JPH07202337A - 半導体光素子及びその駆動方法 - Google Patents

半導体光素子及びその駆動方法

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JPH07202337A
JPH07202337A JP33696093A JP33696093A JPH07202337A JP H07202337 A JPH07202337 A JP H07202337A JP 33696093 A JP33696093 A JP 33696093A JP 33696093 A JP33696093 A JP 33696093A JP H07202337 A JPH07202337 A JP H07202337A
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layer
active layer
light
current
electrode
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JP33696093A
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Takayuki Yamamoto
剛之 山本
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、光通信に用いられる半導体光増幅器
に関し、飽和出力が高く、かつ偏波依存性が小さい半導
体光増幅器であって、しかも素子作成上のばらつきや使
用環境の変化に対して偏波依存を抑制する。 【構成】第1の電流を注入して主として横磁界(TM)
光を増幅する第1の活性層2と、第2の電流を注入して
主として横電界(TE)光を増幅する第2の活性層4
と、第1の活性層2と第2の活性層4の層間に介在し、
第1の活性層2に第1の電流を流し、かつ第2の活性層
4に第2の電流を流すための共通の電極となる電極層3
と、第1の活性層2,電極層3及び第2の活性層4の3
層を層方向に挟んで形成された第1のクラッド層1及び
第2のクラッド層5とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体光素子及びその
駆動方法に関し、より詳しくは、光通信に用いられる半
導体光増幅器及びその駆動方法に関する。半導体光増幅
器は小型、かつ他の半導体素子と集積化可能という特長
を有しており、その特性としては、飽和出力が高く、か
つ偏波依存性がないことが必要とされている。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体光増幅器には、光増幅を行
う活性層として厚膜のバルクを用いたものと、薄膜の量
子井戸層を用いたものがある。量子井戸層を用いた場
合、バルクを用いた場合と比べて高い飽和出力が得られ
るが、利得の偏波依存性が大きいという欠点がある。利
得の偏波依存性が大きい理由は、薄膜の量子井戸層の量
子サイズ効果により重い正孔と軽い正孔のバンドの縮退
が解けることで、TE光に対する利得が大きい電子−重
い正孔間の遷移とTE光に対する利得が大きい電子−軽
い正孔間の遷移のどちらか一方の遷移が支配的になるた
めである。
【0003】量子井戸層を用い、かつ偏波依存性を改良
した従来例の半導体光増幅器が種々提案されている。こ
のようなものの代表例として、図6(a),(b)に示
すような2つのものがある。どちらも量子井戸活性層に
人為的に二軸性の歪みを加えることでTE光に対する利
得とTM光に対する利得を制御し、これにより偏波依存
性を小さくしている。
【0004】図6(a)に示す半導体光増幅器は、0.2
%の引張歪が導入された量子井戸層51a〜51dとバリア
層52a〜52cとを交互に積層した活性層53を形成する
ことで、軽い正孔と重い正孔の量子準位をほぼ等しく
し、TE光の利得とTM光の利得をほぼ等しくしたもの
である(参考文献:上條 健他、信学技報OQE91−
93)。
【0005】図6(b)に示す半導体光増幅器は、TM
光の利得が大きい1%の引張歪が導入された量子井戸層
56a〜56cと、TE光の利得が大きい1%の圧縮歪が導
入された量子井戸層54a〜54dとをバリア層55a〜55f
を介在させて順次積層した多重量子井戸構造に類似の構
造の活性層57を形成することで、TE光の利得とTM
光の利得をほぼ等しくしたものである(参考文献:L.F.
