JP3737180B2 - 鋳造用金型の温度制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金型鋳造装置に使用される鋳造用金型の温度制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鋳造用金型に、該金型を冷却する冷却手段と、該金型を加熱する加熱手段と、該金型の温度を検知する温度検知手段とを配設すると共に、該温度検知手段により検知される金型温度に従って該冷却手段及び加熱手段を制御する制御手段を設け、該制御手段により鋳造用金型の温度を制御する方法が知られている。
【0003】
例えば、特開平1−237070号公報には、金型に配設された冷却水通路にON/OFFバルブを介して冷却水を流通することにより該金型を冷却する冷却手段と、金型に配設されたヒータに通電することにより該金型を加熱する加熱手段と、金型に配設された熱電対等のセンサにより金型の温度を検知する温度検知手段とを配設すると共に、該温度検知手段により検知される金型温度に従って該冷却手段及び加熱手段を制御する制御手段を設け、前記金型に対する注湯及び型開きに最適な最適温度範囲と、該最適温度範囲より高く該冷却手段による冷却を開始する第1の設定温度と、該第1の設定温度より高く該金型に対して溶湯の注湯が適正に行われたときに該金型が到達する温度よりやや低い第2の設定温度とを設定して、前記制御手段により前記冷却手段及び加熱手段を相関的に制御する方法が開示されている。
【0004】
前記公報記載の温度制御方法は、まず、前記制御手段により前記加熱手段を制御して前記金型を加熱し、前記温度検知手段により検知される金型温度が前記最適温度範囲内に保持されている状態で該金型に溶湯の注湯を行う。前記金型に溶湯の注湯を行うと、前記金型は該溶湯により加熱されてその温度が上昇し、前記加熱手段による加熱が不要になる。そこで、該注湯により前記金型温度が上昇して前記最適温度範囲の上限値を超えたときに、前記加熱手段による加熱を停止する。
【0005】
次に、前記制御手段は、前記金型温度が前記第1設定温度を超えたならば、前記溶湯に加熱されて金型温度が上昇するのを抑制し、金型の冷却を促進するために、前記冷却手段による冷却を開始する。前記冷却手段による冷却は、前記金型温度が下降し始め、自然冷却が可能になれば不要になる。そこで、前記制御手段は、前記金型温度が前記第2設定温度を超えた後に下降して再び第2設定温度に至ったことを検出することにより、前記金型温度が下降し始めたものと判断し、前記冷却手段による冷却を停止する。
【0006】
前記公報記載の方法によれば、前記制御手段が前記冷却手段及び加熱手段を前記のように制御することにより、所定の金型温度で注湯が開始でき、所定の温度で型開きを行うことができる。従って、溶湯の注湯が適正に行われたときには、品質の安定した鋳造品を製造することができるとともに、生産効率を向上させることができる。
【0007】
ところで、前記のようにして金型の温度を制御するときに、何らかの理由で溶湯の注湯が適正に行われず、例えば、溶湯の容量が不足すると、注湯後の金型の温度は、前記第1設定温度を超えた後、第2設定温度に至る前に下降に転じる。この場合、前記金型温度が第2設定温度を超えることがないので、前記制御手段により前記冷却手段による冷却を停止するタイミングが失われることになる。
【0008】
そこで、前記公報記載の方法では、前記制御手段は、前記注湯後、金型温度の温度勾配を監視して、金型温度が前記第1設定温度を超えた後、第2設定温度に至る前に、前記温度勾配が零になったときに、その後金型温度が下降に転じるものと見なして、前記冷却手段による冷却を停止するようにしている。
【0009】
