JPH09106925A - 積層セラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサの製造方法

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JPH09106925A
JPH09106925A JP26509195A JP26509195A JPH09106925A JP H09106925 A JPH09106925 A JP H09106925A JP 26509195 A JP26509195 A JP 26509195A JP 26509195 A JP26509195 A JP 26509195A JP H09106925 A JPH09106925 A JP H09106925A
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dielectric
slurry
internal electrode
dielectric layer
electrode layers
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Koichiro Harada
宏一郎 原田
Keiichi Wakabayashi
敬一 若林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層後において内部電極層を形成している部
分の厚さが内部電極層を形成していない部分の厚さと同
程度になり、積層内部にクラックを生じず、耐湿性に優
れ、サーマルショックレベルでの劣化を生じない。 【解決手段】 誘電体スラリーで形成された誘電体層1
1上に導電性ペーストを間隔をあけて印刷して複数の内
部電極層12を形成し、前記電極層12の間及び端部に
誘電体ペーストを印刷して電極層12の厚みと同程度の
厚みを有する厚み調整用誘電体層13を形成する。層1
2,13の上に上記スラリーによる重ね用誘電体層14
を形成する。上記スラリーを誘電体粉末と有機バインダ
と低沸点の第1溶剤とを混合することにより調製し、上
記スラリーに第1溶剤の沸点より高沸点の第2溶剤を加
えて混合した後、所定の温度で加熱して誘電体スラリー
に含まれる第1溶剤を第2溶剤に置換することにより上
記ペーストを調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乾式積層法又は湿式
積層法に適用し得る積層セラミックコンデンサの製造方
法に関する。更に詳しくは積層グリーン体形成時の積層
セラミックコンデンサの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ラジオ、マイクロカセットレコー
ダ、電子チューナ、ビデオカメラ等の超小型化、薄型軽
量電子機器の発展に伴い、回路素子として使用されるコ
ンデンサの小型、大容量化が強く要求されるようになっ
てきた。これらの要求を満足する部品として積層セラミ
ックコンデンサが知られている。この積層セラミックコ
ンデンサを湿式積層法で製造するには、最初に、例えば
誘電体磁器粉末、有機バインダ、可塑剤及び有機溶剤を
混合して誘電体スラリーを調製し、この誘電体スラリー
をカーテンコート法により台板上にセラミック誘電体層
を厚さ数10μmに積層し乾燥した後、この誘電体層の
上面に間隔をあけて導電性ペーストをスクリーン印刷し
乾燥することにより複数の内部電極層を形成する。これ
を交互に繰返して複数回積層した後、圧着することによ
り積層グリーン体を作り、このグリーン体を内部電極層
の単位でチップ状に切断する。続いてチップ体を脱バイ
ンダ処理した後、焼成してベアチップとし、最後にベア
チップの端面に外部電極を形成する。この積層セラミッ
クコンデンサを乾式積層法で製造するには、上記誘電体
スラリーをドクタブレード法等によりベースフィルム上
に成膜乾燥してセラミックグリーンシートを作り、この
グリーンシートからなる誘電体層の上面に湿式積層法と
同様にして複数の内部電極層を形成する。次に内部電極
層が形成されたグリーンシートをベースフィルムを剥離
しながら複数枚積層した後、湿式積層法と同様に積層グ
リーン体の切断、チップ体の脱バインダ処理、焼成を行
い、外部電極を形成する。
【0003】一方、コンデンサの小型、大容量化の要求
は最近更に強く、この要求を満たすためには積層数の増
大や誘電体層の薄層化が必要不可欠である。しかし、上
記の湿式積層法又は乾式積層法により大容量の積層セラ
