JPH0910672A - 粉体塗料により形成された塗膜を有する物品 - Google Patents

粉体塗料により形成された塗膜を有する物品

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JPH0910672A
JPH0910672A JP16097695A JP16097695A JPH0910672A JP H0910672 A JPH0910672 A JP H0910672A JP 16097695 A JP16097695 A JP 16097695A JP 16097695 A JP16097695 A JP 16097695A JP H0910672 A JPH0910672 A JP H0910672A
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coating film
fluorine
hydroxyl group
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JP16097695A
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English (en)
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Toru Ishida
徹 石田
Shunichi Kodama
俊一 児玉
Isao Kimura
功 木村
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】物品表面に、水系塗料により形成された塗膜を
介して、(A)架橋性官能基Xを有する含フッ素共重合
体および(B)Xと反応する架橋性官能基Yを有する含
フッ素共重合体を含む粉体塗料により形成された塗膜を
有することを特徴とする物品。 【効果】耐酸性雨性、耐すりきず性、耐汚染性、耐候
性、低公害性などに優れた塗膜を有し、特に自動車など
物品に応用した場合きわめて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐酸性雨性、耐すりき
ず性、汚れ落ち性、耐候性、低公害性などに優れた塗膜
を有する物品に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車体などのトップコートとして、
従来アクリルメラミン系塗料が1液型で塗装作業性、仕
上がり外観性に優れ、コストパフォーマンスも高いこと
から工業的に広く用いられてきた。
【0003】他方、年々深刻化する環境汚染問題に対し
て従来の溶剤を多量に含むいわゆる溶剤型塗料による塗
装方法にかわって有機溶剤排出量を削減した低公害型の
塗装方法が望まれている。
【0004】例えばベースコートに水系塗料を用い、か
つトップコートに粉体塗料を用いる塗装方法が知られて
いる。ベースコートとして用いる水系塗料としては例え
ば特開昭56−157358、特開昭64−24870
に記載のものがある。またトップコートに用いられる粉
体塗料としては例えばフルオロオレフィン類とエチレン
性不飽和単量体の共重合体および硬化剤からなる熱硬化
性フッ素樹脂粉体塗料(特開平1−103670)、多
価カルボン酸を硬化剤とするアクリル粉体塗料(特開昭
59−5350)などが知られている。
【0005】しかし、近年、酸性雨が社会問題となり、
濃色の比率の増加とともに耐すりきず性も重要な塗膜性
能となったために、従来の塗装系では耐酸性が悪く、改
良が望まれていた。
【0006】すなわち、従来のトップコートでアクリル
樹脂またはポリエステル樹脂を主成分とするものはエス
テル結合の酸による加水分解の欠点をもつために、耐酸
性、汚れ落ち性の向上にはおのずと限界がある。
【0007】また、主成分がアクリル樹脂あるいはポリ
エステル樹脂であるために初期の耐酸性は良好であるが
耐候劣化した後の耐酸性が低下する問題があった。ま
た、鳥ふんなどの汚染物に対して、塗膜にシミが残り、
水洗いをしても回復しない問題もあった。
【0008】これに対しフルオロオレフィン類とエチレ
ン性不飽和単量体の共重合体および硬化剤からなる熱硬
化性フッ素樹脂粉体塗料は、アクリルメラミン塗料より
