JPH0893791A - ダンパーディスク組立体 - Google Patents

ダンパーディスク組立体

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JPH0893791A
JPH0893791A JP23496494A JP23496494A JPH0893791A JP H0893791 A JPH0893791 A JP H0893791A JP 23496494 A JP23496494 A JP 23496494A JP 23496494 A JP23496494 A JP 23496494A JP H0893791 A JPH0893791 A JP H0893791A
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JP
Japan
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disc
disc member
members
circumferential direction
stopper
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Application number
JP23496494A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Uehara
宏 上原
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Exedy Corp
Original Assignee
Exedy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダンパーディスク組立体において捩じり角範
囲を充分に広くする。 【構成】 クラッチディスク組立体1は、第1円板部材
2と1対の第2円板部材3と複数のコイルスプリング1
1と複数のストッパーピン27とスプラインハブ6とを
備えている。第1円板部材2には円周方向に並ぶ複数の
窓孔2bが形成されている。1対の第2円板部材3は第
1円板部材2の両側方に配置されている。複数のコイル
スプリング11は窓孔2b内にそれぞれ円周方向に伸び
て配置されて、第1円板部材2と第2円板部材3との間
で円周方向に弾性変形可能である。複数のストッパーピ
ン27は、1対の第2円板部材3の外周部同士を連結
し、窓孔2b内でコイルスプリング11の外周側を貫通
する。スプラインハブ6は、第1円板部材2及び第2円
板部材3のいずれか一方と一体回転するように係合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のクラッチディ
スク等に使用されるダンパーディスク組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】ダンパーディスク組立体は、たとえば自
動車のクラッチディスクに用いられる。そのようなダン
パーディスク組立体は、主に、第1円板部材と、第1円
板部材の両側方に配置された1対の第2円板部材と、両
円板部材の内周部側に配置されたハブとを備えている。
第1円板部材には円周方向に並ぶ複数の窓孔が形成され
ており、その窓孔内に円周方向に伸びるコイルスプリン
グが配置されている。1対の第2円板部材はコイルスプ
リングの両端に当接する支持部を有している。第1円板
部材と第2円板部材との間のトルク伝達はコイルスプリ
ングを通して行われる。捩じり振動によって第1円板部
材と1対の第2円板部材とが相対回転すると、その間で
複数のコイルスプリングが円周方向に伸縮する。このよ
うなダンパーディスク組立体において、低速走行時のこ
もり音を減少させるためにはコイルスプリングの捩じり
剛性を低く抑え、捩じり角範囲を広くとる必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のダンパーデ
ィスク組立体では、第1円板部材と1対の第2円板部材
との相対回転を制限するものとして、1対の第2円板部
材同士を連結するストッパー部材が設けられている。こ
