JPH09103866A - 鋳造方法及びその装置 - Google Patents

鋳造方法及びその装置

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JPH09103866A
JPH09103866A JP26022295A JP26022295A JPH09103866A JP H09103866 A JPH09103866 A JP H09103866A JP 26022295 A JP26022295 A JP 26022295A JP 26022295 A JP26022295 A JP 26022295A JP H09103866 A JPH09103866 A JP H09103866A
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JP
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casting
temperature
molten metal
mold
speed
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JP26022295A
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Minoru Uozumi
稔 魚住
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Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳造が可能な条件の範囲を広くする。 【解決手段】 本発明に係る鋳造方法は、金型温度に基
づいて適正な鋳込み温度と鋳込み速度を設定し、その設
定された鋳込み温度になるまで溶湯の温度を制御した
後、設定された適正な鋳込み速度に基づいて前記金型に
溶湯を鋳込むことを特徴とする。このため、例えば金型
温度が予め決められた温度より若干低くなった場合でも
鋳込み温度を高く、また、鋳込み速度を小さめに設定す
ることにより鋳造が可能となり、鋳造可能な条件の範囲
が広くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型温度や鋳込み
温度に基づいて鋳込み速度を設定し、その設定された鋳
込み速度に基づいて鋳造を行うようにした鋳造方法及び
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】これに関する従来の技術が特開平1−1
48451号公報に記載されている。この鋳造方法は、
溶湯容器内を圧力気体で加圧し、その容器内の溶湯を金
型まで押し上げることにより鋳込みを行う低圧鋳造法に
関するものである。前記鋳造方法では、鋳込み前に先ず
金型温度と溶湯の温度(鋳込み温度)とを検出し、その
検出した金型温度と鋳込み温度とに基づいて、予め設定
してある複数の加圧変化パターンの中から適正な加圧変
化パターンを選択する。次に、選択された加圧変化パタ
ーンに基づいて溶湯容器内を圧力気体により加圧し、そ
の容器内の溶湯を所定の鋳込み速度でキャビティ内に鋳
込むものである。これによって、湯回り不良やガス欠陥
等の発生を防止できるとともに、品質の優れた製品を鋳
造することが可能になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の鋳
造方法によると、金型温度と鋳込み温度とを検出し、そ
の検出した金型温度と鋳込み温度とに基づいて、予め設
定してある複数の加圧変化パターンの中から適正な加圧
変化パターンを選択する方式である。このため、金型温
度と鋳込み温度のいずれか一方が許容温度範囲から外れ
ている場合には適正な加圧変化パターンが選択できずに
鋳造不能となる。即ち、金型温度と鋳込み温度との両方
が許容温度範囲内になければ鋳造ができないため、鋳造
可能な条件の範囲が狭いという問題がある。また、適正
な金型温度を保つ方法も提案されているが、実際操業
上、金型の熱容量が大きいこと、温度分布までをも制御
する必要があることでその適用に限界があった。このた
め、例えば、金型温度が予め決められた温度よりも低い
場合には捨て打ち鋳造等により溶湯で金型を加熱するこ
とで、温度分布を含め金型温度が許容範囲内に入った後
に正規の鋳造を行うようにしている。本発明の技術的課
題は、金型温度に基づいて鋳込み温度を制御し、さら
に、鋳込み速度を設定できるようにすることにより、鋳
