JPH0899323A - 注型成型品とその製造方法 - Google Patents

注型成型品とその製造方法

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JPH0899323A
JPH0899323A JP26182794A JP26182794A JPH0899323A JP H0899323 A JPH0899323 A JP H0899323A JP 26182794 A JP26182794 A JP 26182794A JP 26182794 A JP26182794 A JP 26182794A JP H0899323 A JPH0899323 A JP H0899323A
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JP
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mold
molded product
plastic mold
cast
resin
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JP26182794A
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English (en)
Inventor
Hidemi Ito
秀己 伊藤
Takahiro Shindo
隆弘 進藤
Nobutake Goto
伸武 後藤
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Takiron Co Ltd
Original Assignee
Takiron Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成樹脂系又はセメント系の注型成型品で、
外面にアンダーカット部を有していて、割型を使用しな
ければ成型できないような注型品について、割型跡を有
しない表面光沢にすぐれた注型成型品の製造方法を提供
する。 【構成】 まず、割型などの母型の内面に熱硬化性樹脂
を皮膜状に密着させて硬化させ、中空状薄膜のプラスチ
ック型をつくる。次いで、このプラスチック型に合成樹
脂系又はセメント系の注型材料を注入して充填し、硬化
させる。硬化後、プラスチック型を破り取り、成型品を
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土木建築の分野で、特
に建物の内装用・外装用部材として、また道路周辺機材
として利用される合成樹脂又は無機材料の表面性状の良
い注型成型品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と解決課題】従来の合成樹脂注型品は、所
望形状に内面を成形した型、通常は金型に、液状の合成
樹脂の注型材料を注入して充填し、常温でないし加温し
て保持して硬化させ、離型あるいは型抜きをすることに
より、成型品を得ていた。この注型法は金型に注型する
だけで簡単に成型できる利点があり、少量品生産には広
く実用されている。注型用の樹脂には、エポキシ樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などが使用さ
れ、これに触媒・硬化剤と、骨材や充填材等とを添加し
て混合し、型内で硬化させるものであった。
【0003】注型法に使用する金型は、成型品が単純形
状で適度の抜き勾配があるなど型抜き容易であるときは
上方を開放した単一の型でよいが、成型品の表面にアン
ダーカット部、即ち、型抜き方向に対して横に出張る凸
部、内側の凹みや横穴などがあると、型抜き時に金型内
面が対応するアンダーカット部に拘束されて、単一型で
は型抜き不能となる。このようなアンダーカット部を有
する注型成型品には、割型が使用されていた。
【0004】割型は、成型すべき形状を内面に備えた型
を、予め2分割(3分割以上もある)して、別個に形成
しておき、注型時には、各割型の対応する接合面を相接
合して型とするものである。割型の使用により、比較的
複雑な形状・模様を有する成型品の製造が可能となる
が、注型の際には割型の接合した接合面が金型内面に線
条凹部となり、これが成型品の表面に線条の割型跡とし
て残り、成型品の美観を害することとなった。
【0005】例えば、図5に示すような瓢箪形の成型品
100の場合には、括れ部101がアンダーカット部と
なって、上下方向の割型でなくて、左右方向の割型10
3、104を用いないと成形出来ない。このため割型1
