JP3126419B2 - 電解フッ素化方法 - Google Patents

電解フッ素化方法

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JP3126419B2 JP03181284A JP18128491A JP3126419B2 JP 3126419 B2 JP3126419 B2 JP 3126419B2 JP 03181284 A JP03181284 A JP 03181284A JP 18128491 A JP18128491 A JP 18128491A JP 3126419 B2 JP3126419 B2 JP 3126419B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解浴液中の陽極及び
陰極の間で電気化学的に有機化合物をフッ素化する電解
フッ素化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機化合物を電気化学的にフッ素化する
電解フッ素化方法はよく知られている。たとえば、特開
昭47−18775号公報には、有機化合物を含む電解
浴液を電解槽と循環槽との間を循環させながら、有機化
合物のフッ素化を行なうことが示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電解フッ素化を工業的
に行う場合、電解槽と循環槽よりなる一つの電解フッ素
化装置での生産量を大きくし、生産効率を向上させるこ
とが望まれる。本発明者等は、一つの電解フッ素化装置
での生産量を大きくすることを目的として、電流密度を
高くしたり、電極面積を大きくしたりするなどの種々の
実験を行った。
【0004】その結果、電流密度を高くした場合には、
目的とするフッ素化生成物の収率の低下や電解電圧が不
安定になるなどの問題が発生した。また、電極対の数を
増やしたり、一つ一つの電極の大きさを大きくして電極
面積を大きくした場合、やはり目的とするフッ素化生成
物の収率の著しい低下や電圧の急上昇等の問題が発生し
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
問題点に鑑み、生産量を大きくする方法について検討を
行った。この結果、電解槽と循環槽との間を循環させる
電解浴液の流れ方向に複数の電極群を設置し、且つ各電
極群における電解浴液の流れ方向の温度差をある値以下
にすることにより、上記の目的が達成されることを見い
だし、本発明を完成するに到った。
【0006】即ち、本発明は、炭素−水素結合を有する
有機化合物を含む電解浴液を電解槽と循環槽との間を循
環させて、該電解槽中で炭素−水素結合を有する有機化
合物の電解フッ素化を行なう方法において、電解浴液の
流れ方向に沿って複数の電極群を直列に設置し、且つ各
電極群における電解浴液の入端と出端との流れ方向の温
度差を5℃以下の範囲に保って電解フッ素化を行なうこ
とを特徴とする電解フッ素化方法である。
【0007】本発明において、電解フッ素化は、原料の
炭素−水素結合を有する有機化合物を無水フッ化水素酸
に溶解又は分散させて実施される。
【0008】炭素−水素結合を有する有機化合物として
は、炭素原子に直接結合した水素原子を有する有機化合
物であれば特に制限なく用いることができる。たとえ
ば、これまで電解フッ素化の対象として知られている脂
肪族炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類;直鎖又
は環状の脂肪族第一アミン、第二アミン、第三アミン、
芳香族アミン等のアミン類;直鎖又は環状の脂肪族エー
テル、芳香族エーテル、ポリエーテル等のエーテル類;
直鎖又は環状の脂肪族アルコール、芳香族アルコール等
のアルコール類;フェノール類;ケトン類;アルデヒド
類;直鎖又は環状の脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン
酸等、及びこれらから誘導されるカルボン酸クロリド、
カルボン酸フルオリド等のカルボン酸ハライド、あるい
は酸無水物、エステル等のカルボン酸及びその誘導体
類;脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸及びこれらか
ら誘導されるスルホン酸クロリド、スルホン酸フルオリ
ド等のスルホン酸ハライド、あるいはエステルなどのス
ルホン酸及びその誘導体類;チオエーテルなどの含イオ
ウ化合物などを挙げることができる。
【0009】これらの中でも電解フッ素化で用いる無水
フッ化水素酸への溶解性を勘案すると、分子中に窒素原
子、酸素原子、イオウ原子を有する有機化合物が好まし
い。もちろん、上記した有機化合物の水素原子が一部フ
ッ素原子のようなハロゲン原子で置換された有機化合物
も、本発明における有機化合物として用い得ることは言
うまでもない。
【0010】本発明において使用される無水フッ化水素
酸は、市販されている無水フッ化水素酸がそのまま、あ
るいは必要に応じて微量含まれる水分を予め低電流密度
での電解等の公知の方法で除去した後に用いられる。
【0011】本発明に於いては、電解浴液を電解槽と循
環槽との間を循環させながら電解フッ素化が行われる。
この場合、電解槽内部では電解浴液を電極面にほぼ平行
に流れるように循環させることにより電解反応を安定さ
せることができる。このようにすることによって、電極
反応で生ずる樹脂状生成物やフッ化ニッケル等の電極面
からの除去と、また、原料の有機化合物の電極反応サイ
トへの供給がスムーズに行なわれるようになる。長期間
に亘って安定に電解を行なうためには、電極面上での電
解浴液の線速度を1.5cm/秒以上、好ましくは2.