造可能な条件の範囲を広くし、従来のような捨て打ち鋳
造等の無駄を排除しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、以下の
特徴を有する鋳造方法及びその装置によって解決され
る。即ち、請求項1に記載の発明は、金型温度に基づい
て適正な鋳込み温度と鋳込み速度を設定し、その設定さ
れた鋳込み温度になるまで溶湯の温度を制御した後、設
定された適正な鋳込み速度に基づいて前記金型に溶湯を
鋳込むことを特徴とする。即ち、金型温度に基づいて設
定された鋳込み温度になるように溶湯を温度制御でき、
さらに、鋳込み速度を設定できるため、例えば金型温度
が予め決められた温度より若干低くなった場合でも鋳込
み温度を高く、また、鋳込み速度を小さめに設定するこ
とにより、鋳造が可能となる。さらに、温度制御も鋳込
み溶湯温度という一点の温度を制御するだけで良く、制
御の簡素化が図れる。このように、鋳造可能な条件の範
囲が広なるため、従来必要であった捨て打ち鋳造等が不
要となる。
【0005】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載した鋳造方法において、今回の鋳造における金型
温度の変化から次回の鋳造における鋳込み前の金型温度
を推定し、その推定した金型温度に基づいて次回の鋳込
み温度を設定することを特徴とする。このため、今回の
鋳造中に次回の鋳造で使用する溶湯の温度制御を行うこ
とができるようになる。したがって、鋳込み直前に溶湯
の温度制御をする場合に比べて温度制御の時間を十分と
れるとともに鋳造のサイクルタイムも短くなる。
【0006】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
に記載した鋳造方法において、今回の鋳造における鋳込
み前の金型温度と、鋳込み温度と、鋳込み速度及び型締
めしている時間とから、次回の鋳造における鋳込み前の
金型温度を推定し、その推定した金型温度に基づいて次
回の鋳込み温度を設定し、今回の鋳造における型開き時
の金型温度に基づいて既に設定した次回の鋳込み温度を
補償することを特徴とする。このため、今回の鋳造中に
次回の鋳造で使用する溶湯の温度制御を行うことができ
るようになる。したがって、鋳込み直前に溶湯の温度制
御をする場合に比べて温度制御の時間を十分とれるとと
もに鋳造のサイクルタイムも短くなる。また、今回の鋳
造における型開き時の金型温度に基づいて既に設定した
次回の鋳込み温度を補償できるため、鋳込み温度の設定
精度を向上させることができる。
【0007】また、請求項4に記載の発明は、金型温度
に基づいて適正な鋳込み温度と鋳込み速度を設定する鋳
造条件設定手段と、設定された前記鋳込み温度を目標値
にして溶湯の温度を制御する鋳込み温度制御手段と、設
定された前記鋳込み速度で前記金型内に溶湯を注入する
鋳込み手段と、を有することを特徴とする。即ち、鋳造
条件設定手段により金型温度に基づいて適正な鋳込み温
度と鋳込み速度を設定し、鋳込み温度制御手段によりそ
の鋳込み温度になるまで溶湯を温度制御できるようにな
る。さらに、鋳込み手段により適正な鋳込み温度になっ
た溶湯を適正な鋳込み速度で前記金型に鋳込むことがで
きるようになる。即ち、本発明に係る鋳造装置によっ
て、請求項1に係る鋳造方法を実施することができる。
【0008】また、請求項5に記載の発明は、請求項1
に記載された鋳造方法において、金型の温度勾配が適正
な勾配より大きい場合には鋳込み速度を大きめに設定
し、前記温度勾配が適正な勾配より小さい場合には鋳込
み速度を小さめに設定することを特徴とする。このた
め、溶湯が鋳込まれることによって金型の温度勾配が適
正な勾配に近づくようになり、金型の温度制御が不要に
なるとともに湯回り不良やガス欠陥等の発生を防止でき
る。
【0009】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕以下、図1〜図4に基づいて本発
明の第1の実施の形態に係る鋳造方法及びその装置の説
明を行う。ここで、図1は本実施の形態に係る鋳造方法
を表すフローチャートであり、図2は金型温度に対する
適正な鋳込み温度、鋳込み速度を表すグラフ、図3は鋳
込み速度に応じた溶湯容器内の圧力変化パターンを表す
グラフである。また、図4は本実施例に係る鋳造装置を
表す全体側面図である。前記鋳造装置1は容器内を加圧
してその容器内の溶湯を金型にまで押し上げることによ
り鋳込みを行う低圧鋳造装置であり、密閉構造の溶湯容