03、104の接合面が成型品100の表面に割型跡1
02として残ることになる。
【0006】また内側に空所を設けた中空状の注型品に
ついては、金型の内側に中子を挿脱自在に配設している
が、この場合も、注型品の表面に金型の型接合面に対応
する割型跡が残ることになる。
【0007】さらに、金型に注型した成型品の表面性状
は微細な凹凸面となって良好とはいえず、成型品の表面
を滑らかな光沢面に仕上げるには、金型内面を精密研磨
してクロムメッキを施して、滑らかに仕上げておく必要
があつた。さらに、成型樹脂の種類によっては、金型内
面との離型性が悪く、金型内面に離型剤を塗布しておく
必要もあった。これらは、金型管理に細心の注意を要
し、生産性を阻害することとなっていた。セメントモル
タルやセメントコンクリートなどの無機系成型品につい
ても、同様に割型の使用により、割型跡が線状に残り、
表面性状が必ずしも良好とはいえない問題があった。
【0008】従来の注型法においては、金型に注型した
合成樹脂系ないしセメントコンクリート等の無機系の注
型材料は、それが硬化するまで金型内に収容保持する必
要があり、そのために金型の回転率が悪く生産性が劣る
ものであつた。金型を多数保有すれば生産性は向上する
が、金型制作費が嵩むと言う問題があっった。
【0009】本発明は、上記問題に鑑み、アンダーカッ
ト部を有する成型品につき、表面を割型跡のない滑らか
な光沢面に形成できる成型品とその製造方法を提供し、
併せて、複雑な形状模様を有する注型成型品の量産方法
を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段とその作用】本発明の注型
成型品は、アンダーカット部を備えた合成樹脂系若しく
は無機系の注型成型品であつて、表面に割型跡を有しな
い滑らかな注型肌を有することを特徴とするものであ
る。
【0011】本発明の製造方法は、合成樹脂系若しくは
無機系の注型成型品の製造方法であって、内面を所望形
状に成形した母型の該内面に軟化した熱可塑性樹脂を密
着させて硬化させて後母型から離型して中空状薄膜プラ
スチック型を形成し、次いで、該プラスチック型内に合
成樹脂系若しくは無機系の注型材料を注入充填して硬化
させ、該プラスチック型を除去して成型品となすことを
特徴とするものである。
【0012】本発明の製造法は、内面を所望形状に成形
した母型に注型材料を直接注入するものでなく、まず第
一段階として、この母型から中空状薄膜プラスチック型
を形成し、第二段階として、このプラスチック型に注型
材料を注入して硬化させ、所望形状に成型して、最後に
プラスチック型を除去して、成型品を得るものである。
【0013】この製造法においては、プラスチック型の
外面は、上記母型内面に密着して母型内面形状が賦形さ
れており、プラスチック型内面の形状も母型内面形状と
ほぼ一致する。そこで、プラスチック型内面に成型材料
を充填して硬化させるとその硬化物は、外面にプラスチ
ック型内面の形状が賦形されて、注型成型品となる。こ
のプラスチック型は、薄膜であるので容易に剥離ないし
切開することができ、従って、アンダーカット部を備え
複雑な形状の注型成型品でもプラスチック型から容易に
取り出すことができる。
【0014】母型を割型にすると、プラスチック型の外
面は割型の接合面による割型跡が形成されるが、プラス
チック型内面には割型跡は現れないので、成型品にも割
型跡は生じない。また、プラスチック型内面が滑らかで
あるので、これに接する注型成型品の表面は、滑らかな
光沢を備えた注型肌となる。
【0015】以下に発明の詳細を説明すると、先ず、母
型は、プラスチック型を成形するための基礎となる型で
あり、その内面が目的の注型品の外形形状となるように
加工される。この母型自体は、金型、木型、樹脂型であ
ってもよい。型制作の容易性からは木型、樹脂型がよい
が、母型の耐久性の点から金型が好ましく使用される。
【0016】プラスチック型の成形には、熱可塑性樹脂
の軟化した皮膜(パリソン、パイプ、シート、フィルム
等を含む)を割型内面の全面に密着して硬化させて後母
型から離型して中空状薄膜に成形する。予めプラスチッ
ク型の内面が所望の形状と成るように、母型の内面形状
や皮膜厚みを設計する。皮膜厚みを薄くすると、母形の
内面形状がそのままプラスチック型の内面形状となるた
め、好ましく採用され。
【0017】具体的にはプラスチック型の成形に、熱可
塑性樹脂のブロー成形法(押出ブロー成形法、コールド
パリソン成形法、射出ブロー成形法などを含む)、真空
成形法、圧空成形法等が使用される。
