JPH10143850A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH10143850A
JPH10143850A JP8310044A JP31004496A JPH10143850A JP H10143850 A JPH10143850 A JP H10143850A JP 8310044 A JP8310044 A JP 8310044A JP 31004496 A JP31004496 A JP 31004496A JP H10143850 A JPH10143850 A JP H10143850A
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recording medium
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JP8310044A
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Osamu Nakamura
修 中村
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体の磁気トラック以外の非使用領
域の磁性層の再利用を防止すること、すなわち『切り貼
り』による変造を防止する。 【解決手段】 基板と、この基板の上に形成された磁性
層を備える磁気記録媒体であって、前記磁性層は、可逆
的な磁気情報の記録に用いられる磁気トラック部と、こ
の磁気トラック部以外の残部の磁性層部を備え、前記残
部の磁性層部は、物理的加工により形成された固定磁気
情報を備えるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体、特
に、プリペイドカード等の磁気カードに代表される磁気
記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より磁気カードの中には、カード状
の基板の片側面全体に磁性層を設け、この磁性層の一部
分を磁気トラックとして用いているものがある。
【0003】しかしながら、上記の構造からなる磁気カ
ードは、磁気トラック以外の非使用領域においてもまだ
磁気記録可能な磁性層が残っているために、この非使用
領域の磁性層を切り貼りしてカードが変造される恐れが
ある。
【0004】このようなカードの変造を防止するために
は、本来使用する磁気トラック以外の部分に磁性層を設
けなければよいわけであり、具体的改善策としてカー
ドに磁気ストライプを転写する方法や、部分的に磁気
層を形成する『ストライプコーティング』等の方法が採
択されている。また、使用する磁気トラック以外の部
分にパンチ穴を多数空けて、磁気層の存在しない部分を
形成し、そのパンチ穴の部分は磁気トラックとして流用
できなくするという方法も採られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の磁気ストライプをカードに転写して用いる方法は、極
めて製造コストが高く、プリペイドカードのように大量
に使用される製品については最適な解決手段とは言えな
い。
【0006】また、上記のごとく部分的に磁気層を形
成する『ストライプコーティング』の方法では、特殊な
コーティング装置が必要であり、さらにはコーティング
部と非コーティング部の境が磁気ストライプのようにシ
ャープにはならないため、その境界部における磁気的な
特性が十分でなくなる等の問題も生じ得る。
【0007】また、上記のパンチ穴を空ける方法で
は、無効になるのはパンチ穴のあるトラックだけであ
り、本来の目的を確実に達成しようとすれば、カードに
無数の穴を空ける必要がある。カードに無数の穴を空け
れば、外観上の美観を損ねるとともにデザイン上の制約
になるばかりでなく、カードの物理的強度を損ねてしま
うという不都合が生じる。
【0008】このような実状のもとに本発明は創案され
たものであって、その目的は、上記の問題点を解決し、
磁気記録媒体の磁気トラック以外の非使用領域の磁性層
の再利用を防止すること、すなわち『切り貼り』による
変造を防止することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、基板と、この基板の上に形成され