のストッパー部材は、第1円板部材において複数の窓孔
の円周方向間に形成された切欠き等に挿入されている。
そして、ストッパー部材が切欠きの端部に当接すると第
1円板部材と第2円板部材とは一体回転する。ここで
は、ストッパー部材を挿通させるための切欠きが形成さ
れているために第1円板部材における窓孔を円周方向に
充分に長くできない。そのため、広い捩じり角度が得ら
れない。
【0004】本発明の目的は、ダンパーディスク組立体
において捩じり角範囲を充分に広くすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るダンパーデ
ィスク組立体は、第1円板部材と1対の第2円板材と複
数のコイルスプリングと複数のストッパー部材とハブと
を備えている。第1円板部材には、円周方向に並ぶ複数
の窓孔が形成されている。1対の第2円板部材は、第1
円板部材の両側方に配置されている。複数のコイルスプ
リングは、窓孔にそれぞれ配置されて、第1円板部材と
第2円板部材との円周方向間に弾性変形可能に配置され
ている。複数のストッパー部材は、1対の第1円板部材
の外周部同士を連結し、窓孔内でコイルスプリングの外
周側を貫通する。ハブは、第1円板部材及び第2円板部
材のいずれか一方と一体回転するように係合する。
【0006】ストッパー部材は円周方向に細長い形状で
あることが好ましい。ストッパー部材は、1対の第2円
板部材に固定される2本の脚部を有しているのが好まし
い。1対の第2円板部材には、円周方向に並び前記第2
円板材の前記2本の脚部が固定される3つの孔部が外周
部に形成されているのが好ましい。
【0007】第2円板部材には、コイルスプリングの側
方を支持するために第1円板部材から離れる方向に突出
する支持部と、支持部の外周側に連続して形成されて第
1円板部材から離れる方向に突出し、ストッパー部材が
固定される平坦部とが形成されているのが好ましい。
【0008】
【作用】本発明に係るダンパーディスク組立体では、第
1円板部材もしくは1対の第2円板部材にトルクが入力
される。そのトルクは、複数のコイルスプリングを介し
て他方に伝達され、さらにハブに出力される。第1円板
部材と1対の第2円板部材とが相対回転すると、複数の
コイルスプリングがその円周方向間で弾性変形する。な
お、第1円板部材と1対の第2円板部材との相対回転は
ストッパー部材が第1円板部材の窓孔の端部に当接する
と終了する。ここでは、ストッパー部材が第1円板部材
の窓孔内に配置されているために、窓孔を円周方向に伸
ばせる。その結果、第1円板部材と第2円板部材との捩
じり角度が広くなっている。さらに、ストッパー部材は
窓孔の中で弾性部材の外周側を貫通している。そのた
め、ストッパー部材の円周方向への移動距離が長くな
り、前記捩じり角度がさらに広くなる。
【0009】ストッパー部材が円周方向に細長い形状で
ある場合は、コイルスプリングのコイル径を大きくでき
る。コイル径が大きくなるとコイルスプリングのトルク
伝達容量が大きくなる。ストッパー部材が2本の脚部を
有している場合には、第2円板部材との固定強度が向上
する。
【0010】1対の第2円板部材に円周方向に並ぶ3つ
の孔部が形成されている場合は、ストッパー部材の2本
の脚部を3つの孔部の2つの孔部に固定され、ストッパ
ー部材は窓孔内で中心部から円周方向一方に変位配置さ
れている。このようにして、エンジン回転側の捩じり角
度を広くできる。ここでは、第2円板部材はそれぞれ全
く同様の形状であるので、同一の部品を用いることがで
き、製造コストが低下する。
【0011】第2円板部材に支持部と平坦部とが形成さ
れている場合は、コイルスプリングのコイル径を大きく
できてトルク伝達容量を大きくできる。以下にその理由
を述べる。コイルスプリングのコイル径を大きくすると
第2円板部材の支持部が径方向に大きくなる。そのた
め、第2円板部材におけるストッパー部材の固定位置
(平坦部)の始まりが径方向外方に移動する。すると、
ストッパー部材に対応して第1円板部材の窓孔を径方向
外方に拡げなければならず、窓孔のの外周部分の幅が狭
くなってしまい強度が低下する。このような問題がある
ためにコイル径を大きくすることが困難であるが、本発
