JPH0899362A - 繊維強化樹脂製フランジ付管及びその製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂製フランジ付管及びその製造方法

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JPH0899362A
JPH0899362A JP6236276A JP23627694A JPH0899362A JP H0899362 A JPH0899362 A JP H0899362A JP 6236276 A JP6236276 A JP 6236276A JP 23627694 A JP23627694 A JP 23627694A JP H0899362 A JPH0899362 A JP H0899362A
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JP
Japan
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flange
reinforced resin
fiber
pipe
flange portion
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Application number
JP6236276A
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English (en)
Inventor
Hirohide Nakagawa
裕英 中川
Kimitoku Takao
公徳 高尾
Nobuhiro Goto
信弘 後藤
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】座付フランジとの接続を機械的に安全に行い得
て高耐圧性の接続を可能とし、しかも、フィラメントワ
インディング法により高生産性で製造できる繊維強化樹
脂製フランジ付管及びその製造方法を提供する。 【構成】繊維強化樹脂製フランジ付管は、管本体部11
の一端にフランジ部12を有する、フィラメントワイン
ディング法による繊維強化樹脂製であり、フランジ部前
面のうち、座付フランジに対する座の当接面を高分子弾
性シ−ト13の埋着により形成した。製造法法において
は、一端に鍔部341を有するマンドレル34に、高分
子弾性シ−ト13を鍔部内面に添付のうえ未硬化の管本
体部11を形成し、次いで、型板41をセットし、未硬
化のフランジ部12を形成し、而るのち、全体の樹脂を
硬化させると共にフランジ部に上記の高分子弾性シ−ト
を接着一体化させたうえで、脱型する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維強化樹脂製フランジ
付管及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維強化樹脂製フランジ付管とし
ては、繊維強化樹脂製フランジ部材を別途製作し、この
繊維強化樹脂製フランジ部材を繊維強化樹脂管に接着す
るものが公知であり(例えば、特公平2−29916号
公報)、このフランジ部材の繊維強化樹脂製管への接着
には、一般に、繊維強化樹脂のハンドレイアップや接着
樹脂の注入が知られている。
【0003】また、繊維強化樹脂製フランジ付管とし
て、繊維強化樹脂製管本体の端部にフランジ部成形用の
二枚の型板を定着し、これらの型板間を埋めるようにし
て硬化性樹脂含浸繊維材を巻回し、この巻回体の樹脂を
硬化後、型板を脱型するものが公知であり(例えば、特
開平2−300592号公報)、この場合、繊維強化樹
脂製フランジ部と繊維強化樹脂製管本体部との接着強化
を図るための一般的手段としては、繊維強化樹脂製管本
体の端部を研磨加工により粗面化することが知られてい
る。
【0004】周知の通り、繊維強化樹脂製フランジ付管
においては、フランジ間をその間にパッキングを挾んで
ボルトにより締結することにより接続され、管内圧に基
づく軸方向ストレス(スラスト荷重)や不等沈下等のた
めに、管接続部のフランジ付け根への剪断力や曲げモ−
メントの作用が余儀なくされる。
【0005】而るに、上記した従来の繊維強化樹脂製フ
ランジ付管においては、フランジの接着にあたってのハ
ンドレイアップ等や研磨に、人的要因によるバラッキが
避けらず、それに伴う接着強度や品質のバラッキを免れ
得ないので、フランジ部の付け根に作用する剪断力や曲
げモ−メントに対し安全とは云い難い。
【0006】また、上記した従来の繊維強化樹脂製フラ
ンジ付管においては、管本体部とフランジ部とを別々に
製造し、これらを接着しているから、工数が多く、生産
性にも劣っている。
【0007】そこで、本発明者等においては、フィラメ
ントワインディング法により未硬化の管本体部を形成
し、次いで、フランジ部成形用型板を定着して同じフィ
