JPH0931395A - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents

塗料用樹脂組成物

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JPH0931395A
JPH0931395A JP18591695A JP18591695A JPH0931395A JP H0931395 A JPH0931395 A JP H0931395A JP 18591695 A JP18591695 A JP 18591695A JP 18591695 A JP18591695 A JP 18591695A JP H0931395 A JPH0931395 A JP H0931395A
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JP
Japan
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resin
coating
group
copolymer
resin composition
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Application number
JP18591695A
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English (en)
Inventor
Masaru Yamauchi
優 山内
Bunji Uchino
文二 内野
Takashi Takayanagi
敬志 高柳
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】汚れ付着性に対する抵抗性に優れる塗膜を得
る。 【解決手段】塗料用樹脂(a)および多フッ素化炭素鎖
含有基および親水性基を有するフルオロオレフィン系共
重合体(b)を含み、(a)100重量部に対する
(b)の割合が0.001〜200重量部である塗料用
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料用樹脂組成物
に関し、詳しくは雨水などに含まれる汚れによるスジ状
の汚れが着きにくく、耐候性に優れた塗膜を与えること
ができる塗料用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐候性の優れた塗膜を与える塗料
用樹脂組成物として、含フッ素樹脂を含む塗料が知られ
ている。この塗料用の含フッ素樹脂は耐候性が高く、長
期使用に耐え、建築・土木構造物の保護機能に優れ、清
掃・塗り替えなどのメンテナンスが著しく少ないことな
ど種々の優れた性能を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
含フッ素樹脂を含む塗膜は、風雨に曝されたときなど、
雨水、泥水などに含まれる汚れが、塗膜表面に斑点状あ
るいはスジ状に残り、外観が損なわれるという欠点があ
った。
【0004】このため、汚れ、雪、生物付着などから保
護するための機能を持つ耐候性に優れた塗料が市場に置
いて待望されており、特に雨により形成されるスジ状の
汚れの着きにくさについて改良の要望が高かった。含フ
ッ素樹脂を含まない塗膜においても同様であり、塗膜の
耐候性および耐汚染性を目的とする改良がWO94/0
6870により知られている。
【0005】本発明は、前述の問題を解決すべくなされ
たものであり、耐候性に優れ、風雨により汚れが着きに
くく、外観が損なわれにくい塗膜を与えることができる
塗料用樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、塗料用樹脂
(a)および多フッ素化炭素鎖含有基および親水性基を
有するフルオロオレフィン系共重合体(b)を含み、
(a)100重量部に対する(b)の割合が0.001
〜200重量部であることを特徴とする塗料用樹脂組成
物である。
【0007】本発明の塗料用樹脂組成物に使用される塗
料用樹脂(a)としては、通常の塗料用樹脂に用いられ
るものが使用可能である。例えばフッ素樹脂、アルキド
樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹
脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、塩化ゴ
