JPH0895094A - ゲート型光スイッチ - Google Patents

ゲート型光スイッチ

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JPH0895094A
JPH0895094A JP23358094A JP23358094A JPH0895094A JP H0895094 A JPH0895094 A JP H0895094A JP 23358094 A JP23358094 A JP 23358094A JP 23358094 A JP23358094 A JP 23358094A JP H0895094 A JPH0895094 A JP H0895094A
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JP
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layer
active layer
well
optical switch
gate type
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JP23358094A
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Inventor
Tatsuya Takeshita
達也 竹下
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低偏波依存、高性能、モノリシック集積化可
能な光スイッチを実現する。 【構成】 半導体基板上に形成されたpn接合を有する
ゲート型光スイッチにおいて、活性層30を第1の活性
層30Aおよび第2の活性層30Bで構成し、第1の活
性層30Aを格子整合井戸層31と引張り歪障壁層32
とから構成される量子井戸とし、第2の活性層30Bを
格子整合井戸層33と引張り歪障壁層34とからなる量
子井戸とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低偏波依存、高性能、モ
ノリシック集積化可能なゲート型光スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】ゲート型光スイッチはオン(ON)状態
で大きな利得が得られ、オフ(OFF)状態では高いア
イソレーション特性を持つ。ON状態の利得はファイバ
・チップ間の結合損失および導波路損失を補償し、ま
た、OFF状態での高いアイソレーションは他の導波路
の信号光との干渉を防ぎ、符号誤り率の劣化を小さくす
る。また、ゲート型光スイッチは、広帯域利得、低雑音
特性および高スイッチング速度特性を持つため、将来の
光通信、光情報処理に有望な素子である。
【0003】図3はゲート型光スイッチの構成図であ
る。ゲート型光スイッチ100の両端面には、反射防止
膜101を介して入力および出力用の光ファイバ102
が接続されている。
【0004】ところで、長距離にわたり単一モードファ
イバを通過した信号光においては、偏波面が保持されな
いばかりでなく、温度よび圧力の変化により、時間とと
もに偏波面が変化する。このような信号光のスイッチン
グを行うには、偏波に依存しない光スイッチを使用する
ことが必要不可欠である。
【0005】しかしながら、上述したゲート型光スイッ
チ100は、その活性層構造および活性層の結晶物性に
より、利得は偏波面依存性を持つ。かかる信号利得G
(dB)は進行波型半導体レーザ増幅器と同様に次式で
表される。
【0006】
【数1】 G=10・L{Γg−α}・log(e) (1) ただし、Γは光閉じ込め係数、gは利得係数(c
-1)、αは導波路損失(cm-1)、Lはキャビティ長
(cm)である。
【0007】信号利得の偏波面依存性をなくするための
ゲート型光スイッチの構造の1つとしては、格子整合井
戸層および引張り歪障壁層からなる量子井戸を活性層と
する構造がある。
【0008】図4および図5はバルク半導体を活性層と
する従来の偏波無依存ゲート型光スイッチの一例を示
し、図4(a)は断面構造図、図4(b)は活性層構造
図、図5はバンド構造図である。
【0009】図4(a)に示すように、n−InP基板
1上には、光ガイド層(厚さ1.1μm、組成n−In
GaAsP)2、活性層3、光ガイド層(厚さ1.1μ
m、組成n−InGaAsP)4、上部クラッド層(p
