JPH10143849A - 情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体

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JPH10143849A
JPH10143849A JP8307480A JP30748096A JPH10143849A JP H10143849 A JPH10143849 A JP H10143849A JP 8307480 A JP8307480 A JP 8307480A JP 30748096 A JP30748096 A JP 30748096A JP H10143849 A JPH10143849 A JP H10143849A
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JP
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recording medium
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JP8307480A
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English (en)
Inventor
Osamu Nakamura
修 中村
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偽造防止ができ、かつ、使用済後の不正な再
使用が防止でき、高密度の記録が可能な情報記録媒体を
提供する。 【解決手段】 基板の上に形成された情報記録部は、硬
磁性層上に軟磁性層が積層された磁性層を備えるもので
あり、軟磁性層に磁気ヘッドの走査方向に沿って配列さ
れた複数の微細な凹凸からなる固定磁気情報を記録し、
この固定磁気情報と同一の可変磁気情報を磁性層を構成
する硬磁性層に同期させて記録して情報記録媒体とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカード等の基板の上
に、偽造防止のために形成された情報記録部を備える情
報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、プリペイドカード等
のカードの偽造防止のために、磁性層からなる情報記録
部に高い記録密度で情報を書込み、外部から簡単には記
録情報を読み出せないようにしている。
【0003】しかしながら、磁性層の特性上、記録され
た情報の書き換え、消去が自在であるため、偽造、変造
が可能であり、近年、大きな社会問題としてクローズア
ップされている。特に、現在は磁気ストライプの入手が
容易であるため、類似のカードを製造することも可能で
あり、さらに、情報記録媒体の表面に露出している磁性
層から磁気情報を読み取ったり、磁気転写技術により磁
気情報を他の磁性層に移すことが容易にできてしまうと
いう問題もある。
【0004】このような問題を解決するために、情報記
録部を構成する磁性層を比較的高い保磁力の磁性材料を
含む層、低保磁力の磁性材料を含む層とで構成した情報
記録媒体が開発されている。この情報記録媒体は、保磁
力の比較的高い磁性材料を含む磁性層に記録する情報
と、低保磁力の磁性材料を含む磁性層に記録する情報と
を異なるものとし、通常の読み取りでは磁気情報を正確
に読み取れないようにしたものである。
【0005】しかしながら、上記のような情報記録媒体
は、市販されている磁気記録装置を用いることによって
通常の環境下での磁気情報の読み取りが可能である。こ
こで、通常の環境下とは、特に温度、湿度等に変化を加
えない環境を意味する。さらに、上記の保磁力が比較的
高い磁性材料を含む磁性層は、通常の環境下で磁気ヘッ
ドによる消去・書き換えが特定の装置を用いることによ
り可能であるため、この保磁力の比較的高い磁性材料を
含む磁性層に磁気情報を記録しても、偽造、変造を有効
に防止できないという問題があった。
【0006】また、残高情報等の可変磁気情報は、通常
の磁気記録が可能な低保磁力の磁性材料からなる層には
偽造防止の観点から記録することができず、一方、端末
機側に可変磁気情報を記憶させることも可能であるが、
端末機側の負担が大きく実用的ではない。
【0007】そこで、プリペイドカード等の情報記録媒
体の偽造防止のために、情報記録媒体上に所定の磁気パ
