JPH0893826A - 油圧緩衝器のロッドガイドの固定方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工と組付の工数低減を可能とする簡易な構
成の油圧緩衝器のロッドガイドの固定方法を提供する。 【構成】 ダンパーケース２の内周面とロッドガイド３
の外周面に互いに対向する周回溝２ａ，３ａを形成し、
ロッドガイド３側の周回溝内３ａには、その内周側にＯ
リング等の縮径可能な弾性部材１０を収容し、この弾性
部材１０の外周側には、同弾性部材１０の弾性によって
ダンパーケース２の内径より縮径可能で、かつ、ダンパ
ーケース２の周回溝２ａの深さを超える径方向高さをな
すストッパーリング１１が嵌め込まれ、その外周側がダ
ンパーケース２の周回溝２ａに係合する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、油圧緩衝器のロッドガ
イドの固定方法に関し、特に、加工と組付の工数低減を
可能とする簡易な構成のロッドガイドの固定方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】図４は従来のロッドガイド部の断面図で
あり、ピストンロッド１０１を進退可能に支えつつダン
パーケース１０２の開放端側をシールするロッドガイド
１０３は、ピストンロッド１０１に摺接するダストシー
ル１０４、ガイドブッシュ１０５、オイルシール１０
６、上記ダンパーケース１０２の内方に臨むリバウンド
部材１０７、および上記ダンパーケース１０２の内周面
との間にＯリング１０８等を備える。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ロ
ッドガイド１０３は、大きな軸方向力を確実に支え、ま
た、その組付けの必要から、上下各方向の位置決め手段
を要し、具体的には、螺合部Ｄによって結合されるキャ
ップ１０９の外周段部１０９ａをダンパーケース１０２
の端部によって係止するとともに、ロッドガイド１０３
の外周段部１０３ａをダンパーケース１０２の内周面の
溝に嵌め込まれたストッパーリング１１０によって軸線
方向の抜け止めとし、これらダンパーケース１０２側の
溝、ロッドガイド側の外周段部１０３ａ、キャップ１０
９の外周段部１０９ａ、およびロッドガイド１０３とキ
ャップ１０９の螺合部Ｄ等からなる複雑な構成を要し、
その他、２つのストッパーリングによって上下の位置決
め手段を構成する場合も含め、その複雑な構成は、加
工、組付の両面においてコスト低減の障害となってい
た。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく本
発明は、ピストンロッドを進退可能に支えつつ油圧緩衝
器のダンパーケースの開放端側をシールするロッドガイ
ドを上記ダンパーケースに内接してその軸線方向に固定
する方法において、前記ダンパーケースの内周面とロッ
ドガイドの外周面に互いに対向する周回溝を形成し、上
記ロッドガイドの周回溝内に縮径可能な弾性部材を収容
し、同弾性部材の弾性変形によってダンパーケースの内
径より縮径可能で、かつ、ダンパーケースの周回溝の深
さを超える径方向高さをなすストッパーリングを上記ダ
ンパーケースの周回溝内に収容することによりロッドガ
イドをダンパーケースに固定することとた。また、前記
弾性部材はＯリングとすることが好ましい。

【０００５】

【作用】ロッドガイドの周回溝に嵌め込んだ縮径可能な
弾性部材とその変形によってダンパーケースの内径より
縮径可能なストッパーリングとがロッドガイドの溝に対
向して形成したダンパーケースの周回溝内で弾性部材の
弾発力により拡径され、ストッパーリングの外周側がダ
ンパーケース側の周回溝内にまで及ぶとともに、ストッ
パーリングはダンパーケースの周回溝から脱出すること
なく係合されることにより、ロッドガイドがダンパーケ
ースに確実に固定される。また、上記弾性部材は入手の
容易なＯリングによっても同様の作用効果を奏する。

【０００６】

【実施例】以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図１は本発明の実施例に係る油圧緩衝器のロ
ッドガイド部の断面図である。

【０００７】ピストンロッド１を進退可能に支えつつダ
ンパーケース２の開放端側をシールするロッドガイド３
は、ピストンロッド１に摺接するダストシール４、ガイ
ドブッシュ５、オイルシール６、上記ダンパーケース２
の内方に臨むリバウンド部材７、および上記ダンパーケ
ース２の内周面との間にＯリング８等を備え、上記ダン
パーケース２の端部にキャップ９を嵌合する。

