JPH0898191A - 映像表示装置 - Google Patents

映像表示装置

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Publication number
JPH0898191A
JPH0898191A JP6231848A JP23184894A JPH0898191A JP H0898191 A JPH0898191 A JP H0898191A JP 6231848 A JP6231848 A JP 6231848A JP 23184894 A JP23184894 A JP 23184894A JP H0898191 A JPH0898191 A JP H0898191A
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JP
Japan
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signal
color
optical system
image
circuit
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JP6231848A
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English (en)
Inventor
Hisami Kikuchi
久美 菊池
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 頭部装着型映像表示装置などに用いられてい
る光学系等の色むら等による映像の全体的または部分的
劣化を補償する。 【構成】 装置のLCD31への信号供給経路に同期分
離回路21を設け、映像信号の経路にY/C分離回路2
2を設けてそこで分離された輝度信号と色信号と、一方
で同期信号から読み出されるメモリ51に蓄えられてた
補正係数とが、マトリクス演算回路23で計算補正され
たR,G,B信号となり画像表示される。光学系の色む
らを打ち消すように、各画素ドットの座標毎に補正係数
を与えてマトリクス演算をすることで、光学系とは逆の
色むらをもつ映像信号がLCD31上に表示されて、光
学系を介して観察することで、色むら補正された画像を
観察することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、映像表示装置に関する
ものであり、例えば頭部装置型の映像表示装置や、ビデ
オカメラ等におけるビューファインダのような装置に用
いられる映像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】映像表示装置の表示素子であるLCD
(液晶パネル)の光源の輝度むらを補正する技術は、従
来、特開平5−64103号公報により知られている。
このものでは、輝度むらを補正して、不均一性のある光
源で、良好なLCD画像を再現せんとしている。
【0003】一方、LCD等の映像表示素子を用いる映
像表示装置として、例えば小型なLCDの表示映像を光
学素子やレンズ系を通して見るよう構成する装置があ
る。
【0004】図12に示すものは、例えば頭部装着型の
ディスプレイ装置の場合の構成例である。これは、LC
Dの映像を、観察者の眼前部に装着されるゴーグル型等
の本体に組み込んだ光学系を介して観察者の眼に与える
ようにするものであり、使用者(装着者)がかかるディ
スプレイを装着し、小型の画像表示手段(映像表示手
段)で、一人で大きいサイズの画面映像を楽しめるよう
にするなど、種々の用途への利用が期待されている。
【0005】図12中、1は頭部装着型映像表示装置の
ディスプレイ部本体で、これは、映像信号を表示する映
像表示素子を備える光学系(両眼では、左右光学系)を
内蔵した眼前部2と、装着者の頭部に装着させるベルト
などの支持部3等とを備える。眼前部2に内蔵の本装置
の光学系5は、例えば、図13に示すような配置構成の
ものとすることができる。
【0006】図示の光学系の基本構成は、LCD6、偏
光膜プリズム7、λ/4板8、反射凹面鏡9とから成
る。これは、偏光を用いる光学系であり、例えばLCD
6からのS偏光はプリズム7の偏光膜10を透過した
後、λ/4板8を通過して円偏光となり、反射凹面鏡9
で拡大反射されて、再びλ/4板8を透過して、今度は
P偏光となり、偏光膜10で反射されて、観察者の眼球
に結像する。よって、この場合、使用者(装着観察者)
は、その視軸方向に、大きな画面サイズでLCD6の表
示映像を虚像として見る。両眼式なら、上記配置構成の
ものが、装着者の左目用及び右目用のものとして、それ
ぞれ備えられる(その場合において、図中、Lは左目用
の、またRは右目用のものを表すことを意味する)。即
ち、眼前部2には、左目用のLCD6L、偏光膜10L
を有する偏光膜プリズム7L、λ/4板8L、反射凹面
鏡9Lが装着者左眼前に位置するよう、また、同様構成
の右目用のLCD6R、偏光膜10Rを有する偏光膜プ
リズム7R、λ/4板8R、反射凹面鏡9Rが装着者右
眼前に位置するよう、それぞれ設けられ、対応LCD6
L,6Rの映像を左右眼球に投射する。
【0007】また、一般に、偏光膜プリズムの代わりに
ハーフミラープリズムを用いる光学系もある。ここで、
これら光学系の比較でいえば、後者のタイプのハーフミ
ラープリズムによる場合、ハーフミラー膜を2回透過す
るため、光量は、(1/2)×2回の割りで低下し、全
体として1/4に減少してしまう。これに対して、前者
のタイプによる偏光膜プリズム7の場合には、透過また
は反射する光線を偏光成分により分けているので、例え
ばS偏光で透過してP偏光で反射するような膜の構成
に、LCD6からS偏光の光線を入射すると、λ/4板
8の光吸収を無視すれば、理論上ほぼ光量の損失はなく
なる。即ち、液晶を透過して映像をだすため、映像が暗
くなるLCDを用いても、光量のUPした明るい映像が
観察できるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかして、上記に例示
したように、LCD映像を光学系で観察する場合、下記
考察の如く、使用する光学系等の色むらや色付きなどに
よる映像の全体的または部分的劣化を生ずる場合があ
り、色むら等があると装置の観察画像品質は、これに左
右され、低下する。特に、偏光膜や偏光板を用いた光学
系などでは、偏光による色みのむら等が発生して、観察
画像に色むら等が生じてしまう。更に、色の角度依存性
(見る角度によって色み等の変化する特性)のある光学
系の場合、それによっても、またはその影響も加わった
状態で、観察画像の品質は左右される。
【0009】色むら、色付き、色の角度依存性及びこれ
らの角度依存性等について、図12、13に示した装置
と図14とを用いて具体的に説明する。映像表示装置に
用いられる偏光膜プリズムは、例えば、三角プリズムに
偏光膜を蒸着して形成される。このため、その偏光膜1
0を持つ偏光膜プリズム7は、膜の不均一性、接着材の
収縮による膜の歪み、プリズム材の伸縮などに起因し
て、あるいは偏光膜の波長依存性、角度依存性などの原
因から、光線が膜を通過する角度が異なったり、光路長
が異なるなどの不具合が発生して、プリズム全体として
色付き等が発生してしまうことがある。また、使用する
λ/4板8によっても色付きは発生することがある。
【0010】図14は、偏光膜、λ/4板による色付き
等の発生したときの映像の見えを例示したものである。
同図(A)は、偏光膜による色むらの場合の例であっ
て、上下方向の、同じ色の濃淡のグラデーションが現れ
ている様子を表してある。ここでは、画面上部から下部
へと、順次、濃い黄色、薄い黄色、極く薄い黄色という
ように次第に薄れていく濃度差のある横帯状の色付きが
