JPH09104993A - 電解フッ素化方法 - Google Patents

電解フッ素化方法

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JPH09104993A
JPH09104993A JP7258918A JP25891895A JPH09104993A JP H09104993 A JPH09104993 A JP H09104993A JP 7258918 A JP7258918 A JP 7258918A JP 25891895 A JP25891895 A JP 25891895A JP H09104993 A JPH09104993 A JP H09104993A
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JP
Japan
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electrolytic
organic compound
anode
fluorination
electrolysis
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Pending
Application number
JP7258918A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoya Okada
尚哉 岡田
Yasuhiko Hirai
保彦 平井
Takeshi Ikeda
剛 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Publication of JPH09104993A publication Critical patent/JPH09104993A/ja
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】高い電流密度で電解しても長期間にわたり電解
電圧が安定で、目的とするパーフルオロ化合物を高い収
率で得る。 【構成】有機化合物をフッ化水素により電解フッ素化す
る方法において、ニッケルまたはその合金よりなる陽極
の表面で沸騰泡を生じさせながら電解フッ素化すること
を特徴とする電解フッ素化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解浴液中の陽極およ
び陰極の間で電気化学的に有機化合物をフッ素化する電
解フッ素化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電解フッ素化方法は、有機化合物の完全
フッ素化方法としてよく知られている。得られたパーフ
ルオロ化合物は、熱的化学的に不活性で電気絶縁性に優
れる等の特徴を有しているため、電子部品の各種テスト
用熱媒体、気相ハンダ付け用熱媒体、絶縁冷却液等に広
く用いられている。
【0003】しかしながら、工業的に電解フッ素化を実
施した場合、目的とするパーフルオロ化合物の収率が低
いこと、電解中に重合物質が生成し長期間にわたって安
定に電解が継続できないこと、あるいは高い電流密度で
電解できないために生産量の割には設備が大きくなるこ
と等の課題を有していた。
【0004】これらの課題を解決するために、例えば特
公昭63−30399号公報では、ジメチルスルホキシ
ド等の硫黄化合物を添加する方法が提案されている。ま
た、特開平1−283397号公報ではトリアルキルア
ミンの電解フッ素化において、比較的炭素数の多いもの
と少ないものの混合物を原料とする方法が提案されてい
る。しかしながら、これらの方法ではいずれも十分に満
足し得る結果は得られなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上の背景にあって、
本発明は、高い電流密度で電解しても長期間にわたり電
解電圧が安定で、目的とするパーフルオロ化合物が高い
収率で得られる電解フッ素化方法を開発することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題に鑑み鋭意検討を続けてきた。その結果、陽極の表
面で沸騰泡を生じさせながら電解フッ素化することによ
り、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成
させるに至った。
【0007】すなわち、本発明は、有機化合物をフッ化
水素により電解フッ素化する方法において、陽極の表面
で沸騰泡を生じさせながら電解フッ素化することを特徴
とする電解フッ素化方法である。
【0008】本発明において電解フッ素化は、有機化合
物をフッ化水素に溶解または分散させて行う公知の方法
により実施される。具体的には、陽極および陰極を備え
た電解槽に、フッ化水素と有機化合物とを供給し、陽極
および陰極間に通電することにより行われる。
【0009】電解フッ素化に用いるフッ化水素は、市販
されている無水フッ化水素酸がそのまま、あるいは必要
に応じて微量含まれる水分を予め低電流密度での電解等
