JPH0897589A - 磁気シールド積層体及びこれを用いた磁気シールド材 - Google Patents

磁気シールド積層体及びこれを用いた磁気シールド材

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JPH0897589A
JPH0897589A JP6232727A JP23272794A JPH0897589A JP H0897589 A JPH0897589 A JP H0897589A JP 6232727 A JP6232727 A JP 6232727A JP 23272794 A JP23272794 A JP 23272794A JP H0897589 A JPH0897589 A JP H0897589A
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Takeshi Sakurai
健 桜井
Kazunori Tanaka
一憲 田中
Kiichi Komada
紀一 駒田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化物超電導組成物の使用量に対して貴金属
層又はセラミック層の使用量が少なくて済み、軽量でか
つ高い磁気遮蔽能を有する 。 【構成】 基体13上に貴金属層12(又はセラミック
層14)と超電導体層11とが交互に積層され焼成され
ることにより一体化した磁気シールド積層体10(2
0)に関し、基体13及び貴金属層12(又はセラミッ
ク層14)の全厚に対する超電導体層11の全厚の比が
0.5〜1.4であって、貴金属層12(又はセラミッ
ク層14)の一層の厚さが少なくとも30μmであるこ
とを特徴とする。磁気シールド複合積層体15,…,1
5(16,…,16)は複数個その積層面方向に密接に
並べて、エポキシ樹脂のような接着剤により接着され、
シート状の磁気シールド材25(26)となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部磁場を遮蔽する磁
気シールド積層体に関する。更に詳しくは複数の磁気シ
ールド積層体を組立てて作られる磁気シールド材に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】この種の磁気シールド積層体の製造方法
として、熱処理により超電導体になる酸化物粉末及び酸
化物超電導体粉末のうちの少なくとも一種を銀パイプの
ような金属管に充填して金属酸化物複合体を作製し、こ
れを銀テープのような線材に加工し、この線材を熱処理
して超電導体した後、線材に結晶配向を高める処理をし
て複数本の銀テープを別の銀テープでスパイラル状に巻
くことにより、線材を束ね一体化し、更に再熱処理して
酸化物超電導線材を得る方法が開示されている(特開平
5−274933)。また別の磁気シールド積層体とし
て、基材上に必要に応じて下地層を形成した後、溶射法
によりビスマス系酸化物超電導体の低Tc相(80K
相)と高Tc相(110K相)の組成を基本とする超電
導体皮膜を交互に積層させて作られたものが提案されて
いる(特開平5−283881)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に超電導体からな
る磁気シールド材において外部磁場からの磁気を遮蔽す
るための電流(以下、シールド電流という)が流れる部
位は、超電導体の表面と考えられている。しかしなが
ら、前者の磁気シールド積層体では銀パイプの全厚に比
較して超電導体層の厚さの割合が小さい。このため磁気
シールド積層体を厚くしないと所望の磁気遮蔽能が得ら
れない不具合があった。これを回避するために磁気シー
ルド積層体の厚さを大きくすると、磁気シールド積層体
の重量が増加し、例えば移動型MRI等の磁気シールド
材としては適さない問題点があった。また後者の磁気シ
ールド積層体では、超電導体層が複数積層されるため、
超電導体の容積は高まるものの超電導体の界面が少な
く、やはり磁気遮蔽能に劣る不具合があった。本発明の
目的は、酸化物超電導組成物の使用量に対して貴金属層
又はセラミック層の使用量が少なくて済み、軽量でかつ
高い磁気遮蔽能を有する磁気シールド積層体及びこれを