た磁性層を備える磁気記録媒体であって、前記磁性層
は、可逆的な磁気情報の記録に用いられる磁気トラック
部と、この磁気トラック部以外の残部の磁性層部を備
え、前記残部の磁性層部は、物理的加工により形成され
た固定磁気情報を備えるように構成される。
【0010】また、本発明は、基板と、この基板の上に
形成された少なくとも2層以上の磁性層を備える磁気記
録媒体であって、前記磁性層のうち少なくとも1層の磁
性層は、可逆的な磁気情報の記録に用いられる磁気トラ
ック部と、この磁気トラック部以外の残部の磁性層部を
備え、当該残部の磁性層部または、前記磁気トラック部
を外れる領域に相当する他の磁性層の磁性層部は、物理
的加工により形成された固定磁気情報を備えるように構
成される。
【0011】また、前記固定磁気情報は、凹凸部を備え
てなるように構成される。
【0012】また、前記固定磁気情報を形成させる物理
的加工は、レーザー光を照射することによりなされる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。図1および図2には、それぞれ本発
明の第1の実施の形態を説明するための図面が示されて
おり、図1は本発明の一例として示されたカード状の磁
気記録媒体の平面図、図2(a)および図2(b)は、
それぞれ、図1のA−A断面矢視図および図1のB−B
断面矢視図であり、発明の理解を容易にするために断面
状態を模式的かつ簡略に描いたものである。
【0014】本発明の磁気記録媒体1は、図2(a),
(b)に示されるように基板10と、この基板10の上
に形成された磁性層20とを備え、さらに好ましい態様
として磁性層20の上に隠蔽層40を備えている。な
お、図1においては、本発明の理解が容易になるように
隠蔽層40の記載を省略し、直接、磁性層20が見える
ように図示されている。
【0015】本発明の磁気記録媒体1を構成する基板1
0は、基板として要求される耐熱性、強度、剛性等を考
慮して、ナイロン、セルロースジアセテート、セルロー
ストリアセテート、塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、
ポリカーボネート等の樹脂、銅、アルミニウム等の金
属、紙、含浸紙等の材料の中から適宜選択した材料の単
独あるいは組み合わせた複合体により構成することがで
きる。また、いわゆる光分解性や生物分解性のプラスチ
ック材質のものを用いてもよい。このような基板10の
厚さは、0.005mm〜5mm程度とすることができ
る。
【0016】前記磁性層20は、図1および図2に示さ
れるように、可逆的な磁気情報の記録に用いられる磁気
トラック部21と、この磁気トラック部21以外の残部
の磁性層部23(以下、単に、『磁性層非使用領域2
3』と称す)を備え、この磁性層非使用領域23には、
物理的加工により凹凸部が形成されており、この凹凸部
のパターンが実質的に固定磁気情報として機能する。
【0017】図1に示される実施の態様において、磁性
層非使用領域23には、磁気ヘッドの走査方向に対して
略直角方向に配列されるとともに物理的加工により削ら
れた凹部形状のドット23aが複数形成される(図面
上、点線として表わされている)。この凹部形状のドッ
ト23aにより,図2(a)および(b)に示されるご
とく凹凸部24が形成され、この凹凸部24が上述した
ように固定磁気情報となっている。この固定磁気情報
は、後述するように変造を防止するに足る作用をすれば
十分であり、磁気信号として特に固有の情報とする必要
はない。つまり、固定磁気情報は、単に、部分的に磁化
量が変化すればよい程度のものであり、特に、凹凸部の
形成パターンに限定はない。
【0018】本発明において磁性層非使用領域23に形
成される固定磁気情報に要求される機能および作用は以
下のとおりである。
【0019】(1)磁性層非使用領域23の部分を磁気
トラックに流用しようとして磁気データを書き込んだ場
合、書き込みデータと再生波形が一致しないように作用
する。すなわち、磁性層非使用領域23には磁気的に消
去不能かつ書き換え不能な固定磁気情報が入っているた
めに、この上に新たに磁気データを書き込んだとしても
得られる再生波形は、固定磁気情報との干渉波形とな
り、意図した磁気情報を書き込むことができなくなるよ
うに作用する。
【0020】(2)磁性層非使用領域23の部分を磁気