も塗膜性能は格段に優れるが、80℃以上の厳しい試験
条件では耐酸性に問題があった。また加熱硬化時に発生
するブロックイソシアネートのブロック化剤が塗膜のピ
ンホールの原因になるなどの問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の従来技術における種々の欠点を解消し、耐酸性雨性、
耐すりきず性に加えて耐汚染性、耐候性にすぐれ、かつ
低公害型の塗膜を有する物品を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、物品表面に、
水系塗料により形成された塗膜を介して、(A)架橋性
官能基Xを有する含フッ素共重合体および(B)Xと反
応する架橋性官能基Yを有する含フッ素共重合体を含む
粉体塗料により形成された塗膜を有することを特徴とす
る物品である。
【0011】本発明に用いる水系塗料は水溶性または水
分散型熱硬化性樹脂を基本成分とするものであれば特に
限定されない。その他の好ましい成分には、硬化剤、メ
タリック顔料または着色顔料、水に可溶な有機溶剤、脱
イオン水などがある。さらに必要に応じて体質顔料、粘
度調節剤、レベリング剤などの成分を用いてもよい。
【0012】水溶性または水分散型の熱硬化性樹脂とし
てはアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、
フッ素樹脂などがある。硬化剤としては例えばメラミ
ン、ベンゾグアナミン、アミノ樹脂、ブロックイソシア
ネートなどが挙げられる。メタリック顔料については水
系塗料に使用できるものであれば特に制限はなく、例え
ばそれぞれに表面処理を施したアルミニウム、銅、真
鍮、ステンレス、スチール、雲母状酸化鉄、鱗片状メタ
リック粉体、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母片な
どが用いられる。
【0013】また着色顔料についても水系塗料に使用で
きれば特に制限はなく、二酸化チタン、ベンガラ、着色
酸化鉄、カーボンブラックなどの無機顔料やフタロシア
ニンブルー、キナクリドン系赤色顔料、イソインドリノ
ン系黄色顔料などの有機顔料が挙げられる。
【0014】(A)1種以上の架橋性官能基Xを有する
含フッ素共重合体、および(B)Xと反応する架橋性官
能基Yを有する含フッ素共重合体を含む粉体塗料におい
て、含フッ素共重合体(A)および(B)は、フルオロ
オレフィン類に基づく重合単位とフルオロオレフィン類
以外のエチレン性不飽和単量体に基づく重合単位を含む
含フッ素共重合体が好ましく使用される。
【0015】フルオロオレフィン類は一般式CF2 =C
FXで示される化合物が好適に採用される。ただし、X
は水素、塩素、フッ素、炭素数1〜3のパーフルオロア
ルキル基または炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ
基である。
【0016】具体的には、トリフルオロエチレン、テト
ラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘ
キサフルオロプロピレン、パーフルオロ(プロピルビニ
ルエーテル)などが例示される。
【0017】本発明において含フッ素共重合体中に上記
フルオロオレフィン類が共重合体鎖中にフッ素置換エチ
レン単位として導入され、耐候性などの優れた塗膜が得
られる。フルオロオレフィン類は1種のみの単独使用で
あってもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0018】フルオロオレフィン類と共重合するエチレ
ン性不飽和単量体はビニルエーテル類、ビニルエステル
類、イソプロペニルエーテル類、アリルエーテル類、ア
リルエステル類、オレフィン類など、特に限定されず、
共重合可能なものが採用できる。塗料用原料として用い
る場合、その溶剤可溶性、塗膜硬度のコントロール、耐
候性の観点からまた交互共重合性、重合収率などの観点
からビニルエーテル類が望ましい。
【0019】ビニルエーテル類の具体例は、エチルビニ
ルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどの炭素
数2〜8程度のアルキル基またはシクロアルキル基を有
