JP3178570B2 - 偏波応用光機能素子 - Google Patents

偏波応用光機能素子

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JP3178570B2
JP3178570B2 JP08692694A JP8692694A JP3178570B2 JP 3178570 B2 JP3178570 B2 JP 3178570B2 JP 08692694 A JP08692694 A JP 08692694A JP 8692694 A JP8692694 A JP 8692694A JP 3178570 B2 JP3178570 B2 JP 3178570B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力信号光により出力
光の偏波面を切り替えることによって、信号光の全光論
理演算を行うことができる偏波応用光機能素子に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】全光論理演算素子は、将来実現が期待さ
れる全光システムにおいて、光信号の制御のために必要
不可欠なものである。
【0003】図16に従来の全光論理素子の一例を示
す。この素子は、n−InP基板2、n−InP層3、
活性層5、p−InP層7およびキャップ層8が順次積
層され、基板側にn側電極1が形成されてなる半導体レ
ーザの上面に、二つのp側電極11,12を取り付けた
もので、それぞれに注入する電流を調整することで、図
17,18,19にそれぞれ示したような光入出力特性
を得ることができる。図17の点Aの位置に系を保持
し、これに光入力パルス91を加えると、光出力は点B
となり、これが保持される。すなわち、図20に示すよ
うにメモリ動作が可能である。図18の点Aの位置に系
を保持し、これに二つの光入力92,93を加えると、
光出力は図21に示すようになる。すなわちAND動作
である。図19の点Aの位置に系を保持し、これに二つ
の光入力94,95を加えると、光信号は図22のよう
になる。すなわち、OR動作である。
【0004】上記のように、この全光論理素子は、注入
する電流を調整するメモリ、AND、ORといった論理
動作が可能である。
【0005】しかしながら、この全光論理素子は、光出
力のオン/オフの動作速度が、注入電流が光に変換され
る際の半導体レーザのキャリア寿命に律速されてしま
う、また、メモリ動作のリセットを光信号で行うことが
できず、電気パルスで行わなければならない、といった
欠点を有していた。また、NOT、NAND、NORと
いった負論理の実現が不可能であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の全光論
理素子には、次のような問題がある。
【0007】図16に示す全光論理素子は、出力光のオ
ン/オフの動作速度がデバイス内部のキャリア寿命に律
速されてしまうこと、また、メモリのリセットを光信号
で行うことができず、電気パルスで行わなければならな
いこと、といった欠点を有していた。また、NOT、N
AND、NORといった負論理の実現が不可能であっ
た。
【0008】本発明は、このような事情に鑑み、全光論
理演算を行う際、動作速度がキャリア寿命に律速されな
いTE(transverse electric)モ
ードとTM(transverse magneti
c)モード間のモード競合を利用し、メモリのリセット
も光信号で行うことができ、かつ負論理を容易に得るこ
とができる偏波応用光機能素子を提供することを課題と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の第1の発明は、半導体基板上に、少なくと
もTE方向の偏波光Xを増幅する機能を持つ活性層Aと
該活性層Aに電流を注入する電極Cとを有するTE増幅
領域と、少なくとも前記偏波光Xに対して波長選択性を
持たせるためのグレーティングを有するTE波長選択領
域と、少なくとも前記偏波光Xに直交するTM偏波光Y
を増幅する機能を持つ活性層Bと該活性層Bに電流を注
入する電極Dとを有するTM増幅領域とが形成されてな
る偏波応用光機能素子であって、前記TE増幅領域と前
記TM増幅領域とが光の進行方向に対して直列に並んで
いることを特徴とする。
【0010】本発明の第2の発明は、半導体基板上に、
少なくともTE方向の偏波光Xを増幅する機能を持つ活
