JPH09104966A - 硬質皮膜及び硬質皮膜被覆部材並びに切削工具 - Google Patents

硬質皮膜及び硬質皮膜被覆部材並びに切削工具

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JPH09104966A
JPH09104966A JP15965396A JP15965396A JPH09104966A JP H09104966 A JPH09104966 A JP H09104966A JP 15965396 A JP15965396 A JP 15965396A JP 15965396 A JP15965396 A JP 15965396A JP H09104966 A JPH09104966 A JP H09104966A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のTiN 皮膜、TiC 皮膜、TiCN皮膜、(Al,
Ti)(N,C)系皮膜の中で最も耐摩耗性に優れている(Al,T
i)(N,C)系皮膜よりも耐摩耗性に優れ、高速切削の場合
に対応可能な耐摩耗性を有する硬質皮膜を提供する。 【解決手段】 N、C、B、CN、BN、BCまたはC
BNの一種をQとしたとき、( Ti1-(x+y)x Aly )Q
で示される組成〔但し、MはHf、Zrの1種又は2種〕か
らなり、0<x≦0.8 、0<y≦0.8 、x+y<1であ
ることを特徴とする硬質皮膜。又、該硬質皮膜或いは
( Ti1-xx )Qで示される組成からなる硬質皮膜層
と、( Ti1-ZAlZ )Qで示される組成〔但し、0<z≦
0.8 〕からなる硬質皮膜層とが、積層されてなることを
特徴とする硬質皮膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬質皮膜に関し、
詳細には、耐摩耗性に優れた硬質皮膜に関し、特には、
旋削加工、フライス加工、切削加工、穿孔加工等の加工
に使用される工具や金型の耐摩耗性硬質皮膜として好適
な硬質皮膜に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】超硬合金(WC-Co 系焼結合金)又は高速
度工具鋼(ハイス)等の耐摩耗性部材を製作する場合、
耐摩耗性等の性能をより優れたものとすることを目的と
して、それらの基材表面に金属の窒化物や炭化物よりな
る耐摩耗性皮膜を形成することが行われている。
【0003】かかる耐摩耗性皮膜としては、TiN 皮膜や
TiC皮膜が汎用され、それらはアークイオンプレーティ
ング法やスパッタリング法により形成されている。この
TiN皮膜と TiC皮膜とを比較すると、TiN 皮膜は TiC皮
膜よりも耐熱性(高温耐酸化性)に優れており、切削時
の加工熱や摩擦熱によって昇温する工具すくい面のクレ
ータ摩耗から保護する機能を発揮するが、TiC 皮膜に比
べて低硬度であるため、被削材と接する逃げ面に発生す
るフランク摩耗に対してはむしろ脆弱であり、フランク
摩耗に対しては TiC皮膜の方が高い耐久性を示す。そこ
で、最近ではクレータ摩耗とフランク摩耗を共に抑制す
るTiCNの硬質皮膜が実用化されている。
【0004】ところで、近年、切削工程の省力化や省エ
ネルギー化及び生産性向上に伴い、切削速度の一層の高
速化が要望されており、高切り込み或いは高送り等の重
切削が行われる状況にある。このように切削条件がより
過酷化する傾向にあるため、前記TiN 皮膜、TiC 皮膜、
TiCN皮膜ではこの要請に応えきれなくなっている。即
ち、TiN 皮膜、TiC 皮膜又はTiCN皮膜を有する切削工具
で高速切削を行った場合、高温で皮膜内のTiが酸化する
ことにより皮膜が劣化し、摩耗が非常に激しい。
【0005】そこで、硬質皮膜の特性(機能)をより向
上すべく、TiN やTiC 或いはTiCNにTi、N 、C 以外の第
3、第4元素を添加することが試みられており、その元
素としてAlを添加したTiとAlの複合窒化物固溶体[(Ti,A
l)N]、複合炭化物固溶体[(Ti,Al)C]或いは複合炭窒化物
固溶体[(Ti,Al)(N,C)]よりなる硬質皮膜(以降、これら
を総称して(Ti,Al)(N,C)系皮膜という)が提案されてい
