JP3572732B2 - 硬質層被覆切削工具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、特に湿式フライス切削、エンドミル切削などの転削加工に対して優れた切削性能を示す硬質層被覆切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、WCを主成分とするWC基超硬合金からなる基体(以下、WC基超硬合金基体という)またはTiCNを主成分とするサーメットからなる基体(以下、TiCN基サーメット基体という)の表面に、(Ti0.5 Si0.5 )Cの硬質層を被覆してなる硬質層被覆切削工具は知られている(特開平1−306550号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の(Ti0.5 Si0.5 )C硬質層を被覆した硬質層被覆切削工具は、湿式フライス切削、エンドミル切削などの転削加工に用いた場合に耐熱衝撃性および耐欠損性が十分でなく、したがって、満足のいく工具寿命が得られていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、上述のような課題を解決し、湿式フライス切削、エンドミル切削などの転削加工に用いた場合にも一層の長寿命を示す硬質層被覆切削工具を得るべく研究を行った結果、
(a)WC基超硬合金基体またはTiCN基サーメット基体の表面に、TiC、TiCN、TiNの内の1種の単層または2種以上の複層を介して、(Ti1−x Six )(C1−y Ny )z [ただし、0.55≦x≦0.99、0.01≦y≦1.0 、0.5 ≦z≦1.34]からなる組成のTiとSiの複合炭窒化物硬質層および/または複合窒化物硬質層を被覆してなる硬質層被覆切削工具は、湿式フライス切削、エンドミル切削などの転削加工に用いた場合に従来よりも一層耐熱衝撃性および耐欠損性に優れ、したがって工具寿命が長くなる、
(b)前記(a)の硬質層被覆切削工具の(Ti1−x Six )(C1−y Ny )z [ただし、0.55≦x≦0.99、0.01≦y≦1.0 、0.5 ≦z≦1.34]からなる組成のTiとSiの複合炭窒化物硬質層および/または複合窒化物硬質層の上に、さらにTiN層を被覆してもよい、
(c)前記TiC、TiCN、TiNの内の1種の単層または2種以上の複層の厚さは0.1〜3.0μmの範囲内にあり、(Ti1−x Six )(C1−y Ny )z [ただし、0.55≦x≦0.99、0.01≦y≦1.0 、0.5 ≦z≦1.34]からなる組成のTiとSiの複合炭窒化物硬質層および/または複合窒化物硬質層の厚さは1.0〜10μmの範囲内にあり、TiN層の厚さは0.1〜1.0μmの範囲内にあり、さらにこれら硬質層の合計の厚さは1.5〜12.0μmの範囲内にあることが好ましい、という知見を得たのである。
【0005】
この発明は、かかる知見にもとづいてなされたものであって、
(1) WC基超硬合金基体またはTiCN基サーメット基体表面に、TiC、TiCN、TiNの内の1種の単層または2種以上の複層を介して、(Ti1−x Six )(C1−y Ny )z [ただし、0.55≦x≦0.99、0.01≦y≦1.0 、0.5 ≦z≦1.34]からなる組成のTiとSiの複合炭窒化物硬質層および/または複合窒化物硬質層を被覆してなる硬質層被覆切削工具、
(2) WC基超硬合金基体またはTiCN基サーメット基体表面に形成されたTiC、TiCN、TiNの内の1種の単層または2種以上の複層の厚さは0.1〜3.0μmの範囲内にあり、(Ti1−x Six )(C1−y Ny )z [ただし、0.55≦x≦0.99、0.01≦y≦1.0 、0.5 ≦z≦1.34]からなる組成のTiとSiの複合炭窒化物硬質層および/または複合窒化物硬質層の厚さは1.0〜10μmの範囲内にある(1)記載の硬質層被覆切削工具、
