JPH09106173A - 現像剤担持体及びその製造方法 - Google Patents

現像剤担持体及びその製造方法

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JPH09106173A
JPH09106173A JP26292695A JP26292695A JPH09106173A JP H09106173 A JPH09106173 A JP H09106173A JP 26292695 A JP26292695 A JP 26292695A JP 26292695 A JP26292695 A JP 26292695A JP H09106173 A JPH09106173 A JP H09106173A
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conductive fine
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JP26292695A
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Takashi Tsuchiya
敬司 土屋
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一成分現像装置用の現像剤担持体として、現
像剤の流動性に優れ、現像剤全体の帯電量を下げること
なく直前の現像工程における現像剤非消費部での現像剤
の過剰帯電や小粒径化を防ぎ、現像ゴーストがほとんど
発生しない安定した現像性能を実現できるものを提供す
る。 【解決手段】 現像剤担持体(1)の基材(2)表面
に、一成分現像剤の体積平均粒径の1/10以下の粒子
径からなる導電性微粒子(3)が表面全体に露出する樹
脂層(4)を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式等を
利用した複写機、プリンタ等の画像形成装置に装備され
る一成分現像装置における現像剤担持体に係り、特に、
一成分現像剤を現像剤担持体上で現像剤規制部材により
薄層化させると同時に帯電させてから現像領域に搬送し
て非接触現像を行う一成分現像装置に装着される現像剤
担持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、静電潜像担持体上に形成された静
電潜像を一成分現像剤により現像する一成分現像装置と
しては、使用する一成分現像剤の種類等に応じて各種タ
イプのものが提案されているが、そのなかで磁性一成分
現像剤を使用する一成分現像装置としては次のようなも
のが知られている。
【0003】すなわち、かかる一成分現像装置は、磁性
一成分現像剤を収容するホッパーと、複数の磁極を有す
る磁石シャフトの周囲に回転自在に支持された円筒状の
現像剤担持体と、現像剤担持体上の現像剤付着量を規制
する現像剤規制部材とを備えたものであり、以下のよう
にして非接触式の現像を行うようになっている。ホッパ
ー内に収容された一成分現像剤は、まず、磁石シャフト
の磁力により現像剤担持体上に保持された後に、現像剤
規制部材により現像剤担持体表面との間で摺擦されるこ
とによって薄層化されると同時に摩擦帯電し、次いで、
現像剤担持体の回転により現像剤担持体と静電潜像担持
体とが間隙をあけて対向する現像領域へ搬送された後、
その現像領域で形成される現像電界により静電潜像担持
体の静電潜像に向けて飛翔して付着し、もって現像がな
される。
【0004】ところで、この種の一成分現像装置におい
ては、直前の現像工程での像パターンの履歴が現出す
る、いわゆる現像ゴーストが発生するという特有の問題
がある。この現像ゴーストの発生原因は、直前の現像工
程における現像剤担持体上の現像剤消費部と非消費部と
の間で、消費部では新たな現像剤が交換されるのに対し
て非消費部では交換されにくいことにより現像剤の現像
剤規制部材を通過する回数に差が生じ、このため現像剤
規制部材による摩擦帯電量と小粒径化度合いが異なり
(非消費部の現像剤は消費部のものに比べて現像剤規制
部材通過回数が多いため帯電量が大きくなり、より小径
化される)、現像性能そのものに差が生じることにある
とされている。
【0005】そこで、このような現像ゴーストの問題を
回避するため、例えば、特開平1−276174号公報
において、最表層部が砂利道状(2次粒子の大きさが約
0.1〜0.3μm、2次粒子の間隔が約0.1〜0.