る(特公平4-53642 、特公平5-67705 号公報)。この(T
i,Al)(N,C)系皮膜は、耐熱性(高温耐酸化性)及び硬度
を向上するためにAlを添加したものであり、高温でAlが
選択的に酸化し、保護皮膜となって該皮膜下の皮膜の酸
化を抑制し、それにより耐熱性が向上している。しかし
ながら、800 ℃程度でTiN 皮膜の場合と同様に皮膜が劣
化し、そのため刃先温度が1000℃以上となるといわれる
高速切削には不適であって対応できず、皮膜の硬度もHv
2500程度とあまり高くはないため、更に性能(特に耐摩
耗性)を改善した硬質皮膜が必要となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
着目してなされたものであって、その目的は前記従来の
TiN 皮膜、TiC 皮膜、TiCN皮膜、(Ti,Al)(N,C)系皮膜で
の問題点を解消し、これら従来の皮膜の中で最も耐摩耗
性に優れている(Ti,Al)(N,C)系皮膜よりも耐摩耗性に優
れた硬質皮膜を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る硬質皮膜は請求項1〜5記載の硬質皮
膜としており、それは次のような構成としたものであ
る。
【0008】即ち、請求項1記載の硬質皮膜は、TiとAl
とM(MはHf、Zrの1種又は2種)の複合窒化物、複合
炭化物、複合ホウ化物、複合炭窒化物、複合ホウ窒化
物、複合炭ホウ化物または複合炭窒ホウ化物よりなり、
そのTiとMとAlの組成が下記式で示される組成からな
ることを特徴とする硬質皮膜である(第1発明)。 Ti1-(x+y) x Aly ----- 式 但し、上記式において、0<x≦0.8 、0<y≦0.8
、x+y<1であり、MはHf、Zrの中の1種又は2種
である。
【0009】請求項2記載の硬質皮膜は、TiとAlとM
(MはHf、Zrの1種又は2種)の複合窒化物、複合炭化
物、複合ホウ化物、複合炭窒化物、複合ホウ窒化物、複
合炭ホウ化物又は複合炭窒ホウ化物よりなり、そのTiと
MとAlの組成が下記式で示される組成からなる硬質皮
膜層と、TiとAlの複合窒化物、複合炭化物、複合ホウ化
物、複合炭窒化物、複合ホウ窒化物、複合炭ホウ化物又
は複合炭窒ホウ化物よりなり、そのTiとAlの組成が下記
式で示される組成からなる硬質皮膜層とが、合計で2
層以上積層されてなることを特徴とする硬質皮膜である
(第2発明)。 Ti1-(x+y) x Aly ----- 式 Ti1-Z AlZ ----- 式 但し、上記式において、0<x≦0.8 、0≦y≦0.8
、x+y<1であり、MはHf、Zrの中の1種又は2種
である。上記式において0<z≦0.8 である。
【0010】請求項3記載の硬質皮膜は、膜厚が0.1 〜
20μm である請求項1又は2記載の硬質皮膜である(第
3発明)。請求項4記載の硬質皮膜は、金属Ti、Tiの窒
化物またはTiの炭窒化物が、請求項1、2又は3記載の
硬質皮膜と基材との間に存在することを特徴とする硬質
皮膜である(第4発明)。請求項5記載の硬質皮膜は、
超硬合金(WC-Co 系焼結合金)または高速度工具鋼(ハ
イス)の表面に形成された請求項1、2、3又は4記載
の硬質皮膜である(第5発明)。
【0011】又、請求項6記載の硬質皮膜被覆部材、請
求項7記載の切削工具としており、それは次のような構
成としたものである。即ち、請求項6記載の硬質皮膜被
覆部材は、請求項1、2、3又は4記載の硬質皮膜を被
覆されて有する硬質皮膜被覆部材である(第6発明)。
請求項7記載の切削工具は、請求項1、2、3又は4記
載の硬質皮膜を少なくとも切削刃先に被覆されて有する
ことを特徴とする切削工具である(第7発明)。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る硬質皮膜は、例えば
アークイオンプレーティング法やスパッタリング法等に
より得られる。この硬質皮膜は、前記の如き組成を有
し、耐熱性(高温耐酸化性)に優れ、又、硬度が高く、
そのため、従来の皮膜の中で最も耐摩耗性に優れている
(Al,Ti)(N,C)系皮膜よりも耐摩耗性に優れ、高速切削の
場合に対応可能な耐摩耗性を有する。
【0013】この詳細を以下説明する。