ラメントワインディング設備を用い引き続いてフィラメ
ントワインディング法により未硬化のフランジ部を形成
し、而るのち、全体の樹脂を硬化のうえ、脱型すること
を既に提案した(特願平5−245262号)。
【0008】この繊維強化樹脂製フランジ付管の製造方
法によれば、管本体部とフランジ部とを、樹脂の高分子
鎖の絡み合いで分子構造的に一体化し得てその間の結着
強度を高くでき、また、管本体部の形成と鍔部の形成と
の連続化等により生産性を高めることができ、上記した
従来例(特公平2−29916号公報、特開平2−30
0592号公報)の不利の解消を図ることが可能であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】周知の通り、フランジ
付鋳鉄管においては、通常、パッキングの止水性の安定
的確保のために、図5に示すように、座付フランジ1
2’を用いている(鋳造の平面精度上、平フランジにす
ると、ボルト締め付け面がパッキング止水面よりも突出
し、パッキング止水面でパッキングを充分に締め付け得
ないことが往々に生じるため)。
【0010】而るに、本発明者等が提案した上記フィラ
メントワインディング法による繊維強化樹脂製フランジ
付管の製造方法においては、高い平面寸法精度を保証で
きるから、座付フランジとする必要はない。
【0011】しかしながら、繊維強化樹脂製フランジ付
管とフランジ付鋳鉄管とを接続しなければならない場合
(例えば、鋳鉄製水道管路の一部を繊維強化樹脂製水道
管に取り替える場合)、繊維強化樹脂製の平フランジと
座付フランジとの接続が必要となり、この場合、図5に
示すように、ボルト22の締結力に基づき、繊維強化樹
脂平フランジ部12”に、剪断応力と曲げ応力とが合成
された複雑な応力が作用し(図5において、22はパッ
キング、mはボルト締結力に基づく曲げモ−メント、τ
は同じく剪断応力をそれぞれ示している)、この応力に
対する繊維強化樹脂製フランジ部の強度が問題となる。
【0012】尤も、上記の特開平2−300592号公
報には、かかる応力に対処するために、フランジ部内に
補強布を断面U状に曲げて埋入することが開示されてい
るが、本発明者等が提案した上記フィラメントワインデ
ィング法による繊維強化樹脂製フランジ付管の製造方法
において、フランジ部内に補強布を断面U状に曲げて埋
入すれば、ワインディングの作業性低下が招来され、高
生産性の有利性を保持できない。
【0013】本発明の目的は、座付フランジとの接続を
機械的に安全に行い得て高耐圧性の接続を可能とし、し
かも、フィラメントワインディング法により高生産性で
製造できる繊維強化樹脂製フランジ付管及びその製造方
法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る繊維強化樹
脂製フランジ付管は、管本体部の一端にフランジ部を有
する、フィラメントワインディング法による繊維強化樹
脂製であり、フランジ部前面のうち、座付フランジに対
する座の当接面を高分子弾性シ−トの埋着により形成し
たことを特徴とする構成である。
【0015】本発明に係る繊維強化樹脂製フランジ付管
の製造法法は、一端に鍔部を有するマンドレルに、高分
子弾性シ−トを鍔部内面に添付の後、硬化性樹脂含浸繊
維材を巻回積層して未硬化の管本体部を形成し、次い
で、上記鍔部とでフランジ部成形用空間を構成する型板
をセットし、そのフランジ部成形用空間に硬化性樹脂含
浸繊維材を巻回積層して未硬化のフランジ部を形成し、
而るのち、全体の樹脂を硬化させると共にフランジ部に
上記の高分子弾性シ−トを接着一体化させて、脱型する
ことを特徴とする構成である。
【0016】以下、本発明の構成を図面を参照しつつ説
明する。図1は本発明に係る繊維強化樹脂製フランジ付
管の一例としての繊維強化樹脂製のフランジ付管継手を
示している。
【0017】図1において、11は繊維強化樹脂製の管
本体部としての継手本体部である。111並びに112
は継手本体部11の受口内面に設けられたゴムリング装
着溝並びに抜け止めリング装着溝である。113は必要
に応じ受口内面に一体に接着されたウィ−ピング防止用
成形体である。12は管本体部11の一端(継手本体部
の後端)に設けられた繊維強化樹脂製のフランジ部であ
り、管本体部11と共にフィラメントワインディング法
により成形されている。
【0018】13はフランジ部前面のうち、該フランジ
部12に接続されるフランジが座付フランジであるとき
にその座が当接される部分(この部分の外周はボルト孔
よりも内側にある)に埋着された高分子弾性シ−トであ
り、該シ−ト表面と該シ−トを囲むフランジ外周部前面
とは面一とされている(シ−ト表面がフランジ外周部前
面に対し、多少突出していてもよい)。このフランジ部
12の外径は、該フランジ部12に接続されるフランジ
の寸法を勘案して設定され、通常、管本体部外径の1.
