JPH0899971A - ピペロナールの精製方法 - Google Patents

ピペロナールの精製方法

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JPH0899971A
JPH0899971A JP23715694A JP23715694A JPH0899971A JP H0899971 A JPH0899971 A JP H0899971A JP 23715694 A JP23715694 A JP 23715694A JP 23715694 A JP23715694 A JP 23715694A JP H0899971 A JPH0899971 A JP H0899971A
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JP
Japan
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piperonal
acid
sulfite
reaction
methylenedioxybenzene
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JP23715694A
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English (en)
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Katsumasa Harada
勝正 原田
Tomoshi Sugiyama
知士 杉山
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 1,2−メチレンジオキシベンゼンとグリオ
キシル酸から合成される3,4−メチレンジオキシマン
デル酸を硝酸酸化して生成するピペロナールを精製する
に際し、ピペロナールを含む反応混合物を亜硫酸塩で処
理した後、生成したピペロナールの亜硫酸塩を有機溶媒
で洗浄し、次いでこれを酸又は塩基で分解することによ
ってピペロナールを再生することを特徴とするピペロナ
ールの精製方法に関する。 【効果】 本発明により、1,2−メチレンジオキシベ
ンゼンとグリオキシル酸から合成される3,4−メチレ
ンジオキシマンデル酸を硝酸酸化することによって得ら
れるピロナールを、ニトロ化物を含まない高純度の製品
として得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1,2−メチレンジオ
キシベンゼンとグリオキシル酸から合成される3,4−
メチレンジオキシマンデル酸を硝酸酸化することによっ
て得られるピペロナール(ヘリオトロピン)を精製する
方法、特にピペロナールに混入するニトロ化物を除去す
る方法に関する。ピペロナールはヘリオトロープ系香料
の調合基材であり、一般化粧品香料として広く利用され
るほか、医農薬の合成原料や金属メッキの光沢剤として
非常に有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】ピペロナールは天然物のサフロールを異
性化したイソサフロールを原料として製造されており、
その精製方法に関しては、蒸留、再結晶、水蒸気蒸留、
亜硫酸ナトリウム付加物の分解など種々検討されている
(香料化学総覧2、p.837〜838、廣川書店)。
一方、その他のピペロナールの製造方法として、1,2
−メチレンジオキシベンゼンとグリオキシル酸を硫酸等
の強酸の存在下で反応させて得られる3,4−メチレン
ジオキシマンデル酸を硝酸酸化する方法が知られている
が、このような方法によって製造されるピペロナールに
ついては、優れた精製方法、特にピペロナールに混入し
て製品の品質を低下させるニトロ化物を除去できる精製
方法は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】1,2−メチレンジオ
キシベンゼンから3,4−メチレンジオキシマンデル酸
を経由してピペロナールを製造する方法においては、硫
酸存在下における1,2−メチレンジオキシベンゼンと
グリオキシル酸との反応(以下、付加反応という)と、
付加反応で生成する3,4−メチレンジオキシマンデル