−InP)5および6、およびキャップ層(p+ −In
GaAs)7が順次積層されている。また、光ガイド層
2、活性層3、光ガイド層4およびクラッド層5の両側
には電流阻止層(厚さ1.1μm、組成p−InGaA
sP)8および電流阻止層(厚さ1.1μm、組成n−
InGaAsP)9が設けられている。さらに、キャッ
プ層7上にはSiO2 絶縁膜層10およびAu電極12
が、また、n−InP基板1の下面にはAu電極11が
設けられている。
【0010】図4(b)に示すように、活性層3は格子
整合井戸層(1.3μm組成、InGaAs層)21、
および引張り歪障壁層22が交互に積層された構造であ
る。かかる構造では、バンド構造図(図5)に示すよう
に、格子整合井戸層21のバレンスバンドのヘビーホー
ルはライトホールに比べ低い準位にある。引張り歪障壁
層22のヘビーホールは格子整合井戸層21のヘビーホ
ールに比べ、大きなギャップを持つため、格子整合井戸
層21でTEモードの利得を持つ。一方、引張り歪障壁
層22では、バレンスバンドのライトホール準位は低下
し、井戸層21のバンド端より若干低くなる。この結
果、引張り歪障壁層22と格子整合井戸層21ではライ
トホールによるTMモードの利得を持つ。なお、引張り
歪障壁層22のコンダクションバンドには、格子整合井
戸層21の電子の準位がしみでていると考えられ、この
準位から電子と引張り歪障壁層22のライトホールによ
って利得ができていると考えられる。この構造を使うこ
とによって、TMとTEとの利得が一致し、偏波無依存
化は達成できる。
【0011】一方、上述したように、活性層3は引張り
歪障壁層22と格子整合井戸層21とを交互に組み合わ
す必要があるため、構造上の制約がある。したがって、
障壁層および井戸層の層数を独立に変えることができな
いために、偏波無依存化のための設計自由度が小さい。
すなわち、偏波無依存化のためには、障壁層の歪量と井
戸層の幅の2つのパラメータによって、TMとTEとの
利得ピークを合わすとともに、TMとTEとの利得係数
の大きさを等しくする必要があることを意味する。
【0012】偏波無依存の第2のゲート型光スイッチ構
造は、バルク半導体を活性層とする構造である。すなわ
ち、上述した構造(図4(a))の光スイッチ構造にお
いて、活性層3をバルク半導体としたものである。図6
はこのようにバルク半導体を活性層とするゲート型光ス
イッチのバンド構造図であり、1はn−InP基板、2
は光ガイド層(厚さ1.1μm、組成n−InGaAs
P)、23はバルク半導体活性層(厚さ1.3μm、組
成InGaAs層)、4は光ガイド層(厚さ1.1μ
m、組成n−InGaAsP)、5は上部クラッド層
(p−InP)である。
【0013】バルク半導体の場合では、バレンスバンド
のヘビーホールとライトホールとは縮退しているため、
利得係数gの偏波面依存性はない。従って、偏波無依存
化するためにはバルク半導体では各偏波に対する活性層
3の光閉じ込め係数Γを等しくする、すなわち光ガイド
層2および4を含むバルク半導体を正方形状とする必要
がある。さらに、ゲート型光スイッチを単一モード光フ
ァイバに高効率で結合させるためには、ゲート型光スイ
ッチの導波路構造を基本モードのみが伝搬する構造にす
る必要がある。紙面垂直方向に基本モードで伝搬させる
ためには、活性層3の厚さを0.4μm以下とする必要
がある。従って、活性層断面に、縦方向および横方向の
光閉じ込め係数を等価にするためには、活性層3の幅を
0.4μm程度とする必要がある。現在までに、活性層
幅を0.4μm、活性層厚を0.26μmとして、偏波
利得差を1.3dBとした例が報告されている(I.C
ha et al.,Electoron.Let
t.,25,pp.1241−1242,1989)。
【0014】しかしながら、幅1〜2μm以下の半導体
レーザでは、経験的に作製中におけるダメージ等によ
り、閾値電流が増加する傾向があり、光ゲートスイッチ
として、十分な信号利得が得られない。また、活性層厚
を0.3μmとした場合、通常用いられている活性層厚
が0.1〜0.15μmに比べて膜厚が厚くなるため
に、半導体レーザの閾値電流が増加する。したがって、
ゲート型光スイッチとして使用する場合、駆動電流が増
加して発熱し易い点で不利である。
【0015】偏波無依存の第3のゲート型光スイッチ構
造は、圧縮歪量子井戸および引張り歪量子井戸を用いた
構造である。すなわち、例えば上述した構成(図4
