JP3490258B2 - 半導体光素子及びこの偏波制御方法ならびに光集積回路 - Google Patents

半導体光素子及びこの偏波制御方法ならびに光集積回路

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光通信・光情報
処理用に用いられる半導体光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光の誘導放出現象による光増幅作用を利
用した半導体光増幅素子は、光信号のレベル再生の他
に、光スイッチや波長変換素子などの光機能素子として
の応用も検討されている。また、半導体光増幅素子は、
その他の半導体光機能素子とも集積化が可能であるとい
ったメリットがある。ところで、半導体光増幅素子の大
きな問題点は、その増幅特性の偏波依存性である。TE
偏光とTM偏光のうち、通常ではTE偏光の方がより増
幅される傾向があり、2つの偏光のバランスが大きくず
れていると、受光素子においてそれらの光を受信するこ
とができなくなる。このため、これまでこの偏波依存性
を解消する様々な方法が試みられてきた。その代表的な
例が、複数の光増幅器あるいは光増幅器とバルク光学部
品とのハイブリッド構成による方法である。
【0003】この従来より用いられてきたハイブリッド
構成では、図8(a)に示すように、光増幅器801と
それに対して90°回転した光増幅器802を直列に配
置するようにしている。このことにより、光増幅器80
1におけるTM偏光の増幅利得の小さい分を光増幅器8
02で補い、全体として偏波依存性の低い増幅特性を実
現している。また、他のハイブリッド構成としては、図
8(b)に示すように、信号光を偏波別に2つの行路に
分波し、TE偏光は光増幅器801で増幅し、TM偏光
は光増幅器802で増幅する構成もある。このようにす
ることで、2つの偏光をそれぞれ増幅し、上述と同様に
低い偏波依存性を実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来では、上
述したように複数の光増幅素子を個別に配置する構成と
しているので、それら光素子を実装するときの工程が増
大し、ハイブリッド構成とした光増幅器の作製歩留りが
大幅に低下するといった問題があった。また、上述した
構成では、光増幅素子が複数必要なことから、それぞれ
に光アイソレータが必要になるため、1つのモジュール
部品としてみた場合、非常にコストが高くなってしま
う。この発明は、以上のような問題点を解消するために
なされたものであり、作製歩留りを低下させることな
く、また、低コストで偏波依存性の低い状態が得られる
ようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の半導体光素子
は、下部クラッド層,この表面の所定領域に形成された
第1のコア層,この第1のコア層上に形成された第1の
上部クラッド層,この上に形成された第1の電極からな
り、第1のコア層を含む導波路の一端に下部クラッド層
表面に対して垂直に形成された光入力端を備えた第1の
領域と、第1のコア層より大きなバンドギャップを有
し、かつ、第1のコア層より幅が広い状態で、第1のコ
ア層の他端に連続して下部クラッド層表面に形成された
第2のコア層,この上に少なくとも一部が第1の上部ク
ラッド層の一端に連続して形成された第2の上部クラッ
ド層,この上に形成された第2の電極からなり、下部ク
ラッド層表面に対して垂直に形成され、第1のコア層か
ら入力した光信号を出力する光出力端を備えた第2の領
域とから構成するようにした。以上示したことにより、
まず、第1の電極に電流を印加することで、第1の領域
では、光入力端より入力した信号光を増幅する。また、
第2のコア層の幅が、第1のコア層の幅に比べて広くな
っていることにより、第2の領域において、2つ以上の
導波路を備えることが可能となる。また、この発明の半
導体光素子は、上述のことに加えて、第2の上部クラッ
ド層は、第1の上部クラッド層に連続して形成された主
クラッド層と、この主クラッド層の一部にその一部が近
設して配置して結合部を構成して主クラッド層と同一の
幅で形成された分岐クラッド層とから構成され、光出力
端は、主クラッド層により規定された主導波路より光が
出力される主光出力端と、分岐クラッド層により規定さ
れた分岐導波路より光が出力される副光出力端とから構
成されているようにした。以上示したように、第2の領
域において、第1のコア層に連続する主クラッド層から
なる主導波路と、この主導波路に結合部で近設する分岐
クラッド層からなる分岐導波路とを備えるようにしたの
で、第1の領域で増幅された信号光を構成する偏光の一
方が、主導波路を進行し、それに垂直な偏光が結合部で
分岐導波路に移行する。また、この発明の光集積回路
は、光スプリッタと、この光スプリッタの一つの出力端