ある状態である。他方、同図(B)は、λ/4板による
色付きの場合で、画面全体が薄黄味かかった状態にある
例である。装着観察者が見るのは、「映像の見え」とし
て示したこの図14(A),(B)の例のような状態の
ものであり、光学系に偏光板や偏光膜等を用いている場
合、こうしてそれら光学素子等による色み、色彩のむら
などが生じてくると、この色むら等が画像(映像表示素
子上の本来の映出像)に合わさり、観察者はその状態で
画像を観察する結果、色の劣化を感じることとなり、良
好な均一な色の画像を観察することができない。
【0011】このようにして、光学系に波長依存性や角
度依存性などを持ち、あるいは、それ単独で光学系の色
むら等を発生してしまう光学素子やレンズ系を備える表
示装置の場合、従来技術によったとしても、そのもので
は輝度むらが補正されるものの、画像の色みの補正はで
きず、良好な画像を観察することができない。一方ま
た、部分的な色むらを打ち消すようにレンズの設計を行
うことはできない。従って、色むら等のある不均一な映
像を観察することになる。
【0012】本発明は、光学系等の色むら等による映像
の全体的または部分的劣化を補償し得て、良好な画像を
観察することのできる映像表示装置を提供しようという
ものである。他の目的は、偏光を用いる光学系を使用す
る頭部装置型の映像表示装置などに適用して好適な映像
表示装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の映像表示装置
は、映像信号により映像が表示される映像表示素子と、
該映像表示素子に映像信号を供給する信号処理手段と、
前記映像表示素子の表示映像を観察する光学系とを備え
る映像表示装置であって、前記信号処理手段は、前記光
学系により生ずる色むらもしくは色付きまたはこれらに
類する色変化を補正するように信号処理をする補正手段
を有し、該補正手段により前記映像表示素子への供給信
号を得、当該信号によって映像を表示させるよう構成し
てなることを特徴とするものである。また、本発明の映
像表示装置は、映像信号により映像が表示される映像表
示素子と、該映像表示素子に映像信号を供給する信号処
理手段と、前記映像表示素子の表示映像を観察する光学
系にして、光路中に偏光膜または偏光板と波長板とを有
する光学系とを備える映像表示装置であって、前記信号
処理手段は、前記光学系により生ずる色むらもしくは色
付きまたはこれらに類する色変化を補正するように信号
処理をする補正手段を有し、該補正手段により前記映像
表示素子への供給信号を得、当該信号によって映像を表
示させるよう構成してなることを特徴とするものであ
る。
【0014】
【作用】本発明においては、映像表示素子に映像を表示
させるための該表示素子への供給信号は、光学系の色む
ら等を補正するよう処理された信号であり、その色むら
を打ち消すように補正をすることで、当該表示素子上に
表示される映像は、光学系の色むら等とは、逆の色むら
等をもつものとして表示させることができる。映像表示
素子上に、光学系の色むら等をキャンセルする映像が表
示されれば、その光学系を介し装置全体として観察した
場合、色むら等の除去された画像を観察することができ
る。また、本発明においては、使用する光学系が偏光膜
または偏光板と波長板とを有する光学系であって、たと
え偏光膜による色むらや波長板による色付き等が生ずる
こととなる光学系であっても、その光学系とは逆の色む
ら等をもつ映像が映像表示素子上に表示されて、その光
学系を介して観察することで、装置全体として観察した
場合に、色むら等の除去補正された画像を観察すること
ができる。
【0015】また、観察者の眼球の観察角度を検出し、
映像表示素子に表示する画素の表示位置に対応して、各
々該検出観察角度に対応する補正値を演算し、その補正
値を用いて上記補正を行うと、角度依存性のある光学系
を用いる装置にも対応でき、例えば映像表示素子の角度
依存性による色むらや、偏光膜の角度依存性による色む
ら等を補正することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は、本発明の一実施例(第1実施例)を示す。
同図は、詳しくは、映像信号により映像が表示される映
像表示素子としてのLCD、該LCDに映像信号を供給
する信号処理回路、及びLCDの表示映像を観察するた
めの光学系を備える映像表示装置(画像表示装置)にお
けるその信号処理系の一例のブロック構成を示したもの
である。
【0017】このものにおいて、装置の映像信号を供給
する回路部分の構成は、図示のように、基本的には、同
期信号の分離回路21、映像信号の輝度信号と色信号と
の分離回路22、マトリクス演算回路23及び色復調回
路24を含み、LCD31の画面への映像表示の制御
は、LCDドライバ32(LCDドライバ回路)で駆動
されるそのLCD31にマトリクス演算回路23からの
出力を与えて行う構成とすることができる。
【0018】ここで、図1のLCD31の表示映像を観
察するために、LCD31と観察者の眼との間に設けら
れる光学系は、LCD31に表示された映像を拡大する
光学系などのいかなる光学系でもよく、例えば、図13
に示した偏光膜及び波長板を有する光学系であってもよ
い。なお、本実施例及び後述する実施例を図12に示す
ような頭部装着型映像表示装置に用いることができる
が、その際の映像表示素子には図1のLCD31が用い
られることはいうまでもない。
【0019】本実施例において、適用する光学系による
色むら等が発生し、その光学系を介してLCD31の表
示映像を観察すると観察画像に色むら等が生じる。この
場合に前記の光学系の色むら等を打ち消すような画像情
報をLCD31に与えて色むら等を補正する。具体的に
は、光学系の色むら等を打ち消すように、各画像ドット
の座標毎に補正値を与えて、後に詳述するYQI信号も
しくはRGB信号をマトリクス演算することで、光学系
とは逆の色むらをもつ映像信号がLCD31上に表示さ
れることとなる。即ち、LCD31に供給される信号に
色を変える信号処理を施すことがその補正の内容とな
る。
【0020】そのため、ここでは、メモリ51を具備
し、マトリクス演算回路23のマトリクス演算において
適用させるための、LCD31と組み合わせ使用するそ
の対象光学系の色むら等の補正用の、補正係数(補正
値)データを予め格納する。メモリ51は、LCD31
に表示する画素の表示位置に対応して各々最適な補正係
数を記録するための記憶手段として用いることができ、
本実施例では、かかるメモリ51から補正係数を読み出
し、その係数値と映像信号の輝度信号、色信号とのマト
リクス演算処理を行う補正方式(補正方法)を採用す
る。本例において、補正手段は、図1のこのメモリ51
とマトリクス演算回路23を含んで構成され、これが、
逆の色むら等を与えるように信号処理するための色補正
手段として機能する。
【0021】以下、図2以降の図をも参照し、更に、具
体的に説明する。図1の信号処理回路において、同期信
号分離回路21へは表示システムの画像ソース(図示せ
ず)からコンポジット信号が入来し、該分離回路21で
分離の同期信号はLCDドライバ32へ供給される一
方、メモリ51へ供給され、また、該分離回路21で分
離の元信号中の映像信号は分離回路22へ与えられる。
ここで、信号処理における画像信号や色信号、及び色補
正の手法等につき、各実施例(第1〜第7実施例)に共
通の基本的内容・事項や、原理構成等を述べておくと、
次のようである。
【0022】「画像信号について」コンポジット信号
は、同期信号と映像信号を含んでいる。同期信号は、映
像の同期を制御する信号で、これにより、各画像の座標
毎の信号が得られて、LCDが駆動制御される。映像信
号は、輝度信号(Y信号またはルミナンス信号)と色差
信号(C信号またはクロマ信号)とに分離される。輝度