(a))の光スイッチにおいて、活性層3を、圧縮歪井
戸層、引張り歪井戸層、および格子整合障壁層で構成
し、圧縮歪井戸層および引張り歪井戸層を、各間に格子
整合障壁層を介して交互に積層した構造とした場合であ
る。図7は、かかるゲート型光スイッチのバンド構造図
であり、1はn−InP基板、2は光ガイド層(厚さ
1.1μm、組成n−InGaAsP)、24は圧縮歪
井戸層、25は引張り歪井戸層、26は格子整合障壁層
(厚さ1.1μm、組成InGaAs)、4は光ガイド
層(厚さ1.1μm、組成n−InGaAsP)、5は
上部クラッド層(p−InP)である。
【0016】図7に示すように、引張り歪井戸層25で
は、バレンスバンドのヘビーホールとライトホールの縮
退が解け、さらに、ライトホールの準位は低エネルギー
側にシフトし、TMの利得係数gが高くなる。一方、圧
縮歪井戸層24ではバレンスバンドのヘビーホールとラ
イトホールの縮退が解け、さらに、ヘビーホールの準位
は低エネルギー側にシフトし、TEの利得係数gが高く
なる。なお、活性層幅が2μmの導波路構造を反映し、
光閉じ込め係数ΓはTEが高くなっている。上記の量子
井戸構造では利得係数gを調整することによって信号利
得Gを一致させる設計が行われている。一方、1.55
μm帯で高いTMモード利得を得ることは困難である。
これは格子定数より小さな材料で作製された引張り歪量
子井戸層のバンドギャップが0.8eV(波長1.55
μmに相当)で制限されるため、歪を大きくとれないば
かりでなく、量子効果によって準位が増加するため、
1.55μm帯で高利得を得るのは困難である。したが
って、0.05μmだけ短波によった1.5μm帯の引
張り歪量子井戸層として使われている。
【0017】なお、高いTE利得を得るには圧縮歪量子
井戸、格子整合量子井戸、またはバルク活性層のいずれ
かを用い、これらの層の積層化または縦続接続を行うこ
とによって、偏波無依存化が達成されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように量
子井戸の障壁層に引張り歪障壁層を用いた偏波無依存ゲ
ート型光スイッチでは、次のような欠点がある。
【0019】1)障壁層と井戸層の層数を独立に変える
ことができないために、偏波無依存化のための設計自由
度が小さい。
【0020】また、バルク活性層を用いた偏波無依存ゲ
ート型光スイッチでは、次のような欠点がある。
【0021】1)水平および垂直方向の光閉じ込め係数
を等しくするために活性層の構造を等方にする必要があ
る。
【0022】2)幅1〜2μm以下の活性層では、作製
プロセスの関係上、十分な信号利得が得られない。
【0023】さらに、 3)活性層厚の増加により駆動電流が増加する。
【0024】また、圧縮歪井戸層および引張り歪井戸層
を用いた偏波無依存ゲート型光スイッチでは、次のよう
な欠点がある。
【0025】1)1.55μm帯で高いTMモード利得
を持つ引張り歪井戸層は材料の性質の観点から難しいた
め、偏波無依存ゲート型光スイッチの実現が困難であ
る。
【0026】本発明の目的は、このような事情に鑑み、
低偏波依存、高性能、モノリシック集積化可能な光スイ
ッチを実現することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の第1の態様は、半導体基板上に形成されたpn接合
を有するゲート型光スイッチにおいて、第1の活性層と
第2の活性層とが積層された活性層を有し、前記第1の
活性層が、バルク結晶、格子整合井戸層と障壁層とから
構成される量子井戸、または圧縮歪井戸層と格子整合障
壁層とから構成される量子井戸からなり、前記第2の活
性層が、格子整合井戸層と引張り歪障壁層とから構成さ
れる量子井戸からなることを特徴とするゲート型光スイ
ッチにある。
【0028】また、本発明の第2の態様は、半導体基板
上に形成されたpn接合を有するゲート型光スイッチに
おいて、第1の活性層と第2の活性層とが光の導波方向
に亘って縦続接続された活性層を有し、前記第1の活性
層が、バルク結晶、格子整合井戸層と障壁層とから構成
される量子井戸、または圧縮歪井戸層と格子整合障壁層
とから構成される量子井戸からなり、前記第2の活性層
が、格子整合井戸層と引張り歪障壁層とから構成される
量子井戸からなることを特徴とするゲート型光スイッチ
にある。
【0029】
【作用】本発明は、ゲート型光スイッチの活性層を、第
