JPH09102119A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH09102119A
JPH09102119A JP7278232A JP27823295A JPH09102119A JP H09102119 A JPH09102119 A JP H09102119A JP 7278232 A JP7278232 A JP 7278232A JP 27823295 A JP27823295 A JP 27823295A JP H09102119 A JPH09102119 A JP H09102119A
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JP
Japan
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magnetic
magnetic recording
coating
recording medium
coating film
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JP7278232A
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Hiroaki Himori
広明 桧森
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Toppan Infomedia Co Ltd
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Tokyo Magnetic Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気カード等に貼着する偽造防止効果の高い
剥離転写箔型磁気記録媒体を安価に製造すること。 【解決手段】 剥離性支持基体上に積層形成される転写
箔型磁気記録媒体において、コーティングされた磁気塗
料が未乾燥の状態で、塗膜面の幅方向任意の位置および
幅で単数または複数の電磁石を近接し、該塗膜の上下方
向に磁化信号を与え、その吸引と解除の効果によって該
塗膜中の磁性粒子に存在量の疎密を生ぜしめ、次いで通
常の配向処理を施して該磁性粒子の磁化容易軸を塗工方
向に向けさせた後、乾燥固定することによって製作さ
れ、しかる後テープ、シートまたはテープ片の形状に裁
断してなる、一定間隔毎に繰り返される識別用マークの
間に、全域に渡って異なる書き換え不能の固定磁気信号
パターンを有する剥離転写箔型磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気カードの偽造
防止技術に関わり、特に磁気的な書き換え不能の固有認
証コードを有する磁気記録媒体の提供に関わる。
【0002】
【従来の技術】磁気カードは近年多く金券として使用さ
れている。しかしながら磁気カードの特徴である記録再
生の容易なことは複製の容易性をも意味しており、様々
の偽造防止の対策を講じる必要を生じている。貨幣の自
動引出しを行なうキャッシュカードのように、特にセキ
ュリティ対策を必要とする場合は、利用者を限定する暗
証番号を使った総合的なセキュリティシステムを構築し
て悪用を回避している。しかし、カード複製の容易性は
システムの安全性を損ねており、カード自身にもセキュ
リティ機能を持たせてシステムの安全性を高める方法が
種々工夫提案されている。カード自体にセキュリティ機
能を付与する方法としては、カードの使われ方にもよる
が、大別して(1)記録信号を隠蔽し、通常の方式では
読取れなくする方法、(2)使用後、カードの構造或い
は状態が不可逆的に変化し、再び初期状態に戻れないよ
うにする方法、(3)個別の認証マークを設けて検出照
合する方法、(4)特殊な技術を付加して複製を極めて
困難にする方法等およびそれらの組合わせがある。
(3)のカード自体に個別認証マークを付与し、検出照
合する方法としては主として光学的ないしは磁気的な方
法のものが多い。この内磁気的な方式による認証マーク
の形成と検出方法としては、例えば、特開平1−20
