JPH09313590A - 救急絆創膏 - Google Patents

救急絆創膏

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JPH09313590A
JPH09313590A JP8132328A JP13232896A JPH09313590A JP H09313590 A JPH09313590 A JP H09313590A JP 8132328 A JP8132328 A JP 8132328A JP 13232896 A JP13232896 A JP 13232896A JP H09313590 A JPH09313590 A JP H09313590A
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JP
Japan
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layer
film
adhesive
substrate
resin
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Application number
JP8132328A
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English (en)
Inventor
Nobuo Hanatani
信雄 花谷
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン系樹脂フィルムからなる基材
を用いても、可塑化PVCフィルム基材使用の場合と同
様に、剥離紙引剥し時のカール発生を防止することがで
きる救急絆創膏を提供する。 【解決手段】 複数のポリオレフィン系樹脂層の積層フ
ィルムからなる基材と、基材上に塗工された粘着剤層
と、粘着剤層の上に配されたガーゼを覆うように粘着剤
層に積層された剥離紙とからなる救急絆創膏において、
上記基材を構成する複数の樹脂層のうち少なくとも粘着
剤層に接する層が、これを50%伸長し解放して5秒後
の伸長回復率が87%以上である樹脂層であって、基材
層厚み全体の10〜50%を占めるものであることを特
徴とする救急絆創膏である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材としてポリオ
レフィン系樹脂フィルムからなるものを用いた救急絆創
膏に関し、より詳細には、剥離紙引剥し時のカールの発
生を防止した救急絆創膏に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、救急絆創膏は、軟質フィルムか
らなる基材の表面に粘着剤を塗布し、得られた粘着剤層
の上にガーゼを配してこれを覆うように剥離紙を積層
し、この層状物を所定寸法に打ち抜いてさらに表裏面に
個別包装紙を重ねると共に所定寸法に切断して作製され
る(後述の実施例1において図1に基づいて詳しく説明
する)。
【0003】従来、救急絆創膏の基材用の軟質フィルム
としては、柔軟性、伸縮性、風合いの点から、カレンダ
ー法やゾルキャスト法により作製された可塑化ポリ塩化
ビニル(以下、可塑化PVCという)を主成分とするも
のがよく使用されてきた。
【0004】しかしながら、上記可塑化PVCフィルム
は大量の可塑剤を含むために、可塑剤がPVCフィルム
表面へブリードアウトしてフィルム基材と粘着剤層との
密着不良を引き起こしたり、フィルム基材から粘着剤層
へ可塑剤が移行し、これにより粘着剤層の粘着力が低下
したりフィルムと粘着剤層の間の接着力が低下し、絆創
膏が剥がれ易くなる。さらに、近年は環境問題も重要と
なり、PVC廃棄物は燃焼時に塩化水素等の有害ガスを
発生させるため、PVCはあらゆる分野で使用を中止す
ることが望まれている。
【0005】このため、近年、絆創膏基材用フィルムと
して可塑化PVCフィルムに代わって、柔軟性、伸縮性
を有し、感温度性に優れるポリオレフィン系樹脂フィル
ムを用いる研究が積極的に進められている。
【0006】しかし、後述する表1に示すように、基材
としてポリオレフィン系樹脂フィルムを用いた絆創膏で
は、剥離紙の引剥しに伴って絆創膏がガーゼを外側にし
てカール状に湾曲するという実使用上許容できない問題
が発生した。このような問題は、基材として可塑化PV
Cフィルムを用いた時には起きなかったことである。
