JPH09100088A - 昇降搬送装置のベルト端部固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルトで昇降可能に吊り下げられる被搬送物
支持手段と前記ベルトとの固定を強固に行え、しかもベ
ルト長さ方向の固定位置の調整も容易な固定装置を提供
すること。 【解決手段】 外側押さえ板２１は、被搬送物支持手段
の周壁外側面２５ａとの間でベルト１６Ｃを挟み、内側
押さえ板２２は、被搬送物支持手段の周壁内側面２５ｂ
との間でベルト１６Ｃを挟むもので、周壁２５の下側縁
から下方に突出する下辺部２２ｃにはベルト１６Ａが通
る切り欠き凹部２２ｄを備え、ベルト折り返し用バー２
３は、内側押さえ板の切り欠き凹部２２ｄを通って当該
内側押さえ板２２の内側に突出するベルトＵターン部１
６ａの内側を貫通し、その両端部２３ａ，２３ｂは内側
押さえ板下辺部２２ｃに当接し、ボルトナット２４は、
ベルト１６Ａの左右両側で外側押さえ板２１と内側押さ
え板２２とを前記周壁２５に締結する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、被搬送物支持手段
をベルトで昇降可能に吊り下げた昇降搬送装置の前記被
搬送物支持手段側のベルト端部固定装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】この種の昇降搬送装置においては、例え
ばガイドレールに沿って自走する搬送用電車側のベルト
巻き上げ繰り出しドラムに一端が係止されて巻き付けら
れた複数本の各ベルトの端部が被搬送物支持手段に固定
されるが、従来のこの種のベルト端部固定装置は、被搬
送物支持手段の周壁の外側に前記ベルトを押さえ板と複
数本の締結具（ボルトナットなど）により挟み付けて固
定するかまたは、前記押さえ板と周壁との間にベルト端
部の折り返し重なり部を挟み込み、押さえ板から下方に
突出するベルトＵターン部内にベルト折り返し用バーを
貫通させたものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の特
に前者の構成のベルト端部固定装置では、締結具の締結
力が僅かに緩むだけでも簡単に被搬送物支持手段がベル
トから脱落する恐れがあって、安全性に問題があって実
用に供し得ない。後者のベルト折り返し用バーを併用す
る構成では、前者構成の問題点はある程度解消するが、
ベルト端部の折り返し重なり部を締結するので、ベルト
に対する被搬送物支持手段の固定位置を調整して当該被
搬送物支持手段のレベル調整を行う場合、被搬送物支持
手段を支持した状態で締結具を緩めても、容易円滑にベ
ルトを上下に移動させることができない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記のような従
来の問題点を解消し得る昇降搬送装置のベルト端部固定
装置を提供することを目的とするものであって、その手
段を後述する実施形態の参照符号を付して示すと、被搬
送物支持手段１１をベルト１６Ａ〜１６Ｃで昇降可能に
吊り下げた昇降搬送装置９の前記被搬送物支持手段側の
ベルト端部固定装置２０Ａ〜２０Ｃであって、外側押さ
え板２１と、内側押さえ板２２と、ベルト折り返し用バ
ー２３と、締結具（ボルトナット２４）とから成り、外
側押さえ板２１は、被搬送物支持手段の周壁２５の外側
面２５ａとの間で前記ベルト１６Ａ〜１６Ｃを挟み、内
側押さえ板２２は、被搬送物支持手段の周壁２５の内側
面２５ｂとの間で前記ベルト１６Ａ〜１６Ｃを挟み、前
記周壁２５の下側縁から下方に突出する下辺部２２ｃに
は前記ベルト１６Ａ〜１６Ｃが通る切り欠き凹部２２ｄ
を備え、ベルト折り返し用バー２３は、前記内側押さえ
板２２の切り欠き凹部２２ｄを通って当該内側押さえ板
２２の内側に突出する前記ベルトのＵターン部１６ａの
内側を貫通し、当該ベルトＵターン部１６ａから左右に
突出する両端部２３ａ，２３ｂは前記内側押さえ板２２
の下辺部２２ｃに当接し、締結具（ボルトナット２４）
は、前記ベルト１６Ａ〜１６Ｃの左右両側で外側押さえ
板２１と内側押さえ板２２とを被搬送物支持手段の周壁
２５に締結する構成となっている。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下に本発明の好適実施形態を添
付図に基づいて説明すると、図１及び図２において、１
は床面上適当高さに架設されたガイドレールであり、２
は当該ガイドレール１に走行可能に支持された搬送用電
車である。この実施形態での搬送用電車２は、ガイドレ
ール１の上側水平レール部３上を転動する走行用駆動ホ
ィール４と、このホィール４の真下位置に対し前後に適
当距離離れた２か所で前記ガイドレール１の下側水平レ
ール部５の下側面に当接するバックアップホィール６
ａ，６ｂと、前記ガイドレール１の上下各水平レール部
３，５を左右両側から挟む操向用垂直軸ローラー７と、
前記走行用駆動ホィール４を回転駆動するモーター８
と、ガイドレール１の下側に配設された昇降搬送装置９
を備えている。