ミックコンデンサを製造した場合に、積層数が増大する
と、図4に示すように積層後において内部電極層の厚さ
の関係から内部電極層1を形成している部分2の厚さa
が内部電極層1を形成していない部分3の厚さbより大
きくなる。この現象は積層数が更に増大すると顕著にな
り、湿式積層法の場合には電極形成時に導電性ペースト
が垂れて内部電極層がにじむなどの問題を生じる。この
内部電極層にじみは誘電体層で絶縁されない電極同士の
短絡の原因となりコンデンサの信頼性を大きく低下させ
る。またこの状態で加熱圧着により多層に積層しようと
すると、内部電極層の形成部分2の厚さaと形成してい
ない部分3の厚さbの差により内部電極層の形成されて
いない部分3が圧力不足になる。このためその境界には
歪みが生じ、層間の密着性が劣り、焼成時に内部電極層
と誘電体層間で内部ストレスにより剥離現象(デラミネ
ーション)や微小クラック等の欠陥が発生する場合があ
る。これらの欠陥は、コンデンサを予熱なしではんだ槽
に浸漬する程度のサーマルショックを与えたときにコン
デンサを劣化させ、また耐湿寿命を短くしてコンデンサ
としての信頼性を低下させる問題点があった。
【0004】この点を解決するため、コンデンサ部を形
成する際に、内部電極層の上に重ねるセラミック誘電体
シートを内部電極層の部分だけ打抜くか、或いはその部
分だけ薄くする方法が提案されている(特開昭53−4
2353)。また図3に示すようにベースフィルム5上
に導電性ペーストを間隔をあけて印刷乾燥して複数の内
部電極層6を形成し、このベースフィルム5上の内部電
極層6の間及び内部電極層6の端部に誘電体ペーストを
印刷乾燥して内部電極層の厚みと同程度の厚みを有する
厚み調整用誘電体層7を形成した後、厚み調整用誘電体
層7及び内部電極層6の上に誘電体スラリーによる重ね
用誘電体層8を形成する積層セラミックコンデンサ用グ
リーンシートの製造方法が提案されている(特開平3−
74820)。上記製造方法の場合に、導電性ペースト
の印刷パターンと誘電体ペーストの印刷パターンは写真
フィルムのネガティブとポジティブの関係になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図3に示される方法で
は、上記誘電体ペースト及び誘電体スラリーを調製する
場合に、厚み調整用誘電体層と重ね用誘電体層の焼結性
を同一にするために、有機溶剤以外の誘電体磁器粉末、
有機バインダ等は同一の原材料が使用される。しかし厚
み調整用誘電体層を形成するための誘電体ペーストの使
用量は、重ね用誘電体層を形成するための誘電体スラリ
ーの使用量に比べて極めて少ない。このために誘電体ペ
ースト及び誘電体スラリーの調製時に、誘電体磁器粉
末、有機バインダ及び有機溶剤を混練しながら微粉砕す
る工程を別々にする必要が生じる。製造工程を別にした
場合、誘電体磁器粉末の分散性や粉末の平均粒径、形
状、比表面積等が誘電体ペーストと誘電体スラリーとで
は微妙に相違する。このため厚み調整用誘電体層と重ね
用誘電体層の焼結性が完全に一致しなくなり、積層グリ
ーン体を焼成した後、これらの界面に微小なクラックや
デラミネーション等が発生しやすい。この結果、高温多
湿環境で積層コンデンサを使用したときにクラックを通
して水蒸気が侵入し、コンデンサの耐湿性が低下した
り、コンデンサの耐熱衝撃性が低下するなどの問題が新
たに起きる。本発明の目的は、積層後において電極層を
形成している部分の厚さが電極層を形成していない部分
の厚さと同程度になり、積層内部にクラックを生じず、
耐湿性に優れ、サーマルショックレベルでの劣化を生じ
ない積層セラミックコンデンサの製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1及び図2に示すよう
に、本願請求項1に係る発明は、誘電体スラリーにより
形成された誘電体層11上又はベースフィルム上に導電
性ペーストを間隔をあけて印刷乾燥して複数の内部電極
層12を形成する工程と、これらの内部電極層12を形
成した誘電体層11上又はベースフィルム上の内部電極
層12の間及び内部電極層12の端部に誘電体ペースト
を印刷乾燥して内部電極層12の厚みと同程度の厚みを
有する厚み調整用誘電体層13を形成する工程と、この
厚み調整用誘電体層13及び内部電極層12の上に上記
誘電体スラリーによる重ね用誘電体層14を形成する工
程とを含む積層セラミックコンデンサの製造方法の改良
である。その特徴ある構成は、上記誘電体スラリーを誘
