JPH09103705A - ガス洗浄器のミスト収集装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス洗浄器のミスト収集器を周期的にリンス
するときの清浄化効率を高める。 【解決手段】 ガス流通方向に下流と上流のミスト収集
層を有するガス洗浄器等のミスト収集装置が記載されて
いる。下流及び上流のミスト収集層の連続的に配列され
たプロファイルは、ガス流通方向に関して相互に反対向
きに配列されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、それぞれＶ字又は
逆Ｖ字の形に配置された少なくとも１つのミスト収集プ
ロファイル（ｐｒｏｆｉｌｅ）であって、ガス流通方向
に関して下流と上流の各列が相互に横方向にはみ出すこ
となく相前後して配列されているもの、及び両方のミス
ト収集層の流入側及び流出側を周期的にリンスするリン
ス手段からなる、ガス流通方向に関して上流と下流のミ
スト収集層を有するガス洗浄等のためのミスト収集装置
に関する。

【０００２】通常、ミスト収集器はガス洗浄器の後ろに
配置されている。このミスト収集器は相互に平行に配置
され、ガス通路、例えば煙道ガス通路の断面の全体に亘
って分布された、湾曲した刃（シート）を有する。ガス
中に存在し又は刃で分離した液滴は刃を流下し、これは
表面を跳ね返させる効果を有する。そのようなミスト収
集器は、析出物が刃の上に形成され、これが時間と共に
ミスト収集器の詰まりの問題を生じる。

【０００３】上述の問題は、石膏の添加された洗浄液の
分離のためにミスト収集器が必要な煙道ガス脱硫プラン
トにとって特に重大である。これらのミスト収集器を閉
塞しないようにするために、ミスト収集器の流入側及び
流出側の周期的なリンスが必要である。上流のミスト収
集器リンス用のリンス液体の一部が作動中に同伴される
ので、そのような同伴を防ぐために、２層ミスト収集装
置が必要である。

【０００４】好ましくは、前記リンスは前記ガス通路中
に装備されたノズルによって実現される。この洗浄は間
隔をおいて実施され、その間に刃はノズルから吹き出さ
れた洗浄水の洗浄ジェットでスプレーされる。

【０００５】ガス洗浄器の頭にある２つのミスト収集層
の配列に関して、傾いたプロファイルが特に良好な洗浄
適性を示した。これに関連して、上述の種類のミスト収
集装置は既知（内部的先行技術）であり、これによれ
ば、２つのミスト収集層がガス流通方向に関して相前後
して配置され、それぞれＶ字形又は逆Ｖ字形に配列され
た少なくとも１つのミスト収集器プロファイルの列から
なる。両方の列のプロファイルは同じ向きに配置されて
いる。即ち、両方ともＶ字の形をしているか、又は逆Ｖ
字形（屋根形）をしている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上に
引用された種類のミスト収集装置であって特に良好な洗
浄特性を有するものを提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上に引用した種類のミス
ト収集装置を用いて、上流及び下流のミスト収集層の連
続的に配列された列のプロファイルをガス流通方向に関
して相互に反対向きに配置する本発明により、この目的
は達成される。

【０００８】上に引用した先行技術によれば、２つの層
のミスト収集器のプロファイルは同じ方向を向いている
が、本発明によれば相互に逆向きの配列が提案される。
即ち、ガス流通方向に関して、１つのＶ字の頂部が相互
に反対方向を向いているか、又は相互に向かい合ってい
る。本発明による両方の配列は、先行技術の２つの配列
に較べて実質的に改善された清浄化特性を有する。

【０００９】この明細書で用いられている「上流及び下
流のミスト収集層」なる用語は、ガス流通方向における
各層の位置のことを言っている。通常、ガス流方向は下
から上を向いているから、これらの用語は用語「下部位
置及び上部位置」と同意語である。

【００１０】従って、本発明の１つの態様によれば、下
流の（上部の）ミスト収集層はＶ字の形に配列されてお
り、上流の（下部の）ミスト収集層は逆Ｖ字の形に配列
されている。本発明の他の態様は、下流の（上部の）ミ
スト収集層は逆Ｖ字の形をしており、上流の（下部の）
ミスト収集層のプロファイルはＶ字の形をしている。