【0007】この点を改良するものとして、エンボス加
工を施したポリオレフィン系樹脂フィルムを基材として
用いた救急絆創膏が提案されている(実公平3−228
7号公報参照)。しかし、ポリオレフィン系樹脂フィル
ム基材の場合、実際にはまだ十分な湾曲防止効果が発揮
されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような実情から、ポリオレフィン系樹脂フィルムから
なる基材を用いても、可塑化PVCフィルム基材使用の
場合と同様に、剥離紙引剥し時のカール発生を防止する
ことができる救急絆創膏を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
すべく工夫されたもので、複数のポリオレフィン系樹脂
層の積層フィルムからなる基材と、基材上に塗工された
粘着剤層と、粘着剤層の上に配されたガーゼを覆うよう
に粘着剤層に積層された剥離紙とからなる救急絆創膏に
おいて、上記基材を構成する複数の樹脂層のうち少なく
とも粘着剤層に接する層が、これを50%伸長し解放し
て5秒後の伸長回復率(以下「50%伸長時5秒後の回
復率」という)が87%以上である樹脂層であって、基
材層厚み全体の10〜50%を占めるものであることを
特徴とする救急絆創膏である。
【0010】基材は、粘着剤層側の構成層(後述の実施
例1における(C)層)以外の層、例えば粘着剤層とは
反対側の構成層(後述の実施例1における(A)層)、
これら(C)(A)の間に位置する中間層(後述の実施
例1における(B)層)も、50%伸長時5秒後の回復
率が87%以上である樹脂層であってもよい。
【0011】50%伸長時5秒後の回復率が87%以上
である樹脂層の厚みは、基材フィルム全厚の10〜50
%であることが好ましい。
【0012】また、基材としては、これを25%伸長し
5分後の応力緩和残存率が75%以下であるものが好ま
しい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明による救急絆創膏におい
て、少なくとも粘着剤層側の層として、50%伸長時5
秒後の回復率(これは、フィルムを延ばした後解放した
時の元の長さへの戻り易さを示す)が87%以上である
樹脂層を有する基材は、例えば、基材を構成する積層フ
ィルム各樹脂層の材料であるポリオレフィン系樹脂の選
択、上記樹脂の組合せの選択、積層フィルムの各樹脂層
の厚比の選択、厚みの選択などによって作製される。上
記伸長回復率が87%未満であると、剥離紙の引剥しの
際に生じるフィルムの変形が元の状態に戻りにくく、フ
ィルムの表裏で長さに差が残り、カールの発生を来たす
場合がある。特に好ましい伸長回復率は90%以上であ
る。
【0014】本発明による救急絆創膏において、基材フ
ィルムの材料であるポリオレフィン系樹脂は特に限定さ
れないが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1ペンテン、1−
オクテンなどのα−オレフィンの単独重合体;エチレン
−プロピレン共重合体などの上記α−オレフィン同士の
共重合体;エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−
アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレ
ン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリ
ル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三
元共重合体など上記α−オレフィンと他のオレフィンと
の共重合体;一つのポリオレフィン系樹脂に他のポリオ
レフィン系樹脂をブロック、ランダムブロック、ランダ
ム共重合したもの;ポリプロピレンにエチレンをアロイ
化したリアクターTPOなどが例示される。また、これ
らの樹脂にエチレン−プロピレンラバー、SBS、SI
S、SEBS、HSBRなどの軟質ゴムを添加してもよ
い。
【0015】救急絆創膏の基材フィルムは、上記の樹脂
をTダイ法、インフレーション法などにより所定の厚み
に押出または共押出することによって得られる。また、
各単層を押出、熱ラミネートにより積層させてもよい。
【0016】基材フィルムの厚みは、好ましくは15〜
300μmである。15μm未満の厚みでは、絆創膏使