【0018】ブロー成型法では、母型に割型にした金型
を使用して、軟化溶融して金型内に導入した樹脂皮膜に
空気圧を押し当てて金型内面に密着させて外面を成形す
ると、その内面に金型内面の所望形状・模様が滑らかに
発現する。割型内で硬化成形した後、割型を分離して離
型するとプラスチック型を得る。
【0019】他方、真空成形法や圧空成形法では、母型
には単一の型を使用するか、または、複数に分割した型
を使用する。これらの成形法は、熱可塑性樹脂の薄膜の
シート、フィルムを予熱し軟化させ、母型の開口部に接
触させて後、母型内を減圧して又は/及びシート外面に
加圧して、母型内面に皮膜として密着させ硬化させる。
その後、母型から剥離してプラスチック型を得る。
【0020】薄膜プラスチック型には熱可塑性樹脂を使
用するが、この樹脂としては、母型内面に密着して成形
性がよく、且つ、割型内面と離型性が良好で、更に、常
温ないし温水温度で充填保持する成型材料の荷重に対し
て形状保持性が良いことが必要である。この樹脂には、
ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリ塩化
ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂などが使用される。
【0021】熱可塑性樹脂は、また、後述の注型材料に
対して浸されないことが要求され、特に、後述の注型材
料中のスチレン、アクリル酸、(メタ)アクリレート等
のモノマー・オリゴマーや希釈剤に対する非溶解性など
の耐薬品性が必要である。溶解性があると、プラスチッ
ク型と注入充填後の成型品との分離が困難で、また、プ
ラスチック型内面が上記モノマー等により浸食されるた
めに成型品の表面性状が悪くなるからである。この点か
ら、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹
脂などが好ましく使用される。
【0022】特に、PET樹脂のブロー成形によるプラ
スチック型は、PET樹脂が成形過程で延伸されて、強
度的に強く引張剛性が大きくなるので、注型材料の内圧
を受けても変形し難く、好適に利用される。
【0023】さらに、後述のように注型材料の硬化促進
の為にプラスチック型ごと温水中60〜80℃の高温に
加温される場合には、、この熱可塑性樹脂には、加温中
に軟化しない程度の耐熱性が要求されるので、この点で
も、耐熱性の良いPET樹脂が好ましい。
【0024】薄膜プラスチック型の厚みは、樹脂の強度
と成型材料ないし成型品の大きさ・重さ、成型材料の膨
張量による内圧等を勘案して、形状保持に必要で且つで
きるだけ小さくするが、通常は、0.1〜2.0mm程
度、好ましくは0.1〜1.0mmとする。
【0025】本発明の注型材料は硬化後は成型品になる
べきもので、熱硬化性合成樹脂系のものと、セメント質
の無機系のものとが利用できる。熱硬化性合成樹脂系の
ものでは、上述のエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、アクリル樹脂などの液状のモノマー又はオリゴマー
で、これに触媒、硬化剤または重合開始剤を添加して混
合液としたものがある。
【0026】これらの樹脂混合液には、充填剤、骨材を
適宜添加して利用することもできる。例示すると、アク
リル樹脂(例えば、メチルメタクリレート樹脂)に適当
な骨材(例えば、無機質酸化物粉、天然石細粒、砕石)
を配合した混合液が利用でき、注型硬化後は、大理石調
の樹脂コンクリートの成型品となる。また、不飽和ポリ
エステルにガラス繊維と骨材(炭酸カルシウム)を混合
して成るバルクモールディングコンパウンド(BMC)
用成型材料も、注入容易な程度に流動性を調節して利用
することができる。
【0027】無機系の注型材料には、セメントに砂ない
し砕石の骨材と水を配合して泥漿にしたセメントモルタ
ルやセメントコンクリートがある。この他に、これらセ
メントモルタル等に常温硬化性樹脂のエマルジョンを配
合した混合液泥漿とした樹脂セメントコンクリート系材
料も利用できる。
【0028】これらの注型材料は、上記のプラスチック
型に注入口から注入し充填され、注型材料中の樹脂ない
しセメントを硬化させると、プラスチック型の内面形状
が賦形された注型成形品が得られる。
【0029】本発明の製造方法においては、注型材料が
硬化時にガス(微細気泡)を発生してプラスチック型内
面に密着する性質を有するものが特に好ましく利用され
る。合成樹脂系の注型材料では、樹脂の重合開始剤等を
分解によりガスが発生するものにするか、発泡剤を添加
