JPH09104783A - 発泡粒子、その型内成形体、該成形体と熱硬化性樹脂との積層体、及び該積層体の製造方法 - Google Patents
発泡粒子、その型内成形体、該成形体と熱硬化性樹脂との積層体、及び該積層体の製造方法Info
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- JPH09104783A JPH09104783A JP7286801A JP28680195A JPH09104783A JP H09104783 A JPH09104783 A JP H09104783A JP 7286801 A JP7286801 A JP 7286801A JP 28680195 A JP28680195 A JP 28680195A JP H09104783 A JPH09104783 A JP H09104783A
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Abstract
着性に優れた、繊維強化熱硬化性樹脂との積層接着性に
極めて優れた型内成形体を製造できる低コストの架橋発
泡粒子、該粒子から得られる型内成形体、該成形体と繊
維強化熱硬化性樹脂との積層体、及び該積層体の製造方
法を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン
系樹脂等)に、スチレン−ジエン共重合体(ハイインパ
クトポリスチレン等)及び高分子流動化剤(ポリカプロ
ラクトン等)を配合した混合樹脂からなる発泡粒子であ
って、煮沸トルエン中で5時間還流後の不溶解成分が3
〜70重量%であることを特徴とする発泡粒子。
Description
樹脂に、スチレン−ジエン共重合体及び高分子流動化剤
を配合した混合樹脂の架橋粒子からなる発泡粒子、その
型内成形体、該成形体と熱硬化性樹脂との積層体、及び
該積層体の製造方法に関する。
は、該樹脂の有する表面濡れ性等の低さから、繊維強化
熱硬化性樹脂との接着性に劣る。この問題を解決するた
めに、ポリオレフィン樹脂にスチレンモノマー等をグラ
フト重合した架橋発泡粒子からなる型内発泡成形体が提
案されている。確かにこの様な発泡成形体は繊維強化さ
れた熱硬化性樹脂との接着性に優れたものであった。し
かしながら、この様な発泡成形体の製造工程は、ポリ
オレフィン樹脂のペレタイズ(発泡に適した大きさにす
る)工程、樹脂ペレットの架橋工程、樹脂ペレット
へのスチレンモノマー等によるグラフト重合工程、発
泡粒子製造工程、及び型内発泡成形体製造工程からな
り、ペレタイズ後、グラフト重合工程が必要であった。
このため、その様な発泡成形体は、必然的にコストの高
いものであった。
発泡成形体を提供すること目的として、ポリオレフィン
樹脂に、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を配合
した発泡粒子からなるものをすでに提案した。その様な
発泡成形体は、上記変性剤の含有量に応じて繊維強化熱
硬化性樹脂との接着性が向上されるという関係にある。
しかしながら、発泡成形体に対して繊維強化熱硬化性樹
脂を強固に接着させる場合には、上記変性剤の含有量を
多量にしなければならないが、その含有量が高められた
発泡粒子を使用して型内成形すると成形金型に成形体が
付着しやすくなり、金型からの離型そのものが困難とな
ったり、離型できても金型内に成形体の一部又は多くが
付着して取り残されてしまうといった不具合があった。
一方、そのような不具合の発生しない低変性剤含有量の
型内成形体では、その表皮部においては、繊維強化熱硬
化性樹脂との強固な接着性が発揮されない。そのため、
成形体表皮を剥ぎ落としてその接着性を高める手段が採
用されていた。しかしながら、型内成形の最たる利点は
異形の成形体を提供できる点にあるが、異形成形体の場
合には、成形体表皮を剥ぎ落とした形で提供することが
困難であり、その解決が切望されていた。
術に鑑みてなされたものであり、ペレタイズ後にグラフ
ト工程を必要とせず、且つ表皮部において繊維強化熱硬
化性樹脂との接着強度に優れた型内成形体を提供するこ
とを目的とする。また、本発明は、該型内成形体を製造
するに適した発泡粒子、該型内成形体と繊維強化熱硬化
性樹脂との積層体及び該積層体の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
解決するために鋭意研究した結果、ポリオレフィン系樹
脂に、特定の、ポリマー及び流動化剤を混合して得た架
橋発泡粒子からなる型内成形体が、その表皮部において
も繊維強化熱硬化性樹脂との接着強度に優れていること
を見い出し、本発明を完成するに至った。
樹脂(A)に、スチレン−ジエン共重合体(B)及び高
分子流動化剤(C)を配合した混合樹脂の発泡粒子であ
って、煮沸トルエン中で5時間還流後の不溶解成分が3
〜70重量%であることを特徴とする発泡粒子が提供さ
れ、特に、前記ポリオレフィン系樹脂(A)がポリプロ
ピレン系樹脂であること、或いは、前記スチレン−ジエ
ン共重合体が、ハイインパクトポリスチレンであるこ
と、或いは前記高分子流動化剤(C)が、流動パラフィ
ン、または脂肪族ポリエステルであることをそれぞれ特
徴とする前記発泡粒子が提供され、また、前記ポリオレ
フィン系樹脂(A)と前記スチレン−ジエン共重合体
(B)と高分子流動化剤(C)との混合比率が、(A)
成分と(B)成分と(C)成分の総和を100重量%と
した場合、(A)成分が50重量%以上、(B)成分が
5〜49重量%、(C)成分が1〜15重量%であるこ
とを特徴とする前記発泡粒子が提供される。また、本発
明によれば、前記発泡粒子を型内で成形してなる型内成