1の活性層および第2の活性層を積層あるいは縦続接続
したものとし、第1の活性層としてバルク結晶、格子整
合量子井戸、または圧縮歪井戸層を有する量子井戸の何
れかを用い、また、第2の活性層として引張り歪障壁層
を導入した量子井戸を用いることを最も主要な特徴とす
る。
【0030】かかる構成をとることにより、第1の活性
層はTE利得の高い活性層となる。バルク結晶活性層
は、水平および垂直方向の光閉じ込め係数の違いを反映
して、TEモードの信号利得が高くなる。格子整合量子
井戸、または圧縮歪井戸層をもつ量子井戸は、バレンス
バンドの縮退がとけ、ヘビーホールの遷移確率が高くな
りTEモードの信号利得が高くなる。一方、第2の活性
層はTM利得の高い活性層となる。引張り歪障壁層を持
つ量子井戸においては、引張り歪のかかった障壁層でバ
レンスバンドのライトホール準位を低下させ、井戸層の
バンド端より若干低くなるようにすることができ、障壁
層と井戸層とでライトホールによるTMモードの高い利
得を実現できる。このような第1および第2の量子井戸
層数を調整し、TMモードの信号利得とTEモードの信
号利得を等価にすることができ、低偏波依存、高性能な
ゲート型光スイッチを実現できる。
【0031】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0032】実施例1 図1は本発明の第1の実施例に係る偏波無依存ゲート型
光スイッチを示した図であり、このスイッチは、格子整
合井戸層と障壁層とからなる量子井戸、および格子整合
井戸層と引張り歪障壁層とからなる量子井戸を積層した
活性層を有する。図1(a)は本実施例の偏波無依存ゲ
ート型光スイッチの断面構造図、図1(b)は活性層構
造図である。
【0033】図1(a)に示すように、n−InP基板
1上には、光ガイド層(厚さ1.1μm、組成n−In
GaAsP)2、活性層30、光ガイド層(厚さ1.1
μm、組成n−InGaAsP)、上部クラッド層(p
−InP)5および6、およびキャップ層(p+ −In
GaAs)7が順次積層されている。また、光ガイド層
2、活性層30、光ガイド層4およびクラッド層5の両
側には電流阻止層(厚さ1.1μm、組成p−InGa
AsP)8および電流阻止層(厚さ1.1μm、組成n
−InGaAsP)9が設けられている。さらに、キャ
ップ層7上にはSiO2 絶縁膜層10およびAu電極1
2が、また、n−InP基板1の下面にはAu電極11
が設けられている。
【0034】図1(b)に示すように、活性層30は、
第1の活性層30Aおよび第2の活性層30Bを積層し
た構造を有し、第1の活性層30Aは、格子整合井戸層
(厚さ1.3μm,組成InGaAs層)31と格子整
合障壁層(厚さ1.1μm、組成InGaAs)32と
を交互に積層したものであり、第2の活性層30Bは格
子整合井戸層(厚さ1.3μm、組成InGaAs層)
33と引張り歪障壁層34とを交互に積層したものであ
る。なお、活性層30の幅は2μmである。
【0035】本実施例のゲート型光スイッチでは、第1
の活性層30Aの格子整合井戸層31は、量子井戸構造
を反映して、バレンスバンドのライトホールとヘビーホ
ールとの縮退がとけて、ヘビーホールの準位が低下し、
ヘビーホールの遷移確率が高くなりTEモードの信号利
得が高くなる。一方、第2の活性層30Bの引張り歪障
壁層34を有する量子井戸では、引張り歪障壁層34で
バレンスバンドのライトホール準位が低下し、井戸層3
3のバンド端より若干低くなり、引張り歪障壁層34と
格子整合井戸層33とでライトホールによるTMモード
の高い利得を実現できる。第1の活性層30Aおよび第
2の活性層30Bを積層した活性層30で、TMモード
の信号利得とTEモードの信号利得とを等価にすること
ができ、低偏波依存、高性能なゲート型光スイッチを実
現できる。
【0036】かかる構成のゲート型光スイッチに信号光
を入射したところ、TEモードおよびTMモードの偏波
利得差が1dB以下となり、低偏波依存の光ゲート型ス
イッチが実現できた。また、第1の活性層30Aとして
格子整合井戸層31を有する量子井戸を説明したが、こ
の代わりに圧縮歪井戸層を用いてもTEモードの利得を
持つことができ、また、バルク半導体結晶を用いても同
様の効果を得ることができる。これは、圧縮歪井戸層で
は、バレンスバンドのライトホールとヘビーホールとの
縮退がとけ、さらに、圧縮歪により、ヘビーホールの準