Tiemeijer 他、Technical Digest of ECOC'92, pp.911-
914, Th PDII.6) 。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6
(a),(b)のような半導体光増幅器では、量子井戸
層の膜厚や組成比等作成上のばらつきが、そのまま、偏
波依存の増大につながるので、歩留り向上が難しい。ま
た、使用環境、例えば使用温度が異なる場合には、各々
の利得が温度による変動を受けるため、構造の異なる素
子を作成しなければならないという問題がある。
【0007】本発明は、係る従来例の問題点に鑑みて創
作されたものであり、飽和出力が高く、かつ偏波依存性
が小さい半導体光増幅器であって、しかも素子作成上の
ばらつきや使用環境の変化に対して偏波依存の抑制が可
能な半導体光増幅器及びその駆動方法を提供することを
目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、第1に、図
1に示すように、第1の電流を注入して主として横磁界
(TM)光を増幅する第1の活性層2と、第2の電流を
注入して主として横電界(TE)光を増幅する第2の活
性層4と、前記第1の活性層2と前記第2の活性層4の
層間に介在し、前記第1の活性層2に前記第1の電流を
流し、かつ前記第2の活性層4に前記第2の電流を流す
ための共通の電極となる電極層3と、前記第1の活性層
2,前記電極層3及び前記第2の活性層4の3層を積層
方向に挟んで形成された第1のクラッド層1及び第2の
クラッド層5とを有することを特徴とする半導体光素子
によって達成され、第2に、前記第1の活性層2は、引
張歪みが導入された量子井戸層を有することを特徴とす
る前記半導体光素子によって達成され、第3に、前記第
2の活性層4は、格子整合した量子井戸層又は圧縮歪み
を有する量子井戸層を有することを特徴とする前記半導
体光素子によって達成され、第4に、図3に例示するよ
うに、前記第1の活性層14,前記電極層15及び前記
第2の活性層16の3つの層は増幅される光の進行方向
に沿った帯層を形成し、かつ該帯層の両側に前記電極層
15と同じ導電型の埋込層26a,26bが形成され、かつ
前記埋込層26aを介して前記電極層15と接続する電極
27が前記埋込層26aに形成されていることを特徴とす
る前記半導体光素子によって達成され、第5に、図1に
示すように、前記半導体光素子を用いて、前記第1の活
性層2及び前記第2の活性層4にそれぞれ流す前記第1
の電流及び前記第2の電流を調整することにより横磁界
(TM)光に対する利得と横電界(TE)光に対する利
得をほぼ等しくして、入射光を増幅することを特徴とす
る半導体光素子の駆動方法によって達成される。
【0009】
【作用】本発明の半導体光増幅器においては、図1に示
すように、光学的には第1のクラッド層1及び第2のク
ラッド層5に挟まれた単一モード導波路が形成されるこ
とになり、かつ電気的には第1のクラッド層1−第1の
活性層2−電極層3で一つのダブルヘテロ構造が形成さ
れ、第2のクラッド層5−第2の活性層4−電極層3で
もう一つのダブルヘテロ構造が形成されることになる。
【0010】主としてTM光を増幅する第1の活性層2
として、例えば、引張歪みの導入された量子井戸層を有
する活性層を用い、主としてTE光を増幅する第2の活
性層4として格子整合した量子井戸層又は圧縮歪みの導
入された量子井戸層を有する活性層を用いる。ところ
で、増幅の利得は活性層中のキャリア数に依存して変化
する。従って、例えば、図3に示すように、電極層15
(3)を引き出すことにより電極層15(3)を介して
第1の活性層14(2)及び第2の活性層16(4)に
独立に電流を供給し、第1の活性層14(2)に流す第
1の電流、及び第2の活性層16(4)に流す第2の電
流を調整することにより、キャリア数の変化を介して、
TM光及びTE光の利得を独立に制御することができ
る。
【0011】これにより、第1の活性層14(2)及び
第2の活性層16(4)を量子井戸構造としても、又は
素子作成上のばらつきや使用環境の変化に対しても、T
M光及びTE光の利得をほぼ等しくし、偏波依存を抑制
することが可能となる。従って、飽和出力を大きくし、
かつ偏波無依存を実現することが可能となる。
【0012】
【実施例】次に、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて説明する。 (1)本発明の第1の実施例に係る半導体光増幅器の説
明 図3は、本発明の第1の実施例に係る半導体光増幅器の
全体の構成を示す斜視図である。
【0013】図3に示すように、P-InP からなる基板1
1上に、クラッド層等を介して、TM光を増幅する第1
の活性層14と、電極層15と、TE光を増幅する第2
の活性層16とが順次積層されている。各活性層14,
16はともに多重量子井戸構造(MQW構造)を有し、
かつ第1の活性層14/電極層15/第2の活性層16