するアルキルビニルエーテル類、シクロアルキルビニル
エーテル類などである。
【0020】含フッ素共重合体(A)の架橋性官能基X
としては水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボ
ン酸無水物および加水分解性シリル基から選ばれる一種
以上が好ましい。含フッ素共重合体(B)の架橋性官能
基Yとしては水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、カ
ルボン酸無水物および加水分解性シリル基から選ばれる
一種以上が好ましい。
【0021】架橋性官能基X、Yの含フッ素共重合体へ
の導入方法としては、以下に挙げる水酸基、エポキシ
基、カルボキシル基、カルボン酸無水物および加水分解
性シリル基を有するエチレン性不飽和単量体とフルオロ
オレフィン類を共重合させる方法が挙げられる。
【0022】水酸基を有するエチレン性不飽和単量体と
しては次のものが例示される。ヒドロキシブチルビニル
エーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテルなどのヒド
ロキシアルキルビニルエーテル類。ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート類(なお、(メタ)アクリレートとは
メタクリレートまたはアクリレートを意味する)。ヒド
ロキシエチルアリルエーテルなどのヒドロキシアルキル
アリルエーテル類。ヒドロキシブチルイソプロペニルエ
ーテルなどのヒドロキシアルキルイソプロペニルエーテ
ル類など。
【0023】なかでも、ヒドロキシアルキルビニルエー
テル類またはヒドロキシアルキルイソプロペニルエーテ
ル類、特にヒドロキシアルキルビニルエーテル類がフル
オロオレフィン類との共重合性などの面から好ましい。
【0024】エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量
体としては、グリシジルビニルエーテル、脂環式エポキ
シ基を有するビニルエーテル、グリシジルアリルエーテ
ル、グリシジル(メタ)アクリレートなどが例示され
る。また、前述と同様の理由から、エポキシ基を有する
エチレン性不飽和単量体としては、ビニルエーテル系の
ものが好ましい。
【0025】カルボン酸無水物基を有するエチレン性不
飽和単量体としては次のものが例示される。無水マレイ
ン酸、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、テトラ
ヒドロフタル酸無水物、1,3−ジカルボキシ−2−プ
ロペンの酸無水物、1,2−ジカルボキシ−4−ヘキセ
ンの酸無水物、1,6−ジカルボキシ−4−ヘキサンの
酸無水物、1,2−ジカルボキシ−4−アリルシクロヘ
キサンの酸無水物など。
【0026】トリメリット酸モノビニルの酸無水物、
1,2,3−プロパントリカルボン酸モノビニルの酸無
水物、1,2,4−ブタントリカルボン酸モノビニルの
酸無水物、3−(2’、3’−ジカルボキシプロピル)
酪酸ビニルの酸無水物のような、3価以上のカルボン酸
のモノビニルエステルの酸無水物でもよい。
【0027】また、1,2−ジカルボキシエチルビニル
エーテルの酸無水物、1,2−ジカルボキシアリルビニ
ルエーテルの酸無水物、1,2−ジカルボキシプロピル
ビニルエーテルの酸無水物、1,2−ジカルボキシプロ
ピルアリルエーテルの酸無水物、3−(2’,3’−ジ
カルボキシプロピル)ブチルビニルエーテルの酸無水
物、1,2−シカルボキシ−4−ヒドロキシシクロヘキ
シルビニルエーテルの酸無水物のような、2個以上のカ
ルボキシル基と1個以上の二重結合を有するエーテルの
酸無水物でもよい。
【0028】また、1,2,5,6−テトラカルボキシ
−3−ヘキサンの酸無水物、1,2,6,7−テトラカ
ルボキシ−3−ヘプテンの酸無水物、1,2−ビス(ジ
カルボキシプロピオニルオキシ)エチレンの酸無水物の
ような、分子中に2個以上のカルボン酸無水物基を有す
るビニル単量体などでもよい。
【0029】カルボキシル基を有するエチレン性不飽和
単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、10−ウンデセン酸などの不飽和カルボン酸などが