酸と硝酸との反応(以下、酸化反応という)を連続して
行った場合、付加反応における未反応の1,2−メチレ
ンジオキシベンゼンが酸化反応の過程でニトロ化されて
1,2−メチレンジオキシ−4−ニトロベンゼン(以
下、ニトロ化物という)が生成する。このニトロ化物は
ピペロナールを着色させて製品の品質を低下させるもの
で、ピペロナールに数10ppm以上混入していると肉
眼でその着色を確認することができる。
【0004】このため、蒸留やメタノールによる再結晶
などによってピペロナールの精製が行われるが、前記ニ
トロ化物の除去は困難であり、更に精製に伴うピペロナ
ールの損失も大きくなるという問題がある。即ち、蒸留
では前記ニトロ化物とピペロナールが共沸するために、
また再結晶では前記ニトロ化物の有機溶媒への溶解度が
小さく、析出するピペロナールの結晶に前記ニトロ化物
が含有されて前記ニトロ化物とピペロナールとの分離が
困難になるために、精製に伴うピペロナールの損失が大
きくなる。その他、活性炭による前記ニトロ化物の吸着
除去も殆ど効果がない。
【0005】ピペロナールに混入する前記ニトロ化物を
除去する方法として、酸化反応を行う前に、付加反応で
生成した3,4−メチレンジオキシマンデル酸を精製し
て1,2−メチレンジオキシベンゼンを除去する方法も
考えられる。しかしながら、付加反応後、未反応の1,
2−メチレンジオキシベンゼンが3,4−メチレンジオ
キシマンデル酸の結晶中に取り込まれており、硫酸も結
晶中に残存していることから、濾過、及び洗浄又は再結
晶による3,4−メチレンジオキシマンデル酸の精製は
かなり煩雑な操作になり、必要とする水や有機溶媒も非
常に大量になるという問題がある。更に、水に溶解した
3,4−メチレンジオキシマンデル酸の回収は非常に困
難で、その損失は無視できないものになる。このよう
に、1,2−メチレンジオキシベンゼンを出発物質とし
て3,4−メチレンジオキシマンデル酸を硝酸酸化して
ピペロナールを製造する方法においては、ニトロ化物の
含有されていない高純度のピペロナールを得ることは非
常に困難である。
【0006】本発明は、1,2−メチレンジオキシベン
ゼンを出発物質として3,4−メチレンジオキシマンデ
ル酸を硝酸酸化して得られるピペロナールを精製するに
際して、ピペロナールの損失を大きくすることなく、蒸
留や再結晶による精製では除去することが非常に困難な
前記ニトロ化物を容易に除去することができる、工業的
に好適なピペロナールの精製方法を提供することを目的
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、1,2
−メチレンジオキシベンゼンとグリオキシル酸から合成
される3,4−メチレンジオキシマンデル酸を硝酸酸化
して生成するピペロナールを精製するに際し、ピペロナ
ールを含む反応混合物を亜硫酸塩で処理した後、生成し
たピペロナールの亜硫酸塩を有機溶媒で洗浄し、次いで
これを酸又は塩基で分解することによってピペロナール
を再生することを特徴とするピペロナールの精製方法に
よって達成される。
【0008】以下に本発明を詳しく説明する。ピペロナ
ールを含む反応混合物は、1,2−メチレンジオキシベ
ンゼンとグリオキシル酸を硫酸存在下で反応させる反応
(以下、付加反応という)と、付加反応で生成した3,
4−メチレンジオキシマンデル酸を硝酸酸化する反応
(以下、酸化反応という)を連続して行うことによって
得られるものである。即ち、ピペロナールを含む反応混
合物は、付加反応後、中間体の3,4−メチレンジオキ
シマンデル酸を分離精製することなく、トルエン等の有
機溶媒を加え、引き続き硝酸で酸化反応を行って生成し
たピペロナールがトルエン等の有機溶媒層に抽出される
ことによって得られる。この反応混合物中にはピペロナ
ールに対して通常0.1〜1重量%の1,2−メチレン
ジオキシ−4−ニトロベンゼン(以下、ニトロ化物とい
う)が含まれている。
【0009】亜硫酸塩としては、亜硫酸ナトリウム、亜
硫酸カリウム等のアルカリ金属の亜硫酸塩、亜硫酸水素
ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等のアルカリ金属の亜
硫酸水素塩が用いられるが、中でも亜硫酸水素ナトリウ
ムが好適に用いられる。
【0010】亜硫酸塩による処理は次のように二段階で