(3) 前記(Ti1−x Six )(C1−y Ny )z [ただし、0.55≦x≦0.99、0.01≦y≦1.0 、0.5 ≦z≦1.34]からなる組成のTiとSiの複合炭窒化物硬質層および/または複合窒化物硬質層の上に、さらに厚さは0.1〜1.0μmの範囲内のTiN層を被覆してなる(1)または(2)記載の硬質層被覆切削工具。
(4) 前記TiC、TiCN、TiNの内の1種の単層または2種以上の複層、(Ti1−x Six )(C1−y Ny )z [ただし、0.55≦x≦0.99、0.01≦y≦1.0 、0.5 ≦z≦1.34]からなる組成のTiとSiの複合炭窒化物硬質層および/または複合窒化物硬質層、並びにTiN層の合計の厚さは1.5〜12.0μmの範囲内にある(1)、(2)または(3)記載の硬質層被覆切削工具、
に特徴を有するものである。
【0006】
x、yおよびzの値を前記のごとく限定したのは、x<0.55、x>0.99であると所望の耐熱衝撃性が得られないからであり、y<0.01であると所望の耐欠損性が得られないからであり、さらにz<0.5であると所望の耐欠損性が得られず、z>1.34であると所望の耐欠損性が低下するとともに剥離が起こりやすくなるからである。前記(Ti1−x Six )(C1−y Ny )z [ただし、0.55≦x≦0.99、0.01≦y≦1.0 、0.5 ≦z≦1.34]からなる組成のTiとSiの複合炭窒化物硬質層および/または複合窒化物硬質層の内でもTiとSiの複合炭窒化物硬質層の方が好ましく、(Ti1−x Six )(C1−y Ny )z に於けるx、y、zの一層好ましい範囲は、0.6 ≦x≦0.8 、0.3 ≦y≦0.7 、0.9 ≦z≦1.1 である。
【0007】
また、この発明の硬質層被覆切削工具のTiとSiの複合炭窒化物硬質層および/または複合窒化物硬質層の膜厚は1〜10μmの範囲内にあることが好ましく、基体表面に形成されるTiC、TiCN、TiNの内の1種の単層または2種以上の複層の厚さは0.1〜3.0μmの範囲内にあることが好ましく、さらに最外層のTiN層の厚さは0.1〜1.0μmの範囲内にあることが好ましい。しかし、基体表面に形成される硬質層全体の厚さは1.5〜12.0μmの範囲内に抑えなければならない。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の硬質層被覆切削工具における硬質層は、通常のアーク放電式イオンプレーティング法、マグネトロンスパッタリング法などにより成形することができる。
【0009】
この発明の硬質層被覆切削工具の硬質層をアーク放電式イオンプレーティング法により形成するには、真空装置内のTiターゲット上にアーク放電を発生させ、Tiを蒸発イオン化させると同時に非金属ガス(窒素ガスおよび炭化水素ガス)を装置内に導入し、負の基板電圧をかけた切削工具基板上に下層のTiC、TiCN、TiNの内の1種の単層または2種以上の複層を形成する。
【0010】
次に、TiとSiの混合物のターゲット上にアーク放電を発生させ、TiとSiを蒸発イオン化させると同時に非金属ガス(窒素ガスおよび炭化水素ガス)を装置内に導入し、負の基板電圧をかけて、前記TiC、TiCN、TiNの内の1種の単層または2種以上の複層の上にさらに(Ti1−x Six )(C1−y Ny )z [ただし、0.55≦x≦0.99、0.01≦y≦1.0 、0.5 ≦z≦1.34]からなる硬質層を形成する。この場合、TiとSiの比率はターゲットのTi/Si比率を、またメタル/ガス成分の比率はメタル蒸発量/ガス導入量を調節したり、基板電圧を変化させることにより制御する。また最外層のTiN層は、必要に応じて前記下層のTiN層と同様にして形成することができる。
【0011】