【０００６】前記昇降搬送装置９は、昇降駆動手段１０
によって昇降駆動される被搬送物支持手段１１を備え、
当該被搬送物支持手段１１には被搬送物（コンテナな
ど）Ｗを吊り下げる開閉自在なハンガー１２が設けられ
ている。

【０００７】前記昇降駆動手段１０は、図３にも示すよ
うに、モーター１３によって正逆回転駆動される１本の
駆動軸１４と、この駆動軸１４に適当間隔おきに取り付
けられた３つの鍔付きドラム１５Ａ〜１５Ｃと、一端が
各鍔付きドラム１５Ａ〜１５Ｃに係止された状態でこれ
ら各鍔付きドラム１５Ａ〜１５Ｃに巻き付けられた３本
のベルト１６Ａ〜１６Ｃとから成り、両端の鍔付きドラ
ム１５Ａ，１５Ｃに巻き付けられた２本のベルト１６
Ａ，１６Ｃは、ガイドプーリー１７Ａ，１７Ｃにより下
向きに転向された状態で被搬送物支持手段１１の電車走
行方向の一端の左右両端近傍位置を吊り下げ、中央の鍔
付きドラム１５Ｂに巻き付けられたベルト１６Ｂは、ガ
イドプーリー１７Ｂにより下向きに転向された状態で被
搬送物支持手段１１の電車走行方向の他端の中央位置を
吊り下げている。

【０００８】各ベルト１６Ａ〜１６Ｃと被搬送物支持手
段１１とは、図４〜図６に示す固定装置２０Ａ〜２０Ｃ
によって結合されている。各固定装置２０Ａ〜２０Ｃは
同一構造のものであって、それぞれ外側押さえ板２１
と、内側押さえ板２２と、ベルト折り返し用バー２３
と、締結具としての４本のボルトナット２４とから構成
されている。

【０００９】外側押さえ板２１は、ベルト１６Ａ〜１６
Ｃから左右に張り出す突出左右両側辺部２１ａ，２１ｂ
を有するもので、被搬送物支持手段１１の周壁２５の外
側面２５ａとの間で前記ベルト１６Ａ〜１６Ｃを挟む。
内側押さえ板２２は、ベルト１６Ａ〜１６Ｃから左右に
張り出す突出左右両側辺部２２ａ，２２ｂと、前記周壁
２５の下側縁から下方に突出する下辺部２２ｃと、この
下辺部２２ｃに形成され切り欠き凹部２２ｄとを有する
もので、被搬送物支持手段１１の周壁２５の内側面２５
ｂとの間で前記ベルト１６Ａ〜１６Ｃを挟む。