【0014】切削速度の一層の高速化や高切り込み或い
は高送り等の重切削に対応するために、硬質皮膜として
提案されている前記従来の(Ti,Al)(N,C)系皮膜をベース
とし、TiとAlの複合窒化物[(Ti,Al)N]等の(Ti,Al)(N,C)
に様々な元素を添加し、皮膜性能を評価した結果、Hf及
び/又はZr(以下、Mという)を含有させる(即ち、(T
i,M,Al)(N,C) 系皮膜とする〕ことにより、硬度が向上
してビッカース硬度でHv3500以上となり、また、耐熱性
(高温耐酸化性)が向上して1000℃を優に超え(1000℃
超でも劣化が生じなくなり)、そのため、従来の(Ti,A
l)(N,C)系皮膜よりも耐摩耗性が向上し、高速切削の場
合に対応可能な耐摩耗性を有することができるようにな
り、そして、このときM(Hf、Zrの1種又は2種)の含
有量はTi、M及びAl中に占めるMの割合として80at%以
下、Alの含有量はTi、M及びAl中に占めるAlの割合とし
て80at%以下にするとよいことがわかった。
【0015】このような耐熱性及び硬度の向上の原因に
ついては明らかではないが、MがHfであるときの窒化物
系〔(Ti,M,Al) N〕で代表して説明すると、この膜はTi
N-HfN-AlN を端組成〔(TiN)1-(x+y)-(HfN)x -(AlN)y
とする固溶体であることから、TiN 格子中のTiがAlとHf
で置換することにより価電子分布等が変化して、上記の
ような耐熱性及び硬度向上効果が現れたと推測される。
即ち、価電子分布と硬度との関係はTiとNbの複合炭化物
〔(Ti,Nb)C〕等については既に報告されており(Surfac
e and Coatings Technology, 33 (1987) 91-103)、かか
る価電子分布等の変化が関係しているものと考えられ
る。
【0016】本発明(第1発明)はかかる知見に基づき
なされたものであり、第1発明に係る硬質皮膜は、前記
の如く、TiとAlとM(MはHf、Zrの1種又は2種)の複
合窒化物、複合炭化物、複合ホウ化物、複合炭窒化物、
複合ホウ窒化物、複合炭ホウ化物または複合炭窒ホウ化
物よりなり、そのTiとMとAlの組成が Ti1-(x+y)xAl
y (但し、0<x≦0.8 、0<y≦0.8 、x+y<1、
MはHf、Zrの中の1種又は2種)で示される組成からな
るようにしている。
【0017】この硬質皮膜は、即ち、( Ti1-(x+y)x
Aly ) N、( Ti1-(x+y)x Aly )C、(Ti1-(x+y)
x Aly )B、( Ti1-(x+y)x Aly )CN、( Ti1-(x+y)
xAly )BN、( Ti1-(x+y)x Aly )BC、又は、( Ti
1-(x+y)x Aly )CBN で示される組成からなり、0<
x≦0.8 、0<y≦0.8 、且つx+y<1であることを
特徴とするものである。ここで、N、C、B、CN、BN、
BC又はCBN をQとすると、この硬質皮膜は( Ti1-(x+y)
x Aly )Qで示される組成からなり、0<x≦0.8 、
0<y≦0.8 、且つx+y<1であることを特徴とする
ものである。尚、(Ti1-(x+y)x Aly ):Qは、1:1
であるとは限らず、1:約1の場合も含まれ、例えば、
1:0.90や、1:1.10の場合もある。
【0018】換言すれば、TiとMとAlの複合窒化物、複
合炭化物、複合ホウ化物、複合炭窒化物、複合ホウ窒化
物、複合炭ホウ化物または複合炭窒ホウ化物〔即ち (Ti
1-(x +y) x Aly )Q〕よりなり、このTi、M及びAl中
に占めるMの割合が80at%以下(0%を含まず)、Alの
割合が80at%以下(0%を含まず)であることを特徴と
する硬質皮膜である。
【0019】従って、第1発明に係る硬質皮膜は、前記
知見と照合するに、耐熱性(高温耐酸化性)に優れ、
又、硬度が高く、そのため、従来の皮膜の中で最も耐摩
耗性に優れている(Ti,Al)(N,C)系皮膜よりも耐摩耗性に
優れ、高速切削の場合に対応可能な耐摩耗性を有するも
のであることがわかる。
【0020】ここで、Ti、M及びAl中に占めるM及びAl
の割合をそれぞれ80at%以下(0%を含まず)、即ち