信号は、映像の明るさ成分を示す信号で、色差信号は色
の情報として、輝度信号と色の3原色の信号との差分を
示す信号である。
【0023】ここに、輝度信号の電圧値をEY 、色の3
原色をRGBとしてそれぞれの信号の電圧値をER ,
G ,EB とすれば、色差信号はER −EY 、EB
Y 、E G −EY の3種類があるが、数学的に、Y信号
とそれら3種のうちの2つの信号があれば、RGBの3
原色に戻すことができるので、ER −EY 信号、EB
Y 信号を色差信号としている。また、既知のように、
R −EY 信号、EB −EY 信号を各々コサイン軸、サ
イン軸として極座標表示し、人間の目の色分解能の特性
を活かして、この軸から33°反時計廻りに位置する直
交軸をI軸、Q軸として(図10参照)、I軸の色差信
号及びQ軸の色差信号を与えて、C信号とする。この関
係を、下記に示す。
【0024】
【数1】 輝度信号 :EY =0.3 ER +0.59EG +0.11EB 広帯域色差信号:EI =0.74(ER −EY )−0.27(E
B −EY ) 狭帯域色差信号:EQ =0.48(ER −EY )+0.41(E
B −EY ) クロマ信号 :EC =EI cos ( ω+33°) +EQ si
n (ω+33°) ω;色信号周波数(=2πfSC
【0025】「色信号について」また、本発明に従う画
像情報の補正方法及び装置では、色むら等を打ち消すよ
うに色の補正を実施するが、色を変化させる(色を変換
する)ということは、つまり、その色のRGBの混色
する割合を変えてやる方式をとるか、その色情報がも
つ色相と色の濃さ(彩度)を変化させてやる方式をとれ
ばよい。なお、色相は3.58MHzの基準バーストに
対する色信号の位相で表され、色の濃さは色信号(色差
信号)の振幅で表される。
【0026】基本的には、、のどちらも、混色の割
合を変えることなのだが、本明細書中に述べられる例の
いくつかにおいて、その実施方法が若干異なる。前者の
場合のものでは、例えば、RGBの信号に直接補正係数
でマトリクス演算をして、混色割合の係数を変化させる
ようにすることで必要な補正を実現させる。後者は、例
えば、色相(ティント;TINT)を変化させるため
に、TINT回路(色信号の位相角を調節する回路)で
補正係数をかけあわせたり、減算したりして、信号の位
相を変化させ、また、カラー・コントロール回路(色信
号の振幅を調節する回路)で補正係数をかけあわせた
り、減算したりして、信号の振幅レベルを変化させるよ
うにすることなどで必要な補正を行わせることができる
ものである。輝度信号と色信号とを合成して映像信号と
するが、色信号は変調してやらないと輝度信号と合成で
きないため、色復調回路のサブキャリア(副搬送波:f
SC=3.579545MHz)で平衡変調されて、I信
号、Q信号となり、輝度信号と合成される。このサブキ
ャリアの位相角が色あいの情報となる。
【0027】次に、画面の座標の与え方等については、
下記のようにすることができる。即ち、図2に示すよう
に、画面を格子状に分割した場合の格子点の座標を、a
(1,1),b(2,1),c(3,1),・・・,d
(1,2),e(2,2),・・・と与える。
【0028】LCDの各画素ドット毎に前もって補正用
の係数を蓄えさせたメモリを用いる構成の場合は、この
各座標に対して、同期信号から得られたアドレスにより
そのメモリの対応するアドレスから色の補正係数を読み
出す。しかし、この補正係数を例えば色信号に加算、減
算、掛算してRGBの混色割合を変えて、表示される映
像の色を変化させるようにする。
【0029】次表は、メモリの補正係数の対応例であ
る。
【表1】
【0030】さて、図1の実施例では、色補正の方式に
関しては、具体的には、上記した方法のうち、映像信号
の輝度信号及び色信号のマトリクス演算を行ってRGB
信号を得るマトリクス演算回路23部分を補正演算を行
う回路として備えて、これを実現する例に該当してお
り、補正係数をも用いてマトリクス演算処理をして混色
割合を変化させる手法を採用している。同図において、
入力コンポジット信号は同期信号分離回路21にて、映
像信号と同期信号に分離される。そして、分離された映
像信号は、Y/C分離回路22にて輝度信号(Y)と色
信号(C)とに分離される。分離された色信号は、更
に、色復調回路24により変調され、Q信号とI信号と
に分離される。これらY信号、Q信号、I信号がマトリ
クス演算回路23へ与えられ、RGB信号へ変換される
こととなる。
【0031】一方、同期信号分離回路21により分離さ
れた同期信号は、メモリ51とLCDドライバ32に与
えられる。メモリ51には、予め色補正用の補正係数を
記憶させてあり、メモリ51は同期信号に同期して、メ
モリ51のアドレスを増すことにより各座標毎に対応す
る補正係数を出力する。このとき、補正係数は、使用す
る光学素子またはレンズによる色むら等を補正する係数
であり、ここでは、具体的には、RGBの混色割合を変
えるのに用いる補正値である。かかる補正値はまた、例
えば色むらのような場合は、画像が表示される画素ドッ
トの座標に応じて係数が異なるものとして記憶させてお
くこともできる。
【0032】かくして、同期信号により読み出される当
該メモリ51に蓄えられた補正係数データもマトリクス
演算回路23に与えられ、前記Y信号、Q信号、I信号
は、メモリ51から読み出された補正係数により、マト
リクス演算回路23でマトリクス演算されて、RGB信
号となる。これを以下に示す。
【0033】いま、補正係数をCij(i=1〜3,j
=1〜3の整数)とすると、マトリクス演算は、
【数2】 で表される。通常、色補正しない場合には、係数Cij
の値は、次のようになる。
【数3】 C11=1 C12=0.948262 C13=0.624013 C21=1 C22=−0.276066 C23=−0.63981 C31=1 C32=−1.10545 C33=1.72986 従って、このCijの係数値を適当に変化させれば、即
ちメモリ51から読み出した係数値を上記マトリクス演
算に適用していけば、LCD31に表示する色を変化さ
せることができる。
【0034】かくて、補正演算を行う演算回路(本例で
はマトリクス演算回路23)で計算補正されたR,G,
B信号となり、基の映像信号のままでなく、かかる演算
処理した後のRGB信号が、LCD31を駆動させるL
CDドライバ32により同期を合わせて画面上に表示さ
れる。本実施例においては、こうして、信号処理回路へ
の入来信号の経路に同期分離回路21を設け、また、映
像信号の経路にY/C分離回路22を設けてそこで分離
された輝度信号、色信号と、一方で同期信号から読み出
される上記メモリ51に蓄えられてた補正係数とが、演
算回路で計算補正されたR、G、B信号となり画素表示
されることとなる。よって、例えば使用する光学系の色
むら(図14(A)等)を打ち消すように、メモリ51
に前もって必要な補正係数を与えておくと、LCD表示
時には、上記マトリクス演算をすることで、その光学系
とは逆の色むらをもつ映像信号をLCD31上に表示さ
せることができる。これにより、LCD31上には、光
学系の色むらをキャンセルする色むらのある画像が表示
されて、結果、装置全体で観察した場合に、正常な色の
画像が提供される。即ち、観察者は、その光学系を介し
て観察することで、色むら補正された画像を観察するこ
とができる。従って、図12,13の頭部装着型映像表
示装置などでも、そこに用いられている光学系等の色む
ら等(例えば図14(A),(B)等)による映像の全
体的または部分的劣化を補償し得、均一な色みの良好な
画像を表示する装置を実現できる。
【0035】次に、本発明の他の実施例を図3乃至図5
により説明する。本実施例(第2実施例)は、観察者の