の公知の方法で除去したのちに用いられる。
【0010】フッ素化の対象となる有機化合物として
は、炭素原子に直接結合した水素原子を有する有機化合
物、および炭素−炭素二重結合を有する有機化合物が何
ら制限されず使用できる。例えば、これまで電解フッ素
化の対象として知られている脂肪族炭化水素、芳香族炭
化水素等の炭化水素類;直鎖または環状の脂肪族第一ア
ミン、第二アミンまたは第三アミン、芳香族アミン等の
アミン類;直鎖または環状の脂肪族エーテル、芳香族エ
ーテル、ポリエーテル等のエーテル類;直鎖または環状
の脂肪族アルコール、芳香族アルコール等のアルコール
類;フェノール類;直鎖または環状の脂肪族カルボン
酸、芳香族カルボン酸等およびこれらから誘導されるカ
ルボン酸クロリド、カルボン酸フルオリド等のカルボン
酸ハライド、あるいは酸無水物、エステル等のカルボン
酸およびその誘導体類;ケトン類;アルデヒド類;脂肪
族スルホン酸、芳香族スルホン酸およびこれらから誘導
されるスルホン酸クロリド、スルホン酸フルオリド等の
スルホン酸ハライド、あるいはエステルなどのスルホン
酸およびその誘導体類;チオール、チオエーテルなどの
含イオウ化合物などを挙げることができる。
【0011】これらのなかでも電解フッ素化で用いるフ
ッ化水素への溶解性を勘案すると、分子中に窒素原子、
酸素原子、硫黄原子のうちの少なくとも一つを有する有
機化合物が好ましい。もちろん、上記した有機化合物の
水素原子が一部フッ素原子のようなハロゲン原子で置換
された有機化合物も、原料として用い得ることは言うま
でもない。
【0012】上記した有機化合物のなかでも、本発明に
よる効果が顕著である化合物は、アンモニアおよび炭素
原子の数が1〜18個の有機化合物、さらには炭素原子
の数が3〜15個、特に4〜13個の有機化合物であ
る。特に第三アミン類、エーテル類、チオール類が好ま
しく用いられる。上記した有機化合物としては、トリエ
チルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、
トリペンチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジブチル
プロピルアミン、N,N,N,N−テトラメチルエチレ
ンジアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエ
チルアニリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモル
ホリン、N−プロピルモルホリン、2−ブチルフラン、
2−プロピルピラン、ジエチルエ−テル、ジブチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ブタンチオール、オクタン
チオールなどを挙げることができる。
【0013】原料のフッ化水素と有機化合物の供給方法
は、バッチ式および連続式のいずれの方法で行っても良
い。本発明に従えば長期間にわたって安定に電解フッ素
化を実施できるため、連続式で行うことが特に好まし
い。
【0014】電解槽は、ニッケルまたはその合金、鉄、
ステンレススチール、銅などのほか、フッ素樹脂も用い
ることができる。
【0015】陽極は、ニッケルまたはその合金を用いれ
ば良い。なかでも、純度99%以上、特に純度99.5
%以上のほぼ純粋なニッケルを用いることが、本発明の
効果が顕著なために好ましい。陰極としては、ニッケル
またはその合金のほかに鉄、ステンレススチール、銅な
どを用いることができる。陽極と陰極との極間距離は、
0.5〜7mm、好ましくは1.5〜5mmとすればよ
い。
【0016】本発明の特徴は、陽極の表面で沸騰泡を生
じさせながら電解フッ素化する点にある。それにより、
高い電流密度で電解しても長期間にわたり電解電圧が安
定で、目的とするパーフルオロ化合物が高い収率で得る
ことが可能になる。
【0017】陽極の表面で沸騰泡を生じさせるために
は、原料の有機化合物の種類、電解温度、電流密度、電
解浴中における有機化合物の濃度、電解電圧、電解圧
力、電解浴液の攪拌の有無などによるために一概に規定
できない。このため、内部を観察できるフッ素系樹脂製
などの電解槽を用いて予め予備実験を行って電解条件を
求めることが望ましい。しかし、一般に、電解温度は電
解浴液の沸点より15℃低い温度から電解浴液の沸点ま
での温度範囲、電流密度は3〜50A/dm2、電解浴
液中における有機化合物の濃度は10〜40重量%、電
解電圧は4〜9Vから選択すれば良い。特に電流密度
は、沸騰泡の発生と生産性の点で高いほど望ましいが、
あまり高い場合は電極リブや除熱のための設備の大型化
を招くため、好ましくは5〜30A/dm2の範囲か
ら、特に7〜20A/dm2の範囲から選ぶ方が良い。
電解圧力は、減圧または加圧下で実施しても良いが、沸
騰泡の発生のしやすさ、生成物の回収、付帯設備等を勘
案すると、常圧下で実施する方が好ましい。さらに、電
解浴液の混合の見地から攪拌もしくは循環、あるいは電
解浴液への不活性ガスの吹き込み等の操作を行っても良
いが、特に優位性はない。また、高い電流密度で電解す