5cm/秒以上、更に好ましくは4cm/秒以上にする
と良い。
【0012】本発明における電解フッ素化は、バッチ式
及び連続式のいずれの方法で行っても良いが、特に原料
となる有機化合物と無水フッ化水素酸とをそれぞれ連続
的に又は間欠的に電解浴液中に補給して、電解浴液中に
おける原料の有機化合物及び中間生成物である種々のフ
ッ素化有機化合物の濃度及び組成をほぼ定常状態に維持
しつつ、長期に連続して反応を行う連続式が好適であ
る。この時、原料の有機化合物及び中間生成物である種
々のフッ素化有機化合物の合計の濃度が、一般には2〜
40重量%、更には3〜30重量%の範囲内になるよう
に選択することが好ましい。
【0013】電解反応で生成する目的物であるパーフル
オロ有機化合物を含むフッ素化生成物は、電解浴液に溶
解せず電解浴液より比重が大きい。このために、これを
電解浴液から分離して抜き出す方法として、通常は循環
槽自体に沈降槽の機能も持たせてフッ素化生成物を沈降
せしめ、これを連続的にあるいは定期的に抜き出す方法
が好適に採用される。
【0014】本発明の大きな特徴の一つは、電解浴液の
流れ方向に沿って複数の電極群を直列に設けることであ
る。本発明における電極群とは、陽極と陰極とが、ある
極間距離を保って対向して配置された一群の電極をい
う。この場合、多数の陽極と陰極とが交互に対向して配
置されて一群を形成していてもよく、また、一対の対向
する陽極と陰極がらせん状または波状に設置されて一群
を形成していてもよく、さらに、波状に配置されて隣り
合う陽極または陰極の一方の極板の間に他方の極板が挿
入され、陰極と陽極とが交互に配置されて一群を形成し
ていてもよい。
【0015】本発明においては、上記の電極群の複数個
が電解浴液の流れ方向に沿って配置される。具体的に
は、図1に示すように、電解槽1と循環槽2とが閉回路
を形成しており、電解槽1中に電極群3、3′および
3″が電解浴液の流れ方向に直列に配列される。このと
き、電解浴液の大部分が各電極群の極間を通過するよう
に各電極群の電解浴液の流れに垂直方向において各電極
群と壁面との間に間隙を実質的に設けず、電極群3を通
過した電解浴液の大部分が電極群3′を通過し、さらに
電極群3′を通過した電解浴液の大部分が電極群3″を
通過するように、各電極群が配置される。
【0016】複数の電極群を電解浴液の流れ方向に並列
に配置することによっても電極面積を大きくすることが
できるが、この場合、各電極群に均一に電解浴液を供給
するのが困難であり、また、そのようにしようとすれば
電解浴液の循環量を大きくしなければならず、そのため
に循環槽を大きくしなければならないという問題がある
ため、本発明においては好ましくない。
【0017】本発明において、電解浴液の流れ方向に沿
って複数の電極群を設ける具体的な方法としては、例え
ば、図1に示すように一つの電解槽中において電解浴液
の流れ方向に沿って複数の電極群を設ける方法、図2に
示すように一つの電極群を設置した電解槽を直列に接続
する方法、および上記2つの方法を組合せる方法等をあ
げることができる。
【0018】本発明によれば、現在工業的に用いられて
いるような大きさの電極群を一つの電解フッ素化装置に
複数個、たとえば2〜10個、通常は3〜6個を設置で
きるので、電極面積を大幅に増やすことが可能になる。
この場合、一つの電極群を構成する各電極板の寸法と陰
陽極の対数等は一般的には次の範囲から選ぶことが安定
した電解フッ素化をおこなうことができるために好まし
い。電解浴液の流れ方向の電極長さは、30〜150c
m、好ましくは40〜120cm、陰陽極対数は1〜2
50対、工業的規模で電解フッ素化を行うときは25〜
250対、陰陽極間距離は0.5〜7mm、好ましくは
1〜4mmの範囲である。
【0019】なお、本発明で使用される電極の材質とし
ては、公知のものが何ら制限されず使用し得る。陽極と
しては、通常ニッケル又はニッケル合金が用いられ、陰
極としては、ニッケル又はその合金の他に鉄、ステンレ
ススチール、銅等が用いられる。
【0020】本発明では複数の電極群が電解浴液の流れ