1〜7倍の範囲内で設定される。
【0019】このフランジ付管継手による管の接続にお
いては、一方の管にフランジ付管継手がフランジ接続さ
れ、この接続された管継手の受口に他方の管がゴムリン
グ並びに抜け止めリングを介し差し込み方式により接続
される。一方の管が座付フランジを有する管の場合、図
2に示すように、両フランジ部12,12’間にパッキ
ング21が挾さまれ、両フランジ部がボルト22で締結
され、座付フランジ部12’の座121’がパッキング
21を介してフランジ付管継手のフランジ部12の高分
子弾性シ−ト13に食い込まされ、座付フランジ部1
2’の突出座に基づく歪が高分子弾性シ−ト13の弾性
変形で吸収される。
【0020】この場合、パッキング21を含めた座12
1’の食い込み深さが、ほぼ座の高さhに等しいとする
と、高分子弾性シ−ト13の厚みをt、座121’の食
い込みに対する高分子弾性シ−ト13の弾性率〔荷重f
に対する座の食い込み深さをd、座の面積をsとする
と、弾性率=f/(sd)〕をEとすれば、座による高
分子弾性シ−トの圧縮応力の増大分Δσは、Δσ=Eh
/tで与えられ、この圧縮応力の増大分Δσを適当な値
に規制するように(この圧縮応力の増大分Δσとパッキ
ング圧縮に基づきフランジに作用する応力との総和を、
繊維強化樹脂の破断に対し安全応力に抑制するよう
に)、高分子弾性シ−トの種類に応じ、厚みt並びに外
径(座の食い込みにより高分子弾性シ−トは半径方向に
も変形し、高分子弾性シ−トの外径を座の外径より大き
くするほど、この半径方向の変形が生じ易くなって、上
記弾性率Eが小となる)が設定される。
【0021】上記高分子弾性シ−トには、ウレタンゴ
ム、ネオプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴ
ム、スチレンブタジエンブロック共重合ゴム、スチレン
イソプレンブロック共重合ゴム、ポリエステルゴム、ま
たはこれらの発泡体を使用でき、就中、ネオプレンゴム
及びその発泡体がプライマ−を介することなく繊維強化
樹脂に強力に接着でき好ましく、特に、同発泡体におい
ては、圧縮時の許容変形量が大きく好適である。
【0022】上記高分子弾性シ−トに発泡ネオプレンゴ
ムを使用する場合、通常の水道用座付フランジ(座の高
さ3mm)に対し、高分子弾性シ−トの厚みはその座の
高さよりも1.5mm厚くし、高分子弾性シ−トの外径
はその座の半径よりも6mm大きくすることができる。
【0023】なお、上記ウィ−ピング防止用成形体は、
管継手の繊維強化樹脂面への抜け止めリング、ゴムリン
グ、管挿口の先端の直接接触による繊維強化樹脂のマイ
クロクラックの発生を阻止し、かつ成形体自体の優れた
水密性によって管継手のウィ−ピング現象を防止し、使
用内圧の高圧化を可能にするために使用され、使用内圧
が低い場合は、省略できる。
【0024】本発明に係る繊維強化樹脂製フランジ付管
の実施は、上記の管継手に限定されるものではなく、一
端に上記した継手本体部を有し、他端に上記したフラン
ジ部を有する管体(図1に示す管継手に対し、継手本体
部とフランジ部との間に充分に長い管部を有する構
成)、一端にフランジ部を有する水道管等の内圧管、フ
ランジ接続される管状構造材等にも適用される。
【0025】図3の(イ)は本発明の繊維強化樹脂製フ
ランジ付管の製造方法に使用される通常のフィラメント
ワインディング装置の概略を示し、連続繊維材がボビン
31から引き出され、この連続繊維材に樹脂含浸槽32
において硬化性樹脂が含浸され、この硬化性樹脂含浸連