眼球と光学系との位置関係とから観察者の観察角度を検
出して、LCDの角度依存性による色むらや偏光膜の角
度依存性による色むら等を補正する場合に用いられるも
のである。本実施例の映像表示装置は、従って、例えば
図12,13のような頭部装着型映像表示装置に好適で
あり、ここでは、かかる頭部装着型の映像表示装置に適
用した場合のものとして説明する。
【0036】図3に示すように、本実施例に係る頭部装
着型映像表示装置の信号処理系の構成は、第1実施例の
図1のメモリ51に代えて、演算回路61を設けたもの
である。演算回路61には、分離して得た同期信号と、
本実施例装置のディスプレイ部本体1の眼前部2内の光
学系5と当該ディスプレイ部本体1を頭部に装着使用す
る装着者(観察者)の眼球との位置関係を検出して得ら
れる信号が入力される。
【0037】一方、そのディスプレイ部本体1には、光
学系5と眼球との位置関係を出力するセンサを配置す
る。眼球の位置を検出するセンサ系の例としては、例え
ば図4や図5に示すような構成のものを使用することが
できる。図4の場合は、赤外線センサ71を眼球に照射
してその反射光を受光して、その戻り光から眼球位置を
検出する構成の例である。また、図5の場合は、小型カ
メラ72で眼球を撮影してその映像信号の座標から眼球
の位置を検出する構成の例である。
【0038】上記演算回路61は、そのようなセンサ系
の検出信号から眼球の光学系5の観察角度を演算処理し
て得、LCD31に表示する画素の表示位置に対応し
て、各々その観察角度に対応する最適な補正値を演算す
るのに用いられる。図示例での補正値は、第1実施例と
同様に、マトリクス演算に適用される補正係数データの
場合である。ここでは、演算回路61で演算して得られ
ることとなるその補正係数と映像信号の輝度信号及び色
信号とのマトリクス演算処理がマトリクス演算回路23
で行われる。他の構成部分等については、基本的に、第
1実施例と同じであってよい。
【0039】以下、要部を説明するに、図3において、
コンポジット信号は同期信号分離回路21にて映像信号
と同期信号に分離され、映像信号はY/C分離回路22
にて輝度信号(Y)と色信号(C)とに分離され、色信
号は色復調回路24によりQ信号とI信号とに分離され
る。一方、演算回路61には、分離された同期信号が与
えられるとともに、光学系5と装着者の眼球との位置関
係を検出する図4または図5の如きセンサ系からの検出
信号が入力される。そして、該検出信号を基に、この光
学系5と眼球との相対角度が演算回路61で計算され、
かつまた、演算回路61により、相対角度に対応する光
学系5の色むら等の補正係数が演算されて、これを同期
信号に基づき各座標毎に出力する。このとき、補正係数
は、角度依存性(見る角度によって色みが変化する特
性)のある、例えば使用する偏光膜プリズム7等の光学
素子またはレンズによる色むらを補正する係数であり、
画像が表示される画素ドットの座標に応じて係数が異な
る。
【0040】特に、頭部装着型映像表示装置における色
むら等の角度依存性の影響は大きく、その影響は観察角
度によっても同様に生じる。即ち、頭部装着型映像表示
装置において使用するディスプレイ、光学系はその性質
上小型化が要求される。そのような小型化されたディス
プレイを見るとき及び小型化された光学系を介して見る
ときは、一般のディスプレイを見るときより、見る角度
による色むらの影響が出やすい。よって、かかる光学系
に対して本実施例に従い色むら補正等をすると、より効
果的なものとなる。特に、偏光膜プリズム7を用いるタ
イプの頭部装着型映像表示装置の場合、ディスプレイ部
本体装着時に、それをずれて装着したりするなどしたと
き(図4,5は、観察者の目の方がやや下側へずれた装
着状態の場合の例である)、角度依存性により、色が違
うようにみえてしまう(例えば、黄色っぽかったもの
が、オレンジっぽくみえるなどする)。従って、目の眼
球の位置と光学系の位置との関係は、この点でシビアで
あるといえるが、これを緩和するのにも有効なものであ
る。
【0041】画像の真中に眼が位置する状態が望ましい
装着状態であり、その際の眼球中心と光学系の中心との
なす角度、即ち、光学系と眼球との相対角度θは0であ
る。(図4、5中のθが0となる)。ここで、色むら等
は相対角度θに依存し、X、Y方向での角度の変化によ
り色むら等の出方が異なる。なお、X、Y、Z方向は、
光学系から出射する光線の光軸をZ方向とし、これに垂
直な方向をX、Y方向とする。特に、図4、図5におい
て紙面に垂直な方向をY方向として、それに垂直な方向
をX方向とする(図面上の上下方向がX方向となる)。
ここでは一例としてX方向での角度変化について述べ
る。図4、5中の角度θの変化の方向は、上下方向に依
存しており、このとき現れる色むらは、例えば図14
(A)のタイプのものである。このとき、角度θがゼロ
であるときには色むらが生じないが、角度θが変化する
ことにより図14(A)のタイプの色むらが生じる場
合、角度θがゼロであるときにすでに図14(A)のタ
イプの色むらがあり、該色むらが角度θによりさらに変
化することになる場合がある。
【0042】第1実施例による場合には、Cijの係数
値は、目が固定されているとすると、使用する光学系等
で一義的に決まるが、本実施例では、目が動いたり、装
着時装着ずれがあったりするなどしても、それに合わせ
て対応可能である。たとえ図4,5の如くに装着ずれが
あっても、常時眼球の光学系の観察角度を求めて、それ
に合わせて必要な係数値を計算することにより、演算回
路61での補正をすることができるのである。
【0043】かくして、本実施例では、前記Y信号、Q
信号、I信号は、上記のような演算回路61から出力さ
れた補正係数により、マトリクス演算回路23でマトリ
クス演算されて、RGB信号となり、斯く演算処理した
後のRGB信号は、LCD31を駆動させるLCDドラ
イバ32により同期を合わせて画面上に表示される。
【0044】これによりLCD31上には、色の角度依
存性のある光学系の色むらをキャンセルする画像が表示
されて、装置全体で観察した場合に、正常な色の画像が
提供される。
【0045】次に、本発明の他の実施例(第3実施例)
について、図6により説明する。本実施例は、前記第
1、第2実施例が、信号補正の対象として、Y,Q,I
信号の段階のものとし、その係数を変えるもの(前記マ
トリクス演算式参照)であったのに対し、マトリクス演
算後、得られるその出力RGB信号の段階のものを対象
としてその係数を変えるよう補正処理をする例のもので
ある。即ち、第1、第2実施例では、RGB信号変換前
のY、Q、I信号の係数を補正しているのに対し、本実
施例では、RGB信号変換後に、該RGB信号の係数の
補正をするものである。
【0046】本実施例に従うものでは、映像信号の輝度
信号Y、及び色信号(I信号、Q信号)のマトリクス演
算処理を行いR,G,B信号とするマトリクス演算処理
手段、そのR,G,B信号にゲインの補正値を与える記
憶手段、その記憶手段からの補正値からR,G,B信号
のゲインを変化させるプログラマブルアッティネータ、
補正後の映像信号をLCDに同期を合わせて表示するた
めの制御手段を備えて実施できる。
【0047】図6の信号処理系においては、前記図1の
マトリクス演算回路に代えて、通常のY信号、Q信号、
I信号のマトリクス演算を行うマトリクス演算回路23
Aを設ける一方、該マトリクス演算回路23AとLCD
31間のR,G,B信号の経路にそれぞれプログラマブ
ルアッティネータ91R,91G,91Bを配置すると
ともに、それらに対応してメモリ52R,52G,52
Bを設け、また、同期信号が供給されるアドレスカウン
タ81を設けてある。アドレスカウンタ81は、画像の
座標を読み出すのに用いる。なお、図示例は、上記のよ
うにメモリ52R,52G,52Bを使用するが、この