しかしながら、前記のようにするときには、前記制御手段に、金型温度が上昇しつつあるにも関わらず、前記冷却手段による冷却を停止する誤作動が発生することがあるという不都合がある。前記誤作動が発生すると、前記金型温度の上昇を抑制することができずに金型が過熱されるので、注湯から金型の冷却、鋳造品の取り出しまでに長時間を要する上、鋳造品の品質が損なわれることがあるという不都合がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる不都合を解消して、鋳造用金型に適正な注湯が行われなかったときに、これを確実に検出でき、制御手段の誤作動を防止することができる鋳造用金型の温度制御方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記制御手段に誤作動が発生する原因について検討を重ねた結果、前記温度検知手段として用いられる熱電対等のセンサや該センサ出力を増幅するアンプ等には精度に誤差があり、この誤差のために金型温度が上昇しつつあるにも関わらず、金型温度の温度勾配が零になったり、瞬間的に下降傾向を示すような測定誤差を生じることを見出した。すなわち、前記誤作動は、前記温度検知手段の測定誤差のために、前記制御手段が金型温度の温度勾配が零になったことを検出したときに発生するものと考えられる。
【0012】
本発明の鋳造用金型の温度制御方法は、前記知見に基づくものであり、鋳造用金型に、金型を冷却する冷却手段と、金型の温度を検知する温度検知手段とを配設すると共に、該温度検知手段により検知される金型温度に従って該冷却手段を制御する制御手段を設け、
該金型に対する注湯及び型開きに最適な最適温度範囲と、該最適温度範囲より高く該冷却手段による冷却を開始する第1の設定温度と、該第1の設定温度より高く該金型に対して溶湯の注湯が適正に行われたときに該金型が到達する最高温度よりやや低い第2の設定温度とを設定して、前記温度検知手段により検知される金型温度が前記最適温度範囲内に保持されている状態で該金型に溶湯の注湯を行った後に、前記金型温度が該注湯により上昇して前記第1設定温度を超えたときに、前記冷却手段による冷却を開始し、前記金型温度が前記第2設定温度を超えた後に下降して再び第2設定温度に至ったときに、前記冷却手段による冷却を停止する鋳造用金型の温度制御方法において、前記注湯により前記金型温度が上昇して前記第1設定温度を超えた後、前記金型温度の変化を所定時間毎に監視し、前記金型温度が前記第2の設定温度に至る前に、前記温度検知手段の測定誤差の範囲以上に下降したことを検出したときに、前記冷却手段による冷却を停止すると共に、前記金型温度が前記第2の設定温度に至る前に、前記温度検知手段の測定誤差の範囲内で下降したことを検出したときには、前記冷却手段による冷却を継続することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、前記制御手段は、前記注湯により前記金型温度が上昇して前記第1設定温度を超えた後、前記金型温度が前記第2の設定温度に至る前に、前記金型温度が前記温度検知手段の測定誤差の範囲以上に下降したことを検出したときに、何らかの理由で溶湯の容量が不足するなど、溶湯の注湯が適正に行われず、前記注湯後の金型温度が第2設定温度に至る前に下降に転じたものと判断して、前記冷却手段による冷却を停止する。また、前記金型温度が前記第2の設定温度に至る前に、前記温度検知手段の測定誤差の範囲内で下降したことを検出したときには、前記冷却手段による冷却を継続する。従って、前記温度検知手段の測定誤差により金型温度の温度勾配が零になったり、前記測定誤差により金型温度が瞬間的に下降しても、前記冷却手段による冷却を停止することがなく、金型温度が上昇しつつあるにも関わらず前記冷却手段による冷却を停止する誤作動を確実に防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本発明に係わる金型温度制御システムのシステム構成図、図2及び図3は本発明に係わる金型温度制御システムの作動説明図、図4は冷却手段の作動を示すフローチャートである。
【0015】
本実施形態の金型温度制御システム1は、金型2内に流通される冷却水Wを制御する冷却水制御系3、金型2を加熱するヒータHを制御するヒータ制御系4及び制御処理部5から構成される。
【0016】
前記金型2は、基本的には可動型6と固定型7とから構成され、前記可動型6と固定型7との対向面には製品形状に適合したキャビティ8が画成される。この場合、固定型7には前記キャビティ8と連通するランナ9及び湯溜部10が画成される。
【0017】