続繊維材がフィ−ドアイ33を経て回転中のマンドレル
34に巻回積層されていく。マンドレルには、剛性が高
く軽量なもの、例えば、鋼、ステンレス、アルミニウ
ム、ジュラルミン等の金属製品、ウレタン等のゴム材、
ポリプロピレン、ポリエチレン等のブロ−成形品、ポリ
アミド、高密度ポリエチレン等の切削加工品等を使用で
きる。
【0026】上記フィ−ドアイ33においては、製品で
あるフランジ付管に応じて、硬化性樹脂含浸繊維材を所
定の巻き付け角度並びに積層層数で巻回し得るように、
図3の(ロ)に示すように、マンドレル34の回転軸に
平行なX軸方向の正逆走行以外に、このX軸に対するY
軸方向の正逆走行、更にZ軸方向の正逆走行、Z軸に垂
直な面での正逆回転(U運動)並びにY軸に垂直な面で
の正逆回転(W運動)等が可能とされている。これらの
走行・回転の制御には通常、ACサ−ボモ−タが使用さ
れる。制御方式としては、近接スイッチ等を使用したフ
ィ−ドバック方式、予め移動座標を記憶させたプログラ
ムに従いコンピュ−タで制御するティ−チインプレ−バ
ック方式等が使用される。制御精度は1mm以内であれ
ば、充分である。
【0027】本発明に係る繊維強化樹脂製フランジ付管
の製造方法により、図1に示したフランジ付管継手を製
造するには、上記のフィラメントワインディング装置を
使用し、まず、図4の(イ)に示すように、一端に鍔3
41を有するマンドレル34のその鍔341の内面に高
分子弾性シ−ト13を添付し、更に、にウィ−ピング防
止用成形体113をピンリング342を介して支着し、
ついで、ボビンより連続繊維材を引き出し、この繊維材
を樹脂含浸槽に通して硬化性樹脂の含浸を行い、図4の
(ロ)において、この硬化性樹脂含浸繊維材aをフィ−
ドアイ33の少なくともX軸方向のトラバ−ス走行のも
とで、ウィ−ピング防止用成形体113の凹部をフ−プ
巻きにより滑らかにしたうえで、マンドレル34の鍔3
41とピンリング342との間に、ピンリング342の
ピンへの引っ掛けにより巻き返しを行って、所定の巻き
付け角度、所定の積層層数で巻回積層して、未硬化の管
継手本体部110を形成していく。
【0028】このようにして未硬化の管継手本体部11
0を形成すれば、一旦、マンドレル34の回転を停止
し、図4の(ハ)において、鍔341とでフランジ部成
形用空間を構成するド−ナツ状の型板41をセットし、
マンドレル34の回転を再開し、型板41と鍔341と
の間に硬化性樹脂含浸繊維材aを通常は円周巻で巻き付
けて、図4の(ニ)に示すように、未硬化のフランジ部
120を形成する。
【0029】而るのちは、未硬化の半製品をマンドレル
と共に加熱炉に搬入し、樹脂を硬化させ、この硬化体か
ら型板並びにマンドレルを脱型し、図に示すように、硬
化先端のトリミングを行い、これにて、図1に示す、繊
維強化樹脂製のフランジ付管継手の製造を終了する。
【0030】上記において、管本体部形成のための硬化
性樹脂含浸繊維材の巻き付け角は、通常、±300〜±
750とされ、フランジ部形成のための硬化性樹脂含浸
繊維材の巻き付け角は、ほぼ900とされる。この場
合、フィ−ドアイをY軸に垂直な面内で正逆回転させる
ことが好ましく、例えば、巻き付け角が±300(マン
ドレルの回転軸の方向を基準とし、反時計回りの方向を
+とする)の場合、±60 0の範囲で傾かせることが好
ましい。このようにすることにより、フィ−ドアイのス
リット内での硬化性樹脂含浸繊維材の滑り移動を防止で
き〔図3の(ロ)において、フィ−ドアイ33の+X走