用いた磁気シールド材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】図1(a)〜図1(e)
に示すように、本発明の磁気シールド積層体10(2
0)は基体13上に貴金属層12(又はセラミック層1
4)と超電導体層11とが交互に積層され焼成されるこ
とにより一体化したものである。その特徴ある構成は基
体13及び貴金属層12(又はセラミック層14)の全
厚に対する超電導体層11の全厚の比が0.5〜1.4
であって、貴金属層12(又はセラミック層14)の一
層の厚さが少なくとも30μmであることにある。図1
(e)及び図1(f)に示すように、本発明の磁気シー
ルド複合積層体15(又は16)は2組の磁気シールド
積層体10,10(又は20,20)がその積層面方向
に互いに所定の距離だけずらして接合され焼成されるこ
とにより一体化したものである。図2(a)に示すよう
に、本発明の磁気シールド材25(又は26)は複数の
磁気シールド複合積層体15,…,15(又は16,
…,16)がその積層面方向に密接に並べて接着された
ものである。
【0005】以下、本発明を詳述する。本発明の基体
は、貴金属層(又はセラミック層)と超電導体層とを交
互に積層するときの補強材であって、金属基体のような
可塑性のある箔又は板材、ガラス板、セラミック薄板等
を用いることができる。後述する湾曲した磁気シールド
材を作るときには金属基体が好ましい。磁気遮蔽能を高
めるためには、金属基体は貴金属箔であることが好まし
い。基体の厚さは補強効果を発揮できる最小の厚さが好
ましく、金属基体の場合には50〜200μm、その他
の基体の場合には100〜500μmの範囲から選ばれ
る。
【0006】貴金属層は、Ag,Au,Pd,Pt又は
その合金からなる金属層である。Ag又はその合金が比
較的安価であって、酸素の拡散が速く、酸化物超電導体
の酸素量を制御し易いため、好ましい。貴金属層を用い
るのは、超電導体との反応性が低いからである。この貴
金属層の代わりにセラミック層を用いてもよい。このセ
ラミック層には、超電導体との反応を抑えるために塩基
性であるか、粒子配向を促進するために超電導体との格
子定数が近いセラミックス、例えばMgO,ZrO2
SrTiO3,NdGaO3等が用いられる。この貴金属
層又はセラミック層の厚さは30μm〜100μmの範
囲のものが好ましく、更に30μm〜50μmの範囲の
ものが好ましい。厚さが30μm未満では超電導相の結
晶粒子の配向性が劣り、100μmを越えるとそれに応
じて超電導体層を厚くする必要があり、磁気シールド積
層体の厚さが増大し、それぞれ好ましくない。また上記
厚さの範囲は基体が金属基体の場合、磁気シールド積層
体の成形性を考慮して決められる。
【0007】貴金属層と超電導体層、又はセラミック層
と超電導体層はそれぞれ基体上に均一に形成される。例
えば前者の場合、貴金属ペースト又は酸化物超電導組成
物を含む超電導体ペーストをドクタブレード法等により
基体表面にコーティングした後、この上面に超電導体ペ
ースト又は貴金属ペーストを交互にコーティングし、焼
成して作られる。また後者の場合、貴金属ペーストの代
わりにセラミックペーストを同様にコーティングし、焼
成して作られる。コーティング後の積層方法としては、
一層毎に脱脂乾燥し仮焼した後、次の層をコーティン
グする方法と、所望の層数だけペーストをコーティン
グした後、積層体全体を脱脂乾燥し本焼成する方法とが
ある。上記の方法は生産性が高く、また焼成前に積層
体全体を湾曲加工等ができる長所がある反面、脱脂処理
が容易でない短所がある。積層数が多い場合には脱脂処
理が容易で、貴金属層又はセラミック層の厚さを小さく
できる上記の方法が好ましい。
【0008】超電導体層を構成する酸化物超電導組成物
はBi2Sr2Ca2Cu310系(以下、Bi2223系
という)酸化物超電導組成物が好ましい。この酸化物超
電導組成物には不可避不純物として、0.1〜4.0重
量%のKと、0.1〜1.1重量%のCとをそれぞれ含
むことが酸化物超電導組成物の密度を高めて、これによ
り高い磁気エネルギに耐え得るため、好ましい。
【0009】図1(a)〜図1(e)に示すように、基
体13上に貴金属層12(又はセラミック層14)と超