行われる。亜硫酸塩として、例えば亜硫酸水素ナトリウ
ムを用いる場合を例にとって説明すると、通常、次のよ
うに行われる。まず最初に、前記反応混合物は、ピペロ
ナールの合成で生成したピペロニル酸などの副生物を除
去するために水酸化ナトリウム等の塩基性水溶液で洗浄
される。水酸化ナトリウム水溶液による洗浄は、通常、
1回の洗浄当たり、ピペロナールに対して水酸化ナトリ
ウムが5〜200モル%で洗浄時間が0.5〜48時間
になるようにして、1〜30重量%の水酸化ナトリウム
水溶液で1〜4回洗浄すればよいが、好ましくは1回の
洗浄当たり、ピペロナールに対して水酸化ナトリウムが
25〜80モル%で洗浄時間が0.5〜2時間になるよ
うにして、3.6〜15重量%の水酸化ナトリウム水溶
液で2回洗浄すればよい。
【0011】次に、前記反応混合物は亜硫酸水素ナトリ
ウムと混合・攪拌される。このとき、亜硫酸水素ナトリ
ウムは、市販の亜硫酸水素ナトリウム水溶液でもよく、
粉末の亜硫酸水素ナトリウムを水に溶解して通常20〜
40重量%の水溶液にしたものでもよい。更に、亜硫酸
水素ナトリウムは、亜硫酸ナトリウムと硫酸等の酸との
反応、又は二酸化硫黄と水酸化ナトリウムとの反応によ
って調製されるものでもよい。また、亜硫酸水素ナトリ
ウムとの混合・攪拌は、前記反応混合物と水を混合した
後に粉末の亜硫酸水素ナトリウムを加えることによって
行ってもよい。なお、亜硫酸水素ナトリウムは、ピペロ
ナールに対して通常1〜100倍モル、好ましくは1〜
1.3倍モル用いられ、攪拌時間は通常0.5〜24時
間、好ましくは1〜2時間である。また、混合・攪拌時
の温度は通常0〜60℃、好ましくは5〜25℃であ
る。
【0012】このようにして前記反応混合物を亜硫酸塩
で処理することにより、ピペロナールは殆ど亜硫酸塩付
加物となって析出する。このため、ピペロナールは亜硫
酸塩付加物として濾過によってほぼ回収され、有機層に
残存するピペロナールは無視できる。また、ニトロ化物
は有機層に溶解したままであるので、回収された亜硫酸
塩付加物にはごく少量付着しているのみである。なお、
水層にはピペロナールの亜硫酸塩付加物が若干溶解して
いるので、これを処理して遊離のピペロナールを得ても
よいし、又はこの水層に粉末の亜硫酸水素ナトリウム又
は二酸化硫黄と水酸化ナトリウムを溶解させて亜硫酸ナ
トリウム水溶液として再使用してもよい。
【0013】次に、得られた亜硫酸塩付加物は有機溶媒
で洗浄される。この付加物を洗浄する有機溶媒として
は、前記の酸化反応に用いられる有機溶媒、例えば、ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン等
の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n
−オクタン、n−デカン等の脂肪族炭化水素類、シクロ
ヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂環式
炭化水素類、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテ
ル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステ
ル類、クロロホルム、四塩化炭素等の脂肪族ハロゲン化
炭化水素類を用いるのが簡便で好ましいが、アセトン等
のケトン類及びアルデヒド類以外のものであれば、特に
制限されるものではない。
【0014】有機溶媒による洗浄は、ピペロナール1モ
ル当たり、通常、100〜10000mlの有機溶媒を
用いて、ガスクロマトグラフィーによる分析で洗浄液に
ニトロ化物が殆ど検出されなくなるまで(1〜10回)
行われるが、好適には100〜1000mlのトルエン
で1〜4回行われる。なお、洗浄の際、ピペロナールが
有機溶媒にわずかに溶け込むが、この有機溶媒からは蒸
留等により容易にピペロナールを回収できる。
【0015】最後に、亜硫酸塩付加物は酸又は塩基によ
って分解されて、ピペロナールが再生される。この分解
は酸又は塩基いずれによってもよいが、塩基を用いると
亜硫酸塩付加物に付着した不純物が水層に除去できるの
で、通常は塩基により行われる。塩基を用いる場合、こ
の分解は、有機溶媒存在下又は非存在下で、付加物に、
