JP4006159B2 - 半導体電界吸収光変調器集積型発光素子、発光素子モジュール、及び光伝送システム - Google Patents
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Description
【発明に属する技術分野】
本発明は、複数の異なる伝送特性を有するEA(Electro−Absorption;電界吸収型)変調器集積化光源(発光素子)に係り、光伝送用発光素子モジュール、光送信器、および光伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
関連する技術について、以下、第1の関連技術から第3の関連技術について述べる。
【0003】
第1の関連技術について、発光素子として、発光部にレーザを用いた半導体EA変調器集積DFB(Distributed Feedback;分布帰還形)レーザの構造を図1〜4を用いて説明する。
【0004】
図1に伝送速度10Gbit/s、20km光伝送用である、波長1.5μm帯半導体EA変調器集積DFBレーザを示す。本図では、発光素子構造説明のため、発光素子ストライプの一部断面を示している。本発光素子は、n型InP半導体基板100上に選択成長用酸化膜マスクを形成した後、第1回目の結晶成長として、周知の選択成長法によりn型InGaAsP下側光ガイド層101、アンドープInGaAsP井戸層と組成波長1.15μmであるアンドープInGaAsPの障壁層8周期からなる歪多重量子井戸構造102、アンドープInGaAsP層とp型InGaAsP層の2層からなる上側光ガイド層103を100nm等で形成されている。選択成長を用いることにより、EA変調器部108における多重量子井戸構造総厚がレーザ部109における総厚より薄く形成される。したがって、EA変調器部における歪多重量子井戸構造吸収波長がレーザ部109のそれに比べて小さくなる。さらに回折格子形成、p型InPクラッド層104を形成、メサ形成、Fe−InP層105によるメサの両側を埋め込み再成長、電極107の形成を経て図1に示す半導体EA変調器集積DFBレーザが作製される。EA変調器部導波路に電流を注入する長さである変調器長は、発光素子の帯域を決める変調器部分の容量、および消光比を考慮して157μmとし、EA変調器側である前端面には無反射コーティング110、後端面には反射コーティングを施してある。
【0005】
さらに、図2に、上記発光素子を搭載した発光素子モジュールを示す。図2に示す201は上記発光素子が搭載されたチップキャリアであり、高周波のストリップラインがパターニングされ、チップコンデンサ、および終端抵抗等が発光素子モジュールに内蔵されている。さらに、本発光素子モジュールには、サーミスタ202、アイソレータ203、レンズ205、高周波信号中継基板206、モニタPD搭載ステム209、および、冷却用ステム208が組み込まれている。207は電気信号用の高周波コネクタである。
【0006】
本発光素子モジュールで、シングルモードファイバ等の通常のファイバ20km(分散値:400ps/nm)での伝送が可能である。しかし、通常のファイバ20km以上、たとえば40km(分散値:800ps/nm)においては伝送困難となる。
【0007】
この理由は、光伝送距離をチャーピングが制限しているためである。通常、光ファイバ伝送において、伝送距離を制限している要因は主にチャーピングと光出力強度の2つが考えられる。後者の光出力強度による制限は、光アンプ等である程度増幅できるため問題とならない。ここで主に問題になるのは前者のチャーピングによる伝送距離の制限である。チャーピングとは、変調をかけた半導体レーザからの出射光の波長スペクトルの広がりである。チャーピングが伝送距離を制限する理由については、次の通りである。
【0008】
チャーピングとは次の2つの現象に起因している。第一に、発光素子におけるON/OFF変調時に、発光素子内部での屈折率変化と吸収係数変化により波長のチャーピングが生じる。第二番目は、発光素子から出た光がファイバ内を伝播する際に、波長分散が生じ、チャーピングが生じる現象である。したがって、ファイバ伝送路の距離が大きくなるほど、後者に起因したチャーピングが生じることになる。さらに過剰なチャーピングが生じると、光信号波形が歪み、伝送ペナルティが大きくなるため、伝送距離が制限されることになる。
【0009】
このチャーピングを引き起こす原因の一つである、発光素子のON/OFF変調時の屈折率変化と吸収係数変化との比がαパラメータであり、αが低いほど変調時のチャープ量が少なく、ファイバーにおける分散耐力があるといえる。したがってαパラメータが小さいほど、分散の影響を受けることなく伝送距離を伸ばすことが可能である。
【0010】