前記湯溜部10には、溶湯射出機構11が配設され、湯溜部10に貯留する溶湯をランナ9を介してキャビティ8に押し出す作用を営む。
【0018】
前記キャビティ8の側部には感熱素子である第1の熱電対12が配設され、金型温度TX に対応する該第1熱電対12の出力信号St1 はA/D変換器13を介してマイクロコンピュータ14に入力される。さらに、可動型6にはヒータHが配設され、該ヒータHには断線モニタ15、サイリスタ16を介して電源17から電流が供給される。この場合、電源17からの供給電流はコントロール信号SC1 によって制御される。すなわち、該コントロール信号SC1 はマイクロコンピュータ14からD/A変換器18を介して前記サイリスタ16に出力される。前記断線モニタ15の出力信号はインタフェース回路19を介してマイクロコンピュータ14に入力され、常時、断線状態に至ったか否かが監視される。
【0019】
前記冷却水制御系3は、先ず、冷却水給水系20から冷却水W1 が第2の熱電対21を介して冷却水W1 の流量を調整することの可能な流量調節電磁バルブ22に供給される。この場合、第2熱電対の出力信号St2 はA/D変換器13を介してマイクロコンピュータ14に入力されると共に、流量調節電磁バルブ22の制御端子にはマイクロコンピュータ14からD/A変換器18を介して流量調節コントロール信号SC2 が出力されている。従って、供給される冷却水W1 の水温に応じて流量を調整された冷却水W2 が電磁流量計23を介してON/OFF制御される電磁バルブ24に導入される。この場合、流量調節電磁バルブ22で調節された流量が流通しているか否かが電磁流量計23の出力信号SF1 をA/D変換器13を介してマイクロコンピュータ14で計測することによって確認される。
【0020】
前記電磁バルブ24はON/OFF切換型の電磁バルブであって、マイクロコンピュータ14からのコントロール信号がインタフェース回路19を通じて電磁バルブ24の制御端子にコントロール信号SC3 として入力されることにより、そのON/OFF制御すなわち開閉制御がなされる。このように開閉制御された冷却水W3 は、該冷却水W3 が流通しているか否かの判定がなされるフロースイッチ25を介して、金型2を構成する固定型7の冷却水通路26に導入される。尚、この場合、フロースイッチ25が開閉したか否かの出力信号SF2 は、前記インタフェース回路19を介してマイクロコンピュータ14に入力される。
【0021】
前記固定型7に画成された冷却水通路26を通過した冷却水W4 は、第3の熱電対27によってその温度が測定された後、冷却水排水系28に導出される。前記第3熱電対27の出力信号St3 は、A/D変換器13を介してマイクロコンピュータ14に入力されている。この場合、マイクロコンピュータ14は、シーケンサ29に予め定められた手順に基づき、その制御下に作動する。
【0022】
次に、本実施形態の金型温度制御システム1の作動について説明する。金型温度制御システム1は、通常は、図2示の標準制御モードに従って作動する。
【0023】
図2において、横軸は時間tを表し、縦軸は温度Tを表す。この場合、温度Tの目盛り上には、金型に対する注湯及び型開きの最適温度T0 と、最適温度範囲TM と、前記最適温度範囲の下限値TMMINと、前記最適温度範囲の上限値TMMAXと、第1設定温度T1 と、第2設定温度T2 とが示されている。前記第1設定温度T1 は前記最適温度範囲の上限値TMMAXよりやや高い温度に設定されており、前記第2設定温度T2 は前記第1設定温度T1 より高く金型2に対して溶湯の注湯が適正に行われたときに該金型2が到達する最高温度TPEAKよりやや低い温度に設定されている。
【0024】
標準制御モードでは、図2示のように、まず時刻t1 において、第1熱電対12の出力信号St1 がA/D変換器13を介してマイクロコンピュータ14に入力される。このとき、金型温度TX は、図2にハッチング部として示す金型に対する注湯及び型開きの最適温度範囲TM の前記下限値TMMINに比べて小さい値であるので、マイクロコンピュータ14は予め定められたプログラムに基づき、ヒータHをPDI制御(比例微分積分制御)により作動させる。この場合、マイクロコンピュータ14からの出力信号がD/A変換器18を介してサイリスタ16を閉成させることにより、電源17からサイリスタ16、断線モニタ15を介してヒータHに電流が供給され、金型温度TX は急激に上昇を開始する。尚、この際、断線モニタ38は電流が通電しているか否かを常にインタフェース回路19を介してマイクロコンピュータ14に入力し、監視可能としている。