ターンを予め形成することが行われている。これは、予
め形成された磁気パターンを使用時に読み取り、所定の
磁気出力信号が得られるか否かを判定することによりカ
ードの真偽を決定するものである。
【0008】このような磁気パターンの読み取りには、
通常、2つのコイルを巻いた磁気ヘッドが用いられ、こ
の磁気ヘッドの一方のコイルには定電流を流し、磁気ヘ
ッドが磁気パターンを走査したときに誘起される誘導電
流または電圧を他方のコイルで検出する。誘導される電
流は、磁気ヘッドの磁束の変化に応じて発生する。
【0009】一方、磁気パターンを構成する材料として
は、例えば、強磁性体が用いられ、また、磁気パターン
の形状は種々のものが考えられるが、いわゆるバーコー
ド状のパターンが一般的に用いられる。この磁気パター
ンは、パターン要素である複数の磁気バーがその横幅方
向に配列されて構成されており、磁気パターンを構成す
る個々の磁気バーの横幅は、1種類または2種類以上か
らなる。
【0010】そして、バーコード状の磁気パターンは、
上述のような磁気ヘッドを密着して一定の速度で走査す
ることにより磁気出力信号が得られる。
【0011】上記のような磁気パターンを形成する方法
としては、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラ
ビア印刷法等を用いることができる。これらの印刷法
は、製造コストの面で有利である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、印刷法
によるパターン形成には印刷法の特性に起因して次のよ
うな問題がある。
【0013】例えば、スクリーン印刷法では、スクリー
ンメッシュのメッシュ数や線径が無視できないために、
印刷線幅そのものを小さくすることに物理的限界があ
り、記録密度の向上が図れないという不都合がある。ま
た、記録密度を上げようとすればする程、インキの転移
が不安定になり、さらにインキのレベリング等によって
印刷形状は不均一となり(また、横幅の増加に伴い印刷
膜厚が増加する傾向にある)、磁気出力及び波形の点で
も不安定となり、正確な情報を得ることが困難になると
いう不都合がある。さらに、スクリーン版と同一のパタ
ーンを複製することになるので、情報記録媒体に対して
一定の情報しか与えられず、情報記録媒体毎に異なった
情報を与えることができないという問題がある。
【0014】本発明は、このような実情に鑑みて創案さ
れたものであり、偽造防止ができ、かつ、使用済後の不
正な再使用が防止でき、高密度の記録が可能な情報記録
媒体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の情報記録媒体は、基板と、該基板上
に形成された情報記録部とを備える情報記録媒体であっ
て、前記情報記録部は、硬磁性層上に軟磁性層が積層さ
れた磁性層を備えており、前記軟磁性層の表面には磁気
ヘッドの走査方向に沿って配列された複数の微細な凹凸
からなる固定磁気情報が記録されているとともに、該固
定磁気情報と同一の可変磁気情報が同期されて前記硬磁
性層に記録されているような構成とした。
【0016】上述のような本発明では、軟磁性層に磁気
ヘッドの走査方向に沿って配列された複数の微細な凹凸
からなる固定磁気情報が記録され、この固定磁気情報と
同一の可変磁気情報が磁性層を構成する硬磁性層に同期
されて記録されているので、情報記録部上に磁気ヘッド
を走査したときに固定磁気情報からの磁気出力と可変磁
気情報からの磁気出力とが合わさった磁気出力の重畳情
報が得られ、硬磁性層に記録されている可変磁気情報を
消去すると、その消去領域では固定磁気情報からの磁気
出力のみとなって出力低下が生じ、消去領域が容易に認
識でき、一方、硬磁性層に固定磁気情報と同一の可変磁
気情報を記録しようとしても、記録する際の情報記録媒
体の搬送状態のわずかな変動で固定磁気情報と可変磁気
情報との間に干渉が起こり、上記の重畳情報の出力レベ
ルと相違を生じたり情報の内容変化が生じる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。
【0018】図1は本発明の一実施形態を説明するため
のカード状の情報記録媒体の斜視図である。図2は、図
1のA−A断面矢視図であって、本発明の理解を容易に
するために断面状態を模式的かつ簡略に描いたものであ
る。
【0019】本発明の情報記録媒体1は、基板2と、こ
