレンにエチレンをアロイ化して得られたポリ
プロピレン系樹脂(密度0.89g/cm3 、平均分子
量24万、結晶融点140℃、ハイモント社製『キャタ
ロイ KS−051』)65重量部からなる樹脂組成物
を、Tダイ押出法により製膜し、厚み70μmのフィル
ムを得た。
【0052】実施例3 スチレン10重量%とブタジエン90重量%からなるラ
ンダム共重合体の水素添加物(HSBR)(日本合成ゴ
ム社製『ダイナロン 1320P』)10重量部と、エ
チレン−プロピレンラバー(プロピレン含量27重量
部、日本合成ゴム社製『EP07P』)25重量部と、
ポリプロピレンにエチレンをアロイ化して得られたポリ
プロピレン系樹脂(密度0.89g/cm3 、平均分子
量24万、結晶融点140℃、ハイモント社製『キャタ
ロイ KS−051』)65重量部からなる樹脂組成物
を、Tダイ押出法により製膜し、厚み70μmのフィル
ムを得た。
【0053】比較例1 スチレン30重量%とブタジエン70重量%からなるラ
ンダム共重合体の水素添加物(HSBR)(日本合成ゴ
ム社製『ダイナロン 1910P』)35重量部と、エ
チレンと1−オクテンからなる共重合体(密度0.90
7g/cm3 、出光石油化学社製『モアテックV 03
98CN』)65重量部からなる樹脂組成物を、Tダイ
押出法により製膜し、厚み70μmのフィルムを得た。
【0054】比較例2 エチレン−プロピレンラバー(プロピレン含量27重量
部、日本合成ゴム社製『EP07P』)35重量部と、
エチレンと1−オクテンからなる共重合体(密度0.9
07g/cm3 、出光石油化学社製『モアテックV 0
398CN』)65重量部からなる樹脂組成物を、Tダ
イ押出法により製膜し、厚み70μmのフィルムを得
た。
【0055】比較例3 エチレン−プロピレンラバー(プロピレン含量27重量
部、日本合成ゴム社製『EP07P』)70重量%と、
エチレンと1−オクテンからなる共重合体(密度0.9
07g/cm3 、出光石油化学社製『モアテックV 0
398CN』)30重量部からなる樹脂組成物を、Tダ
イ押出法により製膜し、厚み70μmのフィルムを得
た。
【0056】フィルム評価 実施例および比較例で得られたフィルムを対象として、
下記の項目について、評価を下した。
【0057】<抗張力>引張試験機により試料幅19m
m、初期試料長(つかみ間隔)100mm、引張速度2
00mm/minで引張ったときの伸度10%に於ける
抗張力を測定した。
【0058】評価基準は下記の通りである。
【0059】 △:柔軟性過剰 (200gf/19mm以上) ○:柔軟性有り (200〜400gf/19mm) ×:柔軟性やや劣る(400gf/19mm以上)
【0060】<応力緩和性>引張試験機により試料幅1
9mm、初期試料長(つかみ間隔)100mm、引張速
度200mm/minでフィルムを25%(25mm)
引張った状態で保持し、0秒後と5分後の抗張力を測定
した。得られた測定値から、[フィルムを25%伸長後
5分間保持した時の残存応力の値]/[25%伸長応力
の値]を計算し、応力緩和の残存率を求めた。
【0061】評価基準は下記の通りである。
【0062】 ◎:応力緩和性有り(応力緩和の残存率が60%以下) ○:応力緩和性有り(応力緩和の残存率が70%以下) ×:応力緩和性小さい(応力緩和の残存率が70%以
上)
【0063】<コスト>上記フィルムを現在上市されて
いる可塑化PVCからなるフィルムと価格の面から比較
した。
【0064】評価基準は下記の通りである。
【0065】 ○:同等以下の価格で可能 ×:同等以上の価格となる
【0066】<総評>現在上市されている可塑化PVC
の代替になりうるか否かを、柔軟性、応力緩和、価格の
面から3段階評価した。
【0067】評価基準は下記の通りである。
【0068】 ○:3項目で○以上が3つ △:3項目で○以上が2つ ×:3項目で○以上が1つ
【0069】
【0070】上記評価結果を表1にまとめて示す。
【0071】
【表1】
【0072】表1から明らかなように、実施例のフィル
ムはいずれの項目においても良好な評価を得た。
【0073】
【発明の効果】本発明により、柔軟性、応力緩和性等に
優れていると共にコスト的にも有利な救急絆創膏用フィ
ルムを得ることができ、このフィルムを従来の可塑化P
VCフィルムの代替フィルムとして好適に使用すること
ができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン5〜45重量%とジエン系炭化
    水素95〜55重量%からなる共重合体の水素添加物1
    〜25重量部未満と、エチレン−プロピレンラバー1〜
    60重量部と、エチレン−プロピレンラバーを除くポリ
    オレフィン系樹脂40〜90重量部(全体で100重量
    部)からなる組成を有し、下記定義の25%伸長時5分
    後における応力緩和の残存率が70%以下であることを
    特徴とする救急絆創膏用フィルム。ここで、25%伸長
    時5分後における応力緩和の残存率=[フィルムを25
    %伸長後5分間保持した時の残存応力の値]/[25%
    伸長応力の値]とする。
  2. 【請求項2】 上記ポリオレフィン系樹脂が、主モノマ
    ー成分であるプロピレンとα−オレフィンとの多段重合
    によって得られたブロック共重合体であり、重量平均分
    子量10万〜40万を有し、結晶融点130〜170℃
    を有するものである、請求項1記載の救急絆創膏用フィ
    ルム。
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