JPH0899151A - 鋳型用粘結剤組成物、鋳型組成物および鋳型の製造方法 - Google Patents
鋳型用粘結剤組成物、鋳型組成物および鋳型の製造方法Info
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- JPH0899151A JPH0899151A JP23703994A JP23703994A JPH0899151A JP H0899151 A JPH0899151 A JP H0899151A JP 23703994 A JP23703994 A JP 23703994A JP 23703994 A JP23703994 A JP 23703994A JP H0899151 A JPH0899151 A JP H0899151A
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Abstract
ニルフェノール類の1種以上又はノボラック型フェノー
ル樹脂の1種以上とを必須成分とすることを特徴とする
鋳型用粘結剤組成物、この粘結剤組成物を配合した鋳型
組成物、およびこの粘結剤組成物を使用して鋳型を製造
する方法。 【効果】 従来の製造方法によって得られる鋳型に比べ
高強度の鋳型が得られ、その結果、粘結剤の使用量の低
減が可能となるため、鋳物砂の回収が容易となり、ま
た、鋳込時の鋳型から発生するガス量を減少し得るの
で、ガス欠陥の発生を抑制し健全な鋳物が製造でき、実
用上有益なものとなる。
Description
する粘結剤組成物に関し、更に詳しくは、鋳型強度を改
善しうる粘結剤組成物に関するものである。また、この
粘結剤組成物を配合した鋳型組成物、およびこの粘結剤
組成物を使用して、鋳型を製造する方法に関するもので
ある。
鋳型を製造する造型法として、自硬性鋳型法、コールド
ボックス鋳型法、クローニング法(シェル法)は公知で
ある。特に有機自硬性鋳型造型法は機械鋳物分野を中心
に生産性、鋳物品質、安全衛生上の観点から無機系に代
わって既に汎用的な造型法となっている。
はフェノール樹脂を粒状耐火物に被覆した、いわゆるコ
ーテッドサンドを加熱硬化して鋳型を製造するクローニ
ング法が幅広く使用されている。
生産速度、更に鋳型、鋳物の品質を改善するために、ガ
ス状又はエロゾル状物質で常温硬化させるコールドボッ
クス鋳型法がクローニング法を代替する鋳型の製造法と
して鋳物業界で真剣に導入が試みられてきている。
及びガス硬化性鋳型造型法に用いられる粘結剤組成物と
して、水溶性フェノール−ホルムアルデヒド樹脂水溶液
を粘結剤とし、これを有機エステルで硬化せしめる鋳物
砂用粘結剤組成物が、特開昭50-130627 号公報、特開昭
58-154433号公報や特開昭58-154434 号公報により公知
である。また、ビスフェノールとホルムアルデヒドとを
縮重合させたフェノール系樹脂を粘結剤として使用する
こと (特開昭62-40948号公報、特開昭63-40636号公報)
や、カリウムアルカリ性ビスフェノール・フェノール共
重合型レゾール樹脂を粘結剤として使用すること (特開
平5-123818号公報) も公知である。
て二酸化炭素を用いるプロセスが提案されている(特公
平1-224263号公報)。これは、有機エステルのガスに比
べ人体への悪影響が少ない二酸化炭素のガスを使用する
ため、安全衛生上の観点から特に注目されている。
剤中に硫黄原子を含まないため酸硬化性樹脂を用いた鋳
型造型法に比較して浸硫の傾向が小さい等の長所を有す
るが、反面酸硬化性鋳型造型法に比較して、鋳型強度が
低い、可使時間が短い、砂再生性が劣るなどの欠点を有
しており、更にその改良が望まれている。
ノール樹脂及びノボラック型フェノール樹脂を必須成分
とする鋳物用砂型の製造方法が、特開平4-135,036 号公
報には、水溶性フェノール樹脂及びポリビニルフェノー
ル類を必須成分とする鋳物用砂型の製造方法が開示され
ているが、得られる鋳型の強度が低いという問題点があ
った。
を解決すべく鋭意研究の結果、フェノール・アルデヒド
変性樹脂を粘結剤とし、これを有機エステル及び/又は
炭酸ガスで硬化せしめる鋳型用粘結剤組成物において、
フェノール・アルデヒド変性樹脂に特定のポリビニルフ
ェノール類又はノボラック型フェノール樹脂を使用する
ことにより、鋳型強度が大幅に向上することを見出し本
発明を完成するに至った。