形体が提供される。更に、本発明によれば、前記型内成
形体と繊維強化熱硬化性樹脂との積層体が提供され、特
に、前記繊維強化熱硬化性樹脂がガラス繊維強化不飽和
ポリエステルである前記積層体が提供される。更にま
た、本発明によれば前記型内成形体の表面に、繊維を配
すると共に、液状の熱硬化性樹脂を接触させながら該樹
脂を反応硬化させることを特徴とする前記積層体の製造
方法が提供され、特に、前記型内成形体の表面に、ガラ
ス繊維を配すると共に、液状の不飽和ポリエステル樹脂
を接触させながら該樹脂を反応硬化させることを特徴と
する前記積層体の製造方法が提供される。
樹脂(A)の具体例としては、プロピレン単独重合体、
プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−
エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンランダ
ム共重合体、プロピレン−ブテンブロック共重合体、プ
ロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体等のプロ
ピレン系(共)重合体、高密度ポリエチレン、低密度ポ
リエチレン、エチレンとα−オレフィン(炭素数4以
上)の共重合体である直鎖状低密度ポリエチレン等のエ
チレン系(共)重合体、ポリブテン単独重合体、または
上記(共)重合体の無水マレイン酸モノマーやアクリル
酸系モノマーに基くグラフト共重合体等が挙げられ、こ
れらの(共)重合体のうち1または2以上を組み合わせ
て使用することができる。更に、上記した(共)重合体
にエチレン−プロピレン系ゴム、エチレン−プロピレン
−ジエン系ゴム等のゴムを混合して使用してもかまわな
い。これらの樹脂であればどのような組み合わせであっ
ても良好な発泡体を製造することが可能であるが、特に
ポリプロピレン(共)重合体が耐熱性及び機械的強度に
優れる点で好ましく、更にその中でもプロピレン−オレ
フィンランダム共重合体が発泡性が良好である点で好適
である。
(B)としては、(1)スチレン−ジエンランダム共重
合体、(2)スチレン−ジエンブロック共重合体、及び
(3)スチレン−ジエングラフト共重合体が挙げられ、
これらのうちから選ばれた1または2以上の共重合体が
使用される。このようなスチレン−ジエン共重合体中の
ジエンの比率が5〜80重量%であれば本発明の目的に
合致する良好な発泡粒子及びその成形体が得られるが、
更に好ましくは10〜60重量%がよい。また、スチレ
ン−ジエン共重合体のジエンについてはその共重合体中
のジエン部分にビニル基に相当する官能基を導入しうる
ものであればどのようなものでもかまわないが、例え
ば、1,2−ブタジエン、1,4−ブタジエン、イソプ
レン等が好適である。本発明で用いるスチレン−ジエン
共重合体の具体例としては、スチレン−ブタジエンラン
ダム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、ハイインパクトポリスチレン等が挙げられる。特
に、この中でもハイインパクトポリスチレンは、ポリオ
レフィン系樹脂と混合して架橋する場合、その架橋効率
を高めると共に、ポリオレフィン系樹脂(特にポリプロ
ピレン系樹脂)の主鎖の分解を抑えることができ、この
点で最も望ましい。
スチレン−ジエン共重合体(B)の溶融混練時における
流動性を高めるために配合される化合物であり、その具
体例としては、スチレンオリゴマー、ブタジエンオリゴ
マー、ワックス類、流動パラフィン、及びポリカプロラ
クトン、ポリエチレンアジペート等の脂肪族ポリエステ
ル等が挙げられ、これらは1種又は2種以上の混合物と
して配合される。特にこれらの中でも、流動パラフィン
や脂肪族ポリエステルは、スチレン−ジエン共重合体
(B)の前記流動性の向上効果に優れるため、好まし
い。また、脂肪族ポリエステルの中でも、数平均分子量
が5000〜70000、特に10000〜50000
のものは、前記流動性の向上効果を一層高めることがで
きるので特に好ましく使用される。
系樹脂(A)、前記スチレン−ジエン共重合体(B)及
び高分子流動化剤(C)とからなる溶融混合樹脂を基材
とするものであるが、(A)成分、(B)成分、(C)
成分の総和を100重量%とした場合、ポリオレフィン
系樹脂(A)が50重量%以上、スチレン−ジエン共重
合体(B)が5〜49重量%及び高分子流動化剤(C)
が1〜15重量%配合されているのが好ましい。(A)
成分の配合量が50重量%未満の場合又は(B)成分の
配合量が49重量%より多い場合は、得られる発泡粒子
からなる型内成形体は、繊維強化熱硬化性樹脂との積層
接着の際に、積層部における型内成形体の表面が溶解し
て大きく収縮しやすくなるので好ましくない。また、
(B)成分の配合量が5重量%未満では、得られる型内
成形体と繊維強化熱硬化性樹脂との接着性の改良効果が
不充分となりやすい。この接着性のより大きな向上を目
的とする場合は、スチレン−ジエン共重合体の上記配合
量は20重量%以上が望ましい。また、(C)成分の配
合量が1重量%未満では、前記流動化作用が十分発揮さ
れにくくなり、後記する本発明の発泡粒子を得ることが
できない。また15重量%より多いと、型内成形体の機
械的強度の低下が大きくなるため好ましくない。
階として、ポリオレフィン系樹脂(A)に、スチレン−
ジエン共重合体(B)及び高分子流動化剤(C)を配合
し、溶融混練し、次いでペレット化して混合樹脂粒子
(以下、単に「混合樹脂粒子」ということもある。)を
形成させるが、該粒子(ペレット)の大きさは、発泡す
るのに支障のない大きさであればよく、好ましくは1個
の粒子(ペレット)重量は、0.1〜20mgを満たし