8725号や特開平1−208726号のように、磁
気カードにスクリーン印刷等で固有の磁気バーコードを
付与する方法。特開平6−278391号のように偶
然に生成する不特定磁気パターンの所定部分を走査検出
して、発生するランダム信号を認証コードとする方法、
あるいは特公平7−56670号、特開平3−24
4598号のように、磁気インキをつかって、MIC
R、ナンバリングマシーン、インキジェットプリンタ
ー、ドットインパクトプリンターその他の印刷手法で固
有の磁気パターンを形成する方法、あるいは特開平7
−117382号のように、予め形成した第1磁気層に
磁気信号を記録し、その上に第2磁気層をコーティング
して第1層の磁気反転部界面に第2層磁性粒子の集中を
生ぜしめ乾燥固定して作製したテープを反転貼着する方
法、等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
している発明の課題は、通常の用途に供する可変磁気記
録再生領域をもつ磁気カードにおいて、カード1枚毎に
異なる固有の認証信号を内在し、かつ該固有信号が高密
度で高出力な書き換え不能の固定磁気信号であって、し
かも容易に判別読み取りが可能であり、簡単には偽造不
可能な磁気カードを提供することにある。このような磁
気記録媒体が完成すれば、従来の暗証番号方式と組合わ
せて、極めて安全性の高い磁気カードのセキュリティシ
ステムを構築することができる。
【0004】この観点から従来の技術を見ると、前記
、に代表されるスクリーン印刷による磁気バーコー
ドの付与では、バーコードのパターン形成は刷り版に依
拠しているため、特定のパターンを一定量刷るには適し
ているが、1枚毎に異なる固有パターンをカードに付与
することはできない。また前記のランダム信号に依存
する方法では、生成するパターンの偶発性に依存してい
るため、生産のシステマチックなコントロールができ
ず、ノイズ成分と出力成分の規格境界値設定が微妙で、
継続使用による変形や僅かな位置ずれによっても出力の
合否が変化する恐れがあり、信頼性に乏しい欠点があ
る。また前記、では、各種の印刷による方法が提案
されているが、いずれも高密度で高出力な磁気パターン
の形成が困難と解される。また前記の発明は、従来の
方法に比較して固定信号の記録密度が高く、カード毎に
異なる書き換え不能な固有信号の付与が可能ではある
が、何分第1磁気層の存在が必須であって製造法が複雑
となる欠点があり、しかも第1磁気層の微小な磁化量に
よっての作用であるため、第2磁気層に形成される固有
信号の出力値は概して小さなものとなることが予想され
ること等、の問題があって未だ充分な解決法が見出され
ていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、剥離性支持基
体上に積層形成される転写箔型磁気記録媒体において、
コーティングされた磁気塗料が未乾燥の状態で、塗膜面
の幅方向任意の位置および幅で単数または複数の電磁石
を近接し、該塗膜の上下方向に磁化信号を与え、その吸
引と解除の効果によって該塗膜中の磁性粒子に存在量の
疎密を生ぜしめ、次いで通常の配向処理を施して該磁性
粒子の磁化容易軸を塗工方向に向けさせた後、乾燥固定
することによって製作され、しかる後テープ、シートま
たはテープ片の形状に裁断してなる、一定間隔毎に繰り
返される識別用マークの間に、全域に渡って異なる書き
換え不能の固定磁気信号パターンを有することを特徴と
する剥離転写箔型磁気記録媒体を提供する。本発明は
又、上記の構造において、更に非固定磁気記録領域をも
形成した一体型剥離転写箔型磁気記録媒体を提供する。
この例で書き換え不能な情報の他に、通常の磁気記録を
も行うことができる。本発明に従って構成された剥離転
写箔型磁気記録媒体は、異なる固定信号毎に、別に設け
られた基体上に剥離転写して書き換え不能の固定磁気信
号パターン領域と通常の非固定磁気記録領域を有する磁
気記録媒体を提供する。このようにして、各々の磁気記
録媒体が異なった固有の固定磁気信号パターンを有する
ことができる。また、本発明の磁気記録媒体では、上下
方向の磁界を生じる磁極による磁性粒子の存在量の粗密
化処理と、その後の磁化容易軸の配向により、書き換え