明では平坦部を設けていることで、ストッパー部材を固
定するための平坦な部分を内周側に配置できる。その結
果、コイルスプリングのコイル径を大きくしても問題は
生じない。
【0012】
【実施例】図1及び図2は、本発明の一実施例が採用さ
れたクラッチディスク組立体1を示している。図1にお
けるO−Oは回転軸線であり、図2のR1 向きがエンジ
ン回転方向である。このクラッチディスク組立体1は、
第1円板部材2と、1対の第2円板部材3と、第1円板
部材2と第2円板部材3とを円周方向に連結する第1連
結部4と、中心に配置されたスプラインハブ6と、第2
円板部材3とスプラインハブ6とを円周方向に連結する
第2連結部7と、第1円板部材2の外周部に固定された
トルク入力部8とから構成されている。このクラッチデ
ィスク組立体1のトルク伝達経路を説明すると、トルク
入力部8→第1円板部材2→第1連結部4→第2円板部
材3→第2連結部7→スプラインハブ6の順番である。
【0013】第1円板部材2は、図4に示すような円板
形状であり、中心に中心孔2aを有している。また、中
心孔2aの回りには円周方向に長い4つの窓孔2bを有
している。窓孔2bの外周側部分には円周方向の幅を狭
める当接部2cが形成されている。各窓孔2bの内周側
角部は接近しており、その間の幅が狭くなっている。ト
ルク入力部8は、第1円板部材2の外周部で各窓孔2b
の間にリベット26によって固定されている。トルク入
力部8は、クッショニングプレート23と2枚の摩擦フ
ェーシング24とから構成されている。クッショニング
プレート23は図3に示すように円環状に延びる一体の
プレートであり、主に円環状に延びる連結部23aと連
結部23aの外周に設けられた複数のクッショニング部
23bとからなる。クッショニング部23bの両面には
摩擦フェーシング24が固定されている。
【0014】第2円板部材3は、同一形状の第1プレー
ト3Aと第2プレート3Bとから構成されている。各プ
レート3A,3Bは第1円板部材2の両側に配置されて
いる。第1プレート3Aと第2プレート3Bは4本のス
トッパーピン27(後述)により互いに固定されてお
り、軸方向に開くのが防止されている。第2円板部材3
の内周部には、軸方向に延びるスプライン歯3aが形成
されている。両プレート3A,3Bのスプライン歯3a
は互いに接近する方向に延びて当接している。第2円板
部材3には、第1円板部材2の窓孔2bに対応した部分
に軸方向支持部3bが形成されている。軸方向支持部3
bは軸方向外方にすなわち第1円板部材2から離れる方
向にプレス加工で押し出された半円筒状の突出部であ
る。軸方向支持部3bの円周方向両端は平坦な部分から
剪断されており、それにより平坦部に剪断面3cを形成
している。ここでは、隣接する剪断面3cの間の幅は狭
くなっている。第2円板部材3の外周平坦部3dにおい
て軸方向支持部3bの外周には連続して絞り段部3eが
形成されている。絞り段部3eは、外周平坦部3dから
軸方向外方にすなわち第1円板部材2から離れる方向に
隆起している。絞り段部3eは平坦であり、そこには3
つの孔3fが円周方向に並んで形成されている。
【0015】ストッパーピン27は、図2及び図3から
明らかなように、円周方向に細長く延びる部材であり、
2本の脚部27aを軸方向両端にそれぞれ有している。
この脚部27aが第2円板部材3の図2に示すR2 側の
2つの孔3fに内に挿入されかしめられている。ストッ
パーピン27の胴部は、第2円板部材3の各窓孔2bで
コイルスプライン11の外周側を貫通している。ストッ
パーピン27が窓孔2bの当接部2cに当接すると、第
1円板部材2と1対の第2円板部材3との相対回転がな
くなる。なお、ストッパーピン27は第2円板部材3に
対してR2 側に変位して配置されており、R1 側の捩じ
り角度が大きくなっている。
【0016】第1連結部4は、4個のコイルスプリング
11と、第1摩擦抵抗発生機構12とから構成されてい
る。各コイルスプリング11は、大コイルスプリング1
1aと、大コイルスプリング11a内に配置された小コ
イルスプリング11bとから構成されている。コイルス
プリング11は、第1円板部材2の窓孔2bと1対の第