方向に沿って設置されるが、電極群における電極対間を
流れる電解浴液の方向としては垂直上向き、垂直下向
き、水平方向など特に限定されない。しかしながら各電
極対間に均一に電解浴液を流すために、通常は垂直方
向、特に垂直上向きの方向が好適に採用される。
【0021】なお、複数の電解槽を直列に接続する場合
には、電解槽間の電解浴液の移動のために必要に応じて
ポンプが設置される。あるいは、電解槽の設置位置を順
次低くすることにより、ヘッド差を利用して電解槽間の
電解浴液の移動を行なうこともできる。
【0022】本発明の他の大きな特徴は、各電極群にお
ける電解浴液の入端と出端との流れ方向の温度差を5℃
以下に保って電解することにある。電極群中における電
解浴液の温度は、電解フッ素化反応による発熱のため
に、電解浴液の入口から出口に向かって温度が上昇して
いく。たとえば、図1において電解槽1は、下側の液供
給ラインから、電解浴液が供給され電極群3の下側の端
(これを電極群3の入端という)に到達し、電解を受け
温度上昇が始まり、該電極群3の上端(これを電極群3
の出端という)に至って、或る温度にまで上昇する。こ
の温度上昇幅を5℃以下にコントロールする必要があ
る。電解浴液流は、更に上昇して、次に直列的に存在す
る電極群3’の入端に達し、再度電解を受け温度が上昇
し、該電極群3’の出端に至る。ここでの温度上昇幅も
同様に5℃以内にコントロールされ、更に上昇して、電
極群3’’の入端に至り、電解により温度が上昇し該電
極群3’’の出端に至るが、ここでも温度上昇幅は5℃
以内にコントロールされる。このように、温度差をコン
トロールすることにより、長期に亘って安定に電解がで
き、しかも目的とするフッ素化生成物を良好な収率で得
ることができる。しかるに上記の各温度差が5℃よりも
大きくなると、一つの電極表面での温度分布が大きくな
ることによって電流密度の差が異常に大きくなり、電圧
の急上昇や目的フッ素化生成物の収率の極端な低下が生
じて電解の続行が不可能になる。この現象は、従来の食
塩電解等には見られないもので、本発明者らが初めて見
いだしたものである。上記の各温度差を4℃以下、更に
好ましくは3℃以下とすれば、更に良好な結果が得られ
る。
【0023】この温度差は、電流密度、電解電圧、電解
浴液の流れ方向の長さ、極間距離、電極上での電解浴液
の線速度等の因子により決定される。したがって、比較
的小型の電解槽を用いた実験により得られる電解特性の
結果その他を参考にしながら、電解条件を選定しその条
件下での各電極群における電解浴液の温度差が上記値以
下になるように電解フッ素化装置を設計すれば良い。
【0024】個々の電極群内における電解浴液の温度差
には上記のとおり上限がある。しかし、第1番目の電極
群と最後の電極群との間における電解浴液の温度差は、
特に制限されるものではなく、原料となる有機化合物の
種類に応じて許容可能な温度差の範囲内で運転すればよ
い。上記の温度差の許容範囲の狭い有機化合物を原料と
する場合には、クーラー等の冷却装置を各電極間に設置
するなどの方法を講じて、電解浴液の温度上昇を防止す
ることができる。
【0025】複数の電極群への通電方法については、多
数の整流器を設置してそれぞれ別々に供給することもで
きるが、一つの整流器を用いて各電極群の陰陽極端子を
直列又は並列につないで通電することも可能である。電
解浴液の流れ方向に沿って設置した各電極群における条
件は厳密には異なっているにもかかわらず、各電極群を
電気的に直列に接続して一つの整流器を用いて定電流で
通電することにより安定な電解が可能なことは、経済的
にも又運転管理の面でも大きな意味がある。
【0026】電解フッ素化の電解条件は、原料の有機化
合物の種類によって異なるが、通常は温度−15〜25
℃、電流密度0.5〜6A/dm2、陰陽極間電圧4〜
8Vの範囲から採用するのが良い。電解槽中の圧力は、
通常常圧であるが、いくぶん加圧することもできる。
【0027】
【発明の効果】本発明の方法によれば、一つの電解フッ
素化装置で従来の2〜10倍の電解電流での電解フッ素