点では、第1実施例の変形例にも相当するものである。
【0048】以下、本実施例の要部を説明する。図6に
おいて、コンポジット信号は同期信号分離回路21で同
期信号と映像信号に分離され、映像信号はY/C分離回
路22にて輝度信号と色信号とに分離される。分離され
た色信号は色復調回路24で変調されてI信号、Q信号
となり、Y信号(輝度信号)とともに、マトリクス演算
回路23Aで、RGB信号に変換される。
【0049】分離された同期信号は、これをアドレスカ
ウンタ81を経由して各RGBに対するメモリ52R,
52G,52Bにアドレス信号を与えて、この信号に対
応してメモリ52R,52G,52Bから補正係数が読
み出される。このときのメモリの値は、画面の座標毎の
色の信号が適正な色となるように調整した適当な値を前
もって与えておく。補正値としてのその係数値は、前記
第1実施例と同様、適用する光学系で生ずるであろう色
むら等を打ち消すようにするために必要な値である。
【0050】読み出されたこの補正係数は、プログラマ
ブルアッティネータ91R,91G,91Bに入り、デ
ジタル的にRGBのゲインを変化することができる。こ
れにより、RGBのゲインを可変として、LCD31へ
供給する信号をR′,G′,B′とし、LCD31に表
示される映像の色を変換するものである。メモリ52
R,52G,52Bからの補正係数を用い、こうして
R,G,B信号のゲインを直接補正することで、光学系
による色むらが補正できることになる。そして、LCD
ドライバ回路32の制御で、同期信号に合わせて補正さ
れた映像がLCD31に表示される。
【0051】以上のようにすることによっても、前記第
1実施例の場合と同様、LCD31上には、光学系の色
むら等をキャンセルする色むら等のある画像が表示さ
れ、装置全体で観察した場合に正常な色の画像を提供す
ることができる。なお、本実施例の態様の場合、格納す
べき補正係数の導出が簡便である点および該補正係数の
修正が容易である点等でよりよい。
【0052】本実施例でも、第1実施例と同様、色むら
等の補正の対象となる光学系に応じて一義的に決まる係
数値をメモリしておいて使用するようにしてもよいし、
また、第2実施例のような角度検出による補正と組み合
わせて実施してもよい(この点は、次の第4実施例以下
の場合も、同様である)。
【0053】次に、本発明の他の実施例について図7に
より説明する。本実施例(第4実施例)は、前記各実施
例とは、補正係数の与え方の異なる例に該当し、第1実
施例の変形例にも相当する。
【0054】本実施例では、補正に際し、色信号の段階
を処理対象とすることを基本とする。色信号は、位相と
振幅で色を表しているが、映像信号の場合、色を変換す
る方法として、色相(TINT)の傾きとその色相のベ
クトル量(カラーコントロール)により、任意の色を表
現することができ、本実施例は、これを利用した一つの
手法に相当する。即ち、色復調系において、図1の構成
に加え、一部回路の追加と2種の補正係数記憶用メモリ
の組合せで、色復調するときに除去対象の色むら等を除
けるよう補正する構成とするものである。
【0055】図7に示すように、この信号処理回路で
は、色復調コントロール系は、色復調回路240と、A
CC(Automatic Color Contro
l)回路241と、カラー・コントロール回路242
と、APC(AutomaticPhase Cont
rol)回路245と、VCO(電圧制御発生器)24
6と、TINT回路247とから構成する。また、補正
係数記憶用メモリとして、#1メモリ53と#2メモリ
54との2つを設け、#1メモリ53は前記TINT回
路247と接続し、#2メモリ54は前記カラー・コン
トロール回路242と接続するようそれぞれ設ける。カ
ラー・コントロール回路242は、色信号の振幅を調節
する回路であり、TINT回路247は、色信号の位相
角を調節する回路であって、#1メモリ53はそのTI
NT回路247の信号の補正値としての補正係数を与え
るためのメモリであり、他方、#2メモリ54は、カラ
ー・コントロール回路242に信号の補正値としての補
正係数を与えるためのメモリとして用いられる。色復調
回路240は、このようなカラー・コントロール回路2
42及びTINT回路247からの信号を変調し、I,
Q信号としてマトリクス演算回路に入力させる。ここ
に、マトリクス演算回路としては、前記図6の場合と同
様のマトリクス演算回路23Aでよい。
【0056】以下、本実施例の要部を説明する。コンポ
ジット信号は同期信号分離回路21で同期信号と映像信
号とに分離され、同期信号は上記2つのメモリ53,5
4へ供給される。映像信号はY/C分離回路22で輝度
信号と色信号とに分離される。
【0057】分離された色信号は、ACC回路241に
入力され、該ACC回路241で色信号の基準となるバ
ースト信号のレベルを検出して、色信号の大きさをバー
スト信号に追従させる。ACC回路241の出力が供給
されるカラー・コントロール回路242では、色信号の
大きさを変化させ、RGBの出力振幅を変化させる。一
方、APC回路245では色合いを変化させる。そし
て、VCO246において、TINT回路247の出力
に基づきTINT(色相)の位相角の制御を行う。
【0058】しかして、本実施例においては、同期信号
によりメモリ53及びメモリ54からそれぞれ補正係数
を出力して、TINT回路247及びカラー・コントロ
ール回路242での調節に適用し、TINT及びカラー
・コントロールの大きさを変化させるようにする。これ
によって、変換されたTINT及びカラー・コントロー
ルから色を変化させることが可能となる。ここに、カラ
ー・コントロール回路242での調節は、色の濃度(薄
さ、濃さ)を調整する機能を果たす。
【0059】色相と色の濃さの情報は、色復調回路24
0で変調されてI信号、Q信号となり、Y信号(輝度信
号)ともにマトリクス演算回路23Aで、RGB信号に
変換されて、LCDドライバ回路32の制御で、同期信
号に合わせて、LCD31に表示される。このようにし
て、映像信号の色信号の色相と色の濃さを補正した後、
色復調を行い、更にマトリクス演算によるRGB信号に
することで、色むら等の補正ができ、前記第1実施例と
同様の作用効果を得ることができる。
【0060】本実施例ではまた、通常のマトリクス演算
回路23Aを使える上、第3実施例と対比していえば、
図6の如くにRGB信号段階の信号経路にアッティネー
タ(ボリューム)を介挿し、ゲインを変える構成とせず
に済み、一般的な回路構成のものに容易に適用可能であ
る等の利点もある。
【0061】次に、本発明の他の実施例について図8に
より説明する。本実施例(第5実施例)は、RGB信号
変換後のその段階で補正を行う、前記第3実施例に従う
映像表示装置の変形例にも相当し、また、その具体化の
一例でもある。ここでは、LCDと組合せ使用する光学
系として、前記13図に示したような、偏光を用いた光
学系5で偏光膜10、λ/4板8を有する装置構成のも
のに適用した場合を例に説明する。
【0062】図8に示すように、信号処理系において図
6の信号処理系の構成と異なるのは、図6のプログラマ
ブルアッティネータ部分を減算処理する回路とするよ
う、RGBの係数r,g,bから所定の補正値を減算す
る減算回路95R,95G,95Bに代えるとともに、
その減算補正用の補正値を蓄えた#1メモリ55R,#
2メモリ55G,#3メモリ55Bを設けるようにした
点であり、他の構成は前記第3実施例と同様である。
【0063】図8において、コンポジット信号が同期信
号分離回路21で同期信号と映像信号とに分離され、映
像信号はY/C分離回路22で輝度信号と色信号とに分
離され、分離された色信号は色復調回路24で変調され
てI(ER −EY ) 信号、Q(EB −EY ) 信号とな