電導体層11が交互に積層された積層体は、そのまま焼
成して磁気シールド積層体としてもよいが、焼成後、図
1(d)の破線箇所で所定の面積に切断されて、図1
(e)に示す磁気シールド積層体10(又は20)とな
る。このときの積層数は要求される磁気遮蔽能が応じて
決められる。例えば高い磁気遮蔽能が求められるときに
は積層数を増大する。本発明の磁気シールド積層体10
はその積層断面をを観察した場合に、基体13及び貴金
属層12(又はセラミック層14)の全厚に対する超電
導体層11の全厚の比が0.5〜1.4であることが必
要である。好ましい比率は0.75〜0.9である。
0.5未満では超電導相の結晶粒子の配向性に劣り、
1.4を越えると超電導相の密度が不十分でしかもその
均一性が劣るようになる。
【0010】図1(e)で得られた磁気シールド積層体
10(又は20)は、図1(f)に示すように2組ずつ
その積層面方向に互いに所定の距離だけずらして接合し
その状態で再度焼成することにより、一方の磁気シール
ド積層体10(又は20)の上面の超電導体層11と他
方の磁気シールド積層体10(又は20)の下面の基体
13が密着して磁気シールド複合積層体15(又は1
6)を形成することもできる。
【0011】図2(a)に示すように、このように得ら
れた磁気シールド複合積層体15,…,15(又は1
6,…,16)は複数個その積層面方向に密接に並べ
て、エポキシ樹脂のような接着剤により接着され、シー
ト状の磁気シールド材25(又は26)となる。所望の
曲率で湾曲した基体を用いるか、或いは基体が金属基体
の場合、上記の方法で焼成前の積層体全体を所望の曲
率で湾曲して成形すれば、図2(b)に示すように、こ
れらを接合して磁気シールド複合積層体17にすること
ができる。これらの磁気シールド複合積層体17,…,
17をその積層面方向に同様に並べて接着すれば、ドー
ム状磁気シールド材27、或いは図示しないが円筒状の
磁気シールド材が得られる。
【0012】
【作用】単一の超電導体層と比べて、積層した磁気シー
ルド積層体は磁気遮蔽能は増大する。特に図2(a)に
示すように多数の磁気シールド複合積層体15(又は1
6)を組み立てた磁気シールド材25(又は26)は、
積層体15(又は16)の継ぎ目の部分から磁気が漏洩
することがなく、所望の面積にわたって磁気を遮蔽する
ことができる。理論的解明は未だ十分になされていない
が、超電導体層を構成する酸化物超電導組成物の主成分
がBi2223系であって、その中にCとKとを含む
と、超電導組成物になるまでの過程でCとKとにより炭
酸カリウム(K2CO3)が生成され、それが炭酸カリウ
ムの融点に近い温度での焼成により溶融液となり、この
溶融液が酸化物超電導組成物となる粒子の間に介在しな
がら粒成長し、組成物の結晶粒子の配向度が高くなり、
組成物が高密度になると考えられる。また積層圧延工程
で粒子配向が更に機械的に促進される。特に酸化物超電
導組成物中のKとCの含有量を上記所定の範囲にするこ
とにより、結晶粒子の配向度がより一層高まって、理論
密度に対する酸化物超電導組成物の密度比は90%以上
となり、この組成物の薄層を貴金属層と交互に積層した
磁気シールド積層体はより高い磁気遮蔽能を有するよう
になる。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例とともに説明
する。 <実施例1〜4>出発原料として、硝酸ビスマスと硝酸
鉛と炭酸ストロンチウムと炭酸カルシウムと酸化銅とを
それぞれ用意し、各金属の原子比がBi:Pb:Sr:
Ca:Cu=1.7:0.3:2:2:3になるよう
に、これらの化合物をそれぞれ秤量しシュウ酸共沈法で
原料粉末を合成した。この原料粉末を750℃に仮焼し
た後、乾式ボールミルで粉砕混合し、得られた粉末を8
10℃に仮焼した後、同様に粉砕混合し、更に得られた
粉末を840℃に仮焼した後、同様に粉砕混合した。得
られた粉末は超電導化合物相を生成していた。この超電
導体化合物を100g採取し、これに溶媒としてノルマ
ルヘキサン100mlを加え、粉砕媒体として直径5m
mのYSZ(イットリア安定化ジルコニア)ボールが1
00g入った湿式ボールミルで10時間一次粉砕した。
この一次粉砕した超電導体化合物100gに更にノルマ