この発明の硬質層被覆切削工具の硬質層をマグネトロンスパッタリング法により形成するには、複数の偶数個の蒸発源機構を持つマグネトロンスパッタリング装置内にTiターゲット2枚と、TiとSiの混合物のターゲット複数枚をそれぞれ試料を挾んで対向させる。つぎに非金属ガス(窒素ガスおよび炭化水素ガス)を装置内に導入し、対向ターゲット間にグロー放電をさせると同時にTiをスパッタリングイオン化させることにより負の基板電圧をかけた切削工具基板上に下層のTiC、TiCN、TiNの内の1種の単層または2種以上の複層を形成する。
【0012】
次に、TiとSiをスパッタリングイオン化させることにより負の基板電圧をかけて、TiC、TiCN、TiNの内の1種の単層または2種以上の複層の上にさらに(Ti1−x Six )(C1−y Ny )z [ただし、0.55≦x≦0.99、0.01≦y≦1.0 、0.5 ≦z≦1.34]からなる硬質層を形成する。この場合、TiとSiの比率はターゲットのTi/Si比率を、またメタル/ガス成分の比率はメタル蒸発量/ガス導入量を調節したり、基板電圧を変化させることにより制御する。また最外層のTiN層は、必要に応じて前記下層のTiN層と同様にして形成することができる。
【0013】
【実施例】
ISO規格P30相当、SPGN120308の形状を有するWC基超硬合金製チップ、TiCN−12%WC−8%Co−8%MoC−7%Ni−5%TaCの組成を有するISO規格SPGN120308の形状のTiCN基サーメット製チップ、Tiターゲット、および表1〜表2に示される比率のTiとSiの混合物ターゲットを用意した。
【0014】
実施例1
WC基超硬合金製チップとTiターゲットおよび表1〜表2に示される比率のTiとSiの混合物ターゲットをイオンプレーティング装置内に装着し、かかる状態で前記イオンプレーティング装置内を排気して1×10−5Torrの真空に保持し、昇温速度:6℃/min.で700℃に昇温させ、つづいて、この温度に保持しながら、5×10−2TorrのArガス雰囲気に保持してイオンクリーニングした。
【0015】
その後、Tiターゲット上にアーク放電を発生させてTiを加熱蒸発させイオン化させ、同時に窒素ガスおよび/またはアセチレンガスを装置内に導入し、任意の負の基板電圧をかける通常の方法によりWC基超硬合金製チップ基体表面に表3〜表4に示される膜厚のTiC、TiCN、TiNの内の1種の単層または2種以上の複層からなる下層を形成した。
【0016】
次に表1〜表2に示される比率のTiとSiの混合物ターゲット上にアーク放電を発生させてTiとSiを加熱蒸発させイオン化させるとともに、供給口より表1〜表2に示される比率の窒素ガスおよびアセチレンガスを導入し、表1〜表2に示される負の基板電圧をかけることにより、前記下層の上に表3〜表4に示される膜厚を有しさらに表3〜表4に示されるTiとSiの複合硬質層を被覆し、さらに必要に応じて中間層の上にTiN層を形成してWC基超硬合金製チップを基体とした発明硬質層被覆WC基超硬合金製チップ(以下、本発明被覆チップという)1〜10、比較硬質層被覆WC基超硬合金製チップ(以下、比較被覆チップという)1〜10および従来硬質層被覆WC基超硬合金製チップ(以下、従来被覆チップという)1〜2を作製した。前記下層、TiとSiの複合硬質層の組成(原子比)および最外層のTiNはいずれもEPMA分析により特定した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】
これら本発明被覆チップ1〜10比較被覆チップ1〜10および従来被覆チップ1〜2を用いて、下記の条件の湿式フライス切削試験を実施した。
湿式フライス切削試験条件
被削材:JIS規格SCM440の角材、
切削速度:250m/min、
送り:0.2mm/rev.、
切込み:2.0mm、