電体磁器粉末と有機バインダと低沸点の第1有機溶剤と
を混合することにより調製し、この誘電体スラリーに第
1有機溶剤の沸点より高沸点の第2有機溶剤を加えて混
合した後、第2有機溶剤の沸点より低い温度で誘電体ス
ラリーを加熱して誘電体スラリーに含まれる第1有機溶
剤を第2有機溶剤に置換することにより上記誘電体ペー
ストを調製することにある。
【0007】積層グリーン体20内部の誘電体層11,
14上の内部電極層12の間及び内部電極層12の端部
に厚み調整用誘電体層13を設けることにより、内部電
極層12が形成される部分の厚さと内部電極層12が形
成されない部分の厚さとの差がなくなる。これにより積
層グリーン体20の誘電体層と内部電極層との境界部に
おけるストレスを緩和することができる。また誘電体ス
ラリーに高沸点の有機溶剤を加えて混合した後、誘電体
スラリーに含まれる低沸点の有機溶剤を高沸点の有機溶
剤に置換して誘電体ペーストを調製することにより、誘
電体ペースト中に含まれる誘電体磁器粉末の性状は誘電
体スラリー中に含まれる誘電体磁器粉末の性状と同じに
なり、誘電体層11,14と厚み調整用誘電体層13の
各焼結特性が同一になる。その結果、誘電体層11,1
4と厚み調整用誘電体層13の界面にクラック等の欠陥
を生じず、積層セラミックコンデンサとして耐湿性に優
れ、サーマルショックレベルでの劣化を生じない。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明を湿式積層法で行う場合に
は、先ず誘電体磁器粉末、有機バインダ、可塑剤及び低
沸点の有機溶剤を混合して誘電体スラリーを調製し、こ
の誘電体スラリーをカーテンコート法により台板上にセ
ラミック誘電体層を厚さ数10μmに積層し乾燥した
後、この誘電体層の上面に間隔をあけて導電性ペースト
をスクリーン印刷し乾燥することにより複数の内部電極
層を形成する。次いで上記誘電体スラリーから作られ、
上記低沸点の有機溶剤より高い沸点の有機溶剤を含み、
粘性が高い以外は上記誘電体スラリーと同一の誘電体ペ
ーストを内部電極層の間及び内部電極層の端部に印刷乾
燥して内部電極層と同じ厚さの厚み調整用誘電体層を形
成する。次にこの厚み調整用誘電体層及び内部電極層の
上に上記誘電体スラリーを塗布して重ね用誘電体層を形
成する。この重ね用誘電体層の上に更に内部電極層、厚
み調整用誘電体層及び重ね用誘電体層をこの順に形成
し、この工程を複数回繰返して積層体を作った後、これ
を圧着することにより積層グリーン体を作る。更に続い
てこのグリーン体を内部電極層の単位でチップ状に切断
する。続いてチップ体を脱バインダ処理した後、焼成し
てベアチップとし、最後にベアチップの端面に外部電極
を形成する。
【0009】また本発明を乾式積層法で行う場合には、
導電性ペーストをベースフィルム上にスクリーン印刷し
乾燥することにより複数の内部電極層を形成し、次いで
これらの内部電極層の間及び内部電極層の端部に、上記
誘電体スラリーから作られ、高沸点の有機溶剤を含む誘
電体ペーストを印刷乾燥して内部電極層と同じ厚さの厚
み調整用誘電体層を形成する。一方低沸点の有機溶剤を
含み、粘性が低い以外は上記誘電体ペーストと同じ誘電
体スラリーをベースフィルム上にドクタブレード法等に
より成膜乾燥してセラミックグリーンシートを作る。こ
のグリーンシートは重ね用誘電体層、後述する下カバー
誘電体部及び上カバー誘電体部を形成するためのシート
である。ベースフィルムを剥離しながら上記グリーンシ
ートを積層して下カバー誘電体部を形成し、その上に内
部電極層と厚み調整用誘電体層が成膜乾燥されたシート
を同様にベースフィルムを剥離しながら下カバー誘電体
部に積層し、その上に厚み調整用誘電体層を積層する。
この工程を複数回繰返し積層して積層体を作る。以下、
湿式積層法と同様にして積層体を圧着することにより積
層グリーン体を作り、これを切断した後、チップ体の脱
バインダ処理、焼成を行い、外部電極を形成する。
【0010】湿式積層法も乾式積層法も、内部電極層を
形成するための導電性ペーストの印刷パターンと、厚み
調整用誘電体層を形成するための誘電体ペーストの印刷
パターンは、写真フィルムのネガティブとポジティブの
関係になる。本発明に用いられる有機溶剤としては、
(a)メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ア
セトン等のケトン類、(b)トルエン、キシレン、ノルマ
