JPH0899982A - β−ケトホスホナ−ト誘導体の製造方法 - Google Patents

β−ケトホスホナ−ト誘導体の製造方法

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JPH0899982A
JPH0899982A JP23715794A JP23715794A JPH0899982A JP H0899982 A JPH0899982 A JP H0899982A JP 23715794 A JP23715794 A JP 23715794A JP 23715794 A JP23715794 A JP 23715794A JP H0899982 A JPH0899982 A JP H0899982A
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明生 松下
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康弘 河内
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】メチルホスホナ−ト誘導体とアルカリ金属ヘキ
サメチルジシラザンとを有機溶媒中で反応させて、生成
したメチルホスホナ−ト誘導体のアルカリ金属塩と、カ
ルボン酸誘導体とを反応させて、β−ケトホスホナ−ト
誘導体を、特定のメチルホスホナ−ト誘導体に限定する
ことなく−78℃のような極低温を必要とせず、容易に
得ることのできる方法を提供する。 【構成】メチルホスホナ−ト誘導体とアルカリ金属ヘキ
サメチルジシラザンとを有機溶媒中で反応させて、生成
したメチルホスホナ−ト誘導体のアルカリ金属塩と、カ
ルボン酸誘導体とを反応させることにより一般式4のβ
−ケトホスホナ−ト誘導体を製造する方法。 (R、Rは独立して、置換されてもよい炭化水素置
換基を、Rは置換されてもよいアルキル基又はアリー
ル基を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、β−ケトホスホナ−ト
誘導体の新規な製造方法に関する。β−ケトホスホナ−
ト誘導体は、例えば医薬品、特にプロスタグランジン類
縁体又は4-ヒドロキシ-3- メチルグルタリル-5- (HM
G)Co−Aリダクタ−ゼ阻害作用を持つ血中コレステ
ロ−ル低下剤(例えばコンパクチン)を合成する際に中
間体として有用である。
【0002】本発明の製法により製造されるβ−ケトホ
スホナ−ト誘導体において、例えばジメチル2-オキソ-2
- フェニルエチルホスホネ−トは、特開昭52−979
58号に記載された方法に準じて、2-〔3-α-p- フェニ
ルベンゾイルオキシ-5α- ヒドロキシ-2β-(3-オキソ-3
- フェニル- トランス-1- プロペン-1- イル) シクロペ
ント-1α- イル〕酢酸を誘導し、更に13,14 ジヒドロ-1
5-低級アルキル基-5-フェニル- ω- ペンタノルプロス
タグランジン類又は15- 低級アルキル基-5- フェニル-
ω- ペンタノルプロスタグランジン類に誘導することが
できる。
【0003】また、本発明の製法により製造されるβ−
ケトホスホナ−ト誘導体において、例えば( R)-3-ter
t-ブチルジメチルシリルオキシ-5- ジメトキシホスフィ
ニル-5- オキソヘキサン酸は、ジャ−ナル オブ メジ
シナル ケミストリ−(Journal of Medicinal Chemistr
y 、1987年、第30巻、No.10 、1858頁〜1873頁) に記載
された方法に準じて、4-ヒドロキシ-3- メチルグルタリ
ル-5- (HMG)Co−Aリダクタ−ゼ阻害作用を持つ
血中コレステロ−ル低下剤(例えばコンパクチン)に誘
導することができる。
【0004】
【従来技術】従来、β−ケトホスホナ−ト誘導体の製法
としては、例えばジャ−ナル オブオルガニック ケミ
ストリ−(Journal of Organic Chemistry、1991年、第