性樹脂と、下記の一般式(A) で示されるポリビニルフェ
ノール類の1種以上又はノボラック型フェノール樹脂の
1種以上とを必須成分とすることを特徴とする鋳型用粘
結剤組成物に関する。
2種以上の組み合わせで、R1は水素又はC1〜C10 の脂肪
族及び芳香族炭化水素基で、R2はビニルフェノール、ス
チレン、メチルメタクリレート及びヒドロキシメチルメ
タクリレートなどのビニル基を有する化合物から誘導さ
れる結合基で、 m+n は5〜100 の整数で且つ mは0で
ない整数である。)。
対して、前記の鋳型用粘結剤組成物0.1〜15重量部から
なる混合物を混練して得られることを特徴とする鋳型組
成物に関する。
物を用い、かつ硬化剤として有機エステル及び/又は炭
酸ガスを用いることを特徴とする鋳型の製造方法に関す
る。
ノール類を表わす (A)式は、下記の式で表されるポリマ
ーの構成単位(以下A単位という)が m個と-R2-(以下
B単位という)が n個結合していることだけを示すもの
ではなく、A単位とB単位とのランダム共重合、ブロッ
ク共重合、グラフト共重合等を包含しているが規則的或
いは不規則な順序で連なっている構造をも包含してい
る。
しては、重量平均分子量が1500〜5000であり、さらに好
ましくは1600〜3000である。
ェノール樹脂として好ましいものは、フェノール類モノ
マーとして、例えばフェノール、クレゾール、レゾルシ
ノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフ
ェノールC、クミルフェノール、ノニルフェノール、ブ
チルフェノール、フェニルフェノール、エチルフェノー
ル、オクチルフェノール、アミルフェノール、ナフトー
ル、カテコール、ハイドロキノン、ピロガロール、フロ
ログリンシ、クロロフェノール、ジクロロフェノール及
びその他の置換フェノールを含めたフェノール類があげ
られ、アルデヒド類のモノマーとしては、ホルムアルデ
ヒド、フルフラール、グリオキザール、ベンズアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、トリオキサン及びアクロレイン
等があげられる。フェノール類とアルデヒド類を酸性下
で縮合させる触媒としては、シュウ酸、塩酸、硫酸など
の酸性物質及び有機酸金属塩などである。
如きポリビニルフェノール類又はノボラック型フェノー
ル樹脂を併用する形態としては、フェノール・アルデヒ
ド変性樹脂水溶液中に溶解させても良いし、フェノール
・アルデヒド変性樹脂水溶液中へ溶解させると著しく増
粘するか或いは溶解しないものは、周知の溶媒を用い溶
解させた後、フェノール・アルデヒド変性樹脂とは別途
に耐火性粒状材料に添加してもよい。この際、添加順序
は特に限定されない。
フェノール樹脂の組成割合は、フェノール・アルデヒド
変性樹脂の固形分量に対し2〜40重量%、好ましくは5
〜30重量%である。
によって製造するには、耐火性粒状材料 100重量部に、
硬化剤である有機エステル0.05〜9重量部、好ましくは
0.1〜5重量部、鋳型用粘結剤組成物をアルカリ水溶液
の形態で固形分として 0.1〜15重量部、好ましくは 0.3
〜5重量部を周知の方法で混練し、従来の自硬性鋳型製
造プロセスをそのまま利用して鋳型を製造することがで
きる。
鋳型造型法によって製造するには、まず耐火性粒状材料
100重量部に対して、鋳型用粘結剤組成物をアルカリ水
溶液の形態で固形分として 0.1〜15重量部、好ましくは
0.3〜5重量部となるように添加して混練する。得られ
た混練砂を手込め、もしくは加圧空気でのブローイング
により模型中に充填し、次いでガス状もしくはエロゾル
状の有機エステル0.05〜9重量部を吹き込んでフェ
ノール樹脂混合物を硬化させることにより、鋳型を製造
する。
は、ラクトン類或いは炭素数1〜10の一価又は多価ア
ルコールと炭素数1〜10の有機カルボン酸より誘導され
る有機エステルの単独もしくは混合物が用いられるが、
自硬性鋳型造型法ではγ−ブチロラクトン、プロピオン
ラクトン、ε−カプロラクトン、ギ酸エチル、エチレン
グリコールジアセテート、エチレングリコールモノアセ
テート、トリアセチン等を用いるのが好ましく、ガス硬
化性鋳型造型法ではギ酸メチルを用いるのが好ましい。
更に、ガス状等の有機エステルに代えて、炭酸ガスを使
用して鋳型用粘結剤組成物を硬化させる場合には、粘結