ていればよい。このような混合樹脂粒子を得る方法につ
いては特に規定するものではなく、混合樹脂粒子を得る
方法としては、押出機を用いて溶融混練した後に押出機
先端に取付けた微小穴を有する口金より糸状に押出し、
引取機を備えた切断機で適宜大きさに切断し粒子化する
方法、及び、ニーダー、ミキサー等と称される樹脂混練
機により混練し、粉砕機により粉砕し粒子化する方法等
がある。
(A)にスチレン−ジエン共重合体(B)と高分子流動
化剤(C)を配合した混合樹脂粒子は、次いで架橋させ
た後発泡させて架橋発泡粒子とする。このような架橋発
泡粒子からは、繊維強化熱硬化性樹脂との高接着性に優
れた型内発泡成形体が得られる。本発明の型内成形体が
その表皮部においても、繊維強化熱硬化性樹脂との接着
性に優れる理由は、(A)成分と(B)成分とを溶融混
練する際に、同時に高分子流動化剤(C)が存在するこ
とにより、スチレン−ジエン共重合体(B)成分の流動
性が高まりその結果、繊維強化熱硬化性樹脂との接着性
に優れる(B)成分が、混合樹脂粒子の外側、つまり表
面側へより多く移動してその表面に露出する割合が高ま
り、そして、そのような混合樹脂粒子から得られる発泡
粒子も更にはその型内成形体も、その製造過程で溶融混
練されることがないので、その混合樹脂粒子の特性が引
き継がれるからであると考えられる。例えば発泡粒子を
製造するに適した市販のプロピレン−エチレンランダム
共重合体のメルトフローレート:MFR(JIS K7
210の条件8)は、通常10g/10分以上であり、
一方、市販のハイインパクトポリスチレンのMFR(J
IS K7210の条件8)は、通常1〜8g/10分
であるがこれらを単に溶融混練して得た混合樹脂からな
る発泡粒子では、発泡粒子表面部におけるハイインパク
トポリスチレンの比率を充分高めることができないが、
両成分に更に高分子流動化剤(C)を配合して溶融混練
して得た混合樹脂からなる発泡粒子では、発泡粒子表面
部におけるハイインパクトポリスチレンの比率を充分高
めることが可能となる。(C)成分を含有しない発泡粒
子に対する(C)成分を含有する発泡粒子の表面部にお
けるスチレン−ジエン共重合体(B)比率の向上は、各
発泡粒子の内部と表皮部の示差走査熱分析による重量当
たりの融解熱量の絶対値の差を比較する(測定方法等に
ついては後記の表3の欄外に示す。)ことによって確認
することができる。尚、この融解熱量はポリオレフィン
系樹脂(A)の存在量を示す指標となるが、その絶対値
が小さい程その存在量が少ないということ、すなわち
(B)成分の存在量が多いということを示している。本
発明の発泡粒子では、上記した、その内部における融解
熱量の絶対値と表皮部における融解熱量の絶対値の差は
3ジュール/g以上、好ましくは4ジュール/g以上、
より好ましくは4.5ジュール/g以上、更に望ましく
は5ジュール/g以上である。この差が大きいほど、そ
の型内成形体の表皮部と繊維強化熱硬化性樹脂との高接
着強度が容易に実現可能となる。尚、表皮部において
(B)成分の比率がより高められた発泡粒子を効率良く
安定して製造するためには、(B)成分と(C)成分と
を先行して溶融混練した後、これに(A)成分を配合し
て更に溶融混練して得た混合樹脂粒子を使用することが
重要である。このように混合樹脂粒子を得る方法として
は、(B)成分と(C)成分とを溶融混練して一旦ペレ
ット化してから、このペレットと(A)成分とを溶融混
練して粒子化する方法、或いは(B)成分と(C)成分
とを先行して溶融混練し、それからその溶融状態の混練
物に(A)成分を添加して更に溶融混練して粒子化する
方法等が挙げられる。このように(B)成分と(C)成
分とを先行して溶融混練しておけば、(B)成分の前記
流動性を確実に向上させることができる。(B)成分と
(C)成分との溶融混練物又はそのペレットと、(A)
成分とを溶融混練するに当たっては、使用される(A)
成分の前記MFR(MFRAと略す。)に対する(B)
成分と(C)成分との溶融混練物又はそのペレットの前
記MFR(MFRBと略す。)比(MFRB/MFR
A)が0.85以上好ましくは1.00以上、望ましく
は1.10以上となるように、(B)成分と(C)成分
の種類、その配合量、その溶融混練度合い、及び使用さ
れる(A)成分の種類等を考慮することが望まれる。
尚、上記MFRB/MFRA比が大きい程、前記融解熱
量差を大きくすることができ、その結果、それから製造
される型内成形体は繊維強化熱硬化性樹脂との接着性に
より優れたものとなる。
を発泡させた発泡粒子を、煮沸キシレン溶媒中で5時間
還流させた場合、不溶解成分が3〜70重量%であるこ
とが必要である。この不溶解成分は、発泡粒子の架橋度
を示す指標となり、その数値が大きいほど架橋度が大き
いということを意味する。該発泡粒子の該不溶解成分が
上記範囲のものでない場合は、混合樹脂粒子を架橋さ
せ、架橋の度合いを調整することにより、上記範囲のも
のにすることができる。該不溶解成分が3重量%より少
ないと、その様な発泡粒子からなる型内成形体の表面
に、液状の熱硬化性樹脂を接触させつつ反応硬化させよ
うとすると、該成形体の接触表面が溶解して大きく収縮
しやすいので好ましくない。その様な収縮量低減の観点
からすると、該不溶解成分は15重量%以上が望まし
い。また該不溶解成分が70重量%より多いと、その様
な混合樹脂粒子からでは、高発泡倍率の発泡粒子が得ら
れにくいばかりか、その様な発泡粒子は、型内成形時の
二次発泡性に劣り、発泡粒子間の空隙を十分に埋めるこ
とができず、得られる成形体はおこし状となってしま
い、好ましくない。
器に混合樹脂粒子と水性媒体と過酸化物などの架橋剤等
とを配合し、架橋剤を混合樹脂粒子中に含浸させた後、