ム樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、硬化反応性
部位を有することが好ましい。これらの樹脂は、1種で
用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。塗
料用樹脂(a)としてフッ素樹脂またはこれとフッ素樹
脂以外の塗料用樹脂との混合物が好ましく、これらの樹
脂を用いた場合、本発明の塗料用樹脂組成物の効果が特
に発揮される。フッ素樹脂とフッ素樹脂以外の樹脂を組
合わせる場合には、フッ素樹脂以外の樹脂の併用割合は
フッ素樹脂100重量部に対して1〜200重量部が好
ましい。
【0008】アルキド樹脂はとしては、飽和多塩基酸と
多価アルコールとの縮合により得られるポリエステル樹
脂や不飽和多塩基酸と多価アルコールとの縮合により得
られる不飽和ポリエステル樹脂がある。アクリル樹脂と
しては、水酸基やカルボキシル基などの硬化反応性部位
を有する熱硬化性アクリル樹脂が好ましい。エポキシ樹
脂としては、アミン類やポリアミド樹脂などの硬化剤を
併用するものの他、両末端にあるエポキシ基にアクリル
モノマーやアミンを結合させた変性エポキシ樹脂が使用
できる。ポリウレタン樹脂としては、そのポリオール成
分がアクリルポリオールやポリエステルポリオールを用
いるものがある。シリコーン樹脂は、アルキド変性、ア
クリル変性、エポキシ変性などの変性シリコーン樹脂も
使用できる。塗料用樹脂(a)中の硬化反応性部位に
は、水酸基、カルボキシル基、グリシジル基、エポキシ
基、アミノ基などがある。フッ素樹脂やアクリル樹脂に
おいては、水酸基やカルボキシル基が好ましい例であ
る。
【0009】塗料用樹脂(a)として用いるフッ素樹脂
は、多フッ素化炭素鎖含有基および親水性基を有するフ
ルオロオレフィン系共重合体(b)以外のフッ素樹脂で
あり、フッ素含量が5重量%以上であるフルオロオレフ
ィン系共重合体が好ましい。塗料用樹脂(a)として用
いるフルオロオレフィン系共重合体(以下、共重合体X
という)は、フルオロオレフィンと、これと共重合し得
る他の単量体を共重合して得られる共重合体または2種
以上のフルオロオレフィンを共重合して得られる共重合
体である。
【0010】かかるフルオロオレフィンとしてはテトラ
フルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキ
サフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニ
ルなどが挙げられ、テトラフルオロエチレンとクロロト
リフルオロエチレンなどのパーハロオレフィンが好まし
い。
【0011】フルオロオレフィンと共重合し得る他の単
量体としては、エチレン性不飽和化合物が好ましく使用
される。エチレン性不飽和化合物としては、例えばビニ
ルエーテル、アリルエーテル、カルボン酸ビニルエステ
ル、カルボン酸アリルエステル、オレフィンなどが例示
される。
【0012】ビニルエーテルとしてはシクロヘキシルビ
ニルエーテルなどのシクロアルキルビニルエーテル、ノ
ニルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテ
ル、ヘキシルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテ
ル、t−ブチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエ
ーテルが例示される。アリルエーテルとしてはエチルア
リルエーテル、ヘキシルアリルエーテルなどのアルキル
アリルエーテルが例示される。
【0013】カルボン酸ビニルエステルやカルボン酸ア
リルエステルのカルボン酸としては酢酸、酪酸、ピバリ
ン酸、クロトン酸、安息香酸などが挙げられる。また、
分枝状アルキル基を有するカルボン酸のビニルエステル
として、市販されているベオバ−9、−10(いずれも
シェル化学社製)などが使用できる。オレフィン類とし
てはエチレン、イソブチレンなどが例示される。
【0014】上記フルオロオレフィンと共重合し得る他
の単量体は、1種のみを用いる他、例えばビニルエーテ
ル中の2種を用いたり、ビニルエーテルとカルボン酸ビ
ニルエステルの2種を用いるなど、2種以上の単量体を
併用できる。共重合体Xとしては、2種以上のフルオロ
オレフィンを共重合して得られる、硬化反応性部位を有