トラックに流用し、偽物のデータを入れた偽造カードで
あることの識別ができるように作用する。すなわち、初
めに所定の磁気トラックの情報を読み取り、その後、消
去を行い、再度この磁気トラックの情報を読み取った時
に磁気信号が残存してした場合、このカードは本発明に
おける磁性層非使用領域23を切り貼りにより流用した
ものとして判別でき、最初に読み取った情報は『偽物の
データ』であると判定できるように作用する。
【0021】磁性層非使用領域23の凹凸部24は、前
述したように基板10の上に均一厚さに形成された磁性
層20の表面を部分的に物理的除去、すなわち複数の凹
部23aを点線状に除去することによって形成される。
【0022】磁性層20は、その一部が磁気トラックと
して用いられるために硬磁性の特性を示す硬磁性層とし
て形成され、このものがいわゆる磁性塗料を塗布する方
法により形成される場合には、硬磁性層の構成材料とし
て、硬磁性を示す磁性粉末(以下、単に『硬磁性粉末』
と称す)と樹脂バインダを含有している。含有される硬
磁性粉末としては、例えば、γ−Fe23 、Co被着
γ−Fe23 、Fe34 、Fe、Fe−Cr、Fe
−Co、Co−Cr、Co−Ni、Baフェライト、S
rフェライト、CrO2 等の磁性微粒子が挙げられる。
【0023】上記の硬磁性粉末が分散される樹脂バイン
ダ(あるいはインキビヒクル)としては、ブチラール樹
脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、ウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹
脂、スチレン/マレイン酸共重合体樹脂等が用いられ、
必要に応じてニトリルゴム等のゴム系樹脂あるいはウレ
タンエラストマー等が添加される。また、紫外線硬化型
や電子線硬化型の放射線硬化型樹脂を用いてもよい。紫
外線硬化型の樹脂成分としては、エポキシアクリレー
ト、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレー
ト、ポリエーテルアクリレート、シリコンアクリレー
ト、不飽和ポリエステル等の光重合性オリゴマー;単官
能アクリレート(スチレン、酢酸ビニル等)、多官能ア
クリレート等の光重合性モノマー(反応希釈剤);ベン
ゾイン系、アセトフェノン系、チオキサントン系、パー
オキシド系等の光重合開始剤;アミン系、キノン系等の
光重合開始剤;熱重合禁止剤、無機ないし有機の充填
剤、接着剤付与剤、チクソ付与剤、可塑剤、非反応性ポ
リマー等のその他の添加剤;顔料等の着色剤が挙げられ
る。また、電子線硬化型の樹脂成分としては、上記紫外
線硬化型の樹脂成分から光重合開始剤を除外して調製す
れば良い。さらに、樹脂バインダとして、耐熱性を考慮
して、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルサルホン
等のガラス転移温度(Tg)の高い樹脂、あるいは硬化
反応によりTgが上昇する系を用いることができる。上
記のような樹脂あるいはインキビヒクル中に磁性粒子が
分散されてなる分散物中に、必要に応じて界面活性剤、
シランカップリング剤、可塑剤、ワックス、シリコーン
オイル、カーボン等の顔料を添加してもよい。なお、磁
性層20の塗設時には、磁場配向処理が行われる。
【0024】また、磁性層20は、上記の塗布方法に限
定されることなく、上記の磁性材料そのものを用いて、
真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法等により形成
することもできる。
【0025】磁性層20を部分的に物理的除去する方法
としては、例えば、凹部23a形成位置にレーザー光を
照射する方法や、電子線を照射する方法、放電による破
壊、ルーチング(彫刻)加工等が挙げられる。中でもレ
ーザー光を照射する方法が特に好ましい。
【0026】レーザー光を用いる場合には、部分的に物
理的除去される磁性層20の物性や、除去すべき線幅等
を考慮しつつ、用いるレーザーの種類、レーザー波長、
レーザーパワー等を適宜設定すればよい。
【0027】気体レーザーとしては、He−Neレーザ
ー、He−Cdレーザー、アルゴンレーザー(0.48
8μm連続発振,0.1〜20W)等の稀ガスイオンレ
ーザー;炭酸ガスレーザー(10.6μm連続発振,1