【0025】
一方、このとき金型2は加熱途中であるので、冷却水W2 のON/OFF制御用の電磁バルブ24は、マイクロコンピュータ14の出力信号がインタフェース回路19を介し、コントロール信号SC3 として該電磁バルブ24の制御端子に供給されることによってOFF状態とされており、冷却水通路26には冷却水W3 は導入されない。尚、本実施形態において、第2熱電対21の出力信号St2 に対応する冷却水W1 の温度は一定であるものとし、従って、流量調節電磁バルブ22は、常にある一定の値に調節されON状態とされているものとする。
【0026】
このようにして、金型温度TX が前記下限値TMMINを超える値となる(時刻t2 )と、マイクロコンピュータ14はヒータHの制御をPDI制御からPI制御(比例積分制御)とし、金型温度TX がスローランディング動作によって最適温度T0 に到達するように制御する。この場合、金型温度TX を第1熱電対12の出力信号St1 によりフィードバック制御して、ヒータHのON/OFF時間を適当に制御することにより、金型温度TX を最適温度T0 に保持することが可能である。
【0027】
次いで、金型温度TX が最適温度T0 で安定したならば、時刻t3 において、溶湯の注湯を行う。すなわち、図示しない給湯口から溶湯を固定型7の湯溜部10に注湯した後、溶湯射出機構11の制御下にキャビティ8内に溶湯を充填する。すると、金型温度TX は前記溶湯により加熱されて、急激な上昇を開始する。そこで、マイクロコンピュータ14は時刻t4 において金型温度TX が上限値TMMAXを超えたことを検出すると、サイリスタ16を介してヒータHをOFFにする。
【0028】
さらに時刻t5 において、金型温度TX が第1設定温度T1 に達すると、マイクロコンピュータ14はインタフェース回路19を介して電磁バルブ24をONにすることによって、冷却水W2 がフロースイッチ25を介して金型2内の冷却水通路26に流通され、金型2の冷却が開始される。
【0029】
しかしながら、この状態においても金型温度TX は上昇を続け、溶湯の注湯が適正に行われているときには、前記第2設定温度T2 を超えた後、最高温度TPEAKに達する。そして、金型温度TX は最高温度TPEAKを超えると下降に転じ、自然冷却が可能になる。
【0030】
そこで、金型温度TX が第2設定温度T2 を超えた後、最高温度TPEAKを経て、時刻t6 で再び第2設定温度T2 に至り、該第2設定温度T2 に対応する温度が第1熱電対12の出力信号St1 によりマイクロコンピュータ14で検出されると、電磁バルブ24がOFFにされて、冷却水W3 の金型2への流通が停止される。
【0031】
この結果、金型2は自然冷却状態となる。次いで、時刻t7 で金型温度TX が上限値TMMAXに至ると、マイクロコンピュータ14は図示しないブザー等の報知手段により、オペレータに金型2を開くタイミングを報知し、該オペレータが金型2を開いて成形品としての鋳造品を取り出す。前記型開き作業は、ロボットを利用することにより自動化してもよい。
【0032】
尚、この場合、図2示のように、時刻t7 において、再びヒータHをPI制御するようにしているので、金型温度TX は注湯及び型開きの最適温度T0 に保たれる。従って、通常、時刻t7 以降において、鋳造品が取り出された後に、再び注湯を行えば、安定して鋳造作業を繰り返すことができる。
【0033】
また、時刻t8 において金型が交換された場合には、金型温度TX が下限値TMMINよりも低い値となるので、マイクロコンピュータ14の制御下にヒータHを再びPDI制御して、金型温度TX を上昇させる。そして、時刻t9 において、金型温度TX が再び下限値TMMINに達すると、ヒータHをPI制御して、金型温度TX が最適温度範囲に保持される。このようにして、時刻t10以降において溶湯が注湯されると、時刻t10乃至時刻t14に示す一連の鋳造サイクルが、前記時刻t3 乃至時刻t7 と同様にして繰り返される。