用時の強度が不足し、300μmを越えた厚みでは救急
絆創膏としては柔軟性に欠け、その風合いが好ましくな
いことがある。特に実用的な厚みは50〜80μmであ
る。また、このフィルムは、無色透明であっても、ある
いは着色された透明、着色されて透明性の無いものなど
いずれでもよい。また、フィルム表面にサンドブラス
ト、絹目などのエンボス加工を施し高級感を得ることも
できる。
【0017】50%伸長時5秒後の回復率が87%以上
である樹脂層の厚みは、基材フィルム全厚の10〜50
%であることが好ましい。特に好ましい厚みは基材フィ
ルム全厚の15〜40%である。この厚みが10%未満
であると、カール防止効果が十分発揮されないことがあ
り、逆に50%を越えると、フィルム全体としての伸長
回復率が高すぎて、絆創膏を指に貼付して指を曲げた時
の締付け感が強くなったり、フィルムが硬くなりすぎる
場合がある。
【0018】また、基材フィルム全体としては、これを
25%伸長し5分後の応力緩和残存率が75%以下であ
るものが好ましい。この応力緩和残存率が75%を越え
ると実使用中に絆創膏による圧迫感や巻締まりが起こる
ことがある。
【0019】上記応力緩和残存率は次の式で表される。
【0020】 応力緩和残存率 25%伸
長時5分後の残存応力 25%伸長時の応力
【0021】本発明に用いられる粘着剤は特に限定され
ないが、皮膚に対して粘着力を有し刺激の少ないタイプ
がよく、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン
系粘着剤などが例示される。
【0022】アクリル系粘着剤としては、特に、アルキ
ル基の炭素数2〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの単独重合体または共重合体、あるいは上記(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルとその他の官能性モノ
マーとの共重合体が好適に用いられる。
【0023】アクリル系粘着剤には、必要に応じてロジ
ン系樹脂、ポリテルペン樹脂、クマロン−インデン樹
脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂などの粘着
性付与剤を添加してもよく、また、凝集力確保のため
に、必要に応じて架橋剤を配合することもできる。
【0024】ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、スチレ
ン−イソプレン系ブロック共重合体、スチレン−ブタジ
エン系ブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリブテ
ン、ポリイソブチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
などのゴム弾性体100重量部に対し、たとえばロジン
系樹脂、ポリテルペン系樹脂、クマロン−インデン樹
脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂などの粘着
性付与剤を20〜200重量部、および必要に応じて、
液状ポリブテン、鉱油、ラノリン、液状ポリイソプレ
ン、液状ポリアクリレートなどの軟化剤:酸化チタンな
どの充填剤:ブチルヒドロキシトルエンなどの老化防止
剤などを適量添加してなるものが使用される。
【0025】スチレン−イソプレン系ブロック共重合体
およびスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体として
は、スチレン−イソプレン・ブロック共重合体、スチレ
ン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体、スチレ
ン−ブタジエン・ブロック共重合体、スチレン−ブタジ
エン−スチレン・ブロック共重合体、スチレン−エチレ
ン−ブチレン−スチレン・ブロック共重合体などのスチ
レン系熱可塑性エラストマーが例示される。
【0026】粘着性付与剤の添加量がゴム弾性体100
重量部に対し20重量部未満であると、粘着剤の内部凝
縮力が大きく粘着力が不足し、逆に200重量部を越え
ると、粘着剤の内部凝縮力が小さく粘着剤が凝集破壊を
起こす。
【0027】シリコーン系粘着剤としては、ポリジメチ
ルシロキサンなどを主成分とするものが使用される。
【0028】上記各粘着剤中には、可塑剤;充填剤;老