56巻、No.11 、3744頁〜 3747 頁)に記載されているよ
うに、一般式(1)で表されるメチルホスホナ−ト誘導
体としてのジメチルメチルホスホナ−トと、−78℃の
極低温下、アルカリ金属源としてのブチルリチウムとを
反応させて『ジメチルメチルホスホナ−トのリチウム
塩』を調製し、該塩と一般式(3)で表されるカルボン
酸誘導体としての(S)-3-tert-ブチルジメチルシリル
オキシグルタル酸メチルハ−フエステルとを反応させ
て、一般式(4)で表されるβ−ケトホスホナ−ト誘導
体としての(R)-3-tert-ブチルジメチルシリルオキシ
-6- ジメトキシホスフィニル-5- オキソヘキサン酸を得
る方法である。
【0005】しかしながら、この方法は、ホスホラス
アンド サルファ−(Phosphorus and Sulfur 、1988
年、第40巻、105 頁〜116 頁) に記載されているよう
に、例えばtert- ブチル基、イソプロピル基などの嵩高
いアルキル基を持つ特定のメチルホスホナ−ト誘導体を
用いる必要があり、例えばメチル基、エチル基などのア
ルキル基を持つメチルホスホナ−ト誘導体のリチウム塩
は、反応温度が0℃の条件下では自己縮合を起こすため
目的の反応が進行せず、反応の進行に反応温度が−78
℃であることが必要な点で工業的に満足する方法ではな
かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記の公
知の製法における問題点を改良すべく、鋭意検討した結
果、メチルホスホナ−ト誘導体とアルカリ金属ヘキサメ
チルジシラザンとを反応させて、メチルホスホナ−ト誘
導体のアルカリ金属塩を生成させた後に、カルボン酸誘
導体とを反応させた場合、特定の基を持つメチルホスホ
ナ−ト誘導体に限定することなく−78℃の極低温を必
要とせず、β−ケトホスホナ−ト誘導体が得られること
を見出して本発明を完成した。
【0007】従って、本発明は、β−ケトホスホナ−ト
誘導体を簡便に得ることのできる、工業的に利用可能な
β−ケトホスホナ−ト誘導体の製法を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R1 、R2 は、独立して、置換さ
れていてもよい炭化水素置換基を示す)で表されるメチ
ルホスホナ−ト誘導体と、一般式(2)
【0011】
【化6】
【0012】(式中、Mはアルカリ金属を示す)で表さ
れるアルカリ金属ヘキサメチルジシラザンとを有機溶媒
中で反応させて、生成したメチルホスホナ−ト誘導体の
アルカリ金属塩と、一般式(3)
【0013】
【化7】
【0014】(式中、R3 は、置換されていてもよいア
ルキル基又はアリ−ル基を示し、Xは脱離基を示す)で
表されるカルボン酸誘導体とを反応させる、一般式
(4)
【0015】
【化8】
【0016】(式中、R1 、R2 、R3 は前記と同じ意
味を示す)で表されるβ−ケトホスホナ−ト誘導体の製
造方法に関する。
【0017】本発明の製法は、例えば以下のような反応
式(1)で表すことができる。反応式(1)の示す製法
は、一般式(1)で表されるメチルホスホナ−ト誘導
体、一般式(2)で表されるアルカリ金属ヘキサメチル
ジシラザンと一般式(3)で表されるカルボン酸誘導体
とを反応させて、一般式(4)で表されるβ−ケトホス
ホナ−ト誘導体を得る製法である。 反応式(1)
【0018】
【化9】
【0019】前記の製法は、例えば以下に示す工程1お
よび工程2で更に詳しく示すことができる。 .工程1:一般式(1)で表されるメチルホスホナ−
ト誘導体と一般式(3)で表されるカルボン酸誘導体と
を反応させる際、予めメチルホスホナ−ト誘導体と一般
式(2)で表されるアルカリ金属ヘキサメチルジシラザ
ンとを有機溶媒中で反応させて、『メチルホスホナ−ト
誘導体のアルカリ金属塩』を生成させ、該金属塩を含む
有機溶媒溶液を得る。 .工程2:この有機溶媒溶液中で得られた『メチルホ
スホナ−ト誘導体のアルカリ金属塩』のアルカリ金属と