剤組成物中に適正量の硼酸、硼酸塩、アルミン酸塩等の
オキシアニオンを有する化合物を添加し、このオキシア
ニオンを有する化合物と炭酸ガスの共働作用によって、
フェノール・アルデヒド変性樹脂を硬化させることがで
きる (特開平1-224263号公報) 。本発明の鋳型用粘結剤
組成物については自硬性鋳型造型法でもガス硬化性鋳型
造型法でも、特に制限されるものではない。
ド変性樹脂は、下記の一般式(1) で表されるビスフェノ
ール類から選ばれる1種以上の化合物と、アルデヒド化
合物とを共縮合して得られるもの、もしくは、フェノー
ル類から選ばれる1種以上の化合物及び上記の一般式
(1) で表されるビスフェノール類から選ばれる1種以上
の化合物と、アルデヒド化合物とを共縮合して得られる
ものである。
具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノ
ールZ、ビスフェノールS、ビスフェノールAF、ビス
フェノールAP、ジ− sec−ブチル−ビスフェノール
A、ジ−イソプロピル−ビスフェノールA、 1,1−エチ
リデン−ビスフェノール、メチル−エチル−メチレン−
ビスフェノールA、メチルイソブチル−メチレン−ビス
フェノール、メチル−ヘキシル−メチレン−ビスフェノ
ール、メチル−フェニル−メチレン−ビスフェノール、
4,4'−チオジフェノール等が挙げられ、それらが単独で
又は混合して使用される。
〜(4) で表される化合物の中から選ばれる1種以上が使
用される。
2以下の炭化水素基を表わす。)
数2以下の炭化水素基を表わす。)
水素基又は芳香族炭化水素基を表わす。) 。
る化合物の具体例としては、フェノール、クレゾール、
3,5−キシレノール等が挙げられる。一般式(3) で表さ
れる化合物は多価フェノールであって、具体例として
は、レゾルシノールやカテコール等が挙げられる。ま
た、一般式(4) で表される化合物は、主としてパラ位に
炭素数3以上のアルキル基やフェニル基が結合したもの
であり、具体例としては、ノニルフェノール、p−tert
−ブチルフェノール、イソプロペニルフェノール、フェ
ニルフェノール等が挙げられる。また、カシューナッツ
殻液のような各種のフェノール類の混合物等も使用でき
る。特に、フェノール類としては、フェノールとクレゾ
ールの混合物が好ましい。
アルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、グ
リオキザール等が、単独で又は混合して使用される。
及びビスフェノール類と、アルデヒド化合物とを共縮合
する際、各化合物のモル比は、以下の通りであるのが好
ましい。即ち、ビスフェノール類のモル数、もしくはフ
ェノール類のモル数とビスフェノール類のモル数との合
計モル数に対する、アルデヒド化合物のモル数の比が1.
0〜5.0 〔 (ビスフェノール類のモル数、もしくはフェ
ノール類のモル数+ビスフェノール類のモル数) :アル
デヒド化合物のモル数=1: 1.0〜5.0 〕であるのが好
ましい。特に、アルデヒド化合物のモル数の比が 1.5〜
3.0 であるのが、より好ましい。アルデヒド化合物のモ
ル数の比が 1.0未満になると、得られたフェノール・ア
ルデヒド変性樹脂を使用して造型しても、鋳型の強度が
充分に向上しない傾向が生じる。逆に、アルデヒド化合
物のモル数の比が 5.0を超えると、得られたフェノール
・アルデヒド変性樹脂のアルデヒド臭が強く、作業環境
が悪くなる恐れがある。また、フェノール類とビスフェ
ノール類を併用する場合、フェノール類のモル数に対す
る、ビスフェノール類のモル数の比は、 0.001〜1000程
度 (フェノール類のモル数:ビスフェノール類のモル数
=1: 0.001〜1000) が好ましい。特に、ビスフェノー
ル類のモル数の比が0.01〜90であるのがより好ましい。
ビスフェノール類のモル数が 0.001未満であったり、或
いは1000を超えると、得られる鋳型の強度が充分に向上
しない傾向が生じる。
及びビスフェノール類と、アルデヒド化合物との共縮重
合は、一般的に水溶液中で行われ、フェノール・アルデ
ヒド変性樹脂が得られる。例えば、所定量のビスフェノ
ール類もしくはフェノール類及びビスフェノール類を溶
解させた水溶液中に、所定量のアルデヒド化合物を徐々
に添加しながら、共縮重合させて得るのが好ましい。こ
の際、反応触媒としては、水酸化カリウム(KOH) 、水酸