性層Aと該活性層Aに電流を注入する電極Cとを有する
TE増幅領域と、少なくとも前記偏波光Xに対して波長
選択性を持たせるためのグレーティングを有するTE波
長選択領域と、少なくとも前記偏波光Xに直交するTM
偏波光Yを増幅する機能を持つ活性層Bと該活性層Bに
電流を注入する電極Dとを有するTM増幅領域と、少な
くとも前記TM偏波光Yに対して波長選択性を持たせる
ためのグレーティングを有するTM波長選択領域とが形
成されてなる偏波応用光機能素子であって、前記TE増
幅領域と前記TM増幅領域が光の進行方向に対して直列
に並んでいることを特徴とする。
【0011】本発明の第3の発明は、前記第1または第
2の発明において、活性層BまたはAの少なくとも一方
が圧縮歪み多重量子井戸構造をとることを特徴とする。
【0012】本発明の第4の発明は、前記第1ないし第
3の発明のいずれかにおいて、活性層AまたはBの少な
くとも一方が伸張歪み多重量子井戸構造をとることを特
徴とする。
【0013】本発明の第5の発明は、前記第1ないし第
4の発明のいずれかにおいて、活性層Aと活性層Bが突
き合わされて、バットジョイント構造をとることを特徴
とする。
【0014】本発明の第6の発明は、第1ないし第4の
発明のいずれかにおいて、活性層Aまたは活性層Bのど
ちらか一方が他方の上に乗り上げていることを特徴とす
る。
【0015】本発明の第7の発明は、第1ないし第4の
発明のいずれかにおいて、活性層Aと活性層Bが共通導
波路の上に装荷されていることを特徴とする。
【0016】
【作用】前記構成の本発明の偏波応用光論理素子は、T
E光とTM光の両方でレーザ発振することができる。ま
た、TE光あるいはTM光のどちらか一方が発振を始め
ると、他方が抑制されるモード競合を起こす。そこで、
外部からTE光またはTM光を入射することで、偏波応
用光論理素子の発振光の偏波をコントロールして、これ
を利用して、メモリ、AND、ORといった全光論理演
算を行うことができ、また、メモリ動作のリセットも光
信号を用いて行うことができる。また、NOT、NAN
D、NOTといった負論理の全光論理演算を行うことが
できる。さらに、TE偏波とTM偏波との間のモード競
合は、キャリア寿命に律速されないので、例えば、10
GHzを越えるような超高速な論理演算が可能になる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0018】(実施例1)図1は、本発明の第1の実施
例に係る偏波応用光機能素子の模式的な断面図である。
同図において、1001はn側電極、1002はn−I
nP基板、1003はn−InP層、1004は波長を
選択するためのグレーティング、1005はTE光を増
幅する機能を持つ活性層、1006はTM光を増幅する
機能を持つ活性層、1007はp−InP層、1008
はキャップ層、1009はグレーティング1004に電
流注入するための電極、1010はTE用活性層100
5に電流注入するための電極、1011はTM用活性層
1006に電流注入するための電極であり、1012は
波長調整領域のコアである。
【0019】一般に、TE光とTM光とは、お互いに競
合し合うので、TE波が出力されると、TM波が抑えら
れ、逆にTM波が出力されると、TE波が抑制される特
徴を持つ。この偏波間のモード競合は、光強度一定のま
まで行われるので、注入電流が光出力に変換される必要
がなく、デバイス内部のキャリア寿命に動作速度が律速
されることがない。
【0020】図1において、TE光は活性層1005で
増幅され、TM光は活性層1006で増幅される。さら
に、TE光の波長をグレーティング1004を用いて調
整することができる。これらの増幅されるゲインや波長
を注入電流によって制御し、例えばTE光とTM光の間
の波長間隔10nm、TE光とTM光のゲイン差0.6
dB(TE<TM)にすることで、図2に示すような特
性を得ることができる。さらに、波長間隔3nm、ゲイ
ン差1.0dBにすることで図4の特性を得て、波長間
隔3nm、ゲイン差0.1dBで図6の特性を得る。
【0021】図2の点Aの位置に系を保持し、これにT
E光入力パルス1021を加えると、TE光の出力は点
Bとなり、これが保持される。すなわち、メモリ動作が
可能である。TE波とTM波とは互いに競合し合うた
め、図3に示すように、リセットにはTM波を用いれば
良い。
【0022】図4の点Aの位置に系を保持し、これに二
つのTE光入力1022および1023を加えると、T