しない共重合体でもよいが、好ましくは硬化反応性部位
を有する共重合体である。かかる硬化反応性部位は硬化
剤と反応して架橋結合を形成するものであればよい。硬
化反応性部位は硬化剤との組み合わせにより、適宜選択
できるが、代表的な例としては水酸基、カルボキシル
基、グリシジル基、エポキシ基、アミノ基などである。
かかる硬化反応性部位の導入法としては、共重合反応時
に硬化反応性部位を有する単量体を共重合する方法が挙
げられる。
【0015】また重合後に後反応により、硬化反応性部
位を導入することも可能である。この方法としては、例
えば以下の(1)〜(4)の方法がある。 (1)カルボン酸ビニルエステルを共重合した重合体を
ケン化することにより、ヒドロキシル基を導入する方
法。 (2)ヒドロキシ基を有する重合体に多価カルボン酸あ
るいはその無水物を反応せしめてカルボキシル基を導入
する方法。 (3)ヒドロキシ基を有する重合体にイソシアネートア
ルコキシシランを反応せしめて加水分解性シリル基を導
入する方法。 (4)ヒドロキシ基を有する重合体に多価シリルイソシ
アネート化合物を反応せしめてイソシアネート基を導入
する方法。
【0016】かかる硬化反応性部位を有する単量体とし
ては、例えばヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒ
ドロキシブチルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキ
ルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールのモノ
ビニルエーテルなどのヒドロキシシクロアルキルビニル
エーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテルなどの
ヒドロキシアルキルアリルエーテル、クロトン酸、10
−ウンデセン酸などのカルボン酸基を有する単量体、ト
リエトキシビニルシランなどの加水分解性シリル基を有
する単量体、グリシジルビニルエーテル、グリシジルア
リルエーテル、β−メチルグリシジルビニルエーテルな
どのエポキシ基を有する単量体、アミノプロピルビニル
エーテル、アミノプロピルアリルエーテルなどのアミノ
基を有する単量体などが例示される。
【0017】共重合体Xの全重合単位中に含まれるフル
オロオレフィンに基づく重合単位の割合は、通常20〜
80モル%であり、好ましくは40〜60モル%であ
る。共重合体Xの全重合単位中に含まれる硬化反応性部
位を有する重合単位の割合は、通常0.1〜50モル%
であり、好ましくは1〜30モル%である。上記共重合
体X中の水酸基やカルボキシル基などの硬化反応性部位
の数は水酸化カリウムの化学的反応当量に換算して樹脂
固形分に対し、1〜150mg/gに相当するものが好
ましく、さらに10〜130mg/gが好ましい。
【0018】本発明の共重合体Xで硬化反応性部位を有
する市販品としては、ルミフロンLF936、ルミフロ
ンLF9110、ルミフロンLF926(以上、旭硝子
社製)、フルオネート(大日本インキ化学工業社製)、
セフラルコート(セントラル硝子社製)、ザフロン(東
亜合成化学社製)、ゼッフルGKシリーズ(ダイキン工
業社製)などがあり、硬化反応性部位を有しない市販品
としては、カイナー500、カイナーSL、カイナーA
DS(以上アトケム社製)、フローレン(日本合成ゴム
社製)などがある。
【0019】本発明の塗料用樹脂組成物に使用される
(b)多フッ素化炭素鎖含有基および親水性部位を有す
るフルオロオレフィン系共重合体(以下、共重合体Yと
いう)は、主鎖にフルオロオレフィンに基づく重合単位
を有する共重合体が好ましい。共重合体Yの全重合単位
中に含まれるフルオロオレフィンに基づく重合単位の割
合は、通常10〜90モル%であり、好ましくは40〜
60モル%である。共重合体Yの全重合単位中に含まれ
る多フッ素化炭素鎖含有基を有する重合単位の割合は、
通常1〜50モル%であり、好ましくは1〜30モル%
である。共重合体Yの全重合単位中に含まれる親水性部
位を有する重合単位の割合は、通常5〜90モル%であ
り、好ましくは20〜70モル%である。共重合体Yに
は、共重合体Xと同様な理由から共重合体Xと同様な硬
化反応性部位を有することが好ましい。硬化反応性部位
の導入方法は、共重合体Xと同様な方法を採用できる。
【0020】共重合体Yは、フルオロオレフィン、多フ
ッ素化炭素鎖含有基を有する単量体および親水性部位を