化防止剤などの配合剤が必要に応じて添加される。
【0029】粘着剤層の上にはガーゼを貼着してこれを
覆う剥離紙を積層し、使用時までその粘着剤層表面を保
護する。
【0030】本発明による救急絆創膏に用いられる剥離
紙の材質としては、クラフト紙、半晒しクラフト紙,上
質紙などの天然の繊維質シートにポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどのポリオレフィンをコートしたもの、これ
にさらにシリコーンなどの剥離剤を塗工したもの、ポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂
シートまたはポリエチレンテレフタレート樹脂シート、
もしくはこれらにエンボス加工を施したもの、またはシ
リコーンなどの剥離剤を塗工したものなどが例示され
る。
【0031】剥離紙シートに剥離剤を塗工するには、グ
ラビアコーター、ナイフコーター、メイヤーバーなどを
用いる公知の方法が適用できる。
【0032】つぎに、本発明による救急絆創膏の製造方
法を説明する。救急絆創膏基材フィルムにおいて、粘着
剤を塗布すべき面に粘着剤塗工時の表面濡れ性が38d
yn/cm以上になるような条件で、コロナ放電処理を
施すかまたはアンカーコート処理を施す。その後、粘着
剤の溶液ないしは懸濁液を剥離紙に塗布して乾燥させ、
得られた粘着剤層付き剥離紙の粘着剤層に上記フィルム
処理面を重ね合わせ状に密着させる。または、上記フィ
ルム処理面に粘着剤層を直接形成し、その上に剥離紙を
積層する。
【0033】こうして得られた絆創膏用原反に使用サイ
ズにスリットを入れた後、絆創膏製造機により熱ピン穿
孔加工し、粘着剤層の上にガーゼ、剥離紙を配し、上記
原反を所定寸法に打抜き、表裏面に個別包装紙を重ね
て、製品としての救急絆創膏を得る。
【0034】本発明は以上の如く構成されているので、
ポリオレフィン系樹脂フィルムからなる基材を用いてい
るにも拘らず、可塑化PVCフィルム基材使用の場合と
同様に、剥離紙引剥し時のカールの発生防止することが
できる。その理由は明確ではないが、以下のように考え
られる。
【0035】剥離紙の引剥しに伴って絆創膏がカールす
るのは、剥離紙が絆創膏より強い腰を有するため絆創膏
がガーゼを外側にしてカール状に湾曲させられ、基材フ
ィルムの粘着剤側が延ばされ、その結果フィルムの裏表
で長さに差ができるからである。本発明では、基材を構
成する複数の樹脂層のうち少なくとも粘着剤層側の層と
して、50%伸長時5秒後の回復率が87%以上である
樹脂層を用いるので、剥離紙の引剥し時に基材の粘着剤
層側が延ばされても、すぐに元の長さに戻り、カールの
発生が防止される。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0037】実施例1 超低密度ポリエチレン(出光石油化学社製、「モアテッ
クV0398CN」、密度0.907g/cm3 )(A
層の樹脂)と、ポリプロピレンとエチレンをアロイ化し
た樹脂(モンテル社製、「キャタロイKS−051
P」、密度0.890g/cm3 )とエチレン−プロピ
レンラバー(日本合成ゴム社製、「EP912P」)と
の60:40の割合のブレンド物(B層の樹脂)と、超
低密度ポリエチレン(住友化学社製、「エスプレンSP
O−N0352」、密度0.905g/cm3 )(C層
の樹脂)とをA層:B層:C層=1:8:3の層厚比に
なるようにTダイ法共押出により製膜し、図2に示すよ
うに、A層とB層とC層からなる総厚み65μmの積層
フィルムを得た。
【0038】ついで、この基材フィルムの、粘着剤を塗
布すべき面、すなわちC層の表面に粘着剤塗工時の表面
濡れ性が38dyn/cm以上になるような条件で、コ
ロナ放電処理を施した。
【0039】アクリル系粘着剤(綜研化学社製、「SK
ダイン1720」)にポリイソシアネート系硬化剤(日
本ポリウレタン社製、「コロネートL」)を固形分重量
比100:1.5で混合し、この混合物を乾燥厚みが4
0μmになるように上記基材フィルムの上記処理面に塗
工し、塗工層を乾燥して粘着剤層を形成した。
【0040】こうして得られた絆創膏用原反から救急絆
創膏を製造する際に、上記粘着剤層の上に剥離紙を積層
した。剥離紙としては、厚さ100μmのクラフト紙に
ポリエチレンを20μm厚でコートし、その上にシリコ
ーンを塗工したものを用いた。