【０００８】ダンパーケース２の内周面とロッドガイド
３の外周面に互いに対向する周回溝２ａ，３ａを形成
し、ロッドガイド３の周回溝３ａ内にＯリング等の縮径
可能な弾性部材１０を収容し、同弾性部材１０の弾性変
形によってダンパーケース２の内径より縮径可能で、か
つ、ダンパーケース２の周回溝２ａの深さを超える径方
向高さをなすストッパーリング１１をダンパーケース２
の周回溝２ａ内に収容する。

【０００９】上記の構成をなす油圧緩衝器のロッドガイ
ド部の作用について説明する。図２はロッドガイドをダ
ンパーケースに組付ける時の断面図、図３は図１のＡ−
Ａ線断面と図２のＢ−Ｂ線断面を左右に対比した説明図
である。図２のロッドガイド３の周回溝内３ａには、そ
の内周側に嵌め込んだ縮径可能な弾性部材１０の外周側
にダンパーケース２の内径Ｃより縮径してストッパーリ
ング１１を嵌め込むことによりロッドガイド３をダンパ
ーケース２に内接することが可能となる。

【００１０】ロッドガイド３がダンパーケース２に進入
され、ダンパーケース２側とロッドガイド３側の両周回
溝２ａ，３ａが対向する位置において、図３の右半部の
ように縮径されていたストッパーリング１１が、同図の
左半部のように弾性部材１０の弾性によって拡径され、
ストッパーリング１１の内周側がロッドガイド３側の周
回溝３ａ内に係合しつつその外周がダンパーケース２の
周回溝２ａに及んでロッドガイド３をダンパーケース２
の軸線方向に固定する。この場合、ストッパーリング１
１は弾性部材１０の弾発力によって付勢され、ダンパー
ケース２の周回溝２ａから後退することなく、同周回溝
２ａ内に確実に保持される。

【００１１】

【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
ロッドガイドの周回溝に嵌め込んだ縮径可能な弾性部材
とその変形によってダンパーケースの内径より縮径可能
なストッパーリングとが上記ロッドガイドの周回溝に対
向して形成したダンパーケースの周回溝内で弾性部材の
弾発力により拡径され、ストッパーリングの外周側がダ
ンパーケース側の周回溝内にまで及んで係合され、この
ストッパーリングはダンパーケースの周回溝から脱出す
ることがないことから、簡易な構成と簡易な組付け作業
によってロッドガイドをダンパーケースの軸線方向に確
実に固定することができる。また、上記弾性部材は入手
の容易なＯリングによっても同様の作用効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る油圧緩衝器のロッドガイ
ド部の断面図

【図２】ロッドガイドをダンパーケースに組付ける時の
断面図

【図３】図１のＡ−Ａ線断面と図２のＢ−Ｂ線断面を左
右に対比した説明図

【図４】従来のロッドガイド部の断面図

【符号の説明】

１…ピストンロッド、２…ダンパーケース、２ａ…周回
溝、３…ロッドガイド、３ａ…周回溝、４…ダストシー
ル、５…ガイドブッシュ、６…オイルシール、７…リバ
ウンド部材、８…Ｏリング、９…キャップ、１０…Ｏリ
ング（弾性部材）、１１…ストッパーリング、Ｃ…ダン
パーケース内径。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ピストンロッドを進退可能に支えつつ油
   圧緩衝器のダンパーケースの開放端側をシールするロッ
   ドガイドを上記ダンパーケースに内接してその軸線方向
   に固定する方法において、前記ダンパーケースの内周面
   とロッドガイドの外周面に互いに対向する周回溝を形成
   し、上記ロッドガイドの周回溝内に縮径可能な弾性部材
   を収容し、同弾性部材の弾性変形によってダンパーケー
   スの内径より縮径可能で、かつ、ダンパーケースの周回
   溝の深さを超える径方向高さをなすストッパーリングを
   上記ダンパーケースの周回溝内に収容したことを特徴と
   する油圧緩衝器のロッドガイドの固定方法。
2. 【請求項２】 前記請求項１に記載の油圧緩衝器のロッ
   ドガイドの固定方法において、前記弾性部材をＯリング
   としたことを特徴とする油圧緩衝器のロッドガイドの固
   定方法。