ある。加水分解によりカルボキシル基となる基を有する
単量体を共重合することにより、含フッ素共重合体中に
カルボキシル基を導入することもできる。また、水酸基
含有含フッ素共重合体を酸無水物などによりハーフエス
テル化を行って、含フッ素共重合体中にカルボキシル基
を導入することもできる。
【0030】加水分解性シリル基を有するエチレン性不
飽和単量体としては、分子中にオレフィン性不飽和結合
とアルキレン基と、加水分解可能なアルコキシシリル基
またはシラノール基を有する化合物が好ましい。具体的
には次のものが例示できる。
【0031】アリルトリメトキシシラン、アリルトリエ
トキシシラン、3−ブテニルトリメトキシシラン、3−
ブテニルトリエトキシシラン、1−メチル−2−プロペ
ニルトリメトキシシラン、1−メチル−2−プロペニル
トリエトキシシラン、4−ペンテニルトリメトキシシラ
ン、4−ペンテニルトリエトキシシラン、1−メチル−
3−ブテニルトリメトキシシラン、1−メチル−3−ブ
テニルトリエトキシシラン、2−メチル−3−ブテニル
トリメトキシシラン、2−メチル−3−ブテニルトリエ
トキシシラン、5−ヘキセニルトリメトキシシラン、5
−ヘキセニルトリエトキシシラン、1−メチル−4−ペ
ンテニルトリメトキシシラン、6−ヘプテニルトリメト
キシシラン、6−ヘプテニルトリエトキシシラン、1−
メチル−5−ヘキセニルトリメトキシシラン、7−オク
テニルトリメトキシシラン、7−オクテニルトリエトキ
シシラン、3−メチル−6−ヘプテニルトリメトキシシ
ラン、8−ノネニルトリメトキシシラン、8−ノネニル
トリエトキシシラン、2−メチル−7−オクテニルトリ
メトキシシラン、9−デセニルトリメトキシシラン、9
−デセニルトリエトキシシラン、2−メチル−8−ノネ
ニルトリメトキシシラン、10−ウンデセニルトリメト
キシシラン、10−ウンデセニルトリエトキシシラン、
11−ドデセニルトリメキシシラン、11−ドデセニル
トリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピ
ルトリヒドロキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプ
ロピルメチルジヒドロキシシラン、4−(メタ)アクリ
ロキシブチルフェニルジヒドロキシシラン、3−(メ
タ)アクリロキシプロピルフェニルメチルヒドロキシシ
ラン(なお、(メタ)アクリロキシとはアクリロキシま
たはメタアクリロキシを意味する)など。
【0032】その他の架橋性官能基X、Yとしては、ア
ミノ基、カルボニル基、エステル基、チオール基、アル
デヒド基がある。これらの架橋性官能基の導入方法は、
これらの架橋性官能基とオレフィン性不飽和結合を含み
フルオロオレフィン類と共重合可能な単量体をフルオロ
オレフィン類と共重合させる方法などがある。
【0033】本発明の含フッ素共重合体(A)と含フッ
素共重合体(B)の官能基の組合せ「X/Y」として
は、「カルボキシル基/水酸基」、「カルボキシル基/
水酸基およびエポキシ基」、「カルボン酸無水物基/水
酸基およびエポキシ基」、「カルボキシル基および水酸
基/エポキシ基および水酸基」、「エポキシ基および水
酸基/加水分解性シリル基および水酸基」、「水酸基/
加水分解性シリル基」などが好ましい。最も好ましいの
はカルボキシル基とエポキシ基の組合せである。
【0034】架橋性官能基X中に2種類以上の官能基を
有する場合、これらの官能基すべての種類が架橋反応に
関与してもよく、これらの官能基の一部の種類のみが関
与してもよい。架橋性官能基Y中に2種類以上の官能基
を有する場合も同様である。
【0035】例えば、「カルボキシル基および水酸基/
エポキシ基および水酸基」、「エポキシ基および水酸基
/加水分解性シリル基および水酸基」の組合せの場合、
架橋性官能基XおよびY中の水酸基はいずれもが架橋反
応に関与してもよく、いずれか一方のみが関与してもよ
い。
【0036】カルボキシル基を一方の官能基に選ぶ場合
には酸価は10〜200mgKOH/gの範囲にあるも
のが好ましい。酸価が小さすぎると架橋密度が充分でな
く優れた塗膜物性が得られない場合がある。酸価が大き
すぎると塗膜の柔軟性が損なわれることになる。
【0037】また含フッ素共重合体(A)と含フッ素共