4μm)の凹凸状となるように、導電性微粒子と樹脂に
よる2次粒子(大きさが1.0μm以下)を分布させた
導電性樹脂層(体積抵抗率102〜10-6Ω・cm)を
形成した現像剤担持体を用いる一成分現像装置が提案さ
れている。そして、この一成分現像装置は、現像剤担持
体の最表層部を砂利道状の凹凸面とすることにより現像
剤の帯電電荷のリークを促進して現像剤のチャージアッ
プ(過剰帯電)を防止することで現像ゴーストを回避し
ようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示の技術では、その現像剤担持体における砂利道
状の凹凸面からなる導電性樹脂層を形成するに当たり、
現像剤担持体基材の表面をブラスト加工した後に導電性
微粒子を含む樹脂層を塗工することによってブラスト加
工面の表面粗さを樹脂層表面に反映させる手法で形成す
るため、ブラスト加工面の表面粗さを塗膜面に反映させ
るには樹脂層の膜厚を厚くすることができず、しかも樹
脂層の樹脂成分が導電性微粒子を覆うため樹脂層の表層
部に小さな(粒子径0.5μm以下程度の)微粒子が露
出しないことにより、現像剤の帯電電荷のリーク効果が
不十分となり現像剤のチャージアップが起こりやすい傾
向がある。また、樹脂層の表層部は樹脂膜が導電性微粒
子を覆った状態となるため砂利道状の凹凸面も滑らかな
凹凸面となり、この結果、現像剤と現像剤担持体表面と
の接触面積が増えて現像剤現像剤担持体への付着力が増
大することにより現像剤流動性が低下し、前記した現像
剤規制部材の通過による非画像部における現像剤の小粒
径化が避けられないという傾向がある。
【0007】以上のような2つの要因から、特に画像が
ない白紙部を多く含む原稿を連続してプリントする(以
後、白紙部連続プリントという)場合において、現像剤
担持体上の現像剤層が、帯電量が小さく平均粒径が大き
い上層部と帯電量が大きく平均粒径が小さい下層部とに
分かれる、いわゆる現像剤層の2層構造化が起こり、こ
のため白紙部連続プリント後の現像剤の非消費部と現像
剤消費部との間で現像性能が異なり、その結果として現
像ゴーストが悪化してしまうという問題がある。
【0008】また、上記現像剤担持体の樹脂層表層部に
現像剤の平均粒径程度の粒子径をもつ導電性微粒子が露
出している場合であっても、その露出している微粒子に
より形成される比較的大きな砂利状の突起(凸部)によ
って現像剤担持体表面上における現像剤の流動性が阻害
されるため、現像剤規制部材の通過により現像剤が過剰
に帯電されたり小粒径化されることになり、結局のとこ
ろ現像ゴーストが悪化してしまう。
【0009】さらに、この技術のように現像剤表面電荷
のリーク効果のみによって現像剤のチャージアップを防
いで現像ゴーストを軽減しようとする場合には、結果的
に現像剤自体の帯電量が十分ではなくなり、特に高温高
湿下では現像効率が低下してべた黒画像の濃度が低下し
てしまうという問題がある。しかも、樹脂層を塗布形成
した現像剤担持体の場合には、塗工むらが発生するた
め、この塗工むらが原因で特にハーフトーン画像に現像
むら(がさつき)が発生するという問題がある。
【0010】従って、本発明の目的は、現像剤担持体上
における現像剤の流動性に優れ、現像剤全体の帯電量を
下げることなく直前の現像工程における現像剤非消費部
での現像剤の過剰帯電や小粒径化を防ぎ、現像ゴースト
がほとんど発生しない安定した現像性能を実現できる現
像剤担持体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の現像剤担持体
は、一成分現像装置にに装着されて回転するとともに、
一成分現像剤を担持して現像剤規制部材との間を通過さ
せてから像担持体と近接対向する現像領域に搬送する円
筒状の現像剤担持体であって、現像剤担持体の基材表面
に、一成分現像剤の体積平均粒径の1/10以下の粒子
径からなる導電性微粒子が表面全体に露出する樹脂層を
設けたことを特徴とするものである。