しておく。注型材料内にガスが発生すると、注型材料と
プラスチック型内面との密着性が良好になり、硬化後の
成型品の表面に艶や光沢を出すことができる。
【0030】ガスを発生する注型材料の流動性が良い場
合には、注入充填後にプラスチック型の注入口を気密的
に密栓して硬化させる。この方法は、注型材料をプラス
チック型内面に押圧して密接状態で保持硬化できるの
で、成型品の表面に艶や光沢を出すのに有効で、特に好
ましく採用される。密栓には、注入口にあらかじめネジ
を形成しておき、封栓をネジ止めする方法や、また、注
入口を偏平状に加圧加熱して融着封止させる方法もあ
る。
【0031】注入口を密栓することは、更に、水中ない
し温浴中にプラスチック型を浸漬し水面下に保持するの
に都合がよく、加温して硬化促進させる場合にも適用さ
れる。密栓したプラスチック型は、自由に反転した状態
にして水槽ないし浴槽の底部に保持することもできる。
【0032】他方、無機系の注型材料であるセメントモ
ルタルなどは、水分を除去して乾燥させる場合は、プラ
スチック型を密栓することなく、注入口を開放状態にし
て、養生硬化させる。
【0033】本発明の製造方法においては、注型材料の
硬化を促進するために、注入充填後に、プラスチック型
ごと温浴槽等の温水中に浸漬して、注型材料を加温する
方法が採用できる。これにより、注型材料を温水の温度
である40〜80℃の適度の温度に保持することがで
き、注型材料中の熱硬化性樹脂の硬化時間が短縮でき
る。
【0034】本発明の製造方法においては、プラスチッ
ク型内に別体の若しくは一体の中子を装入固定して注型
する方法も採用される。中子の使用により、中空状の成
型品を得ることができるが、特に成型品の外形が大型
で、注型材料の重量でプラスチック型が変形する様な場
合にも、中子の使用により注型材料重量を軽減できるの
で、プラスチツク型の変形防止に有効である。中子は、
プラスチック型と中子とを一体に成形してもよく、別体
としてもよい。その他、中子は、成型後引き抜き可能で
あれば金属製ないし樹脂製の棒などの中実体や厚肉の封
端パイプ(ガラス管など)等でも良い。
【0035】このようにして成形された注型成型品の用
途には、道路周辺機材として、車止め、プランターな
ど、建築物外装品として、踏石、束石、流し台なとがあ
り、また、内装品には、花瓶等がある。
【0036】プラスチック型の分離除去の時期について
は、注型材料の硬化完了後プラスチック型を除去する
が、プラスチック型をそのままにして保管運搬し、施工
現場に運んで使用する時に成型品をプラスチック型から
分離してもよく、このようにすれば、保管運搬中の成型
品の汚れや疵を防止することができる。
【0037】本発明の注型成型品の製造工程の概要を、
図1に従って示す。この例は、プラスチック型をブロー
成形法により成形し、外形瓢箪型の成型品を製造する例
である。
【0038】図1(F)は、成型品1の外形を示すが、
成型品1は、瓢箪型で、括れ部12が、注型法による場
合のアンダーカット部となっている。この成型品1を製
造するのに、先ず図1(A)に示す母型2として、ブロ
ー成形用の金型である割型2a、2bを制作する。割型
2a、2bの内面20に成型品1の外形形状が賦形さ
れ、内面20には、注入用の注入口形成部23とブロー
成形用のノズル口形成部24が半割り溝状に連通してい
る。
【0039】同図(B)は、この割型2a、2b内でプ
ラスチック型3をブロー成形した状態を示している。ブ
ロー成形過程は、図示しないが、ブロー成形用の押出し
ノズル8から熱可塑性樹脂(例えば、PET樹脂)の溶
融液をパイプ状に押出してホットパリソンとし、割型2
a、2bを合わせて後、ブロー成形用の空気ノズル81
から給気すると、パリソンが膨張して割型2a、2bの
内面20に密着し、割型2a、2bで冷却されて薄膜と
なって硬化する。このブロー成形法自体は周知の従来法
と大差ない。
【0040】ブロー成形後に割型2a、2bを分離する
と、同図(C)に示す如く、薄膜中空状のプラスチック
型3が得られる。この図1では、プラスチック型3の肉
厚が誇張して描かれている。同図(C)において、プラ
スチック型3の外面31には割型2a、2bの接合面2
5、25による割型跡26が線条として残るが、プラス
チック型3の内面30には、割型跡26などの線条痕は
何ら形成されず、ブロー成形時の空気が接した面である
から、極めて平滑である。
【0041】図1(D)において、プラスチック型3内
に注入口33から液状の注型材料10を注入して充填
し、同図(E)の如く、注入口33に密栓用キャップ3