から入力された光を増幅する光増幅部と、2つの導波路
で構成された方向性結合器を有して光増幅部と接続され
た利得制御部と、光スプリッタの他の一つの出力端から
入力された光をTE偏光とTM偏光とに分離する偏波ス
プリッタと、TE偏光とTM偏光を各々光電変換する各
受光器と、この各受光器から光電変換された信号を入力
してTE偏光とTM偏光との比を電圧差に変換する作動
増幅器と、電圧差をもって方向性結合器に設けられた2
つの電極への印加電圧を制御し、光増幅部で生じる利得
の偏波依存性を解消して偏波無依存な増幅出力を利得制
御部から出力させる駆動回路とを有するものである。
【0006】 また、この発明の半導体光素子の偏波制
御方法は、光入力端から入力された光を増幅する領域1
と、2つの導波路で構成された方向性結合器を有して領
域1と接続された領域2とを備え、方向性結合器に設け
られた2つの電極への印加電圧を制御し、領域1で生じ
る利得の偏波依存性を解消して偏波無依存な増幅出力を
領域2から出力させるようにしたものである。また、下
部クラッド層,この表面の所定領域に形成された第1の
コア層,この第1のコア層上に形成された第1の上部ク
ラッド層,この上に形成された第1の電極からなり、第
1のコア層を含む導波路の一端に下部クラッド層表面に
対して垂直に形成された光入力端を備えた第1の領域
と、第1のコア層より大きなバンドギャップを有し、か
つ、第1のコア層より幅が広い状態で第1のコア層の他
端に連続して下部クラッド層表面に形成された第2のコ
ア層,この上に少なくとも一部は第1の上部クラッド層
の一端に連続して形成された第2の上部クラッド層,こ
の上に形成された第2の電極からなり、下部クラッド層
表面に対して垂直に形成され、第1のコア層から入力し
た光信号を出力する光出力端を備えた第2の領域と、2
の電極への印加電圧を制御する制御部とを備え、第2の
上部クラッド層は、第1の上部クラッド層に連続して形
成された主クラッド層と、この主クラッド層の一部にそ
の一部が近設して配置して結合部を構成し、主クラッド
層と同一の幅で形成された分岐クラッド層とから構成さ
れ、光出力端は、主クラッド層により規定された主導波
路より光が出力される主光出力端と、分岐クラッド層に
より規定された分岐導波路より光が出力される副光出力
端とから構成された半導体光素子の偏波制御方法であっ
て、制御部は、主光出力端又は複光出力端におけるTM
偏光の光出力とTE偏光の光出力とを一致させるように
第2の電極への印加電圧を制御するようにしたものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図を
参照して説明する。図1は、この発明の実施の形態にお
ける半導体光素子を示す平面図である。この半導体光素
子は、大きく分けて2つの領域に分けられる。1つは、
入射した光を増幅する例えば長さ600μmの光増幅部
1である。もう一つは、光増幅部1における利得の偏波
依存性を補償する利得制御部2である。この実施の形態
では、利得制御として方向性結合器を用いている。この
半導体光素子では、まず、図1に示すように、光入力端
101より入力した信号光が、光増幅部1の光増幅器1
02で増幅される。次いで、その増幅された信号光は、
利得制御部2の方向性結合器103を構成する主導波路
104に入射する。ここで、方向性結合器103の結合
長3000μmの結合部103aで、信号光のうちTE
偏光が分岐導波路105に移行し、光出力端107より
出射される。また、信号光のうちTM偏光は、主導波路
104をそのまま進み、光出力端106より出射され
る。
【0008】そして、主導波路電極104aおよび分岐
導波路電極105aに印加する電界を制御することで、
その光結合部103aにおけるTE偏光の移行する割合
を制御し、移行せずに主導波路を進行するTE偏光の出
力を制御する。なお、主導波路電極104aは、配線1
04bを介して電極パッド104cに接続している。同
様に、分岐導波路電極105aは、配線105bを介し
て電極パッド105cに接続している。以上のことによ
り、光出力端105におけるTM偏光とTE偏光との出
力を同一にすることで、この実施の形態の半導体光素子
では、偏波依存性を解消している。すなわち、この実施
の形態における半導体光素子では、光増幅部1で信号光
を増幅し、その偏波依存性を利得制御部2で解消するよ
うにしている。
【0009】次に、上述した半導体光素子を構成する光
増幅器102および方向性結合器103の構造に関し
て、より詳細に説明する。図2(a)は、図1の方向性
結合器103のA−A’断面を示している。また、図2
(b)は、図1の光増幅器102のB−B’断面を示し
ている。図2(a)に示すように、利得制御部2を構成
する方向性結合器103は、まず、n形のInPからな
る基板201上に、1.45μm組成のInGaAlA