位が低下し、ヘビーホールの遷移確率が高くなりTEモ
ードの信号利得が高くなるためである。一方、バルク半
導体活性層では、活性層面に水平方向の光閉じ込め係数
が垂直方向のそれに比べて高くなり、TEモードの信号
利得が高くなるためである。勿論、第1の活性層と第2
の活性層とを反対に積層しても同様の効果が得られるこ
とは言うまでもない。
【0037】実施例2 図2は本発明の第2の実施例に係るゲート型光スイッチ
を示した斜視図であり、本実施例の光スイッチは、圧縮
歪井戸層と障壁層とからなる量子井戸の第1活性層と、
格子整合井戸層と引張り歪障壁層とからなる量子井戸の
第2活性層とを、光導波方向に亘って縦続接続した構造
の活性層を具備する。
【0038】図2(a)は本実施例の偏波無依存ゲート
型光スイッチの斜視図、図2(b)はその第1の活性層
構造図、図2(c)はその第2の活性層構造図である。
図2(a)に示す斜視図の構造は、基本的な層構成は図
1(a)と同様であるので、同一作用をする部材には同
一符号を付して重複する説明は省略する。
【0039】図2(b)に示すように、活性層40は、
光導波方向の前部を構成する第1の活性層40Aと、後
部を構成する第2の活性層40Bとからなる。第1の活
性層40Aは、格子整合井戸層(厚さ1.3μm、組成
InGaAs層)41と引張り歪障壁層42とからな
り、第2の活性層40Bは、圧縮歪井戸層43と格子整
合障壁層(厚さ1.1μm、組成InGaAs)44と
からなる。なお、活性層40の幅は2μmである。
【0040】本実施例のゲート型光スイッチでは、後部
活性層である第2の活性層40Bでは、圧縮歪井戸層4
3の量子井戸構造を反映して、バレンスバンドのライト
ホールとヘビーホールとの縮退がとけ、さらに、圧縮歪
により、ヘビーホールの準位が低下し、ヘビーホールの
遷移確率が高くなりTEモードの信号利得が高くなる。
一方、前部活性層である第1の活性層40Aでは、引張
り歪によって障壁層42のバレンスバンドのライトホー
ル準位が低下し、井戸層41のバンド端より若干低くな
り、引張り歪障壁層42と格子整合井戸層41とでライ
トホールによるTMモードの高い利得を実現できる。か
かる第1の活性層40Aおよび第2の活性層40Bを縦
続接続したゲート型光スイッチに電流を注入し、調整す
ることによって、また、前部および後部の素子長を調整
することによって、TMモードの信号利得とTEモード
の信号利得とを等価にすることができ、低偏波依存、高
性能なゲート型光スイッチを実現できる。
【0041】かかる構成のゲート型光スイッチに信号光
を入射したところ、TEモードおよびTMモードの偏波
利得差が1dB以下となり、低偏波依存の光ゲート型ス
イッチが実現できた。
【0042】また、上記実施例では、後部活性層である
第2の活性層40Bとして圧縮歪井戸層43と障壁層4
4とからなる量子井戸を用いて説明したが、この代わり
にTEモードの利得の高い格子整合井戸層と障壁層とか
らなる量子井戸、または、バルク半導体結晶を用いて
も、さらに、前部活性層と後部活性層とを入れ替えて
も、同様な低偏波依存、高性能なゲート型光スイッチを
実現できることは言うまでもない。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、ゲート型光スイッ
チの活性層を第1の活性層と第2の活性層とを積層した
構造とし、第1の活性層を、バルク結晶、格子整合井戸
層と障壁層とを有する量子井戸、または圧縮歪井戸層と
格子整合障壁層とを有する量子井戸の何れかとし、第2
の活性層を、引張り歪障壁層と格子整合井戸層とからな
る量子井戸としたことにより、以下のような利点があ
る。
【0044】(1)バルク活性層の光閉じ込め係数差に
よって生じる信号利得差を引張り歪量子井戸の導入によ
り補償できる。
【0045】(2)活性層構造を等方にする必要がな
い。半導体レーザの閾値電流の最も低くなる活性層幅1
〜2μmとし、半導体レーザ増幅器が使用できるため、
動作電流が減少し、デバイスの発熱を低減できる。
【0046】(3)他のパッシブ素子およびアクティブ
素子とのモノリシック集積化が可能である。
【0047】また、ゲート型光スイッチの活性層を第1
の活性層と第2の活性層とを縦続接続した構造とし、第
1の活性層を格子整合井戸層と引張り歪障壁層とからな
る量子井戸とし、第2の活性層を、1)圧縮歪井戸層と
格子整合障壁層とからなる量子井戸、2)格子整合井戸