行方向に対し、フィ−ドアイ33を尻上がり(右上が
り)の方向に傾かせれば、スリット331内での繊維の
−X方向滑りを防止できる)、硬化性樹脂含浸繊維の巻
き付け密度の均一性を向上できる。
【0031】上記において、型板41は、未硬化の管継
手本体部に直接挾持することも可能であるが、図4の
(ハ)に示すように、ア−ム411付きとし、ア−ム4
11をマンドレル支持軸340にクランプし、硬化性樹
脂含浸繊維材の巻き付け中での型板のずれを防止し、平
行度を保つことが望ましい。
【0032】上記実施例においては、型板の定着のため
に、マンドレルを一旦停止させているが、マンドレルの
回転を継続しつつ型板を定着することも可能である。例
えば、型板を二つ割れとし、2つ割り型板の締閉、拡開
を自動的に行わせるようにア−ムにサ−ボモ−タ等を仕
組み、未硬化の管継手本体部の形成が終了し硬化性樹脂
含浸繊維材の巻き付け位置が同管継手本体部の後端側に
位置する際に、マンドレルの回転を継続させたままで2
つ割り型板を自動的に締閉させ、硬化性樹脂含浸繊維材
を型板と鍔板との間に案内して巻き付け、未硬化のフラ
ンジ部を形成することも可能である。
【0033】上記実施例においては、マンドレルの脱型
の際に型板を脱離しているが、型板を脱離したうえで、
全体の樹脂を硬化させ、而るのち、マンドレルのみの脱
型を行うことも可能である。
【0034】上記硬化性樹脂含浸繊維の繊維材として
は、ヤ−ンやトウ等の束状繊維(ロ−ビング)やロ−ビ
ングクロステ−プ、クロステ−プ、すだれ状編みテ−
プ、チヨップドストランドテ−プ、コンティニアステ−
プ等のテ−プ状繊維材を使用できるが、管本体部にはロ
−ビングを、フランジ部にはテ−プ状繊維材を使用する
ことが好ましい。
【0035】これらの繊維材の材質としては、ガラス繊
維、炭素繊維等の無機繊維、アラミド繊維、ポリエチレ
ンテレフタレ−ト繊維等の有機繊維が挙げられる。硬化
性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂、フェノ−ル樹脂等が挙げられ
る。これらの熱硬化性樹脂のほか、光硬化型樹脂の使用
も可能である。樹脂には、硬化性樹脂と相溶性のよい低
収縮化剤を添加することができる。
【0036】本発明に係る繊維強化樹脂製フランジ付管
の製造方法の実施が、管本体部の一端にフランジ部を有
し、そのフランジの内面に高分子弾性シ−トが埋着され
ている繊維強化樹脂製フランジ付管であれば、上記フラ
ンジ付管継手に限定されるものでないことは勿論であ
る。また、ウィ−ピング防止成形体を省略し、セグメン
トタイプの縮径脱型の可能な筒状マンドレルの使用が可
能なことは云うまでもない。
【0037】
【作用】本発明に係る繊維強化樹脂製フランジ付管にお
いては、相手側のフランジが座付フランジの場合、フラ
ンジ間のボルト締結により座がフランジ付管のフランジ
前面の高分子弾性シ−トに食い込まされ、その高分子弾
性シ−トの弾性変形のために、フランジ付管のフランジ
部に作用する応力が繊維強化樹脂の破断応力以下に抑制
されるから、繊維強化樹脂フランジ部の割れ等の応力破
断が確実に防止される。この場合、ボルトの締め付け力
の適切な設定により、高分子弾性シ−トとパッキングと
の界面に充分な面圧を作用させることができるから、フ
ランジ接続部の止水性も充分に保証できる。
【0038】また、相手側のフランジが座付フランジの
場合も、ボルトの締め付け力の適切な設定により、高分
子弾性シ−トとパッキングとの界面に充分な面圧を作用