化が可能となる。しかも、長期間安定して電解を継続す
ることができる。また、先の電極群において電解フッ素
化されて生成したフッ素化生成物が後の電極群を通過す
る際に分解すると予想されたにもかかわらず、目的とす
るフッ素化生成物を良好な収率で得ることができる。そ
の結果、一つの電解フッ素化装置で生産できる目的フッ
素化生成物の量を向上させることができる。
【0028】この場合に、電解フッ素化装置の電解浴液
の循環流量を増加させる必要がないため、従来の循環槽
と同程度の容量で十分にフッ素化生成物の電解浴液から
の分離が可能であり、循環槽を特別に大きなものにした
り、あるいは特殊な装置を設置する等の必要もない。し
たがって、本発明による経済的、あるいは運転管理の省
力化の面における効果は非常に大きい。
【0029】
【実施例】以下に本発明をさらに詳細に説明するために
実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。
【0030】実施例1 ニッケル製の3枚の陰極と2枚の陽極(4対の陰陽極)
が交互に配置されてなる電極群(電極寸法;幅60c
m、高さ70cm、厚さ2mm、極間距離;1.8m
m)を垂直方向に2cmの間隔をおいて3群設置したモ
ネル製の電解槽を用いて、トリブチルアミンの電解フッ
素化を行なった(以下、3つの電極群を下の方から順番
に第1電極群、第2電極群、および第3電極群と呼
ぶ)。
【0031】まず、モネル製の循環槽(内径24cm、
高さ60cm、下部は円錐型)に、25リットルの無水
フッ化水素酸とトリブチルアミンをトリブチルアミンの
濃度が6重量%になるように供給した。この混合液を陰
陽極間での線速度が4.5cm/秒になるようにポンプ
を用いて電解槽の下部より供給し(循環流量 195c
3/秒 )、第3電極群の上部よりオーバーフローで再
び循環槽に戻しながら、電解を開始した。なお、各電極
群の陰陽極端子を直列に連結し、1台の整流器を用いて
第1電極群から第3電極群に向かって電流を流すように
した。徐々に電流を上げてゆき、60時間後より通電量
を400Aとした(電解電流値;1200A)。この際
に、循環ラインの電解槽入口前に設置したクーラーによ
り、電解槽に流入する混合液の温度を−4℃に調節し
た。
【0032】電解で発生する水素ガスは電解槽の上部に
設けられた−40℃の還流冷却器をとおして排出した。
反応中電解浴液の量を一定に保つように、無水フッ化水
素酸を連続的に供給した。電解開始後、まもなくトリブ
チルアミンの循環槽への供給を開始し、電解浴液中にお
ける全アミンの濃度が約12重量%の定常状態を維持す
るようにした。
【0033】パーフルオロ化合物を含む生成フッ素化物
を、循環槽の下部より間欠的に抜き出した。これを40
重量%の苛性ソーダ水溶液とジイソブチルアミンの等容
量混合液中で120時間リフラックスした後に、水洗、
乾燥、蒸留を行いパーフルオロトリブチルアミンを得
た。
【0034】120日間継続して電解を行なったが、電
圧、収率共に非常に安定していた。この間の平均の電解
結果(ただし、通電量が400Aになった後)を以下に
示す;パーフルオロトリブチルアミンの収量 4.67
kg/日、トリブチルアミンの供給量 3.54kg/
日、パーフルオロトリブチルアミンの収率 36.4
%、陰陽極間電圧 5.32V(第1電極群)5.21
V(第2電極群)5.18V(第3電極群)、各電極群
中における電解浴液の温度 −4.0〜−1.7℃(第
1電極群)、−1.7〜−0.5℃(第2電極群)、−
0.5〜3.0℃(第3電極群)。
【0035】比較例1 実施例1に示した電解槽に幅60cm、高さ210c
m、厚さ2mmのニッケル製の2枚の陽極と3枚の陰極
を極間距離を1.8mmとして交互に設置し、循環槽や
クーラー等は実施例1で用いたものをそのまま使用し、
同じくトリブチルアミンの電解フッ素化を行なった。通
電開始後50時間以降の通電電流を1200A(電流密
度は実施例1の場合と同じ)とした以外は、実施例1の
場合と同様に電流を上げていった。循環流量等の条件も