不能の固定磁気信号パターンの部分における出力が強化
される利点もある。
【0006】より詳しく述べると、本発明は、基体上に
磁気塗料を塗布する工程において、未乾燥の時点で、塗
布幅方向任意の位置において、塗布面の上部より例えば
先端を適切に形状化した直方体型の電磁石1個、或いは
上部と下部より直方体型の電磁石2個を塗布面に近接さ
せ、電磁コイルに所定の信号電流を流すことによって、
電磁石の先端に磁極の発生/消滅を生ぜしめて該塗布面
に上下方向の磁化信号を与え、この間欠的に発生する磁
極による吸引/解除の効果によって、磁極の下部または
間を走行する磁気塗膜中の磁性粒子を部分的に偏在化さ
せて磁性粒子の疎密パターンを塗膜中に形成し、しかる
のちに該吸引作用によって上下方向に向いている塗料中
磁性粒子の磁化容易軸を、配向磁石のもと塗布方向に配
向させてから乾燥炉で塗膜を乾燥固定することによっ
て、磁性粒子の偏在による疎密パターンを有する、しか
も該磁性粒子の磁化容易軸が出力再生に有利な方向に配
向された磁気記録媒体、又はそれと同時に通常の可変磁
気記録再生を担う領域を合せもつ磁気記録媒体を製作す
る。次いで、この製造方法に基づいて作製した、磁性粒
子の疎密パターンを有する剥離転写箔型の磁気記録テー
プ片を、別の塩化ビニル製あるいはポリエステル製等の
合成樹脂製の支持基体に反転貼着した後、プレスして例
えばJISII型形状のカードを作製する。上記の方法に
従って製作した磁気カードの該疎密パターン部の出力を
所定の再生ヘッドによって測定したところ、所望する判
別明瞭な高出力の信号を得ることができた。この言わば
磁気バーコードに類似した磁性粒子の疎密パターンは、
書き換え不能の固定された信号であり、しかも、高密度
であって、電磁石に付与する信号電流を工夫すれば、カ
ード1枚毎に異なる固有の認証信号として形成すること
ができる。
【0007】本発明では、例えばJISII型形状のカー
ドを製作するとして、固定信号の記録領域長を5cmに
設定し、仮に1bitあたり1mm長の固定信号を形成
するとすれば、全域で50bit、単純計算上では250
個もの異なる固有信号を形成することが可能である。さ
らに複数の固定信号記録トラック領域を設けて併用すれ
ば、殆んど無限の固有信号に対応することができる。本
発明による磁気カードが有する固有信号は、高密度の書
き換え不能固定磁気信号であるため、これを複製しよう
とすれば、同様の本格的製造工程および装置が不可欠で
ある。しかも該固有信号の隠匿方法を工夫し、例えば隠
蔽層の形成や、通常の磁気記録法によるダミー信号の重
畳等を行なえば容易に見破られず、仮に使用済みか購入
済のカードを詳査して、該カードの固有信号を知り得て
それを複製できたとしても、1枚限りの限定使用途にお
いては何等の意味もなく全く経済的に合わない理屈とな
る。
【0008】
【発明の実施の形態】次に添付図に沿って、実施の形態
を詳細に説明する。図1は本発明による磁気塗料コーテ
ィング装置の各部配置の概要である。1は支持基体の巻
出し部、2は剥離性支持基体、3は磁気塗料コーティン
グヘッド部装置、4は磁気塗料、5は磁気塗料磁化装
置、6は配向装置、7は乾燥炉、8は塗布済ロールの巻
取部である。支持基体フィルム2は、向かって左から右
方向に順に、巻出し部1をスタートし、磁気塗料コーテ
ィング部装置3で磁気塗料4をコーティングされ、磁気
塗料磁化装置5、配向装置6、乾燥炉7を経て巻取部8
に巻き取られる。
【0009】図2は、本発明による磁気記録媒体の塗膜
の形成過程における磁気塗料中の磁性粒子の状態変化を
工程毎に示した概要図である。フェーズ1は、磁気塗料
4が支持基体2にコーティングヘッド部装置3によっ
て、例えば100μm程度の厚さで塗工された状態であ
る。この状態では磁性粒子4A(磁化容易軸を長線で表
示)は磁気塗料ベヒクル4Bの中にランダムな状態で均
一に浮遊存在しているものと考えられる。フェーズ2は
磁化装置5によって基体の上下方向に磁化作用が加えら
れ、その吸引/解除の作用によって、塗膜中に磁性粒子
の疎/密が発生した状態を表している。フェーズ3は、
配向装置6によって上下方向に向いていた該磁性粒子の