2円板部材3の軸方向支持部3bとが形成する空間に配
置されている。コイルスプリング11の円周方向両端部
は、窓孔2bの端面と第2円板部材3の剪断面3cとに
当接している。また、コイルスプリング11の軸方向外
方および径方向外方への移動は第2円板部材3の軸方向
支持部3bにより制限されている。
【0017】第1摩擦抵抗発生機構12は、第1円板部
材2と第2円板部材3とが相対回転する時に摩擦抵抗を
発生するための機構であり、第1円板部材2と第2円板
部材3の内周部間に配置されている。第1摩擦抵抗発生
機構12は、主に、コーンスプリング14と第1フリク
ションワッシャー15と第2フリクションワッシャー1
6とから構成されている。コーンスプリング14と第1
フリクションワッシャー15とは、第1プレート3Bと
第1円板部材2の内周部間に第1プレート3B側からこ
の順で配置されている。コーンスプリング14は、図4
から明らかなように内周側に内周側に伸びる複数の突起
14aを有している。また、第1フリクションワッシャ
ー15は、内周部にスプライン溝15aが形成されてい
る。これらの突起14a及びスプライン溝15aが第2
プレート3Bのスプライン歯3aの外周側に相対回転不
能に係合している。また、第2フリクションワッシャー
16は第1プレート3Aと第1円板部材2の内周部間に
配置されている。第2フリクションワッシャー16は、
図3から明らかなように、内周部にスプライン溝16a
が形成されており、スプライン溝16aは第1プレート
3Aのスプライン歯3aの外周側に係合している。以上
のような構成でコーンスプリング14が圧縮された状態
で配置されていることにより、コースプリング14は第
2円板部材3を図1の左方に付勢し、第1フリクション
ワッシャー15を図1の右方に付勢する。その結果、第
1フリクションワッシャー15と第2フリクションワッ
シャー16は、第1円板部材2の内周側側面に圧接され
ている。
【0018】スプラインハブ6は、第1円板部材2及び
第2円板部材3の内周側に配置されている。スプライン
ハブ6の外周には外周スプライン歯6aが形成されてい
る。外周スプライン歯6aは、第2円板部材3のスプラ
イン歯3aと円周方向に所定の間隔を開けて係合してい
る。外周スプライン歯6aの図1右側端部には径方向に
突出する係止突起6bが形成されている。また、各外周
スプライン歯6aの図1左側部には切欠き6cが形成さ
れている。さらに、スプラインハブ6の内周部にはトラ
ンスミッションの入力軸(図示せず)に係合する内周ス
プライン歯6dが形成されている。
【0019】第2連結部7は、主に、1枚のスプリング
20と第3フリクションワッシャー21とから構成され
ている。スプリング20は、図1に示すように、第2プ
レート3Bの側方に配置されている。スプリング20
は、図4から明らかなように、1枚の薄いプレートであ
る。スプリング20の形状は、略真四角形状であり中心
に丸い中心孔が形成されている。スプリング20には、
円周方向に延びる複数のスリット20aが形成されてい
る。これらのスリット20aは径方向に重なるように配
置されている。これらのスリット20aにより、スプリ
ング20は軸方向及び円周方向に弾性変形可能となって
いる。なお、スプリング20の円周方向の剛性は、コイ
ルスプリング11の円周方向の剛性より大幅に低い。ス
プリング20の各角部には円周方向外側に突出する第1
係合部20bが形成されている。第1係合部20bは扇
形である。第1係合部20bは第2プレート3Bの軸方
向支持部3b間に配置され、軸方向支持部3bの円周方
向両端部断面に係合している。また、スプリング20の
内周側には第2係合部20cが形成されている。第2係
合部20cは、それぞれ径方向内側に突出する突起とそ
の両側から軸方向に延びる係止部を有している。第2係
合部20cは、スプラインハブ6の切欠き6c内に図1
右側から当接している。第2係合部20cの突起がスプ
ラインハブ6の外周スプライン歯6aの両側に係合して
いる。そのため、スプリング20とスプラインハブ6と
は相対回転不能になっている。なお、組付けられた状態
でスプリング20は軸方向に圧縮されており、そのため