また、αパラメータについては、大信号を発光素子に入力して測定する方法、小信号を発光素子に入力してファイバーレスポンスピーク法にて測定する方法等、いくつかの評価方法があるが、本明細書においては小信号を発光素子に入力し分散補償ファイバーを使用するファイバーレスポンスピーク法による評価の値にて定義する(F.Devaux et al.,"Simple MEAsurement of Fiber Dispersion and Chirp Parameter of Intensity Modulated Light Emitter" J.Lightwave Technol.,vol.11,pp.1937−1940.,December 1993)。αパラメータは、(屈折率変化量)/(吸収係数変化量)であるため、材料、およびMQW(Multi Quantum Well;多重量子井戸型)構造に依存し、発光素子変調器部分に印加する電圧に伴い変化するが、ある仕様条件により作製された発光素子について若干のばらつきがあるが、概略、固有の値である。
【0011】
本関連技術により作製された発光素子の典型的なαパラメータのEA変調器印加電圧依存性(以下、αカーブ)を図3の(a)に示す。図3の(a)において、EA変調器に印加する電圧が、EA変調器の変調振幅Vmod、ハイレベルVOHとした場合の振幅中心、すなわち、VOH―Vmod/2における、αパラメータ値は0.1〜1.0の値を示す。このα値の場合、本関連技術の発光素子モジュールにおける光ファイバ伝送評価では、20km(分散値:400ps/nm)を伝送させた場合には所望の伝送ペナルティ値の基準を満たすことが可能である。しかし、通常のファイバ20km以上、たとえば40km(分散値:800ps/nm)において光伝送を行った場合、伝送ペナルティが基準を超えるため実用困難となる。したがって、本関連技術に示すEA変調器集積DFBレーザは、光ファイバーによる光の周波数分散を20km毎に補償する光伝送系を有するシステムに使用され、20km版EA変調器集積化DFBレーザであるといえる。
【0012】
この発光素子モジュールを用いた光送信器を使用した光伝送システムの構成例を図4に示す。本関連技術による光送信器401のあとに、光前段増幅器402、20km(分散値400ps/nm)の光ファイバ403、約20km毎に分散補償ファイバ404、光後段増幅器405、および光受信器406で構成されている。
【0013】
次に、第2の関連技術について、その構造を図1、図3、図4を用いて説明する。本説明は、伝送速度10Gbit/s、40km光伝送用である、波長1.5μm帯半導体EA変調器集積DFBレーザに適用した例である。
【0014】
上述の第1の関連技術における発光素子作製工程と異なる点は、第1回目の結晶成長にて形成する半導体活性層部分である。図1を用いて説明すると、n型InGaAsP下側光ガイド層101を58nm、アンドープ多重量子井戸構造102、およびアンドープ上側光ガイド層103厚を60nmを選択成長法にて積層する。このとき、多重量子井戸構造102における障壁層InGaAsPの組波長を1.3μmとし井戸層数が7層となるように多重量子井戸構造を作製する。また、EA変調器における電流中入長を第1の関連技術では157μmであったのを177μmとなるように発光素子寸法を設計し、それ以外は第1の関連技術と同等の条件にて作製する。さらに発光素子モジュールに搭載後の静特性、および高周波特性は第1の関連技術の発光素子を搭載した発光素子モジュールとほぼ同等であるが、αパラメータは図3の(b)に示すとおり、第1の関連技術の発光素子におけるαより低い値を示し、EA変調器に電圧をVOH―Vmod/2程度印加した時点でαの符号が負に変わっている。本関連技術で示す発光素子を搭載した発光素子モジュールにおける光ファイバ伝送評価では、第1の関連技術と異なり、通常のファイバ40km(分散値:800ps/nm)を伝送させた場合、所望の伝送ペナルティ値の基準を満たすことができる。これはαが低いために発光素子をON/OFF変調した時のチャープ量が少なくなり、この結果として光ファイバ伝送距離を長くしてもチャープ量が許容範囲に納まるためである。
【0015】
本発光素子モジュールを搭載した光送信器を使用した光伝送システムの構成を図4を用いて説明する。本関連技術による光送信器を401とすると、光前段増幅器402、40km(分散値800ps/nm)の光ファイバ403、光後段増幅器405、および光受信器406で構成されることになる。つまり、40kmの距離において、第1の関連技術の場合に必要であった分散補償ファイバ404が不要となる。一方、本関連技術による光送信器を、分散補償ファイバ404を入れた図4に示した光伝送システムに使用した場合、伝送路中に分散補償ファイバが入っているため、過剰にチャープを補償してしまう。このため過剰分散がおこり、伝送ペナルティが基準を超えてしまうため、実用困難となる。したがって、本関連技術における発光素子は、40kmまで光の周波数分散が無補償である光伝送系を有するシステムに使用され、40km版EA変調器集積化DFBレーザであるといえる。
【0016】
したがって、第1および第2の関連技術に示すように、αカーブの異なるEA変調器集積化DFBレーザを作製して、異なる光伝送システムを構築している。つまり、光ファイバーの分散値ごとにEA変調器集積化DFBレーザを使い分けて使用していることになる。
【0017】
さらに、第3の関連する技術について、以下の通り説明する。
【0018】