例えば水酸化ナトリウム水溶液又は水と粒状水酸化ナト
リウムを加えて攪拌することによって行われる。このと
き、水酸化ナトリウムは、亜硫酸水素ナトリウムに対し
て通常1〜10倍モル、好ましくは1.1〜2倍モル用
いられ、水溶液又は水は、付加物に対して通常1〜2重
量倍用いられる。攪拌時間は通常0.5〜48時間、好
ましくは1〜2時間である。有機溶媒としては、前記の
亜硫酸塩付加物の洗浄に用いられるものが用いられる。
【0016】亜硫酸塩付加物の分解により再生されたピ
ペロナールは、遊離の状態で殆ど有機層に存在している
ので、有機層を分液し水酸化ナトリウム水溶液次いで水
による洗浄を行ってニトロ化物を含まないピペロナール
の前記有機溶媒溶液を得た後、この溶液を蒸留すること
により高純度の製品として得ることができる。なお、前
記有機溶媒溶液中に僅かに残るニトロ化物以外の不純物
は蒸留操作によって簡単に除去され、上記の操作による
ピペロナールの損失は殆ど認められない。
【0017】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお、反応生成物の分析はガスクロマトグラフィ
ーにより行った。
【0018】実施例1 〔ピペロナールの合成〕内容積4.7リットルのダルト
ン社製万能攪拌混合機に、アルゴン雰囲気下、40重量
%グリオキシル酸738.68g(3.99モル)と9
7重量%硫酸750.1g(7.42モル)を仕込ん
で、混合液を−5℃に冷却した(以下、操作はアルゴン
雰囲気下で行った)。次に、混合液を攪拌しながら温度
が−5〜0℃に保たれるように1,2−メチレンジオキ
シベンゼン443.53g(3.63モル)を1時間で
滴下した後、反応温度0〜5℃で5時間攪拌して付加反
応を行った。付加反応終了後、反応液を20℃に加熱し
て1時間攪拌した。
【0019】得られた反応液に水1.22リットルとト
ルエン1リットルを加えてよく攪拌し、析出物をスラリ
ー化した。このスラリー液を50℃に昇温した後、攪拌
しながら61重量%硝酸255.41g(2.47モ
ル)を1時間かけて滴下して酸化反応を行った。このと
き、反応温度は54℃まで上昇した。硝酸の滴下を終え
てガスの発生が認められなくなった後、更にこの温度で
1時間攪拌した。酸化反応終了後、反応液を室温まで冷
却し、アルゴンガスをパージしてトルエン層と水層を分
離した。トルエン層(反応混合物)を分析したところ、
1,2−メチレンジオキシベンゼンの転化率は96モル
%で、ピペロナールの收率は1,2−メチレンジオキシ
ベンゼンに対して80モル%であった。また、1,2−
メチレンジオキシ−4−ニトロベンゼンはピペロナール
に対して0.5重量%含有されていた。
【0020】〔水酸化ナトリウムによる洗浄〕得られた
反応混合物に更にトルエンを加えてピペロナール濃度が
16.2重量%になるように調整した(全量は2.7k
gとなった)。この反応混合物のうち277.14g
(ピペロナール45.00g(0.30モル)を含む)
と水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム9.60
g水100g)とを500ml容マイヤーフラスコに入
れて室温で30分間攪拌した後、水層を分離し、次い
で、残存するトルエン層に更に水酸化ナトリウム水溶液
(水酸化ナトリウム7.67g、水51.2g)を加え
て1時間攪拌した。攪拌終了後、水層を分離し、トルエ
ン層を食塩水(食塩2.0g、水50g)で洗浄して、
水酸化ナトリウム洗浄を行った反応混合物を得た。
【0021】〔亜硫酸水素ナトリウム付加物の調製〕水
酸化ナトリウム洗浄を行った反応混合物260.31g
と、亜硫酸水素ナトリウム37.75g(0.36モ
ル)を含む亜硫酸水素ナトリウム水溶液100.75g
とを室温で混合して1時間攪拌した。生成したピペロナ
ールの亜硫酸水素ナトリウム付加物(固体)を濾取し、
濾液は水層とトルエン層に分液した。
【0022】〔亜硫酸水素ナトリウム付加物の洗浄〕濾
取した固体347.40gに、この固体を濾取したとき
に分液した前記水層41.30gと更にトルエン12
6.24g及び水87.49gとを加えた後、室温で
0.5時間攪拌した。攪拌終了後、この懸濁液を濾過し
て固体を濾取し、濾液は水層とトルエン層に分液した。
固体は、トルエン226.07gを加え室温で1時間攪