に図1の状態でスプリング20はスプラインハブ6を図
1左方に、第2円板部材3を図1右方に弾性的に付勢し
ている。
【0020】第3フリクションワッシャー21は、第1
プレート3aの内周側の図1右方に配置されている。第
3フリクションワッシャー21の内周部にはスプライン
ハブ6の外周スプライン歯6aに噛み合うスプライン溝
21aが形成されている。また、第3フリクションワッ
シャー21のスプライン溝21aには係止部21bが形
成されており、係止部21bはスプラインハブ6の係止
突起6bに図1の左方から当接している。このようにし
て、第3フリクションワッシャー21は、第1プレート
3Aの内周部とスプラインハブ6の係止突起6bとの間
に配置されている。この状態で第3フリクションワッシ
ャー21はスプラインハブ6と相対回転不能に係合され
た状態で第1プレート3Aの内周面に付勢されている。
【0021】次に動作について説明する。トルク入力部
8の摩擦フェーシング24が図示しない例えばフライホ
イールに押し付けられると、トルク入力部8にトルクが
伝達され、そのトルクは第1円板部材2に伝達される。
第1円板部材2のトルクはコイルスプリング11を介し
て1対の第2円板部材3に伝達され、さらにスプリング
20を介してハブフランジ6に伝達され、ハブフランジ
6から図示しないトランスミッションの入力軸に出力さ
れる。
【0022】第1円板部材2からコイルスプリング11
および1対の第2円板部材3を介してスプリング20に
至るまでのトルク伝達について詳細に説明する。第1円
板部材2の窓孔2bの円周方向端面がコイルスプリング
11の端部を押すと、コイルスプリング11の反対側の
端部が1対の第2円板部材3の剪断面3cを押す。この
トルクは、剪断面3cから各剪断面3c間の隙間及び軸
方向支持部3bを伝わる。その結果、第2円板部材3の
トルクがスプリング20に伝達される。
【0023】次に、クラッチディスク組立体1において
例えば捩じり振動が伝達された時の各部材の相対運動に
ついて説明する。例えば捩じり角度の小さな振動がクラ
ッチディスク組立体1に伝達されると、スプリング20
が第2円板部材3とスプラインハブ6との間で円周方向
に弾性変形する。すなわち、スプラインハブ6と第2円
板部材3とが相対回転する。このとき、第3フリクショ
ンワッシャー21がスプラインハブ6と一体回転しなが
ら第2円板部材3に対して摺動して小さな摩擦抵抗を発
生する。このような低剛性・小摩擦抵抗の特性により、
捩じり角の小さな捩じり振動を効果的に減衰する。な
お、第3フリクションワッシャー21はスプラインハブ
6と一体回転するめたに、発生する摩擦抵抗が安定す
る。
【0024】捩じり角度の大きな捩じり振動がクラッチ
ディスク組立体1に伝達されると、第1円板部材2と第
2円板部材3とが相対回転する。すなわち、捩じり振動
の角度が広い場合には、スプラインハブ6と第2円板部
材3との相対回転はなくなり、一体となった第2円板部
材3およびスプラインハブ6と第1円板部材3との間で
コイルススプリング11が弾性変形する。このとき、第
2円板部材3と一体回転する第1フリクションワッシャ
ー15と第2フリクションワッシャー16が、第1円板
部材2の内周側面に摺動して大きな摩擦抵抗を発生す
る。このような高剛性・大摩擦抵抗の特性により、捩じ
り角度の大きな捩じり振動を効果的に減衰する。なお、
第1フリクションワッシャー15と第2フリクションワ
ッシャー16とが第2円板部材3と一体回転するめた
に、発生する摩擦抵抗が安定する。さらに、コーンスプ
リング14が第2円板部材3と一体回転するために、第
1フリクションワッシャー15が損傷しにくい。
【0025】次に各部材及び各部材の組合せによって得
られる効果について詳細に説明する。 (a) 第2円板部材3の剪断面3cに入力されたトル
クが軸方向支持部3bを通るために、隣接する剪断面3
cの間の幅を狭くしても第2円板部材が破損しにくい。
そのため、このクラッチディスク組立体1では、広い捩
じり角範囲を確保しつつ部品の破損が生じにくくなる。 (b) 第2円板部材3は、軸方向に延びるスプライン
歯3aによってスプラインハブ6と係合しているため、
スプラインハブ6との接触面積が大きくなっている。そ