ルヘキサン100mlを溶媒として加え、粉砕媒体とし
て直径2mmのYSZボールが100g入った湿式ボー
ルミルで15時間二次粉砕した。二次粉砕したサブミク
ロンオーダの超電導体化合物を10g採取し、これにエ
チルセルロース6.5mlと解膠剤6mlとAg粉末1
gを均一に混合して超電導体ペーストを調製した。
【0014】Ag粉末をエチルセルロースと解膠剤に均
一に混合してAgペーストを調製した。またたて100
mm、よこ50mm、厚さ100μmのAg箔を基体と
して4枚用意し、4枚のAg箔の上面に上記Agペース
トをドクタブレード法により2種類の厚さでそれぞれコ
ーティングし、大気圧下120〜250℃で脱脂乾燥し
た後、大気圧下780〜845℃で仮焼した。続いてそ
の上に基体毎に厚さを変えて超電導体ペーストをドクタ
ブレード法によりコーティングし、大気中120〜25
0℃で脱脂乾燥した後、3〜10気圧下800〜900
℃で仮焼した。この積層を繰返して図1(d)に示すよ
うに基体13上に6層積層した4種類の積層体を得た。
これらの積層体を大気圧下827〜837℃で本焼成し
た。各層のコーティングの厚さ、磁気シールド積層体の
各層の厚さ、及び基体とAg層に対する超電導体層の比
を表1に示す。
【0015】<実施例5及び6>実施例1と同じ超電導
体ペースト、Agペースト及びAg箔の基体を用いた。
2枚のAg箔の上面に上記Agペーストをドクタブレー
ド法により同じ厚さでそれぞれコーティングし、脱脂乾
燥することなく、引き続いてその上に基体毎に厚さを変
えて超電導体ペーストをドクタブレード法によりコーテ
ィングした。この積層を繰返して基体上に6層積層した
2種類の積層体を得た。これらの積層体を大気圧下82
7〜837℃で本焼成した。各層のコーティングの厚
さ、磁気シールド積層体の各層の厚さ、及び基体とAg
層に対する超電導体層の比を表1に示す。
【0016】<実施例7及び8>実施例1〜4のシュウ
酸共沈法の代わりに、実施例1〜4と同じ比率で秤量し
た実施例1〜4と同じ出発原料の化合物をpH調整過程
の一部にKOH水溶液を使用するシュウ酸エタノール共
沈法で原料粉末を合成した以外は、実施例1〜4と同じ
超電導体ペースト、Agペースト及びAg箔の基体を用
いた。以下、実施例5及び6と同様にして2種類の磁気
シールド積層体を得た。なお、KOH水溶液はK(カリ
ウム)を、またエタノール(C25OH)は同じくC
(炭素)をそれぞれ酸化物超電導組成物の不可避成分と
して含有するために用いた。
【0017】<比較例1〜4>実施例1と同じ超電導体
ペースト、Agペースト及びAg箔の基体を用いた。4
枚のAg箔の上面に上記Agペーストをドクタブレード
法により基体毎に厚さを変えてコーティングし、実施例
1と同様に脱脂乾燥し仮焼した。続いてその上に3種類
の厚さで超電導体ペーストをドクタブレード法によりコ
ーティングし、実施例1と同様に脱脂乾燥し仮焼した。
この積層を繰返して基体上に6層積層した4種類の積層
体を得た。これらの積層体を大気圧下827〜837℃
で本焼成した。各層のコーティングの厚さ、磁気シール
ド積層体の各層の厚さ、及び基体とAg層に対する超電
導体層の比を表1に示す。
【0018】<比較例5及び6>実施例5及び6におけ
る超電導体ペーストのコーティングの厚さを小さくした
以外は、実施例5及び6と同様にして2種類の磁気シー
ルド積層体を得た。
【0019】<評価>実施例1〜8及び比較例1〜6の
磁気シールド積層体をそれぞれ液体窒素に浸漬し、磁場
発生コイルとピックアップコイルとにより磁気シールド
積層体を挟むようにして両コイルを設置した。磁場発生
コイルとピックアップコイルの間に1エルステッドの磁
界を加え、室温での電圧と絶対温度77Kでの電圧の比
を求めることにより磁界の減衰率を測定した。その結果
を表1に示す。なお、実施例1及び2の磁気シールド積
層体には直流磁場と交流磁場の双方を別々に加え、比較
例3、4及び6の磁気シールド積層体には交流磁場のみ
を加えた。その他の磁気シールド積層体には直流磁場を
加えた。直流磁場を加えることにより、この直流磁場を
シールドするための超電導粒子の表面における定常電流
の流れ易さ、即ちシールド能力を左右する超電導粒子の
大きさ、配向性の程度を調べた。また交流磁場を加える