の3層の周辺部の膜厚方向の構造はSCH(分離閉じ込
めヘテロ構造)構造を有している。
【0014】また、第1の活性層14/電極層15/第
2の活性層16の側部周辺部の構造は埋め込みヘテロ構
造を有している。即ち、第1の活性層14/電極層15
/第2の活性層16は、増幅されるレーザの進行方向
(光軸方向)に沿った幅1〜1.5 μmの帯状の形状を有
し、更に、第1の活性層14/電極層15/第2の活性
層16の側部にはn−InP層23a,23bと、n-In0.78
Ga0.22As0.48P0.52 層(λg =1.2 μm)24a,24b
と、n−InP層25a,25bとが順次埋め込まれてい
る。これらの埋込み層26a,26bは液相成長等により形
成される。横モード制御及び電流狭窄は、これらの埋込
み層26a,26bにより達成される。
【0015】更に、埋込み層26a,26bの部分に表出し
たn-In0.78Ga0.22As0.48P0.52 層24a上にAuGe-Au から
なる第3の電極27が形成されており、埋込み層26aを
介して第3の電極27は電極層15と接続される。n-In
0.78Ga0.22As0.48P0.52 層24aの表出は、結晶成長後に
選択エッチングによってなされる。また、光軸方向に垂
直な両端面を有しており、各端面にそれぞれ増幅すべき
光を搬送する光ファイバと増幅された光を搬送する光フ
ァイバが光学的に結合される。これらの両端面は劈開に
より形成される。
【0016】更に、第2の活性層16の上部にはクラッ
ド層等を介してコンタクト層19が形成され、コンタク
ト層19上にTi-Pt-Auからなる第2の電極21が形成さ
れている。また、基板11の裏面にも別のTi-Pt-Auから
なる第1の電極20が形成されている。上記の半導体光
増幅器を動作させる際には、第1の直流電源28は基板
11裏面の第1の電極20と第3の電極27間に、第2
の直流電源29はコンタクト層19表面の第2の電極2
1と第3の電極27間にそれぞれ接続され、TM光を増
幅する第1の活性層14とTE光を増幅する第2の活性
層16に独立に制御電流を印加する。
【0017】図2は、図3の光軸方向に活性層を切断し
た面を光軸方向に垂直な方向から見た断面図である。図
2において、12はp-InP からなる基板11上に形成さ
れた厚さ約1μmのp-InP 膜からなる第1のクラッド
層、13はクラッド層12上に形成された厚さ約40n
mのp-In0.89Ga0.11As0.24P0.76 膜(λg =1.05μm)
からなる第1の光閉じ込め層である。
【0018】14は第1の光閉じ込め層13上に形成さ
れたTM光を増幅する第1の活性層である。第1の活性
層14は、MQW構造を有し、1%の引張歪みが導入さ
れた厚さ約12nmのi-In0.48Ga0.52As0.80P0.20 膜か
らなる量子井戸層101 a〜101 cと、i-In0.89Ga0.11As
0.24P0.76 (λg =1.05μm)からなる膜厚約10nm
のバリア層102 a〜102 cとが交互に3層ずつ積層され
てなる。引張歪みが導入されることにより、TM光に対
する利得が高くなっている。電流注入により主としてT
M光が増幅される。また、利得はキャリア依存性を有す
るので、電流値を調整することにより利得調整が可能で
ある。
【0019】15は第1の活性層14上に形成された膜
厚約70nmのn-InP 層からなる電極層である。16は
電極層15上に形成されたTE光を増幅する第2の活性
層である。第2の活性層16はMQW構造を有し、厚さ
約10nmのi-In0.89Ga0.11As0.24P0.7 6 膜(λg =1.
05μm)からなるバリア層103 a〜103 cと、膜厚約1
2nmのi-In0.69Ga0.31As0.68P0.32 膜(λg =1.35μ
m)からなる量子井戸層104 a〜104 cとが交互に3層
ずつ積層されてなる。格子整合している井戸層なので、
TE光に対する利得が高くなっている。電流注入により
主としてTE光が増幅される。また、利得はキャリア依
存性を有するので、電流値を調整することにより利得調
整が可能である。
【0020】17は第2の活性層16上に形成された膜
厚約40nmのp-In0.89Ga0.11As0. 24P0.76 膜(λg =
1.05μm)からなる第2の光閉じ込め層、18は第2の
光閉じ込め層17上に形成された厚さ約2μmのp-InP
膜からなる第2のクラッド層である。19は第2のクラ
ッド層18上に形成された膜厚約0.5 μmのp-In0.78Ga
0.22As0.48P0.52 膜(λg =1.2 μm)からなるコンタ
クト層、20は基板11の表面に形成されたTi-Pt-Auか
らなる第1の電極、21はコンタクト層19表面に形成
されたTi-Pt-Auからなる第2の電極である。
【0021】22は光軸方向に垂直な両端面に形成され
たSiNからなる無反射コーティング膜(AR膜)であ