【0041】こうして得られた救急絆創膏の構成を図1
に示す。図1中、1 はポリオレフィン系樹脂フィルムか
らなる基材、2 は剥離紙、3 は粘着剤層、4 はガーゼで
ある。
【0042】剥離紙引剥しの剥離力は、剥離速度500
mm/min、180度剥離で60g/25mmであっ
た。
【0043】このフィルムの応力緩和残存率は、62%
であった。
【0044】実施例2 A層の樹脂として、実施例1と同じ超低密度ポリエチレ
ン(出光石油化学社製、「モアテックV0398C
N」、密度0.907g/cm3 )を用い、B層の樹脂
として、ポリプロピレンとエチレンをアロイ化した樹脂
(モンテル社製、「キャタロイKS−051P」、密度
0.890g/cm3 )とエチレン−プロピレンラバー
(日本合成ゴム社製、「EP07P」)と水添スチレン
−ブタジエンラバー(日本合成ゴム社製、「ダイナロン
H1320P」)との70:20:10の割合のブレン
ド物を用い、C層の樹脂として、超低密度ポリエチレン
(ダウ・ケミカル社製、「アフィニティPL184
0」)を用い、これら樹脂をA層:B層:C層=1:
8:2の層厚比になるようにTダイ法共押出により製膜
し、A層とB層とC層からなる総厚み65μmの積層フ
ィルムを得た。
【0045】こうして得られた積層フィルムを基材とし
て使用した以外は実施例1と同じ操作を行って救急絆創
膏を得た。
【0046】このフィルムの応力緩和残存率は、66%
であった。
【0047】実施例3 A層およびC層の樹脂として、超低密度ポリエチレン
(住友化学社製、「エスプレンSPO−N0352」、
密度0.905g/cm3 )を用い、B層の樹脂とし
て、ポリプロピレンとエチレンをアロイ化した樹脂(モ
ンテル社製、「キャタロイKS−051P」、密度0.
890g/cm3 )とエチレン−プロピレンラバー(日
本合成ゴム社製、「EP912P」)と水添スチレン−
ブタジエンラバー(日本合成ゴム社製、「ダイナロンH
1910P」)との65:15:10の割合のブレンド
物を用い、これら樹脂をA層:B層:C層=1:9:3
の層厚比になるようにインフレーション法共押出により
製膜し、A層とB層とC層からなる総厚み65μmの積
層フィルムを得た。
【0048】こうして得られた積層フィルムを基材とし
て使用した以外は実施例1と同じ操作を行って救急絆創
膏を得た。
【0049】このフィルムの応力緩和残存率は、65%
であった。
【0050】実施例4 A層の樹脂として、実施例1と同じ超低密度ポリエチレ
ン(出光石油化学社製、「モアテックV0398C
N」、密度0.907g/cm3 )を用い、B層の樹脂
として、ポリプロピレンとエチレンをアロイ化した樹脂
(モンテル社製、「キャタロイKS−051P」、密度
0.890g/cm3 )と水添スチレン−ブタジエン−
スチレン(旭化成社製、「タフテックH−1041」)
との70:30の割合のブレンド物を用い、C層の樹脂
として、超低密度ポリエチレン(東ソー社製、「ルミタ
ック43−1」)を用い、これら樹脂をA層:B層:C
層=1:8:3の層厚比になるようにTダイ法共押出に
より製膜し、A層とB層とC層からなる総厚み65μm
の積層フィルムを得た。
【0051】こうして得られた積層フィルムを基材とし
て使用した以外は実施例1と同じ操作を行って救急絆創
膏を得た。
【0052】このフィルムの応力緩和残存率は、67%
であった。
【0053】比較例1 超低密度ポリエチレン(出光石油化学社製、「モアテッ
クV0398CN」、密度0.907g/cm3 )(A
層)と、ポリプロピレンとエチレンをアロイ化した樹脂
(モンテル社製、「キャタロイKS−051P」、密度
0.890g/cm3 )とエチレン−プロピレンラバー
(日本合成ゴム社製、「EP07P」)との70:30
の割合のブレンド物(B層)と、上記超低密度ポリエチ
レン(出光石油化学社製、「モアテックV0398C
N」、密度0.907g/cm3 )(C層)とをそれぞ
れ1:12:1の層厚比になるようにインフレーション
共押出法により製膜し、A層とB層とC層からなる総厚
み65μmの積層フィルムを得た。
【0054】こうして得られた積層フィルムを基材とし
て使用した以外は実施例1と同じ操作を行って救急絆創
膏を得た。
【0055】この離型紙からの剥離力は、剥離速度50
0mm/min、180度剥離で60g/25mmであ
った。
【0056】このフィルムの応力緩和残存率は、62%
であった。