ルヘキサン等の炭化水素類、(c)メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、アミルアルコール
等のアルコール類、(d)酢酸エチル、酢酸ブチル等のエ
ステル類、(e)エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、
ブチルカルビトール、テルピネオール等のエーテルアル
コール類、塩化メチレン、1・1・1−トリクロロエタ
ン等の塩化炭化水素類及びこれらの混合物が挙げられ
る。本発明の低沸点及び高沸点の有機溶剤は上記有機溶
剤中から沸点差に応じてそれぞれ選定される。誘電体ス
ラリーの第1有機溶剤を第2有機溶剤に置換するために
は、第2有機溶剤の沸点より低い温度で誘電体スラリー
を加熱して第1有機溶剤を蒸発させる。この加熱温度は
第1有機溶剤の沸点より高くなくてもよく、第2有機溶
剤の沸点との差が小さいときには、第1有機溶剤の沸点
より低くてもよい。加熱温度の高いときには加熱時間を
短くし、低いときには長くする。
【0011】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに説明す
る。本発明はこの実施例に限定されるものではない。 <実施例>リラクサ系の誘電体磁器粉末とエチルセルロ
ース樹脂と沸点が約140℃のキシレンとアミルアルコ
ールの混合溶剤をボールミルとビーズミルを用いて混練
し、誘電体スラリーを調製した。一方、この誘電体スラ
リーから誘電体ペーストを調製した。即ちこの誘電体ス
ラリーに沸点が約220℃のテルピネオールを添加した
後、60〜100℃で24時間加熱して低沸点の有機溶
剤である混合溶剤を蒸発させた。所定の粘性を得るため
にテルピネオールの含有量を調整した後、3本ロールで
混ぜて誘電体ペーストを得た。このテルピネオール量の
調整はその後のテルピネオール自体の僅かな蒸発をも考
慮して行われた。上記誘電体スラリーは図1に示す下カ
バー誘電体部21の誘電体層11、コンデンサ部22の
重ね用誘電体層14、上カバー誘電体部23の誘電体層
11をそれぞれ形成するために用いられ、また上記誘電
体ペーストは厚み調整用誘電体層13を形成するために
用いられる。更に内部電極層12を形成するための導電
性ペーストは市販のAg/Pd=70/30のものを用
いた。
【0012】湿式積層法により、上記誘電体スラリー、
導電性ペースト及び誘電体ペーストを塗布又は印刷し
た。即ち、先ず台板25上に誘電体スラリーを重ね塗り
することにより下カバー誘電体部21を形成し、この下
カバー誘電体部21の最上の誘電体層11上に導電性ペ
ーストをネガティブのパターンでスクリーン印刷して複
数の内部電極層12を形成した。次いで上記ネガティブ
のパターンに対応するポジティブのパターンで内部電極
層12の間及び内部電極層12の端部に誘電体ペースト
をスクリーン印刷して厚み調整用誘電体層13を形成
し、この厚み調整用誘電体層13の上に誘電体スラリー
を塗って重ね用誘電体層14を形成した。この内部電極
層12の形成、厚み調整用誘電体層13の形成及び重ね
用誘電体層14の形成を繰返して、コンデンサ部22を
形成した。更にコンデンサ部22の最上層に誘電体スラ
リーを重ね塗りすることにより上カバー誘電体部23を
形成した。
【0013】上記下カバー誘電体部21、コンデンサ部
22及び上カバー誘電体部23を図示しない上プレスと
下プレスにより圧着して積層グリーン体20を作製し
た。続いて積層グリーン体20を所定の大きさのチップ
状に切断した後、このチップ体を600℃で2時間加熱
して脱バインダ処理し、更に1000〜1100℃で2
〜3時間焼成した。このベアチップをバレル研磨してそ
の両端面に内部電極層を露出させた後、外部電極を形成
してチップ型積層セラミックコンデンサを作製した。こ
の積層セラミックコンデンサはサイズが長さ4.5m
m、幅3.2mm、高さ0.9mmであって、内部電極
層の数は23層、内部電極層間の重ね用誘電体層の厚さ
は15μmであった。
【0014】<比較例>比較例の誘電体スラリーは実施
例の誘電体スラリーと同一のものを使用した。また比較
例の誘電体ペーストはこの誘電体スラリーから作らず、
次のように別に調製した。即ち、誘電体磁器粉末及び有
機バインダは実施例と同じものを同一の配合比となるよ
うに採取した。有機溶剤はテルピネオールを粘度調整用
のイソプロパノールを用いた。上記の原材料をボールミ
ルで混練し、粘度調整用のイソプロパノールを蒸発して
溶剤量を調整した後、3本ロールで混ぜ誘電体ペースト