【００１１】これら２つの解決は実質的に改善された清
浄化効果をもたらす。始めに記載した解決によれば、下
流の（上部の）ミスト収集器から流下するリンス液体は
そのものの中央部（最も深い点）に集まり、そこから上
流の（下部の）ミスト収集器の最も高い点に到達する。
そこからリンス水は上流の（下部の）ミスト収集器プロ
ファイルに沿って端部へと良好な均一性を保ちつつ流
れ、これらプロファイルの意図した同時リンスを引き起
こす。換言すれば、下流の（上部の）層のリンス水は、
上流の（下部の）層をもリンスするのである。

【００１２】上に第２に記載した態様によって対応する
効果が実現される。この場合、上部の層の流れはプロフ
ァイルの中央部から深い端部へと流れ、ここから、上流
の（下部の）層の端部（この端部は最も高い位置を占め
る）に到達する。その後、リンス水は上流の（下部の）
プロファイルに沿ってそれの中央部に向かって流れ、こ
の場合にも下部層のプロファイルは、上部の層のリンス
水によって追加的にリンスされる。

【００１３】上記先行技術の具体例によれば、このよう
な結果は得られない。同じ方向のＶ字配列によれば、下
流の（上部の）層のリンス水はＶ字の最も深い部分に集
められ、そこからその下に位置する下部層のＶ字の最も
深い点に落下する。従って、下部層のプロファイルに沿
って水が流れることはなく、下部層の追加の洗浄効果は
実現されない。両方の層のプロファイルが屋根の形に配
列された先行技術の具体例によれば、リンス水は上部層
の端部から下部層の端部に落下し、従ってこの場合に
も、リンス水は下部層のプロファイルに沿って導かれな
い。

【００１４】従って、上に述べたように、本発明によれ
ば装置の清浄化効果は実質的に改善され、そのような装
置の耐用年数を長くする効果がある。更に、下流の（上
部の）層のリンス水が上流の（下部の）層のリンスをを
大幅に引き継ぐので、上流の（下部の）層の周期的リン
スのサイクルを減らすことができる。これによって、リ
ンス水の消費は実質的に減らすことができる。時間の経
過によるリンス用水の消費は、そのようなガス洗浄器、
例えば煙道ガス脱硫プラントのデザイン及び運転に関し
て本質的に経済的尺度となる。何故ならば、この消費パ
ラメーターはそのようなプラントの水消費に関して重要
な役割を演ずるからである。

【００１５】更に、この装置によれば、吸収装置の高さ
を大幅に減らすことができる。先行技術の具体例によれ
ば、２つのミスト収集層の間の対応する距離は、対応す
る近づきやすさ（ａｃｃｅｓｓｉｂｉｌｉｔｙ）を得る
ために、大きく維持されなければならなかった。本発明
による装置によれば、下部ミスト収集層及び上部ミスト
収集層の支持構造体の間の間隔は、近づきやすさを制限
することなく大幅に減らせる。即ち、反対方向に配列さ
れたＶ字によって、隣接する上部及び下部の列の間又は
これに加えた菱形のスペースは、近づき易さをもたら
す。

【００１６】本発明の解決の他の利点は（これによれ
ば、下流の（上部の）ミスト収集層のプロファイルは逆
Ｖ字（屋根形）に配列しており、上流の（下部の）ミス
ト収集層のプロファイルはＶ字形に配列されている）、
ミスト収集器の配列は唯一の支持構造体を有しなければ
ならないという態様からなる（何故ならば、両方のミス
ト収集層は、両層の中間領域に配置されているこの支持
構造体に配置できるからである）。この構造により、下
流の（上部の）ミスト収集層はこの支持構造体から分離
して取り外すことができ、これによって特に良好な清浄
化及び補修の可能性が得られる。何故ならば、これによ
って特に気楽にプロファイルに入れるからである。

【００１７】上に既に述べたように、ミスト収集層の清
浄化及びリンスのためにノズルが設けられる。本発明の
具体例によれば、これらのノズルは特別な場所に配置さ
れる。Ｖ字の各頂点が相互に向かい合っている具体例に
おいては、好ましくは２つのノズルは対応するＶ字又は
逆Ｖ字を基礎にして中心軸上に配置される。このＶ字形
の層の内側は、これらのノズルによって清浄化される。
外側を清浄化するために、少なくとも２つのノズルが、
これらＶ字の２つの脚部を横断する平面内に実質的に位
置し、且つ隣接する層の間の平面内に位置される。この
場合において、好ましくは２つのノズルがそれぞれ設け
られ、１つは上の列用であり、１つは下の列用である。