のために、第2円板部材3が係合部分で破損しにくい。
また、従来のようにリベットを用いることがないので、
係合部分の径方向寸法をちいさくできる。また、スプラ
イン歯3aはプレス加工で形成されているため加工が容
易であり、形状の変更も容易である。そのため、スプラ
インハブ6の外周スプライン歯6aに対して相対回転不
能な形状にしたりあるいは円周方向に所定の隙間が得ら
れるような形状に製造可能である。また、第1プレート
3Aのスプライン歯3aと第2プレート3Bのスプライ
ン歯3aとは互いに接近する方に延びているために、ク
ラッチディスク組立体1の軸方向寸法が短縮される。 (c) ストッパーピン27が第1円板部材2の窓孔2
b内に貫通しているために、第1円板部材2と第2円板
部材との捩じり角範囲が広くなっている。さらに、スト
ッパーピン27はコイルスプリング11の外周に配置さ
れているために、さらに捩じり角範囲が広くなってい
る。さらに、ストッパーピン27は円周方向に長い部材
であるために、コイルスプリング11のコイル径を大き
くできる。これにより、コイルスプリング11のトルク
伝達容量が大きくなる。ストッパーピン27には2本の
脚部27aが形成されているためにストッパーピン27
を円周方向に長くしても十分な強度が得られる。また、
第2円板部材3の第1プレート3A及び第2プレート3
Bの絞り段部3eには3つの孔3fが形成されているた
めに、第1プレート3Aと第2プレート3Bとは全く同
様な形状になり、同一部材となる。そのため単一の部材
を製造すればよく、製造工程が簡略化される。 (d) 第2円板部材3に絞り段部3eが形成されてい
るために、コイル11のコイル径を大きくできる。その
理由としては、コイル11のコイル径が大きくなると軸
方向支持部3bが径方向外方に大きくなる。そのため、
第2円板部材3におけるストッパーピンの固定位置(平
坦部)が外周側に移動しているためにストッパーピンが
外周側に移動してしまう。すると、第1円板部材2の窓
孔2bを外周側に拡げなければならず、窓孔の外周側部
分の幅が狭くなってしまい強度が低下する。しかし、本
発明実施例では絞り段部3eを設けていることで、スト
ッパーピン27を固定するための平坦な部分を内周側に
配置できる。その結果、コイルスプリング11のコイル
径を大きくしても問題はない。なお、絞り段部を設けな
い場合の平坦部の始まりは図2の破線Aになる。 (e) スプリング20は従来の小コイルスプリングと
コーンスプリングとの2つの役割を果たしているため
に、部品点数が少なくなり、構造が簡略になっている。
また、スプリング20は1枚のプレートからなる構造の
ために、さらに簡略化されている。 (g) スプリング20と第3フリクションワッシャー
21とは第2円板部材3の両側方に配置されているため
に、取り付け及び分解が容易である。 (h) 第2円板部材3のスプライン歯3aはスプライ
ン歯3aは、スプラインハブ6の外周スプライン歯6a
に係合するとともに、第1摩擦抵抗発生機構12の各部
材の係合部として機能している。そのため、第1摩擦抵
抗発生機構12と係合する部分を特別に設ける必要がな
く、第2円板部材3の構造が簡単になる。
【0026】
【発明の効果】本発明に係るダンパーディスク組立体で
は、ストッパー部材が第1円板部材の窓孔内に配置され
ているために、窓孔を円周方向に伸ばせる。その結果、
第1円板部材と第2円板部材との捩じり角度が広くなっ
ている。さらに、ストッパー部材は窓孔の中で弾性部材
の外周側を貫通している。そのため、ストッパー部材の
円周方向への移動距離が長くなり、前記捩じり角度がさ
らに広くなる。
【0027】ストッパー部材が円周方向に細長い形状で
ある場合は、コイルスプリングのコイル径を大きくでき
る。コイル径が大きくなるとコイルスプリングのトルク
伝達容量が大きくなる。ストッパー部材が2本の脚部を
有している場合には、第2円板部材との固定強度が向上
する。
【0028】1対の第2円板部材に円周方向に並ぶ3つ
の孔部が形成されている場合は、ストッパー部材の2本
の脚部を3つの孔部の2つの孔部に固定する。これによ
り、ストッパー部材は窓孔内で中心部から円周方向に一