E光出力は図5に示すようになる。すなわち、AND動
作である。この時、TM光出力はNANDとなる。
【0023】図6の点Aの位置に系を保持し、これに二
つのTE光入力1024および1025を加えると、T
E光出力は図7のようになる。すなわち、OR動作であ
る。TM光出力はNOR動作(単一入力の時にはNOT
動作)となる。
【0024】上述のように、本発明の偏波応用光機能素
子を用いることで、高速な全光演算を行うことができ
る。
【0025】(実施例2)図8は本発明の第2の実施例
に係る偏波応用光機能素子の模式的な断面図である。同
図において、2001はn側電極、2002はn−In
P基板、2003はn−InP層、2004はTE光の
波長を選択するためのグレーティング、2014はTM
光の波長を選択するためのグレーティング、2005は
TE光を増幅する機能を持つ活性層、2006はTM光
を増幅する機能を持つ活性層、2007はp−InP
層、2008はキャップ層、2009および2019は
それぞれグレーティング2004および2014に電流
を注入するための電極、2010はTE用活性層200
5に電流注入するための電極、2011はTM用活性層
2006に電流注入するための電極であり、2012は
グレーティング2004および2014上のコアであ
る。
【0026】前記したように、一般に、TE光とTM光
とは、お互いに競合し合うので、TE波が出力される
と、TM波が抑えられ、逆にTM波が出力されると、T
E波が抑制される特徴を持つ。この偏波間のモード競合
は、光強度一定のままで行われるので、注入電流が光出
力に変換される必要がなく、デバイス内部のキャリア寿
命に動作速度が律速されることがない。
【0027】図8において、TE光は活性層2005で
増幅され、TM光は活性層2006で増幅される。さら
に、TE光の波長をグレーティング2004を用いて調
整し、TM光の波長をグレーティング2014を用いて
調整することができる。これらの増幅されるゲインや波
長を注入電流によって制御し、例えば、TE光とTM光
の間の波長間隔を10nmに、TE光とTM光のゲイン
差を0.6dB(TE<TM)にすることで、図2に示
すような特性を得ることができる。さらに、波長間隔を
3nm、ゲイン差を1.0dBにすることで図4に示す
ような特性を得て、波長間隔を3nm、ゲイン差を0.
1dBで図6に示すような特性を得る。
【0028】図2の点Aの位置に系を保持し、これにT
E光入力パルス1021を加えると、TE光の出力は点
Bとなり、これが保持される。すなわち、メモリ動作が
可能である。TE波とTM波とは互いに競合し合うた
め、図3に示すようにリセットにはTM波を用いれば良
い。
【0029】図4の点Aの位置に系を保持し、これに二
つのTE光入力1022および1023を加えると、T
E光出力は図5のようになる。すなわち、AND動作で
ある。この時、TM光出力はNANDとなる。
【0030】図6の点Aの位置に系を保持し、これに二
つのTE光入力1024および1025を加えると、T
E光出力は図7のようになる。すなわち、OR動作であ
る。TM光出力はNOR動作となる(単一入力の時には
NOT動作)。
【0031】上述したように、本発明を用いることで、
高速な全光演算を行うことができる。
【0032】(実施例3,4)図9ないし図12は、本
発明の第3および第4の実施例を説明する図である。図
9ないし11に示すように、基板に比べて格子定数の小
さい材料を使うと、伸張歪み(図9)、基板に比べて格
子定数の大きい材料を使うと、圧縮歪み(図11)とな
る。なお、図中に示したεは歪み量を表すもので、基板
の格子定数をasub で表し、歪み材料の格子定数をa
strainで表すと、以下に示す式により求められる量であ
る。
【0033】
【数1】ε=(astrain−asub )/asub 図12に示すように、伸張歪み系(ε<0)では、面内
方向K および膜厚方向Kz ともに、ヘビーホールの
エネルギーEhhがライトホールのエネルギーE1hよりも
上に来るために、格子整合系(ε=0)に比べてよりT
E光で発振しやすくなる。逆に圧縮歪み系(ε>0)で
は、面内方向Kf および膜厚方向Kz ともに、ヘビーホ
ールのエネルギーEhhがライトホールのエネルギーE1h
よりも下に来るために、格子整合系(ε=0)に比べて
よりTM光で発振しやすくなる。
【0034】例えば、ウェルがInx Ga1-x As、バ
リアがInPの多重量子井戸構造においては、x=0.