磁化容易軸が塗布走行方向に配向される状態をあらわし
ている。フェーズ4は、乾燥炉7によって磁気塗料中の
溶剤が蒸発させられ、同時に厚さが15μm程度に縮小
し、磁性粒子の疎密が塗膜中に固定される状態を表して
いる。剥離性支持基体2の最もシンプルな構成は、厚さ
22μm程度の透明ポリエステルフィルムに硬化型シリ
コーン等によって剥離処理を施し、次いでその上部に保
護コート層を形成したものであるが、もっと複雑な金属
隠蔽層を介在した着色層や予め別の磁気記録層を形成済
のものの他、公知の剥離磁気転写箔に用いられるもので
あれば何でも良い。ただ下層が積層系で厚くなる場合
は、コーティングする磁気塗料の溶剤が下層にしみこ
み、該塗料の粘性が増し、磁性粒子の移動性が損われな
いよう工夫する。
【0010】磁気塗料コーティングヘッド部装置3は、
塗布方式として通常グラビヤコート、リバースロールコ
ート、ナイフコート、ワイヤバーコート、ノズルコー
ト、ホッパーコート等様々あるが磁気記録に供しうる均
一平滑な塗布面が得られる方式であれば何でも良い。磁
気塗料4は、γ−Fe23 、Fe34 、Co−フェ
ライト、Ba−フェライト、鉄、センダスト等の磁性粒
子を含む、通常の塗布型磁気記録媒体の製造に供せられ
る磁気塗料であれば何でも良いが、コーティングに必要
な流動性を保持している他、塗料中を磁性粒子が自由に
移動できるよう塗料粘度および磁性粒子の体積濃度は概
して低めとすることが望ましい。配向装置6には、通常
対抗磁石やヘルムホルツコイルが用いられるがいずれで
も良い。ただ配向磁界の反転の存在が磁性粒子に与える
影響を考慮すると後者のほうがやや特性に有利であると
考えられる。
【0011】図3は、本発明による塗膜の磁化装置5の
最も単純な構成の概要図である。磁化装置は軟磁性体か
らなる棒状のコア5Aとコイル5Bとより成る。5Cは
コアに電流を流した時に発生する磁界を表す。コア5A
の材質は一般のコアに用いられる純鉄、パーマロイ、セ
ンダスト等の材料であれば何でも良い。磁化装置は、要
するに塗膜の上下方向の磁化力を増すような方式、例え
ば図4のように、塗膜基体を挟んで同形状のヨーク5A
および5Dを対向させる方法や、基体幅の狭い場合に
は、ギャップによって塗膜基体を挟んだリング様式の電
磁石でも可能である。コアの塗膜面に近接する部分の形
状は、ほぼ長方形で、幅は形成する固定磁気記録層のト
ラック幅と等しく、長さは所望する固定磁気記録パター
ンの記録密度が得られるよう適切に設計される。コイル
に信号電流が流れると、電磁石コアの先端に磁極が発生
し、塗膜中の磁性粒子は吸引せき止められるため、下部
を離走する塗膜には磁性粒子の少ない[疎]が発生す
る。逆にコイルの電流が切られると吸引が解除され、そ
れまで磁極に保持されていた磁性粒子が開放されて粒子
存在の[密]が塗膜に発生する。こうしてコイルに流れ
るパルス信号に対応した[疎]/[密]のパターンが形
成されることになる。したがって、[疎]/[密]の解
像度を高めるためには、磁極に磁性粒子を引きつける吸
引力を強め、該粒子の移動を容易にする塗料の粘性抵抗
を小さくすることが望ましい。信号電流は、全域にわた
って、一定間隔毎異なる所望の信号となるようコンピュ
ーター制御によって発信する。
【0012】図5は、このようにして製作せられた剥離
転写箔型磁気記録媒体原反の最もシンプルな構成の一例
である。2は剥離性基体、20はベースフィルム、21
は剥離剤層、22は保護コート層、30は磁気記録層、
40は感熱接着剤層、50はマーキングを表している。
前述したように、もっと複雑な構成の隠蔽層や着色カラ
ー層あるいは他の磁気記録層を含む積層系のものでも基
本的には同様である。磁気記録層30には、近接した塗
料磁化装置の電磁石によって形成された固定信号パター
ン領域30Aと、影響を受けなかった通常の非固定磁気
記録領域30Bとがストライプ状に共存している。した
がって、原反から切出すテープ幅を調整すれば、固定信
号パターン領域30Aのみから成る剥離転写箔型磁気テ
ープ片と、固定信号パターン領域30Aおよび非固定磁
気信号領域30Bを合せもつ一体型剥離転写箔型磁気テ
ープ片とを任意に製作することが可能である。感熱接着