させることができるから、フランジ接続部の止水性を充
分に保証できる。
【0039】本発明に係る繊維強化樹脂製フランジ付管
の製造方法によれば、本発明に係る繊維強化樹脂製フラ
ンジ付管を、管本体部とフランジ部の共通のフィラメン
トワインディグ設備による形成並びに同時硬化により成
形できるから、管本体部とフランジ部とを間を樹脂の高
分子鎖の絡み合いにより分子構造的に一体化して強固に
結着でき、上記座付フランジの座に対する応力抑制作用
と合い俟って機械的に安定(ボルト締結の荷重並びに使
用時の荷重の何れに対しても安定)な繊維強化樹脂製フ
ランジ付管を提供できる。
【0040】しかも、管本体部とフランジ部との一体連
続成形により、高い生産性を達成できる。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 〔実施例〕製品は呼び径150の図1に示すフランジ付
管継手である。フランジ部の外径は290mm、フラン
ジ部の厚さは32mmであり、高分子弾性シ−トにはネ
オプレンゴム発泡体を使用し、そのシ−ト厚みは座高さ
3mmの水道用座付フランジの座高さよりも1.5mm
厚くし、そのシ−ト外径は同座の外径よりも6mm大と
した。
【0042】ウィ−ピング防止用成形体には、厚さ1m
mの塩化ビニル樹脂シ−トのブロ−成形品を使用した。
硬化性樹脂には、不飽和ポリエステル(オルソ系)10
0重量部と硬化剤(メチルエチルケトンパ−オキサイ
ド)0.7重量部とからなる不飽和ポリエステル樹脂液
を使用した。継手本体部の繊維には、ガラス繊維ロ−ビ
ング(番手4500g/km)を10本引き揃えたもの
を使用し、ウィ−ピング防止用成形体の凹凸をフ−プ巻
きで滑らかにしたうえで、厚み3mmにて±60°のヘ
リカル巻きを行い、フランジ部はガラスロ−ビングクロ
スを用い±90°のフ−プ巻きを行った。硬化条件は硬
化温度80℃,硬化時間1.5時間とした。
【0043】〔比較例〕実施例に対し、高分子弾性シ−
トを使用しなかった以外、実施例に同じとした。このよ
うにして製作した実施例品並びに比較例品のそれぞれに
ついて、フランジ部に孔径19mmの6個のボルト用孔
を明け、同フランジ部を鉄製の座付フランジ並びに平フ
ランジでパッキングを介しボルト呼び径M16,全締付
けトルク800kg−cmのボルト締結で閉鎖し、受口
に硬質塩化ビニル管の一端をゴムリング並びに抜け止め
リングを用いて接続し、内圧試験〔硬質塩化ビニル管の
他端から徐々に水圧をかけ、フランジ付管継手のフラン
ジに軸方向引張り荷重(スラスト荷重)を作用させる〕
を行ったところ、実施例品においては、座付フランジ並
びに平フランジ共に60kg/cm2をクリアしたが、
比較例では、平フランジに対しては60kg/cm2
達したが、座付フランジに対しては、40kg/cm2
で破壊した。
【0044】更に、水圧疲労試験(常圧放置−20kg
/cm2加圧を1サイクルとする)を行ったところ、実
施例品においては、座付フランジ並びに平フランジ共に
100000回以上をクリアしたが、比較例はこれ以下
であり、座付フランジの場合は、38000回程度にし
か過ぎなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明に係る繊維強化樹脂製フランジ付
管は上述した通りの構成であり、フランジ前面に座付フ
ランジの座を弾性的に食い込ませ得る高分子弾性シ−ト
を埋着してあるから、座付フランジとのフランジ接続
を、フランジ部での割れ等の機械的破損なく安全に行い