ることを勘案すると、除熱の見地から電解浴液を強制循
環して外部冷却しても良い。
【0018】なお、伝導度増加剤などの第三成分を電解
浴液に添加しても良いが、特に優位性はない。むしろ、
伝導度増加剤は電力を消費するため、電力の有効利用の
ために添加しない方が好ましい。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、陽極の表面で沸騰泡を
生じさせながら電解フッ素化することにより、長期間に
わたり電解電圧が安定な状態で運転することができる。
従って、例えば伝導度増加剤などの第三成分を電解浴液
に添加しなくて、高い電流密度で電解しても、長期間に
わたり安定した電解電圧で運転でき、目的とするパーフ
ルオロ化合物を高い収率で得ることができる。
【0020】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために以下
実施例を掲げるが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0021】実施例1 フッ化水素とN−エチルモルホリン(以下、EMOと記
す)を原料として、以下のように電解フッ素化を行っ
た。
【0022】正面にテトラフルオロエチレンヘキサフル
オロプロペン共重合体(FEP)製の透明窓(6cm×
25cm)を有し、上部に還流冷却器(−45℃)を有
するジャケット冷却式SUS製電解槽(容量2L)を用
いた。電極は、極間3mmで陽陰極が交互に配置された
計9枚のニッケル板(10cm×8cm、厚さ0.5m
m、Ni純度99.9%)よりなる。また、排ガスライ
ンには−78℃に冷却した液化回収槽を設け、電解中に
発生する水素ガスに同伴したパーフルオロ化合物を回収
した。
【0023】無水フッ化水素1LとEMO320gを電
解槽に供給し、電流密度15A/dm2の定電流で電解
を行った。電解開始と同時に無水フッ化水素とEMOを
連続的に供給し、電解浴液中に溶解した全有機物(種々
の程度にフッ素化されたEMOを含む)の濃度が約45
重量%の定常状態を維持するようにしながら連続運転し
た。電解浴液の温度は、電解槽のジャケットに水を流し
ながら電解浴液の沸点(約35℃)に保った。電解して
いる間、陽極の表面で直径0.1〜1mm程度の沸騰泡
が生じているのを確認した。
【0024】電解によりフッ素化された粗生成物は、電
解槽下部、及び液化回収槽より間欠的に抜き出し、その
量とガスクロマトグラフィー分析から目的とするパーフ
ルオロN−エチルモルホリン(以下、PfEMOと記
す)の収率を求めた。
【0025】30日間連続運転を行った結果、電解電圧
は5.8〜6.1Vの範囲で安定であった。また、得ら
れた粗生成物中のPfEMO純度は92%で、収率は7
8%であった。
【0026】比較例1 比較のため、表1の条件でEMOの電解フッ素化を行っ
た。No.1は電流密度が0.5A/dm2の場合、N
o.2は電解温度が0℃の場合、さらにNo.3は強制
的に陽極表面での沸騰を抑えるため圧力が400kPa
の場合である。いずれの条件も陽極表面で沸騰泡は生じ
ていなかった。それぞれ記載した条件以外は、全て実施
例1と同様の条件、装置、及び手順で実施した。
【0027】結果を併せて表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例2 種々の有機化合物を原料として、電解温度が電解浴沸点
より5〜10℃低い温度で、かつ陽極からは沸騰泡が発
生している状態での電解フッ素化を行った。得られたパ
ーフルオロ化合物の粗生成物中の純度と収率を表2に示
す。なお、表2に記載した電解温度以外は、実施例1と
同様の条件、装置、および手順で行い、またそれぞれ陽
極表面より沸騰泡が発生していることを確認して実施し
た。
【0030】
【表2】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機化合物をフッ化水素により電解フッ素
    化する方法において、陽極の表面で沸騰泡を生じさせな
    がら電解フッ素化することを特徴とする電解フッ素化方
    法。
JP7258918A 1995-10-05 1995-10-05 電解フッ素化方法 Pending JPH09104993A (ja)

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JPH09104993A true JPH09104993A (ja) 1997-04-22

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5269996A (en) * 1975-12-10 1977-06-10 Sumitomo Durez Co Phenol resin and method of making it

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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