DFBレーザに変調器が直列に2つ形成されたデバイス構造は、例えば、K.Sato .et al.,Tech. Digest of ECOC.,(1993),WeC7,2."A Multi−Section Electroabsorption Modulator Integrated DFB Laser for Optical Pulse Generationand Modulation" がある。この構造の場合、DFBレーザに直列に形成された2つの変調器1と変調器2は、結晶構造や変調器長を含む変調器の構造が全く同一であり、同一のαパラメータを有する。したがって、この発光素子にて光伝送を行う場合、変調器1を駆動させた場合と変調器2を駆動させた場合とで、αパラメータはほぼ同じ値を有するため、伝送特性は同一となる。さらに、本関連の技術に記載されている発光素子の使用方法は、2つの変調器のうちの変調器1をRFパルスの発生に使用し、変調器2をエンコーダーとして使用している。これは、光伝送方式の1つである時分割多重光伝送を使用目的とした発光素子である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、上記関連技術では、異なる光伝送路において異なるシステムごとに、EA変調器集積化DFBレーザを設計する必要がある。
【0020】
このように、各システム(例えば20km伝送用と40km伝送用)に対して2種類以上の発光素子、および、発光素子モジュールを作製することは、今後要求されていく低コスト化において、重大なデメリットとなる。また、発光素子、あるいは発光素子モジュールを使用する側にしても、システムごとに互換性がないため、使用に不都合が生じ、低コスト化、工程短縮化の妨げとなる。
【0021】
例えば、ある都市であるサイトAから別の都市であるサイトBへ光伝送システムを設計する場合、サイトAB間距離の光ファイバーの分散と、光送信器光源のαパラメータを考慮して、適当な所に分散補償ファイバを導入する等を行い、全体の伝送路の分散を設計する。ところが、その後、仮にサイトAからの通信先が、AとBとの間に位置する新たな都市であるサイトCへ切り替わった場合、伝送距離が変わるため、光ファイバの分散値が変わることになる。このとき、上記関連技術では、光送信器光源のα値が固定されているため、光伝送システム全体の光ファイバーの分散値を新たな都市であるCのサイトの光受信器側に分散補償ファイバを敷設して調整する必要が生じる。
【0022】
これらの問題は、1つのEA変調器集積化DFBレーザが、ある1つの固有のαパラメータのみを有し、それが不可変であることに起因する。
【0023】
本発明の目的は、1つの発光素子にて、複数種類の光伝送システムを構築可能とし、設計や製造の短縮、並びに、コストの低減を図ることにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
然るに、上記課題を解決するために、1つの変調器集積化発光素子に、複数のαパラメータ特性を持たせることと特徴とする。
【0025】
したがって、例えば、2つの特性を有する第1の変調器と第2の変調器で発光素子を構成すれば、サイトAからサイトBへ光伝送する際には、変調器1を使用し、サイトAからの通信先が、AとBとの間に位置するサイトCへ切り替わった場合、変調器2を使用する、というように、1つの発光素子、あるいは発光素子モジュールにて2つのシステムに対応することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、第1から第7の実施例について説明する。
本発明の第1の実施例について図3、図5〜図10を用いて説明する。本実施例は、10Gbit/s光伝送用である、波長1.5μm帯半導体EA変調器集積DFBレーザに適用した例である。
【0027】
図5に本発明による発光素子として、発光部にレーザ異を用いた、半導体EA変調器集積DFBレーザとなる層構成示す。
関連の技術で説明したEA変調器集積DFBレーザは、レーザ部とEA変調器部の2つの部分から構成されているのに対し、本発明による発光素子としてのEA変調器集積光源は、図5に示すように、レーザ部とEA変調器1、およびEA変調器2の合計3つの部分から構成されている。したがって、レーザ部、EA変調器1、およびEA変調器2をそれぞれの多重量子井戸層構造部分の総膜厚がこの順序で厚く形成されるようなパターンの選択成長用酸化膜マスクを形成した後、第2の関連技術で述べたように、n型InGaAsP下側光ガイド層501、アンドープInGaAsP井戸層と組成波長1.3μmであるアンドープInGaAsPの障壁層7周期からなる歪多重量子井戸構造502、アンドープInGaAsP上側光ガイド層503を60nm順次形成する。この時、図5に示すように、多重量子井戸構造総厚がレーザ部、EA変調器1、EA変調器2の順で厚く形成される。したがって、EA変調器1あるいはEA変調器2における歪多重量子井戸構造吸収波長がレーザ部吸収波長に比べて小さくなり、さらにEA変調器2における多重量子井戸構造吸収端波長がEA変調器1におけるものより3から5nmほど小さくなっている。
【0028】
変調器の吸収端波長とは、変調器励起子吸収ピーク波長で定義する。この時、励起子とはクーロン力と量子閉じ込め効果により量子井戸内に存在する電子、正孔対であり、この励起子の基底状態のエネルギーが励起子吸収ピークエネルギーEに相当する。したがって、励起子吸収ピーク波長λはλ=hc/Eで与えられる。(ここで、hはプランク定数、cは真空での光速度)
続いて関連技術と同様に回折格子形成、クラッド層成長、メサ形成、およびFe−InP埋め込み成長を行う。