【００１０】ベルト折り返し用バー２３は、前記内側押
さえ板２２の切り欠き凹部２２ｄを通って当該内側押さ
え板２２の内側に突出する前記ベルト１６Ａ〜１６Ｃの
Ｕターン部１６ａの内側を貫通する丸棒状のもので、当
該ベルトＵターン部１６ａから左右に突出する両端部２
３ａ，２３ｂは前記内側押さえ板２２の下辺部２２ｃに
当接する。４本のボルトナット２４は、前記ベルト１６
Ａ〜１６Ｃの左右両側に突出する外側押さえ板２１の左
右両側辺部２１ａ，２１ｂと内側押さえ板２３の左右両
側辺部２３ａ，２３ｂとを、それぞれ上下２か所で被搬
送物支持手段１１の周壁２５に締結するものである。

【００１１】被搬送物支持手段１１に対する固定装置２
０Ａ〜２０Ｃによる各ベルト１６Ａ〜１６Ｃの固定作業
は、例えば次のように行うことができる。即ち、ベルト
１６Ａ〜１６Ｃの端部を、被搬送物支持手段１１の周壁
２５の内側にベルト遊端部１６ｂが位置するように折り
返し、前記周壁２５の外側に位置するベルト１６Ａ〜１
６Ｃに対し外側押さえ板２１を当て付けるとともに、前
記周壁２５の内側に位置するベルト１６Ａ〜１６Ｃに対
し内側押さえ板２２を当て付ける。そして、各ボルトナ
ット２４により外側押さえ板２１と内側押さえ板２２と
を前記周壁２５に軽く締結する。

【００１２】係る状態で、ベルト１６Ａ〜１６ＣのＵタ
ーン部１６ａに挿通したベルト折り返し用バー２３を内
側押さえ板２２の下辺部２２ｃの内側に移動させて、当
該バー２３と周壁２５の下側縁との間のベルト部分１６
ｃを内側押さえ板２２の切り欠き凹部２２ｄに嵌合さ
せ、当該ベルト折り返し用バー２３の左右両端部２３
ａ，２３ｂを内側押さえ板２２の下辺部２２ｃに当接さ
せるように、ベルト１６Ａ〜１６Ｃを上方に引き上げる
かまたは、周壁２５の内側に位置するベルト遊端部１６
ｂを引っ張る。そして各ボルトナット２４を強く締結し
て、外側押さえ板２１と周壁外側面２５ａとの間のベル
ト１６Ａ〜１６Ｃと内側押さえ板２２と周壁内側面２５
ｂとの間のベルト１６Ａ〜１６Ｃとを押圧挟持固定させ
れば良い。

【００１３】各ベルト１６Ａ〜１６Ｃで吊り下げられた
被搬送物支持手段１１のレベル調整は、被搬送物支持手
段１１を適当な手段で支持させた状態で各固定装置２０
Ａ〜２０Ｃにおけるボルトナット２４を緩め、前記のよ
うにベルト１６Ａ〜１６Ｃを上方に引き上げるかまた
は、周壁２５の内側に位置するベルト遊端部１６ｂを引
っ張って行う。そしてレベル調整後に再び各ボルトナッ
ト２４を強く締結すれば良い。

【００１４】なお、上記構成の搬送システムでは、搬送
用電車２の走行駆動用ホィール４をモーター８により回
転駆動させて当該搬送用電車２をガイドレール１に沿っ
て自走させることにより、被搬送物支持手段１１のハン
ガー１２で支持されている被搬送物Ｗを搬送することが
できる。そして当該被搬送物Ｗの積み卸しのために所定
位置で搬送用電車２を停止させたならば、昇降搬送装置
９の昇降駆動手段１０におけるモーター１３を稼働さ
せ、１本の駆動軸１４を介して３つの鍔付きドラム１５
Ａ〜１５Ｃをベルト繰り出し方向に回転駆動させること
により、各鍔付きドラム１５Ａ〜１５Ｃから繰り出され
るベルト１６Ａ〜１６Ｃに吊り下げられた被搬送物支持
手段１１を荷積み卸しレベルまで下降させることができ
る。また、逆に各鍔付きドラム１５Ａ〜１５Ｃをベルト
巻き上げ方向に回転駆動させることにより、各鍔付きド
ラム１５Ａ〜１５Ｃに巻き取られるベルト１６Ａ〜１６
Ｃに吊り下げられた被搬送物支持手段１１を上昇限レベ
ルまで上昇させることができる。