W〜10kW);金属蒸気レーザー等を使用することが
できる。また、固体レーザーとしては、ルビーレーザー
(0.6943μmパルス発振,10〜1000J)、
Ndガラスレーザー(1.06μmパルス発振,10〜
1000J)、Nd:YAGレーザー等のパルス励起固
体レーザー;あるいはルビーレーザー、Ndガラスレー
ザー、Nd:YAGレーザー(1.06μm連続発振,
1〜200W)、Nd:YAlO3 レーザー等の連続励
起固体レーザー等を使用することができる。また、液体
レーザーとしては、色素レーザー、ラマンレーザー、キ
レートレーザー、Nd3+液体レーザー等を使用すること
ができ、半導体レーザーとしては、GaAsダイオード
レーザー等を使用することができる。
【0028】これらの中でも特に、波長10.6μmの
CO2 ガスレーザー(出力0.5W〜20W)、波長
0.488μm(または0.5145μm)のArガス
レーザー(出力0.5W〜20W)、波長1.06μm
のNd:YAGレーザー(出力0.5W〜20W)が好
適例として挙げられる。なお、レーザーの出力が大きく
なり過ぎると、高温による基板の損傷や磁性層を構成す
るバインダー樹脂の熱収縮によりパターンの精度不良が
起こり、この一方で出力が小さ過ぎると、十分なパター
ンの削除ができない。
【0029】このようにして形成された凹凸部24を備
える磁性層20の上には、図2に示されるように隠蔽層
40を設けることが好ましい。
【0030】隠蔽層40は、エチルセルロース、硝酸セ
ルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロ
ースアセテートプロピオネート、酢酸セルロース等のセ
ルロース誘導体;ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチ
レン等のスチレン樹脂、あるいはスチレン共重合樹脂;
ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポ
リアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリ
ル樹脂またはメタクリル樹脂の単独あるいは共重合樹
脂;ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フ
ェノール樹脂、重合ロジン等のロジンエステル樹脂;ポ
リ酢酸ビニル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹
脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、ブチラール樹脂等のバインダーに、着色すべき色
に応じて各種の顔料を添加し、必要に応じて磁気ヘッド
のクリーニング効果をもたせるよう酸化チタン、アルミ
ナ粉末、マイクロシリカ等を添加し、さらに必要に応じ
て、可塑剤、安定剤、ワックス、グリース、乾燥剤、乾
燥補助剤、硬化剤、増粘剤、分散剤を添加した後、溶剤
あるいは希釈剤で充分に混練してなる着色塗料あるいは
インキを用いて、通常のグラビア法、ロール法、ナイフ
エッジ法、オフセット法等の塗布方法あるいは印刷方法
により、形成される。
【0031】さらにこの隠蔽層40の上に保護・装飾効
果を上げるための保護層を形成してもよい。
【0032】次に、本発明の第2の実施の形態を図3お
よび図4に沿って説明する。図3は本発明の一例として
示されたカード状の磁気記録媒体2の平面図、図4は、
図3のC−C断面矢視図であり、発明の理解を容易にす
るために断面状態を模式的かつ簡略に描いたものであ
る。なお、図3においては、前記図1と同様に本発明の
理解が容易になるように、直接、磁性層20が見えるよ
うに図示されている。
【0033】本発明の第2の実施の形態の磁気記録媒体
2が、前記第1の実施の形態の磁気記録媒体1と基本的
に異なるところは、磁性層非使用領域23に形成された
固定磁気情報のパターンの相違にある。
【0034】図3に示される実施の態様では、磁気ヘッ
ドの走査方向に対して略直角方向に、直線状に物理的加
工により削られた凹部形状の溝23bが複数本形成され
る(図面上、複数本の縦線として表わされている)。こ
の直線状の溝23bによって、例えば、磁気ヘッドの走
査方向に複数の凹凸部が形成され、(図2(b)と同じ