器2aを備えている。前記溶湯容器2aは同じく密閉構
造の保持炉2bと連結管2cによって連結されており、
溶湯容器2a内の溶湯が減少すると保持炉2bの溶湯が
連結管2cを介してその溶湯容器2a内に供給されるよ
うになっている。
【0010】前記保持炉2bの上部には溶湯を保温する
第一ヒータ2hが設置されており、また、溶湯容器2a
内には溶湯の温度制御に使用される第二ヒータ2kと温
度計2tとが設置されている。そして、前記温度計2t
の温度信号が温度制御盤20に入力され、その温度制御
盤20からの出力信号が第二ヒータ2kに入力されるよ
うになっている。前記温度制御盤20は後記する鋳造制
御盤50において設定された鋳込み温度を目標値にして
溶湯容器2a内の溶湯の温度をその目標値と一致するよ
うに制御するものである。即ち、温度計2tにより検出
された溶湯の温度が目標値より低ければ第二ヒータ2k
に対して加熱信号を出力し、溶湯の温度が目標値より高
ければ第二ヒータ2kに対して加熱停止信号を出力す
る。なお、省エネルギーを考慮すれば溶湯を冷却しなが
ら目標値に近づける制御は不利であるため、保持炉2b
内の溶湯の温度は目標値以下の鋳造の下限温度に設定さ
れている。即ち、温度計2t、第二ヒータ2k及び温度
制御盤20が本発明の鋳込み温度制御手段として機能す
る。さらに、前記溶湯容器2a及び保持炉2bは圧力制
御装置40と圧力配管41によって接続されており、そ
の圧力制御装置40によって溶湯容器2a及び保持炉2
bの内部空間の圧力が制御できるようになっている。こ
のため、溶湯容器2aと保持炉2bとの内部空間の圧力
は等しくなり湯面にレベル差が生じることはない。
【0011】前記溶湯容器2aの上には型締め装置30
が設置されている。前記型締め装置30は金型31を型
締めするための装置であり、固定プレート32と可動プ
レート34とを備えている。前記固定プレート32は金
型31の下型31aを支えるプレートであり溶湯容器2
aの上に位置決めされている。また、前記可動プレート
34は金型31の上型31bを支えるプレートであり開
閉シリンダ36の働きによりタイバー33に倣って昇降
できるようになっている。そして、前記可動プレート3
4が下限位置まで下降することにより金型31の型締め
が行われ、上限位置まで上昇することにより型開きが行
われる。ここで、前記可動プレート34を昇降させる開
閉シリンダ36は型締め制御盤38からの信号に基づい
て動作する。
【0012】前記金型31の下部には筒状の湯口管10
の基端部(上部)が接続されており、その湯口管10の
先端部が溶湯容器2aに貯留された溶湯に浸漬されるよ
うになっている。さらに、前記金型31にはゲート(図
示されていない)の近傍からキャビティ成形面に沿って
複数の金型温度計31tが取付けられており、それらの
金型温度計31tの信号が鋳造制御盤50に入力される
ようになっている。
【0013】前記鋳造制御盤50は金型温度計31tの
信号に基づいて前記金型31の温度分布を測定するとと
もに、その金型31の代表点の温度に基づいて鋳込み温
度及び鋳込み速度を設定する。ここで、前記鋳造制御盤
50は内部にCPU及びメモリー等を有しており、良好
な鋳造品を得るための金型温度、鋳込み温度及び鋳込み
速度に関する複数の実験データを記憶している。図2
は、前記実験データに基づいて、金型温度と鋳込み温度
の関係( グラフI)及び金型温度と鋳込み速度の関係( グ
ラフII) を表したグラフである。ここで、鋳込み速度と
は湯口からの溶湯の注入速度をいう。図から明らかなよ
うに、測定された金型温度Tkが入力されることによ
り、その金型温度Tkに適した鋳込み温度Ty及び鋳込
み速度Sが設定できるようになっている。また、前記金
型31の温度分布からその金型31の温度勾配が適正な
勾配よりも大きいと判定された場合には鋳込み速度Sが
大きくなるように補正が行われ、温度勾配が適正な勾配
よりも小さいと判定された場合には鋳込み速度Sが小さ
くなるように補正が行われる。これによって、溶湯が金
型31に鋳込まれるとその金型31の温度勾配が適正な
勾配に近づくようになり、前記金型31の温度制御が不
要になる。即ち、前記鋳造制御盤50が本発明の鋳造条
件設定手段として機能する。
【0014】前記鋳造制御盤50において設定された鋳
込み温度Tyに係る信号はその鋳造制御盤50から前記
温度制御盤20に対する目標値として出力される。前記
温度制御盤20では、前述のように、その目標値を受け
て溶湯容器2a内の溶湯温度が目標値に近づくように温
度制御を行う。また、鋳造制御盤50において設定され