る。次に、上記の半導体光増幅器の動作について説明す
る。まず、光ファイバを半導体光増幅器の両端面に光学
的に結合した後、片側の光ファイバに、例えば、1.3 μ
m帯の波長を有する増幅すべきレーザ光を送る。これに
より、レーザ光は半導体光増幅器内に入射する。
【0022】次に、第1のクラッド層12と電極層13
の間に順方向電圧を印加して第1の活性層14に直流電
流を流すとともに、第2のクラッド層18と電極層13
との間にも順方向電圧を印加して第2の活性層16に直
流電流を流し、レーザ光を増幅する。このとき、第1の
活性層14ではTM光の利得が大きく、第2の活性層1
6ではTE光の利得が大きくなっている。TM光の利得
とTE光の利得がほぼ等しければ、電流調整の必要はな
いが、異なっている場合には、利得のキャリア数依存性
を利用して、TM光の利得とTE光の利得がほぼ等しく
なるように、それぞれの電流を調整する。これにより、
増幅されたレーザ光の偏波無依存が実現できる。
【0023】以上のように、本発明の第1の実施例に係
る半導体光増幅器においては、第1及び第2のクラッド
層12,18の層間に、第1及び第2の光閉じ込め層1
3,17を介してTM光を増幅する第1の活性層14
と、電極層15と、TE光を増幅する第2の活性層16
とが順次積層されている。即ち、光学的には第1及び第
2のクラッド層12,18に挟まれた単一モード導波路
が形成されていることになり、かつ電気的には第2のク
ラッド層18−第2の光閉じ込め層17−第2の活性層
16−電極層15で一つのダブルヘテロ構造が形成さ
れ、第1のクラッド層12−第1の光閉じ込め層13−
第1の活性層14−電極層15でもう一つのダブルヘテ
ロ構造が形成されていることになる。
【0024】従って、電極層15を介して、第1の活性
層14及び第2の活性層16に独立に電流を供給するこ
とができるので、TM光の利得及びTE光の利得を独立
に制御することが可能である。これにより、第1の活性
層14及び第2の活性層16をMQW構造としても、又
は素子作成上のばらつきや使用環境の変化に対してもT
M光の利得及びTE光の利得をほぼ等しくし、偏波依存
を抑制することが可能である。
【0025】また、第1の活性層14及び第2の活性層
16はMQW構造となっているので、大きな飽和出力を
得ることができる。 (2)本発明の第2の実施例に係る半導体光増幅器の説
明 図4は、本発明の第2の実施例に係る半導体光増幅器の
光軸方向に活性層を切断した面を示す断面図である。
【0026】図2と異なるところは、TE光を増幅する
第2の活性層16aとして、膜厚約10nmのi-In0.89Ga
0.11As0.24P0.76 膜(λg =1.05μm)からなるバリア
層106 a〜106 cと、1%の圧縮歪みが導入された厚さ
約6nmのi-In0.87Ga0.13As 0.57P0.43 膜からなる量子
井戸層105 a〜105 cとが交互に3層ずつ積層されてい
るものを用いていることである。圧縮歪みが導入される
ことにより、TE光に対する利得が高くなっている。な
お、図中、図2と同じ符号で示すものは図2と同じもの
を示す。
【0027】この場合にも、第1の実施例と同様な動作
を行わせることにより、TE光の利得及びTM光の利得
を独立に制御することができるので、飽和出力を高く、
かつ偏波依存性を小さくし、しかも素子作成上のばらつ
きや使用環境の変化に対して偏波依存を抑制することが
可能である。第2の実施例の場合、特に、TE光を増幅
する第2の活性層16aに圧縮歪みを加えることにより、
第1の実施例の格子整合の場合と比べてより小さい電流
で高利得を得ることができる。
【0028】なお、上記第1及び第2の実施例では、第
1のクラッド層12と第1の活性層14の間に第1の光
閉じ込め層13が介在し、第2のクラッド層18と第2
の活性層16又は16aの間に第2の光閉じ込め層17が
介在しているが、第1及び第2の光閉じ込め層13,1
7を省略して、直接第1の活性層14に接するように第
1のクラッド層12を形成し、かつ第2の活性層16に
接するように第2のクラッド層18を形成してもよい。
この場合、量子井戸層101a(104c,106c) とクラッド層1
2が直接接触しないように、その間にバリア層102a〜10
2cと同一のバリア層を設けることで、全ての井戸のポテ
ンシャル形状を等しくし、端部の量子井戸層の量子準位
が他の井戸層と異なることを防ぐことができる。
【0029】また、第1の活性層14が電極層15の下
に、第2の活性層16又は16aが電極層15の上に形成
されているが、第1の活性層14が電極層15の上に、
第2の活性層16又は16aが電極層15の下に形成され
てもよい。更に、第1の活性層14及び第2の活性層1
6又は16aともにMQW構造となっているが、一層のQ
W構造その他の構造であってもよい。
【0030】また、無反射コーティング膜22を形成せ
ずに両端面をへき開状態のまま乃至は適当な反射率の反
射膜を形成した場合には上記第1及び第2の実施例の素