【0034】
ところで、前記標準制御モードでは、何らかの理由で溶湯の注湯が適正に行われず、例えば、溶湯の容量が不足すると、注湯後の金型2の温度は、前記第1設定温度T1 を超えた後、最高温度TPEAKに至る前に下降に転じる。この場合、前記金型温度TX が第2設定温度T2 を超えることがないと、電磁バルブ24をOFFにして、冷却水W3 の金型2への流通が停止するタイミングが失われる。
【0035】
そこで、金型温度制御システム1は、前記金型温度TX が前記注湯により前記第1設定温度T1 を超えた後、第2設定温度T2 に至るまでは、図3示のピーク制御モードに従って作動する。
【0036】
図3において、横軸は時間tを表し、縦軸は温度Tを表しており、温度Tの目盛り上には、図2と同様に、金型に対する注湯及び型開きの最適温度T0 と、最適温度範囲TM と、前記最適温度範囲の下限値TMMINと、前記最適温度範囲の上限値TMMAXと、第1設定温度T1 と、第2設定温度T2 とが示されている。
【0037】
ピーク制御モードは、図3示のように、時刻t3 において、溶湯の注湯が行なわれた後、時刻t5 において、金型温度TX が第1設定温度T1 に達し、電磁バルブ24がONされることによって作動する。
【0038】
時刻t5 において、電磁バルブ24がONされると、前記のように金型2内の冷却水通路26に流通され、金型2の冷却が開始されるが、金型温度TX は上昇を続けている。そこで、マイクロコンピュータ14は、金型温度TX が第1設定温度T1 に達した後、第2設定温度T2 に至るまで、第1熱電対12からの出力信号St1 を所定時間、例えば0.1秒毎に監視する。
【0039】
このとき、第1熱電対12からの出力信号St1 の示す温度は、図3に破線で示すように、第1熱電対12の測定誤差により、温度勾配が零になったり、瞬間的に下降したりしながら、上昇していく。
【0040】
しかし、金型温度制御システム1は、前記温度勾配の零や、瞬間的な下降は無視し、金型温度TX が第1熱電対12の測定誤差Δt以上に下降したことを検出したとき、すなわち時刻t21において電磁バルブ24をOFFにして冷却水W3 の金型2への流通を停止する。前記測定誤差Δtは、通常、摂氏目盛りで2〜3°に設定される。
【0041】
この場合、金型2は冷却水W3 の流通の停止により自然冷却され、時刻t22において金型温度TX が上限値TMMAXに至ると、成形品としての鋳造品の取り出しの後、ヒータHがPI制御されることにより、金型温度TX が注湯及び型開きの最適温度T0 に保たれ、標準制御モードに復帰する。
【0042】
尚、ピーク制御モードは、金型温度TX が第1設定温度T1 に達した後、第1熱電対12の測定誤差Δt以上に下降することなく、第2設定温度T2 に達すると同時に終了し、金型温度制御システム1は、以下、標準制御モードに従って作動する。
【0043】
次に、マイクロコンピュータ14により、電磁バルブ24をON/OFFする作動について説明する。
【0044】
前記標準制御モード及びピーク制御モードの説明から明らかなように、本実施態様の金型温度制御システム1は、標準制御モードをメインルーチンとし、そのサブルーチンとしてピーク制御モードを備えている。そこで、まず、メインルーチンにおける電磁バルブ24のON/OFF作動について説明すると、図4示のように、金型温度TX が第1設定温度T1 に達すると、電磁バルブ24がONされて、冷却水W3 の金型2への流通が開始される。そして、金型温度TX が第2設定温度T2 以上に上昇したのち下降して、再び第2設定温度T2 に達すると、電磁バルブ24がOFFされて、冷却水W3 の金型2への流通が停止される。
【0045】
次に、前記メインルーチンで、電磁バルブ24がONされた後、金型温度TX が第2設定温度T2 に達していないときには、ピーク制御モードのためのサブルーチンが起動する。サブルーチンでは、まず、サブルーチンが起動したときの金型温度TX を基準温度(1)として記憶し、0.1秒後の金型温度TX を変化温度(2)として記憶する。