一般式(3)で表されるカルボン酸誘導体とを反応させ
ることによって一般式(4)で表されるβ−ケトホスホ
ナ−ト誘導体を得る。
【0020】前記の工程1は、例えば反応式(2)で示
すことができる。
【0021】反応式(2)
【0022】
【化10】
【0023】本発明の工程1で使用される一般式(1)
で表されるメチルホスホナ−ト誘導体は、後記のように
そのまま工程1に使用することができ,有機溶媒Aに溶
解して有機溶媒溶液(以下溶液Aともいう)として使用
することもできる。本発明の工程1で使用される一般式
(2)で表されるアルカリ金属ヘキサメチルジシラザン
は、テトラヒドロフラン又はヘキサンの溶液として入手
できるのでそのまま工程1に使用でき、有機溶媒Bに溶
解・希釈して有機溶媒溶液(以下溶液Bともいう)とし
て使用することもできる。本発明の工程1では、例えば
溶液Aと溶液Bとを反応させて、『メチルホスホナ−ト
誘導体のアルカリ金属塩』を含む溶液〔溶液(A+
B)〕を得る。この反応では、例えば−50〜0℃(好
ましくは−30〜0℃)に冷却した溶液Bに、攪拌しな
がら溶液Aを滴下することにより溶液(A+B)を得る
ことができる。あるいは、溶液Bを溶液Aに滴下するこ
とにより溶液(A+B)を得ても良い。反応時間は10
〜120分間が好ましく、30〜60分間が更に好まし
い。
【0024】上記『メチルホスホナ−ト誘導体のアルカ
リ金属塩』は、有機溶媒中のみで安定であるため、一般
にメチルホスホナ−ト誘導体とアルカリ金属ヘキサメチ
ルジシラザンとを有機溶媒中で反応させて調製される。
【0025】本発明の工程1に使用される一般式(1)
で表されるメチルホスホナ−ト誘導体におけるR1 、R
2 の示す置換されていてもよい炭化水素置換基は、各々
独立して、アルキル基、置換されていてもよいアラアル
キル基を表す。R1 、R2 の示すアルキル基としては、
例えばメチル基、エチル基、プロピル基(各異性体を含
む)、ブチル基(各異性体を含む)、ペンチル基(各異
性体を含む)のような炭素数1〜5のアルキル基を挙げ
ることができ、メチル基が好ましい。
【0026】R1 、R2 の示すアラアルキル基として
は、置換されていてもよいアラアルキル基は、置換され
ていないアラアルキル基、置換されているアラアルキル
基を表す。R1 、R2 の示す置換されていないアラアル
キル基としては、例えばベンジル基、2−フェニルエチ
ル基のような炭素数7〜8のアラアルキル基を挙げるこ
とができ、ベンジル基が好ましい。R1 、R2 の示す置
換されているアラアルキル基の置換基としては、例えば
ニトロ基、ハロゲン原子などを挙げることができる。な
お、置換基の数および置換位置は任意である。置換され
ているアラアルキル基の具体例としては、例えば4−フ
ルオロベンジル基、4−クロロベンジル基、4−ニトロ
ベンジル基などを挙げることができ、好ましくは4−ク
ロロベンジル基である。
【0027】前記の工程1で使用される有機溶媒Aは、
反応に不活性な有機溶媒であればよく、例えばヘキサ
ン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジエチルエ−テ
ル、ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン(以
下THFともいう)などのエ−テル系溶媒を挙げること
ができ、エ−テル系溶媒が好ましく、テトラヒドロフラ
ンが更に好ましい。
【0028】前記の溶液Aは前記メチルホスホナ−ト誘
導体を有機溶媒Aに溶解することにより調製することが
できる。その場合、メチルホスホナ−ト誘導体は、有機
溶媒Aに溶解させて、1〜50%(W/V%)の濃度で
使用することが一般的であり、5〜50%の濃度で使用
することが好ましく、10〜50%の濃度で使用するこ
とが更に好ましい。
【0029】本発明の工程1に使用される一般式(2)
で表されるアルカリ金属ヘキサメチルジシラザンにおけ
るMはアルカリ金属を示す。アルカリ金属としては、例