化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)等のアルカ
リ触媒が使用されるが、特に水酸化カリウム(KOH) を使
用するのが好ましい。本発明におけるフェノール・アル
デヒド変性樹脂は、アルカリ性水溶液に調整されるた
め、共縮重合の際に所定量の水酸化カリウムを使用して
も良いし、また反応触媒として最小限の水酸化カリウム
を使用し、共縮重合を終えた後、所定量の水酸化カリウ
ムを添加してもよい。また、共縮重合を終えた後におい
て、水酸化カリウムと共に水酸化ナトリウム(NaOH)や水
酸化リチウム(LiOH)を併用して、所定のアルカリ性にな
るようにしてもよい。更に、酸触媒を使用して共縮重合
させた後、次いで水酸化カリウム等のアルカリ触媒を使
用して共縮重合を進行させてもよい。フェノール・アル
デヒド変性樹脂のアルカリ水溶液において、ビスフェノ
ール類の水酸基のモル数、もしくはフェノール類の水酸
基のモル数とビスフェノール類の水酸基のモル数との合
計モル数に対する、全アルカリのモル数の比は、 0.2〜
1.2 であるのが好ましい。また、アルカリ水溶液中にお
ける、フェノール・アルデヒド変性樹脂の濃度は、30〜
75重量%であるのが好ましい。
は、更にアルコール類を共縮合することにより、耐火性
粒状材料と混練した場合における、混練砂の流動性及び
模型への充填性に優れるものとなる。アルコール類とし
ては、炭素数2〜10の1価アルコールが好ましく、例え
ば、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ール、 sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコー
ル、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘ
キシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアル
コール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシ
ルアルコール等が挙げられる。特に、1価アルコールと
して、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、
ブチルアルコール、イソブチルアルコール、 sec−ブチ
ルアルコール又はtert−ブチルアルコールを使用するの
が最も好ましい。配合割合としては、ビスフェノール類
のモル数、もしくはフェノール類のモル数とビスフェノ
ール類のモル数との合計モル数に対して0.0001〜0.5 倍
モルが好ましい。特に、アルコール類が0.01〜0.2 倍モ
ルであるのがより好ましい。アルコール類のモル数が0.
0001倍モル未満になると、アルコール類を添加する効果
がなく、逆に、 0.5倍モルを超えると鋳型の強度が充分
に向上しない傾向が生じる。
とする珪砂の他、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン
砂、アルミナサンド等の無機耐火性粒状材料が使用され
るが、特に限定されるものではない。
ランカップリング剤を加えても差し支えない。好ましい
シランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルト
リエトキシシランやγ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
性樹脂水溶液の固形分量は、空気循環式炉内で秤量した
試料(2.0±0.1g) を3時間 100℃に加熱することによっ
て測定した。
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
%水酸化カリウム水溶液に、表1に示したモル比で定め
られる量のフェノール類とビスフェノール類とアルコー
ル類とを加え、攪拌し溶解させた。この溶液を80℃に保
持しながら、表1に示したモル比で定められる量のアル
デヒド化合物を徐々に加えた。そして、反応溶液中にお
けるフェノール・アルデヒド変性樹脂の重量平均分子量
が2500に達する時点まで80℃で反応を続けた。重量平均
分子量が2500に達する時点の判定は、反応溶液の粘度を
測定することによって行った。反応終了後、室温まで冷
却した後、フェノール類の水酸基のモル数とビスフェノ