の条件で湿式フライス切削し、切刃の逃げ面の最大摩耗幅が0.3mmになったところを寿命とし、寿命に至る時間(分)および摩耗形態を測定し、それらの測定結果を表5に示した。
【0022】
【表5】
【0023】
表3〜表5に示される結果から、本発明被覆チップ1〜10は比較被覆チップ1〜10および従来被覆チップ1〜2に比べて切削特性が優れていることが分かる。
【0024】
実施例2
TiCN−12%WC−8%Co−8%MoC−7%Ni−5%TaCの組成を有するISO規格SPGN120308の形状のTiCN基サーメット製チップとTiターゲットおよび表6〜表7に示される比率のTiとSiの混合物ターゲットをイオンプレーティング装置内に装着し、かかる状態で前記イオンプレーティング装置内を排気して1×10−5Torrの真空に保持し、昇温速度:6℃/min.で700℃に昇温させ、つづいて、この温度に保持しながら、5×10−2TorrのArガス雰囲気に保持してイオンクリーニングした。
【0025】
その後、Tiターゲット上にアーク放電を発生させてTiを加熱蒸発させイオン化させ、同時に窒素ガスおよび/またはアセチレンガスを装置内に導入し、任意の負の基板電圧をかける通常の方法によりTiCN基サーメット製チップ基体表面に表8〜表9に示されるTiC、TiCN、TiNの内の1種の単層または2種以上の複層からなる膜厚の下層を形成した。
【0026】
次に表6〜表7に示される比率のTiとSiの混合物ターゲット上にアーク放電を発生させてTiとSiを加熱蒸発させイオン化させるとともに、供給口より表6〜表7に示される比率の窒素ガスおよびアセチレンガスを導入し、表6〜表7に示される負の基板電圧をかけることにより、前記下層の上に表8〜表9に示される膜厚を有しさらに表8〜表9に示されるTiとSiの複合硬質層を被覆し、さらに必要に応じて中間層の上にTiN層を形成してTiCN基サーメット製チップを基体とした本発明被覆チップ11〜20、比較被覆チップ11〜20および従来被覆チップ3〜4を作製した。前記下層、TiとSiの複合硬質層の組成(原子比)および最外層のTiNはいずれもEPMA分析により特定した。
【0027】
【表6】
【0028】
【表7】
【0029】
【表8】
【0030】
【表9】
【0031】
これら本発明被覆チップ11〜20比較被覆チップ11〜20および従来被覆チップ3〜4を用いて、下記の条件の湿式フライス切削試験を実施した。
湿式フライス切削試験条件
被削材:JIS規格SCM440の角材、
切削速度:300m/min、
送り:0.15mm/rev.、
切込み:1.5mm、
の条件で湿式転削加工し、切刃の逃げ面の最大摩耗幅が0.3mmになったところを寿命とし、寿命に至る時間(分)および摩耗形態を測定し、それらの測定結果を表10に示した。
【0032】
【表10】
【0033】
表8〜表10に示される結果から、本発明被覆チップ11〜20は比較被覆チップ11〜20および従来被覆チップ3〜4に比べて切削特性が優れていることが分かる。
【0034】
実施例3
WC−9%Coの組成を有し、直径:10mmで30度の捩じれ角を持つWC基微粒超硬合金製4枚刃エンドミル(以下、WC基微粒超硬合金製エンドミルという)および表11〜表12に示される比率のTiとSiの混合物ターゲットを用意した。
【0035】
このWC基微粒超硬合金製エンドミルをマグネトロンスパッタリング装置内の中央に装着し、さらに、表11〜表12に示される比率のTiとSiの混合物ターゲットをエンドミルを挟んで対向させて配置し、かかる状態で前記マグネトロンスパッタリング装置内を排気して1×10−5Torrの真空に保持し、昇温速度:6℃/min.で700℃に昇温させ、続いて、この温度に保持しながら、1.5×10−4TorrのArガス雰囲気に保持してイオンクリーニングした。
【0036】