を調製した。この誘電体ペーストを使用して実施例と同
様にして、同一サイズのチップ型積層セラミックコンデ
ンサを作製した。
【0015】<チップ型積層セラミックコンデンサの内
部構造観察>実施例と比較例のコンデンサをそれぞれ5
0個ずつ用意し、これらをエポキシ系の樹脂に埋込んだ
後、研磨して各断面を光学顕微鏡で観察したところ、コ
ンデンサ部の断面において比較例のコンデンサでは5個
微小なクラックが発生していたのに対して、実施例のコ
ンデンサには全くクラックは発生していなかった。
【0016】<サーマルショック試験>実施例と比較例
のコンデンサをそれぞれ100個ずつ用意し、これらを
サーマルショック試験により評価した。即ちチップ型積
層セラミックコンデンサを1個ずつピンセットでつか
み、これを予熱せずに350℃のSn63/Pb37の
共晶はんだ槽に3秒間浸漬した後、引上げた。実施例及
び比較例のコンデンサにクラックが発生しているか否か
を光学顕微鏡で調べた。その結果、比較例のチップコン
デンサでは3個クラックが発生していたのに対して、実
施例のチップコンデンサには全くクラックが発生してい
なかった。また実施例のコンデンサは400℃のサーマ
ルショック試験でもクラックは全く発生しなかった。
【0017】<耐湿負荷試験>実施例と比較例のコンデ
ンサをそれぞれ20個ずつ用意し、これらを耐湿負荷試
験により評価した。即ちコンデンサに対して+85℃の
温度で85%の相対湿度下、50Vの直流電圧を印加し
て1000時間後の劣化の有無を調べた。比較例のコン
デンサでは2個不良が発生したのに対して、実施例のコ
ンデンサには全く不良品は発生しなかった。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、厚
み調整用誘電体層を形成するための誘電体ペーストを重
ね用誘電体層を形成するための誘電体スラリーから有機
溶剤を置換することにより調製するので、誘電体ペース
ト中に含まれる誘電体磁器粉末の性状は誘電体スラリー
中に含まれる誘電体磁器粉末の性状と同じになり、重ね
用誘電体層と厚み調整用誘電体層の各焼結特性が同一に
なる。その結果、重ね用誘電体層と厚み調整用誘電体層
の界面にクラック等の欠陥を生じず、積層セラミックコ
ンデンサにはクラックは発生せず、耐湿性に優れ、サー
マルショックレベルでの劣化を生じない。これにより信
頼性の高い積層セラミックコンデンサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層セラミックコンデンサのグリーン
体を積層する状況を示す構成図。
【図2】その要部斜視図。
【図3】従来の乾式積層法により積層するためのグリー
ン体の製造を説明する断面図。
【図4】従来の積層グリーン体の断面図。
【符号の説明】
11 誘電体層 12 内部電極層 13 厚み調整用誘電体層 14 重ね用誘電体層 20 積層グリーン体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体スラリーにより形成された誘電体
    層(11)上又はベースフィルム上に導電性ペーストを間隔
    をあけて印刷乾燥して複数の内部電極層(12)を形成する
    工程と、 前記内部電極層(12)を形成した誘電体層(11)上又は前記
    ベースフィルム上の前記内部電極層(12)の間及び前記内
    部電極層(12)の端部に誘電体ペーストを印刷乾燥して前
    記内部電極層(12)の厚みと同程度の厚みを有する厚み調
    整用誘電体層(13)を形成する工程と、 前記厚み調整用誘電体層(13)及び内部電極層(12)の上に
    前記誘電体スラリーによる重ね用誘電体層(14)を形成す
    る工程とを含む積層セラミックコンデンサの製造方法に
    おいて、 前記誘電体スラリーを誘電体磁器粉末と有機バインダと
    低沸点の第1有機溶剤とを混合することにより調製し、 前記誘電体スラリーに前記第1有機溶剤の沸点より高沸
    点の第2有機溶剤を加えて混合した後、前記第2有機溶
    剤の沸点より低い温度で前記誘電体スラリーを加熱して
    前記誘電体スラリーに含まれる第1有機溶剤を第2有機
    溶剤に置換することにより前記誘電体ペーストを調製す
    ることを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方
    法。
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