の基板2の上に形成された情報記録部3とを備えてい
る。
【0020】本発明の情報記録媒体1を構成する基板2
は、基板として要求される耐熱性、強度、剛性等を考慮
して、ナイロン、セルロースジアセテート、セルロース
トリアセテート、塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、ポ
リカーボネート等の樹脂、生分解性樹脂、銅、アルミニ
ウム等の金属、紙、含浸紙等の材料の中から適宜選択し
た材料の単独あるいは組み合わせた複合体により構成す
ることができる。このような基板2の厚さは、0.00
5mm〜5mm程度とすることができる。
【0021】情報記録部3は、図2に示されるように、
基板2上に形成された硬磁性層5と、この硬磁性層5上
に形成された軟磁性層7とからなる磁性層4を備えてお
り、軟磁性層7の表面には、磁気ヘッドの走査方向に沿
って配列された複数の微細な凹凸7aが形成されてお
り、これにより、磁性層4には固定磁気情報が記録され
ている。さらに、硬磁性層5には、上記の固定磁気情報
と同一の可変磁気情報が同期させて記録されている。
【0022】上記のように、軟磁性層7に記録された固
定磁気情報を構成する微細な凹凸7aは、図2の紙面奥
行き方向に所定の長さをもっている(このことは図1を
見れば容易に理解できる)。この凹凸7aは、凹部の深
さ(凸部の高さ)が同一で、その横幅(磁気ヘッドの走
査方向の幅)の種類として、少なくとも異なる2種類以
上の横幅を備えて構成され、凹凸7aの横幅の違いによ
る読み取り出力の波形の差異を、0,1のディジタル信
号値にデータ判別できるようになっている。例えば、図
3に示されるように、1は1ビットの中に凹部と凸部と
が1組等間隔で入るようにし、0は1ビットの中に1の
場合の2倍の幅の凹部あるいは凸部が入るようにするこ
とができ、この場合、磁気再生波形は図示のようにな
る。
【0023】このような凹凸7aの凹部の深さ(凸部の
高さ)は2〜30μm、好ましくは5〜20μm程度、
その横幅は30μm〜1mm程度の範囲で設定すること
ができる。また、後述するように、真空蒸着法、スパッ
タリング法、メッキ法により軟磁性層7を形成する場
合、凹凸7aの凹部の深さ(凸部の高さ)は100〜1
000Å、好ましくは400〜600Å程度とする。
尚、上述の実施形態では、凹凸7aの横幅が2種類であ
る場合を例示しているが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、凹凸7aの横幅が3種類以上であってもよ
い。
【0024】磁性層4を構成する硬磁性層5は、通常、
硬磁性粉末と樹脂バインダを含有する。硬磁性粉末とし
ては、例えば、γ−Fe23 、Co被着γ−Fe2
3 、Fe34 、Fe、Fe−Cr、Fe−Co、Co
−Cr、Co−Ni、Baフェライト、Srフェライ
ト、CrO2 等の磁性微粒子が挙げられる。
【0025】また、磁性層4を構成する軟磁性層7は、
磁性塗料を塗布する方法により形成した場合には、通
常、軟磁性粉末と樹脂バインダを含有する。軟磁性粉末
としては、Al、Si、Fe等からなる磁性合金材料、
パーマロイ、センダスト、Fe等の金属高透磁率材料、
Mn−Znフェライト、Co−Znフェライト、Ni−
Znフェライト等のフェライト、金属アモルファス材料
等を挙げることができる。
【0026】上記の硬磁性粉末あるいは軟磁性粉末が分
散される樹脂バインダ(あるいはインキビヒクル)とし
ては、ブチラール樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース
樹脂、アクリル樹脂、スチレン/マレイン酸共重合体樹
脂等が用いられ、必要に応じてニトリルゴム等のゴム系
樹脂あるいはウレタンエラストマー等が添加される。ま
た、耐熱性を考慮して、ポリアミド、ポリイミド、ポリ
エーテルサルホン等のガラス転移温度(Tg)の高い樹
脂、あるいは硬化反応によりTgが上昇する系を用いる
ことができる。上記のような樹脂あるいはインキビヒク
ル中に磁性粒子が分散されてなる分散物中に、必要に応
じて界面活性剤、シランカップリング剤、可塑剤、ワッ
クス、シリコーンオイル、カーボン等の顔料を添加して
もよい。
【0027】また、磁性層4を構成する硬磁性層5や軟
磁性層7は、上記の硬磁性材料、軟磁性材料そのものを
用いて、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法等に