架橋剤の分解温度に昇温させることによって架橋混合樹
脂粒子を得る方法等がある。この場合、架橋剤として
は、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、ジクミルパーオキサイ
ド、t−ブチルクミルパーオキサイド、n−ブチル−
4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレード、α,
α´−ビス(t−ブチルパーオキシ)−m−ジイソプロ
ピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイ
ド、m−トルオイルパーオキサイド、t−ヘキシルパー
オキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキ
シ−2−エチルへキサネート、t−ブチルパーオキシイ
ソブチレート、1−シクロヘキシル−1−メチレシルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート等が挙げられる。
また上記架橋方法以外の例としては、混合樹脂粒子に放
射線を照射させる方法等が挙げられる。
合樹脂粒子」ということもある。)を得る場合、混合樹
脂組成物中に、前記分子中に2以上のビニル基を有する
ポリエン化合物からなる架橋助剤を更に配合させておく
と効率よく架橋混合樹脂粒子を得ることができる。
る、分子中に2以上のビニル基を有するポリエン化合物
としては、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタ
ジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等の重合体
系架橋助剤、及びジビニルベンゼン、2−メチル−ジビ
ニルベンゼン、ジビニルシクロヘキサン、イソプレン、
クロロプレン、ブタジエン等の単量体系架橋助剤が挙げ
られる。また架橋助剤の配合量は、ポリオレフィン系樹
脂、スチレン−ジエン共重合体、高分子流動化剤及び架
橋助剤の総和を100重量%とした場合、30重量%以
下が好ましい。
系樹脂にスチレン−ジエン共重合体及び高分子流動化
剤、好ましくは更に架橋助剤を配合した架橋混合樹脂粒
子に、物理発泡剤または分解型発泡剤を配合して、粒子
状に発泡させることにより製造することができる。
発泡剤のうち1種または2種以上を組み合わせて用い
る。分解型発泡剤については樹脂の発泡温度で分解して
ガスを発生するものであれば何れのものも使用できる。
分解型発泡剤の具体例としては、例えば重炭酸ナトリウ
ム、炭酸アンモニウム、アジド化合物、アゾビスイソブ
チロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、ベンゼンスルホ
ニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、
または該温度で反応して炭酸ガスを発生する酸−アルカ
リの組み合わせ、例えば、クエン酸のモノアルカリ金属
塩と炭酸のアルカリ金属塩、クエン酸のモノアルカリ金
属塩と重炭酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。
飽和脂肪族炭化水素、飽和脂環族炭化水素、芳香族炭化
水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ケトン等であ
り、その具体例としては、例えばメタン、エタン、プロ
パン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタ
ン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ノ
ルマルヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペン
タン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタ
ン、メチルシクロプロパン、1,1−ジメチルシクロプ
ロパン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、エチ
ルシクロブタン、1,1,2−トリメチルシクロプロパ
ン、ベンゼン、塩化メチル、フロン142b、フロン1
24、フロン134a、ジメチルエーテル、2−エトキ
シエタノール、アセトン、エチルメチルケトン、アセチ
ルアセトン、二酸化炭素、窒素、空気、などが挙げられ
る。
混合樹脂粒子の中には発泡核剤として、タルク、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、天然ケイ酸、酸
化チタン、シラス、石膏、ゼオライト、食塩、硼砂、水
酸化アルミなどの無機化合物、またはカーボン、燐酸系
核剤、フェノール系核剤、アミン系核剤等の有機系化合
物を含有させてもよい。
る分散媒発泡方法について以下に詳細に説明する。例え
ば1個当りの粒子重量が0.1〜20mg、好ましくは
0.2〜10mgに調整された混合樹脂粒子を用意し、
先に示した方法により架橋した後、それら架橋混合樹脂
粒子を、密閉し開放できる圧力容器に分散媒、分散剤、
物理発泡剤と共に撹拌下、圧力容器の外部または内部か
らの加熱で昇温し発泡剤が樹脂に有効に含浸する温度ま
で圧力容器内部の温度を上げ一定時間保持した後、圧力
容器内部の圧力よりも低圧の雰囲気に圧力容器を開放し
て圧力容器内容物を容器外に放出することにより発泡ビ
ーズを得ることができる。前記分散媒は臨界温度が80
℃以上であり、且つ該架橋混合樹脂粒子の分散媒への1
00℃での溶解度が0.1g/g以下であれば特に問題
はないが、好ましくは水がよい。また、分散剤として