【００１８】Ｖ字の頂点が相互に他の方向を向いている
本発明の具体例においては、２つのノズルは相互に隣接
して鉛直な中心軸上に配置され、一方各ノズルは、この
菱形を取り囲む四角形の角に配置される。

【００１９】これらのノズルは、主たる支持構造体（１
つ又は２つ）に固定された対応する構造体に取り付けら
れる。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下に本発明を具体例を挙げて説
明する。

【００２１】図１は、矢印２で示すように、清浄化され
るべきガスが下から上へ流れるガス洗浄器１の頭部の鉛
直概略断面図である。この流通方向において、このガス
は、それぞれ個々の列１０を構成し、このガス洗浄器の
頭部の全断面を満たすミスト収集器の下層３及び上層４
を通過する。個々の列の間にスペースを設けてこれら列
に近づきやすくしている。

【００２２】個々の列１０は、ミスト収集器の公知のデ
ザインのプロファイル５からなり、相隣合って配置され
ており、１つの列の両プロファイルは互いに反対向きに
傾いている。従って、図１の先行技術の具体例によれば
隣接するミスト収集器のプロファイルはＶ字を形成す
る。

【００２３】２つのミスト収集層３、４は概略的に示し
た支持構造体９の上に載っている。これらの層は、対応
する近づき易さを可能にするために相互に或る距離の間
隔をあけられており、こうしてこれら層の間にある幅を
提供する。

【００２４】これらミスト収集器の閉塞を防ぐために、
両方のミスト収集層の流入側及び流出側の周期的リンス
のためのリンス手段が設けられている。このリンス手段
は複数のリンスノズル７、８によって形成され、これら
は図１に示すように、１の側では上方でＶ字の中央に配
置され（７に示されているように）、一方では下部でＶ
字の両側に配置されている（８に示されているよう
に）。対応する蓄積された汚れを取り除くために、ミス
ト収集器のプロファイルの上側だけでなく下側もこれら
のノズルでスプレーされる。上部のミスト収集層のリン
ス水はＶ字の最も深い点に向かって傾斜したプロファイ
ルを内側に流下し、そこから、６に示すように、下部層
に落下することが理解できる。この水はその下に配置さ
れた下部ミスト収集層の列１０のＶ字の最も深い点に到
達し、そこから下に流下する。

【００２５】図２は、本発明のミスト収集装置の鉛直断
面図を示す。この装置も下部ミスト収集層２０及びその
上の上部ミスト収集層２１からなっており、その内の唯
１つの対応するミスト収集器のプロファイル２２が示さ
れている。上部層において、１つの列のミスト収集器の
プロファイル２２は互いに反対向きに傾斜してＶ字を形
成し、下部の列のミスト収集器のプロファイル２２も互
いに反対向きに傾斜しているが、逆Ｖ字を形成してい
る。個々のプロファイルは公知のデザインであってよい
が、特にここに記載しているものであってはならない。
それらはそれぞれ支持構造体２３に載せられ、この支持
構造体２３はスプレーノズル２４、２５用の更なる支持
構造体２６を保持する。スプレーノズル２４はミスト収
集器のプロファイルの内側をスプレーするのに役立ち、
一方スプレーノズル２５は外側をスプレーするのに役立
つ。両方のノズル２４はそれぞれＶ字の基部でのプロフ
ァイルの共通の鉛直軸上に配置され、一方、ノズル２５
はこれら層の間の水平な中心平面内で両方のＶ字の脚部
の末端を結ぶ線上に実質的に配置されている。

【００２６】スプレーすると、リンス水は上部層２１の
列のプロファイル２２に沿って流下しＶ字の頂点に至
り、そこからその下に位置する逆Ｖ字の頂点に落下す
る。この頂点から水はプロファイルに沿って横方向に流
下し、下層２０の列のプロファイル２２を清浄化する。
従って、上層のリンス水によって二重の清浄化効果が得
られる。