より形成することもできる。
【0028】ここで、軟磁性層は、再生バイアス電流が
かけられた読取用の磁気ヘッドに発生する磁界によっ
て、その磁化方向が反転するものであり、硬磁性層は、
発生する磁界によって、その磁化方向が反転しないもの
である。一般に、磁性層の磁化方向を反転させるために
は、磁性層の保磁力(抗磁力)の約3倍の外部磁界をか
ける必要がある。したがって、本発明において軟磁性層
の保磁力は、硬磁性層の保磁力よりも小さいものであ
る。例えば、バイアス磁界として、30[Oe]の強さ
の磁界を発生する磁気ヘッドに対して、軟磁性層として
保磁力10[Oe]以下の磁性層、硬磁性層として保磁
力100[Oe]以上の磁性層が好ましい。
【0029】尚、上述の情報記録媒体1は、固定磁気情
報を構成する凹凸7aのパターンの認識を困難にさせる
ための隠蔽層や保護・装飾効果を上げるための保護層
(絵柄も含む)を軟磁性層7上に備えるものであっても
よい。このような隠蔽層や保護層は、エチルセルロー
ス、硝酸セルロース、エチルヒドロキシエチルセルロー
ス、セルロースアセテートプロピオネート、酢酸セルロ
ース等のセルロース誘導体;ポリスチレン、ポリ−α−
メチルスチレン等のスチレン樹脂、あるいはスチレン共
重合樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸
エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル
等のアクリル樹脂またはメタクリル樹脂の単独あるいは
共重合樹脂;ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジ
ン変性フェノール樹脂、重合ロジン等のロジンエステル
樹脂;ポリ酢酸ビニル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトル
エン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ブチラール樹脂等のバインダーに、着色す
べき色に応じて各種の顔料を添加し、必要に応じて磁気
ヘッドのクリーニング効果をもたせるような酸化チタ
ン、アルミナ粉末、マイクロシリカ等を添加し、さらに
必要に応じて、可塑剤、安定剤、ワックス、グリース、
乾燥剤、乾燥補助剤、硬化剤、増粘剤、分散剤を添加し
た後、溶剤あるいは希釈剤で充分に混練してなる着色塗
料あるいはインキを用いて、通常のグラビア法、ロール
法、ナイフエッジ法、オフセット法等の塗布方法あるい
は印刷方法により形成することができる。
【0030】ここで、本実施形態である情報記録媒体1
の製造方法について、図4に基づいて説明する。
【0031】まず、基板2上に硬磁性層5を形成する
(図4(A))。この硬磁性層5は、上述したように予
め調合された磁性塗料をスクリーン印刷法、グラビア印
刷法、ロールコート法、ナイフエッジコート法等の公知
の塗布方法により形成してもよく、磁性材料そのものを
用いて、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法等に
より形成することもできる。そして、硬磁性層5は情報
記録部3を作るのに必要な部分のみではなく、後述する
方法により、可変磁気情報を硬磁性層5へ記録する際の
暫定トラックが形成できるような領域を有するものであ
る。
【0032】次に、硬磁性層5上に軟磁性層7´を形成
する(図4(B))。この軟磁性層7´は、上述したよ
うに予め調合された磁性塗料をスクリーン印刷法、グラ
ビア印刷法、ロールコート法、ナイフエッジコート法等
の公知の塗布方法により形成してもよく、磁性材料その
ものを用いて、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ
法等により形成することもできる。このような軟磁性層
7´は、基板2の全面に形成してもよいが、一般的には
経済性を考慮して、情報記録部3を作るのに必要な部分
のみに形成される。
【0033】次いで、このように形成された軟磁性層7
´の所定領域に、微小凹凸7aを形成する(図4
(C))。このような微小な凹凸7aは、例えば、凹部
形成の対応位置にレーザー光を照射する方法や、電子線
を照射する方法、放電による破壊、ルーチング(彫刻)
加工等が挙げられる。
【0034】レーザー光を用いる場合には、基板2の材
料物性や、除去すべき線幅等を考慮しつつ、用いるレー