り、Y信号(輝度信号)とともにマトリクス演算回路2
3AでRCB信号に変換されるのは、前記図6の場合と
同じである。
【0064】ここで、RGB信号経路に減算回路95
R,95G,95Bを配してあるのは以下のような点か
らである。本実施例で用いる光学系5を通して、もし白
色光を観察したとすると、先に触れたように、波長板の
色により薄い黄色の色付きが発生する場合がある。これ
は、例えば、使用する光学系5中の偏光膜10の方で
は、余り色むらが出ないが、それとともに使用したλ/
4板8の方で色付きが出るといったようなケースである
(図14(B))。
【0065】さて、上記のような色付き発生の場合、こ
の薄い黄色の色光をCy として、RGB座標系で表す
と、Cy =(r,g,b)=(0.3696,0.6938,0.260
4)で表される。これは、緑みの薄黄色である。また、
一般に、色の混色は次のように示される。いま、2つの
異なる色C1 ,C2 をそれぞれ3原色R,G,Bで、
【数4】色光C1 =aR+bG+cB 色光C2 =dR+eG+fB と表すと、C1 とC2 の混ざった色光Cは、 色光C≡C1 +C2 ≡(a+d)R+(b+c)G+
(c+f)B で表せる。また、上記のような色光の加算のみならず色
光の減算も成り立つ。従って、本実施例の光学系5を通
して観察すると、緑みの薄黄色の色付きが映像画面全体
についてしまう(図14(B)参照)。
【0066】即ち、λ/4板8により上記色付きが発生
することとなる場合は、そのλ/4板8を通過すると、
その分の色が上乗せになった色のLCD画像が見えるこ
ととなる。そこで、この色付きを補正するために、光学
系に入射する基の正常な色の映像から光学系により混色
される色光Cy を引いた後、光学系を通して観察する
と、色付きのない正常な色の映像が楽しめることにな
る。
【0067】本実施例では、それゆえ、マトリクス演算
回路23Aにより、RGB表色系で示された3原色の係
数r,g,bから、上記色光Cy =(r,g,b)=
(0.3696,0.6938,0.2604)の係数を引くために、減算
回路95R,95G,95Bを設けてある。そして、メ
モリ55R,55G,55Bには予めその対応する補正
値を記憶させておき、LCD31へR,G,B信号を供
給する段階で、#1メモリ55Rから補正値0.369
6を、#1メモリ55Gから補正値0.6938を、#
3メモリ55Bから補正値0.2604を、それぞれ読
み出し対応する各減算回路に与えて、各補正値を引くよ
うにしてある。上記の如くに補正値を引いた色はR′,
G′,B′となり、LCDドライバ回路32の制御で、
同期信号に合わせてLCD31に表示される。結果、表
示された映像は、緑みの薄黄色を減じた色で表示され
て、上記光学系5を通して観察すると正常な色付きのな
い映像となる。
【0068】本実施例でも基本的な作用効果は第3実施
例と同様だが、本実施例によると、例えば前記図14
(B)のようなタイプの色付き、即ち使用する光学系中
のλ/4板に起因する画面全体の薄い色付きを取り除く
のに好適なものが得られる。図6のようなプログラマブ
ルアッティネータでなくても、上記のような減算回路9
5R,95G,95Bでも、画面全体の薄い色付きな
ら、補正が可能で、画面全体を対象に一律に所定補正値
を減算することで、色付き除去対策として効果を発揮で
きる。
【0069】なお、いままで述べきた第1〜第4実施例
のものでは、色むらや色付きといった色不具合のものす
べてを、広範に補正の対象とすることができる。例え
ば、第1実施例では、最終的に対象光学系で生ずる、そ
のような色むらや色付き全体を、予め打ち消すよう補正
をする状態の信号処理をする構成のものであれば、偏光
膜、波長板、あるいはその両者の要因によるもの(例え
ば図14(A),(B)等)も解消することができるも
のである。また、図6の第3実施例によるプログラマブ
ルアッティネータを用いれば、色むら等をもカバーで
き、やはり広範囲に適用できるものである。
【0070】また、図8の例では、減算回路及び減算補
正値用メモリは、RGBの各系に配するようにしたもの
で説明した。しかし、これに限らず、必要な信号に対し
てのみ設けるよう回路設計を行ってもよい。例えば、R
信号のみを補正するならば、1組のメモリ(55R)と
減算回路(95R)のみで良い。また、LCDの特性な
どにより、補正値が2つ以上必要な場合にも、最適な数
だけ設計を加えることができ、これにより色むらが補正
できる。本実施例は、従って、そのようにして使用する
ことも可能である。
【0071】次に、本発明の更に他の実施例について図
9,10により説明する。本実施例(第6実施例)は、
前記第4実施例(図7)の変形例に相当するものでもあ
る。図10に示すように、前記図7の構成と異なり、色
復調系において、バース信号の振幅を変化させるアンプ
252と、バースト信号の位相を変化させる移相回路2
53と、クロマ信号から補正された信号を減算する減算
器251を導入する構成としてある。そして、図示例で
は、アドレスカウンタ81により補正係数が読み出され
る2つの補正値記憶用#1メモリ56と#2メモリ57
設け、これらからの補正値をアンプ252と移相回路2
53へ与えるようにしてある。その他の構成部分は、第
4実施例と同様である。
【0072】以下、要部を説明する。同期信号分離回路
21及びY/C分離回路22での機能、動作は図7の場
合と同様である。分離された色信号がACC回路241
へ入力され、ACC回路241で色信号の基準となるバ
ースト信号のレベルを検出して色信号の大きさをバース
ト信号に追従させ、APC回路245では色あいを変化
させ、VCO246において、TINT(色相)の位相
角の制御を行う。
【0073】本実施例においては、メモリ56には、色
の濃さ(彩度)即ち、極座標表示したカラーベクトル図
(図10参照)中の補正対象ベクトルの大きさを示す電
気信号の振幅をアンプ252にて増幅するための補正係
数を、また、メモリ57には、色合い(TINT)即
ち、同ベクトルの傾きを示す電気信号の位相を移相回路
253にて変化させるための補正係数を、予めそれぞれ
蓄えており、これらが、アドレスカウンタ81の同期信
号によりそれぞれ読み出され、アンプ252でのゲイン
の調節と位相回路253での位相調整とに適用される。
減算器251には、ACC回路241の出力と位相回路
253の出力が入力され、上記補正係数により、色補正
の信号がこの減算器251にてクロマ信号から減算され
る。このときの色補正の信号が使用する光学系による色
付きに当たる。減算された色補正後の信号は、色復調回
路240で変調されてI信号、Q信号となり、Y信号と
ともにマトリクス演算回路23AでRGB信号に変換さ
れて、LCDドライバ回路32の制御で同期信号に合わ
せてLCD31に表示される。
【0074】以下に、本実施例に従う補正方式におい
て、前記第5実施例で述べたと同様に、λ/4板8を有
する前記の光学系5を使用した場合のそのλ/4板8に
よる緑みの薄黄色の色付きを補正する場合の内容の例を
示す。緑みの薄黄色の色光をCy として、RGB座標系
で表すと、前述の通り、Cy=(r,g,b)=(0.369
6, 0.6938, 0.2604) で表される。これを電気信号で取
り扱うためにYIQに変換すると、次のようになる。
【数5】
【0075】この色光Cy をI,Qの値を用いて図10
のカラーベクトル図に示す。ここで、色光Cy の振幅を
補正する値と位相を補正する値を計算すると、次のよう
になる。I信号をEI 、Q信号をEQ で表すとクロマ信
号Ec は、
【数6】 となる。ここで、
【外1】 は振幅を、 tan-1(EQ /EI )はI軸からの位相角の
ずれを表す。
【0076】いま、前記YIQ変換式から、EI =−0.