は、該架橋混合樹脂粒子の容器内での融着防止のために
用いられるものであり、分散媒への溶解が少ない、無機
又は有機の高融点物であり、具体例としては、例えば、
酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸亜鉛、燐酸カルシウム、カオリン、マイカ、タ
ルクが挙げられる。この中では燐酸カルシウム、カオリ
ンが好ましい。また、必要に応じて、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウムや、オレイン酸ナトリウム等の界
面活性剤を分散媒に添加してもよい。
ら低圧帯域へ放出させる場合の内容物に含まれる発泡粒
子には、二次結晶を含有させてもよい。この二次結晶の
存在する発泡粒子は、型内成形性の良好な発泡粒子であ
る。なお、発泡粒子中における二次結晶の存在は、発泡
粒子の示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線に
よって判定することができる。この場合、樹脂発泡粒子
の示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線とは、
発泡粒子1〜3mgを示差走査熱量測定装置によって1
0℃/分の昇温速度で220℃まで昇温したときに得ら
れるDSC曲線であり、例えば、測定試料を室温から2
20℃まで10℃/分の昇温速度で昇温したときに得ら
れるDSC曲線を第1回のDSC曲線とし、次いで22
0℃から10℃/分の降温速度で40℃まで降温し、再
度10℃/分の昇温速度で220℃まで昇温したときに
得られるDSC曲線を第2回のDSC曲線とし、これら
2つののDSC曲線から固有ピーク、高温ピークを求め
ることができる。また、この場合、固有ピークとは、発
泡粒子を構成するポリオレフイン系樹脂の、いわゆる融
解時の吸熱によるものであると考えられる。この固有ピ
ークは第1回目と第2回目のDSC曲線にも現われ、ピ
ーク頂点の温度は第1回目と第2回目で多少異なる場合
があるが、その差は5℃未満、通常は2℃未満である。
一方、高温ピークとは、第1回目のDSC曲線にのみ上
記固有ピークより高温側に現われる吸熱ピークである。
発泡粒子中における二次結晶の存在は、発泡粒子のDS
C曲線にこの高温ピークが現われるか否かで判定され、
実質的な高温ピークが現われない場合には、発泡粒子中
に二次結晶が存在しないものと判定される。
分散媒発泡方法における加熱処理により生成される。二
次結晶を生成させるための加熱処理は、使用する発泡剤
とその量によっても異なるが、有機揮発性発泡剤使用の
場合、架橋混合樹脂粒子の融点(上記2回目のDSC曲
線に現われる固有ピークの頂点温度と実質的に同じ)よ
り約20℃低い温度とその融解終了温度との間の適宜温
度で止めてその温度にて5〜90分間、好ましくは15
〜60分間保つと架橋混合樹脂粒子に二次結晶を形成さ
せることができる。また、二酸化炭素、窒素、空気とい
った無機ガス系発泡剤を使う場合には、架橋混合樹脂粒
子の融点とその補外融解終了温度(JIS K7121
に規定されている温度)との間の適宜温度で止めてその
温度にて上記した通りの時間保てば、架橋混合樹脂粒子
に二次結晶を形成させることができる。そして、該密閉
容器内容物を低圧部に放出すれば二次結晶を持つ発泡粒
子が得られる。また、無機ガス系発泡剤使用の場合、放
出前の架橋混合樹脂粒子中に充分大量の二次結晶があれ
ば、放出時の温度(発泡温度)が架橋混合樹脂粒子の補
外融解終了温度以上であっても、前記高温ピークの頂点
温度以下の場合には二次結晶の存在する型内成形性の良
い発泡粒子が得られる。
は、架橋混合樹脂粒子の融点並びに発泡剤の種類及び使
用量により異なる。例えば、架橋混合樹脂粒子を、無機
ガス系発泡剤で発泡させる場合は、発泡温度を架橋混合
樹脂粒子の融点を基準とし、その融点より約5℃低温か
ら約15℃高温の範囲、好ましくは約3℃低温から約1
0℃高温の範囲にするのが望ましい。そして、分散媒中
の架橋混合樹脂粒子を発泡温度まで昇温させる際の昇温
時における昇温速度は1〜10℃/分、好ましくは2〜
5/℃分とするのが望ましい。なお、発泡させるために
容器内容物を放出する際の低圧部は大気圧以下でも良い
が、通常はコスト的に有利な大気圧下に放出される。前
記の方法で製造された発泡粒子は、平均気泡径が10〜
500μm程度である。また、発泡粒子の嵩比重は発泡
剤使用量等で異なるが0.009〜0.3g/cm3程
度である。
ポリプロピレン系樹脂を使用した場合、その発泡粒子の
上記高温ピーク融解吸熱量は0.1〜15J/g、且つ
前記した煮沸トルエン中での還流後の不溶解成分は3〜
40重量%であることが好ましく、15〜40重量%が
更に望ましい。この不溶解成分が3重量%未満の場合に
は、前記した通り、その発泡粒子からなる型内成形体の
表面に、液状の熱硬化性樹脂を接触させつつ反応硬化さ
せようとすると、該成形体の接触表面が溶解して大きく
収縮しやすくなるので好ましくない。その様な収縮の更
なる安全性の観点から15重量%以上とすることが望ま
しい。また、その不溶解成分を40重量%超にしようと
すると、ポリプロピレン系樹脂の主鎖が分解しやすくな
り、機械的物性の低下につながり、好ましくない。そし
て、この様な不溶解成分範囲内で、上記高温ピーク融解
熱量が0.1J/g未満であると、独立気泡率の低下し
た発泡粒子が得られ易くなり、その後の型内成形時に悪
影響を与える虞がある。一方、この様な不溶解成分範囲
内で、上記高温ピーク融解吸熱量が15J/g超である
と、発泡粒子間が充分に埋まらない粒子間ボイドの大き
い不良な型内成形体が得られ易くなるので好ましくな