【0029】
次に、図6を用いて、簡単にEA変調器集積化DFBレーザの発光素子作製工程を以下に説明する。
【0030】
この時、関連技術と異なり、DFBレーザの前に2個の変調器を集積するため、メサストライプの光軸方向の長さは、800μmと長くなっている。次にDFBレーザ(109)と変調器1(601)、および変調器1(601)と変調器2(602)の間にそれぞれ分離溝603を形成する。また、このアイソレーション確保のためには、パッシベーション膜形成後に、DFBレーザ(109)と変調器1(601)の間、および変調器1(601)と変調器2(602)の間にそれぞれプロトン等の高抵抗のイオンをイオン注入することもできる。続いてパッシベーション膜106の形成、p側電極107を形成する。変調器長については、EA変調器1、およびEA変調器2とも177μmとし、EA変調器の電極パットは変調器1とEA変調器2で、メサ型導波路を挟んで両側に配置した。これ以降は、関連技術と同様に作製できる。
【0031】
続いて、図7に本発光素子をチップキャリアに搭載した図を示す。
チップキャリア701において、2つ高周波線路706が方向性結合器にならないようにEA変調器搭載部分を挟んで配置している。チップキャリア701に、本素子としてのEA変調器集積化DFBレーザ702とチップコンデンサ704を搭載後、レーザ部分とEA変調器1およびEA変調器2にそれぞれAuワイヤー705によりワイヤーボンディングを行う。このとき各々のEA変調器のAuワイヤーに関して、高周波のクロストーク、リークの問題が懸念されるが、EA変調器パット部分がメサ型導波路を挟んで配置されているため各々のAuワイヤー間に十分な距離が保たれることにより、問題がない設計になっている。また、高周波線路EA変調器は電気反射を抑制するために薄膜抵抗703で終端されている。
【0032】
さらに、図8に本素子を発光素子モジュールに搭載した図を示す。なお、このモジュール化によって気密封止されるが、図では省略している。図8に示すように、高周波入力がチップキャリアの両側に各1つづつあるため、発光素子モジュールにおいても、左右両側(図8においては上下)に高周波入力端子が来る2入力型となる以外は、第1の関連技術での説明と同様である。
【0033】
本EA変調器集積DFBレーザを搭載した発光素子モジュールの光出力特性は、EA変調器が2個集積化されているため関連技術で説明したEA変調器集積DFBレーザを搭載した発光素子モジュールより約3dB程度減少するが、実用上大きな問題は生じない。また、高周波特性である帯域、および電気信号反射においては、EA変調器1あるいはEA変調器2を駆動させた場合で若干ことなるが、実用上問題の無いレベルに制御することが可能である。次に、消光比特性、およびαパラメータにおいては、EA変調器1を駆動させた場合と、EA変調器2を駆動させた場合とで異なる特性を示す。図3を用いて説明すると、変調器1、および変調器2を駆動させた場合のそれぞれのαパラメータは図3における(b)と(a)に対応するような特性になる。したがって、EA変調器1を駆動させる場合は40km伝送システム、EA変調器2を駆動させる場合は20km伝送にそれぞれ対応させることが可能となる。本発光素子モジュールにおける高周波の入力が2入力であるため、光送信器に配置する際に若干スペースをとるが、前述の様に、高周波信号のクロストーク、方向性結合等の問題が生じにくいというメリットがある。
【0034】
図8の発光素子モジュールを光送信器に搭載したブロック図を図9、および図10に示す。
【0035】
図9の光送信器は、変調器駆動ドライバー901、本発明の発光素子902、発光素子モジュール904、およびドライバー電源905で構成されている。ドライバー電源905は、電源供給の切り替えスイッチ、および、電源供給しない変調器側へのバイアスを0Vにする機能を有する。この光送信器の場合、変調器1を使用する場合の信号入力は図中の電気信号入力1、変調器2を使用する場合の信号入力は図中の電気信号入力2とし、ドライバー電源905を切り替えることにより、異なる2種類のαパラメータ、つまり異なる2種類の伝送特性を有することが可能となる。
【0036】
一方、図10の光送信器は変調器駆動ドライバー901、本発明の発光素子902、本発明による発光素子モジュール904、および高周波切り替えスイッチ1001で構成されている。この場合、電気信号の入力は1つであり、高周波切り替えスイッチ1001を切り替えることにより、変調器1と変調器2とを切り替え、異なる2種類のαパラメータ、つまり、異なる2種類の伝送特性を有することが可能となる。
【0037】
本実施例の発光素子作製の説明では、第一回目の結晶成長において、選択成長技術を使用することにより、EA変調器1、およびEA変調器2の活性層を同時に形成している。このため、作製工程が容易である。
【0038】
変調器長は177μmとしたが、本発光素子の帯域、変調器への電圧印加時の消光比等の仕様に伴い条件を変えても、同様の効果が得られる。
【0039】
また、発光素子モジュールの実装では、上記の方法を取るほか、本素子評価結果から発光素子モジュールの段階で変調器1、あるいは変調器2のαカーブに仕様を決定して関連技術のEA変調器が一つのみである発光素子と同様の実装形態とすることも可能である。ただし、この場合は発光素子モジュール搭載以降、αパラメータを選択することは不可能となる。