(Ti1-(x+y) x Aly )Qでのx及びyを0<x≦0.8
、且つ0<y≦0.8 としているのは、x及び/又はy
を0.8 超とすると、硬度がTiN 並みのHv2000程度に低下
し、又、耐熱性も低下し、その結果、耐摩耗性が低下し
て不充分となり、一方、x及び/又はyを0とするとM
及び/又はAlが含有されず、M及びAl添加による耐摩耗
性の向上が図れなくなって耐摩耗性が不充分となるから
である。尚、x+y<1としているのは、x+y≧1と
すると (Ti1-(x+y)x Aly )Qの組成が成立しなくな
るからである。
【0021】このようにx及び/又はyを0.8 超とする
と、硬度及び耐熱性が低下し、そのため耐摩耗性が低下
して不充分となる原因については、次のように考えられ
る。先述のようにTiAlN 等にM金属を添加すると価電子
分布が変化して硬度向上や耐熱性向上効果が得られる
が、M組成のxが0.8 を超えると、この効果は再び小さ
くなり、M窒化物(MN)の価電子分布に戻ってしまう
ことが推察される。このことが原因と考えられる。又、
Al量が増大し、yが0.8 を超えたときに結晶系がNaCl型
(B1構造)からAlN の通常の結晶系であるZnS 型(ウ
ルツァイト型)へ変化するので、yを0.8超にすると、
かかる結晶系の変化によっても硬度が下降し、更に耐熱
性も悪くなるものと考えられる。
【0022】尚、上記x及びyについては、特に、0.05
<x≦0.7 、0<y≦0.7 にすることが望ましい。そう
すると、より硬度が高くなって耐摩耗性が向上するから
である。更に、かかる硬度上昇、耐摩耗性の向上の点か
ら、0.1 <x≦0.3 、0<y≦0.3 にすることがより望
ましい。
【0023】以上の如く第1発明に係る硬質皮膜は耐摩
耗性に優れ、連続切削における耐摩耗性に優れている
が、断続切削等の場合、皮膜が欠けることがまれに生じ
る。これは、第1発明に係る硬質皮膜は高硬度であるた
めに靱性が犠牲になっており、特に断続切削等の場合に
は、衝撃負荷が大きいので、皮膜の靱性が耐えられなく
なることが原因と考えられる。そこで、かかる点を考慮
して上記皮膜の欠けを防止すべく研究を行った。その結
果、第1発明に係る硬質皮膜〔( Ti1-(x+y)xAly
Q〕あるいは(Ti1-x x )Qで示される組成からなる
硬質皮膜、すなわち、(Ti1-(x+y)x Aly )Qで示され
る組成からなる硬質皮膜(但し、0<x≦0.8 、0≦y
≦0.8 、且つ、x+y<1)と、高硬度ではないものの
靱性のある(Ti1-Z AlZ )Qで示される組成からなる硬
質皮膜(但し、0<Z≦0.8 )とを積層することによ
り、上記皮膜の欠けを防止することができるようにな
り、しかも殆どの場合に(y=0の場合を除き)第1発
明の場合とほぼ同等の耐摩耗性を確保し得ることがわか
った。尚、y=0の場合でも第1発明の場合に比べると
耐摩耗性が少し低下するものの、従来の皮膜の中で最も
耐摩耗性に優れている(Ti,Al)(N,C)系皮膜に比べると極
めて耐摩耗性に優れている。
【0024】本発明(第2発明)はかかる知見に基づき
なされたものであり、第2発明に係る硬質皮膜は、( T
i1-(x+y)x Aly )Q〔但し、0<x≦0.8 、0≦y≦
0.8、且つx+y<1〕で示される組成からなる硬質皮
膜層(以下、硬質皮膜層Aという)と、(Ti1-Z AlZ
Q〔但し、0<z≦0.8 〕で示される組成からなる硬質
皮膜層(以下、硬質皮膜層Bという)とが、合計で2層
以上積層されてなるようにしている。
【0025】従って、第2発明に係る硬質皮膜は、断続
切削等の場合における皮膜の欠けが生じず、しかもy=
0の場合を除き第1発明の場合とほぼ同等の耐摩耗性を
有することができ、y=0の場合でも(Ti,Al)(N,C)系皮
膜に比べ極めて優れた耐摩耗性を有することができる。
【0026】ここで、( Ti1-(x+y)x Aly )Qでのx
及びyを0<x≦0.8 、且つ0≦y≦0.8 としているの
は、x及び/又はyが0.8 超では硬度及び耐熱性の低下
により耐摩耗性が低下して不充分となるからである。
尚、xを0とするとMが含有されず、耐摩耗性が不充分
となるので、x>0とする必要があるが、Alについては