層と障壁層とからなる量子井戸、または3)バルク結晶
の何れかとしたことにより、以下のような利点がある。
【0048】(1)第1の活性層と第2の活性層とを縦
続接続したゲート型光スイッチに電流を注入し、調整す
ることによって、TMモードの信号利得とTEモードの
信号利得とを等価にすることができる。
【0049】(2)第1および第2の素子長を調整する
ことによって、TMモードの信号利得とTEモードの信
号利得とを等価にすることができる。
【0050】(3)活性層構造を等方にする必要がな
い。半導体レーザの閾値電流の最も低くなる活性層幅1
〜2μmとし、半導体レーザ増幅器が使用できるため、
動作電流が減少し、デバイスの発熱を低減できる。
【0051】(4)他のパッシブ素子およびアクティブ
素子とのモノリシック集積化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の偏波無依存ゲート型光ス
イッチに係り、(a)は断面構造図、(b)活性層構造
図である。
【図2】本発明の第2実施例の偏波無依存ゲート型光ス
イッチに係り、(a)は斜視図、(b)第1の活性層の
構造図、(c)は第2の活性層の構造図である。
【図3】ゲート型光スイッチの構造を示す模式図であ
る。
【図4】格子整合井戸層および引張り歪井戸層の量子井
戸を活性層とする従来の偏波無依存ゲート型光スイッチ
に係り、(a)は断面構造図、(b)は活性層構造図で
ある。
【図5】図4のゲート型光スイッチのバンド構造図であ
る。
【図6】バルク半導体を活性層とする従来の偏波無依存
ゲート型光スイッチのバンド構造図である。
【図7】圧縮歪井戸層および引張り歪井戸層を有する量
子井戸を活性層とする従来の偏波無依存ゲート型光スイ
ッチのバンド構造図である。
【符号の説明】
1 n−InP基板 2 光ガイド層(厚さ1.1μm、組成n−InGaA
sP) 30,40 活性層 30A,40A 第1の活性層 30B,40B 第2の活性層 4 光ガイド層(厚さ1.1μm、組成n−InGaA
sP) 5,6 上部クラッド層(p−InP) 7 キャップ層(p+ −InGaAs) 8 電流阻止層(厚さ1.1μm、組成p−InGaA
sP) 9 電流阻止層(厚さ1.1μm、組成n−InGaA
sP) 10 SiO2 絶縁膜層 11,12 Au電極 31 格子整合井戸層(厚さ1.3μm、組成InGa
As層) 32 格子整合障壁層(厚さ1.1μm、組成InGa
As) 33 格子整合井戸層(厚さ1.3μm、組成InGa
As層) 34 引張り歪障壁層 41 格子整合井戸層(厚さ1.3μm、組成InGa
As層) 42 引張り歪障壁層 43 圧縮歪井戸層 44 格子整合障壁層(厚さ1.1μm、組成InGa
As)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に形成されたpn接合を有
    するゲート型光スイッチにおいて、第1の活性層と第2
    の活性層とが積層された活性層を有し、前記第1の活性
    層が、バルク結晶、格子整合井戸層と障壁層とから構成
    される量子井戸、または圧縮歪井戸層と格子整合障壁層
    とから構成される量子井戸からなり、前記第2の活性層
    が、格子整合井戸層と引張り歪障壁層とから構成される
    量子井戸からなることを特徴とするゲート型光スイッ
    チ。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に形成されたpn接合を有
    するゲート型光スイッチにおいて、第1の活性層と第2
    の活性層とが光の導波方向に亘って縦続接続された活性
    層を有し、前記第1の活性層が、バルク結晶、格子整合
    井戸層と障壁層とから構成される量子井戸、または圧縮
    歪井戸層と格子整合障壁層とから構成される量子井戸か
    らなり、前記第2の活性層が、格子整合井戸層と引張り
    歪障壁層とから構成される量子井戸からなることを特徴
    とするゲート型光スイッチ。
JP23358094A 1994-09-28 1994-09-28 ゲート型光スイッチ Pending JPH0895094A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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