【００１５】

【発明の効果】以上のように本発明によるベルト端部固
定装置によれば、ベルトが、折り返しＵターン部の遊端
側の部分と遊端側とは反対側の部分との２か所におい
て、被搬送物支持手段の周壁と２枚の押さえ板との間で
押圧挟持固定されることと、前記Ｕターン部の内側を貫
通するベルト折り返し用バーが前記周壁の内側に位置す
る内側押さえ板の下辺部内側に位置することになって、
ベルトの折曲か所が多くなることとによって、ベルト端
部を被搬送物支持手段側へ非常に強固に固定することが
でき、多少締結具が緩んでも、直ちにベルトが被搬送物
支持手段に対し長さ方向に重力で滑って、被搬送物支持
手段が脱落するというような危険な事態にはならない。
即ち、安全性が大幅に向上する。

【００１６】しかも、被搬送物支持手段のレベル調整な
どを行うためにベルト端部の固定位置をベルト長さ方向
に調整する場合、ベルトどうしが直接重なって締結され
ているか所がないので、被搬送物支持手段を適当な方法
で支持した状態で締結具を緩めてベルトの遊端側または
その反対側を引っ張った場合に当該ベルトを固定装置に
対し円滑に滑らせることができ、ベルト端部の固定位置
をベルト長さ方向に調整する作業が容易に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】 昇降搬送装置を備えた搬送用電車の側面図で
ある。

【図２】 同搬送用電車とガイドレールとを示す正面図
である。

【図３】 昇降搬送装置の昇降駆動手段を示す平面図で
ある。

【図４】 被搬送物支持手段の平面図である。

【図５】 Ａ図は図４のＡ−Ａ線拡大断面図であり、Ｂ
図は図４のＢ矢視拡大図である。

【図６】 図５ＡのＣ−Ｃ線断面図である。

【符号の説明】

１ ガイドレール ２ 搬送用電車 ９ 昇降搬送装置 １０ 昇降駆動手段 １１ 被搬送物支持手段 １６Ａ〜１６Ｃ ベルト ２０Ａ〜２０Ｃ 固定装置 ２１ 外側押さえ板 ２２ 内側押さえ板 ２２ｃ 内側押さえ板の下辺部 ２２ｄ 内側押さえ板の切り欠き凹部 ２３ ベルト折り返し用バー ２４ ボルトナット（締結具） ２５ 被搬送物支持手段の周壁

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被搬送物支持手段をベルトで昇降可能に吊
   り下げた昇降搬送装置の前記被搬送物支持手段側のベル
   ト端部固定装置であって、外側押さえ板と、内側押さえ
   板と、ベルト折り返し用バーと、締結具とから成り、 外側押さえ板は、被搬送物支持手段の周壁の外側面との
   間で前記ベルトを挟み、 内側押さえ板は、被搬送物支持手段の周壁の内側面との
   間で前記ベルトを挟み、前記周壁の下側縁から下方に突
   出する下辺部には前記ベルトが通る切り欠き凹部を備
   え、 ベルト折り返し用バーは、前記内側押さえ板の切り欠き
   凹部を通って当該内側押さえ板の内側に突出する前記ベ
   ルトのＵターン部の内側を貫通し、当該ベルトＵターン
   部から左右に突出する両端部は前記内側押さえ板の下辺
   部に当接し、締結具は、前記ベルトの左右両側で外側押
   さえ板と内側押さえ板とを被搬送物支持手段の周壁に締
   結する昇降搬送装置のベルト端部固定装置。