ザーの種類、レーザー波長、レーザーパワー等を適宜設
定すればよい。
【0035】気体レーザーとしては、He−Neレーザ
ー、He−Cdレーザー、アルゴンレーザー(0.48
8μm連続発振,0.1〜20W)等の稀ガスイオンレ
ーザー;炭酸ガスレーザー(10.6μm連続発振,1
W〜10kW);金属蒸気レーザー等を使用することが
できる。また、固体レーザーとしては、ルビーレーザー
(0.6943μmパルス発振,10〜1000J)、
Ndガラスレーザー(1.06μmパルス発振,10〜
1000J)、Nd:YAGレーザー等のパルス励起固
体レーザー;あるいはルビーレーザー、Ndガラスレー
ザー、Nd:YAGレーザー(1.06μm連続発振,
1〜200W)、Nd:YAlO3 レーザー等の連続励
起固体レーザー等を使用することができる。また、液体
レーザーとしては、色素レーザー、ラマンレーザー、キ
レートレーザー、Nd3+液体レーザー等を使用すること
ができ、半導体レーザーとしては、GaAsダイオード
レーザー等を使用することができる。
【0036】これらの中でも特に、波長10.6μmの
CO2 ガスレーザー(出力0.5W〜20W)、波長
0.488μm(または0.5145μm)のArガス
レーザー(出力0.5W〜20W)、波長1.06μm
のNd:YAGレーザー(出力0.5W〜20W)が好
適例として挙げられる。尚、レーザーの出力が大きくな
り過ぎると、高温による基板の損傷により凹凸パターン
の精度不良がおこり、この一方で出力が小さ過ぎると、
十分な凹凸パターンの形成ができない。
【0037】この微小凹凸7aの形成により、軟磁性層
7´は固定磁気情報が記録された軟磁性層7となる。こ
のような方法により、固定磁気情報が記録されるので、
不変記録としての磁気情報は、個々の情報記録媒体毎に
個別のデータとすることができる。
【0038】その後、硬磁性層5に後述する記録方法に
より、軟磁性層7に記録された固定磁気情報と同一の可
変磁気情報を同期させて記録して情報記録部3とし、図
1および図2に示されるような情報記録媒体1を作製す
る。
【0039】次に、上述のような本発明の情報記録媒体
1において、固定磁気情報と同一の可変磁気情報を硬磁
性層に同期させて記録する方法について説明する。
【0040】図5は、図4に示されるように製造された
情報記録媒体1であって、可変磁気情報が記録される前
の状態を示すものである。この状態では、軟磁性層7の
表面に形成された微小な凹凸7aにより固定磁気情報が
既に記録されている。この状態の情報記録媒体1に対し
て、図6に示されるように、情報記録部3上を所定の再
生バイアス電流をかけながら矢印方向に読取用の磁気ヘ
ッドH1を走査させ、凹凸7aからなる固定磁気情報を
読み取り、これと同時に、情報記録媒体1の情報記録部
3以外の領域であって硬磁性層5が形成されている領域
に、書込用の磁気ヘッドH2を矢印方向に走査させて、
磁気ヘッドH1が読み取った固定磁気情報と同一の磁気
情報を硬磁性層5に記録して暫定トラックTを形成す
る。この場合、磁気ヘッドH1と磁気ヘッドH2は一体
として走査され、情報記録部3と平行に暫定トラックT
が形成される。
【0041】次に、図7に示されるように、暫定トラッ
クT上を読取用の磁気ヘッドH4を矢印方向に走査させ
て、暫定トラックに記録されている磁気情報を読み取
り、これと同時に、情報記録部3上を矢印方向に書込用
の磁気ヘッドH3を走査させ、磁気ヘッドH4が読み取
った磁気情報をそのまま硬磁性層5に記録する。この場
合、磁気ヘッドH3と磁気ヘッドH4は一体として走査
される。その後、図8に示されるように、消去用の磁気
ヘッドH5により暫定トラックTに記録された磁気情報
を消去する。
【0042】以上の操作により、情報記録部3の硬磁性
層5には、凹凸7aによる固定磁気情報と同一の可変磁
気情報が同期されて記録され、図2に示されるような本
発明の情報記録媒体1が得られる。
【0043】尚、上記の可変磁気情報の記録において、
磁気ヘッドH1として読取と書込両用の磁気ヘッドを使
用する場合、磁気ヘッドH3の代わりに磁気ヘッドH1
を使用するとともに、磁気ヘッドH2として読取と書込
両用の磁気ヘッドを使用し、磁気ヘッドH4の代わりに
磁気ヘッドH2を使用する。
【0044】尚、上述のような本発明の情報記録媒体で
は、微小凹凸による固定磁気情報およびこれと同一の可
変磁気情報とは別に、通常の書き換え可能な磁気情報の