5を被せて密閉し、注型材料10の硬化が完了するまで
この状態で保持する。硬化後、プラスチック型3を破き
取ると、同図(F)に示す如く、外面の滑らかな注型肌
の成型品1が得られる。この例では、注入口に充填して
固化した充填部13を切断して、その切断面131だけ
を研磨して、製品とする。
【0042】図2は、注型材料10を注入充填後に、キ
ャップ35により注入口33を密栓した状態で、プラス
チック型3を温浴槽9内の温水90中に浸漬して硬化保
持させている状態を示している。注型材料10が温水温
度に加温されるので、硬化時間を短縮できる。
【0043】図3(A)は、中空の円筒状の成形品5を
示すが、この成形品5の肉厚内に溝状の模様51が形成
され、この模様51が形成されてアンダーカット部とな
っている。この場合も図3(B)に示すように、プラス
チック型55をPET樹脂のブロー成形法で成形し、注
型材料10の注入時に筒状の中子56をプラスチック型
55に装入してプラスチック型55の内面と中子56の
外面との間隙に注型材料10を注入充填し、硬化させ
る。プラスチック型55の内面には、上記溝状の模様5
1に対応した突条51aが形成されており、硬化保持後
に、プラスチック型55と中子56を剥離すると、外面
に溝状の模様51を有する中空成形品5が得られる。
【0044】
【実施例】本発明の製造方法により、大理石模様樹脂の
成型品を製造した例を示す。成型品は、図4(A)に示
すように、車止め60の形状であり、上部に周設した凹
溝61がアンダーカット部とされている。この形状を内
面に賦形したブロー成形用の割型(金型)を作製し、こ
の金型から上述のブロー成形法で厚み0.35mmのPE
T樹脂の内容積約25lのプラスチック型62を成形し
た。プラスチック型62には、内面に上記の凹溝61に
対応して突条61aが形成され、注入口63には、密栓
用のネジが同時に形成してある。
【0045】注型材料10は、人工大理石用の樹脂混合
物で、メチルメタクリレートのモノマー100重量部に
対して、メチルメタクリレート−メタクリル酸(98:
2)共重合体2.5重量部、γ- メタクリルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン0.68重量部、重合開始剤と
してビス(4-tert-ブチルシクロヘキシル)パーオキシ
ジカーボネート2重量部、及び、骨材として水酸化アル
ミニウム粉末(粒径100μm 以下)261重量部を混
合して調製した。
【0046】この注型材料10を、上記プラスチック型
62内に注入口63より流し込んで充填した。この注型
材料10は、樹脂中の重合開始剤のパーオキシジカーボ
ネートの分解により、硬化過程で、CO2 ガスを発生し
て、注型材料を膨張させてプラスチック型内面に圧接密
着させるので、注入口の開口面まで充填し、キャップ6
4を注入口にネジ込み密封した。このプラスチック型6
2を水温65℃に保った温浴中に浸漬して、40min 保
持して硬化させた。硬化保持中は、注型材料がプラスチ
ック型内面に密着していた。
【0047】硬化完了後に、プラスチック型のPET樹
脂膜をナイフで切開し、注入口充填部65を切断して、
成型品60を得た。成型品60は、表面に艶のある光沢
を有し、割型の線条跡のない綺麗な面で、外観上白亜質
大理石調の車止めとすることができた。
【0048】
【発明の効果】本発明の注型成型品は、アンダーカット
部を有するにもかかわらず、表面は滑らかで割型跡等の
線条がなく、しかも光沢を有する注型肌を備えた成型品
とすることができる。
【0049】本発明の注型成型品の製造方法は、割型で
なければ注型成型できないようなアンダーカット部を有
する成型品であっても、割型などを母型とした薄層中空
状のプラスチック型を成形し、このプラスチック型に注
入して硬化させるので、成型品の表面に割型跡など表面
欠陥を有せず、研磨処理など特段の表面処理をすること
なく、艶ないし光沢のある滑らかな表面に仕上げた注型
成型品を製造することができる。
【0050】特に、プラスチック型に注入する注型材料
に硬化の際にガスを発生するものを選択調製することに
より、注型材料のプラスチック型内面への密着性がよく
なり、成型品表面の艶・光沢など表面性状を一層改善す
ることができる。
【0051】本発明の製造方法は、型加工を必要とする
のは割型などの母型だけであって、プラスチック型自体
は、1組の割型から、例えば、ブロー成形機等により、
多量生産が安価且つ容易にできるので、多数のプラスチ
ック型を使用して成型品の多量生産が容易になり、しか
も、従来の注型法に比して、割型の数は極めて少なくて