【００２７】図３に示す具体例によれば、上層２１のミ
スト収集器のプロファイル２２は逆Ｖ字の形に配列され
ているが、その下のミスト収集器のプロファイル２２は
Ｖ字の形に配列されている。この場合には、ノズル装置
は次のように配置されている。即ち、ノズル２４は中心
の鉛直軸上に配置され、相互に隣接するように配置され
ている。一方、プロファイルの外側をスプレーするノズ
ル２５は、実質的に、菱形を形成する両Ｖ字を囲む四角
形の角に配置されている。スプレーの間に、リンス水は
上層２１の列のプロファイル２２に沿って中央の最高点
から横方向に流れて端部に入り、そこからその下に位置
するＶ字の端部に落下する。その後、それはプロファイ
ル２２に沿って中央部に向かって流下し、これによって
プロファイルは清浄化される。その中央部からそれは下
の方向に落下する。従って、この場合にも上層のリンス
水は、追加的に下層のミスト収集器プロファイルを清浄
化する。更に、この具体例は、上層だけでなく下層も保
持する単一の支持構造体２３を持つ。

【００２８】図４は、ガス洗浄器１の頭部に取り付けた
状態の図２に示す本発明の具体例を示す。しかしなが
ら、上部及び下部のミスト収集層２１及び２０の２つの
重ねた列のみを示している。この具体例によって、全体
の高さは、２つの列の間に小さな間隔のみが維持されな
ければならないから、図１の先行技術の具体例のそれよ
りも実質的に小さくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来技術の２層のミスト収集器の配列したガス
洗浄器の頭部を通る断面概略図。

【図２】本発明の２層のミスト収集装置の第１の具体例
の縦断面図。

【図３】本発明の２層のミスト収集装置の第２の具体例
の縦断面図。

【図４】本発明の第１の具体例の上下に配置された２列
のミスト収集器を有するガス洗浄器の頭部を通る拡大鉛
直断面図。

【符号の説明】

１…ガス洗浄器 ２…ガス流通方向を示す矢印 ３、４…ミスト収集層 ５、２２…プロファイル ６…落下水 ７、８、２４、２５…リンスノズル ９、２３…支持構造体 １０…ミスト収集層の列 ２０…下部ミスト収集層 ２１…上部ミスト収集層 ２６…支持構造体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シーグフリート ブランク オランダ国，エヌエル−6466 ヘーエル ケルクラーデ，ドリーホヘルストラート 177 (72)発明者 オラフ コールス ドイツ連邦共和国，50171 ブランツハイ ム−ケルペン，デレナー シュトラーセ 373

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれＶ字又は逆Ｖ字の形に配置され
   た少なくとも１つのミスト収集プロファイル（ｐｒｏｆ
   ｉｌｅ）であって、ガス流通方向に関して下流と上流の
   各列が相互に横方向にはみ出すことなく相前後して配列
   されているもの、及び両方のミスト収集層の流入側及び
   流出側を周期的にリンスするリンス手段からなる、ガス
   流通方向に関して上流と下流のミスト収集層を有するガ
   ス洗浄等のためのミスト収集装置において、下流及び上
   流のミスト収集層（２１、２０）の連続的に配列された
   列のプロファイル（２２）がガス流通方向に関して相互
   に反対向きに配列されていることを特徴とする前記ミス
   ト収集装置。
2. 【請求項２】 下流のミスト収集層（２１）のプロファ
   イル（２２）がＶ字形に配列されており、上流のミスト
   収集層（２０）のプロファイル（２２）が逆Ｖ字形に配
   列されていることを特徴とする請求項１に記載のミスト
   収集装置。
3. 【請求項３】 下流のミスト収集層（２１）のプロファ
   イル（２２）が逆Ｖ字形に配列されており、上流のミス
   ト収集層（２０）のプロファイル（２２）がＶ字形に配
   列されていることを特徴とする請求項１に記載のミスト
   収集装置。
4. 【請求項４】 単一の支持構造体を有することを特徴と
   する請求項３に記載のミスト収集装置。
5. 【請求項５】 下流のミスト収集層（２１）が支持構造
   体（２３）から分離して取り外せることを特徴とする請
   求項４に記載のミスト収集装置。
6. 【請求項６】 スプレー手段として複数のノズルを有し
   する先行のいずれか１項に記載のミスト収集装置におい
   て、複数のノズル（２４、２５）、特に２つのノズル
   が、支持構造体（２３）に配置されている単一の梁（２
   ６）に設けられていることを特徴とする前記ミスト収集
   装置。