【0012】また、本発明の製造方法は、上記の現像剤
担持体を製造する方法であり、上記のごとき現像剤担持
体の基材表面に、一成分現像剤の体積平均粒径の1/1
0以下の粒子径からなる導電性微粒子を少なくとも混合
した樹脂塗料を塗布した後、その塗工層の最表層部をエ
ッチング液でエッチング処理して当該導電性微粒子を表
面全体に露出させることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の現像剤担持体1は、図1
に示すように、円筒状の基材2と、その基材2の表面に
形成される、ごく微細な導電性微粒子3が表面全体に露
出した樹脂層4とで構成される。導電性微粒子3は、一
成分現像剤の体積平均粒径の1/10以下の粒子径から
なるものであり、この微粒子3の粒径が現像剤の体積平
均粒径の1/10よりも大きくなると、露出した導電性
微粒子(現像剤担持体の表面にもほぼ相当する)と現像
剤との接触面積が増えて両者間の静電的付着力が増して
しまうため、現像剤の現像剤担持体表面での流動性が阻
害されてしまい、また、粒径が大きい微粒子で形成され
る粗面の凹部に現像剤が入り込んでしまうことが多くな
るため、現像剤が現像剤担持体の表面上で流動しにくく
なってしまう。図5に、樹脂層4の表面に露出している
導電性微粒子3の粒径と現像ゴーストの発生レベルとの
関係について示した(これは体積平均粒径が7μmの一
成分現像剤を使用した場合における例である)。また、
本発明で使用し得る一成分現像剤は磁性タイプに限ら
ず、非磁性タイプであってもよい。
【0014】基材2としては、アルミニウム、ステンレ
ススチール等の金属材料や他の公知の材料からなるもの
が使用される。基材2として合成樹脂からなるものを使
用する場合には、少なくともエッチング液と接触する部
分にエッチング処理されないようにするための表面処理
を施しておく必要がある。
【0015】樹脂層4を構成する基材樹脂としては、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、フッ素樹脂等が使用される。現像剤の体積平
均粒径の1/10以下の粒子径からなる導電性微粒子3
としてはカーボンブラック、グラファイト等が使用され
る。また、樹脂層4には上記導電性微粒子3の他に体積
平均粒径が2.0μm以上の導電性材料を同時に配合さ
せてもよく、その導電性材料としてはグラファイト、銅
粉、ステンレス粉、鉄粉等の金属粉や、補強材としても
機能するアルミナ、チタン酸カリウム、シリカ、炭化ケ
イ素、窒化ケイ素、酸化チタン等を使用することができ
る。
【0016】樹脂層4を形成する際の塗料における導電
性微粒子3等の配合量は適宜設定されるが、例えば、平
均粒径が約7μmの一成分現像剤を使用する場合、基材
樹脂100重量部に対して体積平均粒径が0.7μm以
下の導電性微粒子を10〜60重量部、さらに体積平均
粒径が2.0μm以上の導電性材料を30〜250重量
部配合するように設定される。
【0017】この現像剤担持体1を製造するに当たって
は、上記の導電性微粒子3等を配合した樹脂塗料を基材
2の表面に対してスプレーコート法、ディッピングコー
ト法等の塗布手段により塗布して乾燥させた後、エッチ
ング処理を行うことにより塗工層の最表層部の樹脂被膜
を積極的に除去して導電性微粒子3を塗工層の表面全体
に露出させる。塗工層の厚さは15〜50μmが好まし
い。
【0018】エッチング処理に使用するエッチング液と
しては、強アルカリ溶液或いは強酸性溶液が使用され
る。このエッチング液の種類や濃度や処理時間等は、樹
脂層の種類や導電性微粒子の種類等をはじめ導電性微粒
子を塗工層表面全体に過不足なく適度に露出させる処理
能力等に応じて適宜選定される。例えば、基材樹脂とし
てフェノール樹脂を使用する場合には、10〜90wt
%の水酸化カリウムのエタノール溶液を用いることが好
ましく、この他にも水酸化ナトリウムのような強アルカ
リ性を示す溶液を用いることができる。また、基材樹脂