ール類の水酸基のモル数の合計モル数に対する、水酸化
カリウムのモル数の比が0.85となるように、50%水酸化
カリウム水溶液を加えた。以上のようにして、フェノー
ル・アルデヒド変性樹脂のアルカリ水溶液を得た。そし
て、表1に示した各種のポリビニルフェノール類 (丸善
石油化学(株)製) の50%メタノール溶液又は表1に示
し且つ下記の製造法で得た各種ノボラック型フェノール
樹脂の50%メタノール溶液をフェノール・アルデヒド変
性樹脂 100重量部に対して、20重量部水溶液中に添加し
た。以上のようにして、鋳型用粘結剤組成物水溶液を調
整した。なお、粘結剤組成物水溶液中の粘結剤組成物
(フェノール・アルデヒド変性樹脂、ポリビニルフェノ
ール類又はノボラック型フェノール樹脂) の含有量は50
重量%であった。
類のモル数、ビスフェノール類のモル数、もしくはフェ
ノール類のモル数とビスフェノール類のモル数との合計
モル数に対する、アルデヒド化合物のモル数の比であ
る。即ち、〔アルデヒド化合物のモル数/ (フェノール
類のモル数+ビスフェノール類のモル数) 〕である。ま
た、Bなる項目は、フェノール類とビスフェノール類を
併用した場合、フェノール類のモル数に対する、ビスフ
ェノール類のモル数の比である。即ち、〔ビスフェノー
ル類のモル数/フェノール類のモル数〕である。さら
に、Cなる項目は、フェノール類のモル数、ビスフェノ
ール類のモル数、もしくはフェノール類のモル数とビス
フェノール類のモル数との合計のモル数に対する、アル
コール類のモル数の比である。即ち、〔アルコール類の
モル数/ (フェノール類のモル数+ビスフェノール類の
モル数) 〕である。以下、表中のA〜Cは、これと同様
である。
%水酸化カリウム水溶液に、表2に示したモル比で定め
られる量のフェノール類とビスフェノール類とアルコー
ル類を加え、攪拌し溶解させた。この溶液を80℃に保持
しながら、表1に示したモル比で定められる量のアルデ
ヒド化合物を徐々に加えた。そして、反応溶液中におけ
るフェノール・アルデヒド変性樹脂の重量平均分子量が
1800に達する時点まで80℃で反応を続けた。重量平均分
子量が1800に達する時点の判定は、反応溶液の粘度を測
定することによって行った。反応終了後、室温まで冷却
した後、フェノール類の水酸基のモル数とビスフェノー
ル類の水酸基のモル数の合計モル数に対する、水酸化カ
リウムのモル数の比が0.85となるように、50%水酸化カ
リウム水溶液を加えた。以上のようにして、フェノール
・アルデヒド変性樹脂のアルカリ水溶液を得た。そし
て、表2に示した各種のポリビニルフェノール類 (丸善
石油化学(株)製) の50%メタノール溶液をフェノール
・アルデヒド変性樹脂 100重量部に対して、10重量部、
又は表2に示し且つ下記の製造法で得た各種ノボラック
型フェノール樹脂の50%メタノール溶液をフェノール・
アルデヒド変性樹脂 100重量部に対して、20重量部水溶
液中に添加した。以上のようにして、鋳型用粘結剤組成
物水溶液を調整した。なお、粘結剤組成物水溶液中の粘
結剤組成物 (フェノール・アルデヒド変性樹脂、ポリビ
ニルフェノール類又はノボラック型フェノール樹脂) の
含有量は50重量%であった。
型用粘結剤組成物水溶液2の調整の際に、反応終了後に
得られたフェノール・アルデヒド変成樹脂の水溶液90重
量部と、四硼酸ナトリウム・10水和物5重量部と、95%
水酸化カリウム5重量部とを混合して、鋳型用粘結剤組
成物水溶液を調整した。
フェノールに対し 0.8倍モルのパラホルムアルデヒド及
び0.01倍モルのシュウ酸を加え、還流温度で所定の重量
平均分子量になるまで反応させた。次に冷水を多量に加
えて反応を停止させた後、常圧で脱水を行い、脱水終了
後ただちに冷却されているバットに反応物を流し込み、
ノボラック樹脂を得た。また、o−クレゾールなどのフ
ェノール類は、固体ならば水などの溶媒にて溶解したう
え、同様の合成方法で所望の樹脂を得た。また、ハイオ
ルソノボラックを得る場合は、触媒に有機酸の金属塩を
用いた。
珪砂 100重量部に対して、トリアセチンを 0.3重量部、
鋳型用粘結剤組成物水溶液1を 1.5重量部添加混練して
なる混合物を、50mmφ×50mmhのテストピース用模型に
充填し、混練から24時間後の圧縮強度を測定した。ま
た、同時に混練砂の流動性・充填性を測定した。即ち、
内径50mm、内部有効長 100mmの試験筒の底部に受台を取