拌して洗浄した後、濾過してフィルター上で更にトルエ
ン200gにより洗浄した。
【0023】〔亜硫酸水素ナトリウム付加物の分解〕5
00ml容反応器に、トルエンによる洗浄を行った固体
109.11gとこのとき分離した上記水層134.4
3gを入れた後、アルゴン雰囲気下でトルエン50ml
と水57gを加えた。次いで、これを氷水で冷却しなが
ら水酸化ナトリウム20.68g(0.52モル)を加
えて室温で2時間攪拌した。攪拌終了後、分液したトル
エン層を水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム
3.77g、水48g)で1回、食塩水(塩化ナトリウ
ム2g、水50g)50mlで2回洗浄した。以上の操
作により得られたトルエン溶液202.5gは1,2−
メチレンジオキシ−4−ニトロベンゼンを含まないもの
で、溶液中にはピペロナールが42.27g含まれてい
た。なお、酸化反応で得られたピペロナールからの回收
率は94.3モル%であった。
【0024】〔ピペロナールの蒸留〕上記トルエン溶液
の187.73g(ピペロナール39.61g)から低
沸物を留去し、得られた濃縮液55.39gを減圧蒸留
して(2mmHg、留出温度96〜98℃、バス温度1
19〜123℃)、純度99.9%のピペロナール3
8.03gを得た。得られたピペロナール中の1,2−
メチレンジオキシ−4−ニトロベンゼンは1ppm以下
で、実質的に含まれていなかった。
【0025】比較例1 実施例1と同様にピペロナールの合成を行って、ピペロ
ナールを含むトルエン層(反応混合物)を得た。実施例
1における亜硫酸水素ナトリウムによる精製を行うこと
なく、この反応混合物を蒸留して純度99重量%のピペ
ロナールを得たが、黄色に着色していて、1,2−メチ
レンジオキシ−4−ニトロベンゼンが0.5重量%含ま
れていた。
【0026】比較例2 比較例1で得られた純度99重量%のピペロナールを、
温度0〜40℃で、メタノール:水=100:0〜2
0:80の組成の各種溶媒で再結晶したが、得られたピ
ペロナールはいずれも黄色に着色しており、更に経時的
に着色する傾向が見られた。また、ピペロナール中には
いずれも1,2−メチレンジオキシ−4−ニトロベンゼ
ンが0.5重量%含まれていた。
【0027】比較例3 比較例1で得られた純度99重量%のピペロナールをメ
タノールに溶解し、活性炭で処理を行った後、比較例2
と同様に再結晶を行ったが、得られたピペロナールはい
ずれも黄色に着色しており、更に経時的に着色する傾向
が見られた。また、ピペロナール中にはいずれも1,2
−メチレンジオキシ−4−ニトロベンゼンが0.4重量
%含まれていた。
【0028】
【発明の効果】本発明により、1,2−メチレンジオキ
シベンゼンとグリオキシル酸から合成される、3,4−
メチレンジオキシマンデル酸を硝酸酸化することによっ
て得られるピペロナールを含む反応混合物から、通常の
方法では除去困難なニトロ化物を一挙に除去することが
でき、実質的にニトロ化物を含まない(即ち、その含有
量が1ppm以下で)、着色のない高純度の製品として
ピペロナールを得ることができる。更に、本発明の精製
方法は容易である上に、蒸留等の操作を含めても精製に
おけるピペロナールの損失が非常に少ないため、本発明
により、1,2−メチレンジオキシベンゼンを出発物質
とする工業的に優れたピペロナールの製造方法を提供す
ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,2−メチレンジオキシベンゼンとグ
    リオキシル酸から合成される3,4−メチレンジオキシ
    マンデル酸を硝酸酸化して生成するピペロナールを精製
    するに際し、ピペロナールを含む反応混合物を亜硫酸塩
    で処理した後、生成したピペロナールの亜硫酸塩を有機
    溶媒で洗浄し、次いでこれを酸又は塩基で分解すること
    によってピペロナールを再生することを特徴とするピペ
    ロナールの精製方法。
JP23715694A 1994-09-30 1994-09-30 ピペロナールの精製方法 Pending JPH0899971A (ja)

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