【0040】
次に別の例を第2の実施例として、以下に説明する。
【0041】
図11に、第1の実施例に記載の発光素子で、2つのEA変調器の電極パットが変調器1と変調器2で、メサ型導波路を基準に同一方向に電極パットを形成し、これを発光素子モジュールに組み立て後、光送信器に搭載した図を示す。発光素子、および、発光素子モジュールの作製については、前述の説明と発光素子の電極形成工程、および発光素子モジュール実装時における高周波入力部分の配置が異なるが、ほぼ同一なので、説明は省略する。
【0042】
図11の光送信器は変調器駆動ドライバー1101、発光素子メサ型導波路の同一方向に電極パットを形成した発光素子1102、発光素子モジュール1101、高周波切り替えスイッチ1103、および変調器駆動ドライバー1104で構成されている。この場合、電気信号の入力は1つであり、高周波切り替えスイッチ1103を切り替えることにより、変調器1と変調器2とを切り替え、異なる2種類のαパラメータ、つまり、異なる2種類の伝送特性を有することが可能となる。
【0043】
さらに別の例として、第3の実施例について、図12を用いて説明する。
図12は、本発明による10Gbit/s光送信器を用いた光伝送システムの構成である。
図12(a)伝送路1の構成は、本発明による光送信器1201のあとに、光前段増幅器402、40km(分散値800ps/nm)の光ファイバ1202、光後段増幅器405、および光受信器406で構成されている。
図12(b)伝送路2の構成は、本発明による光送信器1201のあとに、光前段増幅器402、20km(分散値400ps/nm)の光ファイバ403、約20km毎に分散補償ファイバ404、光後段増幅器405、および光受信器406で構成されている。
したがって、本発明を用いることにより、伝送距離の異なるシステムに応じて、変調器を2種類の中から選択することができる。たとえば、図12の(a)に示す伝送路の場合、すなわち通常の光ファイバ20km以上、たとえば40km(分散値:800ps/nm)まで分散補償を行わない光伝送システムの場合は変調器1を使用、図12の(b)に示す伝送路のように20km毎にファイバーにおける光の周波数分散を補償するような光伝送系を有する光伝送システムにはEA変調器2を使用することが可能となり、一つ送信器にて2つのシステムにそれぞれ対応することができる。
【0044】
さらに別の例として、第4の実施例について、図6と図13を用いて説明する。
【0045】
関連技術と同様に、周知の選択成長法によりn型InGaAsP下側光ガイド層102、アンドープInGaAsP井戸層と組成波長1.15μmであるアンドープInGaAsPの障壁層8周期からなる歪多重量子井戸構造103、アンドープInGaAsP層とp型InGaAsP層の2層からなる上側光ガイド層104、p型InPキャップ層105を順次形成する。続いて選択成長にて膜厚が薄く形成されている領域の一部、つまり図13に示す変調器2部が形成される部分を、SiN膜をマスクとしてドライエッチングによりエッチングを施す。さらにウエットエッチングによる処理の後、前記ドライエッチングを施した領域に、図13に示すように、n型InGaAsP下側光ガイド層1301、アンドープInGaAsP井戸層と組成波長1.3μmであるアンドープInGaAsPの障壁層7周期からなる歪多重量子井戸構造1302、アンドープInGaAsP上側光ガイド層1303、p型InPキャップ層105をバットジョイント法により順次再成長させる。続いてSiN膜除去等の後、第1の実施例と同様に変調器が2個形成されるように発光素子を作製する。なお、こうして作製したEA変調器集積DFBレーザは図6に示すものと外見上ほぼ同一のものになるので、詳細な完成図は省略する。
【0046】
変調器1の部分と変調器2の部分では、下側光ガイド層、多重量子井戸構造、および上側光ガイド層の構造が異なるため、第1の実施例と同様に、EA変調器1、およびEA変調器2を各々駆動させた場合、αパラメータ特性が異なる。またこれに加えて、以下の原因もαパラメータの違いの要因である。変調器1の部分と変調器2の上側光ガイド層において、変調器1はアンドープInGaAsP層とp型InGaAsP層の2層からなる上側光ガイド層104であるのに対し、変調器2はアンドープInGaAsP上側光ガイド層1303であり、上側光ガイド層のドーピングレベルの違いにより、p型InPクラッド層成長後のドーパント拡散の影響によりp型InP層ドーピング濃度が変調器1と変調器2で異なるプロファイルとなる。このp型ドーピング層のp型ドーピング濃度が異なることにも起因して、αパラメータ特性が異なった値となる。
【0047】
したがって、本発光素子を発光素子モジュールに搭載し、送信光源とすることにより、システムに応じたαカーブが2種類の中から選択することができ、第1の実施例と同様の効果が得られる。さらに本実施例では、EA変調器2を作製する際に、バットジョイント技術を用いているため、第1の実施例と比較した場合、EA変調器2の多重量子井戸構造について設計の自由度が大きいという利点が上げられる。
【0048】