【0057】比較例2 A層およびC層の樹脂として、超低密度ポリエチレン
(ダウ・ケミカル社製、「アフィニティPL184
0」)を用い、B層の樹脂として、ポリプロピレンとエ
チレンをアロイ化した樹脂(モンテル社製、「キャタロ
イKS−051P」、密度0.890g/cm3 )と水
添スチレン−ブタジエンラバー(日本合成ゴム社製、
「ダイナロンH1910P」)との70:30の割合の
ブレンド物を用い、これら樹脂をA層:B層:C層=
1:10:1の層厚比になるようにTダイ法共押出によ
り製膜し、A層とB層とC層からなる総厚み65μmの
積層フィルムを得た。
【0058】こうして得られた積層フィルムを基材とし
て使用した以外は実施例1と同じ操作を行って救急絆創
膏を得た。
【0059】このフィルムの応力緩和残存率は、63%
であった。
【0060】比較例3 A層およびC層の樹脂として、超低密度ポリエチレン
(住友化学社製、「エスプレンSPO−N0352」、
密度0.905g/cm3 )を用い、B層の樹脂とし
て、ポリプロピレンとエチレンをアロイ化した樹脂(モ
ンテル社製、「キャタロイKS−051P」、密度0.
890g/cm3 )と水添スチレン−ブタジエンラバー
(日本合成ゴム社製、「ダイナロンH1320P」)と
の70:30の割合のブレンド物を用い、これら樹脂を
A層:B層:C層=1:12:1の層厚比になるように
インフレーション法共押出により製膜し、A層とB層と
C層からなる総厚み65μmの積層フィルムを得た。
【0061】こうして得られた積層フィルムを基材とし
て使用した以外は実施例1と同じ操作を行って救急絆創
膏を得た。
【0062】このフィルムの応力緩和残存率は、60%
であった。
【0063】[カールの評価]実施例および比較例で得
られた救急絆創膏について、剥離紙を、手で剥がせるス
ピードで絆創膏から引剥し、表1に示す評価基準に従っ
てカールの程度を評価した。
【0064】この結果を表2および3にまとめて示す。
なお、実施例および比較例で用いた基材用樹脂の物性を
表4に示す。
【0065】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】 表2および表3から明らかなように、実施例で得られた
絆創膏は、比較例のものに比べ、カールの発生を防止で
きるものであることが認められる。
【0066】
【発明の効果】本発明により、ポリオレフィン系樹脂フ
ィルムからなる基材を用いても、可塑化PVCフィルム
基材使用の場合と同様に、剥離紙引剥し時のカールの発
生を防止することができる。
【0067】また、実用温度域での力学物性の変化が小
さく、低温でも柔軟性を有する救急絆創膏が得られる。
【0068】さらに、基材はポリオレフィン系樹脂フィ
ルムからなるので、救急絆創膏を焼却しても塩化水素な
どの有害ガスが発生する恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1による救急絆創膏の構成を示す垂直
縦断面図である。
【図2】 実施例1における基材フィルムの積層構造を
示す垂直縦断面図である。
【符号の説明】
1 …基材 2 …剥離紙 3 …粘着剤層 4 …ガーゼ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のポリオレフィン系樹脂層の積層フ
    ィルムからなる基材と、基材上に塗工された粘着剤層
    と、粘着剤層の上に配されたガーゼを覆うように粘着剤
    層に積層された剥離紙とからなる救急絆創膏において、
    上記基材を構成する複数の樹脂層のうち少なくとも粘着
    剤層に接する層が、これを50%伸長し解放して5秒後
    の伸長回復率が87%以上である樹脂層であって、基材
    層厚み全体の10〜50%を占めるものであることを特
    徴とする救急絆創膏。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10245370B2 (en) 2003-11-05 2019-04-02 Baxter International Inc. Renal failure therapy machines and methods including convective and diffusive clearance

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