り付け、3mm 目の篩を通して、試験筒に混練砂を粗充填
する。次に、上部の余分な混練砂をかき落として、「ジ
ョージ・フィシャー社製のコンパクタビリティ・テスタ
ー」にかけ、10kg/cm2のスクイズ圧で加圧した。この後
における混練砂の高さの減少を測定し、この減少高さX
mm〔=C.B.(コンパクタビリティー)〕を混練砂の
流動性・充填性の指標とした。Xが小さい程、混練砂の
流動性及び充填性が良いことを示している。結果を表1
に示す。
ち、珪砂 100重量部に対し、鋳型用粘結剤組成物水溶液
2を 2.0重量部添加混練してなる混合物を、50mmφ×50
mmhのガス硬化用テストピース用模型に充填した。この
模型中に 1.5重量部のガス状のギ酸メチルを注入し、注
入後から24時間後の圧縮強度を測定した。結果を表2に
示す。
用粘結剤組成物水溶液3を3.5重量部添加混練した混合
物を50mmφ×50mmhのガス用テストピース枠に充填し、
炭酸ガスを10リットル/分の流速で2分間通気させ、ガ
ス硬化性鋳型製造法で鋳型を造型した。この鋳型の24時
間経過後の圧縮強度(kg/cm2)を測定した。その結果を表
3に示す。
製造方法によれば、従来の製造方法によって得られる鋳
型に比べ高強度の鋳型が得られる。
なるため、鋳物砂の回収が容易となり、また、鋳込時の
鋳型から発生するガス量を減少し得るので、ガス欠陥の
発生を抑制し健全な鋳物が製造でき、実用上有益なもの
となる。
Claims (8)
- 【請求項1】 下記の一般式(1) で表されるビスフェノ
ール類から選ばれる1種以上の化合物とアルデヒド化合
物とを共縮合して得られたフェノール・アルデヒド変性
樹脂と、下記の一般式(A) で示されるポリビニルフェノ
ール類の1種以上又はノボラック型フェノール樹脂の1
種以上とを必須成分とすることを特徴とする鋳型用粘結
剤組成物。 【化1】 【化2】 (式中、 Xはメチル基又は水素又はこれら2種以上の組
み合わせで、R1は水素又はC1〜C10 の脂肪族及び芳香族
炭化水素基で、R2はビニルフェノール、スチレン、メチ
ルメタクリレート及びヒドロキシメチルメタクリレート
などのビニル基を有する化合物から誘導される結合基
で、 m+n は5〜100 の整数で且つ mは0でない整数で
ある。) - 【請求項2】 フェノール類から選ばれる1種以上の化
合物及び下記の一般式(1) で表されるビスフェノール類
から選ばれる1種以上の化合物とアルデヒド化合物とを
共縮合して得られたフェノール・アルデヒド変性樹脂
と、下記の一般式(A) で示されるポリビニルフェノール
類の1種以上又はノボラック型フェノール樹脂の1種以
上とを必須成分とすることを特徴とする鋳型用粘結剤組
成物。 【化3】 【化4】 (式中、 Xはメチル基又は水素又はこれら2種以上の組
み合わせで、R1は水素又はC1〜C10 の脂肪族及び芳香族
炭化水素基で、R2はビニルフェノール、スチレン、メチ
ルメタクリレート及びヒドロキシメチルメタクリレート
などのビニル基を有する化合物から誘導される結合基
で、 m+n は5〜100 の整数で且つ mは0でない整数で
ある。) - 【請求項3】 ビスフェノール類としてビスフェノール
A又はビスフェノールFを使用する請求項1又は2記載
の鋳型用粘結剤組成物。 - 【請求項4】 フェノール類としてフェノールとクレゾ
ールとの混合物を使用する請求項2又は3記載の鋳型用
粘結剤組成物。 - 【請求項5】 フェノール・アルデヒド変性樹脂が、さ
らにアルコール類を共縮合して得られたものである請求
項1〜4の何れか1項に記載の鋳型用粘結剤組成物。 - 【請求項6】 耐火性骨材 100重量部に対して、請求項
1〜5の何れか1項に記載の鋳型用粘結剤組成物 0.1〜
15重量部からなる混合物を混練して得られることを特徴
とする鋳型組成物。 - 【請求項7】 耐火性骨材 100重量部に対して、有機エ
ステル硬化剤0.05〜9重量部、請求項1〜5の何れか1
項に記載の鋳型用粘結剤組成物 0.1〜15重量部からなる
混合物を混練して得られることを特徴とする鋳型組成
物。 - 【請求項8】 請求項1〜5の何れか1項に記載の鋳型
用粘結剤組成物を用い、かつ硬化剤として有機エステル
及び/又は炭酸ガスを用いることを特徴とする鋳型の製
造方法。
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