本実施例の変調器長は177μmとしたが、発光素子の帯域、変調器への電圧印加時の消光比等の仕様に伴い条件を変えても、同様の効果が得られる。
【0049】
また、本実施例では、多重量子井戸構造における障壁層の組成波長、量子井戸周期数、および、InGaAsP上側光ガイド層厚が、それぞれ変調器1と変調器2で異なる。これは、αパラメータが、(屈折率変化量)/(吸収係数変化量)であるため、材料、およびMQW構造に依存するためである。したがって、αパラメータの設計するにあたっては、多重量子井戸構造における障壁層の組成波長、量子井戸周期数、InGaAsP上側光ガイド層厚、InGaAsP上側光ガイド層ドーピング濃度等のパラメータを、調整して設計した場合においても同様の効果が得られる。さらに、本実施例では、バットジョイント法により再成長した部分を変調器2の部分として説明したが、変調器1部分、DFBレーザ部分、あるいはそのいずれかの組み合わせであっても同様の効果が得られる。本実施例の特徴は、第1の実施例と異なり、発光素子作製プロセスにおいては、変調器2領域の結晶成長の際にこれらのパラメータを自由に調整、設計することが可能であることである。このとき、EA変調器1における活性層吸収端がEA変調器2における活性層吸収端に比べて同等、あるいは大きい量であれば、本実施例で述べた効果と同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0050】
また、本実施例の発光素子を光伝送用発光素子モジュール、光送信器、および光伝送システムについては、実施例2、3に示したことと同様のことが考えられ、同じ効果がある。
【0051】
本発明のさらに別の実施例として、第5の実施例について、図14を用いて説明する。
【0052】
本実施例は、10Gbit/s光伝送用である、波長1.5μm帯リッジ導波路型EA変調器集積DFBレーザに適用した例にである。
【0053】
第1の実施例と同様の手法にて、第1回目の結晶選択成長を行った後、選択成長マスクを用いることにより、多重量子井戸層構造の総厚がレーザ部、EA変調器1、EA変調器2の順で厚く形成される。さらに第1の実施例の工程に従って、回折格子を形成した後、クラッド層成長を行う。続いて、臭化水素酸と燐酸の混合水溶液によるウェットエッチングを用いて、(111)A面を側壁にもつ逆メサ断面形状のメサ型光導波路1401を図14に示すように形成する。以降、リッジ導波路型レーザの通常の工程にて発光素子を作製する。
【0054】
本実施例のEA変調器集積DFBレーザにおいても、第1の実施例と同様に、変調器1、および変調器2を有し、同様の効果があると言える。また、本実施例にて説明したリッジ導波路型構造は、第1の実施例、および第2の実施例と比較してFe添加InPの埋め込み再成長が無いため、発光素子作製が容易であるという利点がある。
【0055】
本実施例においては、多重量子井戸層構造の総厚をレーザ部、EA変調器1、およびEA変調器2で変えるために選択成長法を用いている。ところが、第4の実施例で説明したように、選択成長法とバットジョイント法を組み合わせて多重量子井戸層構造の総厚をレーザ部、EA変調器1、およびEA変調器2で変えて発光素子を作製した場合も、同様の効果がある発光素子の作製が可能であすことは言うまでもない。
【0056】
また、本実施例の発光素子を光伝送用発光素子モジュール、光送信器、および光伝送システムについては、第1の実施例、第2の実施例と同様のことが考えられ、同じ効果がある。
【0057】
本発明のさらに別の実施例として、第6の実施例について、図15を用いて説明する。
【0058】
本実施例は、10Gbit/s光伝送用EA変調器集積DFBレーザで、EA変調器をn個(n≧2)直列に集積化した発光素子を用いた場合における、光伝送システムの実施例である。第1の実施例、第4の実施例、および第5の実施例において、2個のEA変調器を集積した場合の素子作製方法について、記述したが、n個のEA変調器集積化についても、結晶選択成長法、およびバットジョイント法により同様に作製が可能である。また、nをいくつになるかは、レーザの光出力パワー、および発光素子モジュール実装時の高周波信号のクロストークなどの配慮が必要である。
【0059】
第1から第5の実施例の技術により、n個直列にEA変調器を集積化した発光素子を用いて、光送信器を作製した場合における、光伝送システムの例を図15に示す。
【0060】
図15は、n個のEA変調器を集積した発光素子が組み込まれた光送信器1501、1対nの光スイッチ1502、光ファイバ403、および光受信器606で構成された光伝送システムである。このとき光送信器から光受信器までの距離がそれぞれ異なるためチャーピングの制限により、距離に応じて異なるαパラメータの送信源にて光信号を送信する必要が生じる。本発明によるαパラメータの異なるn個のEA変調器を集積した発光素子が組み込まれた光送信器を用いれば、光送信器から光受信器までの距離に応じて使用するEA変調器を切り替え、1対nの光スイッチ1502と連動させて伝送路を切り替えることにより、伝送距離の異なる所望の場所へ、データを伝送することが可能である。EA変調器の切り替え方は、例えば1〜n1までの受信部にはEA変調器1を駆動させて対応、n2〜n3までは変調器2を駆動させる、等が考えられる。
【0061】