有する単量体、さらに必要により他の共重合性単量体を
共重合することにより得る方法、またはフルオロオレフ
ィン系共重合体をあらかじめ合成した後、多フッ素化炭
素鎖含有基および/または親水性部位を導入することに
より得る方法が好ましい。この導入方法は、例えば硬化
反応性部位を有するフルオロオレフィン系共重合体
(イ)と多フッ素化炭素鎖含有基および/または親水性
部位を有する化合物(ロ)とを(イ)および(ロ)と反
応し得る化合物を介して結合させることによる方法があ
る。(イ)の硬化反応性部位が水酸基の場合、(イ)お
よび(ロ)と反応し得る化合物として多価イソシアネー
ト化合物を、(ロ)としてポリエチレングリコールや多
フッ素化炭素鎖含有基を有するアルコールなどを使用し
得る。
【0021】多フッ素化炭素鎖含有基を有する単量体と
しては、炭素数2〜18個程度、好ましくは4〜12個
のポリフルオロアルキル基(なお、ポリフルオロアルキ
ルとはアルキルの水素原子の一部または全部がフッ素原
子に置き換わったものを意味する。このフッ素原子の一
部はフッ素原子以外のハロゲン原子であってもよい。)
を有する単量体が採用され、例えば下記の(メタ)アク
リレートなどの不飽和エステル類が好ましい。ポリフル
オロアルキル基としては、アルキルの水素原子の全部が
フッ素原子に置き換わったものであるペルフルオロアル
キル基がさらに好ましい。また、ポリフルオロアルキル
基の末端がペルフルオロアルキル基構造を有するものが
さらに好ましい。これらのペルフルオロアルキル基の炭
素数は2〜16個程度、好ましくは4〜12個である。
なお、(メタ)アクリレートとはアクリレートまたはメ
タクリレートを意味する。
【0022】
【化1】CF3 (CF24 CH2 OCOC(CH3
2 =CH2 CF3 (CF26 (CH22 OCOC(CH3 )=
CH2 CF3 (CF26 COOCH2 =CH2 CF3 (CF27 (CH22 OCOCH=CH2 (CF32 CF(CF26 (CH22 OCOCH
=CH2 CF3 (CF27 SO2 N(C37 )(CH22
OCOCH=CH2 CF3 (CF27 (CH24 OCOCH=CH2 CF3 (CF2)7 SO2 N(CH3)(CH2)2 OCOC
(CH3 )=CH2 CF3 (CF27 SO2 N(C25 )(CH22
OCOCH=CH2 CF3 (CF27 CONH(CH22 OCOCH=
CH2 (CF32 (CF26 (CH23 OCOCH=C
2 (CF32 (CF2)6 CH2 CH(OCOCH3)OC
OC(CH3)=CH2 (CF32 (CF26 CH2 CH(OH)CH2
COCH=CH2 CF3 (CF26 (CH22 OCOCH=CH2 CF3 (CF26 (CH22 OCOC(CH3 )=
CH2 CF3 CF(CF2 Cl)−(CF27 CONHCO
OCH=CH2 H(CF210CH2 OCOCH=CH2 CF2 Cl(CF210CH2 OCOC(CH3 )=C
2
【0023】また、多フッ素化炭素鎖含有基を有する単
量体として、炭素数2〜18個、好ましくは4〜12個
のポリフルオロアルキル基を有するビニルエーテルを採
用することもでき、下記の如きポリフルオロアルキル基
含有アルキルビニルエーテルが例示される。
【0024】
【化2】CF3 (CF26 (CH22 OCH2 CH
2 OCH=CH CF3 CF(CF2 Cl)−O(CH22 OCH=C
2 CF3 (CF27 (CH22 OCH=CH2 (CF32 CFOCH=CH2 CF3 (CF26 (CH22 CH2 OCH=CH2
【0025】さらに、多フッ素化炭素鎖含有基を有する
単量体として、下記の如き硬化反応性部位を与える硬化
反応性部位を併有する単量体を採用することもできる。
【0026】
【化3】
【0027】多フッ素化炭素鎖含有基を有する単量体
は、1種で用いてもよいし、多フッ素化炭素鎖含有基の
種類が異なる2種以上を組み合わせて、または多フッ素
化炭素鎖含有基以外の構造の異なる2種以上を組み合わ
せ用いてもよい。
【0028】共重合体Yを構成する親水性部位を有する
単量体としては、(メタ)アクリルアミド、親水性部位
を有する(メタ)アクリレートまたはN−ビニル−ラク
タム化合物などが採用される。なお、(メタ)アクリル
アミドとはアクリルアミドまたはメタクリルアミドを意
味する。
【0029】親水性部位としては、アミド基、ポリエチ
レングリコール鎖、エステル基、カルボン酸塩基、スル
ホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、
第4アンモニウム塩基、アミン塩基などが採用される。
【0030】親水性部位を有する単量体として特に好ま
しいものは、多フッ素化炭素鎖含有基を有する単量体と
の共重合性の面から、親水性部位を有する(メタ)アク
リレートまたはN−ビニル−ラクタム化合物である。ま
た、親水性基としては、アミド基またはポリエチレング
リコール鎖が塗膜に悪い影響を与えにくいため、好まし
く採用される。
【0031】親水性部位を有する(メタ)アクリレート
としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレートなどのポリエチレングリコール鎖含有(メタ)
アクリレートが挙げられる。ここでポリエチレングリコ
ール鎖としては、−CH2 CH2 O−で表わされる繰返
し単位が、1分子中に3〜20程度含まれるものが好ま
しく採用される。
【0032】また、N−ビニル−ラクタム化合物は、化
4で表される原子団を環内に含む有機環式化合物であ
り、具体的には、N−ビニル−β−プロピオラクタム、
N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−γ−バレロ
ラクタム、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−
ε−カプロラクタム、N−ビニル−ヘプロラクタム、N
−ビニルホルムアミドなどが例示される。ただし、あま
りに環の大きなものは親水性が発揮されず好ましくな
い。好ましくは、7員環以下のN−ビニル−ラクタム化
合物が好ましい。特に安定性に優れる点から、N−ビニ
ル−2−ピロリドンが好ましくは採用される。
【0033】
【化4】
【0034】親水性部位を有する単量体は、1種で用い
てもよいし、親水性部位の種類が異なる2種以上を組み
合わせて、または親水性部位以外の構造の異なる2種以
上を組み合わせ用いてもよい。
【0035】本発明の塗料用樹脂組成物における各成分
の配合割合は、上記(a)成分の樹脂100重量部対し
て、上記(b)成分の共重合体が0.001〜200重
量部であり、好ましくは1〜50重量部である。
【0036】本発明の塗料用樹脂組成物には、塗膜の耐
溶剤性を向上させるなどの目的から硬化剤を配合するこ
とが好ましい。硬化剤としては、例えばイソシアネート
系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤、メラミン
系硬化剤など通常の塗料用硬化剤が使用できる。イソシ
アネート系硬化剤には、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、イソホロンジイソシアナートなどの無黄変イソシア
ネート類が、ブロックイソシアネート系硬化剤には、そ
のイソシアネート基をカプロラクタム、イソホロン、β
−ジケトンなどでブロックしたものが、メラミン系硬化
剤にはブチル化メラミン、メチル化メラミンなどの低級
アルコールによりエーテル化されたメラミン、エポキシ
変性メラミンなどがある。
【0037】前記硬化剤はイソシアネートまたはメラミ
ンと架橋結合し得る硬化反応性部位を含有する(a)成
分の樹脂100重量部に対して1〜100重量部含有さ
れることが好ましく、特に1〜50重量部含有されるこ
とが好ましい。硬化剤が少なすぎる場合、耐溶剤性と硬
度が不充分となり、また硬化剤が多すぎる場合、加工性
や耐衝撃性が低下する場合があり好ましくない。
【0038】本発明の塗料用樹脂組成物には、着色顔料
または染料、紫外線吸収剤、塗膜の付着性向上のための
シランカップリング剤などを配合することもできる。具
体的には、耐候性の良いカーボンブラック、酸化チタン
などの無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニ
ングリーン、キナクリドンレッド、インダンスレンオレ
ンジ、イソインドリノン系イエローなどの有機顔料また
は染料、ヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾトリアゾー
ル、サリチル酸エステルなどの紫外線吸収剤、アミノ基
含有シランカップリング剤、エポキシ基含有シランカッ
プリング剤などのシランカップリング剤が挙げられる。
【0039】本発明の塗料用樹脂組成物は、有機溶剤に