状態で示される)この凹凸部が上述したように固定磁気
情報となる。
【0035】次に、本発明の第3の実施の形態を図5に
沿って説明する。図5は前記図2(a)に相当する図面
であり、カードの短片方向に沿って切断された断面図で
ある。第3の実施の形態の磁気記録媒体3では、磁性層
が複数層(図示の例では2層)設けられている。磁性層
が複数層形成されている場合には、その中の少なくとも
1層の磁性層中に固定磁気情報が形成されていれば本発
明で要求される機能は果たせる。ただし、前記磁気トラ
ック部21を外れる領域に相当する部分のみに固定磁気
情報を入れるように注意を要する。磁気トラック部21
の可逆磁気情報の機能を確保するためである。
【0036】従って、2種の異なる特性の磁性層を積層
した2層磁性層の具体的構成例としては、例えば、下記
の〜の態様が可能である。
【0037】ここで、可逆磁気情報は、磁気トラック部
21と凹凸部24が形成された磁性層の磁気トラック部
21、又は、該磁性層と積層される磁性層の磁気トラッ
ク部21に相当する部分に記録することができ、凹凸部
24が固定磁気情報となる。
【0038】図5に示されるように、下層磁性層20
aの上に上層磁性層20bを設け、上層磁性層20bの
上側に磁気トラック部21と固定磁気情報の凹凸部24
をそれぞれ形成する。
【0039】上記の態様において、磁気トラック部
21と固定磁気情報の凹凸部24を形成する側を変えた
場合、すなわち、上層磁性層20bの下側に磁気トラッ
ク部21と固定磁気情報の凹凸部24をそれぞれ形成す
る。の態様に比べると、磁気トラック部21と凹凸部
24とが内部に設けられていることから、磁気トラック
部21と凹凸部24を目視から容易に隠蔽できる。
【0040】より具体的な形成方法として、下側磁性層
20aと上側磁性層20bとの間に、非磁性体からなる
層を設ければ、非磁性体の層に凹凸部を形成した後、上
層磁性層20aを被覆するだけで、容易に、上層磁性層
20bの下側に、磁気トラック部21と凹凸部24を形
成できる。
【0041】また、非磁性体の層を設けないのであれ
ば、下側磁性層20aと上側磁性層20bとの界面に、
磁気トラック部21と凹凸部24とを形成する。この場
合、下側磁性層20aの保磁力等の磁気特性と上側磁性
層20bの磁気特性の間に顕著な差がないと、固定磁気
情報の検出が困難となる。
【0042】下層磁性層20aの上側に磁気トラック
部21と固定磁気情報の凹凸部24をそれぞれ形成し、
下層磁性層20aの上に上層磁性層20bを設ける。こ
の場合、上記の場合と同様に、凹凸部を容易に隠蔽で
きる。また、上記の場合と同様に、必要に応じて、下
側磁性層20aと上側磁性層20bとの間に、非磁性体
の層を設けてもよい。
【0043】上記の態様において、磁気トラック部
21と固定磁気情報の凹凸部24を形成する側を変えた
場合、すなわち、下側磁性層20aの下側に磁気トラッ
ク部21と固定磁気情報の凹凸部24をそれぞれ形成す
る。この場合、磁気記録媒体の最表面から凹凸部までの
距離、すなわち、固定磁気情報の読み取り磁気ヘッドか
ら凹凸部までのギャップが大きくなり、固定磁気情報を
検出しづらくなることがある。
【0044】以上、2層磁性層の態様について説明した
が、3層以上の磁性層であってもよい。
【0045】なお、上記のごとく磁性層が複数層形成さ
れている場合には、磁気トラック部が形成される磁性層
は、磁気トラック部の厚さ方向に硬磁性層を含むように
形成される必要がある。従って、実質的に磁気トラック
部を構成する硬磁性層以外の磁性層は、軟磁性層であっ
てもよい。
【0046】ここで、軟磁性層は、再生バイアス電流が
かけられた読み取り用の磁気ヘッドに発生する磁界によ
って、その磁化方向が反転するものであり、硬磁性層
は、発生する磁界によって、その磁化方向が反転しない
ものである。一般に、磁性層の磁化方向を反転させるた
めには、磁性層の保磁力(抗磁力)の約3倍の外部磁界
をかける必要がある。従って、本発明における軟磁性層
の保磁力は、硬磁性層の保磁力よりも小さいものであ
る。例えば、バイアス磁界として、30[Oe]の強さ
の磁界を発生する磁気ヘッドに対して、軟磁性層として
保磁力10[Oe]以下の磁性層、硬磁性層として保磁
力100[Oe]以上の磁性層とすることが好ましい。
【0047】軟磁性層は、前記硬磁性層と同様に、この