子は半導体レーザとしても動作する。その場合、第1の
直流電源28と第2の直流電源29を調整することで、
発生するレーザ光をTE光としたりTM光としたりする
ことができる。 (3)本発明の第3の実施例に係る半導体レーザの説明 図5は、本発明の第3の実施例に係る半導体レーザの光
軸方向に活性層を切断した面を示す断面図である。
【0031】図4に示す第2の実施例と異なるところ
は、p-InPからなる基板11の表面に光軸に沿って回折
格子31を設けることにより、DFBレーザとしたこと
である。また、第3の活性層14aは1%の引張歪みが導
入された量子井戸層107a〜107cとバリア層108a〜108cと
が交互に積層されたMQW構造を有し、TMモードのレ
ーザ光を発生する。また、第4の活性層16bは1%の圧
縮歪みが導入された量子井戸層110a〜110cとバリア層10
9a〜109cとが交互に積層されたMQW構造を有し、TE
モードのレーザ光を発生する。
【0032】更に、これらの量子井戸層107a〜107c, 11
0a〜110cの組成比、膜厚はレーザ光の発振波長を調整す
るために、同じ波長帯の光増幅器の場合と異なる組成比
とすることもある。また、光軸方向に垂直な両端面に適
当な反射率のコーティングを施して共振器を形成しても
よい。なお、図中、図4と同じ符号で示すものは図4と
同じものを示す。
【0033】同一の回折格子においてもTE光に対する
ブラッグ波長とTM光に対するブラッグ波長が異なるの
で、この素子では第3の活性層14aへの注入電流と第
4の活性層16bへの注入電流を制御して発生するレー
ザ光をTE光とTM光で切り換えることで2つの発振波
長を切り換えることができる。なお、図2の構造のもの
に回折格子を設けても、同様な効果が得られる。 (4)比較例 半導体光増幅器ではないが、半導体レーザの構造におい
て、下記の2つの文献に示されるように、2つの活性層
がn型領域層を層間に挟んで形成され、上記の実施例に
類似した構造を有するものがある。
【0034】(a)M.C.Amann et.al, Electronics Let
ters vol.25 June (1989), pp.837-839 (b)山本英二他 信学技報OQE91−41(MW91-4
2 ), pp.55-60, 1991しかし、(a)の例は、チューニ
ング用途であり、活性層のバンドギャップがチューニン
グしようとする光の波長に対応するエネルギよりも大き
いため、増幅作用が行われない。従って、光増幅器とし
て用いた場合には、偏波無依存を実現することは不可能
である。
【0035】また、(b)の例では、MQW構造の活性
層はともにTEモードのレーザ光のみの利得向上のため
の構造となっている。従って、このような構造の半導体
レーザを光増幅器として用いた場合には、偏波無依存と
することは不可能である。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明の半導体光増幅器
によれば、第1のクラッド層及び第2のクラッド層の層
間にTM光を増幅する第1の活性層,電極層及びTE光
を増幅する第2の活性層が順次積層されているので、電
極層を介して各活性層に独立に電流を供給することがで
きる。
【0037】従って、各活性層に流す電流値を調整する
ことにより、キャリア数の変調を介して、TE光の利得
及びTM光の利得を独立に制御することができる。これ
により、活性層を量子井戸層としても、又は素子作成上
のばらつきや使用環境の変化に対しても、TE光の利得
及びTM光の利得をほぼ等しくして、偏波依存を抑制す
ることが可能となる。
【0038】以上により、飽和出力を高くし、かつ偏波
無依存を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体光素子の原理構成を示す断
面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る半導体光増幅器の
構成について示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る半導体光増幅器の
全体の構成について示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係る半導体光増幅器の
構成について示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例に係る半導体レーザの構
成について示す断面図である。
【図6】従来例に係る半導体光増幅器の構成について示
す断面図である。
【符号の説明】