としてアクリル樹脂等を使用する場合には、塩酸、硫
酸、硝酸等の強酸性を示す溶液を用いることができる。
【0019】本発明の現像剤担持体は、図1や図2に示
すように、エッチング処理前であると、樹脂層(塗工
層)4の最表層部に樹脂皮膜(図2b中のクロスハッチ
ング部分)4aが存在して導電性微粒子3がその樹脂皮
膜4aで覆われている状態にある。この状態において
は、一成分現像剤(トナーT)と樹脂層4の表面(現像
剤担持体表面)との接触面積が多くなるため現像剤が樹
脂層4表面に付着しやすく、現像剤の流動性が阻害され
る状況にある。図1及び図2において符号5は大粒径の
導電性材料、13は現像剤規制部材を示す。
【0020】一方、エッチング処理後の現像剤担持体
は、図2aに示すように、現像剤に対して十分に小さい
粒径の導電性微粒子3が(前記樹脂皮膜4aに覆われる
ことなく)樹脂層4の表面に露出して多数存在するた
め、一成分現像剤(トナーT)と樹脂層4の表面との接
触面積が減少して両者間に間隙空間が多く存在すること
になり、これにより現像剤の現像剤担持体への付着力が
弱まり、現像剤担持体上での現像剤の流動性が著しく向
上する。また、一成分現像剤が表面に露出する導電性微
粒子3と接触しながら移動するため、電荷のリーク効果
も得られて現像剤の過剰帯電が防止される。
【0021】以上のことから、本発明の現像剤担持体に
よれば、現像剤が現像剤規制部材13との間を通過する
ときであっても現像剤層の最下層部にある現像剤が良好
に流動するようになり、特に現像剤非消費部での現像剤
の小粒径化や過剰帯電が抑止され。これによって、現像
剤消費部と非消費部との間における現像剤の粒径や帯電
量の物性がほぼ同じ状態に保たれるようになる。また、
主に現像剤の流動性を上げることにより現像ゴーストを
解消しようとしているため、リーク効果のみに頼ってい
た従来技術のように現像剤全体の帯電量を下げることは
なくなり、特に高温高湿下での現像性能の低下を招くこ
とがほとんどない。さらに、樹脂層は、その塗布時に発
生する塗布むらが塗布後のエッチング処理により解消さ
れる。
【0022】
【実施例】以下、実施例等を挙げて本発明についてさら
に詳細に説明する。
【0023】図1は、本発明の実施例に係る現像剤担持
体(スリーブ)を示すもので、(a)はその断面図、
(b)はその一部拡大図である。この現像剤担持体であ
るスリーブ1は、外径18mm、内径16.5mmの円
筒形状からなるアルミニウムパイプ製のスリーブ基材2
と、基材2上に塗布形成される、導電性微粒子3を表面
に露出する樹脂層4とで構成されている。
【0024】樹脂層4は、基材樹脂としての熱硬化性フ
ェノール樹脂100重量部に、導電性微粒子3としての
平均粒径0.03μmのカーボンブラック20重量部と
導電性材料としての平均体積粒径が3μmのグラファイ
ト50重量部をそれぞれ配合したものを固形分とし、こ
の固形分と溶剤等の揮発性成分との比が10:5〜20
となるように調製した塗料を用いて形成したものであ
る。すなわち、その塗料を、スリーブ基材2に対してス
プレーコート法により塗布した後、60°Cで加熱乾燥
及び170°Cで加熱硬化させることにより、膜厚が1
5〜50μmの塗工層を形成する。この段階での塗工層
は、その最表面にカーボンブラックやグラファイトを被
覆するようにフェノール樹脂の被覆層が形成されてい
る。そして、上記塗工層のフェノール樹脂からなる被覆
層を、濃度が10〜90wt%の範囲にある水酸化カリ
ウムのエタノール溶液にて所定時間エッチング処理して
除去し、図1bに示すように、カーボンブラック3のみ
を表面全体に露出させて(但し、この際グラファイト粒
子5は表面に大きく露出させないようにする)最終的な
樹脂層4としている。
【0025】この実施例では、上記エッチング条件(濃
度及び処理時間)を表1に示すように設定して4種のス
リーブサンプルA,B,C,Dを作製し、各スリーブの
樹脂層表面の状況と中心平均粗さRa(μm)を調べ