い。特に、ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン
系樹脂を採用した場合には、ポリエチレン系樹脂を採用
した場合と比べ、高発泡倍率の型内成形体であっても後
述の繊維強化熱硬化性樹脂との積層接着性に優れるとい
う利点がある。
充填し、型内に加熱媒体を導入して発泡粒子を加熱融着
させる型内成形方法を採用することにより、本発明の型
内成形体を得ることができる。上記型内成形において
は、通常、上記架橋混合樹脂粒子の融点と該融点より2
5℃低温との間の任意の温度に発泡粒子を加熱して成形
体にする。本発明の発泡粒子は前記したようにその表皮
部の(B)成分比率が高いため、粒子間の相互融着性に
も優れ、前記温度で丈夫な型内成形体が得られる。
ように発泡粒子を加熱して得られるものであるが、該発
泡粒子は、前記したようにその表皮部の前記(B)成分
比率が高められているため、それから得られる型内成形
体の表皮部も(B)成分比率が高められたものとなる。
また、該方法で成形した本発明の型内成形体は、その表
面が薄い又は厚い表皮に覆われて気泡が閉じているが、
型内成形体の表皮部も(B)成分比率が高いため、繊維
強化熱硬化性樹脂との積層接着性に優れている。
含有させた熱硬化性樹脂層、例えば繊維強化不飽和ポリ
エステル樹脂層を設けた、型内樹脂発泡成形体/繊維強
化不飽和ポリエステル樹脂積層体は、従来公知の方法で
製造することができる。例えば、レジンインジェクショ
ンモールディング法(レジントランスファーモールディ
ング法)に従って所望形状の金型内に形状対応の型内成
形体を挿入後、金型の液注入口から液状の不飽和ポリエ
ステル樹脂を注入し、型内成形体の表面と金型内表面間
の空隙部に不飽和ポリエステル樹脂液を充満させ、これ
を反応硬化させる方法で製造することができる。この際
に、型内成形体の表面と金型内表面間の空隙部にガラス
繊維等の強化材を入れておき樹脂層を強化する。また、
積層用の不飽和ポリエステル樹脂液にはこの種の積層に
使われる公知樹脂液を使えば良く、通常は硬化用触媒と
不飽和ポリエステル樹脂を架橋用ビニルモノマーに溶解
した液が使われる。或いは不飽和ポリエステルプリプレ
グを用い型内成形体表面を覆い次いで硬化させることに
よっても積層体を製造することができる。なお、不飽和
ポリエステル樹脂の硬化反応は発熱反応なので加熱は不
要であるが、硬化反応終了後に金型を60〜100℃に
5〜60分間保持して硬化物を強制養生させても良く、
強制養生で繊維強化不飽和ポリエステル樹脂層、ひいて
は積層体の強度を更に高めることができる。そして、硬
化終了後は積層体を金型から取出して製品とするれば良
い。以上のほか、本発明の積層体はハンドレイアップ法
やスプレイアップ法で製造しても良い。これらの場合
は、板状等に成形された型内成形体の片面又は両面に補
強繊維材を含む不飽和ポリエステル樹脂層を設け、これ
を硬化させれば良い。本発明の型内成形体はその表皮部
においても繊維強化熱硬化性樹脂との接着性に優れてい
るため、従来のように、型内成形体の不飽和ポリエステ
ル樹脂との積層面に当たる表皮をスライス等して気泡を
開放させておくようなことは必要としない。
維を、熱硬化性樹脂として不飽和ポリエステル樹脂を例
に説明してきたが、他の強化繊維としては、石綿、ビニ
ロン、テトロン等の合成繊維や合成繊維の不織布等が例
示され、他の熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂が例
示される。しかしながら、その中でもガラス繊維と不飽
和ポリエステル樹脂との組み合わせが最も望ましい。な
ぜならば、ガラス繊維が耐熱性、寸法安定性、低吸水性
に優れ、伸びが小さいものであり、不飽和ポリエステル
樹脂が本発明の型内成形体と最も接着強度に優れている
ので、ガラス繊維強化不飽和ポリエステル樹脂が積層さ
れた本発明の積層体では、積層接着面の剥がれにくい高
強度の積層体となるからである。
に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限
定されるものではない。なお、以下に示す部及び%はい
ずれも重量基準のものである。使用したポリマーの種類
及び物性について表1に示し、配合処方を表2に示す。
S)の流動調整]表1に示す樹脂No.H−2のHIP
Sと、流動パラフィン、高分子量PCL、又は低分子量
PCLを表2に示す割合で二軸押出機に供給し、200
℃で溶融混練後、押出機先端に設けられた口径2mmφ
×5穴のダイスよりストランド状に押出して引き取って
カットして1個当たり約20mgのペレットとすること
により表2に示す流動調整されたHIPSを製造した。
レン−エチレンランダム共重合体(PP)と、表1又は
表2に示すHIPSと、更に1,2−ポリブタジエンと
を、表3に示す通りの配合割合とし、この配合100重
量部当たり水酸化アルミニウム粉体を0.05重量部の
割合で単軸押出機に供給し、190℃で溶融混練後、押
出機先端に設けられた口径2mmφ×16穴のダイスよ
りストランド状に押出して引き取ってカットして1個当
たり約2mgのミニペレット(混合樹脂粒子)を製造し
た。 [混合樹脂粒子の架橋及び発泡粒子の製造]上記ミニペ
レット100重量部に対し、水(分散媒)300重量
部、カオリン(分散剤)1重量部、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム(界面活性剤)0.02重量部、ベ
ンゾイルパーオキサイド(架橋剤)1.2重量部及びジ
ビニルベンゼン(架橋助剤)0.5重量部を耐圧容器内
に投入し、密閉した後、耐圧容器内に二酸化炭素ガス
(発泡剤)7重量部を圧入し、次いで、200r.p.