ものがいわゆる磁性塗料を塗布する方法により形成され
る場合には、軟磁性層の構成材料として、軟磁性を示す
磁性粉末(以下、単に『軟磁性粉末』と称す)と樹脂バ
インダを含有している。軟磁性粉末の材料としては、A
l、Si、Fe等からなる磁性合金材料、パーマロイ、
センダスト、Fe等の金属高透磁率材料、Mn−Znフ
ェライト、Co−Znフェライト、Ni−Znフェライ
ト等のフェライト、金属アモルファス材料等を挙げるこ
とができる。樹脂バインダやその他の添加成分は、前記
硬磁性層21のところで述べた通りである。軟磁性層
は、上記の磁性材料そのものを用いて、真空蒸着法、ス
パッタリング法、メッキ法等により形成することもでき
る。
【0048】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0049】(実施例1)まず、最初に磁性層20を形
成するために下記の組成を有する磁性塗料1を準備し
た。
【0050】 (磁性層形成のための磁性塗料1) ・磁性粉末(Baフェライト) … 41重量部 ・ポリウレタン樹脂 … 7重量部 ・トルエン … 25重量部 ・メチルエチルケトン … 25重量部 ・イソシアネート系硬化剤 … 2重量部 次に、被印刷物(基板)としてのポリエチレンテレフタ
レート製のカード(厚み250μm)を準備し、このカ
ードの上の全面にグラビアコート印刷法で、上記磁性塗
料1を塗り、対向磁石で磁気配向をかけた後、室温で放
置して磁性塗料1を乾燥させて、塗布厚さ10μmの磁
性層20を形成した。
【0051】次に、波長λ=1.06nm、出力15W
のNd:YAGレーザ光を用いて、図1に示されるごと
くレーザを短辺方向にスキャンし、磁性層非使用領域2
3に線幅80μmで点線状に凹凸を設けた(深さは約5
μm程度)。このような点線状の凹凸は図1に示される
ごとく磁性層非使用領域23の全域に亘って複数本設け
た。各点線状の凹凸ラインが隣接する距離は500μm
程度とした。
【0052】さらにこのような磁性層20の上に下記の
組成からなる隠蔽層インキ組成物をグラビアコート法に
て厚さ5μmに塗布して隠蔽層を形成し、本発明の磁気
記録媒体サンプル1を作製した。
【0053】 (隠蔽層インキ組成物) ・アルミ粉体 …10.5重量部 ・ポリウレタン樹脂 … 4重量部 ・メチルエチルケトン … 50重量部 ・トルエン … 25重量部 ・酸化チタン粉体 …10.5重量部 この磁気記録媒体サンプル1の磁性層非使用領域23を
実際に磁気ヘッドで読み取ったところ、十分なレベルの
磁気出力が得られることが確認できた。
【0054】さらに磁性層非使用領域23に磁気データ
をオーバーライトし、しかる後、磁気ヘッドで読み取り
操作を行ってみたところ、磁性層非使用領域23に予め
入れられていた固定磁気情報との干渉波形が得られ、実
際に書き込んだ情報と出力された情報とが変化すること
が確認できた。
【0055】以上のことより、本発明における磁性層非
使用領域23は通常の磁気トラック部と同様に機能しな
いので、いわゆる『切り貼り』による変造を無効化する
ことができる。
【0056】(実施例2)上記実施例1において、磁性
層非使用領域23に形成した点線状の固定磁気情報を図
3に示されるような直線状の固定磁気情報に変えた。そ
れ以外は、上記実施例1と同様にして本発明の磁気記録
媒体サンプル2を作製した。
【0057】この磁気記録媒体サンプル2の磁性層非使
用領域23を実際に磁気ヘッドで読み取ったところ、十
分なレベルの磁気出力(上記実施例1の約2倍)が得ら
れることが確認できた。
【0058】さらに磁性層非使用領域23に磁気データ
をオーバーライトし、しかる後、磁気ヘッドで読み取り
操作を行ってみたところ、上記実施例1の場合と同様
に、磁性層非使用領域23に予め入れられていた固定磁
気情報との干渉波形が得られ、実際に書き込んだ情報と
出力された情報とが変化することが確認できた。
【0059】以上のことより、本発明における磁性層非
使用領域23は通常の磁気トラック部と同様に機能しな
いので、いわゆる『切り貼り』による変造を無効化する
ことができる。
【0060】(実施例3)上記実施例1において、磁性
層20と隠蔽層40との間に、下記の組成からなる上層
磁性層を、グラビアコート印刷法で塗設して介在させ、
2層の磁性層を備える磁気記録媒体に変えた。上層磁性