従来は、電気信号によりn個の伝送路へ分配したのち、光信号へ変換して伝送する方式であり、伝送路n個に対して、それぞれの伝送距離に応じた電気信号を光信号に変換する光送信器がn個必要であった。しかし本発明を用いると、1つの光送信器からの信号を光スイッチで分配して、伝送距離の異なる通信を行うシステム構成が可能になる。このシステムの場合、光送信器が1つで済むことになり、低コスト化、あるいはシステム構成が単純化され設計上のメリットは大きい。
【0062】
本発明のさらに別の実施例として、第7の実施例について、図16を用いて説明する。
【0063】
本実施例は、10Gbit/s光伝送用EA変調器集積DFBレーザにおいて、EA変調器をn個(n≧2)直列に集積化した発光素子を用いた場合における、光パスネットワークに応用した実施例である。
【0064】
図16は、n個のEA変調器を集積した発光素子が組み込まれた光送信器1501、1対1の光スイッチ1601、光ファイバ403、および光受信器606で構成された光伝送システムである。このとき光送信器から光受信器までの距離がそれぞれ異なるためチャーピングの制限により、距離に応じて異なるαパラメータの送信源にて光信号を送信する必要が生じる。本発明によるαパラメータの異なるn個のEA変調器を集積した発光素子が組み込まれた光送信器を用いれば、光送信器から光受信器までの距離に応じて使用するEA変調器を切り替え、光スイッチ1602と連動させて伝送路を切り替えることにより、伝送距離の異なる所望の場所へ、データを伝送することが可能である。EA変調器の切り替え方は、例えば1〜n1までの受信部にはEA変調器1を駆動させて対応、n2〜n3までは変調器2を駆動させる、幅広い伝送距離の光パスネットワークシステムについて、対応可能である。
【0065】
【発明の効果】
本発明により、2つの異なる伝送特性を有するEA変調器集積化光源が1つの発光素子で実現でき、さらに2つの異なる伝送システムに本発明発光素子を搭載した1つの発光素子モジュール、あるいは光送信器にて対応することが可能となる。また、1つの発光素子の特性にて、2つ以上のシステムが可能であることから、発光素子作製に時の低コスト化において重大なメリットとなる。発光素子モジュールおよび光送信器に関しても、システムごとにそれらを区別する必要がなくなり、光伝送回線設計において、低コスト化、システム調整の簡易化が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】関連する半導体EA変調器集積DFBレーザを示す。
【図2】関連する発光素子モジュールを示す。
【図3】関連する発光素子におけるαカーブ特性を示す。
【図4】関連する光伝送システムの構成を示す。
【図5】本発明による半導体EA変調器集積DFBレーザとなる層構成を示す。
【図6】本発明による半導体EA変調器集積DFBレーザを示す。
【図7】本発明による半導体EA変調器集積DFBレーザを搭載したチップキャリアを示す。
【図8】本発明による発光素子モジュールを示す。
【図9】本発明による光送信器を示す。
【図10】本発明による光送信器を示す。
【図11】本発明による光送信器を示す。
【図12】本発明による光伝送システムの構成を示す。
【図13】本発明による発光素子の作製工程説明図を示す。
【図14】本発明による発光素子の作製工程説明図を示す。
【図15】本発明による光伝送システムの構成を示す。
【図16】本発明による光伝送システムの構成を示す。
【符号の説明】
100…n−InP基板、101…下側光ガイド層、102…歪多重量子井戸構造、103…上側光ガイド層、104…n−InPクラッド層、105…Fe−InP埋め込み層、106…パッシベーション膜、107…p電極、108…EA変調器部、109…DFBレーザ部、110…ARコート膜、201…従来構造のEA変調器集積DFBレーザが搭載されたチップキャリア、
202…サーミスタ、203…アイソレータ、204…光ファイバー、205…レンズ、206…高周波信号中継基板、207…高周波コネクタ、208…ペルチェ、
209…モニタPD搭載ステム、210…PIN端子、401…従来の技術1を用いた光送信器、
402…光前段増幅器、403…分散値400ps/nm以下の光ファイバ、
404…分散補償ファイバ、405…光後段増幅器、
406…光受信器、501…下側光ガイド層、502…歪多重量子井戸活性層、
503…上側光ガイド層、601…変調器1、602…変調器2、603…分離溝、701…チップキャリア、702…従来構造のEA変調器集積DFBレーザ、703…薄膜抵抗、704…チップコンデンサ、705…Auワイヤー、706…高周波線路、
801…本発明によるEA変調器集積DFBレーザを搭載したチップキャリア、
901…変調器駆動ドライバー、
902…本発明によるEA変調器集積DFBレーザ、
903…光ファイバ、
904…本発明による光素子モジュール、
905…ドライバー電源、
1001…高周波切り替えスイッチ、1101…本発明による光素子モジュール、1102…本発明によるEA変調器集積DFBレーザ、1103…高周波切り替えスイッチ、1104…変調器駆動ドライバー、1201…本発明による光送信器、1301…下側光ガイド層、1302…歪多重量子井戸構造、1303…上側光ガイド層、1401…リッジ型導波路、1501…n個のEA変調器を集積した素子が組み込まれた送信器、1502…1対nの光スイッチ、1601…1対1の光スイッチ。