それが含有されない場合でも(Ti,Al)(N,C)系皮膜に比べ
極めて優れ、充分な耐摩耗性を確保し得るので、y=0
の場合も含めている。( Ti1-ZAlZ )Qでのzを0<z
≦0.8 としているのは、zを0.8 超にすると、皮膜の構
造がNaCl型(B1構造)からZnS 型(ウルツァイト型)に
変化し、それにより皮膜が軟質化し、ひいては耐摩耗性
が低下して不充分となるからである。尚、(Ti1-Z A
lZ ):Qは、( Ti1-(x+y)x Aly ):Qの場合と同
様、1:1であるとは限らず、1:約1の場合も含ま
れ、例えば1:0.90や1:1.10の場合もある。
【0027】このように第2発明に係る硬質皮膜は、硬
質皮膜層Aと硬質皮膜層Bとが積層されてなり、それに
より、断続切削等の場合における皮膜の欠けが生じず、
しかも第1発明の場合とほぼ同等の耐摩耗性を有するこ
とができる。これは、硬質皮膜層A及び硬質皮膜層Bの
各々の長所が相互作用し、相乗効果を最大に発揮するた
めと考えられる。
【0028】即ち、硬質皮膜層Bは硬度がHv2600程度で
あって硬質皮膜層Aよりも低いが、それ故に、靱性に優
れ、又、耐熱性が約800 ℃であって優れている。一方、
硬質皮膜層Aは、y=0の場合を除き、第1発明に係る
硬質皮膜と同様のものであるので、硬度がHv3500以上で
あり、極めて高く、又、耐熱性が1000℃を優に超えて著
しく高く、そのため、従来の皮膜の中で最も耐摩耗性に
優れている(Ti,Al)(N,C)系皮膜よりも耐摩耗性に優れて
いる。但し、硬度が高い分、靱性が犠牲になっている。
かかる硬質皮膜層Aと硬質皮膜層Bとが積層されると、
その積層皮膜の全体は複合材料であり、硬質皮膜層Aの
高硬度及び高耐熱性による優れた耐摩耗性と、硬質皮膜
層Bの優れた靱性とを兼ね備えたものとなり、それらの
相乗効果が発揮され、そのため、積層皮膜は全体として
靱性が向上して断続切削等の場合でも欠けが生じなくな
り、又、硬質皮膜層A(即ち第1発明に係る硬質皮膜)
とほぼ同等の耐摩耗性を有することができると考えられ
る。更に、積層効果により硬度がHv4000近くになること
もあり、この場合は第1発明に係る硬質皮膜よりも耐摩
耗性が向上する。
【0029】尚、y=0の場合、硬質皮膜層Aは、(Ti
1-x x )Qで示される組成からなり、Alが含有されな
いので、耐熱性は約700 ℃と低いが、硬度がHv3000以上
であり、硬質皮膜層Bよりも極めて高く、そのため(Ti,
Al)(N,C)系皮膜よりも耐摩耗性に優れている。従って、
かかる硬質皮膜層Aと硬質皮膜層Bとの積層皮膜は、前
記積層皮膜の場合よりは耐摩耗性が少し低下するもの
の、硬質皮膜層BがAlを含有しているために耐熱性に優
れているので、(Ti,Al)(N,C)系皮膜に比べると極めて耐
摩耗性に優れている。又、前記積層皮膜の場合と同様、
硬質皮膜層Bの優れた靱性を兼ね備えているために靱性
が向上して断続切削等の場合でも欠けが生じない。
【0030】ここで、硬質皮膜層AとBとが合計で2層
以上積層されていること、即ち、硬質皮膜層Aが1層以
上であると共に硬質皮膜層Bが1層以上であることが必
要であるが、これらを充たしていれば積層数は特には限
定されない。基材への積層の順序については、限定され
ず、積層の順序にかかわらず上記の如き優れた特性が得
られる。基材が超硬合金または高速度工具鋼の場合、こ
れらに対して硬質皮膜層AもBも密着性が極めて優れて
いるので、積層の順序はどちらの硬質皮膜層からでもよ
い。
【0031】本発明(第1〜2発明)に係る硬質皮膜の
膜厚については、特に限定されるものではないが、耐摩
耗性及び耐熱性(耐酸化性)の両方が要求される工具等
の部材に該硬質皮膜をコーティングして用いる場合は、
膜厚0.1 μm 以上にすることが望ましい。それは、耐酸
化性においては該硬質皮膜が均一にコーティングされれ
ば膜厚0.1 μm 未満でも効果はあるものの、膜厚0.1 μ
m 未満では耐摩耗性付与効果があまり発揮されなくな
り、耐摩耗性が不充分となる可能性があるからである。
一方、膜厚20μm 超では膜厚を厚くする割りには耐摩耗
性及び耐酸化性の向上効果が少なく、又、コーティング
時間が長くなって生産性が低下することから、20μm 以
下にすることが望ましい(第3発明)。