得、また、パッキングと高分子弾性シ−ト面との界面に
所定のボルト締結力により充分な面圧を作用させ得るか
ら、フランジ接続部の止水性もよく保証できる。勿論、
平フランジとのフランジ接続に対しても、パッキングと
高分子弾性シ−ト面との界面に所定のボルト締結力によ
り充分な面圧を作用させ得るから、フランジ接続部の止
水性を保証できる。
【0046】本発明に係る繊維強化樹脂製フランジ付管
の製造方法は上述した通りの構成であり、本発明に係る
繊維強化樹脂製フランジ付管を、管本体部とフランジ部
との連続成形並びにこれらの同時硬化により製造できる
から、管本体部とフランジ部とを強固に接着一体化で
き、また、工数の減少や自動成形により生産性を高める
ことができる。
【0047】従って、本発明によれば、相手側のフラン
ジの種類に関係なく、ボルト締結力や管軸方向荷重に対
し機械的に安定に、しかも充分な止水性でフランジ接続
できる繊維強化樹脂製フランジ付管を、高い生産効率の
もとで製造して提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る繊維強化樹脂製フランジ付管の一
例を示す説明図である。
【図2】図1に示す繊維強化樹脂製フランジ付管と座付
フランドとの接続構造を示す説明図である。
【図3】図3の(イ)は本発明に係る繊維強化樹脂製フ
ランジ付管の製造に使用する通常のFW装置を示す説明
図、図3の(ロ)は、図3の(イ)におけるフィ−ドア
イを示す説明図である。
【図4】本発明に係る繊維強化樹脂製フランジ付管の製
造方法を示す説明図であり、図4の(イ)はマンドレル
に高分子弾性シ−トを添付した状態を、図4の(ロ)は
未硬化管本体部の成形終了時の状態を、図4の(ハ)は
型板のセット状態を、図4の(ニ)は未硬化フランジ部
の形成終了時の状態をそれぞれ示している。
【図5】繊維強化樹脂製フランジ付管と座付フランジと
の接続構造を示す説明図である。
【符号の説明】
11 管本体部 12 フランジ部 13 高分子弾性シ−ト 34 マンドレル 341 鍔 110 未硬化管本体部 120 未硬化フランジ部 a 硬化性樹脂含浸繊維材 41 型板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 23:00 7310−4F B29C 67/14 L

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】管本体部の一端にフランジ部を有する、フ
    ィラメントワインディング法による繊維強化樹脂製であ
    り、フランジ部前面のうち、座付フランジに対する座の
    当接面を高分子弾性シ−トの埋着により形成したことを
    特徴とする繊維強化樹脂製フランジ付管。
  2. 【請求項2】一端に鍔部を有するマンドレルに、高分子
    弾性シ−トを鍔部内面に添付の後、硬化性樹脂含浸繊維
    材を巻回積層して未硬化の管本体部を形成し、次いで、
    上記鍔部とでフランジ部成形用空間を構成する型板をセ
    ットし、そのフランジ部成形用空間に硬化性樹脂含浸繊
    維材を巻回積層して未硬化のフランジ部を形成し、而る
    のち、全体の樹脂を硬化させると共にフランジ部に上記
    の高分子弾性シ−トを接着一体化させて、脱型すること
    を特徴とする請求項1記載の繊維強化樹脂製フランジ付
    管の製造方法。
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