剤層40は、磁気記録層と被貼着基材とを所定の温度で
結合し、テープ製作時および保存中に粘着化しない安定
なものであれば何でも良い。マーキング50は、該テー
プに形成されている異なる固定信号区間を識別できるよ
う表示したものである。方法は、固定信号電流と塗布ス
ピードに同期したタイミングマーカーやインキジェット
プリンターを使って、磁気記録層への悪影響のないよう
ベースフィルム裏面に形成する。
【0013】図6はこのテープ片を、マーキング表示を
基準に、別の塩化ビニル製の基体60に加熱反転転着プ
レスして磁気カードを製作する概略図である。この場
合、固定信号領域と非固定信号領域とを併設するのであ
れば前述した一体型の磁気転写箔テープ片を使って一工
程で、また固定信号領域と非固定信号領域とを分離した
り、異なる特性のもので形成する必要がある場合は、固
定信号のみの磁気転写箔テープ片を貼着する。磁気カー
ドの製法は通常公知の方式がそのまま流用できる。
【0014】このようにして作成された磁気カードの固
定磁気信号読み取りは、信号の形態が磁気バーコードに
似ていることからその読み取りの方法がそのまま利用で
きる。すなわち図7のように、該固定信号トラック部に
通常のリング再生ヘッド70を接触させカードを走行さ
せる。この時固定信号を形成する磁性粒子の保磁力が小
さく、直流磁場を与えても密部のエッジに磁極が発生し
ないか小さい場合は、リングヘッドのバイアスコイル7
0Aに固定磁気信号を飽和磁化できるような直流バイア
ス電流をかけながら再生コイル70Bで読み取る。また
図8のように、磁性粒子が高保磁力を有する場合は、上
記の方法の他、予め永久磁石70Cを近接にせしめ、該
固定信号の疎密のエッジに磁極を発生させた後読み取る
ことが可能である。
【0015】図9は、磁化装置のコイルに流す信号電流
と、形成される塗膜の疎密および再生出力の相関関係の
一例である。解りやすい例として、コイルに流す電流に
RZ(リターンゼロ)方式の直流パルス電流を掲げてあ
る。この時単位時間あたり1個のパルスを0に2個のパ
ルスを1に対応させる。磁極の発生に伴う吸引作用時に
磁性粒子の[疎]が、磁極の消滅に応じて[密]が発生
する。再生出力は塗膜の[密]パターンのエッジ部で生
じることになる。以上はコイルの磁化信号電流波形がR
Z型の直流信号である場合を説明したが、FM型の信号
波形であっても同様の結果が得られる。
【0016】図10は、本発明になる磁気カード100
の利用システムの一例である。該カードの発行時に、通
常の非固定磁気記録領域110に書込まれた情報と、固
定磁気記録領域120に記録された固有信号と、利用者
の暗証番号とを予めコンピューター140にデータベー
ス140Aとして登録しておく。該磁気カードの使用
時、非固定磁気記録領域の再生ヘッド110Aと読取り
回路110Bで読取った非固定情報と固定磁気記録領域
の再生ヘッド120Aと読取り回路120Bで読取った
固有信号と、キーボード130および読取り回路130
Bから入力される暗証番号とをデータベースに問い合
せ、それらの照合一致時にのみ使用可とするようなセキ
ュリティシステムを構築すれば、容易に1枚限りの限定
使用の環境を整えることができ、カードシステムの安全
度を飛躍的に向上させることが可能となる。
【0017】
【発明の効果】本発明によって製作できる、書き換え不
能な固有磁気記録パターンを有する磁気記録媒体は、前
記した製造方法によって、磁気塗料中の磁性材料の形状
性質を問わず、あるいは単層、積層系を問わず、独立任
意に固有信号のパターンと該信号トラック領域位置を設
定し製作し得るため、単純安価なものから、様々の組合
わせによる複雑高価なものまで広く対応することが可能
である。本発明による磁気カードは、1枚毎に異なる書
き換え不能の固有信号パターンを有するため、同種の他
のカードを一切流用できずしかも容易には複製不能であ
る。これまで暗証番号だけにたよってきたキャッシュカ
ードのような、重度に機密度を要求されるセキュリティ
システムも、該カードを使用することによって飛躍的に
安全性を高めることができる。また、製造装置およびカ
ードの使用デバイスは概ね従来の装置をそのまま流用で