た鋳込み速度Sはそれに対応した溶湯容器2a内の圧力
変化パターンに変換された後、その圧力変化パターンに
応じた圧力信号が前記圧力制御装置40に対して出力さ
れる。
【0015】図3は、溶湯容器2a内の圧力変化パター
ンを表したグラフである。図において点Aは溶湯容器2
a及び保持炉2bの内部空間が加圧されていない状態、
即ち、大気圧に等しい状態であり、湯口管10内の湯面
と溶湯容器2a内の湯面のレベルは一致している。この
状態から圧力制御装置40によって内部空間が加圧され
ると溶湯容器2a内の湯面が押し下げられて溶湯は湯口
管10内を上昇する。そして、溶湯が湯口管10の上部
にまで満たされた状態(点B)で圧力の上昇が一端停止
する。さらに、所定の時間が経過後(点C)、再び、圧
力が上昇することにより、溶湯容器2a内の湯面がさら
に押し下げられ、湯口管10内の溶湯が金型31のキャ
ビティ内に注入される。そして、前記キャビティ内に溶
湯が充填され、さらに、押湯圧力分だけ過剰に加圧され
た状態(点D)で圧力の上昇が停止する。即ち、点Cと
点Dとの間における圧力上昇率が鋳込み速度Sと対応し
ている。
【0016】このようにしてキャビティ内に溶湯が充填
されると、その溶湯が凝固するまで、即ち、点Eの状態
まで内部空間の圧力が一定に保持される。なお、点D〜
点Eの間では溶湯の凝固に合わせて圧力を変化させるこ
とも可能である。そして、溶湯が凝固した後に、溶湯が
湯口管10に満たされた状態(点F)になるまで内部空
間の圧力が下げられる。ここで、点Fの圧力が点B、点
Cの圧力よりも高いのは鋳造により溶湯が減少して湯面
が低下した分を補償するためである。なお、点G、点H
は次回の鋳造における圧力変化パターンを表している。
図3において、点F〜点Gの間では圧力が一定に保持さ
れているが、この間で溶湯容器2a内の圧力を大気圧に
戻した後、点Gの圧力まで上昇させても良い。即ち、前
記鋳造制御盤50及び圧力制御装置40が本発明の鋳込
み手段として機能する。
【0017】さらに、前記鋳造制御盤50では、鋳込み
後に金型温度Tk、鋳込み温度Ty及び鋳込み速度Sに
基づいて型締め時間tを演算し、この演算された型締め
時間tに係る信号を前記型締め制御盤38に対して出力
できるようになっている。前記型締め制御盤38では、
型締め後に型締め時間tの間だけ金型31の型締めを行
い、その型締め時間tの経過後に開閉シリンダ36に対
して型開き信号を出力する。
【0018】次に、図1に基づいて、本実施の形態に係
る鋳造方法の説明を行う。先ず、鋳込み前に金型温度計
31tによって金型温度Tkが測定される(S10
1)。次に、前記鋳造制御盤50において前記金型温度
Tkに基づいて適正な鋳込み温度Tyと鋳込み速度Sと
が設定され(S102)、その鋳込み温度Tyに基づく
信号が温度制御盤20に対して出力される。温度制御盤
20では前記鋳込み温度Tyを目標値にして溶湯容器2
a内の溶湯の温度制御が行われる。ここで、前記保持炉
2b内の溶湯温度は鋳造の下限温度に保持されているた
め、前記溶湯容器2a内の溶湯温度は一般的に目標値よ
り低い。このため、温度制御においては、溶湯容器2a
内の溶湯は鋳込み温度Tyに近づくまで第二ヒータ2k
により加熱される(S103)。このようにして、溶湯
容器2a内の溶湯温度が鋳込み温度Tyまで達すると
(S104)、鋳造制御盤50から出力された型締め信
号に基づいて型締め制御盤38、開閉シリンダ36が働
いて金型31の型締めが行われる(S105)。
【0019】次に、鋳造制御盤50において設定された
鋳込み速度Sがそれに対応した圧力変化パターンに変換
された後、その圧力変化パターンに基づいた圧力信号が
圧力制御装置40に対して出力される。前記圧力制御装
置40では前記圧力信号に基づいて溶湯容器2a及び保
持炉2b内の圧力制御を行う。これによって、溶湯容器
2a内の圧力は図3に示される圧力変化パターンに従っ
て上昇し、溶湯容器2a内の溶湯は湯口管10から金型
31に供給される(S106)。
【0020】即ち、溶湯容器2a内の圧力が圧力変化パ
ターンの点A〜点B間の特性に従って上昇することによ
り、溶湯容器2a内の溶湯が湯口管10内を上昇してそ
の湯口管10の最上部まで到達する。さらに、溶湯容器
2a内の圧力が圧力変化パターンの点B〜点C〜点D間
の特性に従って変化することにより湯口管10内に満た
された溶湯が金型31のキャビティ内に注入される。そ
して、前記キャビティ内に溶湯が充填され、押湯圧力分
だけ過剰に加圧された状態(点D)で圧力の上昇が停止