重合体(B)の組成比は特に制限されないが、官能基X
に対する官能基Yの未反応の割合が官能基の当量比でX
/Y=1まで、官能基Yに対する官能基Xの未反応の割
合が官能基の当量比でY/X=1までとすることが好ま
しい。この範囲をはずれる場合は、含フッ素共重合体の
未反応の官能基が塗膜中に残存する量が多すぎるため
に、塗膜の耐薬品性、耐候性が低下するので好ましくな
い。
【0038】含フッ素共重合体(A)と(B)はいずれ
も、重量平均分子量は3,000〜50,000が好ま
しく、4,000〜20,000の範囲がより好まし
い。分子量が小さすぎると充分な耐候性が得られず、大
きすぎると溶融粘度が大きすぎて平滑な塗膜が得られな
い。
【0039】含フッ素共重合体(A)と(B)のガラス
転移温度Tg は60〜120℃の範囲にあることが好ま
しい。Tg が低すぎると粉体粒子のブロッキングが生
じ、Tg が高すぎると加熱塗装時に充分な流動性が得ら
れず塗膜の外観を損なうため好ましくない。
【0040】本発明の粉体塗料には、含フッ素共重合体
(A)および(B)成分の他に必要に応じて一般の塗料
組成物に用いる公知のアクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂など
の粉体樹脂も配合できる。これらの樹脂の配合量は、含
フッ素共重合体(A)および(B)の合計100重量部
に対して1〜10000重量部、特には10〜1000
重量部が好ましい。
【0041】さらに必要に応じて硬化触媒、表面調整
剤、紫外線吸収剤、着色顔料、メタリック顔料、体質顔
料などを配合できる。硬化触媒としては、酸、塩基、ブ
ロック化された酸または塩基有機アミン、有機金属化合
物、金属キレート化合物などが挙げられる。
【0042】本発明の粉体塗料に用いる含フッ素共重合
体は粉末化して用いられるが、常温で固体でありかつブ
ロッキング現象を起こさないためには溶剤などの揮発成
分の残存量(加熱残量)が5重量%以下が好ましく、2
重量%以下がより好ましい。加熱残量が大きすぎると貯
蔵安定性が悪くまた加熱塗装時に塗膜のふくれ、ピンホ
ールなどの不具合を生じるおそれがある。
【0043】本発明における物品材質には、コンクリー
ト、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(ガラス
繊維強化コンクリート)、CFRC(カーボン繊維強化
コンクリート)、石、スレート、ガラス等の無機建材、
アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹
脂、ポリエチレン樹脂などの樹脂やゴムなどの有機基
材、アルミニウム、銅、真鍮、チタン、鉄、ステンレ
ス、亜鉛鋼板、鋼板等の金属基材、木材、さらにはFR
P(ガラス繊維強化合成樹脂)、CFRP(カーボン繊
維強化合成樹脂)などの有機無機複合基材などがある。
【0044】本発明における物品の好ましい例として
は、自動車、電車、ヘリコプタ、船、自転車、雪上車、
ロープウェイ、リフト、ホバークラフト、自動二輪車等
の輸送用機器、サッシ、シャッタ、貯水タンク、ドア、
バルコニー、建築用外板パネル、屋根材、階段、天窓、
コンクリート塀などの建築用部材、建築物外壁、ガード
レール、歩道橋、防音壁、標識、高速道路側壁、橋梁な
どの道路部材、タンク、パイプ、塔、煙突などのプラン
ト設備、ビニールハウス、温室、サイロ、農業用シート
などの農業用設備、電柱、送電鉄塔、パラボラアンテナ
などの通信用設備、電気配線ボックス、照明器具、エア
コン屋外器、洗濯機などの電気機器、およびそのカバ
ー、モニュメント、墓石、舗装材、風防シート、防水シ
ート、建築用養生シートなどが挙げられる。
【0045】
【実施例】
「合成例1(含フッ素共重合体の合成A−1)」内容積
2.5Lのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ(耐
圧30kg/cm2 G)にキシレン651g、エタノー
ル184g、シクロヘキシルビニルエーテル(以下、C
HVEという)19.1g、ベオバー9(シェル社製炭
素数9の分岐状脂肪族カルボン酸のビニルエステル、以
下、V−9という)27.8g、ω−ヒドロキシブチル