【0032】本発明に係る硬質皮膜は基材との密着性に
優れているが、この基材と硬質皮膜との間に金属Ti又は
Tiの窒化物又はTiの炭窒化物を存在させると、より密着
性が向上して剥離が確実に生じないものとなる。即ち、
基材表面に金属Ti、Tiの窒化物又はTiの炭窒化物をアン
ダーコートし、その上に本発明に係る硬質皮膜を被覆す
ると、密着性がさらに向上してよい(第4発明)。
【0033】又、本発明に係る硬質皮膜がコーティング
される基材については、特に限定されるものではなく、
用途や必要性に応じて種々の基材を使用でき、例えば工
具の分野において種々の工具基材表面に形成して用いる
ことができるが、工具基材としては超硬合金または高速
度工具鋼(ハイス)を用いることが望ましい(第5発
明)。それは、本発明皮膜は特に超硬合金及び高速度工
具鋼に対して密着性が非常によいからである。
【0034】本発明に係る硬質皮膜の基材表面へのコー
ティングは、比較的低温条件で行うことができ、カソー
ドを蒸発源とするアーク放電によって金属成分をイオン
化するイオンプレーティング法やスパッタリング法、あ
るいはイオン注入法等に代表されるPVD法によって行
うことができる。これらの中、アークイオンプレーティ
ング法の内容を説明すると、カソードを蒸発源とするア
ーク放電によってイオン化した金属成分(Ti,M,Al)
をN2ガス又はN2/CH4、N2/CH4/BF3混合ガス等の雰囲気中
で反応させ、バイアス電圧を印加した基材表面にデポジ
ットさせる。このとき、カソードとしてはTiとMとAlを
それぞれ個別に使用してもよいが、目的組成そのものか
らなる Ti1-(x+y)x Aly をカソード(ターゲット)と
すれば、皮膜組成のコントロールが容易であるという利
点がある。この場合、 Ti1-(x+y)x Aly の蒸発は数十
アンペア以上の大電流域で行われ、そのためカソード物
質組成(Ti1-(x+y)x Aly )と皮膜組成のずれは殆ど生
じず、しかもイオン化効率が高くて反応性に富み、基材
にバイアス電圧を印加することによって密着性の優れた
皮膜が得られる。
【0035】以上のように本発明に係る硬質皮膜は耐摩
耗性に優れているので、かかる硬質皮膜を被覆した硬質
皮膜被覆部材や切削工具は耐摩耗性に優れている(第6
〜7発明)。尚、後者の切削工具の場合、少なくとも切
削刃先に被覆すればよい。
【0036】
【実施例】
(実施例1)カソードアーク方式イオンプレーティング
装置を用い、そのカソード電極として Ti1-(x+y)Hfx Al
y (但し、x,y:種々変化)のターゲットを取り付
け、一方、該装置の基板(基材)ホルダーに基材として
超硬合金(WC−10%Co系焼結合金)製の切削チップを取
り付けた。又、該装置には、皮膜形成状態の均一性を確
保するための基板回転機構及びヒータを設けた。
【0037】そして、上記ヒータによって基材(チッ
プ)を400 ℃に加熱保持した状態で基材に−70Vのバイ
アス電圧を印加し、装置内に高純度N2、CH4 、BF3 ガス
またはN2/CH4、N2/BF3、CH4/BF3 、N2/CH4/BF3混合ガス
を導入した上で3×10-2Torrの雰囲気とし、アーク放電
を開始して基材表面に膜厚20μm の成膜を行った。この
ようにして得られた皮膜の組成を表1〜2(No.1〜19、
22〜40)に示す。この中、No.1〜9 、16〜19、22〜30、
37〜40のものは本発明〔第1発明(M=Hf)〕の実施例
に係る硬質皮膜であり、No.10 〜15、31〜36は比較例に
係る皮膜である。
【0038】更に、比較のため、カソード(ターゲッ
ト)にTi又はAl0.6Ti0.4を用い、かかる点を除き上記と
同様の装置及び方法により、TiN 皮膜及び(Al0.6,T
i0.4)N皮膜を形成した。それら皮膜の組成を表1〜2に
示す(No.20, 21, 41, 42)。
【0039】このようにして皮膜形成された切削チップ
を用いて、次の2種類の条件で旋削試験を行った。その
試験結果を表1〜2に示す。 被削材:S45C、切削速度:170m/min、送り速度:0.
25mm/rev、切り込み:1mm、切削時間:25分 被削材:SKD11、切削速度:150m/min、送り速度:0.