Claims (10)
- 半導体電界吸収変調器集積型発光素子を含む発光素子モジュールで構成された光送信器であって、
(1)前記半導体電界吸収変調器集積型発光素子は、
発光領域である活性層に井戸層と障壁層を有する半導体多重量子井戸構造を有し、単一縦モードで発振する発光部と、
上記発光部の出射側に配置され、井戸層と障壁層を有する半導体多重量子井戸構造と該半導体多重量子井戸構造をはさむ光ガイド層とで形成された電界吸収型光変調器が複数個で構成された変調器部を有する半導体電界吸収光変調器集積型発光素子であって、
上記発光部が有する半導体量子井戸構造の総膜厚は上記変調器部の有するそれよりも大きく、かつ、上記発光部の出射側に近い方の上記変調器が有する半導体多重量子井戸構造の総膜厚は他の上記変調器が有するそれよりも大きくすることによって、上記発光部が有する半導体多重量子井戸構造の無バイアス下における吸収端波長は上記変調器部が有するそれよりも長く、上記発光部の出射側に近い方の上記変調器が有する半導体多重量子井戸構造の無バイアス下における吸収端波長が、上記発光部の出射側から遠い方の上記変調器が有する上記吸収端波長より長くなるよう構成し、
隣接する2個の前記変調器の電極パッドが、各々、メサ型導波路を挟んで両側に配置されている半導体電界吸収変調器集積型発光素子を有し、
前記複数の変調器が、ファイバーレスポンスピーク法によるαパラメータ値が異なる値をそれぞれ有しており、
(2)前記発光素子モジュールは、
前記半導体電界吸収変調器集積型発光素子がチップキャリアに搭載され、
上記発光素子と上記チップキャリアとが、前記変調器部における前記変調器の数に応じた電気信号を伝える複数の信号配線で電気的に接続され、
上記複数の信号配線が、上記電気信号を伝え、上記変調器数に応じた複数の信号入力端子に接続され、
上記発光素子が上記電気信号を電気/光変換する信号光の光軸線上に、上記信号光を集光するレンズと上記信号光を偏光させるアイソレータと上記信号光を伝達させる光ファイバとが固定され、気密封止されたパッケージとなっており、
(3)前記光送信器は、
前記信号光として送信する電気信号を入力し駆動する駆動回路と、上記電気信号の経路を切り替え信号で切り替える切り替えスイッチとで構成された駆動回路部とで構成された光送信器であって、
上記切り替え信号によって、前記複数の変調器のいずれか1つの変調器を動作させることを特徴とする光送信器。 - 前記半導体多重量子井戸構造が歪量子井戸構造であり、隣接する2つの前記変調器の前記井戸層厚と前記障壁層厚とがそれぞれ異なることを特徴とする請求項1に記載の半導体電界吸収変調器集積型発光素子。
- 隣接する2つの前記光ガイド層の厚さがそれぞれ異なることを特徴とする請求項1に記載の半導体電界吸収変調器集積型発光素子。
- 隣接する2つの前記変調器の半導体歪多重量子井戸構造における前記障壁層の組成比がそれぞれ異なることを特徴とする請求項1に記載の半導体電界吸収変調器集積型発光素子。
- 隣接する2つの前記変調器の半導体歪多重量子井戸構造における前記井戸層の層数がそれぞれ異なることを特徴とする請求項1に記載の半導体電界吸収変調器集積型発光素子。
- 隣接する2つの前記変調器のp型ドーピング層におけるp型ドーピング濃度がそれぞれ異なることを特徴とする請求項1に記載の半導体電界吸収変調器集積型発光素子。
- 隣接する2つの前記変調器のEA変調器長が異なることを特徴とする請求項1に記載の半導体電界吸収変調器集積型発光素子。
- 前記信号光として送信する電気信号を入力し駆動する駆動回路と、上記電気信号の経路を切り替え信号で切り替える切り替えスイッチとで構成された駆動回路部と、
請求項1に記載の発光素子モジュールとで構成された光送信器であって、
上記切り替え信号によって、前記複数の変調器のいずれかの変調器を動作させることを特徴とする光送信器。 - 請求項1に記載の光送信器と、
上記光送信器が発出する信号光を入力とし、前記切り替え信号に応じて複数ある出力経路のうちいずれかの出力経路に切り替え出力する光スイッチと、
上記光スイッチ出力を入力とし、上記複数ある出力経路に対応した複数の光ファイバと、
上記光ファイバと伝送する上記信号光を受信する光受信器を有する光伝送システムであって、
上記切り替え信号に応じて、上記信号光の伝送経路を切り替えることを特徴とする光伝送システム。 - それぞれ異なった波長で発光する複数の請求項9に記載の光送信器と、
上記複数の光送信器の信号光を多重し、波長多重信号光を出力する光合波器と、
上記波長多重信号光を入力とし、前記切り替え信号に応じて複数ある出力経路のうちいずれかの出力経路に切り替わ出力する光スイッチと、
上記光スイッチ出力を入力とし、上記複数ある出力経路に対応した複数の光ファイバと、
上記波長多重信号光を波長ごとのそれぞれの信号光に分離する光分波器と
上記複数の信号光を受信する光受信器を有する光伝送システムであって、
上記切り替え信号に応じて、上記信号光の伝送経路を切り替えることを特徴とする光波長多重伝送システム。
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