53の時には格子整合となり、x>0.53では圧縮歪
みとなり、x>0.53では伸張歪みとなる。
【0035】上述したように、図1および図8のTE用
活性層として伸張歪みを用い、TM用活性層として圧縮
歪みを用いることで、高速な全光演算を行うことができ
る。
【0036】(実施例5)図13は、本発明の第5の実
施例に係る偏波応用光機能素子の模式的な断面図であ
る。同図において、5001はn側電極、5002はn
−InP基板、5003はn−InP層、5004はT
E光の波長を選択するためのグレーティング、5014
はTM光の波長を選択するためのグレーティング、50
05はTE光を増幅する機能を持つ活性層、5006は
TM光を増幅する機能を持つ活性層、5007はp−I
nP層、5008はキャップ層、5009および501
9はそれぞれグレーティング5004および5014に
電流注入するための電極であり、5010はTE用活性
層5005に電流注入するための電極、5011はTM
用活性層5006に電流注入するための電極であり、5
012は前記グレーティング5004および5014上
のコアである。
【0037】ここで、TE用活性層5005とTM用活
性層5006は、突き合わされ、いわゆるバットジョイ
ント構造を採っている。
【0038】一般に、TE光とTM光とは、互いに競合
し合うので、TE波が出力されると、TM波が抑えら
れ、逆にTM波が出力されると、TE波が抑制される特
徴を持つ。この偏波間のモード競合は、光強度一定のま
まで行われるので、注入電流が光出力に変換される必要
がなく、デバイス内部のキャリア寿命に動作速度が律速
されることがない。
【0039】図13において、TE光は活性層5005
で増幅され、TM光は活性層5006で増幅される。さ
らに、TE光の波長をグレーティング5004、TM光
の波長をグレーティング5014を用いて調整すること
ができる。これらの増幅されるゲインや波長を注入電流
によって制御し、例えば、TE光とTM光の間の波長間
隔を10nm、TE光とTM光とのゲイン差を0.6d
B(TE<TM)にすることで、図2に示すような特性
を得ることができる。さらに、波長間隔を3nm、ゲイ
ン差を1.0dBにすることで図4に示すような特性を
得て、波長間隔を3nm、ゲイン差を0.1dBにする
ことで図6に示すような特性を得る。
【0040】図2の点Aの位置に系を保持し、これにT
E光入力パルス1021を加えると、TE光の出力は点
Bとなり、これが保持される。すなわち、メモリ動作が
可能である。TE波とTM波とは互いに競合し合うた
め、図3に示すようにリセットにはTM波を用いれば良
い。
【0041】図4の点Aの位置に系を保持し、これに二
つのTE光入力1022および1023を加えると、T
E光出力は図5に示すようになる。すなわち、AND動
作である。この時、TM光出力はNANDとなる。
【0042】図6の点Aの位置に系を保持し、これに二
つのTE光入力1024および1025を加えると、T
E光出力は図7に示すようになる。すなわち、OR動作
である。TM光出力はNOR動作となる(単一入力の時
にはNOT動作)。
【0043】上述したように、本発明に係る偏波応用光
機能素子を用いることで、高速な全光演算を行うことが
できる。
【0044】(実施例6)図14は、本発明の第6の実
施例に係る偏波応用光機能素子の模式的な断面図であ
る。同図において、6001はn側電極、6002はn
−InP基板、6003はn−InP層、6004はT
E光の波長を選択するためのグレーティング、6014
はTM光の波長を選択するためのグレーティング、60
05はTE光を増幅する機能を持つ活性層、6006は
TM光を増幅する機能を持つ活性層、6007はn−I
nP層、6008はキャップ層、6009および601
9はそれぞれグレーティング6004および6014に
電流注入するための電極、6010はTE用活性層60
05に電流注入するための電極、6011はTM用活性
層6006に電流注入するための電極であり、6012
はコアである。
【0045】この素子構造では、TE用活性層6005
がTM用活性層6006の上に乗り上げる形で形成され
ている。なお、逆にTM用活性層6006がTE用活性
層6005の上に乗り上げる形で形成してもよいことは
言うまでもない。
【0046】前記したように、一般に、TE光とTM光
とは互いに競合し合うので、TE波が出力されると、T
M波が抑えられ、逆にTM波が出力されると、TE波が
抑制される特徴を持つ。この偏波間のモード競合は光強
度一定のままで行われるので、注入電流が光出力に変換
される必要がなくデバイス内部のキャリア寿命に動作速
度が律速されることがない。
【0047】図14において、TE光は6005で増幅
され、TM光は6006で増幅される。さらに、TE光
の波長を6004、TM光の波長を6014を用いて調