し、点D〜点Eの特性に従って前記圧力が一定に保持さ
れる。なお、前述のように、点C〜点Dとの間における
圧力上昇率が鋳込み速度Sに対応している。
【0021】このようにして金型31のキャビティ内に
溶湯が充填されると、鋳造制御盤50において金型温度
Tk、鋳込み温度Ty及び鋳込み速度Sに基づいて型締
め時間tが演算される(S107)。そして、前記金型
31内の溶湯が凝固して設定された型締め時間tが経過
すると、鋳造制御盤50から型締め制御盤38に対して
型開き信号が出力されて金型31の型開きが行われる
(S109)。ここで、金型31の型開き前に溶湯容器
2a内の圧力は圧力変化パターンの点E〜点F間の特性
に従って下降し、金型31の入口部に位置する溶湯は湯
口管10に位置まで戻される。このようにして金型31
の型開きが行われると、鋳造品が取り出され、前記金型
31の掃除が行われる。さらに、前記鋳造制御盤50で
は今回の鋳造による溶湯の減少分を考慮して圧力変化パ
ターンの補償が行われる(S110)。
【0022】このように本実施の形態に係る鋳造方法に
よると、金型温度Tkに基づいて設定された鋳込み温度
Tyになるように溶湯を温度制御でき、さらに、鋳込み
速度Sを設定できるため、例えば金型温度Tkが予め決
められた温度より若干低くなった場合でも溶湯温度を高
く、また、鋳込み速度を小さく設定することにより、鋳
造が可能となる。即ち、鋳造可能な条件の範囲を広くで
きるため、従来のように、捨て打ち鋳造等の無駄を排除
することが可能となる。また、金型31にはゲートの近
傍からキャビティ成形面に沿って複数の金型温度計31
tが取付けられてその金型31の温度分布が測定できる
ようになっている。そして、前記金型31の温度勾配が
適正な勾配より大きいときには溶湯を早く鋳込み、前記
温度勾配が適正な勾配より小さいとき遅く鋳込むことが
できるようになっている。このため、溶湯が鋳込まれる
ことによって金型31の温度勾配が適正な勾配に近づく
ようになり、金型31の温度制御が不要になるとともに
湯回り不良やガス欠陥等の発生を防止できるようにな
る。
【0023】〔第2の実施の形態〕本実施の形態に係る
鋳造方法は、図5に示されるように、今回の鋳造中にお
ける金型31の温度変化を記録し、次回の鋳造における
鋳込み前の金型温度Tknを推定するものである。これ
によって、今回の鋳造完了前に次回の鋳造における鋳込
み温度Tynを設定できるようになり、さらに、その鋳
込み温度Tynに基づいて溶湯容器2a内の溶湯の温度
制御を行うことが可能となる。即ち、今回の鋳造中に次
回の鋳造における溶湯の温度制御ができるようになるた
め、次回の鋳込み直前に溶湯の温度制御をする場合に比
べて温度制御の時間を十分とれるとともに鋳造のサイク
ルタイムも短くなる。
【0024】〔第3の実施の形態〕本実施の形態に係る
鋳造方法は、図6のフローチャートに示されるように、
今回の鋳込み前に測定した金型温度Tk1 により鋳込み
温度Ty及び鋳込み速度Sを設定し、さらに、鋳込み後
に型締め時間tを演算した後、その金型温度Tk、鋳込
み温度Ty、鋳込み速度S及び型締め時間tに基づいて
次回の鋳造における鋳込み前の金型温度Tk2 を推定す
るものである(S201,S202)。このために、今
回の鋳造において鋳込みが完了した後、速やかに次回の
鋳造における鋳込み温度Ty2 を設定できるようになり
(S203)、その鋳込み温度Ty2に基づいて溶湯容
器2a内の溶湯の温度制御を行うことが可能となる。さ
らに、本鋳造方法では今回の鋳造における型開き時の金
型温度Tk1Oで既に設定された次回の鋳造における鋳込
み温度Ty2 を補償することができる(S204)。こ
のため、前記鋳込み温度Ty2 の設定精度を向上させる
ことができる。ここで、図7は本実施の形態に係る鋳造
方法における溶湯容器2a内の溶湯の温度変化を表した
グラフである。このように本実施の形態に係る鋳造方法
では、今回の鋳造において鋳込みが完了した後、速やか
に次回の鋳造における溶湯の温度制御を行うことができ
るようになる。このため、第2の実施の形態に係る鋳造
方法と比べてさらに鋳造のサイクルタイムを短縮するこ
とができる。
【0025】〔第4の実施の形態〕図8は本実施の形態
に係る鋳造装置100の全体側面図である。前記鋳造装
置100は、第1の実施の形態に係る鋳造装置1の保持
炉2b及び連結管2cの構造を改良したものであり、そ
の他の構造は前記鋳造装置1と同様である。本鋳造装置
100における保持炉102bは上部開放構造の容器で