ビニルエーテル(以下、HBVEという)23.5g、
炭酸カリウム11.6gを仕込み、冷却脱気、チッ素ガ
スによる加圧を繰り返して溶存空気を除去する。
【0046】次いでクロロトリフルオロエチレン(以
下、CTFEという)58.9g、をオートクレーブ中
に導入し昇温する。オートクレーブ内の温度が65℃に
達した時点で圧力1.0kg/cm2 Gを示す。その
後、t−ブチルパーオキシピバレート(以下、PBPV
という)50重量%キシレン溶液9mlを添加し、反応
を開始させる。圧力の低下に伴い圧力を維持しつつ、C
TFE470g、CHVE210.6g、V−9の13
9.6g、HBVE188gを連続的に加え反応を続行
させた。なお、反応進行中、PBPV50重量%キシレ
ン溶液23mlを連続的に加えた。
【0047】14時間後、各単量体のフィードを停止し
0.5kg/cm2 Gまで反応を続行し、その後オート
クレーブを水冷し、反応を停止した。その後オートクレ
ーブを水冷し、反応を停止した。室温に達した後、未反
応モノマーをパージし、オートクレーブを開放する。得
られた溶剤含有ポリマーから1mmHgの減圧下で24
時間かけて溶剤を除去したのち、衝撃式ハンマーミルで
粉砕し含フッ素共重合体の粉末を得た(以下、この粉末
をA−1という)。A−1の重量平均分子量は6,00
0、Tg は78℃であった。
【0048】A−1と同様に表1〜3に示すモノマー組
成により、共重合を行いA−2〜A−11を得た。表1
〜3において共重合体組成の単位はモル%である。な
お、A−2、A−6およびA−7は以下に示す方法によ
り、無水コハク酸を用いて変性を行った含フッ素共重合
体の粉末である。
【0049】「無水コハク酸を用いる変性」表1のA−
2の欄に示す単量体を共重合して得られた含フッ素共重
合体の粉末50gをキシレン50gに攪拌機付き200
cc四つ口フラスコ中で溶解し、無水コハク酸0.90
gを加えた。さらに、トリエチルアミン0.05gを添
加した後フラスコを徐々に昇温し、フラスコ内溶液が1
10℃に達した後、その温度に保ち反応を行った。2時
間反応を続けた後、無水コハク酸の1850cm-1の特
性吸収は観測されなくなり、カルボキシル基(1710
cm-1)およびエステル基(1735cm-1)の強い吸
収が見られた。
【0050】急冷により反応を停止し、得られたポリマ
ーを1mmHgの減圧下で24時間かけて溶剤を除去し
た後、衝撃式ハンマーミルで粉砕し含フッ素共重合体の
粉末A−2を得た。
【0051】A−2の場合と同様に変性を行い、含フッ
素共重合体の粉末A−6およびA−7を得た。
【0052】「合成例2(ベースコート用塗料の合成C
−1)」スチレン10部、メチルメタクリレート25
部、エチルアクリレート35部、n−ブチルメタクリレ
ート15部およびアクリル酸2部を重合開始剤アゾビス
イソブチロニトリルを用いてキシレン中で重合させ、樹
脂分48重量%のアクリル樹脂溶液を得た(以下、この
樹脂溶液をC−1という)。このアクリル樹脂溶液を用
いて下記配合で溶剤型ベースコートF−1を得た。
【0053】 アクリル樹脂溶液(C−1) 200部、 サイメル303(三井サイナミド社製メラミン樹脂) 20部、 p−トルエンスルホン酸溶液 4部、 アルミペースト7770N(東洋アルミニウム社製アルミペースト)10部。
【0054】次に、このベースコートF−1をトルエン
40部、酢酸エチル40部、セロソルブアセテート20
部からなる混合溶剤で粘度13.5秒(フォードカップ
#4/20℃)に希釈して塗装に供した。
【0055】「実施例1」含フッ素共重合体の粉末A−
1の37部、含フッ素共重合体の粉末A−4の30部、
硬化触媒t−ブチルアンモニウムブロミド(TBAB)
1部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤チヌビン90
0(チバガイギー社製)2部、ヒンダードアミン系光安
定剤チヌビン144(チバガイギー社製)0.7部、塗
面調節剤モダフロー(モンサント社製)0.5部をドラ
イブレンダー(三井化工機社製商品名ヘンシェルミキサ
ー)により約1分間混合し、ついで90〜130℃の温
度条件で押し出し混練機プスコニーダーPR−46(プ
ス社製)を用いて溶融混合した。次に10℃に冷却した