その後、表11〜表12に示される比率の窒素ガスおよびアセチレンガスを導入すると共に、表11〜表12に示される比率のTiとSiの混合物ターゲット上にグロー放電を発生させてTiとSiをスパッタリングイオン化させた。同時に、表11〜表12に示される負の基板電圧をかけることにより、前記WC基微粒超硬合金製エンドミル基体表面に表13〜表14に示される膜厚を有しさらに表13〜表14に示される複合硬質層を被覆した本発明WC基微粒超硬合金製エンドミル(以下、本発明被覆エンドミルという)1〜10、比較WC基微粒超硬合金製エンドミル(以下、比較被覆エンドミルという)1〜10および従来WC基微粒超硬合金製エンドミル(以下、従来被覆エンドミルという)1〜2を作製した。
【0037】
【表11】
【0038】
【表12】
【0039】
【表13】
【0040】
【表14】
【0041】
これら本発明被覆エンドミル1〜10、比較被覆エンドミル1〜10および従来被覆エンドミル1〜2を用いて、下記の条件の湿式肩削り試験を実施した。
湿式肩削り試験条件
被削材:JIS規格SCM440の角材、
回転数:1200r.p.m.、
送り:280mm/min.、
深さ方向の切込み:15mm、
横方向の切込み:1mm、
の条件で湿式肩削りを行った。外周刃の最大摩耗幅が0.2mmになったところを寿命とし、寿命に至る時間(分)および摩耗形態を測定し、それらの測定結果を表15に示した。
【0042】
【表15】
【0043】
表15に示される結果から、本発明被覆エンドミル1〜10は、比較被覆エンドミル1〜10および従来被覆エンドミル1〜2に比べて切削性能が優れていることが分かる。
【0044】
【発明の効果】
前記実施例1〜3に示される結果から、この発明の硬質層被覆切削工具は、従来の硬質層被覆切削工具に比べて一層優れた性能を有し、工業上優れた効果をもたらすものである。
Claims (4)
- WC基超硬合金基体またはTiCN基サーメット基体表面に、TiC、TiCN、TiNの内の1種の単層または2種以上の複層を介して、(Ti1−x Six )(C1−y Ny )z [ただし、0.55≦x≦0.99、0.01≦y≦1.0 、0.5 ≦z≦1.34]からなる組成のTiとSiの複合炭窒化物硬質層および/または複合窒化物硬質層を被覆してなることを特徴とする硬質層被覆切削工具。
- WC基超硬合金基体またはTiCN基サーメット基体表面に形成されたTiC、TiCN、TiNの内の1種の単層または2種以上の複層の厚さは0.1〜3.0μmの範囲内にあり、(Ti1−x Six )(C1−y Ny )z [ただし、0.55≦x≦0.99、0.01≦y≦1.0 、0.5 ≦z≦1.34]からなる組成のTiとSiの複合炭窒化物硬質層および/または複合窒化物硬質層の厚さは1.0〜10μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1記載の硬質層被覆切削工具。
- 前記(Ti1−x Six )(C1−y Ny )z [ただし、0.55≦x≦0.99、0.01≦y≦1.0 、0.5 ≦z≦1.34]からなる組成のTiとSiの複合炭窒化物硬質層および/または複合窒化物硬質層の上に、さらに厚さは0.1〜1.0μmの範囲内のTiN層を被覆してなることを特徴とする請求項1または2記載の硬質層被覆切削工具。
- 前記TiC、TiCN、TiNの内の1種の単層または2種以上の複層、(Ti1−x Six )(C1−y Ny )z [ただし、0.55≦x≦0.99、0.01≦y≦1.0 、0.5 ≦z≦1.34]からなる組成のTiとSiの複合炭窒化物硬質層および/または複合窒化物硬質層、並びにTiN層の合計の厚さは1.5〜12.0μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1、2または3記載の硬質層被覆切削工具。
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