1,12 第1のクラッド層、 2 TE光を増幅する第1の活性層、 3,15 電極層、 4 TM光を増幅する第2の活性層、 5,18 第2のクラッド層、 6,7 直流電源、 11,11a 基板、 13 第1の光閉じ込め層、 13a 第3の光閉じ込め層、 14 第1の活性層、 14a 第3の活性層、 16,16a 第2の活性層、 16b 第4の活性層、 17 第2の光閉じ込め層、 17a 第4の光閉じ込め層、 18a クラッド層、 19,19a コンタクト層、 20 第1の電極、 21 第2の電極、 22a,22b AR膜、 23a,23b,25a,25b n−InP層、 24a,24b n-InGaAsP 層、 26a,26b 埋込み層、 27 第3の電極、 28 第1の直流電源、 29 第2の直流電源、 31 回折格子、 101a〜101c,107a〜107c 1%引張歪量子井戸層、 102a〜102c,103a〜103c,105a〜105c,108a〜108c,10
9a〜109c バリア層、 104a〜104c 格子整合量子井戸層、 106a〜106c,110a〜110c 1%圧縮歪量子井戸層。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電流を注入して主として横磁界
    (TM)光を増幅する第1の活性層(2)と、 第2の電流を注入して主として横電界(TE)光を増幅
    する第2の活性層(4)と、 前記第1の活性層(2)と前記第2の活性層(4)の層
    間に介在し、前記第1の活性層(2)に前記第1の電流
    を流し、かつ前記第2の活性層(4)に前記第2の電流
    を流すための共通の電極となる電極層(3)と、 前記第1の活性層(2),前記電極層(3)及び前記第
    2の活性層(4)の3層を積層方向に挟んで形成された
    第1のクラッド層(1)及び第2のクラッド層(5)と
    を有することを特徴とする半導体光素子。
  2. 【請求項2】 前記第1の活性層(2)は、引張歪みが
    導入された量子井戸層を有することを特徴とする請求項
    1記載の半導体光素子。
  3. 【請求項3】 前記第2の活性層(4)は、格子整合し
    た量子井戸層又は圧縮歪みを有する量子井戸層を有する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導体光
    素子。
  4. 【請求項4】 前記第1の活性層と第1のクラッド層の
    層間に第1の光閉じ込め層が介在し、かつ前記第2の活
    性層と第2のクラッド層の層間に第2の光閉じ込め層が
    介在することを特徴とする請求項1,請求項2又は請求
    項3記載の半導体光素子。
  5. 【請求項5】 前記第1の活性層(14),前記電極層
    (15)及び前記第2の活性層(16)の3つの層は増
    幅される光の進行方向に沿った帯層を形成し、かつ該帯
    層の両側に前記電極層(15)と同じ導電型の埋込層
    (26a,26b)が形成され、かつ前記埋込層(26a)を
    介して前記電極層(15)と接続する電極(27)が前
    記埋込層(26a)に形成されていることを特徴とする請
    求項1,請求項2,請求項3又は請求項4記載の半導体
    光素子。
  6. 【請求項6】 請求項1,請求項2,請求項3,請求項
    4又は請求項5記載の半導体光素子を用いて、前記第1
    の活性層(2)及び前記第2の活性層(4)にそれぞれ
    流す前記第1の電流及び前記第2の電流を調整すること
    により横磁界(TM)光に対する利得と横電界(TE)
    光に対する利得をほぼ等しくして、入射光を増幅するこ
    とを特徴とする半導体光素子の駆動方法。
  7. 【請求項7】 第3の電流が注入され、主として横磁界
    (TM)モードのレーザ光を発生する第3の活性層(14
    a)と、 第4の電流が注入され、主として横電界(TE)モード
    のレーザ光を発生する第4の活性層(16a)と、 前記第3の活性層(14a)と前記第4の活性層(16a)
    の層間に介在し、前記第3の活性層(14a)に前記第3
    の電流を流し、かつ前記第4の活性層(16a)に前記第
    4の電流を流すための共通の電極となる電極層(15a)
    と、 前記第3の活性層(14a)又は前記第4の活性層(16
    a)に隣接し、かつ光の進行方向に形成された回折格子
    (31)とを有することを特徴とする半導体光素子。
JP33696093A 1993-12-28 1993-12-28 半導体光素子及びその駆動方法 Withdrawn JPH07202337A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002171027A (ja) * 2000-12-01 2002-06-14 Fujitsu Ltd 半導体光増幅器

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JP2002171027A (ja) * 2000-12-01 2002-06-14 Fujitsu Ltd 半導体光増幅器

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