記録を、硬磁性層の別のトラックに行ってもよい。
【0045】次に、本発明の情報記録媒体の磁気情報の
読み取りについて説明する。
【0046】図2に示される情報記録媒体1の情報記録
部3上を、所定の再生バイアス電流をかけながら矢印方
向に読取用の磁気ヘッドを走査させると、図9の(A)
に示されるような磁気信号が検出される。この磁気信号
は、凹凸7aによる固定磁気情報からの磁気出力と、硬
磁性層5に同期されて記録された可変磁気情報からの磁
気出力の合わさった重畳情報であり、その出力Aは両磁
気情報の磁気出力の和として検出される。これは、上述
のようにして硬磁性層5に固定磁気情報と同一の可変磁
気情報が同期され記録されているためである。
【0047】次に、図2に示される情報記録媒体1の情
報記録部3上を、消去用の磁気ヘッドを走査させて消去
を行うと、硬磁性層5に記録されていた可変磁気情報は
消去される。その後、上記と同様に、情報記録部3上
を、所定の再生バイアス電流をかけながら矢印方向に読
取用の磁気ヘッドを走査させると、図9の(B)に示さ
れるような磁気信号が検出される。この磁気信号の出力
Bは、凹凸7aによる固定磁気情報からの磁気出力のみ
である。このため、硬磁性層5に記録された可変磁気情
報の消去前の出力Aに比べて、消去後の出力Bは小さい
ものとなる。
【0048】したがって、このような磁気情報の消去操
作前後に読み取った磁気情報の内容と出力を比較し、消
去操作後に同一でかつ出力の低い磁気情報が得られるこ
とを確認することにより、情報記録媒体の真偽の判定を
正確に行うことができる。この場合、硬磁性層5に記録
されている可変磁気情報の一部を消去するものであって
もよい。
【0049】また、本発明の情報記録媒体は、上述のよ
うに、硬磁性層5に記録されている可変磁気情報の一部
あるいは全部を消去した後に、消去領域の出力Bを消去
前の出力Aに戻すことは極めて困難である。これは、硬
磁性層5に固定磁気情報と同一の可変磁気情報を同期さ
せて記録しようとしても、記録する際の情報記録媒体1
の搬送状態のわずかな変動で固定磁気情報と可変磁気情
報との間に干渉が起こり、上記の重畳情報の磁気出力レ
ベルと相違を生じたり情報の内容変化が生じるためであ
る。したがって、使用が完了した後の本発明の情報記録
媒体を不正に再利用することは不可能となる。
【0050】
【実施例】次に、具体的な実施例を示して本発明をさら
に詳細に説明する。
【0051】まず、下記の組成の硬磁性層用の磁性塗料
Aと軟磁性層用の磁性塗料Bを準備した。
【0052】 磁性塗料Aの組成 ・Baフェライト粉体 … 41重量部 ・ポリウレタン樹脂 … 7重量部 ・メチルエチルケトン … 25重量部 ・トルエン … 25重量部 ・イソシアネート系硬化剤 … 2重量部 磁性塗料Bの組成 ・パーマロイ粉体 … 41重量部 ・ポリウレタン樹脂 … 7重量部 ・メチルエチルケトン … 25重量部 ・トルエン … 25重量部 ・イソシアネート系硬化剤 … 2重量部 次に、基板として厚み250μmのポリエチレンテレフ
タレート製のカード基板を準備し、このカード基板上
に、グラビアコートにより上記の磁性塗料Aを塗布して
厚み10μmの硬磁性層を形成し、その後、この硬磁性
層上にグラビアコートにより上記の磁性塗料Bを塗布し
て厚み10μmの軟磁性層を形成した。この磁性層の形
成では、対向磁石あるいは対向ソレノイドで磁気配向処
理を施してから乾燥・固化を行った。
【0053】次いで、軟磁性層の所定領域に、波長λ=
1.06μm、出力15WのNd:YAGレーザー光を
用いて微小な凹部を複数形成した。この凹部は磁気ヘッ
ド走査方向に沿って配列され、凹部の深さは約4μm、
凹部の幅(凹部間に生じる凸部の幅)は80μmで一定
とした。これにより、図2に示されるような層構成を有
する情報記録媒体を作製した。
【0054】さらに、凹凸を形成した軟磁性層上に下記
組成の隠蔽層用の塗料をグラビアコートにより塗布して
厚み3μmの隠蔽層を形成した。
【0055】 隠蔽層用の塗料の組成 ・アルミニウム粉体 …10.5重量部 ・酸化チタン粉体 …10.5重量部 ・ポリウレタン樹脂 … 4重量部 ・メチルエチルケトン … 50重量部 ・トルエン … 25重量部 次に、この情報記録媒体において、微小凹凸が形成され
ている領域(情報記録部)上をDC100mAの再生バ
イアス電流をかけながら読取用の磁気ヘッドを一定速度
で走査させ、軟磁性層の微小凹凸による固定磁気情報を