えばリチウム、ナトリウム、カリウムを挙げることがで
き、リチウム、ナトリウムが好ましく、リチウムが更に
好ましい。
【0030】前記の工程1で使用されるアルカリ金属ヘ
キサメチルジシラザンは、通常テトラヒドロフラン又は
ヘキサンの溶液として入手できるのでそのまま使用でき
る。また有機溶媒Bに溶解させて溶液Bとしても使用可
能である。有機溶媒Bとしては、例えば前記の有機溶媒
Aと同じ有機溶媒を挙げることができ、有機溶媒Aと同
一の有機溶媒であっても、異なっていてもよい。
【0031】一般式(2)で表されるアルカリ金属ヘキ
サメチルジシラザンは、有機溶媒Bに溶解させて、1〜
50%(W/V)の濃度で使用することが一般的であ
り、5〜45%の濃度で使用することが好ましく、10
〜40%の濃度で使用することが更に好ましく、10〜
30%の濃度で使用することが特に好ましい。
【0032】本発明の工程1に使用されるメチルホスホ
ナ−ト誘導体は、その使用量が、使用されるアルカリ金
属ヘキサメチルジシラザン1モルに対して、0.8〜
2.0モルの割合になる量が一般的であり、0.9〜
1.5モルの割合になる量が好ましく、1.0〜1.2
の割合になる量が更に好ましい。
【0033】本発明の工程1に使用される有機溶媒は、
前記の溶液Aで用いた有機溶媒A又は/および前記の溶
液Bで用いた有機溶媒Bが存在するため、新たに加える
必要はないが、加えてもよい、その場合、反応に関与し
ない有機溶媒であれば、前記の有機溶媒A又はBと同じ
有機溶媒と同一でも異なっていてもよい。
【0034】前記の工程2は、例えば反応式(3)で示
すことができる。
【0035】反応式(3)
【0036】
【化11】
【0037】本発明の工程2に使用される一般式(3)
で示されるカルボン酸誘導体は、そのまま使用すること
も、有機溶媒Cに溶解して有機溶媒溶液として使用する
こともできる。本発明の工程2では、例えば溶液(A+
B)(工程1で得られたメチルホスホナ−ト誘導体のア
ルカリ金属塩を含む溶液)を−50〜0℃の温度範囲に
保って、一般式(3)で示されるカルボン酸誘導体と反
応させて、一般式(4)で示されるβ−ケトホスホナ−
ト誘導体を得る。この反応では、例えば−50〜0℃
(好ましくは−30〜0℃)に冷却した溶液(A+B)
に、攪拌しながらカルボン酸誘導体の溶液を滴下するこ
とにより反応させる。この場合、カルボン酸誘導体の溶
液に溶液(A+B)を滴下しても良い。なお、反応終了
時に、例えば飽和塩化アンモニウム水溶液のような水溶
液を反応停止剤として用いることもできる。反応時間
は、10〜600分間が好ましく、30〜300分間が
更に好ましい。
【0038】本発明の工程2に使用される一般式(3)
で表されるカルボン酸誘導体におけるXは脱離基を表
す。脱離基としては、例えばハロゲン原子、イミダゾリ
ル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリ−ルカルボニ
ルオキシ基、アルコキシ基、フェノキシ基などを挙げる
ことができる。一般式(3)におけるXの示すハロゲン
原子は、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子などを
挙げることができる。好ましくは塩素原子である。一般
式(3)におけるXの示すアルキルカルボニルオキシ基
は、例えばアルキル基部分にメチル基、エチル基、プロ
ピル基(各異性体を含む)、ブチル基(各異性体を含
む)、ペンチル基(各異性体を含む)のような炭素数1
〜5のアルキル基を含むアルキルカルボニルオキシ基を
挙げることができる。一般式(3)におけるXの示すア
リ−ルカルボニルオキシ基としては、例えばフェニル
基、ピリジル基、ピリミジル基、チエニル基、フリル基
のようなアリ−ル基を含むアリ−ルカルボニルオキシ基
を挙げることができる。一般式(3)におけるXの示す
アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基(各異性体を含む)、ブトキシ基(各