層は、磁性層20の凹凸部埋める層であり、物理的加工
による固定磁気情報は入れなかった。それ以外は、上記
実施例1と同様にして本発明の磁気記録媒体サンプル3
を作製した。
【0061】 (上層磁性層形成のための磁性塗料2) ・軟磁性粉末(パーマロイ) … 41重量部 ・ポリウレタン樹脂 … 7重量部 ・メチルエチルケトン … 25重量部 ・トルエン … 25重量部 ・イソシアネート系硬化剤 … 2重量部 この磁気記録媒体サンプル3の磁性層非使用領域23を
磁気ヘッドでバイアス電流を印加しながら読み取ったと
ころ、十分なレベルの磁気出力(上記実施例1の約2
倍)が得られることが確認できた。
【0062】さらに磁性層非使用領域23に磁気データ
をオーバーライトし、しかる後、磁気ヘッドでバイアス
電流を印加しながら読み取り操作を行ってみたところ、
上記実施例1の場合と同様に、磁性層非使用領域23に
予め入れられていた固定磁気情報との干渉波形が得ら
れ、実際に書き込んだ情報と出力された情報とが変化す
ることが確認できた。
【0063】以上のことより、本発明における磁性層非
使用領域23は通常の磁気トラック部と同様に機能しな
いので、いわゆる『切り貼り』による変造を無効化する
ことができる。
【0064】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の磁気記
録媒体は、基板と、この基板の上に形成された磁性層を
備える磁気記録媒体であって、前記磁性層は、可逆的な
磁気情報の記録に用いられる磁気トラック部と、この磁
気トラック部以外の残部の磁性層部を備え、前記残部の
磁性層部(非使用領域の磁性層)は、物理的加工により
形成された固定磁気情報を備えるように構成されてい
る。従って、磁気記録媒体の非使用領域の磁性層の再利
用を防止し、いわゆる『切り貼り』による変造を防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例として示されたカード状の磁気記
録媒体の平面図である。
【図2】図2(a)および図2(b)は、それぞれ図1
のA−A断面矢視図および図1のB−B断面矢視図であ
り、発明の理解を容易にするために断面状態を模式的か
つ簡略に描いたものである。
【図3】本発明の一例として示されたカード状の磁気記
録媒体の平面図である。
【図4】図3のC−C断面矢視図である。
【図5】図2(a)に相当する図面であり、カードの短
片方向に沿って切断された断面図である。
【符号の説明】
10…基板 20…磁性層 40…隠蔽層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、この基板の上に形成された磁性
    層を備える磁気記録媒体であって、 前記磁性層は、可逆的な磁気情報の記録に用いられる磁
    気トラック部と、この磁気トラック部以外の残部の磁性
    層部を備え、 前記残部の磁性層部は、物理的加工により形成された固
    定磁気情報を備えてなることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 基板と、この基板の上に形成された少な
    くとも2層以上の磁性層を備える磁気記録媒体であっ
    て、 前記磁性層のうち少なくとも1層の磁性層は、可逆的な
    磁気情報の記録に用いられる磁気トラック部と、この磁
    気トラック部以外の残部の磁性層部を備え、 当該残部の磁性層部または、前記磁気トラック部を外れ
    る領域に相当する他の磁性層の磁性層部は、物理的加工
    により形成された固定磁気情報を備えてなることを特徴
    とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記固定磁気情報は、凹凸部を備えてな
    る請求項1または請求項2に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記固定磁気情報を形成させる物理的加
    工は、レーザー光を照射することによりなされる請求項
    1ないし請求項3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
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