後衝撃式ハンマーミルで粉砕し、180メッシュの金網
でふるいにかけ含フッ素粉体塗料を得た。
【0056】次に電着、中塗を施した下地板に、合成例
2に示したシルバーメタリック系ベースコート(F−
1)をスプレー塗装し、80℃で3分間乾燥したのち上
記粉体塗料を乾燥膜厚が40μmになるように静電スプ
レー塗装し170℃で30分間乾燥硬化させ、次の塗膜
性能試験を行った結果を表4に示す。
【0057】耐酸性:10重量%硫酸水溶液0.3ml
を塗面にスポットし70℃で1時間加熱後水洗いし、ス
ポット部のエッジ深さを3次元表面粗度計で測定した。
【0058】耐すりきず性:クレンザーをしみこませた
フェルトを500g荷重で50往復させ、初期光沢とキ
ズ部光沢から光沢保持率を算出した。
【0059】汚れ落ち性:カーボンブラックを0.1重
量%の濃度で水に分散させ、塗板にスプレーして60℃
20分焼き付ける操作を2回くり返し、水洗いする操作
を1サイクルとし、5サイクル後の汚れ落ち性を目視評
価した(○汚れがよく落ちる、△汚れが一部残る、×汚
れがかなり残る)。
【0060】耐候性:サンシャインウェザーメーターで
3000時間暴露した後の塗膜の光沢保持率で表示し
た。
【0061】「実施例2〜23」含フッ素共重合体A−
1〜A−11から表4〜6に示す重量部の塗料組成物を
実施例1と同様に作製し、実施例1と同様に塗膜性能試
験を行った結果を表4〜6に示す。
【0062】「比較例1〜4」表7に示す配合に基づ
き、含フッ素共重合体と硬化剤の組合せで塗料を調製
し、実施例1と同様にして試験板を作成した。実施例1
と同様に塗膜性能試験を行った結果を表7に示す。
【0063】表7中の記号は以下の化合物を表す。 B1−1:ブロックイソシアネート(VEBA−CHE
MIE AG社製商品名B−1065)、 B1−2:ブロックイソシアネート(HuLS社製商品
名アダクトB−1530)、 MF:メラミン樹脂(三和ケミカル社製商品名ニカラッ
クMW30)、 EP:エポキシ樹脂(大日本インキ社製商品名エピクロ
ン4050)。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
【表6】
【0070】
【表7】
【0071】
【発明の効果】本発明の物品は、耐酸性雨性、耐すりき
ず性、耐汚染性、耐候性、低公害性などに優れた塗膜を
有し、特に自動車など物品に応用した場合きわめて有用
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 127/12 PFJ C09D 127/12 PFJ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物品表面に、水系塗料により形成された塗
    膜を介して、(A)架橋性官能基Xを有する含フッ素共
    重合体および(B)Xと反応する架橋性官能基Yを有す
    る含フッ素共重合体を含む粉体塗料により形成された塗
    膜を有することを特徴とする物品。
  2. 【請求項2】官能基Xが水酸基、エポキシ基、カルボキ
    シル基、カルボン酸無水物基および加水分解性シリル基
    から選ばれる一種以上である請求項1の物品。
  3. 【請求項3】官能基Yが水酸基、エポキシ基、カルボキ
    シル基、カルボン酸無水物基および加水分解性シリル基
    から選ばれる一種以上である請求項1または2の物品。
  4. 【請求項4】官能基「X/Y」の組合せが、「カルボキ
    シル基/水酸基」、「カルボキシル基/水酸基およびエ
    ポキシ基」、「カルボン酸無水物基/水酸基およびエポ
    キシ基」、「カルボキシル基および水酸基/エポキシ基
    および水酸基」、「エポキシ基および水酸基/加水分解
    性シリル基および水酸基」および「水酸基/加水分解性
    シリル基」から選ばれる請求項1、2または3の物品。
  5. 【請求項5】含フッ素共重合体(A)および(B)が、
    フルオロオレフィン類に基づく重合単位とフルオロオレ
    フィン類以外のエチレン性不飽和単量体に基づく重合単
    位を含む共重合体である請求項1、2、3または4の物
    品。
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