実施例1の場合と同じである。通電電流が1200Aに
なった時点での、電解浴液の電解槽入口、出口での温度
はそれぞれ−4℃、3.2℃であった。その後次第に陰
陽極間電圧が上昇し、5日後および10日後の電圧はそ
れぞれ5.35Vおよび5.73Vであった。20日後
には、電圧は6.8Vを越え又この時点でのパーフルオ
ロトリブチルアミンの収率は20%以下と極端に低く、
このために電解を停止せざるをえなかった。
【0036】実施例2 次に示す電解フッ素化装置を用いて、トリペンチルアミ
ンの電解フッ素化を行なった。循環槽やクーラー等は実
施例1に示したものと同じであるが、電解槽としては実
施例1に示したものと同じ電極群がそれぞれ一つずつ設
置されている3台のモネル製の電解槽を電解浴液の流れ
に沿って連結したものを用いた。この場合、1台目の電
解槽から順次50cmずつ低く配置し(順番に第1電解
槽、第2電解槽および第3電解槽と呼ぶ。)、それぞれ
の電解槽の下部から供給された電解浴液が、各電極群の
上部でオーバーフローして次の電解槽へヘッド差で流れ
るようにした。電解浴液(25リットル)中のトータル
アミンの濃度が13重量%になるように無水フッ化水素
酸とトリペンチルアミンを循環槽に補給しながら、又ポ
ンプで第1電解槽の下部に供給される電解浴液の温度が
−3℃となるように温度コントロールをしながら、電解
浴液を電極間での線速度が9cmとなるような速度で循
環しながら電解を行なった(循環流量 390cm3
秒)。通電方法としては、各電解槽の電極群の陰陽極端
子を直列に連結し、1台の整流器を用いて500Aの電
流を流した(電解電流値 1500A)。
【0037】電解で発生する水素ガスは、各電解槽の上
部に設けられた−45℃の還流冷却器をとおして排出さ
せた。パーフルオロトリペンチルアミンを含むフッ素化
生成物は循環槽の下部から抜き出し、実施例1の場合と
同様の処理を施してパーフルオロトリペンチルアミンを
得た。
【0038】通電電流が500Aになった後90日間電
解を継続したが、電圧、収率ともに非常に安定してい
た。この間の平均の電解結果は次のとおりであった;パ
ーフルオロトリぺンチルアミンの収量 4.67kg/
日、トリペンチルアミンの供給量 4.28kg/日、
収率 30.2%、陰陽極間電圧 5.67V(第1電
解槽)、5.58V(第2電解槽)、5.52V(第3
電解槽)、各電極群内での電解浴液の温度 −3.0〜
−1.4℃(第1電解槽)、−1.4〜0.3℃(第2
電解槽)、0.1〜1.9℃(第3電解槽)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の電解フッ素化方法において
使用される電解フッ素化装置の代表的な態様を示す概略
図である。
【図2】 図2は、本発明の電解フッ素化方法において
使用される電解フッ素化装置の他の態様を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1、1′および1″ 電解槽 2 循環槽 3、3′および3″ 電極群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭47−18775(JP,A) 特開 昭53−123397(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25B 1/00 - 15/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素−水素結合を有する有機化合物を含む
    電解浴液を電解槽と循環槽との間を循環させて、該電解
    槽中で炭素−水素結合を有する有機化合物の電解フッ素
    化を行なう方法において、電解浴液の流れ方向に沿って
    複数の電極群を直列に設置し、且つ各電極群における電
    解浴液の入端と出端との流れ方向の温度差を5℃以下の
    範囲に保って電解フッ素化を行なうことを特徴とする電
    解フッ素化方法。
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