方にずれて配置されている。このようにして、エンジン
回転性側の捩じり角度を広くできる。ここでは、第2円
板部材はそれぞれ全く同様の形状であるので、同一の部
品を用いることができ、製造コストが低下する。
【0029】第2円板部材に支持部と平坦部とが形成さ
れている場合は、コイルスプリングのコイル径を大きく
できてトルク伝達容量を大きくできる。以下にその理由
を述べる。コイルスプリングのコイル径を大きくすると
第2円板部材の支持部が径方向に大きくなる。そのた
め、第2円板部材におけるストッパー部材の固定位置
(平坦部)の始まりが径方向外方に移動する。すると、
ストッパー部材に対応して第1円板部材の窓孔を径方向
外方に拡げなければならず、窓孔のの外周部分の幅が狭
くなってしまい強度が低下する。このような問題がある
ためにコイル径を大きくすることが困難であるが、本発
明では平坦部を設けていることで、ストッパー部材を固
定するための平坦な部分を内周側に配置できる。その結
果、コイルスプリングのコイル径を大きくしても問題は
生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が採用されたクラッチディス
ク組立体の縦断面図。
【図2】クラッチディスク組立体の一部切欠き平面図。
【図3】クラッチディスク組立体の部分分解斜視図。
【図4】クラッチディスク組立体の部分分解斜視図。
【符号の説明】
1 クラッチディスク組立体 2 第1円板部材 2b 窓孔 3 第2円板部材 3A 第1プレート 3B 第2プレート 3b 軸方向支持部 3c 剪断面 4 第1連結部 6 スプラインハブ 7 第2連結部 11 コイルスプリング 12 第1摩擦抵抗発生機構

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円周方向に並ぶ複数の窓孔が形成された第
    1円板部材と、 前記第1円板部材の両側方に配置された一対の第2円板
    部材と、 前記窓孔にそれぞれ円周方向に伸びて配置されて、前記
    第1円板部材と前記第2円板部材との円周方向間に弾性
    変形可能な複数のコイルスプリングと、 前記一対の第2円板部材の外周部同士を連結し、前記窓
    孔内で前記コイルスプリングの外周側を貫通する複数の
    ストッパー部材と、 前記第1円板部材及び前記第2円板部材のいずれか一方
    と一体回転するように係合するハブと、を備えたダンパ
    ーディスク組立体。
  2. 【請求項2】前記ストッパー部材は円周方向に細長い形
    状である、請求項1に記載のダンパーディスク組立体。
  3. 【請求項3】前記ストッパー部材は、前記一対の第2円
    板部材に固定される2本の脚部を有している、請求項1
    または2に記載のダンパーディスク組立体。
  4. 【請求項4】前記一対の第2円板部材には、円周方向に
    並び前記第2円板部材の前記2本の脚部が固定される3
    つの孔部が外周部に形成されている、請求項3に記載の
    ダンパーディスク組立体。
  5. 【請求項5】前記第2円板部材には、前記コイルスプリ
    ングの側方を支持するために前記第1円板部材から離れ
    る方向に突出する支持部と、前記支持部の外周側に連続
    して形成されて前記第1円板部材から離れる方向に突出
    し、前記ストッパー部材が固定される平坦部とが形成さ
    れている、請求項1〜4のいずれかに記載のダンパーデ
    ィスク組立体。
JP23496494A 1994-09-29 1994-09-29 ダンパーディスク組立体 Pending JPH0893791A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101019357B1 (ko) * 2008-12-04 2011-03-07 주식회사평화발레오 클러치 디스크 어셈블리
KR101039157B1 (ko) * 2009-01-07 2011-06-03 주식회사평화발레오 클러치 디스크 어셈블리
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