s/InAlAsMQWからなる厚さ0.4μmで幅1
00μmのコア層202が形成されている。また、その
上に、1.3μm組成のInGaAsPからなる厚さ5
0nmの緩衝層203が形成されている。
【0010】そして、その緩衝層203上に、p形のI
nPからなる厚さ1.5μmで幅2μmのクラッド層2
04が2列配置されている。このクラッド層204によ
り図1に示した第1および分岐導波路104,105が
形成される。そして、これらの結合部103a(図
1)、すなわち、図2(a)において2つのクラッド層
204の間隔は、2.5μmとしている。この間隔は、
増幅する信号光の波長程度とすればよい。また、それぞ
れのクラッド層204上に、p形のInGaAsからな
る厚さ0.3μmのコンタクト層205が形成されてい
る。また、コンタクト層205上には、p側電極207
が形成され、基板201裏面にはn側電極208が形成
されている。
【0011】一方、光増幅器102は、図2(b)に示
すように、基板201上に、InGaAs/InGaA
sPMQWからなる厚さ0.15μmで幅1.5μmの
コア層209が形成され、その上に、緩衝層203を介
してクラッド層204が形成され、コンタクト層205
が形成され、その上にp側電極207が形成されてい
る。すなわち、光増幅器102と方向性結合器103
は、基板201を共通とし、クラッド層204を同一の
層で構成するようにしている。但し、コア層202はコ
ア層209より大きなバンドギャップを有し、また、コ
ア層202はコア層209より十分に幅が広い状態で形
成されている。例えば、コア層202においては、対象
とする信号光の波長より、3倍以上の幅としている。
【0012】また、光増幅器102においては、リッジ
構造となっている基板201の一部、コア層209,コ
ア層209上のクラッド層204,および,コア層20
9上のコンタクト層205が、埋め込み層206で埋め
込まれている。そして、コンタクト層205にはp側電
極207が接触している。なお、p側電極207は、光
増幅部1において、SiO2 からなる絶縁膜210を介
して、埋め込み層206上に延在している。また、基板
201裏面にはn側電極208が形成されている。
【0013】次に、上述した半導体光集積装置の製造方
法について説明する。まず、基板201上に、MOVP
E法により、InGaAsとInGaAsPを交互に成
長してMQW層を形成する。次に、そのMQW層上全域
にSiO2 膜を形成した後、公知のフォトリソグラフィ
およびドライエッチング(RIE)によって、そのSi
2 膜をパターニングする。すなわち、SiO2 膜を所
望のストライプ形状に残したSiO2 パターンを形成す
る。そして、そのSiO2 パターンをマスクとしてMQ
W層を選択的にエッチングすることで、コア層209を
形成する。この選択エッチングでは、硫酸系のエッチン
グ液を用いたウエットエッチングにより行う。次に、M
OVPE法により、今度は、基板201上にInGaA
lAsとInAlAsを交互に成長してコア層202と
なるMQW層を形成する。そして、このMQW層をすで
に形成されているコア層209とバットジョイント結合
させる。ここで、コア層209上にはSiO2 パターン
が残っているので、この上には、MQW層が成長しな
い。
【0014】次に、コア層209上に残っているSiO
2 パターンを除去した後、MOVPE法により、クラッ
ド層204となるp形InPを成長し、引き続いてコン
タクト層205となるp形InGaAsを成長させる。
その後、p形InGaAsの層上に、SiO2 によるマ
スクパターンを形成する。このマスクパターンは、光増
幅部においては幅1.5μm、利得制御部においては幅
100μmのストライプ形状である。そして、このマス
クパターンをマスクとし、ハロゲン系のガスを用いたド
ライエッチングにより、クラッド層204およびコンタ
クト層205を形成する。
【0015】次いで、ウエットエッチングでドライエッ
チングによる加工ダメージを除去した後、FeドープI
nPをMOVPE法により成長させ、埋め込み層206
を形成する。ここで、やはりFeドープInPはSiO
2 からなるマスクパターン上には成長しないので、埋め
込み層206はクラッド層204やコンタクト層205
を埋め込むように成長形成する。その後、マスクパター
ンを除去した後、絶縁膜210を形成し、この絶縁膜2
10の所定位置を窓開けして、PIe側電極207を形
成する。
【0016】そして、その後、ハロゲン系のドライエッ
チングと塩素系のウエットエッチングにより、所望の領
域を残すように選択的にエッチングすることで、利得制
御部2(図1)のクラッド層204(図2)の形状を形
成する。このことにより、利得制御部2においては、図
2(a)に示すように、それぞれ幅2μmで、間隔2.