た。結果を表1に示す。表1の結果から、エッチング処
理した場合には、そのエッチング液の濃度を変えること
によりスリーブの樹脂層表面の状況(導電性微粒子の露
出状況)や中心平均粗さRaが変わることがわかる。
【0026】次に、この4種のスリーブサンプルを一成
分現像装置に装着して後述の試験を行った。
【0027】図3は、スリーブサンプルを適用した一成
分現像装置の構成を示すものである。図3において、1
1は装置本体、12はスリーブ1内に設置される磁気シ
ャフト、13は現像剤規制部材、14は現像剤撹拌手
段、15は現像バイアス電源、16は磁性一成分現像
剤、20は静電潜像保持体としての感光ドラムをそれぞ
れ示す。一成分現像剤14としては、体積平均粒径が約
7μmの磁性の一成分現像剤であり、その粒径が5μm
以下のものを約30%、20μm以上のものを約3%そ
れぞれ含むものを使用した。
【0028】感光ドラム20は、負帯電系の有機感光体
からなる光導電性表面層を有するドラムであり、その周
囲には公知の電子写真プロセス機器が配設されている。
そして、この感光ドラム20は、図中の矢線方向に回転
するとともに、電子写真プロセスにより静電潜像が形成
されとときに表面電位が例えば画像部で−100V、背
景部で−360Vとなるように設定されている。
【0029】スリーブ1は、感光ドラム20に所定の間
隔をあけて対向するように装置本体11の所定箇所に回
転可能に配設されている。また、このスリーブ1は図中
の矢線方向に回転するとともに、感光ドラム20との近
接位置A(現像領域)における間隙が200〜350μ
m程度となるように設定されている。
【0030】磁気シャフト12は、複数の磁石が周面に
そって配列され、装置本体11の所定箇所に回転しない
ように固定支持されている。この磁気シャフト12は、
例えば複数の磁石となるS極とN極を図示のように配列
した磁気パターンが形成されており、この磁気パターン
にそって磁性一成分現像剤16をスリーブ1表面に吸着
するようになっている。
【0031】現像剤規制部材13は、スリーブ1表面に
圧接される軟弾性体13aとこの軟弾性体13aを一端
側で支持するバネ板13bとからなり、バネ板13bの
他端側が装置本体11に固定支持されている。軟弾性体
13aのスリーブ1に対する当接位置は、スリーブ1が
感光ドラム20に最も近接する位置と磁気シャフト12
の中心を結ぶ基準線に対してスリーブ1の回転方向上流
側に80°の角度となる位置であり、バネ板13bの軟
弾性体13aを支持する自由端がスリーブ1の回転方向
下流側に向くように設置されている。また、この現像剤
規制部材13は、軟弾性体13aとして幅15mm、厚
さ1.0mm、ゴム硬度50°のシリコーンゴムが、バ
ネ板13bとして厚さ0.1mmびステンレススチール
板(SUS304CSP3/4材、引張強さ95kgf
/mm2、耐力68kgf/mm2)がそれぞれ用いられ
ている。
【0032】現像バイアス電源15は、高圧交流電源1
5aと直流電源15bとで構成されており、直流電圧を
重畳した交流電圧を現像バイアス電圧としてスリーブ1
に印加し、これにより現像領域Aにおいて感光ドラム2
0との間で交番電界が生じさせるようになっている。こ
の現像バイアスは、例えば、周波数が2.4kHz、ピ
ークツーピーク電圧が2000Vの交流電圧と−250
Vの直流電圧を使用するように設定されている。
【0033】このような一成分現像装置による現像は、
次にようにして行われる。すなわち、装置本体11のホ
ッパー部に収容された磁性一成分現像剤16は、現像剤
撹拌手段により撹拌されつつスリーブ1表面に吸着さ
れ、現像剤規制部材13の軟弾性体13aによってスリ
ーブ1表面で摺擦される。これにより、現像剤16は薄
層化されると同時に所定の極性に摩擦帯電される。次い
で、薄層化された現像剤16は、スリーブ1の回転によ
り現像領域Aに搬送され、現像領域A内の交番電界によ
り現像剤粒子が往復運動するように飛翔してクラウド状