05293 、EQ =−0.20176 であるから、振幅について
は、
【数7】 となり、21(IRE)の電圧になれば良いことが分か
る(なお、(IRE)は、IRE単位表示を意味す
る)。
【0077】また、位相角のずれに関しては、
【数8】 tan-1(EQ /EI )= tan-1( -0.20176 / -0.05293 ) = 75.3 であり、これは、図10の−I軸からの位相の遅れを示
す。ここで、同図に示されるように、−I軸は303
°、バースト信号は180°であるので、バースト信号
からの位相のずれは、 303°−180°−75.3°=47.7° となる。
【0078】従って、以上から、振幅及び位相の補正に
当たっては、図9のアンプ252及び位相回路253に
おいて、それぞれ次のようにすればよい。即ち、アンプ
252ではカラーバースト信号(40(IRE))の振
幅が21(IRE)(図10のカラーベクトル図中の色
光Cy のベクトルの大きさ)となるようにゲインを調節
する。また、移相回路253ではバースト信号から位相
を47.7°遅らせる(同Cy ベクトルの傾きを示
す)。これによって、映像信号は光学系5の色付きを減
算した色としてLCD31に表示されて、光学系5を通
してこの映像を観察すると、色補正された正常な映像が
観察できる。
【0079】本実施例も、このようにして例えば前記図
14(B)のようなタイプの色付きを除去することがで
きる。なお、前記第5実施例も、本実施例による上記補
正例も、全体の色付き対策であり、この場合は、画面全
体にわたり、同じ補正値を適用すればよい。また、第5
実施例(図8)との対比では、その第5実施例では、同
様のことを第3実施例(図6)の構成をベースとして実
現したものであったが、本実施例では、前記第4実施例
(図7)の構成をベースにして行っており、RGB信号
経路での処理を要しない等の第4実施例に基づく有利な
点を確保しつつ、画面全体の薄い色付き除去対策を達成
できるものである。
【0080】次に、本発明の更に他の実施例について図
11により説明する。本実施例(第7実施例)は、例え
ば同じ色の濃淡のグラデーションが現れるような場合
に、これを除去することができるようにする例の一つで
ある。また、前記図9の第6実施例(あるいは、図7の
第4実施例)の変形例に相当するものでもある。図10
に示す如く、図示例では、前記図7と対比すると、色復
調系において、アンプ252の出力が減算器251に供
給される一方、当該アンプ252のゲイン調整用に適用
する補正値を演算回路65により演算で得るよう構成し
てある点が異なり、その他の構成については、第6実施
例の場合と同様であってよい。
【0081】以下、本実施例での使用する光学系が図1
3のような偏光膜10を有する構成の光学系5であっ
て、その偏光膜10の色付きが、例えば図14(A)の
ような薄黄色のグニデーションを出現させるような色む
らの場合を考え、これを例にとって、本実施例の要部を
説明する。このようなクラデーションの色の濃さの変化
は、関数で表される。本実施例の演算回路65では、ア
ンプ252に与える補正値を算出するべく、アドレスカ
ウンタ81から読み出される画面の各座標のアドレスに
応じて、この関数を計算する。アンプ252では、算出
された各座標に対する振幅の補正値から電気信号の振幅
を補正する。これを減算器251にてクロマ信号から減
算して、色復調回路240でI,Q信号に変調する。以
下は、図9と同じで、マトリクス演算回路23Aを介し
てRGB信号変換処理が行われ、LCD31に表示され
る。
【0082】ここで、図14(A)のグラデーションに
着目すると、その薄黄色のグラデーションの色付きは同
じ色で濃度が変化していくものなので、TINT(色
相)は一定である。そして、前記図10のカラーベクト
ル図上のI軸、Q軸を直行座標系として、図に示す図1
4(A)の薄黄色のグラデーションを関数で示すと、
【数9】I=f(Q)=−0.22Q(−1<Q<0) となる。
【0083】ここで、各画面の座標に対応する適当なQ
軸上の値Q1を与えてやると、TINT(色相)は、
【数10】 となり、他方、振幅は、値Q1により、
【数11】 で表されるので、補正に際しては、アンプ252にて電
気信号の振幅が、
【外2】 になるようにゲインを補正してやれば良い。
【0084】従って、グラデーションの色付きを関数に
て表せば、アドレスカウンタ81と関数から導き出され
る補正値により、電気信号の振幅が補正されて、これを
基の映像信号から減算した後、光学系5を観察すること
で映像の色付き(色むら)を補正することができる。本
実施例によると、色むらを数式で表して、これを基にア
ドレスカウンタ81からの各画像の座標毎の色の補正を
演算回路65で行うことができ、単一色のみならず、均
一でないグラデーションのような色むらをも補正するこ
とができる。
【0085】なお、前記第6実施例と同様に補正処理は
色復調系であることから、それによる利点も本実施例は
併せ有するとともに、第6実施例が図14(B)のよう
なタイプの単一の色付き対策に効果的でのあるのに対
し、本実施例は、そのほか、図14(A)のようなタイ
プの色むらのある偏光膜光学系に起因するその色むら対
策にも効果を発揮する装置が得られる。使用する光学系
の偏光膜によっては、図14(A)のような色変化の出
方をするものも多く、よって、そうした場合には、本実
施例による構成のものでも十分に対応可能であり、偏光
ビームスプリッタを用いたプリズム光学系の膜による色
むらを補正し適正な色で画像を表示する映像表示装置も
容易に実現できる。
【0086】また、本実施例の変形として、色付きを示
す関数が振幅だけでなく、TINT(色相)も変化させ
る場合には、図11に示した本回路の例に、図9に示し
たような移相回路をも加えて、演算回路からの補正値に
より、色相の補正を行ってやれば良い。そうすれば、例
えば異なる色のグラデーションでも対応できるものとな
る。
【0087】また、色付きの関数は、本実施例で示した
一次直線に限らず、二次曲線、多項式、複数の関数によ
る表記なども可能である。
【0088】また、本発明は、偏光を用いる光学系(ま
たは、偏光素子、偏光膜を有する光学系)を備える場合
の装置での色むらや色付きなどを打ち消すのに適用でき
るのは勿論であるが、それのみならず、偏光膜やλ/4
板を用いない光学系での単なる色むら(例えば、プリズ
ム等でも生ずる色むら)の補正にも有効である。
【0089】また、本発明は、以上の特定に実施例、変
形例等に限定されるものではない。本発明に好適な実施
の態様について例をあげておけば、次のようである。 (1) 「表示素子と、該表示素子に映像信号を供給
する信号処理手段と、前記表示素子の映像を左右眼球に
投影する偏光を用いた(または偏光素子、偏光膜を有す
る)光学系とを備える頭部装着型映像表示装置」におい
て、前記表示素子に表示する画素の表示位置に対応して
各々最適な補正値を記録するための記憶手段と、該記憶
手段から補正値を読み出し、この補正値と前記映像信号
の輝度信号及び色信号とのマトリクス演算処理を行うマ
トリクス演算処理手段とを備えた頭部装着型映像表示装
置である。これによると、補正値を記憶する手段(メモ
リ)を備えることで、補正値を映像信号の色信号等に与
えることができ、光学系の色むら等の補正が行える頭部
装着型映像表示装置が得られる。
【0090】また、 (2) 上記の「頭部装着型映像表示装置」におい
て、観察者の眼球と光学系との位置関係を検出する位置
検出手段と、該位置検出手段の検出信号から眼球の光学
系の観察角度を演算処理し、前記表示素子に表示する画
素の表示位置に対応して、各々上記観察角度に対応する
最適な補正値を記録するための演算処理手段と、該演算
処理手段から補正値を読み出し、この補正値と前記映像
の輝度信号及び色信号とのマトリクス演算処理を行うマ
トリクス演算処理手段とを備えた頭部装着型映像表示装
置である。この(2)の場合は、眼球と光学系の位置関
係を検出する手段を設けることで、色を補正するための
観察角度を検出し、これに見合う各補正値を用いて、L
CDの角度依存性による色むらや、偏光膜の角度依存性
による色むら等を補正することのできる頭部装着型映像
表示装置が実現される。
【0091】また、 (3) 上記の「頭部装着型映像表示装置」におい
て、輝度信号(Y信号)及び色信号(I信号、Q信号)
のマトリクス演算処理を行いR,G,B信号とするマト
リクス演算処理手段と、前記R,G,B信号にゲインの
補正値を与える記憶手段と、該記憶手段からの補正値か
らR,G,B信号のゲインを変化させるプログラマブル
アッティネータと、その補正後の映像信号を前記表示素
子に同期を合わせて表示するための制御手段とを備えた
頭部装着型映像表示装置である。この(3)の場合は、
記憶手段からの補正値を用いてR,G,B信号のゲイン
をプログラマブルアッティネータにより直接補正するこ
とで、光学系による色むら等が補正できる。
【0092】また、 (4) 上記の「頭部装着型映像表示装置」におい