5μmとなった、2本の導波路を構成する2つのクラッ
ド層204が形成される。最後に、基板201裏面にn
側電極208を形成することで、この実施の形態におけ
る半導体光集積装置の基本的な構成が完成する。
【0017】以下、この実施の形態における半導体光集
積装置の動作特性について、より詳細に説明する。図3
(a)に、利得制御部2(図1,図2(a))を構成す
る方向性結合器103の結合長と光パワーの移行割合と
の関係を示す。図3(a)に示すように、結合長を30
00μmとすると、この方向性結合器103に電界を印
加していないときは、TE偏光の場合は、パワー移行割
合が100%(クロス状態)になる。これに対して、T
M偏光ではパワー移行割合が0%(バー状態)となる。
図3(a)から明らかなように、一般に、TM偏光の方
がTE偏光に比べて、結合長が長い。すなわち、図1に
おいて、光増幅器102で増幅された信号光のうち、T
M偏光は、主導波路104を進行して光出力端106よ
り出射する。一方、TE偏光は、分岐導波路105に移
行し、光出力端107より出射する。したがって、この
状態では、この利得制御部2が偏波スプリッタとなって
いる。
【0018】そこで、分岐導波路電極105aに電界を
印加することで、TE偏光のパワー移行割合を低下さ
せ、TE偏光も主導波路104を進行するようにさせれ
ば、光出力端106から出射される信号光の偏波依存性
を低減させることができる。このパワー移行割合は、結
合部103aに対する電界印加によって変化する。すな
わち、電界によって導波路の屈折率は変化するが、その
屈折率変化に対してTE偏光は伝搬定数の変化が大きい
からである。図3(b)は、電界印加によって生じる導
波路間の位相差と結合長との関係を示している。図3
(b)においてクロス状態は黒丸で示し、バー状態は白
丸で示している。
【0019】図3(b)に示すように、ΔβL/π=0
のときクロス状態Aであったものが、ΔβL/π=3の
ときバー状態Bとなる。ことのき、TM偏光の場合、Δ
βL/π=0ではバー状態Cであるが、ΔβL/π=3
のときにはクロス状態には至らない。なお、βは伝搬定
数であり、Lは結合長である。このように、TE偏光の
結合部103aにおける移行の比率を、その結合部10
3aにかける電界によって制御することによって、光増
幅部1(図1,図2(b))での利得の偏波依存性を補
償することができる。
【0020】例えば、図4に示すように、図1,2に示
した構成の光増幅部1における注入電流と利得との関係
では、注入電流が100mAのときに、TE偏光とTM
偏光の間で、約7dBほど利得に差がある。そして、こ
の利得の差は常に一定ではない。光増幅部1に入射する
信号光は、時間とともに様々な偏光状態を取っているか
らである。また、この光増幅部1から得られた信号光の
うち、TE偏光は利得制御部2の結合部103aにおい
て、分岐導波路105に移行し、出力端107より出射
する。一方、光増幅部1から得られた信号光のうち、T
M偏光は利得制御部2の結合部103aにおいて分岐導
波路105に移行することなく、主導波路104をその
まま伝搬し、出力端106より出射する。
【0021】ここで、図5に示すように、分岐導波路電
極105a(図1)に印加する電圧と、出力端106か
らのTE偏光とTM偏光それぞれの規格化した光出力の
関係をみると、印加電圧が2V付近で両光出力が一致す
る。すなわち、分岐導波路電極105aに電圧を印加す
ることで、TE偏光の結合部103aにおける移行が減
少し、出力端106からのTE偏光の出力が増加する。
したがって、分岐導波路電極105aに所定の電圧を印
加することで、出力端106からのTE偏光とTM偏光
の光出力を一致させることができる。なお、印加する電
界を変化させることで、この利得制御部は、可変偏波ス
プリッタとなる。
【0022】また、図1に示す主導波路電極104aを
用いても、上述の分岐導波路電極105aを用いた場合
と同様である。すなわち、主導波路電極104aに電圧
を印加していくことで、TE偏光の結合部103aにお
ける移行が減少し、出力端106からのTE偏光の出力
が増加する。ここで、主導波路電極104aに電圧を印
加する場合、光の吸収も起こる。一般に、MQWを用い
て吸収端近傍に動作波長を設定した光素子の場合、図6
に示すように、TE偏向の方がTM偏光に比べて電圧を
加えていくと吸収が大きくなる。
【0023】より詳細に説明すると、図6に示すよう
に、主導波路電極104aに電圧を印加していくと、そ
の印加電圧が4V程度までは、図5に示した場合と同様