あり、上部には溶湯を保温する第一ヒータ102hが設
置されている。さらに、前記保持炉102bと密閉構造
の溶湯容器102aとを連結する連結管102cには、
その保持炉102b内の溶湯を溶湯容器102aに供給
するための電磁ポンプ110が装着されている。前記電
磁ポンプ110は鋳造制御盤50からの信号に基づいて
動作する構造であり、前記鋳造制御盤50は前回の鋳造
による溶湯の減少分を今回の鋳造における鋳込み前に補
充できるようにその電磁ポンプ110を駆動させる。こ
のため、鋳造毎に溶湯容器102a内の湯面が変動する
ことがなく、鋳造毎に圧力変化パターンの補償を行う必
要がない。また、圧力制御は溶湯容器102a内の狭い
範囲で行えばよく制御性が向上する。
【0026】〔第5の実施の形態〕図9は本実施の形態
に係る鋳造装置200の全体側面図である。前記鋳造装
置200は湯口管210の上部において鋳込み前の溶湯
の温度制御を行う構造である。このため、保持炉202
b内の溶湯が湯口管210に直接導かれるようになって
いる。なお、その他の構造は第1の実施の形態に係る鋳
造装置1と同様である。前記湯口管210の上部は一回
の鋳造に必要な量の溶湯を蓄えることができる容量を有
しており、さらに、その湯口管210の上部にはその周
囲に溶湯の加熱用のヒータ212hと湯温測定用の温度
計(図示されていない)が装着されている。前記ヒータ
212hは非接触タイプの誘導加熱式ヒータが好適に使
用され、また、温度計も非接触タイプが好適に使用され
る。このように、本実施の形態に係る鋳造装置200で
は鋳込みに必要な最小限の溶湯の温度制御を行うように
しているため、温度制御に要する時間が短くなるととも
に省エネルギーを図ることができる。さらに、溶湯は加
熱されると熱対流で上部に高温の溶湯が集まるため、加
熱効率が向上する。
【0027】〔第6の実施の形態〕図10は本実施の形
態に係る鋳造装置300の全体側面図である。前記鋳造
装置300は金型331を傾動させることにより、溶湯
容器302a内の溶湯をその金型331のキャビティ3
32に注入するようにしたものである。このため、鋳造
制御盤50からの設定値に基づいて金型331の傾動速
度を調節することにより、鋳込み速度Sを調整すること
が可能になる。ここで、前記溶湯容器302aは金型3
31の側面にキャビティ332と連通するように取付け
られた開放容器であり、その内部には溶湯を加熱するヒ
ータ312hと湯温測定用の温度計312tとが装着さ
れている。そして、温度計312tの温度信号が温度制
御盤20に入力され、さらに、温度制御盤20からの出
力信号が前記ヒータ312hに入力されるようになって
いる。
【0028】なお、第1の実施の形態から第5の実施の
形態においては、溶湯容器内及び保持炉内を気体で加圧
することにより溶湯を金型に供給する方式を示したが、
これに限定されることはなく、例えば電磁ポンプ等を使
用しても良いことは言うまでもない。以上、本発明の実
施の形態について説明したが、この発明の実施の形態に
は請求の範囲に記載した技術的事項以外に次のような各
種の技術的事項を有するものであることを付記してお
く。 (1)請求項4に記載された鋳造装置において、溶湯を
貯留する容器は互いに連通して設けられた大容量容器と
小容量容器とから構成されており、前記小容量容器内に
鋳込温度制御手段が設けられていることを特徴とする鋳
造装置。このため、小量の溶湯の温度制御を行えば良く
なり、省エネルギーを図ることができる。 (2)請求項4に記載された鋳造装置において、溶湯を
貯留する容器は互いに連通して設けられた大容量容器と
小容量容器とから構成されており、前記小容量容器内に
鋳込み温度制御手段が設けられているとともに、大容量
容器は溶湯を下限温度に保持できる構造であることを特
徴とする鋳造装置。このため、一般的に溶湯の温度は鋳
込み温度の設定値よりも低い。したがって、温度制御は
溶湯を加熱することにより行われ、溶湯を冷却するよう
な温度制御は行われない。このために、エネルギーの無
駄を排除することができる。 (3)請求項4に記載された鋳造装置において、鋳込温
度制御手段は湯口管に設けられていることを特徴とする
鋳造装置。鋳込みに必要な最小限の溶湯の温度制御を行
えるため、温度制御に要する時間が短くなるとともに省
エネルギーを図ることができる。
【0029】
【発明の効果】本発明によると、鋳造可能な条件の範囲
を広くできるため、従来のように、捨て打ち鋳造等の無
駄を排除することが可能となる。また、鋳込み温度、鋳
込み速度の制御が容易な要素の制御だけで、従来のよう