て、色信号の振幅を調節するカラー・コントロール回路
と、色信号の位相角を調節するティント回路と、前記カ
ラー・コントロール回路に信号の補正値を与える第1の
記憶手段と、前記ティント回路に信号の補正値を与える
第2の記憶手段と、前記カラー・コントロール回路及び
ティント回路の信号を変調させる色復調回路と、前記映
像信号の輝度信号及び色信号のマトリクス演算処理を行
うマトリクス演算処理手段とを備えた頭部装着型映像表
示装置である。この(4)の場合は、映像信号の色信号
の色相と色の濃さを補正した後、色復調を行い、更にマ
トリクス演算によるR,G,B信号にすることで、色む
ら等の補正ができる。
【0093】また、 (5) 上記の「頭部装着型映像表示装置」におい
て、前記映像信号の輝度信号と色信号のマトリクス演算
を行うマトリクス演算回路と、R、G、Bの係数を補正
する補正値を蓄えた1つあるいは複数の記憶手段と、
R、G、Bの係数から前記補正値を減算する1つあるい
は複数の減算回路とを備えた頭部表示型映像表示装置で
ある。この(5)の場合は、R,G,B信号に補正値を
与える記憶手段、及び補正値を信号より減算する減算回
路とを一または複数備えることで、必要な信号に対して
のみの回路設計が行える(例えば、R信号のみを補正す
るならば、1組の記憶手段と減算回路のみで良い)。ま
た、LCDの特性などにより、補正値が2つ以上必要な
場合にも、最適な数だけ設計を加えることができ、これ
により色むらが補正できる。
【0094】また、 (6) 上記の「頭部装着型映像表示装置」におい
て、画像の座標を読み出すアドレスカウンタと、バース
ト信号の振幅を変化させる増幅器と、前記バースト信号
の位相を変化させる移相回路と、前記増幅器または移相
回路との少なくともどちらかに補正値を与える少なくと
も1つ以上の記憶手段と、クロマ信号から補正された信
号を減算する減算回路とを備えた頭部装着型映像表示装
置である。また、 (7) 上記(6)において、前記補正値をアドレスカ
ウンタの情報に対応して、算出するための演算回路を備
えている頭部装着型映像表示装置である。上記(6)の
場合は、色信号のバースト信号の振幅と位相を補正する
ことで、光学系の色むら等を補正できる。また、(7)
の場合は、色むら等を数式(1次式、2次式、多項式な
ど)で表して、これを基にアドレスカウンタからの各画
像の座標毎の色の補正を演算回路で行うことができ、単
一色のみならず、均一でないグラデーションのような色
むらをも補正することができる。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、光学系の色むら等を打
ち消すように補正をすることで、映像表示素子上の表示
映像を、光学系の色むら等とは、逆の色むら等をもつも
のとして表示させることができ、映像表示素子上に光学
系の色むら等をキャンセルする映像が表示されることに
より、その光学系を介し装置全体として観察した場合、
色むら等の除去された画像を観察することができる。従
って、光学系等の色むら等による映像の全体的または部
分的劣化を補償し得て、良好な画像を観察することので
きる映像表示装置を実現することができる。また、使用
する光学系が偏光膜または偏光板と波長板とを有する光
学系であって、たとえ偏光膜による色むらや波長板によ
る色付き等が生ずることとなる光学系であっても、その
光学系とは逆の色むら等をもつ映像が映像表示素子上に
表示されて、その光学系を介して観察することで、装置
全体として観察した場合に、色むら等の除去補正された
画像を観察することができる。また、観察者の眼球の観
察角度を検出し、映像表示素子に表示する画素の表示位
置に対応して、各々該検出観察角度に対応する補正値を
演算し、その補正値を用いて上記補正を行うと、角度依
存性のある光学系を用いる装置にも対応でき、例えば映
像表示素子の角度依存性による色むらや、偏光膜の角度
依存性による色むら等を補正することができる。この場
合は、偏光を用いる光学系を使用する頭部装置型の映像
表示装置などに適用して好適な映像表示装置を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の映像表示装置の一実施例の構成を示す
図である。
【図2】画面の座標の与え方の説明に供する図である。
【図3】本発明の他の実施例の構成を示す図である。
【図4】同例において適用できる、光学系と眼球との関
係位置を検出する検出系の一例の説明に供する図であ
る。
【図5】同じく、検出系の他の例の説明に供する図であ
る。
【図6】本発明の更に他の実施例の構成を示す図であ
る。
【図7】同じく、本発明の更に他の実施例の構成を示す
図である。
【図8】同じく、本発明の更に他の実施例の構成を示す
図である。
【図9】同じく、本発明の更に他の実施例の構成を示す
図である。
【図10】同例での説明に供するカラーベクトル図であ
る。
【図11】本発明の更に他の実施例の構成を示す図であ
る。
【図12】本発明を適用できる頭部装着型映像表示装置
の一例を示す図である。
【図13】同装置の光学系の構成を示す図である。
【図14】色むら、色付きの例の説明に供する図であ
る。
【符号の説明】
1 頭部装着型映像表示装置のディスプレイ部本体 2 眼前部 3 支持部 5(5L,5R) 光学系 6(6L,6R) LCD(LCDパネル) 7(7L,7R) 偏光膜プリズム 8(8L,8R) λ/4板(1/4波長板) 9(9L,9R) 反射凹面鏡 10(10L,10R) 偏光膜 21 同期信号分離回路 22 Y/C分離回路 23 マトリクス演算回路 23A マトリクス演算回路 24 色復調回路 31 LCD 32 LCDドライバ(LCDドライバ回路) 51 メモリ 52R,52G,52B メモリ 53,54 メモリ(#1,#2) 55R,55G,55B メモリ(#1,#2,#3) 56,57 メモリ(#1,#2) 61 演算回路 65 演算回路 71 赤外線センサ 72 小型カメラ 81 アドレスカウンタ 91R,91G,91B プログラマブルアッティネー
タ 95R,95G,95B 減算回路 240 色復調回路 241 ACC回路 242 カラーコントロール回路 245 APC回路 246 VCO(電圧制御発振器) 247 TINT回路 251 減算器 252 アンプ 253 移相回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 映像信号により映像が表示される映像表
    示素子と、 該映像表示素子に映像信号を供給する信号処理手段と、 前記映像表示素子の表示映像を観察する光学系とを備え
    る映像表示装置であって、 前記信号処理手段は、前記光学系により生ずる色むらも
    しくは色付きまたはこれらに類する色変化を補正するよ
    うに信号処理をする補正手段を有し、該補正手段により
    前記映像表示素子への供給信号を得、当該信号によって
    映像を表示させるよう構成してなることを特徴とする映
    像表示装置。
  2. 【請求項2】 映像信号により映像が表示される映像表
    示素子と、 該映像表示素子に映像信号を供給する信号処理手段と、 前記映像表示素子の表示映像を観察する光学系にして、
    光路中に偏光膜または偏光板と波長板とを有する光学系
    とを備える映像表示装置であって、 前記信号処理手段は、前記光学系により生ずる色むらも
    しくは色付きまたはこれらに類する色変化を補正するよ
    うに信号処理をする補正手段を有し、該補正手段により
    前記映像表示素子への供給信号を得、当該信号によって
    映像を表示させるよう構成してなることを特徴とする映
    像表示装置。
  3. 【請求項3】 観察者の眼球の観察角度を検出する検出
    手段を有し、 補正手段は、映像表示素子に表示する画素の表示位置に
    対応して、各々該検出観察角度に対応する補正値を演算
    し、斯く演算した補正値を用いて補正を行うことを特徴
    とする請求項1、または請求項2記載の映像表示装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10327373A (ja) * 1997-05-26 1998-12-08 Mitsubishi Electric Corp 接眼映像表示装置
JP2006135884A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Konica Minolta Photo Imaging Inc 映像表示装置
JP2008287048A (ja) * 2007-05-18 2008-11-27 Konica Minolta Holdings Inc 映像表示装置およびヘッドマウントディスプレイ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Effective date: 20031014