に、TE偏光の結合部103aにおける移行が減少し、
出力端106からのTE偏光の出力が増加する。しか
し、それ以上に電圧を印加していくと、TM偏光は変化
がないが、TE偏光の出力端106からの光出力は減少
しする。そして、主導波路電極104aに対する印加電
圧が6.5V程度のところで、再び出力端106からの
TE偏光とTM偏光の光出力が同一となる。最後に、主
導波路電極104aに対する印加電圧が8Vに近いとこ
ろで、TE偏光の出力端106からの光出力は0とな
る。
【0024】ここで、上述したこの実施の形態における
半導体光素子を用いた光集積回路の1例を図7に示す。
図7に示すように、半導体光素子は、光増幅部81と利
得制御部82とから構成され、光増幅部81に入射する
信号光は、光スプリッタ83で分割され、その一部が偏
波スプリッタ84に導かれる。偏波スプリッタ84に導
かれた信号光は、ここで、TE偏光とTM偏光に分離さ
れ、それぞれが受光器85で光電変換され、この光電変
換された信号が差動増幅器86に入力する。そして、偏
波スプリッタ84で分離されたTE偏光とTM偏光の比
が、その差動増幅器86によって電圧差に変換される。
この電圧差を持って駆動回路87を動作させ、方向性結
合器を用いた利得制御部82の結合部への印加電圧を制
御すれば、利得制御部82から出力される信号光の偏波
依存性を解消できる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、下
部クラッド層,この表面の所定領域に形成された第1の
コア層,この第1のコア層上に形成された第1の上部ク
ラッド層,この上に形成された第1の電極からなり、第
1のコア層を含む導波路の一端に下部クラッド層表面に
対して垂直に形成された光入力端を備えた第1の領域
と、第1のコア層より大きなバンドギャップを有し、か
つ、第1のコア層より幅が広い状態で、第1のコア層の
他端に連続して下部クラッド層表面に形成された第2の
コア層,この上に少なくとも一部は第1の上部クラッド
層の一端に連続して形成された第2の上部クラッド層,
この上に形成された第2の電極からなり、下部クラッド
層表面に対して垂直に形成され、第1のコア層から入力
した光信号を出力する光出力端を備えた第2の領域とか
ら構成するようにした。
【0026】以上示したことにより、まず、第1の電極
に電流を印加することで、第1の領域では、光入力端よ
り入力した信号光を増幅する。また第2のコア層の幅
が、第1のコア層の幅に比べて広くなっていることによ
り、第2の領域において、2つ以上の導波路を備えるこ
とが可能となる。したがって、この発明によれば、第2
のクラッド層を第1のクラッド層に連続した部分と、こ
の連続した部分に近設配置した部分とから構成すること
が可能となる。そして、これら第2のクラッド層の2つ
の部分により、第1の領域で増幅した信号光を、偏波依
存性のない状態とすることが可能となる。
【0027】また、この発明の半導体光素子は、上述の
ことに加えて、第2の上部クラッド層は、第1の上部ク
ラッド層に連続して形成された主クラッド層と、この主
クラッド層の一部にその一部が近設して配置して結合部
を構成して主クラッド層と同一の幅で形成された分岐ク
ラッド層とから構成され、光出力端は、主クラッド層に
より規定された主導波路より光が出力される主光出力端
と、分岐クラッド層により規定された分岐導波路より光
が出力される副光出力端とから構成されているようにし
た。
【0028】以上示したように、第2の領域において、
第1のコア層に連続する主クラッド層からなる主導波路
と、この主導波路に結合部で近設する分岐クラッド層か
らなる分岐導波路とを備えるようにしたので、第1の領
域で増幅された信号光を構成する偏光の一方が、主導波
路を進行し、それに垂直な偏光が結合部で分岐導波路に
移行する。ここで、結合部に電圧を印加することで、分
岐導波路に移行する量を減少させることで、主導波路に
おける異なる偏光の量を同一とすることが可能となり、
結果として、主光出力端より出力される光信号の偏波依
存性をなくすことが可能となる。
【0029】また、第2の領域における主導波路および
分岐導波路は、主クラッド層および分岐クラッド層によ
り規定しているので、第2の領域においては、第2のコ
ア層を加工することなく主導波路と分岐導波路とを形成
できる。したがって、第2のコア層を加工することによ
る工程の増加を抑制し、また、加工ダメージによる光伝
搬損失の増加を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態における半導体光素子