きるため、本発明品の量産化および利用への投資額は極
めて小額で済むと考えられることも特筆できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による磁気塗料コーティング装置
の各部配置の概要図である。
【図2】図2は、本発明による磁気記録媒体の塗膜の形
成過程における磁気塗料中の磁性粒子の状態変化を工程
毎に示した概要図である。
【図3】図3は、本発明による塗膜の磁化装置の最も単
純な構成の概要図である。
【図4】図4は、本発明による塗膜の他の磁化装置の例
を示す概要図である。
【図5】図5は、本発明の剥離転写箔型磁気記録媒体原
反の最も単純な構成の一例である。
【図6】図6は本発明の剥離転写箔型磁気記録テープ片
を、マーキング表示を基準に、別の塩化ビニル製の基体
に加熱反転転着プレスして磁気カードを製作する概略図
である。
【図7】図7は固定信号トラック部に通常のリング再生
ヘッドを接触させカードを走行させる読み取り方法を示
す概略図である。
【図8】図8は、磁性粒子が高保磁力を有する場合の他
の読み取り方法を示す概略図である。
【図9】図9は、磁化装置のコイルに流す信号電流と、
形成される塗膜の疎密および再生出力の相関関係の一例
を示す図である。
【図10】図10は、本発明になる磁気カードの利用シ
ステムの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 巻出し部 2 剥離性支持基体 3 コーティングヘッド部装置 4 磁気塗料 4A 磁性粒子 4B ベヒクル 5 磁化装置 5A、5D 磁気コア 5B コイル 5C 磁界 6 配向装置 7 乾燥炉 8 巻取部 20 ベースフィルム 21 剥離剤層 22 保護コート層 30 磁気記録層 30A 固定信号磁気記録領域 30B 非固定磁気記録信号 40 感熱接着増 50 識別マーク(マーキング部)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剥離性支持基体上に積層形成される転写
    箔型磁気記録媒体において、コーティングされた磁気塗
    料が未乾燥の状態で、塗膜面の幅方向任意の位置および
    幅で単数または複数の電磁石を近接し、該塗膜の上下方
    向に磁化信号を与え、その吸引と解除の効果によって該
    塗膜中の磁性粒子に存在量の疎密を生ぜしめ、次いで通
    常の配向処理を施して該磁性粒子の磁化容易軸を塗工方
    向に向けさせた後、乾燥固定することによって製作さ
    れ、しかる後テープ、シートまたはテープ片の形状に裁
    断してなる、一定間隔毎に繰り返される識別用マークの
    間に、全域に渡って異なる書き換え不能の固定磁気信号
    パターンを有することを特徴とする剥離転写箔型磁気記
    録媒体。
  2. 【請求項2】 剥離性支持基体上に積層形成される転写
    箔型磁気記録媒体において、コーティングされた磁気塗
    料が未乾燥の状態で、塗膜面の幅方向任意の位置および
    幅で単数または複数の電磁石を近接し、該塗膜の上下方
    向に磁化信号を与え、その吸引と解除の効果によって該
    塗膜中の磁性粒子に存在量の疎密を生ぜしめ、次いで通
    常の配向処理を施して該磁性粒子の磁化容易軸を塗工方
    向に向けさせた後、乾燥固定することによって製作さ
    れ、しかる後テープ、シートまたはテープ片の形状に裁
    断してなる、一定間隔毎に繰り返される識別用マークの
    間に、全域に渡って異なる書き換え不能の固定磁気信号
    パターン領域と非固定磁気記録領域とを合せもつ一体型
    剥離転写箔型磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記請求項1または2により製作せられ
    た剥離転写箔型磁気記録媒体を、異なる固定信号毎、別
    に設けられた基体上に剥離転写してなる、書き換え不能
    の固定磁気信号パターン領域と通常の非固定磁気記録領
    域を有する磁気記録媒体。
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