整することができる。これらの増幅されるゲインや波長
を注入電流によって制御し、例えば、TE光とTM光の
間の波長間隔を10nm、TE光とTM光とのゲイン差
を0.6dB(TE<TM)にすることで、図2に示す
ような特性を得ることができる。さらに、波長間隔を3
nm、ゲイン差を1.0dBにすることで図4に示すよ
うな特性を、波長間隔を3nm、ゲイン差を0.1dB
とすることで図6に示すような特性を得る。
【0048】図2の点Aの位置に系を保持し、これにT
E光入力パルス1021を加えると、TE光の出力は点
Bとなり、これが保持される。すなわち、メモリ動作が
可能である。TE波とTM波は互いに競合し合うため、
図3に示すようにリセットにはTM波を用いれば良い。
【0049】図4の点Aの位置に系を保持し、これに二
つのTE光入力1022および1023を加えると、T
E光出力は図5に示すようになる。すなわち、AND動
作である。この時、TM光出力はNANDとなる。
【0050】図6の点Aの位置に系を保持し、これに二
つのTE光入力1024および1025を加えると、T
E光出力は図7に示すようになる。すなわち、OR動作
である。TM光出力はNOR動作となる(単一入力の時
にはNOT動作)。
【0051】上述したように、本発明の偏波応用光機能
素子を用いることで、高速な全光演算を行うことができ
る。
【0052】(実施例7)図15は、本発明の第7の実
施例に係る偏波応用光機能素子の模式的な断面図であ
る。同図において、7001はn側電極、7002はn
−InP基板、7003はn−InP層、7004はT
E光の波長を選択するためのグレーティング、7014
はTM光の波長を選択するためのグレーティング、70
05はTE光を増幅する機能を持つ活性層、7006は
TM光を増幅する機能を持つ活性層、7007はp−I
nP層、7008はキャップ層、7009および701
9はグレーティング7004および7014に電流注入
するための電極、7010はTE用活性層7005に電
流注入するための電極、7011はTM用活性層700
6に電流注入するための電極、7020は共通導波路
(例えば、動作中心波長を1550nmとして場合に
は、例えば、In0.855 Ga0.145 As0.317
0.683 )である。
【0053】ここで、TE用活性層7005およびTM
用活性層7006は、共通導波路7020に装荷される
形で形成されている。
【0054】前記したように、一般に、TE光とTM光
とは互いに競合し合うので、TE波が出力されると、T
M波が抑えられ、逆にTM波が出力されると、TE波が
抑制される特徴を持つ。この偏波間のモード競合は光強
度一定のままで行われるので、注入電流が光出力に変換
される必要がなく、デバイス内部のキャリア寿命に動作
速度が律速されることがない。
【0055】図15において、TE光は活性層7005
で増幅され、TM光は活性層7006で増幅される。さ
らに、TE光の波長をグレーティング7004を用いて
調整し、TM光の波長をグレーティング7014を用い
て調整することができる。これらの増幅されるゲインや
波長を注入電流によって制御し、例えば、TE光とTM
光の間の波長間隔を10nm、TE光とTM光とのゲイ
ン差を0.6dB(TE<TM)にすることで、図2の
ような特性を得ることができる。さらに、波長間隔を3
nm、ゲイン差を1.0dBにすることで図4に示すよ
うな特性を、波長間隔を3nm、ゲイン差を0.1dB
とすることで図6に示すような特性を得る。
【0056】図2の点Aの位置に系を保持し、これにT
E光入力パルス1021を加えると、TE光の出力は点
Bとなり、これが保持される。すなわち、メモリ動作が
可能である。前記したようにTE波とTM波とは互いに
競合し合うため、図3に示すようにリセットにはTM波
を用いれば良い。
【0057】図4の点Aの位置に系を保持し、これに二
つのTE光入力1022および1023を加えると、T
E光出力は図5に示すようになる。すなわち、AND動
作である。この時、TM光出力はNANDとなる。
【0058】図6の点Aの位置に系を保持し、これに二
つのTE光入力1024および1025を加えると、T
E光出力は図7に示すようになる。すなわち、OR動作
である。TM光出力はNOR動作となる(単一入力の時
にはNOT動作)。
【0059】上述したように、本発明の偏波応用光機能
素子を用いることで、高速な全光演算を行うことができ
る。
【0060】なお、本発明については、n型のInP基
板を例に説明したが、p型の基板や他の半導体基板にお
いても同様な効果を得ることができる。
【0061】また、本発明の実施例で説明した偏波応用
機能素子における活性層の代わりに、活性層をパッシブ
な導波路で挟んだいわゆるLOC構造(文献:S. C
ore, D. M. Cooper, W. J.