読み取り、同時に、上記磁気ヘッドと一体化させて所定
の間隔で配設した書込用の磁気ヘッドを情報記録部以外
の硬磁性層上に走査させ、硬磁性層に固定磁気情報と同
一の磁気情報を記録して暫定トラックを形成した(図6
に相当)。次いで、暫定トラック上を読取用ヘッドを走
査させ、暫定トラックに記録されている磁気情報を読み
取り、同時に、上記磁気ヘッドと一体化させて所定の間
隔で配設した書込用の磁気ヘッドを微小凹凸が形成され
ている領域上に走査させ、硬磁性層に固定磁気情報と同
一の可変磁気情報を同期させて記録した(図7に相
当)。その後、消去用の磁気ヘッドを用いて上記の暫定
トラックの磁気情報を消去して(図8に相当)、本発明
の情報記録媒体を得た。
【0056】上記のように作製した情報記録媒体の情報
記録部上をDC100mAの再生バイアス電流をかけな
がら読取用の磁気ヘッドを一定速度で走査させて読み取
りを行った結果、磁気出力9V(p−p)の再生波形が
得られた。その後、情報記録部上を消去用磁気ヘッドを
走査させ直流磁界をかけて消磁を行い、次いで、上記と
同様に読み取りを行った結果、上記の再生波形と同一の
波形で磁気出力4V(p−p)の再生波形が得られた。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば基
板の上に形成された情報記録部を、硬磁性層に軟磁性層
が積層された磁性層を備えたものとし、軟磁性層の表面
に磁気ヘッドの走査方向に沿って配列された複数の微細
な凹凸からなる固定磁気情報が記録され、この固定磁気
情報と同一の可変磁気情報が磁性層を構成する硬磁性層
に同期させて記録されたものであり、媒体毎に固有の情
報を容易に記録でき、情報記録部上に磁気ヘッドを走査
したときに固定磁気情報からの磁気出力と可変磁気情報
からの磁気出力とが合わさった磁気出力の重畳情報が得
られ、硬磁性層に記録されている可変磁気情報を消去す
ると、その消去領域では固定磁気情報からの磁気出力の
みとなって出力低下を生じ、消去領域が容易に認識で
き、未消去領域と消去領域との出力差を用いて、真偽の
判定と新たな情報の読み取りが可能となり、一方、不正
に硬磁性層に固定磁気情報と同一の可変磁気情報を同期
させて記録しようとしても、記録する際の情報記録媒体
の搬送状態のわずかな変動で固定磁気情報と可変磁気情
報との間に干渉が起こり、上記の重畳情報の出力レベル
と相違を生じたり情報の内容変化が生じるので、偽造防
止ができるとともに、使用済後の不正な再使用を防止で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を説明するためのカード状
の情報記録媒体の斜視図である。
【図2】図1のA−A断面矢視図である。
【図3】1,0のデジタル信号のフォーマット例を示す
図である。
【図4】図1に示される情報記録媒体の具体的製造方法
の一例を示す図である。
【図5】固定磁気情報と同一の可変磁気情報を同期させ
て硬磁性層に記録する前の状態を示す情報記録媒体の図
である。
【図6】固定磁気情報と同一の可変磁気情報を同期させ
て硬磁性層に記録する方法を説明するための図である。
【図7】固定磁気情報と同一の可変磁気情報を同期させ
て硬磁性層に記録する方法を説明するための図である。
【図8】固定磁気情報と同一の可変磁気情報を同期させ
て硬磁性層に記録する方法を説明するための図である。
【図9】本発明の情報記録媒体の再生波形出力を示す図
である。
【符号の説明】
1…情報記録媒体 2…基板 3…情報記録部 4…磁性層 5…硬磁性層 7…軟磁性層 7a…凹凸

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板上に形成された情報記録
    部とを備える情報記録媒体であって、 前記情報記録部は、硬磁性層上に軟磁性層が積層された
    磁性層を備えており、前記軟磁性層の表面には磁気ヘッ
    ドの走査方向に沿って配列された複数の微細な凹凸から
    なる固定磁気情報が記録されているとともに、該固定磁
    気情報と同一の可変磁気情報が同期されて前記硬磁性層
    に記録されていることを特徴とする情報記録媒体。
JP8307480A 1996-11-01 1996-11-01 情報記録媒体 Pending JPH10143849A (ja)

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