mでの撹拌下で、約2℃/分の昇温速度で容器内容物を
100℃まで昇温し、その温度で30分間保持した後、
再び約2℃/分の昇温速度で容器内容物を146℃まで
(実施例2、実施例3及び比較例2)又は149℃まで
(実施例1及び比較例1)昇温し、その温度で15分間
保持した後、更に約2℃/分の昇温速度で容器内容物を
151℃まで(実施例2、実施例3及び比較例2)又は
154℃まで(実施例1及び比較例1)昇温し、その温
度で15分間保持した。それから加圧空気の導入により
耐圧容器内を40kg/cm2Gに保ちながら、容器内
容物を容器外に放出して架橋発泡粒子を得た。得られた
発泡粒子の嵩発泡倍率、架橋度(本発明でいう不溶解成
分含有量)、高温ピークの融解吸熱量、及び発泡粒子内
部と発泡粒子表皮部の融解熱量差を併せて表3に示し
た。
樹脂との積層]次に得られた発泡粒子を300×300
×60mmの内寸法を持つ成型用金型に充填し、3.4
kg/cm2Gの蒸気で加熱して型内成形体を得た。こ
の際、金型への樹脂の付着物は観察されなかった。得ら
れた成形体を60℃のオーブンで24時間乾燥し、常温
まで徐冷した後、繊維強化熱硬化性樹脂と型内成形体と
を次の操作により積層した。まず、型内成形体を200
mm(縦)×150mm(横)×10mm(厚み)にス
ライスする。ただし、200mm×150mm面の一方
は成形時の表皮部をそのまま残しておく。次に、ポリテ
トラフロロエチレン(テフロン)を表面にコーティング
したアルミニウムからなる平板を用意し、日本ユピカ株
式会社製不飽和ポリエステル樹脂4072APT−3に
硬化剤としてメチルエチルケトンパーオキサイドを添加
し、これをハンドレイアップ法にてその平板のテフロン
面に塗布し、次にその塗布面に、200mm×150m
mサイズのガラス繊維からなるチョップドストランドマ
ット(坪量450g/m2)を配し、その上から上記し
たものと同じ硬化剤を添加した不飽和ポリエステル樹脂
をハンドレイアップ法にて塗布含浸させ、直ちにこの上
に型内成形体の200mm×150mm面をのせ、続い
て型内成形体上面に上記したものと同じ硬化剤を添加し
た不飽和ポリエステル樹脂をハンドレイアップ法にて塗
布し、更にその上に上記したものと同じチョップドスト
ランドマットをのせ、その上から上記したものと同じ硬
化剤を添加した不飽和ポリエステル樹脂をハンドレイア
ップ法にて塗布含浸させた。その後直ちにテフロンコー
トしたアルミニウム平板(重量1kg)をのせ、放置し
て不飽和ポリエステル樹脂を反応硬化させた。反応硬化
後、アルミニウム平板を剥がし、ガラス繊維強化不飽和
ポリエステル樹脂硬化体(FRP)/型内成形体/ガラ
ス繊維強化不飽和ポリエステル樹脂硬化体(FRP)か
らなる積層体(FRP積層品)を得た。このFRP積層
品については、積層部の接着性を評価した。その結果を
表3に示す。
は、以下の測定方法及び評価基準にに従って行なった。 ※1 架橋度 発泡粒子を試料とし、これを沸騰トルエン中に5時間浸
漬後、標準網フルイを規定しているJIS Z 880
1(1966年)に定められている74μの金網で速や
かに濾過し、該金網上に残った沸騰トルエン不溶解成分
の重量を測定する。不溶解成分の含有量P(%)は式で
表すと下式の通りである。 P(%)=(M/L)×100 M:不溶解成分の重量(g) L:試料の重量(g) ※2 熱量差 発泡粒子の表皮部(表皮から500μまで箇所)と表皮
部を含まない発泡粒子の内部とをカッター等で切除、分
離し測定試料とする。切除、分離した測定試料を各々、
示差走査熱量計を用いた高温ピークの測定方法に準拠し
て試料重量1〜3mg、昇温速度10℃/分として測定
したDSC曲線の80℃から高温ピークを含む融解終了
温度まで(高温ピークがない場合は固有ピークの融解終
了温度まで)のトータル熱量を測定する。得られたトー
タル熱量を以下の式によって熱量差を評価する。 ΔHd=|Hi|−|Hs| ΔHd;熱量差 Hi;発泡粒子の表皮部を含まない発泡粒子の内部のト
ータル熱量 Hs;発泡粒子の表皮部のトータル熱量 ※3 剥離強度 FRP積層品のFRP面が40mm×30mmとなるよ
うにカットした後、図1に示すようにFRP面と固定治
具(図1に示すような金属フックのついた厚さ10m
m、板面積50mm×50mmからなる鉄製治具)の板
面とをエポキシ系接着剤で接着した。接着剤の硬化後、
万能型引張試験機に直接、荷重が伝わるように金属フッ
クと引張試験機とを固着し、FRP積層品に対して垂直
に引張荷重がかかるように留意し、引張速度は10mm
/分として測定を行う。この際得られる歪み−応力曲線
の最大荷重を測定し以下の式で剥離強度を評価する。 剥離強度[kgf/cm2]=(歪み−応力の最大荷重[kgf])/(F
RP積層品のFRP面の正確な面積[cm2]) ※4 破壊状態 剥離強度の測定を終了したFRP積層品の破壊状態を以
下の評価基準に基づき外観評価を行った。破壊状態の評
価は以下の基準によるものである。 ×:FRP積層品の接着界面から破壊を生じ、型内成形
体の材料破壊面積割合(破壊後における、FRP面積:
12cm2に対するFRP面への型内成形体の付着面積
割合)が70%未満のもの △:FRP積層品の型内成形体中央部から破壊を生じ、
型内成形体の同材料破壊面積割合が、70%以上、80
%未満のもの ○:FRP積層品の型内成形体中央部から破壊を生じ、
型内成形体の同材料破壊面積割合が、80%以上、90
%未満のもの ◎:FRP積層品の型内成形体中央部から破壊を生じ、
型内成形体の同材料破壊面積割合が、90%以上のもの
樹脂との接着性に優れた型内発泡成形体に使用されるポ
リオレフィン樹脂を主成分とする発泡粒子では、ポリ