【0046】
前記変化温度(2)が第2設定温度T2 に達していないときには、次いで、基準温度(1)と変化温度(2)との差(基準温度(1)−変化温度(2))を求め、その値がプラスであるときには金型温度TX が下降しているものと判断し、次いで、その下降幅を第1熱電対12の測定誤差Δtと比較する。
【0047】
そして、金型温度TX の下降幅(基準温度(1)−変化温度(2))が第1熱電対12の測定誤差Δt以上であるときには、金型温度TX の下降が第1熱電対12の測定誤差によるものではなく、真に下降しているので、電磁バルブ24がOFFされて、冷却水W3 の金型2への流通が停止される。また、金型温度TX の前記下降幅が測定誤差Δt未満であるときには、さらに0.1秒後の金型温度TX を新たな変化温度(2)として記憶して前記手順を繰り返し、金型温度TX の下降幅が第1熱電対12の測定誤差Δt以上に達したときには、前記のように金型温度TX が真に下降しているものとして、電磁バルブ24がOFFされて、冷却水W3 の金型2への流通が停止される。
【0048】
他方、前記基準温度(1)と変化温度(2)との差の値がプラスでないか、一旦プラスになってもそののち零以下になったときは、金型温度TX の下降が第1熱電対12の測定誤差による瞬間的なものと判断し、基準温度(1)を変化温度(2)で置換することによって、変化温度(2)をキャンセルする。そして、さらに0.1秒後の金型温度TX を新たな変化温度(2)として記憶して、前記と同一の処理を行う。
【0049】
また、前記変化温度(2)が第2設定温度T2 に達しているときには、メインルーチンに復帰する。
【0050】
尚、図4示の処理で、金型温度TX は第1熱電対12の出力信号St1 としてマイクロコンピュータ14に入力され、電磁バルブ24はマイクロコンピュータ14の出力信号SC3 によりON/OFFされるようになっており、これは図2及び図3の場合と同じである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる金型温度制御システムのシステム構成図。
【図2】本発明に係わる金型温度制御システムの作動説明図。
【図3】本発明に係わる金型温度制御システムの作動説明図。
【図4】冷却手段の作動を示すフローチャート。
【符号の説明】
2…鋳造用金型、 5…制御手段、 24…冷却手段、 H…加熱手段、
M …最適温度範囲、 T1 …第1の設定温度、T2 …第2の設定温度。

Claims (1)

  1. 鋳造用金型に、金型を冷却する冷却手段と、金型の温度を検知する温度検知手段とを配設すると共に、該温度検知手段により検知される金型温度に従って該冷却手段を制御する制御手段を設け、
    該金型に対する注湯及び型開きに最適な最適温度範囲と、該最適温度範囲より高く該冷却手段による冷却を開始する第1の設定温度と、該第1の設定温度より高く該金型に対して溶湯の注湯が適正に行われたときに該金型が到達する最高温度よりやや低い第2の設定温度とを設定して
    記温度検知手段により検知される金型温度が前記最適温度範囲内に保持されている状態で該金型に溶湯の注湯を行った後に、前記金型温度が該注湯により上昇して前記第1設定温度を超えたときに、前記冷却手段による冷却を開始し、前記金型温度が前記第2設定温度を超えた後に下降して再び第2設定温度に至ったときに、前記冷却手段による冷却を停止する鋳造用金型の温度制御方法において、
    前記注湯により前記金型温度が上昇して前記第1設定温度を超えた後、前記金型温度の変化を所定時間毎に監視し、前記金型温度が前記第2の設定温度に至る前に、前記温度検知手段の測定誤差の範囲以上に下降したことを検出したときに、前記冷却手段による冷却を停止すると共に、前記金型温度が前記第2の設定温度に至る前に、前記温度検知手段の測定誤差の範囲内で下降したことを検出したときには、前記冷却手段による冷却を継続することを特徴とする鋳造用金型の温度制御方法。
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