Devlin, A. D.Ellis, D. J.
Elton, J. J. Issac, G.Sh
erlock, P. C. Spurdens an
d W. A.Stallard: “Polaris
ation−Insensitive,Near−Tr
avelling−wave Semiconduct
orLaser Amplifier at 1.55
mm”, Electronics Letter
s, 2nd March 1989, vol.2
5, No.5, pp.314−315)を用いても
同様な効果を得ることができる。
【0062】さらに、TE増幅領域、TE波長調整領
域、TM増幅領域、TM波長調整領域の間に、分離溝あ
るいは絶縁領域を設け、TE増幅領域、TE波長調整領
域、TM増幅領域、TM波長調整領域の間で電気的絶縁
を行っても良いことは言うまでもない。
【0063】また、本発明では、基本的な論理演算につ
いてのみ説明を行っているが、実施例で説明した機能を
利用して、光信号のレベル再生、波形再生、タイミング
再生といった機能を持たせることも同様に可能である。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による偏波
応用光論理素子は、外部からTE光またはTM光を入射
することで、偏波応用光論理素子の発振光の偏波をコン
トロールして、これを利用して、メモリ、AND、OR
といった全光論理演算を行うことができ、また、メモリ
動作のリセットも光信号を用いて行うことができる。ま
た、NOT、NAND、NOTといった負論理の全光論
理演算を行うこともできる。さらに、TE偏波とTM偏
波との間のモード競合は、キャリア寿命に律速されない
ので、例えば、10GHzを越えるような超高速な論理
演算が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る偏波応用光論理素
子の断面構成図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る偏波応用光論理素
子においてTE光とTM光の波長間隔とゲイン差を変え
た時の光入出力特性の一例を示すグラフである。
【図3】図2に示したTE光入力があった時の入出力光
の波形図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る偏波応用光論理素
子においてTE光とTM光の波長間隔とゲイン差を変え
た時の光入出力特性の他の一例を示すグラフである。
【図5】図4に示したTE光入力があった時の入出力光
の波形図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る偏波応用光論理素
子においてTE光とTM光の波長間隔とゲイン差を変え
た時の光入出力特性のさらに他の一例を示すグラフであ
る。
【図7】図6に示したTE光入力があった時の入出力光
の波形図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係る偏波応用光論理素
子の断面構成図である。
【図9】本発明の第3の実施例に係る偏波応用光論理素
子の説明図である。
【図10】本発明の第3の実施例に係る偏波応用光論理
素子の説明図である。
【図11】本発明の第3の実施例に係る偏波応用光論理
素子の説明図である。
【図12】本発明の第4の実施例に係る偏波応用光論理
素子を説明するためのもので、素子のバンド構造の説明
図である。
【図13】本発明の第5の実施例に係る偏波応用光論理
素子の断面構造図である。
【図14】本発明の第6の実施例に係る偏波応用光論理
素子の断面構造図である。
【図15】本発明の第7の実施例に係る偏波応用光論理
素子の断面構造図である。
【図16】従来の光論理素子の断面構造図である。
【図17】前記従来の光論理素子において注入電流を調
整して得られる光入出力特性の一例を示すグラフであ
る。
【図18】前記従来の光論理素子において注入電流を調
整して得られる光入出力特性の他の一例を示すグラフで
ある。
【図19】前記従来の光論理素子において注入電流を調
整して得られる光入出力特性のさらに他の一例を示すグ
ラフである。
【図20】図17に示した光入出力特性があった場合の
入出力光の波形図である。
【図21】図18に示した光入出力特性があった場合の