異性体を含む)のような炭素数1〜4のアルキル基を含
むアルコキシ基を挙げることができる。
【0039】本発明の工程2に使用される一般式(3)
で表されるカルボン酸誘導体におけるR3 は、置換され
ていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいアリ
−ル基を表す。
【0040】カルボン酸誘導体におけるR3 の示す置換
されていてもよいアルキル基は、置換されていないアル
キル基、置換されているアルキル基を表す。カルボン酸
誘導体におけるR3 の示す置換されていないアルキル基
としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基(各
異性体を含む)、ブチル基(各異性体を含む)、ペンチ
ル基(各異性体を含む)のような炭素数1〜5のアルキ
ル基を挙げることができる。カルボン酸誘導体における
3 の示す置換されているアルキル基の置換基として
は、例えばアルコキシ基、シリルオキシ基、アルコキシ
カルボニル基、カルボキシル基、フェニル基、置換され
ているフェニル基などを挙げることができる。置換基の
数および位置は任意である。
【0041】カルボン酸誘導体におけるR3 の示す置換
されているアルキル基の置換基であるアルコキシ基とし
ては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ
基(各異性体を含む)、ブチルオキシ基(各異性体を含
む)、ペンチルオキシ基(各異性体を含む)のようなア
ルキル基部分に炭素数1〜5のアルキル基を含むアルコ
キシ基を挙げることができる。カルボン酸誘導体におけ
るR3 の示す置換されているアルキル基の置換基である
シリルオキシ基としては、例えばトリメチルシリル基、
ジメチル-tert-ブチルシリル基、ジフェニル-tert-ブチ
ルシリル基などを挙げることができる。カルボン酸誘導
体におけるR3 の表す置換されているアルキル基の置換
基であるアルコキシカルボニル基としては、例えばアル
キル基部分にメチル基、エチル基、プロピル基(各異性
体を含む)、ブチル基(各異性体を含む)、ペンチル基
(各異性体を含む)のような炭素数1〜5のアルキル基
を含むアルコキシカルボニル基を挙げることができる。
【0042】カルボン酸誘導体におけるR3 の示す「ア
ルキル基に置換している置換されているフェニル基」の
置換基としては、例えばハロゲン原子、アルコキシ基、
フェノキシ基、ニトロ基、アルキル基、カルボキシル基
を挙げることができる。カルボン酸誘導体におけるR3
の示す「アルキル基に置換している置換されているフェ
ニル基」の置換基であるハロゲン原子としては、例えば
フッ素原子、塩素原子、臭素原子のようなハロゲン原子
を挙げることができる。カルボン酸誘導体におけるR3
の示す「アルキル基に置換している置換されているフェ
ニル基」の置換基であるアルコキシ基としては、例えば
メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基(各異性体
を含む)、ブチルオキシ基(各異性体を含む)、ペンチ
ルオキシ基(各異性体を含む)のようなアルキル基部分
に炭素数1〜5のアルキル基を含むアルコキシ基を挙げ
ることができる。カルボン酸誘導体におけるR3 の示す
「アルキル基に置換している置換されているフェニル
基」の置換基であるアルキル基としては、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基(各異性体を含む)、ブチル
基(各異性体を含む)、ペンチル基(各異性体を含む)
のような炭素数1〜5のアルキル基を挙げることができ
る。
【0043】カルボン酸誘導体におけるR3 の示す置換
されていてもよいアリ−ル基は、置換されていないアリ
−ル基、置換されているアリ−ル基を表す。カルボン酸
誘導体におけるR3 の示す置換されていないアリ−ル基