2mm/rev 、切り込み:2mm、切削時間:25分
【0040】表1〜2から明らかなように、比較例に係
る皮膜を有する切削チップに比べて第1発明(M=Hf)
の実施例に係る皮膜を有する切削チップは、いづれも逃
げ面摩耗幅(フランク摩耗量)及びすくい面摩耗深さ
(クレータ摩耗量)が極めて少なく、耐摩耗性に非常に
優れている。
【0041】(実施例2)皮膜の耐酸化性を調べるため
に基材として白金板を用い、基材表面に形成する皮膜の
厚みを15μm とし、これらの点を除き実施例1と同様の
装置及び方法により、表3に示す組成の皮膜を形成し
た。この中、No.43 〜51、58〜61のものは第1発明(M
=Hf)の実施例に係る硬質皮膜であり、No.52 〜57、6
2、63は比較例に係る皮膜である。
【0042】このようにして皮膜形成された白金板につ
いて、その皮膜の耐酸化性を調べるため、熱天秤装置を
用いて昇温範囲:室温〜1200℃、昇温速度:10℃/min、
雰囲気ガス:乾燥空気、雰囲気ガスの流量:150cc/min
の条件で酸化試験を行った。そして、昇温過程で生じる
急激な重量増加点での温度を酸化開始温度と定め、それ
を求めた。その結果を表3に示す。又、皮膜のビッカー
ス硬度(荷重50g)を測定した。その結果を表3に併記
して示す。
【0043】表3から明らかなように、比較例に係る皮
膜はTiN 皮膜では約600 ℃で、(Al,Ti)N皮膜では約800
℃で酸化が始まるのに対し、第1発明(M=Hf)の実施
例に係る皮膜はいづれも酸化開始温度が高く、高温耐酸
化性に優れている。
【0044】(実施例3)カソード電極として Ti
1-(x+y)Zrx Aly (但し、x,y:種々変化)のターゲ
ットを用い、この点を除き実施例1と同様の装置及び方
法により、表4に示す組成の皮膜を形成した。又、比較
のため、カソードにTi又はAlTiを用い、上記と同様の条
件でTiN 皮膜、TiCN皮膜及び(Al,Ti)N皮膜を形成した。
【0045】このようにして皮膜形成された工具チップ
を用いて、実施例1と同様の条件で切削試験を行った。
その試験結果を表4に示す。表4から明らかな如く、比
較例に係る皮膜を有する切削チップに比べて第1発明
(M=Zr)の実施例に係る皮膜を有する切削チップは、
いづれも耐摩耗性に非常に優れている。
【0046】更に、膜厚、基材及びアンダーコートの影
響を調べた。その結果を表5〜7に示す。表5から、膜
厚については0.1 〜20μm の場合に特に耐摩耗性が優れ
て最適であることがわかる。表6から、基材については
SiAlONやサーメットの場合に比べて超硬や高速度鋼の場
合の方が密着性に優れて適していることがわかる。表7
から、Ti、TiN 、TiCNを基材と皮膜との間に付与する
と、密着性が更に向上していることがわかる。
【0047】(実施例4)第1カソード電極として Ti
1-ZAlZ (但しz:変化)、第2カソード電極として Ti
1-(x+y)Hfx Aly (但しx,y:種々変化)のターゲッ
トを用い、この点を除き実施例1と同様の装置及び方法
により、先ず、(Ti0.4Al0.6)N または(Ti0.1Al0.9)BCN
皮膜層(硬質皮膜層Bに該当)を形成した後、次に、そ
の上に表8〜10に示す組成の皮膜層(硬質皮膜層Aに該
当)を形成した。但し、膜厚は硬質皮膜層Bで5μm 、
硬質皮膜層Aで5μm 、合計で10μm となるようにし
た。硬質皮膜層Bは表8及び10では(Ti0.4Al0.6)N 、表
9では(Ti0.1Al0.9)BCN である。更に、比較のため、第
2カソード電極として上記 Ti1-(x+y)Hfx Aly に代えて
Ti又はTiAl或いはTiHfを用い、この点を除き上記と同様
の条件で上記と同様の硬質皮膜層Bの上に膜厚5μm の
TiN 皮膜、TiCN皮膜又は(Ti,Al)N皮膜を形成した。
【0048】このようにして皮膜が積層され形成された
切削チップを用いて、実施例1と同様の条件で切削試験
を行った。その試験結果を表8〜10に示す。表8〜10か
ら明らかな如く、比較例に係る皮膜を有する切削チップ
に比べ、硬質皮膜層B及び硬質皮膜層Aが積層された第
2発明(M=Hf)の実施例に係る皮膜を有する切削チッ
プは、いづれも耐摩耗性に非常に優れている。
【0049】更に、膜厚、基材及びアンダーコートの影
響を調べた。その結果を表11〜13に示す。表11から、膜
厚については0.1 〜20μm の場合に特に耐摩耗性が優れ
て最適であることがわかる。表12から、基材については
超硬や高速度鋼の場合の方が密着性に優れて適している
ことがわかる。表13から、Ti、TiN 、TiCNを基材と皮膜
との間に付与すると、密着性が更に向上していることが
わかる。
【0050】(実施例5)第2カソード電極として前記
実施例4での Ti1-(x+y)Hfx Aly のターゲットに代えて
Ti1-(x+y)Zrx Aly (但しx,y:種々変化)のターゲ
ットを用い、この点を除き実施例4と同様の装置及び方
法により、先ず(Ti0.4Al0.6)N 又は(Ti0.1Al0.9)BCN 皮
膜層(硬質皮膜層Bに該当)を形成した後、次にその上
に表14〜16に示す組成の皮膜層(硬質皮膜層Aに該当)
を形成した。尚、膜厚は実施例4の場合と同様である。
硬質皮膜層Bは表14及び16では(Ti0.4Al0.6)N 、表15で