を示す平面図である。
【図2】 (a)は図1の方向性結合器103のA−
A’断面を示し、(b)は図1の光増幅器102のB−
B’断面を示す構成図である。
【図3】 利得制御部2(図1,図2(a))を構成す
る方向性結合器103の結合長と光パワーの移行割合と
の関係を示す特性図である。
【図4】 図1,2に示した光増幅部1における注入電
流と利得との関係をしめす特性図である。
【図5】 分岐導波路電極105a(図1)に印加する
電圧と、出力端106からのTE偏光とTM偏光それぞ
れの規格化した光出力の関係を示す特性図である。
【図6】 MQWを用いて吸収端近傍に動作波長を設定
した光素子における、TE偏向とTM偏光の吸収の印加
電圧依存性を示す相関図である。
【図7】 この発明の実施の形態における半導体光素子
を用いた光集積回路の1例を示す構成図である。
【図8】 偏波依存性を解消する従来例の構成を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1…光増幅部、2…利得制御部、101…光入力端、1
02…光増幅器、103…方向性結合器、104…主導
波路、105…分岐導波路、106,107…光出力
端、201…基板、202…コア層、203…緩衝層、
204…クラッド層、205…コンタクト層、206…
埋め込み層、207…p側電極、208…n側電極、2
09…コア層、210…絶縁膜。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−142590(JP,A) 特開 平9−186409(JP,A) 特開 平7−176826(JP,A) 特開 平4−96024(JP,A) 特開 平5−333383(JP,A) 特開 平6−324363(JP,A) 特開 平5−323243(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/00 - 1/125 G02F 1/313 G02B 6/12 G02B 6/122 H01S 5/00 - 5/50

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光入力端から入力された光を増幅する領
    域1と、 2つの導波路で構成された方向性結合器を有して前記領
    域1と接続された領域2と、 前記方向性結合器に設けられた2つの電極への印加電圧
    を制御し、前記領域1で生じる利得の偏波依存性を解消
    して偏波無依存な増幅出力を前記領域2から出力させる
    制御機構とを有する ことを特徴とする半導体光素子。
  2. 【請求項2】 光スプリッタと、 この光スプリッタの一つの出力端から入力された光を増
    幅する光増幅部と、 2つの導波路で構成された方向性結合器を有して前記光
    増幅部と接続された利得制御部と、 前記光スプリッタの他の一つの出力端から入力された光
    をTE偏光とTM偏光とに分離する偏波スプリッタと、 前記TE偏光とTM偏光を各々光電変換する各受光器
    と、 この各受光器から光電変換された信号を入力して前記T
    E偏光とTM偏光との比を電圧差に変換する作動増幅器
    と、 前記電圧差をもって前記方向性結合器に設けられた2つ
    の電極への印加電圧を制御し、前記光増幅部で生じる利
    得の偏波依存性を解消して偏波無依存な増幅出力を前記
    利得制御部から出力させる駆動回路とを有する ことを特
    徴とする光集積回路
  3. 【請求項3】 下部クラッド層,この表面の所定領域に
    形成された第1のコア層,この第1のコア層上に形成さ
    れた第1の上部クラッド層,この上に形成された第1の
    電極からなり、前記第1のコア層を含む導波路の一端に
    前記下部クラッド層表面に対して垂直に形成された光入
    力端を備えた第1の領域と、 前記第1のコア層より大きなバンドギャップを有し、か
    つ、前記第1のコア層より幅が広い状態で前記第1のコ
    ア層の他端に連続して前記下部クラッド層表面に形成さ
    れた第2のコア層,この上に少なくとも一部は前記第1
    の上部クラッド層の一端に連続して形成された第2の上
    部クラッド層,この上に形成された第2の電極からな
    り、前記下部クラッド層表面に対して垂直に形成され、
    前記第1のコア層から入力した光信号を出力する光出力
    端を備えた第2の領域と、前記第2の電極への印加電圧
    を制御する制御部と を備え、 前記第2の上部クラッド層は、 前記第1の上部クラッド層に連続して形成された主クラ