としては、例えばフェニル基、ピリジル基、ピリミジル
基、チエニル基、フリル基のようなアリ−ル基を挙げる
ことができる。カルボン酸誘導体におけるR3 の示す置
換されているアリ−ル基の置換基としては、例えばハロ
ゲン原子、アルコキシ基、フェノキシ基、ニトロ基、ア
ルキル基を挙げることができる。置換基の数および位置
は任意である。
【0044】カルボン酸誘導体におけるR3 の示す置換
されているアリ−ル基の置換基であるハロゲン原子とし
ては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子のような
ハロゲン原子を挙げることができる。カルボン酸誘導体
におけるR3 の示す置換されているアリ−ル基の置換基
であるアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エト
キシ基、プロピルオキシ基(各異性体を含む)、ブチル
オキシ基(各異性体を含む)、ペンチルオキシ基(各異
性体を含む)のようなアルキル基部分に炭素数1〜5の
アルキル基を含むアルコキシ基を挙げることができる。
カルボン酸誘導体におけるR3 の示す置換されているア
リ−ル基の置換基であるアルキル基としては、例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基(各異性体を含む)、ブ
チル基(各異性体を含む)、ペンチル基(各異性体を含
む)のような炭素数1〜5のアルキル基を挙げることが
できる。
【0045】一般式(3)で表されるカルボン酸誘導体
におけるXがアルコキシ基を示し、R3 が置換されてい
てもよいアルキル基を示し、該アルキル基の炭素数が3
である場合、該アルキル基の置換基は、同時にシリルオ
キシ基およびカルボキシル基であることはない。
【0046】前記の一般式(3)のカルボン酸誘導体
は、常温において液体である化合物は、そのまま使用す
ることができ、また反応に関与しない有機溶媒Cに溶解
して有機溶媒溶液として使用することもできる。本発明
の工程2で使用されるカルボン酸誘導体は、その使用量
が、使用されるアルカリ金属ヘキサメチルジシラザン1
モルに対して、0.2〜1モルの割合になる量であるこ
とが一般的であり、0.3〜0.8モルの割合になる量
であることが好ましく、0.4〜0.6モルの割合にな
る量であることが更に好ましい。
【0047】本発明の工程2で使用される有機溶媒Cと
しては、本発明の工程1における前記の有機溶媒Aと同
じ有機溶媒を挙げることができ、有機溶媒Aと同一の有
機溶媒であっても、異なっていてもよい。この場合、カ
ルボン酸誘導体の使用濃度(W/W%)は、例えば1〜
60%を挙げることができ、5〜50%が好ましく、1
0〜40%が更に好ましい。
【0048】本発明の製法において得られる目的化合物
である、一般式(4)で表されるβ−ケトホスホナ−ト
誘導体において、R1 、R2 、R3 は前記と同じ意味を
示す。このようなR1 、R2 、R3 を有するβ−ケトホ
スホナ−ト誘導体は、前記メチルホスホナ−ト誘導体お
よびカルボン酸誘導体で決められる。
【0049】本発明においては、反応終了後、得られた
β−ケトホスホナ−ト誘導体を含む反応混合液より、該
化合物を分離する方法として、例えば以下の方法を挙げ
ることができる。反応混合液に、例えば塩酸、硫酸、硝
酸、リン酸などの水溶液を添加して酸性溶液とする。該
酸性溶液より、例えばヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素、ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル
などのエ−テル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルムな
どのハロゲン系溶媒、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸
ブチルなどのエステル系溶媒を用いて、β−ケトホスホ