溶解ないし分散させた形態で、または水に分散させた形
態で使用できる。有機溶剤としては、たとえば、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エ
チル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤またn−ブタノ
ール、イソブタノールなどのアルコール系溶剤などが挙
げられる。
【0040】本発明の塗料用樹脂組成物には、さらに必
要に応じて硬化促進剤、光安定剤、つや消し剤などを適
宜添加してもよい。硬化促進剤としては、イソシアネー
ト系硬化剤用にジブチルチンジラウレートなどを、また
メラミン系硬化剤用にパラトルエンスルホン酸などの酸
性触媒を用いることができる。
【0041】光安定剤としては、例えばヒンダードアミ
ン系光安定剤などが挙げられ、かかる具体例としては、
例えばMARX−LA62やMARX−LA67(アデ
カアーガス化学製)、チヌビン292、チヌビン14
4、CGL−123、チヌビン440(以上チバガイギ
ー製)などが挙げられる。つや消し剤としては、例え
ば、超微粉合成シリカなどが挙げられ、つや消し剤を使
用した場合、優雅な半光沢ないしつや消し仕上げの塗膜
を形成することができる。
【0042】また、本発明の塗料用樹脂組成物には、界
面活性剤を配合してもよい。界面活性剤は表面張力を制
御するので特定の成分の表面濃度の調整に有効である。
これら界面活性剤はノニオン、カチオン、アニオン型の
いずれでもよく、レオレックスASE(第一工業製薬
製)、フッ素系界面活性剤サーフロンS382(旭硝子
製)、アクリル系のモダフロー(モンサント製)、レオ
ファットシリーズ(花王製)などが挙げられる。
【0043】本発明の塗料用樹脂組成物の製造は、上記
必須成分および必要に応じて添加される各種添加剤を混
合することにより行うことができる。その混合順序、添
加順序は、特に限定されるものではなく、(a)成分と
添加剤を予め混合しておき、それに(b)成分を混合す
る混合順序でもよく、(a)成分および(b)成分を予
め混合し、次いで添加剤を混合する混合順序でもよい。
【0044】本発明の塗料用樹脂組成物を使用して塗装
する方法は、スプレー塗装、浸漬法、ロールコーター、
フローコーターなど任意の方法を適用できる。
【0045】塗装される物品材質には、例えばコンクリ
ート、自然石、ガラスなど無機物、鉄、ステンレス、ア
ルミニウム、銅、真鍮、チタンなどの金属がある。ま
た、有機の基材すなわち、プラスチック、ゴム、接着
材、木材なども適している。また有機無機複合材である
FRP、樹脂強化コンクリート、繊維強化コンクリート
なども適する。本発明の塗料用樹脂組成物は、特に、す
でに形成された塗膜上への塗装に適している。
【0046】また塗装される物品としては、特に以下の
屋外物品が好ましく、雨すじ汚れなどが付着しやすい箇
所へ適用することにより極めて長期間雨すじ汚れなどを
防止することができる。屋外物品として例えば、自動
車、電車、ヘリコプター、船、自転車、雪上車、ロープ
ウエイ、リフト、フォバークラフト、自動二輪車等の輸
送用機器、サッシュ、シャッター、貯水タンク、ドア、
バルコニー、建築用外板パネル、屋根材、階段、天窓、
コンクリート塀などの建築用部材、建築物外壁、ガード
レール、歩道橋、防音壁、標識、高速道路側壁、鉄道高
架橋、橋梁などの道路部材、タンク、パイプ、塔、煙突
などのプラント設備、ビニールハウス、温室、サイロ、
農業用シートなどの農業用設備、電柱、送電鉄塔、パラ
ボラアンテナなどの通信用設備、電気配線ボックス、照
明器具、エアコン屋外器、洗濯機などの電気機器、およ
びそのカバー、モニュメント、墓石、舗装材、風防シー
ト、防水シート、建築用養生シートなどが挙げられる。
【0047】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて、さらに詳
細に説明する。本発明は、これらの例によって何ら制限
されるものではない。なお、実施例および比較例におい
て用いた(b)成分の共重合体は表1に示す単量体を共
重合して得られた共重合体を使用した。なお、共重合体
b3〜b6は水酸基を有するフルオロオレフィン系共重
合体、多フッ素化炭素鎖含有基を有する化合物および親
水性部位を有する化合物とをイソシアネート化合物を介
して結合させることにより得たものである。
【0048】
【表1】
【0049】注:表1における数字は重量部を示し、略