ことにより、直流磁場のシールドに必要な特性に加え
て、超電導粒子と超電導粒子の結合の電磁気的な強さの
程度を調べた。この結合の強さの測定は、結合が強けれ
ば交流磁場での測定データが直流磁場でのそれに近づ
き、反対に結合が弱ければ直流磁場に比べて極端にシー
ルド能力が低下するという公知の事実に基づいた。
【0020】
【表1】
【0021】表1から明らかなように、比較例1〜6の
磁界の減衰率は2.0×10-4〜5.0×10-3の範囲
にあって磁気シールド材として不十分であるのに対し
て、実施例1〜8の磁界の減衰率は5.0×10-5
1.0×10-4の範囲にあって磁気シールド材として十
分に機能することが判明した。特に酸化物超電導組成物
に不可避不純物としてK及びCを含んだ実施例7及び8
は、より減衰率が小さく磁気遮蔽能がより高いことが判
った。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、超
電導体層と貴金属層とを交互に積層し、所定の厚さ比に
することにより、酸化物超電導組成物の使用量に比して
貴金属層の使用量を少なくして、超電導体層の表面積を
増大できるため、シールド電流の流れる部位が広範囲に
なる。その結果、軽量で高い磁気遮蔽能を有する磁気シ
ールド積層体が得られる。特に、酸化物超電導組成物を
Bi2223系にして、不可避不純物としてKとCとを
それぞれ含む場合には、より高い磁気遮蔽効果を奏す
る。更に多数の磁気シールド複合積層体を組み立てた磁
気シールド材は、積層体の継ぎ目の部分から磁気が漏洩
することがなく、所望の面積にわたって磁気を遮蔽する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気シールド積層体及び磁気シールド
複合積層体の製造工程図。
【図2】本発明の磁気シールド材の側面図。
【符号の説明】
10,20 磁気シールド積層体 11 超電導体層 12 貴金属層(Ag層) 13 基体 14 セラミック層 15,16,17 磁気シールド複合積層体 25,26,27 磁気シールド材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体(13)上に貴金属層(12)と超電導体層
    (11)とが交互に積層され焼成されることにより一体化し
    た磁気シールド積層体(10)であって、 前記基体(13)及び貴金属層(12)の全厚に対する前記超電
    導体層(11)の全厚の比が0.5〜1.4であって、前記
    貴金属層(12)の一層の厚さが少なくとも30μmである
    ことを特徴とする磁気シールド積層体。
  2. 【請求項2】 基体(13)上にセラミック層(14)と超電導
    体層(11)とが交互に積層され焼成された磁気シールド積
    層体(20)であって、 前記基体(13)及びセラミック層(14)の全厚に対する前記
    超電導体層(11)の全厚の比が0.5〜1.4であって、
    前記セラミック層(14)の一層の厚さが少なくとも30μ
    mであることを特徴とする磁気シールド積層体。
  3. 【請求項3】 超電導体層(11)を構成する酸化物超電導
    組成物の主成分がBi,Pb,Sr,Co,Cu及びO
    であって、不可避不純物としてK及びCを含む請求項1
    又は2記載の磁気シールド積層体。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の2組の磁気シール
    ド積層体(10,20)がその積層面方向に互いに所定の距離
    だけずらして接合され焼成されることにより一体化した
    磁気シールド複合積層体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の複数の磁気シールド複合
    積層体(15,16)がその積層面方向に密接に並べて接着さ
    れた磁気シールド材。
JP6232727A 1994-09-28 1994-09-28 磁気シールド積層体及びこれを用いた磁気シールド材 Withdrawn JPH0897589A (ja)

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