入出力光の波形図である。
【図22】図19に示した光入出力特性があった場合の
入出力光の波形図である。
【符号の説明】
1001,2001,5001,6001,7001
n側電極 1002,2002,5002,6002,7002
n−InP基板 1003,2003,5003,6003,7003
n−InP層 1004,2004,2014,5004,5014,
6004,6014,7004,7014 グレーティ
ング 1005,2005,5005,6005,7005
TE用活性層 1006,2006,5006,6006,7006
TM用活性層 1007,2007,5007,6007,7007
p−InP層 1008,2008,5008,6008,7008
キャップ層 1009,2009,5009,6009,7009
TE波長調整領域用電極 1010,2010,5010,6010,7010
TE増幅領域用電極 1011,2011,5011,6011,7011
TM増幅領域用電極 1012,2012,5012,6012 コア 1021,1022,1023,1024,1025
TE入力 2019,5019,6019,7019 TM波長調
整領域用電極 7020 共通導波路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 G02F 3/00 - 3/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に、 少なくともTE方向の偏波光Xを増幅する機能を持つ活
    性層Aと、該活性層Aに電流を注入する電極Cとを有す
    るTE増幅領域と、 少なくとも前記偏波光Xに直交するTM偏波光Yを増幅
    する機能を持つ活性層Bと、該活性層Bに電流を注入す
    る電極Dとを有するTM増幅領域と、 前記偏波光XまたはYの少なくとも一方に対して波長選
    択性を持たせるためのグレーティングを有する波長選択
    領域とが、形成されてなる偏波応用光機能素子であっ
    て、 前記TE増幅領域と前記TM増幅領域とが光の進行方向
    に対して直列に並んでいることを特徴とする偏波応用光
    機能素子。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に、 少なくともTE方向の偏波光Xを増幅する機能を持つ活
    性層Aと、該活性層Aに電流を注入する電極Cとを有す
    るTE増幅領域と、 少なくとも前記偏波光Xに対して波長選択性を持たせる
    ためのグレーティングを有するTE波長選択領域と、 少なくとも前記偏波光Xに直交するTM偏波光Yを増幅
    する機能を持つ活性層Bと、該活性層Bに電流を注入す
    る電極Dとを有するTM増幅領域と、 少なくとも前記TM偏波光Yに対して波長選択性を持た
    せるためのグレーティングを有するTM波長選択領域と
    が、形成されてなる偏波応用光機能素子であって、 前記TE増幅領域と前記TM増幅領域とが光の進行方向
    に対して直列に並んでいることを特徴とする偏波応用光
    機能素子。
  3. 【請求項3】 前記活性層BまたはAの少なくとも一方
    が圧縮歪み多重量子井戸構造を有することを特徴とする
    請求項1または2に記載の偏波応用光機能素子。
  4. 【請求項4】 前記活性層AまたはBの少なくとも一方
    が伸張歪み多重量子井戸構造を有することを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載の偏波応用光機能素
    子。
  5. 【請求項5】 前記活性層Aと活性層Bが突き合わされ
    て、バットジョイント構造をとっていることを特徴とす
    る請求項1ないし4のいずれかに記載の偏波応用光機能
    素子。
  6. 【請求項6】 前記活性層Aまたは活性層Bのどちらか
    一方が他方の上に乗り上げていることを特徴とする請求
    項1ないし4のいずれかに記載の偏波応用光機能素子。
  7. 【請求項7】 前記活性層Aと活性層Bとが共通導波路
    の上に装荷されていることを特徴とする請求項1ないし
    4のいずれかに記載の偏波応用光機能素子。
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