    ッド層と、 この主クラッド層の一部にその一部が近設して配置して
    結合部を構成し、前記主クラッド層と同一の幅で形成さ
    れた分岐クラッド層とから構成され、 前記光出力端は、 前記主クラッド層により規定された主導波路より光が出
    力される主光出力端と、 前記分岐クラッド層により規定された分岐導波路より光
    が出力される副光出力端とから構成され、 前記制御部は、前記主光出力端又は前記複光出力端にお
    けるTM偏光の光出力とTE偏光の光出力とを一致させ
    るように前記第2の電極への印加電圧を制御しているこ
    とを 特徴とする半導体光素子。
  4. 【請求項4】 請求項記載の半導体光素子において、前記第1の電極は、前記第1の上部クラッド層上に第1
    のコンタクト層を介して形成され、 前記第2の電極は、前記第2の上部クラッド層上に第2
    のコンタクト層を介して形成され たことを特徴とする半
    導体光素子。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の半導体光素子にお
    いて、 前記第2の電極は、 前記結合部の前記主クラッド層上に形成された主導波路
    電極と、 前記結合部の前記分岐クラッド層上に形成された分岐導
    波路電極とから構成された ことを特徴とする半導体光素
    子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の半
    導体光素子において、 前記第1の上部クラッド層と前記第2の上部クラッド層
    は、同一の層から構成されていることを特徴とする半導
    体光素子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6いずれか1項記載の半導体
    光素子において、 前記第1の領域において、導波路を構成する前記第1の
    コア層,第1の上部クラッド層,および、前記第1のコ
    ア層下の前記下部クラッド層の一部の側面が、絶縁層で
    埋め込まれていることを特徴とする半導体光素子。
  8. 【請求項8】 光入力端から入力された光を増幅する領
    域1と、2つの導波路で構成された方向性結合器を有し
    て前記領域1と接続された領域2とを備え、前記方向性
    結合器に設けられた2つの電極への印加電圧を制御し、
    前記領域1で生じる利得の偏波依存性を解消して偏波無
    依存な増幅出力を前記領域2から出力させることを特徴
    とする半導体光素子の偏波制御方法。
  9. 【請求項9】 下部クラッド層,この表面の所定領域に
    形成された第1のコア層,この第1のコア層上に形成さ
    れた第1の上部クラッド層,この上に形成された第1の
    電極からなり、前記第1のコア層を含む導波路の一端に
    前記下部クラッド層表面に対して垂直に形成された光入
    力端を備えた第1の領域と、 前記第1のコア層より大きなバンドギャップを有し、か
    つ、前記第1のコア層より幅が広い状態で前記第1のコ
    ア層の他端に連続して前記下部クラッド層表面に形成さ
    れた第2のコア層,この上に少なくとも一部は前記第1
    の上部クラッド層の一端に連続して形成された第2の上
    部クラッド層,この上に形成された第2の電極からな
    り、前記下部クラッド層表面に対して垂直に形成され、
    前記第1のコア層から入力した光信号を出力する光出力
    端を備えた第2の領域と、前記第2の電極への印加電圧
    を制御する制御部とを備え、 前記第2の上部クラッド層は、 前記第1の上部クラッド層に連続して形成された主クラ
    ッド層と、 この主クラッド層の一部にその一部が近設して配置して
    結合部を構成し、前記主クラッド層と同一の幅で形成さ
    れた分岐クラッド層とから構成され、 前記光出力端は、 前記主クラッド層により規定された主導波路より光が出
    力される主光出力端と、 前記分岐クラッド層により規定された分岐導波路より光
    が出力される副光出力端とから構成され た半導体光素子の偏波制御方法であって、 前記制御部は、前記主光出力端又は前記複光出力端にお
    けるTM偏光の光出力とTE偏光の光出力とを一致させ
    るように前記第2の電極への印加電圧を制御することを
    特徴とする半導体光素子の偏波制御方法。
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