となる。そして、クラウド状の現像剤16は、現像バイ
アス電圧の直流成分によって感光ドラム20上の静電潜
像部分に引き寄せられて付着し、もって現像が終了す
る。
【0034】そして、上記の一成分現像装置を市販のプ
リンター(富士ゼロックス製:4105)に装着してプ
リント試験を行い、白紙連続プリント後のスリーブ上に
ある現像剤層の上層部及び下層部の帯電量の差(ΔQ/
M)、現像ゴーストのレベル、および、ハーフトーン画
像プリント時の現像むらのレベルについてそれぞれ調べ
た。その結果を表1に併せて示す。なお、白紙連続プリ
ントは画像部がきわめて少ない白紙のような原稿を用い
て10枚連続してプリントした。また、表中の現像ゴー
ストについては50%ハーフトーン画像中のトナー消費
部と非消費部の濃度差を調べ、◎:その濃度差が0〜
0.01の場合、○:同0.01〜0.03の場合、
△:同0.03〜0.1の場合、×:同0.1以上の場
合、という基準で評価した。また、現像むらについては
50%ハーフトーン画像中の濃度のばらつき(最大濃度
値−最低濃度値)を調べ、◎:そのばらつきが0.03
〜0.1の場合、○:同0.01〜0.1の場合、△:
同0.1〜0.2の場合、×:同0.2以上の場合、と
いう基準で評価した。
【0035】
【表1】
【0036】また、図4に、このとき得られた現像ゴー
ストのレベルを縦軸に、現像剤層の上下層部の帯電量の
差(ΔQ/M)を横軸にとって両者の相関関係について
示した。
【0037】図4の結果から、現像剤層の上下層部の帯
電量の差(ΔQ/M)と現像ゴーストのレベルとは正の
相関関係にあり、ΔQ/Mを小さくすることで現像ゴー
ストを抑制できることがわかる。そして、表1の結果か
ら、濃度50wt%のエッチング液で処理したスリーブ
Cの場合には、ΔQ/Mが最も小さくなり現像ゴースト
も最も抑制されることが確認された。また、上記スリー
ブCの場合には、現像むらについても問題がないことが
確認された。従って、この実施例では、濃度が50wt
%のエッチング液で処理したスリーブCが現像ゴースト
及び現像むらの抑止効果の点で優れていることがわかっ
た。
【0038】また、表1の結果から、エッチング液の濃
度に関して、その濃度が低すぎると(例えばスリーブ
B)、所望のエッチング効果が得られず導電性微粒子も
部分的にしか露出しないため現像ゴーストの抑止効果が
十分に得られず、反対に、その濃度が高すぎると(例え
ばスリーブD)、導電性微粒子であるカーボンブラック
だけではなく平均粒径が現像剤の粒径とほぼ同程度の大
粒径のグラファイトも部分的に大きく露出してしまうた
め現像剤の流動性が低下して現像ゴーストの抑止効果も
得られにくくなる。また、濃度が高すぎる場合には、ス
リーブ(樹脂層)表面が粗くなりハーフトーン画像に現
像むらが発生しやすくなる。以上のことから、この実施
例においては、上記エッチング液の濃度について重ねて
行った試験の結果も考慮すると、当該濃度は30〜70
wt%程度であることが望ましいことが確認された。
【0039】次に、前記した実施例における導電性微粒
子(カーボングラック)の配合量を10〜50重量部の
範囲で変えるとともにグラファイトの配合量を20〜1
00重量部の範囲で変えた塗料を使用し、50wt%の
水酸化カリウムのエタノール溶液によりエッチング処理
(30秒間)して、表2に示すような表面抵抗を有する
4種のスリーブサンプルE,F,G,Hを作製した。表
2には、各スリーブにおける現像剤の帯電量を測定した
結果についても示す。
【0040】そして、この4種のスリーブサンプルを前
記実施例で適用した一成分現像装置及びプリンターに装
着して同様のプリント試験を行い、白紙連続プリント後
のスリーブ上にある現像剤層の上層部及び下層部の帯電
量の差(ΔQ/M)、現像ゴーストのレベル、および、
べた黒画像プリント時の画像濃度のレベルについてそれ
ぞれ調べた。その結果を表2に併せて示す。なお、画像
濃度については◎:濃度1.5以上の場合、○:同1.