号は以下の意味を表す。 TFE:テトラフルオロエチレン CTFE:クロロトリフルオロエチレン HBVE:ヒドロキシブチルビニルエーテル ベオバ9:シェル社製の炭素数9の分岐状脂肪族モノカ
ルボン酸のビニルエステル CHVE:シクロヘキシルビニルエーテル FMA:CH2 =C(CH3 )COOC24 (CF
2n F(n=4〜10の混合物でnの平均は9) M−40G:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 CH
2 O)4 CH3 PEG:ポリエチレングリコール(数平均分子量約20
0) LDI:リジンジイソシアネート PFA:F(CF2m24 OH(m=4〜10の
混合物でmの平均は9)N−VP:N−ビニル−2ピロ
リドン
【0050】「例1〜7(実施例)および例8〜9(比
較例)」表2に示した成分を、表2に示した配合割合
(重量部)で混合し、塗料用樹脂組成物を調製した。得
られた塗料用樹脂組成物をアルミニウム板上に20ミク
ロンの厚みに塗装し、乾燥させた。得られた塗膜につい
て、接触角を測定し、さらに汚れ性試験を行った。その
結果を表1の下段に示す。
【0051】
【表2】
【0052】注:表2における略号は以下の意味を表
す。 樹脂A:クロロトリフルオロエチレン/エチルビニルエ
ーテル/ヒドロキシブチルビニルエーテル/シクロヘキ
シルビニルエーテル=50/25/10/15モル%の
共重合体(水酸基価:50、分子量7000) 樹脂B:KOH存在下で樹脂Aにプロピレンオキサイド
を作用させ、水に分散させた樹脂 樹脂C:アトケム社製カイナーADS(フッ化ビニリデ
ン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロエチレン
共重合体とアクリル樹脂の混合物) FC248:住友3M社製フッ素系重合体(ポリフルオ
ロアルキル基およびポリエチレングリコール鎖を有し、
フルオロオレフィンに基づく重合単位を有しないアクリ
レート系共重合体) 溶剤A:キシレン 硬化剤a:コロネートHX[日本ポリウレタン社製イソ
シアネート系硬化剤(ヘキサメチレジイソシアネートの
三量体)] 硬化剤b:イソホロンジイソシアネート系水性イソシア
ネートTPLS2150(住友バイエル社製)
【0053】接触角:協和界面科学製接触角計(CA−
X型)を用いて、水およびヌジョールの接触角(度)を
測定した。なおSWOMはサンシャインウェザーメータ
ー4000時間後の塗膜の水の接触角である。 汚れ性(付着性):30°の傾斜を有する屋根につづく
垂直壁に本発明の塗料用樹脂組成物を塗装し、塗装部分
の3か月後の雨すじ汚れの発生を目視で観察した(○:
雨すじ汚れなし、×:雨すじ汚れあり)。 汚れ性(洗浄性):本発明の塗料用樹脂組成物を塗装し
た塗装面に、0.1重量%カ−ボン分散水をスプレー後
80℃×1時間乾燥させてふき取り、カーボンの除去性
を目視で観察した(○:汚れの跡がほとんど残らない、
×:汚れの跡が残る)。
【0054】
【発明の効果】本発明の塗料用樹脂組成物によれば、汚
れに対する抵抗力の高い塗膜が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗料用樹脂(a)および多フッ素化炭素鎖
    含有基および親水性基を有するフルオロオレフィン系共
    重合体(b)を含み、(a)100重量部に対する
    (b)の割合が0.001〜200重量部であることを
    特徴とする塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】塗料用樹脂(a)がフッ素樹脂またはこれ
    とフッ素樹脂以外の塗料用樹脂との混合物である請求項
    1の組成物。
  3. 【請求項3】塗料用樹脂(a)が硬化反応性部位含有樹
    脂である請求項1または2の組成物。
  4. 【請求項4】フルオロオレフィン系共重合体が、フルオ
    ロオレフィン単量体、多フッ素化炭素鎖含有基を有する
    単量体および親水性部位を有する単量体を共重合して得
    られる共重合体である請求項1、2または3の組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項の塗料用樹脂
    組成物を物品に塗装して得られる塗装物品。
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