は(Ti0.1Al0.9)BCN である。更に、比較のため、第2カ
ソード電極として上記Ti1-(x +y) Zrx Aly に代えてTi、
TiAl又はTiZrを用い、この点を除き上記と同様の条件で
上記と同様の硬質皮膜層Bの上に膜厚5μm のTiN 皮
膜、TiCN皮膜、(Ti,Al)N皮膜又は(Ti,Zr)N皮膜を形成し
た。
【0051】このようにして皮膜が積層され形成された
工具チップを用いて、実施例1と同様の条件で切削試験
を行った。その試験結果を表14〜16に示す。表14〜16か
ら明らかな如く、比較例に係る皮膜を有する工具チップ
に比べ、硬質皮膜層B及び硬質皮膜層Aが積層された第
2発明(M=Zr)の実施例に係る皮膜を有する工具チッ
プは、いづれも耐摩耗性に非常に優れている。
【0052】更に、膜厚、基材及びアンダーコートの影
響を調べた。その結果を表17〜19に示す。表17から、膜
厚については0.1 〜20μm の場合に特に耐摩耗性が優れ
て最適であることがわかる。表18から、基材については
超硬や高速度鋼の場合の方が密着性に優れて適している
ことがわかる。表19から、Ti、TiN 、TiCNを基材と皮膜
との間に付与すると、密着性が更に向上していることが
わかる。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】
【表9】
【0062】
【表10】
【0063】
【表11】
【0064】
【表12】
【0065】
【表13】
【0066】
【表14】
【0067】
【表15】
【0068】
【表16】
【0069】
【表17】
【0070】
【表18】
【0071】
【表19】
【0072】
【発明の効果】本発明に係る硬質皮膜は、耐熱性(高温
耐酸化性)に優れ、又、硬度が高く、そのため、従来の
TiN 皮膜、TiC 皮膜、TiCN皮膜、(Al,Ti)(N,C)系皮膜の
中で最も耐摩耗性に優れている(Al,Ti)(N,C)系皮膜より
も耐摩耗性に優れ、高速切削の場合に対応可能な耐摩耗
性を有し、従って、高速切削用工具基材の硬質皮膜とし
て好適に用いることができ、切削速度の一層の高速化が
図れるようになり、又、フライス加工等の加工に使用さ
れる工具や金型の耐摩耗性硬質皮膜として好適に用いる
ことができ、それらの耐摩耗性の向上による工具性能や
金型性能の向上及び寿命の向上が図れるようになるとい
う効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河田 和久 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 池田 貢基 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 TiとAlとM(MはHf、Zrの1種又は2
    種)の複合窒化物、複合炭化物、複合ホウ化物、複合炭
    窒化物、複合ホウ窒化物、複合炭ホウ化物または複合炭
    窒ホウ化物よりなり、そのTiとMとAlの組成が下記式
    で示される組成からなることを特徴とする硬質皮膜。 Ti1-(x+y) x Aly ----- 式 但し、上記式において、0<x≦0.8、0<y≦
    0.8、x+y<1であり、MはHf、Zrの中の1種又は
    2種である。
  2. 【請求項2】 TiとAlとM(MはHf、Zrの1種又は2
    種)の複合窒化物、複合炭化物、複合ホウ化物、複合炭
    窒化物、複合ホウ窒化物、複合炭ホウ化物または複合炭
    窒ホウ化物よりなり、そのTiとMとAlの組成が下記式
    で示される組成からなる硬質皮膜層と、TiとAlの複合窒
    化物、複合炭化物、複合ホウ化物、複合炭窒化物、複合
    ホウ窒化物、複合炭ホウ化物または複合炭窒ホウ化物よ
    りなり、そのTiとAlの組成が下記式で示される組成か
    らなる硬質皮膜層とが、合計で2層以上積層されてなる
    ことを特徴とする硬質皮膜。 Ti1-(x+y) x Aly ----- 式 但し、上記式において、0<x≦0.8、0≦y≦
    0.8、x+y<1であり、MはHf、Zrの中の1種又は
    2種である。 Ti1-Z AlZ ----- 式 但し、上記式において、0<z≦0.8である。
  3. 【請求項3】 膜厚が0.1 〜20μm である請求項1又は
    2記載の硬質皮膜。
  4. 【請求項4】 金属Ti又はTiの窒化物又はTiの炭窒化物
    が、請求項1、2又は3記載の硬質皮膜と基材との間に
    存在することを特徴とする硬質皮膜。
  5. 【請求項5】 超硬合金または高速度工具鋼の表面に形
    成された請求項1、2、3又は4記載の硬質皮膜。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3又は4記載の硬質皮膜
    を被覆されて有する硬質皮膜被覆部材。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3又は4記載の硬質皮膜
    を少なくとも切削刃先に被覆されて有することを特徴と
    する切削工具。
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