4〜1.5の場合、△:同1.2〜1.4の場合、×:
同1.2以下の場合、という基準により評価した。
【0041】
【表2】
【0042】表2の結果から、各スリーブは、表面抵抗
が高くなるにつれて現像剤の帯電量も次第に高くなる
が、白紙部連続プリント後の帯電量差ΔQ/Mは表面抵
抗が高いときでも(例えばスリーブH)比較的小さい値
に抑えられていることがわかる。これは、スリーブ上で
の現像剤の流動性が良好であることによる効果であると
推測される。また、べた黒画像の濃度レベルの観点から
すると、スリーブGのように現像剤の帯電量が7μC/
g程度以上であることが好ましいことがわかる。従っ
て、以上のことから、本発明では導電性微粒子の配合量
を適宜調整して、表面抵抗が100〜102Ω、トナー帯
電量が4〜10μC/g程度になるよう設定することが
望ましい。
【0043】ちなみに、従来は現像ゴーストをなくすた
め表面抵抗を下げることなどでトナーの帯電量を下げて
現像剤層上下層部の帯電量差(ΔQ/M)を小さくして
いたが、その場合には画像濃度が低下してしまう。この
点、本発明ではトナー帯電量を7(5〜8)μC/g程
度に保ちながら上記の帯電量差(ΔQ/M)を小さくす
ることができる(現像剤の規制部材ニップ部での流動性
が良好になる)ため、現像ゴーストの解消と画像濃度の
高レベル維持という2点について両立させることが可能
になった。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の現像剤担
持体によれば、現像剤担持体上における現像剤の流動性
を著しく向上させることができ、現像剤全体の帯電量を
下げることなく直前の現像工程における現像剤非消費部
での現像剤の過剰帯電や小粒径化を防ぎ、現像ゴースト
がほとんど発生しない安定した現像を実行することがで
きる。
【0045】また、従来技術のように導電性樹脂層によ
るリーク効果のみによって現像ゴーストを抑えようとし
たものとは異なり、現像剤の流動性の向上を主な解決手
段としているため、現像剤全体の帯電量を下げることは
なく、これにより、特に高温高湿下での現像性能低下に
よりべた黒画像の濃度が低下してしまうこともほとんど
ない。
【0046】さらに、エッチング処理により樹脂層形成
時の塗布むらが解消されるため、塗布むらが原因のハー
フトーン画像における現像むらを防止することができ
る。
【0047】本発明の製造方法によれば、以上のような
優れた現像剤担持体を簡便かつ確実に精度よく製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る現像剤担持体の実施の一形態を
示すもので、(a)はその断面図、(b)はその一部拡
大断面図である。
【図2】 現像剤担持体の樹脂層表面の状態を示すもの
で、(a)はエッチング処理後の状態を示す断面図、
(b)はエッチング処理前の状態を示す断面図である。
【図3】 本発明に係る現像剤担持体を適用した実施例
における一成分現像装置を示す概略構成図である。
【図4】 現像ゴーストのレベルと現像剤層上下層部の
帯電量の差(ΔQ/M)との関係を示すグラフである。
【図5】 導電性微粒子の粒径と現像ゴーストの発生レ
ベルとの関係を示す相関図である。
【符号の説明】
1…現像剤担持体、2…基材、3…導電性微粒子、4…
樹脂層、13…現像剤規制部材、16…一成分現像剤、
A…現像領域。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一成分現像装置に装着されて回転すると
    ともに、一成分現像剤を担持して現像剤規制部材との間
    を通過させてから像担持体と近接対向する現像領域に搬
    送する円筒状の現像剤担持体であって、 現像剤担持体の基材表面に、一成分現像剤の体積平均粒
    径の1/10以下の粒子径からなる導電性微粒子が表面
    全体に露出する樹脂層を設けたことを特徴とする現像剤
    担持体。
  2. 【請求項2】 一成分現像装置に装着されて回転すると
    ともに、一成分現像剤を担持して現像剤規制部材との間
    を通過させてから像担持体と近接対向する現像領域に搬
    送する円筒状の現像剤担持体の基材表面に、一成分現像
    剤の体積平均粒径の1/10以下の粒子径からなる導電
    性微粒子を少なくとも混合した樹脂塗料を塗布した後、
    その塗工層の最表層部をエッチング液でエッチング処理
    して当該導電性微粒子を表面全体に露出させることを特
    徴とする現像剤担持体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6430384B2 (en) * 1999-12-28 2002-08-06 Canon Kabushiki Kaisha Developer-carrying member having exposed surface containing graphite or molybdenum disulfide particles
WO2008044427A1 (fr) * 2006-10-06 2008-04-17 Canon Kabushiki Kaisha Rouleau de développement, appareil de développement utilisant celui-ci et appareil de formation d'image
JP2008112150A (ja) * 2006-10-06 2008-05-15 Canon Inc 現像ローラ、それを用いた現像装置及び画像形成装置

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