オレフィン樹脂のペレタイズ(発泡に適した大きさにす
る)工程、樹脂ペレットの架橋工程、樹脂ペレット
へのスチレンモノマー等によるグラフト重合工程、及び
発泡粒子製造工程が採用されており、ペレタイズ後に
グラフト重合工程が必要であり、そのため、その様な発
泡粒子ひいてはその型内発泡成形体は、必然的にコスト
の高いものであった。一方、本発明の発泡粒子は、ポリ
オレフィン系樹脂に対してスチレン−ジエン共重合体及
び高分子流動化剤を混合してペレタイズしたものに対し
架橋を行い、これを発泡させるだけで得られるものであ
るから、従来の様なグラフト重合工程を必要としないの
でコスト的に有利である。そして本発明の発泡粒子は、
その表皮部におけるスチレン−ジエン共重合体比率が、
粒子内部に比べより高く、従って、このような発泡粒子
から得られる型内成形体は、その表皮部においても、繊
維強化熱硬化性樹脂との積層接着強度が極めて大きく、
また該型内成形体の繊維強化熱硬化性樹脂積層面の収縮
が小さく、更に、この様な発泡粒子からなる型内成形体
は、衝撃吸収性、圧縮又は衝撃後の回復性、耐熱性及び
耐薬品性にも優れており。その用途において非常に有益
である。その様な積層体は、ユニットバスの浴槽又は防
水パン、プール、浄化槽、船の甲板、船室の壁や床や天
井といった用途に好適に使用される。また、該スチレン
−ジエン共重合体としてハイインパクトポリスチレンを
使用すると、混合樹脂の架橋効率が高まり、且つ架橋時
に混合樹脂中のポリオレフィン系樹脂(特にポリプロピ
レン系樹脂)の主鎖の分解が抑えられた良好な発泡粒子
が提供できる。また、該ポリオレフィン系樹脂としてポ
リプロピレン系樹脂を使用すると、独立気泡率が高く、
型内成形時の二次発泡性に優れ、しかも、このような発
泡粒子からなる高発泡型内成形体は高発泡であっても繊
維強化熱硬化性樹脂との積層接着強度に優れる。また、
高分子流動化剤として流動パラフィン又は脂肪族ポリエ
ステルを使用すると、少量の添加で、スチレン−ジエン
共重合体の溶融混練時における流動性を効率良く高める
ことができるので、それから得られる発泡粒子及びその
型内成形体等の機械的物性の低下を小さくすることがで
きる。また、請求項5の発泡粒子は、型内成形時の二次
発泡性が極めて良好であるため、発泡粒子間が充分に埋
まった発泡粒子間の融着強度に優れた型内成形体を容易
に得ることができるという利点がある。また、その様な
発泡粒子からなる型内成形体は、繊維強化熱硬化性樹脂
との積層接着強度にいっそう優れる。更に、請求項5の
発泡粒子は、型内成形時における加熱後の冷却時間を大
きく短縮することができる。具体的には、従来のポリオ
レフィン樹脂発泡粒子を使用する場合に比べ、30〜6
0%の短縮が可能となる。よって、型内成形体を得る際
の生産効率に優れるという効果も奏する。また、繊維強
化熱硬化性樹脂における熱硬化樹脂として不飽和ポリエ
ステル樹脂を使用すると、本発明の型内成形体との接着
性に最も優れる。また強化繊維としてガラス繊維を使用
すると寸法安定性及び耐熱性が高く、吸水性が無く、且
つ伸びが小さい。従って、ガラス繊維強化不飽和ポリエ
ステル樹脂が積層された本発明の積層体は、積層面の剥
がれにくい高強度のものとなる。更に、本発明の積層体
の製造方法は、型内成形体と繊維強化熱硬化性樹脂との
最も効率的な積層方法である。しかも両層間の接着性に
最も優れるという利点もある。
Claims (10)
- 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂(A)に、スチレ
ン−ジエン共重合体(B)及び高分子流動化剤(C)を
配合した混合樹脂の発泡粒子であって、煮沸トルエン中
で5時間還流後の不溶解成分が3〜70重量%であるこ
とを特徴とする発泡粒子。 - 【請求項2】 前記ポリオレフィン系樹脂(A)が、ポ
リプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1記
載の発泡粒子。 - 【請求項3】 前記スチレン−ジエン共重合体(B)
が、ハイインパクトポリスチレンであることを特徴とす
る請求項1記載の発泡粒子。 - 【請求項4】 前記高分子流動化剤(C)が、流動パラ
フィンまたは脂肪族ポリエステルであることを特徴とす
る請求項1記載の発泡粒子。 - 【請求項5】 前記ポリオレフィン系樹脂(A)とスチ
レン−ジエン共重合体(B)と高分子流動化剤(C)と
の混合比率が、(A)成分と(B)成分と(C)成分の
総和を100重量%とした場合、(A)成分が50重量
%以上、(B)成分が5〜49重量%、(C)成分が1
〜15重量%であることを特徴とする請求項1記載の発
泡粒子。 - 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか記載の発泡粒
子を型内で成形してなる型内成形体。 - 【請求項7】 請求項6記載の型内成形体と繊維強化熱
硬化性樹脂との積層体。 - 【請求項8】 繊維強化熱硬化性樹脂がガラス繊維強化
不飽和ポリエステル樹脂である請求項7記載の積層体。 - 【請求項9】 請求項6記載の型内成形体の表面に、繊
維を配すると共に、液状の熱硬化性樹脂を接触させなが
ら該樹脂を反応硬化させることを特徴とする請求項7記
載の積層体の製造方法。 - 【請求項10】 請求項6記載の型内成形体の表面に、
ガラス繊維を配すると共に、液状の不飽和ポリエステル
樹脂を接触させながら該樹脂を反応硬化させることを特
徴とする請求項8記載の積層体の製造方法。
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