よく、複雑形状の注型成型品の量産性に優れ、型費用も
少なく、生産コストも低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造工程の一例を示した図で、(A)
は割型の断面図、(B)は割型を接合してその内面でプ
ラスチック型をブロー成形した割型の断面図、(C)は
プラスチック型の部分切欠き断面図、(D)は、プラス
チック型に注型材料を注入しているプラスチック型の断
面図、(E)は注型材料の注入後に硬化保持している状
態のプラスチック型の断面図、及び(F)は注型成型品
の外観図を示している。
【図2】本発明の実施例に係る注型材料の注入後にプラ
スチック型を温水中に浸漬して硬化保持している状態を
示す温浴槽の部分断面図である。
【図3】本発明の製造方法を適用した円筒状の注型成型
品の正面図(A)と、この成型品を注型するためのプラ
スチック型の縦断面図(B)。
【図4】本発明の実施例に係る車止めの注型成型品の正
面図(A)と、この成型材料を注入したプラスチック型
の縦断面図(B)。
【図5】従来の割型に充填後割型から離型した注型品の
外観を示す図。
【符号の説明】
1 注型成型品 10 注型材料 2 母型 2a 割型 2b 割型 20 割型内面 3 プラスチック型 30 プラスチック型内面 31 プラスチック型外面 33 注入口 35 密栓用キャップ 5 円筒状成形品 55 プラスチック型 56 中子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 39/34 2126−4F 49/00 7619−4F // B29K 33:00 67:00 105:06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンダーカット部を備えた合成樹脂系若
    しくは無機系の注型成型品において、表面に割型跡を有
    しない滑らかな注型肌を有することを特徴とする注型成
    型品。
  2. 【請求項2】 合成樹脂系若しくは無機系の注型成型品
    の製造方法において、母型の内面に軟化した熱可塑性樹
    脂を密着させて後該母型から離型して中空状薄膜プラス
    チック型を成形し、次いで、該プラスチック型内に注型
    材料を注入充填して硬化させ、該プラスチック型を除去
    して成型品となすことを特徴とする注型成型品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 アンダーカット部を備えた合成樹脂系若
    しくは無機系の注型成型品の製造方法において、熱可塑
    性樹脂のブロー成形法により母型の割型内面形状を外面
    に賦形した中空状薄膜プラスチック型を成形し、次い
    で、該プラスチック型内に合成樹脂系若しくは無機系の
    注型材料を注入充填して硬化させ、該プラスチック型を
    除去して成型品となすことを特徴とする注型成型品の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 上記注型材料がガスによりプラスチック
    型に密着する性質を有し、該注型材料を注入充填したプ
    ラスチック型の注入口を密栓して該注型材料を硬化させ
    る請求項2又は3記載の注型成型品の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記注型材料がアクリル系樹脂若しくは
    不飽和ポリエステル系樹脂と骨材との混合物である請求
    項2、3又は4記載の注型成型品の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記熱可塑性樹脂が、ポリエチレンテレ
    フタレート樹脂である請求項2又は3記載の注型成型品
    の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008119995A (ja) * 2006-11-14 2008-05-29 Inoac Corp 表皮付き発泡成形品の製造方法と発泡成形型
JP2016168796A (ja) * 2015-03-13 2016-09-23 日本特殊陶業株式会社 セラミック成形体の製造方法およびセラミック成形体
CN106626010A (zh) * 2016-12-23 2017-05-10 湖南旺龙科技有限公司 一种精细陶瓷注塑成型方法

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