ナ−ト誘導体を抽出し、その後水洗・乾燥・濃縮を行
い、その後シリカゲルカラムクロマトグラフィ−により
分離することができる。
【0050】
【発明の効果】本発明は、上記一般式(1)の表すメチ
ルホスホナ−ト誘導体と一般式(2)の表すアルカリ金
属ヘキサメチルジシラザンとを有機溶媒中で反応させ、
得られたメチルホスホナ−ト誘導体のアルカリ金属塩
と、一般式(3)の表すカルボン酸誘導体とを反応させ
る一般式(4)で表されるβ−ケトホスホナ−ト誘導体
の製法である。本発明を使用すれば、特定の基を持つメ
チルホスホナ−ト誘導体に限定することなく−78℃の
ような極低温を必要とせず、短時間でβ−ケトホスホナ
−ト誘導体を得ることができる。
【0051】
【実施例】以下に実施例を示す。実施例中の収率(%)
は〔β−ケトホスホナ−ト誘導体(モル)/カルボン酸
誘導体(モル)〕で算出した。
【0052】実施例1 アルゴンガスを導入した3つ口フラスコに、−5℃に冷
却した1.0M−リチウムヘキサメチルジシラザンTH
F溶液(9.72mmol)9.72ミリリットルにジ
メチルメチルホスホナ−ト1.21g(9.76mmo
l)を滴下して、同温度に保ちながら1時間攪拌して、
混合THF溶液を得た。同温度に保った該THF溶液
に、安息香酸無水物1.0g(4.42mmol)をT
HF5ミリリットルに溶解した安息香酸THF溶液を3
0分間で滴下し、0℃で20分間攪拌した後、飽和塩化
アンモニウム水溶液10ミリリットルを滴下して反応を
終了させた。保温を止めた該反応液に1N−塩酸22ミ
リリットルを滴下し、酸性反応液を得た。得られた酸性
反応液を、酢酸エチル50ミリリットルで分液し、酢酸
エチル層を得た。得られた酢酸エチル層を水10ミリリ
ットルで洗浄(X2回)し、洗浄酢酸エチル層を得た。
得られた洗浄酢酸エチル層に無水硫酸マグネシウムを加
えて乾燥した後、減圧濃縮を行って濃縮液を得た。得ら
れ濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶離
液;酢酸エチル)を用いて精製を行いジメチルベンゾイ
ルメチルホスホナ−ト0.74gを得た。(収率:74
%) 得られたジメチルベンゾイルメチルホスホナ−トの分析
結果は、ジャ−ナルオブ オルガニック ケミストリ−
(Journal of Organic Chemistry、1990年、55巻、N
o.3 、1080〜1086頁)の記載結果と一致した。
【0053】実施例2 安息香酸無水物の代わりに安息香酸クロライド0.62
1g(4.42mmol)を用いた他は、実施例2と同
様な操作を行って、ジメチルベンゾイルメチルホスホナ
−ト0.980gを得た。(収率:97%)
【0054】実施例3 安息香酸無水物の代わりに1−ベンゾイルイミダゾ−ル
0.761g(4.42mmol)を用いた他は、実施
例2と同様な操作を行って、ジメチルベンゾイルメチル
ホスホナ−ト0.94gを得た。(収率:94%)
フロントページの続き (72)発明者 佐々木 浩史 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 は、独立して、置換されていてもよ
    い炭化水素置換基を示す)で表されるメチルホスホナ−
    ト誘導体と、一般式(2) 【化2】 (式中、Mはアルカリ金属を示す)で表されるアルカリ
    金属ヘキサメチルジシラザンとを有機溶媒中で反応させ
    て、生成したメチルホスホナ−ト誘導体のアルカリ金属
    塩と、一般式(3) 【化3】 (式中、R3 は、置換されていてもよいアルキル基又は
    アリ−ル基を示し、Xは脱離基を示す)で表されるカル
    ボン酸誘導体とを反応させる、一般式(4) 【化4】 (式中、R1 、R2 、R3 は前記と同じ意味を示す)で
    表されるβ−ケトホスホナ−ト誘導体の製造方法。
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