な金型温度及び温度分布の直接制御が不要となって装置
が簡素化し、精度も向上する。さらに、金型の構造が大
幅に簡素化でき保全性向上、操業の安定性向上が実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る鋳造方法を表
すフローチャートである。
【図2】金型温度に対する適正な鋳込み温度、鋳込み速
度を表すグラフである。
【図3】鋳込み速度に応じた溶湯容器内の圧力変化パタ
ーンを表すグラフである。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る鋳造装置を表
す全体側面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る鋳造方法にお
いて使用する金型の温度変化を表すグラフである。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る鋳造方法を表
すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る鋳造方法にお
ける溶湯容器内の溶湯の温度変化を表したグラフであ
る。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る鋳造装置の全
体側面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係る鋳造装置の全
体側面図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態に係る鋳造装置の
全体側面図である。
【符号の説明】
Tk 金型温度 Ty 鋳込み温度 S 鋳込み速度 2t 温度計(鋳込み温度制御手段) 2k 第二ヒータ(鋳込み温度制御手段) 20 温度制御盤(鋳込み温度制御手段) 31 金型 31t 金型温度計(温度検出手段) 40 圧力制御装置(鋳込み手段) 50 鋳造制御盤(鋳造条件設定手段)(鋳込み手
段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型温度に基づいて適正な鋳込み温度と
    鋳込み速度を設定し、その設定された鋳込み温度になる
    まで溶湯の温度を制御した後、設定された適正な鋳込み
    速度に基づいて前記金型に溶湯を鋳込むことを特徴とす
    る鋳造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した鋳造方法において、 今回の鋳造における金型温度の変化から次回の鋳造にお
    ける鋳込み前の金型温度を推定し、その推定した金型温
    度に基づいて次回の鋳込み温度を設定することを特徴と
    する鋳造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した鋳造方法において、 今回の鋳造における鋳込み前の金型温度と、鋳込み温度
    と、鋳込み速度及び型締めしている時間とから、次回の
    鋳造における鋳込み前の金型温度を推定し、その推定し
    た金型温度に基づいて次回の鋳込み温度を設定し、今回
    の鋳造における型開き時の金型温度に基づいて既に設定
    した次回の鋳込み温度を補償することを特徴とする鋳造
    方法。
  4. 【請求項4】 金型温度に基づいて適正な鋳込み温度と
    鋳込み速度を設定する鋳造条件設定手段と、 設定された前記鋳込み温度を目標値にして溶湯の温度を
    制御する鋳込み温度制御手段と、 設定された前記鋳込み速度で前記金型内に溶湯を注入す
    る鋳込み手段と、を有することを特徴とする鋳造装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載された鋳造方法におい
    て、 金型の温度勾配が適正な勾配より大きい場合には鋳込み
    速度を大きめに設定し、前記温度勾配が適正な勾配より
    小さい場合には鋳込み速度を小さめに設定することを特
    徴とする鋳造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2022085766A1 (ja) * 2020-10-22 2022-04-28
WO2022085766A1 (ja) * 2020-10-22 2022-04-28 本田技研工業株式会社 低圧鋳造装置

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